◆ minolta (ミノルタ) MD ROKKOR 45mm/f2《後期型》(SR/MD)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホール/修理が終わりご杏和するモデルは、国産は
MINOLTA製標準レンズ・・・・、
MD ROKKOR 45mm/f2《後期型》(SR/MD)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時のminolta製標準レンズ「45㎜/F2」の括りだけで捉えても、僅か4本目にあたり、前回の扱いが2020年だったので4年ぶりになります(汗)

先ず一番最初に、今回のオーバーホール/修理ご依頼者様に対しお詫びさせて頂きます!(汗)

当方の頭からすっかり光学系の格納方法について記憶がスッ飛んでいて、オーバーホール/修理ご依頼のメールを受けた際に「適切な概算見積を明示できていなかった」点につき、お詫び
申し上げます(涙)

・・申し訳ございません!(涙)

今回バラし初めてすぐに思い出しましたが、このモデルは「光学系が前群の塊と後群の塊と
言うたった2つにしか別れない/解体できない、樹脂材に拠る完全一体モールド成形
」だからです(汗) このことが明示する唯一の問題点は「このモデルは光学系内に経年劣化進行に伴い生じた薄いクモリやカビ菌の繁殖、汚れに対し全く光学系の清掃作業が執れない」結果、光学系は前後群の露出面のみと言う、極一部しか清掃できません(涙)

この点について、当方がちゃんと「概算見積」に解説していれば、ご依頼内容の一つだった「光学系の清掃」が不可能であったことが事前にお伝えできていました(汗) 当方に落ち度があった点に気づき、すぐに問い合わせメールを送信しましたが、そのまま整備を進めるとの
ご指示を頂きました・・いえ、悪いのは当方なんです!(汗) 本当にスミマセン!(涙)

↑上の写真は、以前扱った2020年時点のこのブログ掲載写真からの転載です(汗) ご覧の
ように光学系前群 (左) と後群 (右) という「たったの2つの塊 (樹脂材に拠る完全一体モールド成形)」でしか取り出せないのです (高温プレッシング成形されている為、ここからさらに分解できない)(汗)

高温成形なら、そもそも光学硝子レンズが溶けるじゃないか!」と言う指摘がありますが(笑)、実はオールドレンズに実装する光学硝子レンズの溶融解温度帯は「凡そ850℃から上」なので、エンジニアリング・プラスティック材の溶融解温度よりもさらに高温である為、プレッシング成形してもビクともしません (チョ〜熱いけど)(笑)

そこで、お詫びの気持ちとして「当方が過去に加熱処置に拠り、ジャンク品に堕としてしまった個体から無事だった光学系後群を取り出し、それを転用しました」取り出した光学系後群の後玉には、一部に菌糸状のカビ除去痕が残るものの、今回扱った個体の光学系後群のように「全面に渡り薄いクモリが生じている後玉」に比べれば間違いなく「キレイな写真が撮れる」のは100%保証します (届いた個体で撮影すると霧中撮影のように写ります)。

然し、残念ながら、当方所有のジャンク品個体は「光学系前群を加熱処置で溶かしてしまった (樹脂製だから)」為に、折角のきれいな前群が転用できません(涙) 従って「光学系前群だけは届いた個体のまま組み上げている」ので、僅かなカビ菌の繁殖がそのまま残っています(涙)

・・申し訳ございません!(涙)

この点、後ほど掲示しますが、ご請求額よりご納得頂ける金額の減額をお願い申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。

ちなみに、当方が「加熱処置」で溶かしジャンク品に堕としてしまったのは2016年の為、
2020年時点で扱った個体 (上の掲載写真) はまた別のオーバーホール/修理ご依頼分です(汗)

  ●               

1958年minolta初一眼 (レフ) フィルムカメラ「minolta SR-2」を発売しますが、この時採用されたバヨネットマウント規格にはまだ
オールドレンズからの設定絞り値をカメラボディ側へ伝達する機能/
が用意されていませんでした。従ってフィルムカメラ側は「開放測光機能」をまだ装備していません。
(正式名称としてSRマウントと言うマウント規格は存在していない)

従ってオールドレンズ側のマウント面直前に「プレビューボレバー」を飛び出させた設計でオプション交換レンズ群含め用意されます。

左写真はAUTO ROKKOR-PF 58mm/f1.4《前期型-II》 (SR)」
ですが、左端にその「プレビューレバー」に付随するツマミが写って
います。

主だったモデルには全てマウント面直前に「プレビューレバー」を 装備しているので、そのレパー操作により撮影前に設定絞り値まで 絞り込む事で確認できるようになっています。

しかし今回ここで取り上げたのには理由があり、左右の写真を見て
真っ先に目に飛び込んでくるのは「美しく光彩を放つグリーン色の
蒸着コーティング層
」です (前後玉で光彩を放っている)(涙)

まさにこの当時のminolta製オールドレンズの多くのモテルが、巷で『緑のロッコール』
もてはやされたその根拠になった要素ですが、先ずはこの「グリーン色の濃さ」をシッカリと目に焼き付けておいて下さいませ。

やがて1966年になるとようやく「TTL測光方式」を採用した一眼レフ (フィルム) カメラ「SR-T101」が登場し、この時に再びセットレンズを含む全てのオプション交換レンズ群が「MC ROKKORシリーズ」に一新されました。

この時揃えられたオプション交換レンズ群は「プレビューレバー」が全てのモデルから消えています。

MC ROKKORシリーズ」にはマウント面に「MC爪」なる突出が
用意され「カメラボディ側へ設定絞り値伝達」が実現できています。

←左写真はMC ROKKOR-PG 58mm/f1.2《前期型−II》(SR/MD)」です。

従ってマウント面の方向に向けて「MC爪」が飛び出すので「TTL測光方式」の機能を活用するなら、装着できるカメラボディ側も変わってきます。

ここでも今回ピックアップした理由があり、蒸着コーティング層の色合いが「エメラルドグリーン」へと変化してきたことをご確認下さいませ。合わせて後玉からその輝きも相当消えています!(汗)

そしていよいよ1977年世界初の「シャッター速度優AE/絞り優先AE/マルチプログラムAE (疑似的自動露出方式)」を採り入れた一眼 (レフ) フィルムカメラ「minolta XD」が登場します。

この時に三たびセットレンズを含む全ての オプション交換レンズ群がフルモデルチェンジし「MDシリーズ」として登場します。従来よりマウント面に突出していた「MC爪」の他に、新たに「MD爪」が用意されます。

←いよいよ今回扱ったモデルへと話が繋がります(汗) 左写真は今回
扱った個体の完成個体を撮影しているMD ROKKOR 45mm/f2
《後期型》
(SR/MD)』
です。

ここでも意味があってピックアップしており、同様蒸着コーティング層をご確認下さい。「とうとうグリーン色の光彩が消えてしまった」のが分かると思います(汗)

マウント面は従前「MC爪」の他に「MD爪」が備わり「シャッター
速度優AE
/絞り優先AE/マルチプログラムAE」全てに対応しました。
MD」の「D」は「Dual (デュアル)」の頭文字です。

右写真も今回の完成品から撮影しています (後群内の白い影は貼り
合わせレンズの映り込みで、キズや汚れ状ではありません
)。

ちなみに今回扱ったMD ROKKOR 45mm/f2 (SR/MD)』が登場した年度は、ネット上を探索すると1978年との解説ですが、実はそのタイミングで発売された一眼 (レフ) フィルムカメラ「minolta XG-SE」の説明書に明確に「オプション交換レンズ群一覧の中に印刷されていた」ことを確認しました。

そもそもこのフィルムカメラ「minolta XG-SE」が輸出機なので、右写真のように装着している今回のモデルも「MD ROKKOR-X 45mm/f2」刻印に変わっています (同様オールドレンズ側での輸出機モデルの意味合いで使われていた)。他に欧州向けに「CELTIC (セルティック) のモデル銘ながら同一仕様を踏襲」も輸出専用商品として当時出荷されています。

↑こんな感じで「minolta自身が焦点距離45㎜を標準レンズ域の括りの中に据えていた
証拠
」なのが「STANDARD LENS SPECIFICATIONS」標題で歴然です(汗)

しかもいろいろフィルムカメラ側の取扱説明書を細かく調べたところ「前年の1977年までの発売機種には同じ一覧に45㎜が含まれていなかった」ことから、少なくとも1977年に発売されたminoltaの一眼 (レフ) フィルムカメラ群にはまだ出荷が対応できていなかったことが窺えます(汗)

従って今回扱ったモデルの発売時期が1978年と捉えるのが理に適っているように考察できます(汗)

  ●               

ようやく本題に入れますが、毎度ながら長くて本当に申し訳ございません!(汗)

←左写真は1974年のミノルタレンズカタログから抜粋した世界に先駆け開発した「アクロマチックコーティング (AC)」を解説する
項目です。するとここに明白に「カラー再現性の向上 (より自然に忠実な色表現の実現)」と記されています。さらに今までのシングルコー
ティング層
(単層膜蒸着コーティング層) では排除しきれなかった有害な紫外線域の光学系内透過を低減させる目的まで述べています(驚)

つまこのカタログ項目内で明確に印刷しているように「色の三原色にみた時の混色たる
白色の再現性にこだわった複層の薄膜蒸着技術
」なのが判り、且つそのホワイトとは「決してフィルム印画紙に映し出される白色を指さず、入射光の厳密な成分/波長制御の一つ」を指すと理解できます(驚)

・・これ意外に重要なポイントです!(涙)

ここまでは当方の今までの認識範疇でしたが、実は当方も思い込みにより捉え方を間違えていた事実を、今回のカタログ調査で把握しました!(汗)
アクロマチックコーティング (AC) が明示していた『緑のロッコール』は、
その色合いに限定されず「マルチコーティング化が進んでからも、別の色合いで蒸着され続けていた」事実です(汗)

←左写真は1981年のレンズカタログから抜粋してきた項目です。

アクロマチックコーティング (AC) 誕生が昭和33年 (1958年) と明記され、さらに「忠実で自然な色再現性の追求 (その為に有害な紫外線域をカットしていた)」こそが主眼であり、それは「可視光域帯の
グリーン領域に膨らみをもたせることで、入射光透過に合わせて色再現性の向上を狙った
」ことが窺えます。

当方は「アクロマチックコーティング (AC) =グリーン色の光彩ー放つ蒸着コーティング層」と勝手に決め込んでいましたが(汗)、実は今までに或る一つの疑念が残ったままでした。

1973年のminoltaとライカとの技術提携は、レンジファインダーカメラの「LEITZ minolta CL」やライカ側「LEICA CL」の開発/発売のみならず、実はそのタイミングで「ライカ製オールドレンズの蒸着コーティング層に対する薄膜蒸着技術の提携」をも意味していたことを掴んでいましたが、その証拠になるサイトの情報が飛んでしまいました(汗)

これは実際にこれらレンジファインダーカメラ向けに用意された焦点距離40㎜/F2モデルの特許出願申請書の記述内でそれを指すが如く内容を確認できますし、もちろん開発された
光学系も掲載されています (また別の機会に調査)。

従ってここまでの解説から「アクロマチックコーティング (AC) =グリーン色の光彩ー放つ
蒸着コーティング層
」は成り立たず、今回扱った「MDシリーズ」或いはすぐ後に登場する
New MDシリーズ (但しminolta社内にこの呼称は存在しない)」でも蒸着されていた可能性を否定できなくなりました(汗)

すると前述で掲示してきた「グリーン色の光彩が次第に消えていった」との受け取りは「アクロマチックコーティング (AC) 層が使われなくなった」との印象にも繋がりかねず、そういう表現自体が適切ではないことを理解しました(汗)

  ●               

前回の扱いが4年前だったので、もう一度このモデルでの「素晴らしい」実写を味わう為に、ネット上から漁ってきました(笑)






↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
左端から円形ボケの表出について実写をピックアップしています。撮影角度が正面であれば「真円の円形ボケリングボケ玉ボケ」までの表出が叶いますが(涙)、周辺部は口径食の
影響を受け歪なカタチになります(汗) またほぼ開放側でしか円形ボケの表出は難しそうで、下手するとエッジが角ばって写ります (つまり五角形に写る)(汗)

収差の影響を巧みに活かし、ピント面の背後をトロットロボケに残すのも意外と得意なよう
です(驚)

二段目
さらに滲んでボケ具合が進むと、ピント面に対する背景ボケへと変化していきます。ザワツイた煩い背景ボケばかりに堕ちず、ここでも意外に優しく滲んで溶けていくので、それを逆手に掴んで「ピント面の鋭さ感をさらに誇張」させると、こんな感じに映るようです(驚)

1枚めは、タンポポの綿にピント面をセットしているので、その背景の滲み方に対して、その左横方向は「収差ボケ」なのが分かります。ところが色滲みすら目立たない写りで「さすがにこのモデルの素性の良さに感じ入った」写真で、その傾向は2枚めにも続きます(驚)

また3枚めと4枚めを比較として敢えて実写をピックアップしましたが、3枚めが普通なピント面の印象に観えるものの、4枚目は太陽光と思しき照り返しに蓮の花をあてがってしまい、さらに「ピント面のエッジがその逆光に負けずに先鋭に映し出されている写真」であり、単なるパンケーキレンズの括りで捉えると、まるで別次元の写りを残すモデルです!(驚)

・・正直、この写真に改めてオドロキを感じました(汗)

三段目
この段が当方のお気に入りの一つになります。ここでピックアップの主体として取り上げているのは「空気感/空気の厚み/そこから生ずる生々しさ」です(汗) 一見普通の写真にしか見えませんが、実はそれぞれにちゃんと「空気層の感触が漂う」光のコントロールを感じます(汗)

左端1枚めはGケースの上に「空気層」を感じますし、2枚めはいつもなら被写体の素材感や材質感を表す質感表現能力の高さで使うような写真ですが、然しここにも「空気層の厚み」を周囲に感じずに入られません(驚) 4枚めのスタンドも白黒写真ながら「漂う纏わり付くような空気層」すら感じますし、最後右端の4枚めは陰影の影の生々しさが堪りません(笑)

四段目
この段もこのモデルのオドロキの要素を垣間見る魅力的な写真ばかりです!(驚) 例えばこの写真が焦点距離58㎜のオールドレンズで撮られているなら納得できますが(汗)、焦点距離45㎜最短撮影距離60cmと言う実距離で撮られたポートレート撮影とは、バット見で
捉えようがありません!(驚)

やはり生々しい人肌感をしっかり写し込んでいるところが、前述の質感表現能力の高さを物語っていますが、それだけではありません(汗) 好み出るの光学設計の凄さは「光の制御の素晴らしさ」であり、そこから来る人肌感の生々しさではないかと「光学知識が皆無な当方のクセに」感じ入っているポートレート撮影です。当然ながら動物毛もリアルで緊迫感すら伝わってきます(汗)

五段目
グラデーションや階調表現の確認のためにピックアップしてみました。左側2枚の写真を見ると、ノッペリした壁に堕ちそうなシ~ンながら、しっかり階調表現を残せています。また鎖と壁とのバランス性も確実に写し込んでおり、質感表現能力の高さだけに堕ちていません(汗) 3枚めの蒸気機関車の写真は、吐き出すスチームの量すら感じるほどに「音と光と匂いまで伝わりそうな写真」その、そのリアル感の凄さにオドロキです(驚)

最後の右端は被写界深度の様子としてピックアップしており、開放f値F2による撮影なのが分かっているので、意外にも被写界深度は薄く/狭く内容です(笑)

六段目
そしてまさにこの段が、このモデルに拠る「光の制御の卓越性」を示すが如く、どの実写も
明暗部や陰影にグラデーションも階調表現まで含め「光源に負けていない」素晴らしさを感じます。

↑上の図は、左端が今回扱ったモデルMD ROKKOR 45mm/f2《後期型》(SR/MD)』の光学系開発の緒に据えられそうな特許出願申請書特開昭54-041129で、その特許出願申請書掲載図面を当方の手によりトレースしたのが2つめの構成図です。

また1979年当時のレンズカタログ掲載の抜粋と、そこから同様当方がトレースした構成図が右端になります。

このように5群6枚の拡張ダブルガウス型光学系構成として開発し実装してきた背景、引いて言えば、製品化に際し「クシャッと潰したようなカタチで前群を開発してきた理由」こそが、巷で騒ぐまるで言う処の「パンケーキレンズ化への狙い」として、minoltaの開発意欲を掲げるネット上サイトも多いですが、実は当方の考え方は別の角度から観ています(汗)

minoltaの最終的な狙いは「フィルムカメラの出荷台数底上げ」とそれに纏わる「オプション交換レンズ群の販売強化」であり、それを前提に据えて初めて「パンケーキレンズ化は筐体サイズの小型化/薄型化が主眼ではなく、スナップ撮影を流行らせる先行的な市場への意図的/恣意的な戦略ととれます(汗)

例えば、後に合併するKONICAが一眼 (レフ) フィルムカメラ「FS-1」を発売してきたのは1979年です。この辺りで各社薄型軽量化が進み、パンケーキレンズ化も各社でまるで熱を帯びて一過性の風邪の如く(笑)、流行ったような気がします・・KONICAの「HEXANON AR 40mm/f1.8 (AR)など。

するとパンケーキレンズの開発/出荷が主体ではなく「スナップ撮影を流行らせる為に薄くコンパクト化した」一方で、慣れてくると他のオプション交換レンズ群も入手したくなるとの戦略だったように当方には見えます(汗)・・いわゆるサクッと街なかスナップ撮影させておいて、次第に欲が出てくるとみているワケです(笑) その前哨戦は既に完成していて「シャッター速度優AE/絞り優先AE/マルチプログラムAE」全てに対応しているとなれば、残るは小型化/軽量化
/そしてコスト削減だと思います(汗)

実際今回の個体で実践された「エンジニアリング・プラスティック材による高温モールド一体成型」についても特許出願申請書を確認したので(汗)、今回扱ったモデルのパンケーキレンズ化に向けて、着々と準備を進めていたことが掴めます (実際は他のオールドレンズでも実践)。

詰まる処、相当当時のminoltaは疲弊が進んでいて(涙)、単なる材のコスト削減ではなく「光学性能は落とさず、然し他で削減を図る戦略」がその裏に張り付いていたとすれば、パンケーキレンズ化もなんだか悲しい現実だったような気がします(涙)

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はMD ROKKOR 45mm/f2《後期型》(SR/MD)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホール/修理が完了したオールドレンズの写真になります。

↑上の写真は当初バラし始めた時に撮影しています。レンズ銘板と「フィルター枠」を外した
だけの状態ですが、ご覧のように「フィルター枠の裏側はビチャビチャ」さらに「鏡筒のフチ部分もビチャビチャ」と経年劣化進行に伴う揮発油成分の液化して溢れ出ています(汗)

また距離環の締付固定環は金属製ですが、そちらには至る箇所に「赤サビ」が出ています(汗) 光学系前群の前玉には裏側になりますが「カビ菌の繁殖」が視認できます(涙)

↑同様バラし始めている時の撮影です。距離環を取り外してヘリコイド群を見えるようにしました。古いグリースは「白色系グリース」が相当な量で塗布されていますが、既に経年劣化進行に伴い、ヘリコイドメス側のアルミ合金材摩耗粉が混ざりあい「濃いグレー状」に変質して
いるのが分かります(汗)

上の写真を見ると相当粘性を帯びているように見えますが、実はバラす前の距離環駆動は・・
ツーツーのトルク感」で軽めです(笑)

鏡筒の内壁には「カビ菌の繁殖」が確認できますし、絞りユニットの締付固定環には「朱色の固着剤」が塗られており、この個体が数十年前の整備だったことが判明します・・それは当時の固着剤で市場流通品が「朱色だった」ワケで、今ドキの流通品は「青緑色」です。

それを確認するだけで凡そですが、過去メンテナンス時のタイミングを推測できます(汗)

またヘリコイドメス側にも、やはり経年劣化進行に伴う「白サビや赤サビ」も複数箇所に出ています(汗)

↑ヘリコイド群を抜いて外したところです。鏡筒 (左) の外壁がそのままヘリコイドオス側に設計されており、ご覧のとおりエンジニアリング・プラスティック製の樹脂材鏡筒です。右側のヘリコイドメス側には、前述のとおり「白サビと赤サビ」が相当量で現れています(涙)

↑ヘリコイド群を取り払い、マウント部も外したところを後玉側方向から撮影しています。

残念ながら後玉の「露出面側にカビ菌の繁殖」が酷く、合わせて実はほぼ全面に渡り「クモリを帯びている」状況です(涙)・・これで撮影すると「夢中撮影ならぬ霧中撮影」にしかなり
ません(笑)

またブルー色の矢印で指し示している箇所には「直進キー」が締め付け固定されているものの
その締付ネジは「サビが噴いていてキモイ」感じで、正直触りたくないです(笑)

↑取り外したヘリコイドメス側を溶剤で洗浄した直後を撮影しています。グリーン色の矢印
サビが「赤サビ」を指し示し、ブルー色の矢印が「アルミ合金材に噴く白サビ」です(汗)

現在分解整備済を謳いヤフオク!にオールドレンズを出品している出品者が、その出品ページで「グリースが塗られているアルミ合金材/黄銅材は、グリースに守られていて水没しない限り錆びない」と言い切っていますが、それなら上の写真をどう説明するのでしょうか???(笑)

・・今回扱ったこの個体は一時期水没していたのでしょうか???(笑)

笑い話を通り越して「呆れる」しかありません(笑) こういう「グリースは油だから金属材は
サビから守られている
」との思い込みと固定観念で凝り固まっている人達が・・確かに一定の勢力で居ます(笑)

・・そう信じきれるのが、本当に信じられません!(笑)

金属材は精製時点で材の均質性が問われている」ことを理解していません(笑) 金属だから硬くて内部は均質な塊になって精製されていると信じてやまない人達です(笑)

実際は均質ではなく、また切削時に微細なクラックも生じ、そこに「水分が浸透していく」から経年劣化進行に伴いサビが発生します。さらにもっと言えば、グリースにより金属材が守られているのではなく「ヘリコイドの螺旋状条ネジの構造」部分にのみ充填されているだけの話で、それすら隙間が生じていれば「水分は否応なく浸透していく」ため「ヘリコイドのネジ山の底や中腹にも白サビ日が現れる」のを、その出品者は全く理解していません(笑)

よく「グリースは油だから水を寄せ付けずに弾く」と指摘してくる人が居ますが(笑)、それは「界面原理」と「張力原理」を全く考慮しておらず、上の写真の説明すらできません(笑)・・
恥ずかしい人達です(汗)

↑上の写真もバラした後に溶剤で洗浄して撮影しています。エンジニアリング・プラスティック材パーツで鏡筒 (左) とその内部に組み込まれる絞りユニットの「位置決め環」です (右)。

すると過去メンテナンス時に塗布されていた「朱色の固着剤とその成分」が樹脂材表層面に
広がっているのが分かります (白っぽく写っている箇所)。

一部は固着剤そのモノであり、そこから広がった固着剤の成分なので「濃淡があるように見える」次第です(汗)

自ら整備していてこういう要素に・・どうして無頓着なのでしょうか???(笑)

これら白っぽく写っている「固着剤とその成分」は、溶剤線状では反応せず (溶けない)、マイナスドライバー使っていちいちコジイて剥ぎ取るしかありません(汗)

いったいどうして樹脂材にこのような固着剤を塗りまくるのでしょうか??? 将来的に次の整備時にこうなることを理解していないのでしょうか??? よくもそれで「プロの整備者」を名乗れるものだと感心します(笑)

自慢気に微笑んで写真に撮られている、何処ぞの整備会社の「プロの整備者」が居ますが(笑)
どんだけ「低俗な整備」をヤリ続けているのか???(笑)

しかもそれを父子二世代でヤッているから、いつまで経ってもこういう「低俗な整備」が絶えません(涙)

・・本当に世知辛い世の中です(涙)

これらの固着剤の使い方は100%間違っています!(汗) minoltaの固着剤の色合いも確認済ですが (以前ワンオーナー品を整備した際に製産時点の固着剤を自分の目で確認している)、固着剤は「ネジ部に極微量だけ注入する」のが正しく、締付ネジなどの上から被せて覆うように塗っているのは「全て過去メンテナンス時のバカな整備者の仕業」です(笑)・・YouTubeのハウツー動画のせいで、またたくまに広がってしまいました(涙)

単なる視聴回数稼ぎで儲けたいだけなのでしょうが、それを見た心無い視聴者が、今度は真似して自分で整備を始めるのが、前述の「分解設備済」を謳ったヤフオク!の出品者です(笑)

金属研磨」について、まるで狂ったように出品ページで解説しまくっていますが(笑)、全く
以てその把握が正しくなく「COSINAのハイレベルな整備技術と同じ手法」と謳いますが、この出品者は「肝心な要素を見落としている」から、単なる頭でっかちに至り、オールドレンズ個体の「製品寿命を短命化させているだけ」の話にです(涙)

・・そういう自分だけ良ければいいと言う概念、勘弁してほしいです!(涙)

金属材を研磨した際に起こるクラック現象を蔑ろにすると、数年後に痛い目を見ます(怖)

もっと言うなら「金属加工会社が切削後、どうしてメッキ加工会社に洗浄委託してくるのか」の一点に於いて全く道理が通っておらず、しかも自らのコトバで説明できていません(笑)

・・だから頭でっかちと言っている!(笑)

しかも酷いことに「金属加工した後に磨いて仕上げていない」とまて明言しています(笑)・・笑いを通り越して呆れるしかありません(汗)

もしもそうなら、整備している時の手の指は血だらけになっているハズです(笑)・・これを
どう説明するのでしょうか???

そうやってネット噛りでサクッと情報を掴んで、あたかも自分の技術として使いまわしている人達が、本当に昨今多くなり困る限りです(涙)

当方は今までの13年間で3,000本を超えるオールドレンズの個体を完全解体してきたからこそ、このような話をしています(笑) 「金属材を見下したら、とんでもない目に遭う」と唾を飛ばす勢いで言いたいですね!(怒)

当方が示すこのような着眼点は、以前取材させて頂いた金属加工会社の社長さんからも賛同を得ており「オールドレンズの整備者の中で、珍しくまともに金属材に向かい合っている人」とまでお褒め頂いています (社長、その節はありがとう御座いました!)(涙)

そういう多くのオールドレンズ整備者にあって、手前味噌に、利己的にオールドレンズを扱う姿勢は、結果的に50年後の個体数を激減させていく結末にしか至らず、自分だけ良ければ
良いとの概念が、オールドレンズを『絶滅危惧種』へと導いています!(涙)

オークションで高く売ったり、カメラショップで高い価格をつけて並べたり、全ては自分達の為だけしか考えておらず、そのような「利己的な整備者」「低俗な整備」「偏見の整備」を
経た個体が、その後どうなるのかまで全く考えていません(涙)

・・恥ずべき行為です!(怒)

↑今回の個体は当初バラす前の確認時点で「距離環を回した時、左右方向で極僅かなガタつきを指が感じ取っていた」次第で、特にピーク/山の前後動の際にカタコトと左右方向に微動する為、気を遣うシ~ンのピント面だったりすると面倒です(汗)

パッと考えると「古いグリースのせい」と思われがちですが、全く違います(笑)

その因果は「上の写真直進キーの微調整をミスっていたから」であり、要は過去メンテナンス時の整備者の不始末です(汗)

上の写真は、既にオーバーホール/修理工程を進めて組み上げている最中の撮影ですが「直進キー」の微調整も終わり、ごく微細なガタつきなど生じない「とても素晴らしいトルク感に仕上がった」と明言できます(涙)

当初バラした直後は、この「直進キー」がささるガイド/溝部分にまで「白色系グリース」が塗られまくりでしたが(笑)、そのグリースは数十年間一切活用せず「白いまま残っていた」のを、いったいどう説明するのでしょうか???(笑)

もしも活用され効果が現れていたら「白色系グリースは濃いグレーじように変質していたハズ」なのに、白いままなのはどうしてなのでしょうか???(笑)

こういう事柄の一つ一つが「観察と考察」であり「原理原則」に則れば、自ずとその答えが導き出されます(笑)・・その行き着く先こそが、製産時点に限りなく近づく『本来在るべき姿』に到達し、まさにそれこそが『製品寿命の延命化の現れ』と言えるのではないでしうか???

・・当方は、そう思いますね(涙)

↑完璧なオーバーホール/修理が終わりました!(涙) 残念ながら光学系を解体できないので、グリーン色の矢印で指し示している箇所・・前玉の裏側・・にカビ菌の繁殖が残っています(涙)

この光学系は、例えば近い将来的に「ジャンク品などを入手して、そこから転用する」のも
一つの手です (樹脂材の一体モールド成形だから交換が簡単)。従って注意深く市場を観察し、ジャンク品で低価格ながらも「光学系がキレイ」な個体を手に入れるのも、良いですね(笑)

但し光路長確保が必須なので (何しろ一体成型で丸ごとですから) 入れ替えには、少々コツが
あります(汗)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でも、コーティング層の経年劣化進行に伴う極薄いクモリすら皆無ですが、残念ながら「カビ除去痕に付随する極々
薄いクモリ
」は前後玉にわ僅かに残っています(汗)

↑冒頭のとおり、当方の「概算見積メール」送信内容に不備があり、そのお詫びの気持として光学系後群を転用している」為、従来の全面に渡る薄いクモリなどは当然ながら存在せず「グリーン色の矢印で指し示した位置にある、カビ菌の繁殖のみ (小さいカビ菌繁殖が多少
幾つか残っています)」スカッとクリアな後玉に替わりました(涙)

↑5枚の絞り羽根もキレイになり、絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

当初バラす前の確認時点で「絞り羽根は絞り環操作でf8以降閉じるのをやめていた」のをご報告申し上げます(汗)

・・つまり絞り羽根は最小絞り値:F16まて閉じきっていませんでした(汗)

その原因は「マウント部内部のパーツの使い方をミスっていた」過去メンテナンス時の整備者の不始末であり、その結果「唯一存在する絞り羽根を常時閉じさせるチカラを及ぼす、トー
ションバネ
(捻りバネ) が適切なチカラを発揮していなかった」からです(汗)

←左写真のように「ハの字型に左右に広がる捻りバネ」を指して「トーションバネ (捻りバネ)」と呼称しますが、その「左右の先端を固着剤で固めてしまう100%間違った行為」を、本当に多くのオールドレンズ個体でバラすと発見します (グリーン色の矢印)(涙)

或いは赤色矢印のように一部をワザと故意工具を使い強制的に曲げてしまい「反発するチカラを強くしている」所為も確認できます(汗)

左写真は別のオールドレンズからの転載写真ですが、原理は同じです。トーションバネ (捻りバネ) は「左右に腕を広げる部分で反発のチカラを伝える」のが原理なのに、その両端を固着剤で固めるから「反発力が逆転してしまい、設計者の企図を逸脱した影響が伝達先に現れる」のを指して、過去メンテナンス時の整備者のミスと述べています(汗)

・・詰まる処、それらを正しく直しているのは当方と言う結末です(笑)

いったいどうして当方が、過去メンテナンス時の整備者の不始末について、その尻拭いを逐一強要されるのでしょうか???(涙)・・あまりにも不条理すぎて納得できません!!!(怒)

そもそもこういう所為をヤッている時点で「金属加工のことを全く知らないままプロの整備者を名乗っている輩」と、当方は執拗に、本当に執拗にこのブログで貶し続けています(笑)

そうしないといつまで経ってもこういうミス (低俗な整備者の思い込み) が減らないからです(涙) 何でもかんでも固着剤で固めてしまう考え方/概念が、そもそも大きな間違いであることを「認めようとしないバカな連中」です(汗)

そしてさらに「ネジというネジ全てに固着剤を上から被せて塗りまくる」のも、そもそも固着剤の使い方を間違えています(汗)

もしもそれが正しいと言うなら、ではどうして今回の個体の「直進キー」は、その微調整が
間違ったまま「固着剤で固められていた」のでしょうか???(笑)・・どうして極僅かなガタつきが距離環の操作時に起きていたのでしょうか???

そういう不都合/不始末をヤッていながら、まるで自分が整備した微調整だけが「正義だ!」みたく、固着剤を塗ったくり固める仕業は「原理も道理も一切無く、単なる自己満足大会でしかない」と言い切っているのです!(怒)

・・恥ずかしいと思いませんか??? プロの整備者!!! このブログ見てます???

なお、絞り羽根の開閉動作は「ちゃんと最小絞り値F16まで閉じきる」ように戻しました (当たり前の話でしかありませんが)(汗) また絞り環操作時に「開放側と最小絞り値側の両端で僅かに先まで動く」のも、ピタリの位置に戻して組み上げています (これも当たり前)(笑)

このように当方は「単にオリジナルの状態とその動き方に戻しているだけ」なので、そこには「何一つ高い技術スキルを伴わず、低い技術スキルのまま組み上げている」ことを、このブログをご覧の皆様も重々ご承知おき下さいませ(汗) だからこそ高い技術スキルを求められる方は「プロのカメラ店様や修理専門会社様宛に整備を依頼して下さい!」と述べています。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑塗布したヘリコイドグリースは「黄褐色系グリース」を使っていますが、ヤフオク!の出品者のように「グリースを塗ったくっていない」それこそ塗ったのかどうか分からないくらいの量です(笑)

必要ない箇所には塗らない」などと言いますが、そもそもその塗っている量が多い為、いずれ数年で経年劣化進行に伴い揮発油成分が広がります(汗)

今回のご依頼内容では「当初と同じトルク感」とご所望だったので (当方のオーバーホール/修理では、このようにご依頼者様のトルクの要望を指定できるようになっています) バラす前の確認時点で距離環を操作すると「ツーツーのトルク感で、当方の印象では相当な軽め」と受け取りましたが、今までその感触と軽さでお使いだったワケで「それをあくまでも尊重するのが整備者の務め」との認識に立ち(汗)、何処ぞの整備会社の如く、経年劣化だから仕方ないと、自前のトルクを強要したりしません (そんなのはごまかしの整備です)(笑)

当方がこのオーバーホール作業を始めた13年前辺りでは「多くの整備会社でオーバーホールしていなかった」のに(笑)、今ドキの整備会社はすぐに「オーバーホール」と明示します (だいぶ増えました)(笑)

・・完全解体している写真も掲載せず、どうしてそう言い切れるのでしょうか???(笑)

下手すると、ヤフオク!でも「整備済」を謳いながら、実のところ全く整備などしておらず「調達元が整備を謳っている」或いは「整備会社から手に入れた」だけを根拠にして「整備済」を歌うから、堪ったものではありません(涙)

いえ、同業者として、競合相手としてどうのこうの言うのではなく(笑)、それを信じて落札したり買ったりしている顧客が「可哀想」だと言っているのです(涙) 信用/信頼が高いので、きっと「こんなものなのか」と感想を抱きつつそのまま使っているのでしょうが・・涙ぐましい
限りです(涙)

今回の個体は「当初バラす前のツーツーを参考にし、そこにヌメヌメ感を合体させ仕上げた」為(笑)、バラす前の「ツーツー」よりは少し僅かな抵抗/負荷/摩擦を、掴んでいる指先が感じるかも知れません。

それはこのモデルのピント面で、そのピーク/山の前後動に「ピークがいきなり/突然訪れ、
然しそこから先すぐには山を下り始めない
」特異なピント面を維持します(驚)

・・まさにminoltaの凄いところ!(驚)

それを勘案した時、単に「ツーツー」のまま仕上げると「指を離す瞬間にピント面の位置が極僅かにズレる」ことを意識し、敢えてワザと故意に「ヌメヌメ感を組み込み、ピーク/山を適度に維持する」ように仕上げています(汗)

・・まぁ〜、お使い頂ければ分かると思います(笑)

そう言う細かい配慮ができるのも「ご依頼受付時に、互いの感触で意思疎通を図る努力を怠らない」からこそで、そこに特に高い技術スキルは存在していません (当方の技術スキルは至極
低いです
)(笑)

↑完璧なオーバーホール/修理が終わりました。もちろん付属品の純正前後キャップも洗浄しています(汗) ご報告すべき瑕疵内容は、一つもありません(汗)

唯一、冒頭のとおり「当方の落ち度」から光学系前後群の清掃について、正しく適切にご案内できていなかったので、勝手に「光学系後群を転用している」点、及び「ご依頼内容になかった絞り羽根がF8で止まる点」或いは「距離環の極僅かに左右方向のガタつき」など、いずれも当方の独断で勝手に微調整を施し変更しているので、これらの点については以下の「減額システム」を適用下さいませ・・申し訳ございません(泣)

オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。

オーバーホール/修理ご依頼者様向けにご依頼者様と当方の立場が「50 vs 50」になるよう配慮しての事ですが、とても多くの方々が良心的に受け取って頂ける中、今までの13年間で数人ですが日本語が口語として普通に語れない、おそらく某国人に限ってここぞとばかりに「無償扱い」される方もいらっしゃいます (漢字三文字、或いは漢字とカタカナ表記を合わせて含むお名前様だけで確定判断はできませんが)(笑)

無限遠位置 (当初バラす前の位置から変更/ほぼピタリの状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離45㎜開放F値f2.0被写体までの距離39m許容錯乱円径0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度19m後方被写界深度∞m被写界深度∞m」の為、30m辺りの被写体にピント合わせしつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の50m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。

・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭ですね(笑)

↑当レンズによる最短撮影距離60cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」での撮影です。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影ですが、絞り羽根がほぼ閉じきっているものの「回折現象」の影響を感じません(驚)・・素晴らしい写りです!(涙)

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。

今回のオーバーホール/修理ご依頼、真にありがとう御座いました。本日台風の影響でクロネコヤマト宅急便の集荷ができず、明日の発送になります・・申し訳ございません(汗)

どうぞよろしくお願い申し上げます。