◎ MINOLTA (ミノルタ) MC ROKKOR-PG 58mm/f1.2《前期型−II》(SR / MD)

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今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルはMINOLTA製標準レンズ『MC ROKKOR-PG 58mm/f1.2《前期型−II》(SR/MD)』です。
実は、MINOLTAのオールドレンズをいつも狙っているのですが、なかなか調達できません。実際は市場にゴロゴロといくらでも流れているのですが、光学系の状態が良い個体となると・・なかなか手に入りません。当方が狙っているモデルは「AUTO-ROKKOR・MC ROKKOR」或いは「MD ROKKOR/MD」シリーズですが、光学系内に蒸着されている『アクロマチックコーティング (AC)』の状態が良い個体がとても少ないのです。ここで『アクロマチックコーティング (AC)』のことを間違った捉え方で認識している方がいらっしゃるので少々詳しく解説していきます。

戦前にはドイツのCarl Zeiss Jenaなどで既にモノコーティング (単層膜コーティング) が開発され実用化されていましたが、MINOLTAが世界に先駆けて1950年代後半に非常に薄く弱い蒸着の複層膜コーティング技術アクロマチックコーティング (AC)』を開発しました。もちろん、その後すぐにマルチコーティング (多層膜コーティング) 技術が開発され普及するワケですが、この『アクロマチックコーティング (AC)』は、その目的が少々異なっています。

そもそも光学硝子レンズは、どんなに表層面がツルツルに平滑だとしても表面反射によって透過光が失われていきます (約4%)・・1枚のレンズは表裏2面なので入射光の通過で合計約8%の光量減になります。さらに実装している光学硝子レンズの枚数分影響が生じるワケですが、その表面反射防止策としてコーティング技術が研究された次第です。ところが、入射光はいろいろな波長 (多色) で入ってきますから単層膜 (モノコーティング) で防げる反射には限界が出てきます。そこで最終的に多層膜化 (マルチコーティング化) に繋がっていくワケですが『アクロマチックコーティング (AC)』は透過率の向上だけを目的としておらず、むしろ「人の目で見た自然な色の再現性」としていますから (当時のメーカーカタログに記載あり)、どちらかと言うとフィルター的な役目に近い技術ではないかと捉えています。つまり、モノコーティング (単層膜) <アクロマチックコーティング (AC:複層膜)<マルチコーティング (多層膜) の式に単純化できないと言う話です。逆に考えると「MC ROKKOR」シリーズの登場でマルチコーティング化に舵取りを変更したにも拘わらず、敢えて『アクロマチックコーティング (AC)』に拘っていたことが「証」ではないでしょうか。その辺の開発思想が、最終的にはライカとの技術提携にまで発展した背景にも繋がっているのかも知れません・・いずれにしても「人の目で見た自然な色の再現性」の追求と言う、当時としては別次元の発想は素晴らしいと感心してしまいます。

そして『アクロマチックコーティング (AC)』はグリーンの光彩を放つコーティング層として蒸着されているので、当時のMINOLTA製オールドレンズは俗に『緑のロッコール』とも呼ばれていました (ちなみに当時のライカ製オールドレンズで採用されていた『アクロマチックコーティング (AC)』はアンバー色)。そこで当方が狙っているMINOLTA製オールドレンズのお話に戻りますが「AUTO-ROKKOR」シリーズでは光学系内の2枚以上の光学硝子面にグリーンの光彩を放つ『アクロマチックコーティング (AC)』が蒸着されていました (実際に複数のモデルを既にオーバーホールでバラしているので把握できているワケです)。しかし「MC ROKKOR」シリーズの時代になると当時のドイツ製レンズとの対抗意識からマルチコーティング化が優先されていく方向性に舵を切り替えます・・つまり「MC ROKKOR」シリーズでは光学系内の2面 (前玉裏面と後玉裏面) のみに限定して『アクロマチックコーティング (AC)』が蒸着され、次の「MD ROKKOR」シリーズに至っては「前玉裏面のみ (つまり1面のみ)」と変わり最終的に「New MD」シリーズでは『アクロマチックコーティング (AC)』の蒸着をやめてしまっています (このお話は推察ではなく、実際にオーバーホールにて光学系をバラした際に都度確認しているので事実です)。従って、時代が進むにつれて『緑のロッコール』たる輝きは徐々に消えていったワケで、すべてのMINOLTA製オールドレンズをバラしたワケではないので、多少モデルの違いで相違はあるかも知れませんが、時代の流れと共に『アクロマチックコーティング (AC)』が消滅していったのは何とも寂しい気持ちですね・・。

【モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった諸元を示しています。

前期型−I:1968年発売

光学系:5群7枚拡張ビオター/クセノン型
距離環ローレット (滑り止め) 形状:水平



前期型−II:1969年発売

光学系:5群7枚拡張ビオター/クセノン型
距離環ローレット (滑り止め) :アーチ型



後期型:1973年発売

光学系:5群7枚拡張ビオター/クセノン型 (再設計)
距離環ローレット (滑り止め) :ラバー製



光学系は一貫して高屈折率の「ハイ・インデックス硝子レンズ」を5枚も使った5群7枚の拡張ビオター/クセノン型を採っており、開放F値「f1.2」は当時のMINOLTA製オールドレンズ群の中にあっては最も明るいモデルでした。

開放から鋭いピント面を構成し中庸的なエッジのアウトフォーカス部からは、すぐに緩やかな滲み方をしていくので柔らかなボケ味が魅力のモデルです。Flickriverにてこのモデルの実写を検索したので興味がある方はご覧下さいませ。なお、右図は「後期型」で再設計された構成図です (ビミョ〜に各レンズ群の曲率をイジっています)。

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。筐体サイズが大柄ですが内部の構成パーツ点数も多いので撮影に使っている小道具の楢材のお盆に並び切りません。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。このモデルではヘリコイド (オス側) が独立しているので別に存在します。

↑8枚の絞り羽根を組み付けて絞りユニットを完成させます。完成した絞りユニットを鏡筒最深部にセットしますが、まずはこの工程が最初のハードルになります。

絞りユニットは「絞りユニット固定環」と言う環 (リング/輪っか) によって固定されますが、この「絞りユニット固定環」自体もイモネジ (ネジ頭が無くネジ部にいきなりマイナスの切り込みを入れたネジ種) 3本によって鏡筒外側から締め付け固定されます。
ところが、イモネジを最後までキッチリと締め付けてしまうと絞り羽根は一切動かなくなります。かと言って緩めすぎると今度は絞りユニットが浮いてしまい絞り羽根がバラけてしまいます・・絞り羽根の開閉に支障を来さない程度に適度な締め付けが必要です。なお、絞りユニットの固定位置調整で絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) を調整するようになっているので、この段階で開閉幅を合わせておきます。

↑この状態で鏡筒を立てて撮影しました。鏡筒の側面にイモネジ (3本) が入っています。

↑今度は鏡筒をひっくり返して裏側を撮影しています・・鏡筒の裏側にはこのモデルのほとんどの制御系パーツが集中しています。

上の写真左端に「絞り環連係アーム」がありますが、このアームは「絞り羽根開閉幅制御環」に固定されています。従って、絞り環を回して設定絞り値にセットすると「絞り羽根開閉幅制御環」も同時に回っています。そして、途中に用意されている「なだらかなカーブ」部分の勾配が変化して金属製の突起棒が鏡筒の内側に移動したり、外側に動いたりします。この時、金属製の突起棒が「なだらかなカーブ」に突き当たった際の「坂の勾配」に従って絞り羽根の開閉角度が決定される仕組みになっています。また、それは同時にマウント面にある「絞り連動レバー」の動きにも連係 (同じ動作を) するようになっており、上の写真ブルーの矢印で示したように「絞り羽根開閉アーム」が動くと (或いはマウント面の絞り連動レバーの動きで) 、金属の突起棒も一緒に動くので、結果的に設定絞り値まで絞り羽根が閉じる仕組みです。ちなみに「なだらかなカーブ」の「麓」は最小絞り値側になり、逆に坂を登り切った「頂上」部分が開放側になります。

↑ヘリコイド (オスメス) のためのベース環です。

↑真鍮製のヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

↑ヘリコイド (オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で12箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

↑距離環やマウント部を組み付けるための基台をセットします。ヘリコイド (オス側) には「直進キー」と言う距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目のパーツが刺さっています。この「直進キー」があることで、距離環を回すと鏡筒が繰り出されたり収納したりしています。

↑鏡筒を組み付けます。

↑ひっくり返して後からでは組み込むことができないので、ここで先に光学系後群をセットします。光学系後群はご覧のように可能な限りの最大限の面積を使って設計されています。

↑「ベアリング+スプリング」を組み込んでから絞り環をセットします。ここで絞り環の各絞り値に見合う絞り羽根の開閉になっているのかチェックしておきます・・もしも、絞り羽根の開閉幅が適正でなければ、再び鏡筒を取り外して絞りユニットの調整をします。

↑「梨地仕上げの化粧環」とマウント部をセットします。マウント部の下 (つまり梨地仕上げの化粧環の内部) には、上の写真のような「弧を描いたアルミ棒+ベアリング」のセットを5セット組み込みます。これによって「絞り連動レバーの環」が滑らかに駆動しています。

↑マウント部をセットします。マウント面には全部で8本の固定ネジが用意されていますが、長さの異なる2種類のネジが使われています。「長:4本」と「短:4本」ですが、長い方のネジがマウント部の固定用であり、短いほうは絞り連動レバーの機構部を固定しています (つまり梨地仕上げの化粧環をマウント部に固定している)。従って、誤って短いほうのネジを外してしまうとアッと言う間にベアリングがバラけてしまい紛失します。僅か1mm径のベアリングなので容易に見つかりません・・紛失しても日本国内の市場に流れていない特殊ベアリングなので入手できません。

↑距離環を仮止めしてから光学系前群を組み付け、無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすればいよいよ完成です。

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DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑当方が、7年間で出品した『MC ROKKOR-PG 58mm/f1.2 (SR/MD)』は今回が2本目ですが、前回は「後期型」でしたので「前期型」モデルの出品は今回が初めてと言うことになります (オーバーホール/修理のご依頼ではもう何本も扱っています)。調達の際に必ずチェックしているのは、前玉裏面の『アクロマチックコーティング (AC)』層にカビや汚れ・キズなどがあるかどうかです。いくら蒸着してあるとは言っても、非常に薄く弱いコーティング層なので経年劣化の進行に伴い蒸着面が弱くなっているとカビの清掃をしただけでアッと言う間に剥がれてしまいます・・しかも、その剥がれ方は清掃時に拭いたカタチに (つまり円形に) まるでヘアラインキズのような細く薄い線状に剥がれてしまいます。清掃が終わって確認すると「ヘアラインキズ」が付いているように見えてしまうのですがLED光照射で確認すると視認できません・・これは光学硝子面のキズではないのでLED光照射では浮かび上がらないのです。しかし、見た目でヘアラインキズ状に見えてしまうので心の健康上は頂けません。

コーティング層の経年劣化レベルは見ただけでは一切判断できず清掃してみなければ分かりません・・従って、ヘアラインキズ状に付いてしまった場合には、もうどうにもなりませんからイチかバチかと言うことになります。なので、最近はカビや汚れが無ければ極力『アクロマチックコーティング (AC)』層は清掃しないことにしています。

なお、別件でお問い合わせを頂いたので、この場を借りて返答させて頂きます。当方のヤフオク! 出品しているオールドレンズは、オークション価格を「即決価格」にしていますが、時々値下がりしています。しかし、任意のタイミングで元の価格に戻ります (つまり当初価格に値上げしています)。これは、単なる転売ではなくオーバーホールを施して出品しているために、その作業工程の対価を乗せた価格を「即決価格」として設定しているからであり、値下がりをお待ち頂いても市場価格に近い価格まで下がることはありませんし、強いて処分しない限りは任意のタイミングで必ず当初価格に戻します。数千円ずつ段階的に下がらない限りは、ガクンと値下がりした時点の価格が当方に於ける「底値」ですから、それ以降お待ち頂いてもさらに下がりません (作業対価が含まれているからです)。

↑今回の個体は恐ろしく光学系内の透明度が高い個体でした。残念ながら前玉裏面と後玉裏面の『アクロマチックコーティング (AC)』には既にヘアラインキズが付いているので過去のメンテナンス時に清掃されているのだと推察します。今回調達の際に掲載されていた写真で、そのようなキズや汚れについてチェックはしていたのですが、さすがに出品者が故意に写していなければどうにも事前に掴めません。

しかも、ノークレーム・ノーリターンが「当たり前」なのが日本国内でのオークションの常ですから (当方はノークレーム・ノーリターンを非常におかしいと考えています)、なかなか上手く調達できませんね。それこそ、出品者の評価ポイントに従って課金していくシステムに切に変更して頂きたいと願っています。ヤフオク! などを見ていても、結局、入手したオールドレンズが気に入らなければ、そのままオークションに出品して処分する人も居るのでしょうが、その際に都合が悪いことは明示せずに (或いは下手すれば故意に写真には写さずに)「ノークレーム・ノーリターン」で済ませている人が非常に多いです。「神経質な人は御遠慮下さい」とか「個人の主観です」と言う言い回しは当方も理解できますが、だからと言って何かしら顕在している (既に自ら気がついている) 欠点や難点、或いは懸念などを故意に明示せずに「ノークレーム・ノーリターン」のひと言で済ませて出品している人が非常に多い・・それは誰しも損はしたくないでしょうし、できれば高く落札された方が良いと考えるのは至極納得できますが、それと「知っていることを隠して (故意に) 明示しない」こととは同格ではないと思います。日本国内で日本人ならば、外でお財布が落ちていたらそのままポケットには入れないでしょう。ほとんどの方が交番や管轄先などを探したりして届け出るのだと思います。ところがオークションとなると、全く良心に反した事柄を平気でやっています・・これは一体何なんでしょうか?と、最近常々考えてしまいます。イヤな時代になりました・・。

話が反れましたが、今回のモデル『MC ROKKOR-PG 58mm/f1.2《前期型−II》(SR/MD)』は、光学系後群の「第3群」の硝子材に「酸化トリウム」を含有しています。従って既に経年劣化から「黄変化」が進行しており「赤っぽい茶色」にブラウニング現象が進行していたワケですがUV光の照射にて半減程度まで改善させています (他の群には酸化トリウムを含有していません)。

↑上の写真 (6枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。1枚目〜5枚目までは極微細な点キズや前玉裏面の極薄いヘアラインキズなどを撮っています。しかし、6枚だけは前玉裏面の『アクロマチックコーティング (AC)』層に生じていたカビ除去痕を撮影しました。調達の際には全く分からない角度で写真を撮っていたようで、当方は知らずにゲットしてしまいました。

アクロマチックコーティング (AC)』層ですから、本来ならば触りたくありません (清掃もしたくない)。しかしカビが数箇所発生しているとなると無視もできません。仕方なく (本当に恐る恐る) 薬剤を塗ったところ、問題無くカビは消えてカビ除去痕だけが残りました (上の写真6枚目の薄い黒点のような箇所)。しかし、問題は薬剤の後の2回目の清掃 (汚れ除去) と3回目 (仕上げ清掃) です。コーティング層が既に経年劣化で弱っていれば間違いなくヘアラインキズ状に剥がれてしまいます・・ところが本当にラッキ〜なことに、今回の個体はまだ劣化が進んでいなかったようです。一般的なコーティング層の清掃工程と全く同じレベルでキッチリと清掃を施してもビクともしませんでした・・これほど状態の良い『アクロマチックコーティング (AC)』層は久しぶりです。

↑光学系後群も驚くほどに透明度が高いのですが、残念ながら既に後玉裏面の『アクロマチックコーティング (AC)』層には清掃時に付いたと思われるヘアラインキズ状に見える細く薄いコーティングハガレが数本見えます。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズと後玉裏面の『アクロマチックコーティング (AC)』に付いているコーティングハガレ (ヘアラインキズ状の微細な線状) を採っています。これらのヘアラインキズ状に見える部分はLED光照射では視認できませんが、上の写真のように光に反射させると目視できます (上の写真はワザと分かり易い角度に反射させて撮っています)。

【光学系の状態】(順光目視で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
前群内:10点、目立つ点キズ:6点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:11点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり
・バルサム切れ:無し (貼り合わせレンズ有り)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:無し
・汚れ/クモリ (LED光照射/カビ除去痕除く):あり
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが実際はカビ除去痕としての極微細な点キズです (清掃しても除去できません)。
光学系内の透明度は非常に高い個体です
・光学系内にはコーティング層を反射させると拭き残しのように見える箇所が一部ありますが、清掃でも除去できなかったコーティング層の経年劣化に伴う非常に薄いムラですのでクレーム対象としません。
・前玉裏面と後玉裏面のアクロマチックコーティング (AC) 層にヘアラインキズ状に見えるコーティング層の剥離 (細線) が複数あります。後群内の1枚に外周に除去できなかった汚れが残っています。
・いずれもすべて写真への影響はありませんでした。

↑8枚の絞り羽根もキレイになり絞り環も含め確実に駆動しています。

ここからは鏡胴の写真になります。経年の使用感がほとんど感じられない大変キレイな状態をキープした個体ですが当方による「磨きいれ」を筐体外装に施しているので、とても落ち着いた美しい仕上がりになっています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度と軽め」を塗布しています。距離環や絞り環の操作はとても滑らかになりました。
・距離環を回すトルク感は「重め」で滑らかに感じトルクは全域に渡り「ほぼ均一」
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。

【外観の状態】(整備前後拘わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。

↑『緑のロッコール』たるMINOLTA製オールドレンズは好きなので毎月必ずチェックしてはいますが、基本的に『アクロマチックコーティング (AC)』層がリスキーなので、それほど調達する気持ちはありません。特に今回のモデル『MC ROKKOR-PG 58mm/f1.2(SR/MD)』に関しては大玉なので、その分『アクロマチックコーティング (AC)』層のリスクも高くなり滅多に取り扱いません (実際に7年回で今回が2本目ですから)・・と言うか、写真だけではどんなにキレイに写っていても分からない (懲りた) のでもう次は調達しません。その意味ではお探しの方は是非ご検討下さいませ (このモデルの当方の出品は今回が最後です)。少なくとも今回の個体は経年のワリには『アクロマチックコーティング (AC)』層の状態が良い方でしたね・・。

↑当レンズによる最短撮影距離60cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。
なお、ワザとカメラボディの「AWB (オート・ホワイト・バランス)」設定を適正化せずに、そのまま撮影しています。

↑絞り環を回して設定絞り値を「f2」にセットして撮影しました。

↑さらに絞り環を回してF値「f2.8」で撮っています。

↑F値は「f4」になりました。

↑F値「f5.6」での撮影です。

↑F値「f8」になります。

↑F値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。