〓 PETRI (ペトリ) EE Petri MC LENS 55mm/f1.7《M42マウント改造品》(M42)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の
ペトリ製標準レンズ・・・・、
EE Petri MC LENS 55mm/f1.7《M42マウント改造品》(M42)』
です。


この当時のペトリカメラ製「55mm/f1.7」だけで括ると今回オーバーホール済でヤフオク!
出品する個体が累計で9本目にあたりますが、ペトリ純正のマルチコーティング化したモデルはこのタイプしか存在しないのでそれだけでカウントすると今回が4本目です。

しかし一番最初に扱ったEE Petri MC LENS 55mm/f1.7《マウント改造品》(M42)』だけが何とか自分で納得できる仕上がりでしたが、それ以降納得できないまま扱い本数だけが増えている状況です。

今回も残念ながら納得できる仕上がりに至らず『ジャンク扱いでの出品』です・・(泣)

一応ちゃんとフツ〜に使えるよう仕上げてあるので、ジャンク扱いと言われなければそのまま落札してしまうかも知れません(笑)

しかし自ら納得できないまま知らん顔して売り切るのは自分の心が何だかチクチクするので、その良心に逆らうことなくお好きな価格でど〜ぞと「オークション形式」での出品もたまにはいつも気にして頂いている方々には楽しめるのではないかと思ったりもします(笑)

まぁ〜そんなワケで、X’masにはちょっと早すぎますが本番のX’mas前に先に手に入れて活躍できるかも知れないからと・・微かな願いを込めて出品します!(笑)

このモデルの当時の背景やオーバーホール工程などはEE Petri MC LENS 55mm/f1.7《マウント改造品》(M42)』を参照頂けると詳しく解説しています。

《補足説明》
一部問い合わせが来たのでここで説明しておきます。当ブログページ下のほうで説明している「お勧めマウントアダプタ」はK&F CONCEPT製M42→SONY Eマウントアダプタですが、これは当方のカメラボディがSONY製α7IIだからです。

従ってオーバーホール工程でチェックしているマウントアダプタも同型品になります。

さらにマウントアダプタ内部にセットされている「ピン押し底面」も今回出品している個体の装着に際し「平面側をオールドレンズ側に向けてセット」しており、ピン押し底面の深さを 0.4㍉分ですが浅くしています。

K&F CONCEPT製マウントアダプタについては『◎ 解説:K&F CONCEPT製M42→SONY E マウントアダプタ《最新モデル》』でも詳しく説明しているので興味がある方はご参照下さいませ (その解説ページの中でピン押し底面の凹み面の深さを0.5㍉としていますがバラツキがあるので0.4㍉〜0.5㍉と捉えるのが良いかも知れません/エンジニアリング・プラスチック製のピン押し底面なので誤差がある)。

また一部掲載写真で距離環の「∞」刻印位置がピタリと合っていない写真を載せていますが、たまたま撮影した時にズレていただけで、出品個体は正しく問題なく∞刻印位置まで回って、且つピタリと突き当て停止しています。

確かに『ジャンク扱い出品』ですが、オーバーホールをした以上当方なりにちゃんとフツ〜に使えるよう仕上げているつもりなので、今までに当方がオーバーホール済でヤフオク! 出品したオールドレンズをご落札頂いていらっしゃる皆さんならご理解頂けると思いますが、もしも 疑われる方はご落札/入札を見送って頂くほうが良いと思います!(笑)

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はEE Petri MC LENS 55mm/f1.7《マウント改造品》(M42)』のページをご参照下さいませ。

後で気づきましたが距離環と絞り環を間違えて並べています (別のモデルの距離環/絞り環を並べてしまった/出品個体と違います)。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品試用品の写真になります。

↑前回同型モデルをやはり「M42マウント改造」して出品した時もジャンク扱いになってしまいましたが、本来納得ずくで何も問題が無いまま出品する場合は『即決価格39,500円』で 今までも落札されています。

何しろこのモデルは通常スピゴット式の「Petriマウント」規格品しか市場に出回らないので、まさに改造しない限り「M42マウント」で手に入りません。

また当方は「光軸確認」を必ずチェックするので、いわゆるマウント部を切削したりエポキシ系接着剤でムリヤリくっつけての改造をする気持ちが一切ありません(笑)

特にエポキシ系接着剤の能力は以前勤めていた会社の同僚の父親が鹿島建設やその他から依頼が来るというほどの接着に関するプロ (と言うか研究者) が居たので、いろいろ教えてもらい エポキシ系接着剤の大きな弱点を知っている為、そもそも使う気持ちがないというのも大きいですね(笑)

例えばその教授 (同僚の父親) はプラスチック製のお箸を目の前でポッキリ折ってしまい、それを接着剤の類を一切使わずに元通り戻してしまう (しかもちゃんと真っ直ぐ) な〜んていう即席実験 (お湯を使う) まで見せてくれてオドロキでした!(驚)

もちろんポッキリ折れた場所は元に戻ってもハッキリ見えているのですが、同じ場所で折ってみなさいと言われて試したら、どうにもこうにも折れずに「むしろ強度が増したでしょ!」と自信タップリに言われたのを今でも覚えています。

モノとモノをくっつける時はその素材の分子レベルでくっつけるのか別の方法が適しているのか、その使う場所や用途/目的などを考えつつ適切な接着方法を提案していくのが先生の建設 会社へのアプローチだと言うことでした。

・・ウ〜ン、たかがプラスチック製のお箸の実験だけで即納得です!!!(笑)

もぉ〜その即席実験を見せられただけで「日本製の橋が崩落しない理由が判った!」みたいな何だか変な安心感が湧いてしまったのを思い出しました(笑) 実際何と言う名前だったか忘れましたが、四国などで各地を渡している大型の橋も先生のアプローチ技術が使われているらしく、大きな写真がたッくさん部屋の壁に飾られていました。

またその時の話で「逆に固定しすぎるともたない場合もあるので何でもかんでも固定すれば 良いワケではない」とお話しになっていたのが今頃当方のオーバーホールで非常に役立って おり、まさに先生のお話どおりなのが今までの10年間で自ら検証できています。

要は「使っている金属材の応力」を活用しつつ固定する手法がある事を自らのオーバーホール工程の中で知り得ましたね(笑) 先生のヒントがなければ気づかなかった話でもあります。

言っちゃ悪いのですが、パッと見で人生研究だけで終わってしまう・・みたいな風貌と印象が強烈な方でした(笑)

↑今回『ジャンク扱いで出品』する理由の一つがこの光学系内の状況です。光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体なのですが、残念ながら前玉のカビ除去痕が相当酷く「半分近くの領域でカビ除去痕に伴う薄いクモリが残っている」のと、合わせて後玉も「パッと見で塵/埃にしか見えない非常に微細な点キズがカビ除去痕として密集的に残っている」と言う状況です。

従ってフツ〜の撮影ならともかく、光源を含んでいたり或いは角度により日射しが差し込んでいるシ〜ンなど、或いはモロな逆光撮影時には相応にフレアやフレアが現れコントラスト抵抗/負荷/摩擦かを招くと予測できます。

フレア
光源からの強い入射光が光学系内に直接透過し画の一部分がボヤけて透けているような結像に至る事を指す

フレア
光源からの強い入射光が光学系内で反射し乱反射に至り画の一部や画全体のコントラストが 全体的に低下し「霧の中での撮影」のように一枚ベールがかったような写り方を指す

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

前玉の写真を見る限りカビ除去痕に附随する非常に薄いクモリが視認できませんが (順光では見えない) LED光照射すると確実に視認できます。

また2枚目の写真のとおり前玉外周には幾つかの場所に菌糸状のカビ除去痕でコーティング層が剥がれている箇所があります (エメラルドグリーン色に写っている部分)。コーティング層が剥がれていますがその箇所は写真には影響しません (仮に写真に円形ボケを表出させて写してもこのカタチが入ることは非常に少ない)。

↑後群側は薄いクモリと言うよりもカビ除去痕なのですが非常に微細な点キズとして密集している箇所があります。しかしこれも写真には影響しませんが、円形ボケの表出時にはポツポツと写り込む懸念はあります。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

当方は基本的に光学系内をLEDライトで照らして撮影し、その写真をヤフオク! の出品ページに載せるのを極度に嫌います。当方が見れば (自分でバラして光学系のどの群のガラスレンズなのか確実に指定できるが) 一般の方がそれら写真を見ると「どの群のどの硝子レンズに生じているキズや汚れなのか指定できない」ので、敢えてワザと載せないようにしています。

おそらく光学系内の総てとして全体の認識でそれら写っているキズや汚れを捉えてしまうので、単に酷い状況を見せているだけの話になり兼ねません。しかしそれは正しく伝えている事には一切ならないというのが当方のポリシーです。

↑絞り羽根は6枚ですが閉じていくと途中から「正六角形が歪になっていく」閉じ方になります。

この原因はもちろん絞りユニット内部の切削など設計や製産時点の面取りなど起因する問題もありますが、一番大きな理由は「このモデルの絞り羽根開閉制御環がプラスチック製だから」です。

何を考えたのか、どうして一番肝心な箇所なのに敢えてプラスチック製を用意した設計概念が信じられません(涙)

発売のタイミングが1974年ですから倒産した1977年直前というリードタイムから考えても「M42マウント回帰」で輸出モデルに活路を見出そうとしたのかも知れませんが、既に世界 規模でM42マウントも衰退の一途でしたからもはや金属製でパーツを起こして量を確保する ことすら叶わなかったのかも知れません (分かりませんが)。

そうなのです・・!!!

本来のマルチコーティング化モデルたる「EE Petri MC LENS 55mm/f1.7」は鏡筒から絞り羽根の制御環や絞り環に至るまで総てがその当時の海外輸出モデル「M42マウントタイプ」とは反対方向なのです。

従って海外専用にOEMモデルを「M42マウント」で急きょ用意するにも逆方向の制御なのでパーツを急いで用意するひつようがあったハズですが、それを金属製パーツで作らなかったワケです。

それが仇となり経年での摩耗が避けられずにこんな話になっています・・(泣)

今回は本来のMCタイプの個体と共に同じく「Petriマウント」の別のモノコーティングモデル、そして海外輸出専用モデルたる「M42マウント」モデルと、全部で「サンコイチ」でそれぞれから必要なパーツを転用し組み上げています。

パッと考えると「M42マウント」のモデルに単に光学系を組み込めば良さそうに考えますが、実はヘリコイド (オスメス) や鏡筒の固定位置、或いは絞り環との連係箇所などが個別に全部 異なり、単にパーツを用意し組み合わせるだけでは「何一つ組み上がらない」のがこのペトリ製オールドレンズの難しさです。

従って組み合わせを考える時、転用するパーツと別のパーツ、或いはセットする箇所との連係や位置関係はもちろん抵抗/負荷/摩擦などまで含め「本来の製品と同等レベルまでチカラの伝達を確保しなければ正常に動かない」と言う部分に於いて、おそらく真似できる整備者は非常に少ないと考えられますね(笑)

残念ながら今回出品する個体も当方自身が納得できていないので『ジャンク扱い出品』ですから、その意味でなかなか一筋縄では組み上がらない改造とも言い替えられます。

↑いつもと同じで経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

塗布したヘリコイドグリースはいつもどおり「黄褐色系グリース」なので、当方がいつも出品しているオールドレンズと同じトルク感の印象で仕上がっています。

今回の個体はヘリコイド (メス側) の状態が良く、一切変形していなかったのでとても軽い印象のトルク感に仕上がっています。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体EE Petri MC LENS 55mm/f1.7《M42マウント改造品》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
 純正樹脂製被せ式前キャップ (中古品)

一応ちゃんとフツ〜に使えるように仕上げてあるので、下手すると「いったい何でジャンク品扱いになったの?」と思われるかも知れませんが(笑)、単に当方自身がこの仕上がり具合に 納得できていないだけと言うのが正直なところです(笑)

特に「A/M切替スイッチ」の挙動/駆動範囲を限定できなかったのが心残りと言うか、そのせいで絞り環の操作性が思った通りに至らず、その影響を受けて絞り羽根の開閉動作も期待値に到達せず、いろいろな部位で「90%にしか到達していない仕上がり状態」で連係しているが為に仕上がりが気に入らないワケです(笑)

では他の今までヤフオク! に出品してきたオーバーホール済のオールドレンズ達は「100%の仕上がりと言えるのか?!」とご指摘を受けそうですが(笑)、残念ながら95%くらいかも知れません。

逆に言うなら、何も改造などせずにそのまま組み上げているのが他のオールドレンズ達なので、それらのオーバーホール工程で何某かの問題点があったとしても「それらの根拠や原因を100%必ず説明できる」ので納得できるワケです。

今回納得できていないのは「切削したり削ったり位置を変更したり改変/改造してしまった」ので本来あるべき姿から逸脱している分、それらの問題点を説明し切れないことが納得できないワケです(笑)

たったそれだけの話です・・(笑)

なお「A/M切替スイッチ」の指標は基準「」マーカーの位置で「 (自動)」と「 (手動)」切り替えの目安です。鏡胴の反対側にもう一箇所同じように「」がありますが (ちょうどツマミの位置) これはダミーです。但し「A/M切替スイッチ」の挙動と絞り羽根の動きが連係しない場合があり不安定なので『ジャンク扱いでの出品』です。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離60cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。そろそろ絞り羽根の閉じ方が僅かに歪に変わってきています。

↑f値「f11」です。

↑本来の製品上の最小絞り値「f16」での撮影です。絞り羽根の閉じ具合も「歪なカタチ」で閉じています。

ジックリ観察すると「回折現象」の影響が現れているのが分かります。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

↑さらに絞り環をもう一段分回せるように内部を加工したので実測値ですが「f22を越えた辺り」の感じで絞り羽根が閉じている状態です (もちろんf16と同様歪なカタチで閉じている)。

今回は『ジャンク扱い出品』なのでオークション形式ですから当然ながらクレーム対応は一切できませんし、今まで必ず承っていた「リピーター割引」もl対象外になりクロネコヤマト宅急便の送料分実費をご負担頂きます。

お好きなお値段でご落札下さいませ・・(笑)