♦ FUJI PHOTO FILM CO. (富士フィルム) FUJICA FUJINON 55mm/f2.2《初期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わりヤフオク!出品するモデルは、国産は
FUJICA製標準レンズ・・・・、
FUJINON 55mm/f2.2《初期型》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時のFUJICA製標準レンズ「55mm/f2.2」の括りで捉えると75本目にあたりますが、今回扱った個体「初期型」だけカウントすると僅か2本目です。

FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」については、毎週必ず市場動向を確認し続けており、その範囲は国内市場に留まらず、海外オークションebayにまで広げてチェックしています(汗)・・何を隠そう超希少な13年間に於ける総累計11本たる『総金属製』モデルの一部を、英国やオランダからも手に入れたほどです(笑)

その一方で今回扱う『初期型』が総累計で捉えても僅か2本目と言う状況からして、どんだけ希少価値が高いのかが窺えます(汗)・・この希少価値性について、単なるモデルバリエーションから捉えただけの話ではなく「光学設計から捉えた時の、FUJINON 55mm/f2.2シリーズに
於ける唯一無二な存在
」から、どんだけ希少価値が高いのかを述べています(汗)

逆に言うなら今回扱った『初期型』モデルバリエーションの後に登場した「前期型後期型」が同一の光学設計を採っていた点を鑑みれば「初期型に残されていた収差改善を狙ってきた
光学設計が前期型〜後期型
」との考察にしか至りません(汗)・・つまり「前期型後期型」の個体よりも、写真に映り込む収差の影響度合いが高い/大きい/濃いのではないかとの憶測的な期待感が高まるモデルバリエーションが『初期型』ではないかとみています(涙)

今回のこのブログ掲載では、その『初期型実装光学系が唯一無二である根拠』について、解説を試みたいと思います。

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この「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」を語る時、その特異性として必ず思い描かなければ
イケナイ描写表現が一つだけあります。

《 当方で定義している円形ボケ 》
 シャボン玉ボケ
真円で、明確にエッジが細く、繊細なまさにシャボン玉のような美しいボケ方
 リングボケ
ほぼ真円に近い円形状で、エッジが明確ながらも太目で輪郭が誇張的なボケ方
 玉ボケ
円形状のボケが均等に中心まで滲み、ノッペリしたイルミネーションのボケ方
円形ボケ
その他均一性が薄れ、歪んだり収差の影響を受けて、消えていく途中のボケ方
(円形状ボケ総称の意味/使い方として表現する場合もある)

上記は当方が述べている「円形ボケ」の種類に対する定義ですが、当然ながらオールドレンズである以上、他の様々な表現性を伴いつつ写真撮影ができ、そんな表現性を持つモデルなど
星の数ほど存在します(笑)

ところがそんな中で「本当に真円を維持しきった、繊細で明確なシャボン玉ボケを表出させられるオールドレンズのモデルが、いったいどれだけ在るのか???」と問うた時、非常に多くのオールドレンズが「真円を維持しきれない曖昧な円形ボケしか表出できない」として脱落していきます(汗)

この真円の円形ボケを、画の中心部から周辺域に至るまで表出しきれてしまう (維持している) 点に於いて「特異性」と捉えています (多くのオールドレンズが表出しきれない)。

このような真円を維持しきった円形ボケの表出が適う最たる存在として、旧東ドイツはMeyer-Optik Görlitz製中望遠レンズ「Trioplan 100mm/f2.8」が挙げられます。

当方がこの点に着目し、オールドレンズに大きな魅力を感じてオーバーホール作業を始めたのが2011年辺りでしたが (13年前)、当時からこのブログの認知度は皆無であり、シャボン玉ボケについて掲載しても見向きもされず(笑)、実際「Trioplan 100mm/f2.8シリーズ」は当時の市場で1万円前後で毎週毎週いくらでも転がっていました(笑)・・それが今では国内の市場価格帯に限定してもなお3万円台〜8万円台と、とんでもなく高騰してしまいました(汗)

まさに「ミラーレス一眼元年」とさえ謳われた2014年以降 (日本国内の海外向けミラー
レス一眼モデルの年間輸出台数が一眼レフモデルを上回った年
)、デジタル一眼カメラ/ミラーレス一眼カメラの革新的な発展は著しく、それに呼応するかの如くマウントアダプタ市場も
勢力を広げ現在に至っています。

するとここにオールドレンズに対する皆様の嗜好が見え隠れしており、オールドレンズに対し「今ドキのデジタルなレンズに近似した精緻さと高解像度感を望み期待しても意味がない・・何故なら今ドキなデジタルなレンズを手に入れれば良いから」となりますが(笑)、その反面で人情と言うべきか「でも普通の写真も撮りたいから端正な写りも少なからず期待してしまう」との我儘が顔出ししています (詰まる処、相反する嗜好が同居しているのが真実)(笑)

↑上の写真は前述した「円形ボケの定義」から捉えた時の表現性の一例として、ネット上の
実写からピックアップしています。左端から順に「シャボン玉ボケリングボケ玉ボケ円形ボケ」へと次第に収差の影響を受け、崩れ、滲み、そして溶けていく様を並べています。

いずれも旧東ドイツはMeyer-Optik Görlitz製中望遠レンズ「Trioplan 100mm/f2.8」に
よる円形ボケの表現性を示していますが、何しろ焦点距離が100㎜と言う中望遠レンズな
ので、表出する (写真に写り込む) 円形ボケの大きさも満足いくほどに巨大だったりします(笑)

さて、すると今度は「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」では、どのような実写になるでしょうか???







↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
左端から真円で美しく明確なエッジを伴うシャボン玉ボケが画全体に表出し、然し次第に破綻して滲み、溶け始めて消えていく様を順にピックアップしました。一番左端はまさにシャボン玉ボケです。

2枚目は繊細で細かったエッジが強調されているリングボケの状態に写っています。さらに
3枚目になると、まさにイルミネーションの如く玉ボケへと変化しますが、右端のように最後はエッジの境界が溶けて滲み消えるので、円形ボケであった事を僅かに漂わせつつ写ります。

然し、はたして、一つ前にご紹介した「本家Trioplan 100mm/f2.8」との違いを、一体どれだけの人が感じ取れるでしょうか???(汗)・・確かに画の中心部から周辺域に至るまでが、表出している円形ボケは真円を限りなく維持し続けて写ります。

・・これこそがこのFUJINON 55mm/f2.2シリーズの凄さです!(驚)

少なくとも当方には、どんなオールドレンズのモデルも同じように真円を維持し続ける根性を持つとは、残念ながら自身が知る知見からは述べられません(汗)

二段目
その「真円を限りなく維持し続ける素性の良さ」をさらに魅せ付けつつも、さらにトロットロボケに溶けていくと言いたい処ですが、リアルな現実は違い、意外にも「真円を維持した〜い
気持ちはよ〜く分かるが、それにも増して収差のレベルはハンパない
」のが、認めつつも認めたくない写りなのです(笑)

このように「決して後先考えずに乱れまくりではない、或る意味秩序をみてとれる乱れ方」に
正直オドロキを隠せません(汗)

三段目
その乱れ様は、秩序を伴うからこそ「まるで背景効果的なノイズ状に写る」から使えてしまいます(汗) 然しその先には、本当のトロットロボケが待ち受けているワケで、いったいどのように光学設計すればこのような「乱れてまとまってまた乱れて」をシ~ンごとに繰り返されるのか不思議でなりません(汗)

四段目
この段では「本家Trioplan 100mm/f2.8」ではここまでの徹底的な素材や材質感を写し込む質感表現能力の高さを残せない、ピント面の鋭さ感、緊迫感、リアル感としてピックアップしています。

逆に言うなら当時の旧東ドイツMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズ群の「或る意味欠点」と言えるのが、このような質感表現能力の問題であり、どのモデルも全て「ノッペリと平面的で立体感/臨場感/リアル感の表現性が今ひとつ足りない」と当方は捉えています・・それ故に
残念ながらMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズの多くのモデルで「空気感を漂わせた写真を残せない」とも指摘できますが、その一方で「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」では、それができてしまうのです(涙)

五段目
人物写真、人肌感、そして動物毛の表現性としてピックアップしていますが、そもそも標準レンズ域のモデルなので、ポートレートレンズ域たる中望遠レンズ相手に対抗できるワケがありません(汗)

六段目
前述の被写体に対する素材感や材質感を写し込む質感表現能力の高さを魅せつける実写としてピックアップしました。意外にもインピーダンスが広く、暗部への耐性もギリギリまで耐え
凌げるようで、影さえも質感を維持できています(汗)

七段目
最後にグラデーションの表現性と「画に漂う優しさ感」を感じられる実写として集めてみま
した。

ちなみにこの「bokeh (ボケ)」が世界に広まった一番最初のキッカケ造りは、写真家のMike Johnston氏による写真雑誌の記事 (1997年) にみることができます。彼が世界で初めて「bokeの語尾にhを付随させた張本人」であり、そもそも語尾に「h」を付した理由を「できるだけ日本語発音に近づけたかった」と本人が記述しており、もっと言うなら「日本と日本の文化、そして日本人に対するリスペクト」すら述べているワケで、本当にありがたいと感謝の気持でいっぱいです(涙)

なお多くの英語圏外国人が「boke」を発音すると、まるで「ボーク」のように聞こえてしまう点に於いて意識的な注意を払うべきと、Mike Johnston氏自身が述べています。

  ●               

前述の「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」の描写特性を知った上で、ここからは当時の発売
状況と共に「実際の光学設計の違い」に迫っていきたいと思います。

↑上の写真は当時富士フィルムが「FUJICAシリーズ」を謳って「M42マウント規格」にて一眼 (レフ) フィルムカメラに参入した時のフィルムカメラを並べました。

一番左端の一眼 (レフ) フィルムカメラ「ST701」の発売が1970年になり、その時の
セット用標準レンズとして用意されたのが「FUJINON 55mm/f1.8」或いは「FUJINON 50
mm/f1.4
」だったりします (この時のタイミングではまだモノコーティングだった)。

その後、いよいよマルチコーティングされた「EBC FUJINONシリーズ (Electron Beam Coatingの略)」が登場し「ST801」が1972年に発売されます。揃えられたオプション交換レンズ群として括るなら、これらのモデルが「前期型」にあたります。

さらに1974年「ST901」が登場し、オプション交換レンズ群も一新され「後期型」へと遷移しますが、このタイミングでも今回扱う「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」は登場しません (取扱説明書にもカタログにも載っていない)(汗)

そしていよいよ「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」登場は、1976年発売の廉価版フィルムカメラ「ST605」のセットレンズとして用意された標準レンズの立場でした(涙)

このような当時の背景の中でポイントになるのは、マウント規格であるものの富士フィルムが「プラクチカ・スクリューマウント (通称M42)」を採用したのが1970年だった点です。

そもそもクィックリターンミラー装備の一眼フィルムカメラは、戦前ドイツに於けるドイツ系ユダヤ人による発案でした。当然ながら戦前ナチス政権に拠るユダヤ人迫害で、特許権も何もかも売却して (一部は強制没収) 連合国圏に避難/逃亡しています。

それらを手に入れ市場に製品化し投入してきたのが、彼の旧東ドイツは「PENTACON」社であり、戦後に怒涛の如く数多くのモデルが発売されますが、前述のとおり富士フィルムが「FUJICAシリーズ」として市場投入を開始した1970年代は「むしろM42マウントは既に陳腐化が進んでいた時期」とも指摘でき、1974年発売の「ST901」は錚々たるフラグシップ機ながら、僅か2年後には廉価版モデルの投入を余儀なくされる始末です(汗)

せっかく廉価版モデルを用意しながらも・・フィルムカメラは「ST605II」を1978年再投入・・ついに耐えられず、1979年にバヨネットマウント「AXマウント規格」へと
移行し、ネジ込み方式のマウント規格を捨てます。

僅か8年足らずの展開で終わってしまったのが「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」登場の背景だった事を認知するべきですね(汗)・・それが今回扱う「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」のモデルバリエーションの多さに繋がり「結果的に廉価版どころか高くついてしまい利益を食い散らしたモデル」とのイメージさえ拭えません (企業経営面から捉えれば大失敗)(涙)

ちなみにその後のバヨネットマウント規格たる「AXマウント規格品」も「FUJINON 55mm/
f2.2シリーズ
」は受け継がれ、モデルが残っていますが、その際の実装光学系は「M42マウ
ント規格品
」の中の「後期型」を継承した「樹脂材一体モールド成形品」の光学系第1群前玉
を載せています (鏡筒も樹脂製を採用)。

《モデルバリエーション》
オレンジ色文字部分は最初に変更になった諸元を示しています。
M42マウント規格品のみのモデルバリエーションとしています。

初期型
製造番号:24xxxx〜25xxxx
プラスティック製:フィルター枠台座/距離環/指標値環/絞り環
金属製:フィルター枠ネジ部/マウント部
距離環指標値:印刷 (アルミプレート板に印刷)
距離環成形材質:エンジニアリング・プラスチック製 (金属製芯材)
鏡筒及びヘリコイド (オス側):金属製

前期型-I
製造番号:12xxxx〜49xxxx
プラスティック製:レンズ銘板/距離環/指標値環/絞り環など様々
金属製:フィルター枠/マウント部など様々
距離環指標値:印刷 (アルミプレート板に印刷)
距離環成形材質:エンジニアリング・プラスティック材 (金属製芯材)
鏡筒及びヘリコイド (オス側):金属製

前期型−II 〜 前期型−VI:
製造番号:現在検証中
プラスティック製:距離環/指標値環/絞り環など様々
金属製:フィルター枠/マウント部など様々
距離環指標値:印刷 (アルミプレート板に印刷)/刻印もあり
距離環成形材質:エンジニアリング・プラスティック材 (金属製芯材)
鏡筒及びヘリコイド (オス側):金属製
総金属製が含まれる「前期型」にその特定を一切明示しません (業者の狙い撃ち回避の為)

後期型−I後期型−II
製造番号:50xxxx〜97xxxx
プラスティック製:距離環/指標値環/絞り環
金属製:フィルター枠/マウント部
距離環指標値:直接刻印
距離環成形材質:エンジニアリング・プラスティック材のみ
鏡筒及びヘリコイド (オス側):金属製

今回扱う「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」登場の当時の背景を知った上で、いよいよモデルバリエーションの違いに入り、合わせて具体的な「光学系の相違点」について解説を進めていき「描写性が違うだろうとの憶測」へと向かいたいと思います(笑)

巷では「前期型」と「後期型」をヒックリ返して「後期型を初期型と謳うヤフオク!出品者が居る」事を認知して下さいませ・・このモデルバリエーションを見誤ると「光学系の格納方法が違うので経年劣化進行の度合いが変わる」
点に覚悟が必要です!!!(汗)


←左一覧は、今回扱う「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」の製造番号で「先頭2桁」だけを調べ上げた
一覧表です。

製造番号は「00xxxx99xxxx」と先頭2桁に続き具体的な個体を示すシリアル値を採りますが、リアルに現実に市場流通している個体の製造番号は「先頭から6桁全てがシリアル値を成していない」と指摘でき、実際にネット上の掲載写真をサンプルとして190本 (内75本は当方の扱い品) から調査しています。

すると上の一覧で「白抜きの枠内番号」を先頭2桁とする製造番号が符番されている個体が
流通していません(汗) その一方で 色付の背景色や 色付の先頭2桁を付随する製造番号の個体は「一部が重複して/重なって」市場流通しているのが実際です(汗)

逆に言うなら、製造番号の先頭2桁なので、その符番ルールからすれば「0099」の全部で100番の符番個体が存在する計算になりますが、例えば 色付の背景色たる「58」番が居るのに、その一方で 色付の「58」番も居たりして重なってしまうのです(汗)

・・結果サンブル調査から存在しなかった白抜きまで含めると109番を確認した。

つまり「9つの番号で重なっている」話になり、どうして使っていない白抜き番号に符番せず
ワザワザ敢えて重なる番号で「前期型後期型」を跨いで製産してしまったのか???・・
との単純な疑念が湧いてきます(汗)

・・実はこの点から「製造番号事前割当制」の確信に至ります(汗)

つまり「何番何番」迄をどの期間に製造ラインに流して製産出荷するのかと言う、前もって符番する製造番号帯を予め決めて、その計画に沿って製産ラインを稼働させる方式「製造番号事前割当制」です。

この手法は戦前ドイツのCarl Zeiss Jenaでさえ採用していた事実を既に掴んでいます (ライカなどでも同じ)。これは製産時点での市場動向から「需要と供給」のタイムラグを可能な限り
低減させ、企業利潤をタイムリーに最大限追求する概念から来ていると捉えています。

↑ここから見えてくるモデルバリエーション内での「相違点」が明白に至り、上のような概要にまとめられます(汗)

上の概要は「対象製造番号先頭2桁を台数としてカウントしている」為、合計すると109台になり、道理的に存在すべく「00〜99の100番を超えてしまう」ワケで、調査した個体を見ていくと、確かに重なっている番号が混ざっている次第です(汗)

また、これら「初期型前期型後期型」の括りは、そもそも当方が今までに扱ってきた累計総数75本の個体を完全解体した上で「内部構造面から捉えて他のモデルバリエーションから一切転用ができない構成パーツの存在を以て判定を下す」との客観性を最大に重要視している為、どのように考えても、これらモデルバリエーションが逆転してしまう可能性は「100%排除される」次第です(笑)

・・だからこそ「後期型」を「初期型」と謳うアホなヤフオク!出品者を見抜ける!(笑)

逆に指摘するなら (今現在のヤフオク!出品者の中で) 自ら整備してこの「FUJINON 55mm/
f2.2シリーズ
」を出品している出品者に「一体モールド成形の後期型から転用してきた距離環を前期型に転用し被せて、自らのコトバで割れが無いと謳っている出品者」が居るくらいで、そのような所為を執るがゆえに「製造番号先頭2桁が重複してしまう」因果に至ります(汗)

転用先が「前期型」なので、鏡筒が金属製である事から「光学系の耐用年数に対する懸念は
より少ないままを維持できる
」ものの、本来の割れが入る距離環ではありません(涙)

・・はたしてそう言うオリジナル性を無視した行為はどうなのか???(涙)

本来在るがままの姿」にこだわる当方には、真に忸怩たる思いで悲しい意外コトバに表せません(涙)

そうやって自分達の都合の良い方向に改造され改変され、ついに製産時点を見失っていく (忘れ去られていく) 運命を辿るのが、オールドレンズ達の宿命なのかも知れませんね(涙)

当方が死ねば、このブログの維持費も潰えてしまい消滅しますから、いずれそう言う時代が
きっと近いうちに来るのでしょう(涙)

  ●               

いよいよクライマックスに突入します・・光学系の設計相違について明示していきます。

↑上の写真は「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」のモデルバリエーション「初期型 (左) に前期型 (中央) と後期型 (右)」を順に並べています。光学系第1群の前玉側方向から、フィルター枠とレンズ銘板含め、モデルバリエーションの相違を確認できる「外見上の特徴」として解説を述べています。

するとレンズ銘板と前玉直前の遮光環 (段々に切削されている環/リング/輪っか) の素材が樹脂製なのか金属製なのかの判定で「初期型前期型」と「後期型」が明確に違います(汗)・・
どんなにごまかして組み上げてしまい、距離環に割れが無くても「前玉の鏡筒への格納方法が異質なので経年劣化進行の度合いが変化する」1点に於いて「後期型」は別モノです(汗)

その一方、今度は「光学設計」に目を向けると「前期型後期型」の2つのバリエーションは「100%同一である事を実測して何回も何回も確認済」なので、詰まる処「初期型だけが
別の光学設計であり唯一無二の存在
」と明言できてしまうのです(汗)

↑上の写真は1枚目が「前期型」から取り出した光学系第1群前玉 (左端) 〜第4群後玉 (右端) を並べており、2枚目が今回扱った「初期型」の同様第1群〜第4群です。

当方がネット上に数多く解説されている内容と違う話を述べると「公然と平気でウソを拡散し続けている」と某有名処のコメント欄やSNSなどで誹謗中傷が現れるので(汗)、いちいちちゃんと『証拠写真』を撮影してこのブログで説明を試みないとイケナイみたいです(笑)

・・パッと見で同じように見えますが、計測すると明らかに異なる計測値を示します。

↑上の写真は光学系第1群前玉をヒックリ返して、裏面側を写真上方向に向けて並べています。「初期型 (左)」と「前期型 (右)」ですが、裏面側が平坦な「前期型 (右)」に比べて「初期型 (左)」は極僅かに凹んでいるのを赤色矢印で指し示しています。

またグリーン色のラインで明示したように、そもそもモールド一体成型されている前玉の位置が違うことが明白です。そしてもう一つ説明できるのは「前期型後期型が同一の光学設計を採っている」点であり、この事から「明らかに初期型だけが異なる前玉の設計」と指摘でき
ます(汗)

↑同じ光学系第1群前玉ですが、今度は前玉の露出面方向を写真上に向けて並べています・・同様「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で、グリーン色のラインのとおり前玉の一体モールド
成形位置がズレています。

↑今度は光学系後群側に移って第2群を並べており、同様「初期型 (左)」と「前期型 (右)」です。やはり凹メニスカス部分の光学硝子レンズの厚みが異なるのをグリーン色のラインで囲って明示しています。「後期型」も「前期型」と同じ設計なので、左側の「初期型だけが唯一
無二の光学設計
」と指摘できます(汗)

↑第3群を並べましたが「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で実際にデジタルノギスで計測すると、極僅かに計測値が違うものの近似しています。

↑そして最後、光学系第4群の後玉ですが「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で100%同一の計測値を示しました・・結果、光学設計の相違は「第1群前玉第3群まで」と確認する事ができた次第です。

↑ここからは「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で筐体外装パーツの違いを見ていきます。「初期型 (左)」が樹脂製のベースに金属製のフィルター枠自体がモールド成形されているのに対し、一方の「前期型 (右)」は総金属製です。ちなみにグリーン色の矢印で指し示している位置の穴はイモネジ用の穴で骨を備えて強度を増しているのが分かります。

↑皆さん一番気にされる距離環ですが「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で同じ樹脂製であるものの「初期型 (左)」は一体モールド成形なので、よほどチカラを与えない限り破断したり割れません・・グリーン色の矢印で指し示している位置に金属製ベース環が入っています。

↑外見上でパッと見て直ぐに分かる相違で「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で指標値環の高さが違います (材質は共に樹脂製で同一)・・「初期型 (左)」だけが「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」の中にあって唯一の二段構えです。

当然ながら指標値環の高さが違うと言う事は「距離環の高さも違う」と指摘でき、要は互いに転用ができません(笑)

  ●               

以上ここまで挙げてきた数々の『証拠写真』と解説から、当方が述べている内容がウソでは
なく事実であるとご理解頂けるでしょうか(笑)

↑これらから上に明示した光学系構成図のとおり「初期型 (左)」と「前期型 (右)」で光学設計が異なり、且つ「後期型」も「前期型 (右)」と同一の光学設計である点からして「初期型 (左) だけがFUJINON 55mm/f2.2シリーズの中にあって唯一無二の光学設計を採る」と明言できてしまった次第です(汗)

実際デジタルノギスで計測すると 色付した光学系第1群前玉は「初期型 (左)」が凸メニスカスであるのに対し「前期型 (右)」は凸平レンズです。また第2群と第3群の設計が異なり 色付の間に用意される「空気レンズ層」も違うのが分かります。唯一光学系第4群の 色付
ある後玉だけが全く同一設計の両凸レンズでした。

この「空気レンズ層」の配置は「色収差」の改善にも功を奏すので、光学設計に採り入れたのだとみていますが、これら光学系構成図を見る限り、第3群と第4群の互いが接する面の曲がり率も違うので、必然的に「空気レンズ層」を透過する際の入射光光路長も変化しています。

さらにもッと言うなら、注意深く観察した時、上の構成図で既に明白になりますが、 色付を施した光学系第1群前玉と 色付の光学系第2群〜第3群の間の距離・・つまり絞りユニットに対する前玉の格納位置の相違も明白に至り、これが意味する処は「鏡筒の長さ/深さ/厚み」も違っている為、それらの影響から「距離環や指標値環まで長さ/深さ/厚みが違う」いわゆる筐体設計自体の相違に到達しているのが判明します(汗)

逆に言うなら「初期型 (左)」と「前期型 (右)」そして同一設計を踏襲した「後期型」と比較しても、そもそも光路長が異なる光学設計なので道理が通ってしまうワケです(笑)

結果として、筐体外装パーツを他から転用してくる事自体が不可能なのは歴然になるワケで、決して辻褄合わせして、こじつけてウソを拡散し続けている話ではありません(汗)・・そこから設計上「指標値環を二段構えに設計する事でマウント部の部位/パーツの標準化が完成した以降の前期型後期型にもマウント部の部位/パーツはそのまま継承できていった」との道理に繋がりが強まる話に至ります (当時の設計主任から話を聞いたワケではないので、完全解体して知っているだけと言う低俗な憶測の範疇に留まります)。

・・如何ですか??? たかが廉価版モデルも「観察と考察」により当方は楽しいです!(笑)

なお、ここからは前述の話 (当方の低俗な憶測) を補強する解説になりますが(笑)、今回扱った個体を当初バラした時の『証拠写真』を使い述べていきます。

↑上の写真は今回扱った個体を当初バラした直後、溶剤で洗浄してしまう前に撮影しておいた「鏡筒 (左) とヘリコイドメス側 (中央) に基台 (右)」です。「鏡筒 (左)」の外周にはヘリコイドオス側のネジ山が切削されている設計です。

すると前述の話で「光路長が異なる光学設計だから鏡筒の長さ/深さ/厚みが異なる」根拠を
示す『証拠写真』として、その一つをグリーン色のラインで囲って明示しています(笑)・・
実はまだ他にも相違点の箇所は在るのですが、いちいち解説しません(汗)

このグリーン色のラインで囲った長さの相違は、後の時期に登場する「前期型後期型」の
鏡筒との長さ/深さ/厚みの相違を意味します (だから光路長が違うと明言できている)。

↑上の写真2枚は、前述の解説の補強とは離れますが、せっかくなので過去メンテナンス時に「古い黄褐色系グリースの上から白色系グリースを塗り足している」事を説明します(笑)

日本国内の複数の整備会社で今現在もこのような所為を平気で行っており「グリースの補充」と呼んでいるようですが、以前金属加工会社様でいろいろ取材させて頂いた時の内容から考察するに、当方からすればとんでもない話で「成分も添加剤も増ちょう剤も全く違う種別の潤滑剤を混ぜて使う事など有り得ない」としか言いようがありません(汗)

もッと言うなら、上の写真を見れば一目瞭然ですが(笑)、古い時代に塗布されていたハズの「黄褐色系グリース」がその褐色を維持できているのに、一方新たに塗り足された「白色系
グリース
」のほうは、経年劣化進行に伴い「アルミ合金材の摩耗粉が混入して濃いグレー状に変質」しているのが明白です(笑)

この点についても、以前取材させて頂いた金属加工会社の社長さんから、シッカリご教授頂いたので理解できたのですが (社長さん、ありがとう御座いました!)(汗)、だからこそ当時は「黄褐色系グリース」を使う事を大前提として設計していたのではないかと教えて頂きました
・・そこにいくら技術革新が進んだからと言って「シリコーン系グリースを平気で使ってしまう魂胆が信じられない」所為だが、流行っているから仕方ないとのことでした(汗)

・・まさに仰る通りで、至極納得できてしまったところです(汗)

このような取材内容から、当方では徹底的に「白色系グリース」を嫌っている次第で「♯10
、♯30
」或いは最近では「M−1M−3T−1」などの「白色系グリース」をオールド
レンズ専用を謳って使うのに、徹底抗戦しているところで御座いますです、ハイ(笑)・・製産
当時に想定していたのであれば、今現在もなお最低限「黄褐色系グリース」を使うのが・・
せめてもの設計者に対する礼儀/礼節なのではないでしょうか???(涙)

ちなみにこの話に関し、相当に幼稚ながらも当方でちゃんと検証しており(笑)『検証:白色系グリースはヘリコイドのネジ山を摩耗しているか』で低俗な実験など行い調査しています(恥)
・・ご興味がありましたらご参照下さいませ(汗)

↑話を戻しますが、上の写真も今回扱った個体を一番最初にバラした直後、溶剤で洗浄した
後に並べて撮影しています。マウント部内部で使う構成パーツの一部です。

トーションバネ (捻りバネ)
トーションバネ (捻りバネ)
制御用爪
絞り環駆動域制限キー

は共にトーションバネ (捻りバネ) ですが、使う目的と使用箇所が全く異なります。当初バラしている途中でトーションバネ (捻りバネ)グリーン色の矢印の箇所を、過去メンテナンス時に固着剤で固められていました(汗)・・本来は左右にハの字型に広がっている位置で反発力を与えて影響力を行使する役目なのに、その箇所を固着剤で固定されてしまったので「反発する向きが反転してしまい本来の適正な正しいチカラが及ばなくなった」次第です(汗)

また トーションバネ (捻りバネ)グリーン色のラインで示したカタチが正しいのに、グリーン色の矢印箇所で故意にワザと強制的に曲げてチカラを増幅させている始末です(汗)・・
その理由は、そもそもで反発の向きが逆転した為に絞り羽根の開閉異常が起きているにも
関わらず、過去メンテナンス時の整備者は全く理解していません(笑)

さらには絞り環に締め付け固定される「制御用爪」で、絞りユニットから伸びているアームを操作する役目ですが、グリーン色の矢印で指し示している固着剤で固められているのが問題なのです(笑)・・その次の 絞り環駆動域制限キー が左右の穴にネジ込まれて一緒に使われ
ますが、よ〜く観察すると「キーの頭の大きさが違う」ことを過去メンテナンス時の整備者は全く気づいていません(笑)

このの「キー」の役目は「絞り環操作した時の開放f値側と最小絞り値側の停止位置を確定
する役目
」なので、それぞれの位置で「絞り羽根の開閉角度をきっちり適正化する」目的/役目
から「キー」の頭の径を違えて停止位置を確定させる設計概念です(笑)

・・過去メンテナンス時の整備者はそれを全く理解せずテキト〜に左右使い回している

ので、特にこの当時の「FUJICA製オールドレンズ」の多くの個体で同じように「絞り環の駆動域がズレている個体が非常に多い」ものの、その因果を作っているのは過去メンテナンス時の整備者と言う始末です(笑)

当方がこのブログで数多くの「FUJICA製オールドレンズ」のオーバーホール時にあ~だこ~だ苦言を呈しているのは、その多くがこれらマウント部内部の構成パーツの使い方ミスを「過去メンテナンス時の整備者が招いている」点を述べています(汗)

しかし問題なのは、過去メンテナンス時の整備者の不始末だけに留まらず、何と今現在のヤフオク!で自ら整備済みで出品し続けている出品者さえも「平気でパーツの使い方をミスったまま組み上げている」のを目撃しているので(汗)、相変わらず「製品寿命へとまっしぐらな個体が増えているだけ」と、いったい何の為に整備しているのか「???」しか残りません(涙)

そのクセ、ヘリコイドネジ山を金属用研磨剤で磨きまくっている始末で「研磨剤を使うなど
以ての外
」であって、自分だけ良ければいいと言う、本当に世知辛い世の中です(涙)
(製産時点にそんな事は処置しないし、そもそも研磨剤の目的と役目を知らない!!!)

・・本当に酷い話です(涙) 落札する人が可哀想で仕方ありません!(涙)

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はFUJINON 55mm/f2.2《前期型》(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わっています。「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」は、今までの13年間での累計層扱い数75本目になりますが、その中で僅か2本目と言うのが今回の個体です。

そこで今一度確認できましたが「光学系の蒸着コーティング層の質が違う」と光学清掃していて確信を持ちました。他の「前期型後期型」に比べて「初期型」の光学系は蒸着コーティング層の平滑性が「一般的なオールドレンズと同一の感触」との感想を持ちました。

逆に言うなら、やはり他の「前期型後期型」の光学系蒸着コーティング層のほうが心許ないと言うか、平滑性を問われる「ちょっと粗い印象かな???」と言うイメージです。

それが本当なのか否か不明ですが(汗)、少なくともそこに一つの経年劣化進行に伴うコーティング層の状態が現れるのかも知れません。

↑従って、光学系内の透明度感は相当なレベルで、いわゆる一般的なオールドレンズと同様であり、ひたすらにスカッとクリアです。LED光照射でも、コーティング層経年劣化進行に伴う極薄いクモリすら皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群も蒸着コーティング層の質の違いを感じずには居れません(汗) 同様スカッとクリアで、LED光照射でもコーティング層経年劣化進行に伴う極薄いクモリすら皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:17点、目立つ点キズ:10点
後群内:19点、目立つ点キズ:14点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(後群側に極微細な4mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。

↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります

申し訳御座いませんが切削はご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。

またK&F CONCEPT製のマウントアダプタをご使用頂ければ/手に入れればこの「開放測光用の爪」を回避するので干渉せずに正常使用が可能ですからご検討下さいませ。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています (一部の絞り羽根に油染み痕が残っています)。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。
絞り羽根の一部に油染み痕/汚れが残っています
距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
・装着するマウントアダプタによってはピン押し底面の深さの影響で絞り羽根の開閉動作に問題が現れる懸念があります。出品商品はK&F CONCEPT製、及び日本製Rayqual製マウントアダプタに装着して絞り羽根の開閉動作に異常なく正常である事を確認済みです。マウントアダプタ装着時の絞り羽根開閉動作に係る問題はクレーム対象としません。
・マウント部内部の捻りバネの経年劣化進行に伴い僅かに弱っている為鏡筒から飛び出ているアームを掴んでいる爪が擦れて「カリカリ音」が聞こえてくる事があります(特にマウントアダプタに装着すると聞こえてきます)。捻りバネの経年劣化が原因なのでこれ以上改善できません。また当問題で将来的に不具合を起こす因果関係に至ることはありません。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
指標環基準マーカーに割れがあり接着してます

当方の『磨き研磨』は、経年劣化進行に伴う金属製パーツの酸化/腐食/錆びの除去だけを目的とし、金属研磨剤などの化学薬品を一切使用していません
従って研磨後の金属材表層面に影響を来たす成分が浸透せず「エイジング処理済」の為、すぐに酸化/腐食/錆びが生じません。総ては『製品寿命の延命化』の為であり、内部と言えども金属材の劣化を一切促しません。

特に最近のヤフオク!出品者の中には、金属用研磨剤を使って処置している出品者が居るのでご注意下さいませ。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『FUJINON 55mm/f2.2《初期型》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
純正樹脂製スナップ式前キャップ (中古品)

↑指標値環の基準マーカー位置に割れがあったのでエポキシ系瞬間接着剤で接着しています。

↑距離環の距離指標値印刷アルミ板テープには僅かにキズやスレ、凹みが残っています。

↑いつもどおり当方所有のマウントアダプタではありますが、ちゃんと事前に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 上の写真は中国製のK&F CONCEPT製「M42 → SONY Eマウントアダプタ」に装着し、合わせてマウントアダプタ内側のピン押し
底面を「平面」にセットした状態で全く問題がない正常動作である事を確認しています。

赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合にそれが干渉しないよう、約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。

ちなみに「ピン押し底面」は両面使いできますが「平面側/凹面側」どちらでも絞り環操作、或いは絞り羽根の開閉角度など「凡そ当方が気になって確認するべき事柄は全て逐一チェックし微調整が終了している状態」での、オーバーホール済ヤフオク!出品になっています (当たり前の話ですが)(笑)

この「K&F CONCEPT製M42マウントアダプタ」に関する解説は、ちゃんと補足解説として『◎ 解説:M42マウント規格用マウントアダプタピン押し底面について』で詳しく説明して
いるので、気になる方はご参照下さいませ (別に中国のK&F CONCEPT社からお金を貰って
いるワケではありませんが/皆様の利便性追求を以て解説すると、今度はそのような意味不明
な批判を言ってくる人が居るからウケます
)(笑)。

↑同様今度は日本製のRayqual製「M42 → SαE マウントアダプタ」に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合に、それが干渉しないよう約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後まで
ネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる
)。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離55㎜開放F値f2.2被写体までの距離53m許容錯乱円径0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度26m後方被写界深度∞m被写界深度∞m」の為、30m辺りの被写体にピント合わせしつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の53m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。

・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭です(笑)

従って、以下仕上がり後の今回扱った個体によるオーバーホール後の実写確認も「常に被写界深度を意識」して写真掲載していますから、確かに皆様がネット上で仰る通り、当方は「プロにもなれずマニアすらなれなかった整備者モドキのクソな転売屋/転売ヤー」との話ですから(笑)、電子検査機械設備を所有しない以上、せめてもの基準としてそのように仕向けている
次第で御座います(汗)

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には
応えられません

なおこのブログでも何度も何度も執拗に述べていますが(笑)、当方では「無限遠」のことを指して「無限大」とは決して表現しません(汗)・・何故なら「無限大」は数学用語の一つで「限りなくどんな正数よりも大きくなること」を指し、その一方対極に「無限小計測不能な方向に向かって限りなく小さくなっていくこと」が存在するため、当方では「光学用語としての無限遠を∞として表現する」とし、或る一意の距離から以降遠方に向かってピントが合焦しているように見える (人が自らの目で見て捉えられる) 事象を述べています (重要なのは合焦しているように見えている点です)。

その根拠は「人の瞳で見て限りなく大きくなっていく/遠くなっていく方向性を意識的に捉えられるとは考えていないから」と述べられます (もしも当方だけが異常者なら、どうかそのようにご指摘下さいませ)(汗)

例えば当方は古い27型のiMacを使っていますが(汗)、画面を眺めている時に「左右の両端が直上に向かって斜め状に尖って見えている」ワケで(笑)、それはいわゆるパースペクティブの「遠近感の表現手法」の一つでもありますが、そもそもは球体状に近い人の瞳で捉えた時の「錯覚」とも指摘でき、リアルに現実に27型iMacの画面両端が本当に斜めって造られている話ではありませんョね???(笑)・・そういう円形の (半径を基にした) 光学系の概念の中で
捉えようとしている話なので、少なくとも当方には「無限大」は全く認識できていません(汗)

そもそもオールドレンズの世界では「距離環は無限遠方向に回した時、必ず任意の位置で停止する」のが「∞刻印」の位置であるだけの話で(笑)、限りなく無限方向に回っていく話ではありませんね (今ドキなデジタル一眼レフカメラ/ミラーレス一眼レフカメラで言えば、最後は撮像素子面に突き当たる)(笑)

・・無限大とは当方では決して表現しません (恥ずかしくてとても言えない)!(笑)

↑当レンズによる最短撮影距離60cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはハレーション気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影していますが、絞り環の刻印は単なる「●」だったりします(笑)

↑さらに回してf値「f4」で撮影しています。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。