♦ Ernst Leitz GmbH Wetzlar (エルンスト・ライツ・ヴェッツラー) Summarit 5cm/f1.5《1956年製》(L39)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホール/修理が終わりご案内するモデルは、旧西ドイツは
Ernst Leitz GmbH Wetzlar製標準レンズ・・・・、
Summarit 5cm/f1.5《1956年製》(L39)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計でも僅か6本目です。

先ずは冒頭で、このような大変希少なオールドレンズのオーバーホール/修理ご依頼を賜りま
した事、ご依頼者様に感謝とお礼を申し上げたいと思います・・ありがとう御座います!

  ●               

つい先日、今回扱ったモデルの前身にあたるLeitz Xenon 5cm/f1.5《後期型》(L39)』
このブログに掲載したかりですが(汗)、その時の解説を一部抜粋します。

前回扱ったLeitz Xenon 5cm/f1.5《後期型》(L39)』モデルの光学系を語る時、必ず辿ら
なければイケナイ系譜がちゃんとあるのに、それを試みない為「消化不良」に陥ります(汗)

本来は光学設計の黎明期たる19世紀まで遡る必要がありますが、今回は「ダブルガウス型
光学系の発展
」から解説を試みます。

19世紀の発明を参考にしつつ20世紀に入ると、英国のTaylor, Taylor & Hobson社 (TT&H) に1913年に入社した光学設計技師「Horace William Lee (ホレス・ウィリアム・リー)」が1920年に「OPIC型光学系」を考案したのが、前回扱ったモデルの光学系開発に大きく影響します (右写真はR.キングスレイクによる写真レンズの歴史
アカデミックプレス1989より)

 

↑左図が1920年の特許出願申請書『GB157040A』であり、Horace William Lee氏により
考案された4群6枚の光学設計「OPIC型光学系」です。その特許出願申請書の掲載構成図から当方がトレースした構成図が中央になり、さらに右端が後にTT&H社から製品化し発売された「シリーズO」の光学系構成図です。

そして凡そ10年後の1930年に、同じく英国はKAPELLA Ltd.社より特許出願申請書が提出されますが、この申請会社こそが Horace William Lee氏が創設した会社であり、英国バーミンガム東方近郊に位置する「104, Stoughton Street, Leicester (レスターシャー州レスター市オード
ビー, ストットン通104番地)」という閑静な住宅街のド真ん中に、いまだに増改築を経ながら建物が残っているからオドロキです!(驚)

↑左端の図が1930年のKAPELLA Ltd.社から申請された特許出願申請書『GB373950A』ですが、実はこの時の特許出願申請書にはちゃんと前述の『GB157040A』からの発展した
考案である旨の記述がありました!(驚) 同様2つ目の構成図は当方によるトレースです。

さらに同年に今度は米国向けにKAPELLA Ltd.社より特許出願申請書『US2019985A』が申請され (3つ目の図)、やはり発展系である事が Horace William Lee氏のコトバとして記述されていました。右端の構成図は当方が掲載構成図をトレースしたものです。

そして肝心な冒頭の「消化不良」の話ですが(笑)、右構成図は前回の
オーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時、当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。

光学系前群と後群の間に「変なカタチの絞り羽根が居る」のは、前回のモデルが実装しているのが『歪曲型絞り羽根』だからです(笑)

↑そして上の図が今回扱った、まさにErnst Leitz GmbH Wetzlar製標準レンズSummarit 5cm/f1.5《1956年製》(L39)』に関する情報です。

左端は1957年に提出された特許出願申請書で、出願者は「LEITZ ERNST GMBH」であり、そのイベンターは「Otto ZimmermannGustav Kleinberg (Wetzlar在住)、Eugen Hermanni (Katzenfurt在住)」の3氏による共同発案として記述した『DE1045120B』で
あり、その特許出願申請書の掲載図面から当方の手によりトレースした光学系構成図が3つ目
です。次の左端から2つ目の特許出願申請書は同時に出願された『US3012476A』で記載の
事項は同じです (但しその認可は1961年までズレ込んでいる)。

一方右端は今回扱った個体Summarit 5cm/f1.5《1956年製》(L39)』をオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。

↑このように当方が述べると、ネット上で数多く掲載されている情報と異なることから「公然と平気でウソを拡散させている」との誹謗中傷が某有名処サイトのコメント欄やSNSで広まるので(汗)、ちゃんと「証拠写真」をイチイチ載せないとイケナイみたいです(笑)

上の写真は今回扱った個体から取り出して溶剤で処理した後に撮影していますが、別の目的で撮っています。光学系第2群の2枚貼り合わせレンズ (左) と光学系第3群の2枚貼り合わせ
レンズ (右) です。

いずれも黄銅材の格納筒に一体モールド成形されたままアルミ合金材を切削して用意された「鏡筒」に「落とし込み方式で格納」する設計として造られたので、黄銅材の格納筒に一体
モールド成形する必要があります。

ちなみに赤色矢印で指し示している箇所に一つだけ用意されているスリット/切り欠き/切削は「空気抜き用」で(笑)、鏡筒に格納した時に空気の圧迫を受けて、収納位置が狂うのを適切に落とし込む狙いで用意しています (この1つだけ)。

上の写真で撮影している向きは「互いが絞りユニットを挟んだ時、絞りユニットの方向を写真上方向に向けて並べている」ので、例えば左側の第2群は裏面側が前玉側方向を意味し、同様第3群も裏面側が後玉側方向を向いています。

証拠写真』として掲載しましたが(笑)、ご覧のとおり左側の第2群の裏面は、光学系で言う処の構成3枚目にあたる、2枚貼り合わせレンズではあるものの「まるで段々畑の如く階段状に切削して設計している」のが明白です (従って当方のトレース図でもそのように逐一計測して作図しています/このようなカタチに切削する設計の必要性がちゃんと在る)(笑)

↑今回のオーバーホール/修理個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。具体的なオーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はSummarit 5cm/f1.5 (L39)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホール/修理が完了したオールドレンズの写真になります。

↑完璧なオーバーホール/修理が終わりました。今回のオーバーホール/修理ご依頼内容はたったの一つ「4年前の入手時はクリアだったのに現在はクモリを帯びているので除去してほしい」です。

実際光学系内を覗き込むと、確かにLED光照射した時だいぶ盛大に全面に渡るクモリを帯びており、しかしそれらクモリは光学系各群別に同じように帯びているとも言い切れません(汗)

特に光学系前群に至っては「クモリの帯び方が変???」と、まるで液体がこぼれているかの如く、じわぁ~ッと広がっていくような印象で、どうしてそのようなカタチでクモリが広がるのか「???」でした (前玉裏面側のお話)(汗)

その一方で後群側は、間違いなく過去メンテナンス時に着色した「反射防止黒色塗料のインク成分」が蒸着コーティング層に対して悪影響を及ぼし「コーティング層が変質してしまった
場合のクモリ
」と受け取れます(汗)

しかしその後群側各群も「明らかに何かの薬剤を使って拭いた跡が残っているクモリの状況」に見え、純粋に過去メンテナンス時に着色された「反射防止黒色塗料」のせいだけではない
ようにも見えます(汗)

いずれにしても相手は蒸着コーティング層の話なので「正直、相当厄介な現状」にしか見え
ません (つまりバラす前段階は、これらクモリを除去できるか全く自信が湧かなかった)(汗)

オーバーホール/修理が全て終わってみれば「これだけ抜けてクリアに戻ったら許してくれる
かなぁ〜
???(汗)
」と言うレベル止まりで、正直100%完璧にクモリを除去できていま
せん(涙)・・申し訳ございません!

このモデルの光学系は、冒頭解説のとおり5群7枚の拡張ダブルガウス型構成ですが、光学系前群の第1群前玉と第2群貼り合わせレンズが今までに処置されてきた内容と、後群側の第3群〜第5群に対して施されてきた内容とに「同一性を見て取れる要素」と「全く異なる処置を加えられている要素」との大きく2つに分かれるように見受けられます(汗)

逆に言うなら、それらの印象を抱く現象が確かに在るものの、その根拠を示せと言われれば「お手上げ状態」なので、明言できないのが正直な気持ちです(汗)

↑上の写真はいつもの如く、取り出した光学系第1群〜第5群を並べて撮影しています。光学系前群側を赤色文字で表記し、後群側をブルー色の文字で表記しています。

グリーン色の矢印で指し示している向きは、それぞれの群の向きが分かるように「前玉の露出面側方向」を示しています (従って光学系前群後群とで、その間に絞りユニットを挟むので
向きが逆転します
)。

光学系第1群前玉を除き、他の第2群〜第5群の全てが「鏡筒の格納筒への落とし込み方式」による収納方法なので、ご覧のとおりそれ各群は黄銅材の格納環に一体モールド成形されて
いる造りです (それで経年劣化進行に伴い酸化/腐食/サビから焦げ茶色に変質している)。

↑なかなかのショッキングな写真ですが(汗)、光学系第3群の裏面側コバ端からボロッと剥がれ落ちていた「反射防止黒色塗料」で、そのテカリ具合の相違から「2種類の反射防止黒色塗料が塗られている」との推測が成され、少なくとも過去メンテナンス時に2度は塗り足されていると考えられます(汗)

これらの塗膜がそっくりそのまま絞りユニットの絞り羽根と光学系第3群の光学硝子レンズ
コバ端との間に「浮いて乗っかっていただけの状況」であり、さすがにこれだけまとまって
ゴッソリ剥がれていたことは無いので、ちょっと焦りましたね (ピンセットで取り出す際に
一部が割れて分割してしまった
)(笑)

単に「反射防止黒色塗料が塗られていただけ」なら別に除去してから必要箇所のみ再着色すれば良いのですが、今回の個体で一番の問題だったのは「インク成分が蒸着コーティング層に対して化学反応を示していた」としか受け取れないほどに「明確にクモリの領域が残っていた」点について、明言しておきます(汗)

逆に指摘するなら、これら「反射防止黒色塗料」が塗られていない箇所の蒸着コーティング層にはクモリが生じていなかったのです (だからそれを根拠に述べている)。クソな転売屋/転売ヤーたる当方が、このように述べても信じてもらえないので(笑)、もっと言うなら「一体モールド成形している黄銅材の付近だけクモリは生じていない (当然ながらその黄銅材に反射防止黒色塗料が着色されていない箇所を指して言っている)

・・だからインク成分が影響して化学反応を来したと判定を下した次第です(汗)

↑冒頭の解説で一度掲載済みの写真ですが、本来の撮影目的はここでの解説の為でした(汗) 光学系第2群の裏面側段々畑の場所も(笑)、第3群の裏面側コバ端も (ゴッソリ剥がれていた箇所) も「反射防止黒色塗料」が着色されており、前出の完全解体集合写真を見れば分かりますが、これら着色部分は全て溶剤で溶けて剥がれています (従って製産時点ではないのが明白)。

逆に指摘するなら、製産時点の焼付け塗装でちゃんと着色していれば「溶剤如きで溶けて剥がれない」ので、おそらく光沢がある「反射防止焼付黒色塗料」なのが気に入らず、敢えて故意にワザと剥がして「反射防止黒色塗料」し直したのが歴然です(汗)

・・全くロクなことをしません!(怒)

そもそも設計段階で必要だと設計者が考えていたからこそ、製産時点に焼付け塗装まで施しているのに、その光沢感が気に入らないからと剥がしている所為が信じられません (設計者の
意図を蔑ろにする所為
)。

今現在でも本当に多くの人達/勢力があいも変わらず顕在しますが(汗)「迷光迷光」と大騒ぎする場合や、真っ黒クロスケで単に見てくれの良さだけを追求して (高く売れるからと) 過去メンテナンス時に処置を施す「反射防止黒色塗料の着色」なども、そう言う顧客心理を逆手に取った所為の代表であり、まさにそういう騒ぐ人達/勢力が自ら自身の首を絞めているような話で、バカウケです(笑)

しかしリアルな現実は単なるバカウケだけで終わらず(汗)、今回の個体のように明確な化学反応として蒸着コーティング層に致命的な悪影響を来している点に於いて「50年後には間違いなく消滅する運命のオールドレンズ達ばかり」であり『絶滅危惧種』だと執拗に述べている
次第です(涙)

そもそもクラシックレンズのほうは蒸着コーティング層が介在しないので (ノンコーティングの時代だから)、光学硝子レンズの経年劣化進行はむしろ遅かったりしますから、オールドレンズの宿命とは言え、なかなかに悲しい現実ばかりです(涙)

ちなみに冒頭解説のとおり、赤色矢印で指し示している箇所は「空気抜き」です(笑) せっかくだから面白そうなので「この空気抜き箇所を固着剤で埋めて格納してみた」ところ「空気の圧力を受けて入らない入らない!」(笑)、いえもっと言うなら、押し込んでも浮き上がるほどに相当な空気抵抗を伴います (もちろんちゃんと後で固着剤を溶かしてちゃんとキレイに磨き研磨しました)(笑)

オドロキだったのは、後で格納環が掲載されますが、光学系前群格納筒すらその空気抵抗で「ネジ込んで停止する位置が変化した」くらいだったので、何気に「必要に迫られて設計した空気抜きだった」のが理解でき、何となく設計者の苦心と言うか、ちょっとウルっと来てしま
いましたね (何故ならそれだけで光路長が狂いまくりだから)(涙)

・・ここで明白な事実は「平滑性の担保」がそう言う空気抵抗として現れたと言う話です(笑)

ちゃんと今回のオーバーホール/修理工程で「平滑性の担保」にこだわったからこそ、適切で正しい光路長として光学系の格納が終わった次第ですが、今までの過去メンテナンス時は、おそらく抵抗/負荷/摩擦により適切な位置で格納できていなかった事が「当初バラす前の実写確認でも容易に判明している」のです(笑)

逆に言うなら、今回のオーバーホール/修理ご依頼者様お一人様だけがご確認頂けますが(汗)、戻ってきたこの個体の実写を試みれば「どんだけピント面が鋭く変わったのか???」の違いが、所有者である以上ご理解頂けると期待しています(笑)

・・そう言うのがオーバーホールする醍醐味なのだと、何度も何度も述べています(笑)

↑上の写真は光学系第2群の貼り合わせレンズの上に「第1群前玉の締付環」を正しい向きで重ねて、分かり易いように「故意にワザとズラして」撮影しています (グリーン色の矢印)。

・・何を言いたいのか???

ブルー色の矢印で指し示している箇所の全てに「平滑性の担保」が必須であるにもかかわらず (何故なら互いが接触するから)、グリーン色の矢印で指し示している「第1群前玉の締付環」は過去メンテナンス時に着色された「反射防止黒色塗料」のせいで「光路長が狂う方向に塗膜の厚み分が影響を来していた」事実を指摘すると同時に明示しています(汗)

もっと言うなら「光学系第1群前玉」は格納筒の内側方向から露出面方向に向かって格納されるので「上の締付環は第2群側からネジ込んで締め付けるから」と言っているのです・・その結果、この締付環を着色しただけで「その塗料の厚み分だけ光路長が狂う」点を指摘しているのです(汗)

当然ながら、今回のオーバーホール/修理工程は当方では着色せず前玉を締め付けています(笑)

↑ここからは後群側に移って、同様黄銅材の接触箇所にあたる「平滑性の担保」をブルー色の
矢印
で指し示しています。「2X」のマーキングは当方が刻んだのではありません(笑)

↑光学系第4群ですが黄銅材格納筒の全ての箇所をブルー色の矢印で指し示しているとおり「平滑性の担保」が必須です。

ちなみに赤色矢印で囲っている領域は、やはり過去メンテナンス時に着色されていた「反射防止黒色塗料」の一部が欠落して剥がれている箇所です。格納筒の内壁に張り付いていました(汗)

↑最後の後玉たる光学系第5群です。同様ブルー色の矢印で「平滑性の担保」必須箇所を指し示しています。赤色矢印で指し示しているのも一つ前と同じように過去メンテナンス時に着色された「反射防止黒色塗料の脱落箇所」であり、その剥がれ落ちた塗膜は光学ガラス面に張り付いていました(汗)

また「グリーン色の矢印で指し示している境界」が光学設計上のイメージサークルを表し、過去メンテナンス時に着色していた「反射防止黒色塗料」が凡そ1㎜弱分も内側方向に塗りまくっていたのが明白です(汗)・・これを「境界」と明言できるのは「まさに黄銅材がカシメて
いる境目だから
」とも指摘でき、当然ながら内側は全て光学硝子レンズです(笑)

↑光学系前群の格納筒で、フィルター枠を兼ねています。赤色矢印で指し示している箇所に2箇所打痕の凹みがあり、その箇所のフィルター用のネジ山が極僅かに変形してしまっている分、レンズ銘板を回して取り外す際にキズ付けてしまいました(汗)・・申し訳ございません!(涙)

回して外している最中に、途中からキーキー音が鳴り響き急に回らなくなり始めたので瞬時にやめれば良かったのですが、タイミングがズレてしまいカニ目溝の隣をキズつけてしまいま
した(汗)

↑上の写真は前述した「前玉の締付環」ですが、溶剤で「反射防止黒色塗料」を除去したつもりが、赤色矢印で指し示している箇所に残っていたので撮影しました(笑) またグリーン色の
矢印
で指し示している箇所にはネジ山に「緑青」のサビすら現れています(怖)

同様ブルー色の矢印で指し示している箇所が「平滑性の担保」必須であるものの、前述した「光路長を狂わせていた反射防止黒色塗料の着色箇所」だったりします(汗)

↑アルミ合金材の切削で用意されている「鏡筒」ですが、同様ブルー色の矢印で指し示している箇所が「後群用の格納箇所」であるものの「平滑性の担保」が一切成されておらず、ご覧の
ようにキズまくり状態です(汗)・・実際リアルな現実に、光学系後群は第3群〜第5群は当初引き出すこともできなかったので (完璧にハマっていた) 過去メンテナンス時には「おそらく
加熱処置で引き抜いていた
」と考えられます(汗) 実際今回の完全解体の際も「加熱処置」で
引き抜きました。

↑「鏡筒」最深部の絞りユニットで使う「開閉環」ですが、やはり黄銅材で切削されているものの「平滑性の担保」は過去メンテナンス時も無視状態ですッ (ブルー色の矢印)(汗)

その一方で赤色矢印で指し示している側の「平滑性の担保」は必要ありません(笑)・・何故なら、この側の直上に「光学系第2群貼り合わせレンズの段々畑が来るから」と指摘でき、要はこの開閉環や絞り環との連結用化粧ネジ (両サイドに1本ずつ) などを「避ける目的から段々畑状に光学硝子レンズを切削した設計」なのが分かり、必然的にお互いが接触するハズがありませんね(笑)

・・これが「観察と考察」であり「原理原則」に則れば次何をすれば良いかが明白です(笑)

↑こちらはヘリコイド群の中の一つで「空転ヘリコイド」です。同様「平滑性の担保」が必須なのはこのモデルの設計の中で「光路長の確保の次に重要」です (理由は距離環を回す時のトルクに大きく影響を来たすから)(汗)

それを明示するのに「平滑性を担保」すべき箇所をブルー色の矢印で指し示していますが、一部にグリーン色の矢印のような「凹んでいる領域」や、同じ平滑性必須でもオレンジ色の矢印で指し示している「異なる平滑仕上げ」が必須な場合もあり、一概に同じ「磨き研磨」だけに限定してオーバーホール/修理工程を進められない難しさが在ったりします(笑)

当然ながら今までの過去メンテナンス時には一度も「平滑性の担保」が成されていないので、もうだいぶ削れまくりで、そろそろ限界が訪れている状況です(怖)

なお赤色矢印で指し示しているネジ山は「ヘリコイドオス側」ですし、両サイドに備わる「丸穴」はロック用孔なので、このモデルを完全解体したり適切な位置で無限遠位置を確定できるか否かは「構造検討」にかかっていると明言できます(笑)

・・相応の技術スキルが求められるオールドレンズの一つに入ります(汗)

と言うのも、実は今回のオーバーホール/修理ご依頼には含まれませんでしたが「距離環を回してピント合わせすると、ピントのピーク/山の前後動で微動する際ククッと微動してしまいピント合わせし辛い状況」だったのです(汗)

要は「空転ヘリコイドの平滑性を担保せず今までグリースに頼った整備で仕上げていたから」と明白に指摘できますね(笑)・・逆に今回の個体が手元に戻り、オーバーホール/修理ご依頼者様お一人様だけは「距離環を回すトルクの気持ち良さ」を如実にお感じ頂けると思います。
(もちろんピーク/山前後でククッと微動する使い辛さも皆無です)(笑)

・・こう言う細かな配慮にこだわれるのも完全解体するオーバーホール醍醐味の一つです(笑)

醍醐味」と表現するのは、ヤッている当方自身が楽しみながら (もちろん納得ずくで) 工程を進めているからで(笑)、ご依頼頂いたありがたみも含め本当に感謝の気持ちでいっぱいで仕方ないのです (しかも何よりもこの個体の製品寿命をさらに延ばせられる)!(涙)

・・整備を楽しみ、使い勝手も良くなり、さらに製品寿命の延伸とこれ以上ありません!(涙)

↑上の写真は「直進キー環」と言う鏡筒を繰り出したり/収納する時に上下動している部位です。赤色矢印で指し示しているとおり「どうして互いが反対側に切り欠き/スリットが備わるのか」がトルク制御に際しとても重要ですが、このモデルの場合はもう一つ理由があります(汗)

↑環/リング/輪っかのフチを拡大撮影していますが、ご覧のとおり切削時のそのまま上からメッキ加工しており、キレイな面取加工が施されていません(汗)

ここから一つの「真実」が湧き上がりますが、実はライカで製産しているオールドレンズ達の多くのモデルには「このような面取加工に配慮しない生産工程は存在しない/有り得ない」と
明確に指摘でき、この事実から「このモデルは当時のSchneider-KreuznachがOEM供給し
ていた
」と当方はみています (あくまでも当方の臆測です)(汗)

もッと言うなら、鏡筒のアルミ合金材の切削レベルや黄銅材の使い方など含め、つい先日扱った今回のモデルの前身にあたるLeitz Xenon 5cm/f1.5《後期型》(L39)』の内部構造や金属材の使い回しの「設計概念」が同一だからです。

それらは明らかにこの後に登場する、数多くのライカ製モデルの概念とは明確に異なります。
(特に面取加工など100%当たり前のように確実に製産時点で処置成されています)

ちなみにこの環/リング/輪っかのフチは両面にて「面取り加工していない」為、その影響が「絞り環操作時の擦れ感に現れてしまう」ので、接触しても擦れ感を低減するよう絞り環が
とても平滑なブライト・クロームメッキ仕上だと踏んでいます (やはり当方の臆測の範疇)(笑)

微かな絞り環の擦れ感」を気にする人だって居るでしょうから(汗)、どうせバラして整備する整備者なら「ちゃんとネット上にこう言う情報こそ告知して知らしめてあげる」のが、結果的に顧客思いに繋がると考えるのですが、どうして「自慢話」や「言い訳」ばかりでそうしないのでしょうか???(笑)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。しかし残念ながら各群全てに「極僅かなクモリの痕跡は残ったまま」です(泣)

まず光学系第1群前玉の露出面側は「相当な経年の拭きキズ」がそのまま残っていますが、これは本格的にガラス研磨できる整備会社でなければ処置できません(汗)

また前玉の裏面側は「おそらく一度ガラス研磨が施されていてコーティング層を蒸着していた」とみています (但しその根拠や証拠は無い)。その理由は、カビ除去薬を垂らしただけで「一部の領域だけ、まるで液体が広がるように少しずつ浮き上がり始めた」次第で、普通カビ除去薬だけでこのような蒸着コーティング層の浮き上がりが起きません(汗)

カビの菌糸が蒸着コーティング層に侵食していた場合は「具体的に蒸着コーティングが剥がれる」ので、カビ除去痕として明確に視認できますが、この前玉裏面側のような奇妙な浮き上がり方はしません。

そこで考えられるのは「過去に一度ガラス研磨してコーティング層を再蒸着している」か、或いはもっとヤバイ話ですが「カビキラーや他の化学薬品の類で一度洗浄されている」懸念も捨てきれていません(汗)

これはこの前玉裏面側だけに限らず、おそらく光学系の全ての群に対して過去のいつかのタイミングで使われている懸念がとても高いです(汗)

そこに今まで説明してきた「反射防止黒色塗料の着色」が影響を来し、僅か4年余りで「クモリの発生」に至ったとも考えられます。つまり化学反応してしまったのは蒸着コーティング層にダイレクトに反応を示したのではなく「過去に洗浄で使われた化学薬品の成分の反応で蒸着コーティング層が大幅に劣化していた」との推測が適います(汗)

これは以前取材した工業用光学硝子レンズ精製会社様でのご教授により、当方も知識を得た
内容の一つだったりします。もっと言えば「無水アルコール」でさえ、下手すれば蒸着コーティング層の「極微細なクラック因果」にも繋がるので、まるで当たり前の如くネット上で語られまくって使われまくっていますが(汗)、相当怖い話だったりします(怖)

逆に言えば、その揮発度合いの相違までちゃんと配慮されて「光学硝子レンズ専用洗浄液」が用意されるので、何でもかんでもどんな光学硝子レンズでも全て対応できる/使える洗浄液などあり得ません(笑)

・・その意味でネット上で語られまくりの無水アルコールはヤバイと述べています(怖)

今回の清掃でこの前玉裏面側はどんどんクモリが酷く変わっていったので (普通は起きない
現象です
) 仕方なくガラス研磨して蒸着コーティング層を剥がしています(汗)

光学系第2群もおそらくその薬品の影響を受けており、蒸着コーティング層のクモリは「反射防止黒色塗料のインク成分との反応」とも指摘できそうですが、明確に判定を下せる状況ではありません(汗)

後群側に移って第3群〜第5群全て「反射防止黒色塗料のインク成分の蒸着コーティング層への固着」が起きていますが (実際シルボん紙に薄いインクが残るから)、それ以前にやはり前述の何某かの薬品で拭いた跡が「既にクモリの痕跡に浮かび上がっている」のが視認できたので、それを根拠とし「何かで拭いたところだけにインク成分が固着してクモリに至っている」との思考回路に繋がっています(汗)

・・逆に言うならどうして僅か4年でクモリを帯びたのかの説明が不可能だから(泣)

とも明言できます。たかが4年で蒸着コーティング層の経年劣化が進む事はあり得ません(笑)

↑後群側も残念ながら微かなクモリの痕跡は極僅かに残っていますが、それでも「そう言われれば???」的にしか視認できないレベルです。上の写真で横方向に白っぽい影が写っているのは使っているミニスタジオの映り込みです (撮影スキルがド下手なのでスミマセン!)(汗)

当初現れていた全面に渡るクモリの多くは相当レベルで除去できています。

↑15枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。

当初仕込まれていた「鋼球ボール」は⌀ 1㎜径でしたが、そもそも内部に組み込む院長式スプリングの径自体が1㎜以上なので、そこに⌀ 1㎜径の鋼球ボールは使いません(笑)・・当方にて⌀ 1.5㎜系の正しい適切な鋼球ボールに入れ替えて仕上げています(笑)

また刻印絞り値に対して絞り環の駆動域が合致していなかったと共に「クリック感もチグハグ」だったのでキッチリ合わせています。クリック感の違和感もなくなり、小気味良く適切なトルク感で絞り環操作できるよう変わりました (整備したのだから当たり前ですが)(笑)

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑塗布したヘリコイドグリースは「黄褐色系グリース」を使い、全域に渡り完璧に均質なトルク感で「軽め」人により「普通」レベルに操作頂けます。ピント合わせの際は、掴んでいる指の腹に極僅かにカタラを伝えただけで微動可能なレベルまで改善し、当初起きていた「ククッと微動する違和感/使いづらさ」は100%解消できています(汗)

またピント面の解像感が当初バラす前の実写確認時点よりも大幅に鋭く変わり、やはり今まで解説してきたように「光路長の確保」が叶ったとも受け取っています。それは無限遠位置でのピント面での確認時にも、明確に鋭く変わったとの印象に至るので、撮影がだいぶ楽しい気持ちに変わりました(笑)・・こう言う想いこそが意外と大切だったりしますョね???(汗)

・・それを人はオールドレンズに対する『思い入れ』と呼ぶのだと、強く感じます!(涙)

↑ご報告すべき瑕疵内容としては「光学系の各群に極僅かに残ってしまったクモリの痕跡」或いは「蒸着コーティング層を剥がしてしまった前玉裏面と第2群」さらに「キズつけてしまったレンズ銘板」があるので、以下のとおり「ご納得頂ける金額を減額」下さいませ・・本当に
申し訳ございません。お詫び申し上げます(涙)

オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離1m付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

実は撮影をミスッて、ピント合わせしたヘッドライトの電球部分から後の方向にズレてしまった撮影が混ざっています (撮影スキルド下手でスミマセン!)(汗)

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはハレーション気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2」で撮影していますが、確かに撮影時にピント面が僅かに
移動してしまっている点は勘案しても、同じタイミングで一斉に絞り値を変更しつつ撮影しているのですが、念の為に2回同一環境のまま撮影を試みても同じ結果でした (ピント面の鋭さ感はそれぞれで所有三脚が安いので違います/つまり微動してしまう)(汗)

ところが、この開放f値「f2」の時だけガツンとまるで別人の如くピント面の鋭さ感印象が激変します(汗)・・以降絞り値を送ろうが戻そうが関係なく、描写の印象は落ち着きますが、どう言うワケかこの「f2」だけ「ジキルとハイド博士」の中で(笑)、まるで他のf値「ジキル博士」に対し、夜中の「f2だけハイド博士」に変身の如く(笑)、正直にあからさまに厳しい表現性に変化します (人はきっとそれをリアルな現実と言うのかも知れません)(笑)

その影響の一つには、おそらく背景の解像感が突然上がる事が関わっている感もありますが、そうは言ってもそれほど背景の解像度は全域で向上していません。

実は意外にも「人の瞳で捉える解像感の認識」とは立体錯覚 (コトバとして定義があります) を認知できない要素が介在するので、それを伴いつつ観えている、捉えているとも受け取る必要があると、最近強く「思ふところで御座いますです、ハイ!」(汗)

まぁ〜、当方の写真撮影スキルが皆無なのがイケナイのですが(汗)、今回のオーバーホール/修理後の実写確認で、しかも2回試して同じ結果を残した点で「???」だったりします(笑)

・・もしかしたらこのモデルは「f2」だけが超絶なのかも???!!!(汗)

その一方で、今回のオーバーホール/修理に工程作業にあたり「これでもかと徹底的に光路長を
担保しまくった
」背景が強く影響しているのかも知れませんが、いずれにしても『光学知識が皆無』な当方にとり、全く以て異次元の疑念でしかなく、答えを見出せません(汗)・・恥ずかしい(恥)

↑さらに回してf値「f2.8」での撮影です。

↑f値は「f4」に上がりました。

↑f値「f5.6」の撮影です。

↑f値「f8」での撮影です。実は開放実写からず〜ッと同じ傾向ですが、背景のお城の模型の
左下開口部の奥に観えている背景紙の模様が明るく視認できるのが、マジッで凄いです (多くのオールドレンズでこの穴の中は真っ暗です)!(驚)

↑f値「f11」での撮影です。もうだいぶ絞り羽根が閉じてきているので「回折現象」の影響が現れています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。今回のオーバーホール/修理ご依頼、真にありがとう御座いました。本日梱包し発送申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。