◎ Miranda Cemera (ミランダカメラ) Auto Miranda 5cm/f1.9(MB)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の
ミランダカメラ製標準レンズ・・・・、
『Auto Miranda 5cm/f1.9 (MB)です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

《出品内容を一部変更しました》
オーバーインフ量をちゃんと微調整したSONY Eマウント用のマウント
アダプタを附属品に変更しました。
別途追加料金を加算頂かずとも出品商品附属品にてセットしています。
(従って全部で5点セットに変わりました)

《 告 知 》
今月3月も月間収益の10%分をとても少なくて本当に恐縮ですがウクライナ大使館宛に送金します。

これは当方の個人的な想いであってこれらヤフオク! の出品やオーバーホール/修理にかかる前提として何ら関係者様に強いる考えは全くありません。純粋に自分の生活費の中から捻出しているだけですからどうかご理解賜りたくお願い申し上げます (誹謗中傷は精神面で相当堪えるのでどうかご勘弁下さいませ)。
※誹謗中傷に対するお願いはネット保険に係る裁判で証拠として受理される為に予め明記しています

今回の扱いが初めてになるモデルですが毎回このミランダカメラの製品を扱う時には特に標準レンズの場合そのセット対象になるフィルムカメラ側ボディを確定する調査/作業がとんでも なく大変でハッキリ言ってそれだけでこのブログにアップするのを悔やんでいる始末です(泣)

ミランダカメラの前身は旧大日本帝国海軍の航空機技師だった萩原彰氏 (東京帝国大学) と大塚新太郎氏の二人が戦後すぐの1948年に創業した「オリオン精機産業有限会社」です。

1948年に創業し1955年には国産初のペンタプリズム一眼レフ (フィルム) カメラ「Miranda T」を発売して社名を「オリオンカメラ株式会社」に変更。さらに1957年に「ミランダカメラ株式会社」へと変更します。専ら欧米への輸出が主体だった為国内での発売は極一部のモデルに限られていたようですが、1961年にはアメリカのAIC (Allied Inpex Corporation) に90%の株式を譲渡し資金援助を受けながらも1969年に100%の株を握られ、合わせて旧西ドイツに「Soligor (ソリゴール)」ブランドを立ち上げ会社を設立しOEM供給させていたようです。
然し1976年にはAICからの資金提供が突如断たれ呆気なく倒産しています (wikiより)。

まぁ〜、一言で言えばその先進性と利幅に着目したAICからの資金援助の話に乗って憂き目をみるハメに陥った典型的な利潤だけを狙った買収劇の一つにも写りますが、当の創設者たる 二人はおそらく情熱的で果敢に新しい発想に取り組む気概を具現化していった素晴らしい創設者/技師だったのではないかと感慨深く思います。

それはそもそも当方が「カメラ音痴」であるにもかかわらず、そんな当方が見て触ってイジッただけでも十分にその素晴らしさが伝わるという今の現代に於いてもドキドキしてしまう造りの良さや先進的発想に突き詰められた整合性がまさに商品に現れていると唸ってしまうくらいにステキなフィルムカメラだからです。

当方と同業者たるヤフオク! のクソな『転売屋/転売ヤー』が多用する歯が浮くような「心踊る・・」なんていう謳い文句がまるでそのまま当てはまるくらいに丹精で完成した概念の基に創り出されたフィルムカメラである事が伝わってくるから本当に不思議です。

・・と、実は「カメラ音痴」なままにどうしても気になって仕方なく、そもそも市場流通価格帯が低価格なのに手を付けてしまう浅はかさを省みずに堂々とオーバーホール済でヤフオク! に出品してしまうアホな『転売屋/転売ヤー』でもあるワケです!(笑)

もちろんフィルムカメラ側ボディを附属させずに標準レンズ単体だけで出品するにはちゃんと理由があって「その比類無き暴れまくるボケ味の凄さに恐ろしいほどに脅威と魅力が入り乱れる写りはまさに瞬時にノックアウトで虜に堕ちてしまう」のが今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼にマウントアダプタ経由装着した時の「あぁ〜写真って本当に素晴らしい!」と独りパソコン画面を眺めつつ溜息混じりで晩酌が進むと言う「至福の時」を味わえるのが最大の悦/魅力なのです!(笑)

従ってこの標準レンズが吐き出す画を隅から隅まで実測/検証し光学性能の良し悪しを判定する勢力にとっては「駄目玉」でしかなく(笑)、こんなオールドレンズを真っ正直にオーバーホールしてヤフオク! 出品するとは「ただただ呆れるしかない!」と批判されるのを120%承知の上で当方は臨んでいます(笑)

この想いは何人も批判できず否定できず当方個人のこのモデルに対する「熱き想いそのもの」です!

そのように考えた時、はたしてこの標準レンズに魅力云々を抱くか否かは全く当方が関知しない話であって(笑)、あくまでも波長が合う人だけが「瞬時に」ウォッチするくらいの心積もりで臨んでいます・・いえ、そのくらいに表現する事こそが70年以上も前に熱き情熱を以て創業した二人のその心意気に叶う話ではないかと当方が勝手に受け取っているだけの話です(笑)

もっと言うならそれだけの価値がこのモデルにあるのか否か・・当方は関知しませんね!(笑)

オールドレンズで撮った写真などはその程度の光学性能/能力止まりであって、然しだからこそ写真全体から漂う自らに訴える「何か」に右往左往し悦に浸るのがたまらなく「至福の時」なのだと思います。

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MIRANDA F1964年発売

オールドレンズのマウント内側に「絞り込みアーム」を備えフィルムカメラ側マウント内と連携させる事で自動絞り方式のオールドレンズで「プレビュー (設定絞り値への絞り込み確認)」が可能になる。
※この絞り込みアームは金属製棒状ピンなので決してレバーではない

フィルムカメラ側ボディ向かって右中腹に絞り込みボタンが備わります。

今回扱う標準レンズがフィルムカメラ本体の発売時にセットレンズとして用意されていた機種がこの「MIRANDA F」であり、それは当時の取扱説明書を確認するとちゃんとこのモデル を使い操作説明が印刷されていますし、且つそれ以前のモデルの取扱説明書には掲載されていません。

従って今回扱う標準レンズ『Auto Miranda 5cm/f1.9 (MB)の登場時期は1964年とみています。

なお某有名処の解説で今回扱うモデルの筐体外装を「アルミ合金材アルマイト仕上げ」と説明していますが、当方の見たてでは単なる黒色アルマイト仕上げではなく「黒色梨地 (アルマイト) 仕上げ」とみており処理工程の中でアルミ合金材素地にサンドブラストを施し非常に微細な凹凸を与えつつ微妙な光沢感を残す処理と考えています。もちろん当時も今も数多くの光学レンズ鏡胴や光学製品の筐体外装にその高級感を表現し得る処理として多用されています。

逆に言えば単なるアルミ合金材黒色アルマイト処理ならば表層面の印象はもっとノッペリした仕上がりになると思います。当方で扱っている大多数のオールドレンズ筐体外装がこの「アルミ合金材黒色梨地仕上げによるアルマイト処理」であり、この話については実際に金属加工 会社に赴き取材した時に社長さんに詳しくご教授頂きました。

例えば旧西ドイツのCarl Zeiss製オールドレンズでCAONTAREX向けのモデルなどがその筐体外装に純粋なアルミ合金材アルマイト処理だけにこだわり高級感を出していますから (正しく 伝えるならアルマイト処理以前に素地に金属質の微細な横方向繊維面/凹凸を与えてアルマイトする高級処理の一つ)、それら製品と一般的なオールドレンズの筐体外装を比較した時に表層面の凹凸感が高いのは (細かいのは) 梨地仕上げのほうになるらしいです (そもそもその為にサンドブラストを施すから/単なるアルマイト仕上げにはサンドブラストしない)。

たかが筐体外装の表面処理の相違を指摘しましたが、それゆえにアルマイト処理でもその仕上げ方の違いに製品戦略や製造する側の人達の想いが現れていると考えるので、当方にとってはむしろ重きを置く要素の一つです。

そういう事柄まで知るとまた手元の個体に対する愛着がより一層増すのだと「オールドレンズ沼住人の宿命」みたいな話ですね(笑)

アルマイト仕上げ
アルミ合金材素地を電解溶液中に曝す事で素地が溶け出し痩せると同時に2倍の厚みで酸化 皮膜が形成されるので最終的な寸法は変化する。

・・すると例えば当方が自ら作業するオーバーホール工程の中のDOHはそれら金属表層面に生じてしまった経年の酸化/腐食/錆びを可能な限り除去する事で、且つ表層面の平滑性を 再び確保する事で「製産時点にできるだけ近づけた各部位との連携が適う」ことをその狙いとしており、その結果「必要以上にグリースに頼らない最低限のグリース塗布に抑制できる」点が今後さらに数十年の経年で揮発油成分が光学系内に廻りコーティング層を傷めて光学硝子 レンズの劣化を促すことを防ぐのが最終目的です。

よく思い込んで信じきっている人が居ますが(笑)、何でもかんでもグリースを塗れば滑らかに なって動作効率が上がり結果的に製品寿命も延びると頑なに信じてやまない人達/勢力が居ますが・・はたしてそうなのでしょうか?(笑)

つまり「オールドレンズの延命処置の一環」なのがDOHでありそのように受け取って頂けるととてもありがたいですね(笑)

こう言えばああ言うで、今度は内部を研磨していると当方を批判対象にしている人が居ますが(笑)、そもそもその作業内容を当方は一切告知していません (もちろん秘密です) 。一言に研磨と言ってもどのような研磨レベルの話なのか知らずに批判するのはある意味幼稚ですね(笑)
もっと言うなら皆さんが仰る一般的な「研磨」と言うコトバがいったいどのレベルを指すのかちゃんと認識してからのほうが良いと思います。

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上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
左端からシャボン玉ボケが破綻して単なる円形ボケへと変わっていく様をピックアップしていますが、そもそも光学系の設計が典型的な4群6枚ダブルガウス型構成なので真円の円形ボケ表出が苦手なハズなのに、一応シ〜ンによっては (光加減によっては) それらしく真円で出てくる事から特に画の周辺域での収差改善が諦めてしまった光学設計なのかも知れません (光学知識疎いのでよく分かりません)。

またピント面の鋭さは意外にも本格的ですがアウトフォーカス部の滲み方が独特でとんでもなく暴れるかと思いきやまともに溶けていくシ〜ンもありなかなか撮影スキルだけに頼っても上手く制御できなさそうな「ある意味クセ玉」的な要素を多分に含むモデルとみています。

二段目
この段では円形ボケがさらに収差の影響を色濃く受けてキレイに滲む背景ボケに至らず「ワサワサと煩く騒々しい滲み方」をする収差ボケに到達してしまう要素をピックアップしています。それは一見すると (左側2枚の実写を見て) 滑らかに溶けていくように見えますが、実はピント面のアウトフォーカス部境界に「独特な粗い滲み方が残る」クセがあるので、周辺域に向かい溶けているように見えても実はそれは「収差」なのだと分かります。もちろんトロトロに溶けていると期待していたのによ〜く見たら収差ボケだったなんて言う実写も数多く見ましたから、ハッキリ言ってピント面とアウトフォーカス部との関連付けが難しく、且つ周辺域に向かう領域のコントロールにも苦労する「全く以てのクセ玉」的な印象です(笑)

三段目
ところがです!(驚) 白黒写真になった途端にこれだけ広いダイナミックレンジで明暗部を耐え凌ぎ、且つ何とザワザワしていたハズのボケ味が大人しくなって「何と空気感や距離感さえも残している!」立体的でリアルな映りに唸ってしまいます(笑)

もしかしたらこのモデルは白黒写真の世界に新鮮な息吹を流せるモデルなのかも知れません。

はたして3枚目の人物写真がカラーですが、標準レンズでこれだけのリアルで自然で違和感ない表情を残せる事に他のMiranda向けオールドレンズとの共通項を見出しています (Mirandaレンズは意外にも人物撮影がステキ!)。そして何と言っても右端のこの光源を含む写真に溜息混じりです(涙) これだけ光の素性を写真にちゃんと残せるオールドレンズというのはなかなか見ませんね。

ちなみにこのページでこのモデルの描写性で特にボケ方について表現している『暴れるボケ』と言うコトバ使いは当方のファンの方が述べられていた表現が非常に適切と受け取ったので 当方も使わせて頂きました!(笑)

ありがとう御座います!

この当時のMiranda向け標準レンズの多くが特に焦点距離50mmに於いて典型的な4群6枚ダブルガウス型構成を採り続けていますが、
(開放f値f1.4モデルを除く) 右図は以前扱ったSoligor Miranda 5cm/f1.9 (black)《興和製》(MB)』のバラした際の計測に基づく
トレース図です。

特に筐体にシャッターボタンを伴うアームが備わるモデルの場合に よくこの構成図を見かけます。特異な箇所の設計を指摘するなら第2群貼り合わせレンズの 貼り合わせ面のカタチが独特でこの当時に流行っていた一般的なダブルガウス構成とは凹凸が違います。光学知識が無いのでその結果が写真写りにどのように影響してくるのか不明です。
(当時の取扱説明書の掲載構成図にほぼ匹敵する実測値なのを確認済/僅かに相違がある)

一方こちらは今回扱ったモデルの構成図で典型的な4群6枚ダブル ガウス型構成を基本としつつも実は当時製産されていた数多くのMiranda向けモデル標準レンズとは前述の構成図から比較しても明らかに違います。それはやはり第2群貼り合わせレンズの貼り合わせ面に於ける凹凸部分でこのモデルの設計は当時他社でも流行っていた 構成の設計にとても近いように見えます。

ちなみに右図は当時の取扱説明書に掲載されていたこのモデルの構成図からトレースした図です。後群側の第3群貼り合わせレンズ 部分と第4群後玉 部分をチェックしてください。

他のMiranda向け標準レンズで同一の開放f値「f1.9」と同じにもかかわらず光学設計をガラッと変更しています。もちん第1群前玉も本格的にイジってるので何が問題だったのか、或いは何かに挑戦してみたのか気になるところです。

そしてこちらの右図が今回の個体をオーバーホールする際完全解体でバラし光学系清掃時に逐一当方の手でデジタルノギスを使い計測した実数値からトレースした構成図になります。

第1群前玉の厚み自体が全く異なり合わせて各群の曲率まで別モノでした!(驚)

そして決定的な相違点が前述した箇所後群側の第3群貼り合わせレンズ 部分と第4群後玉
 部分との関係性です。

第3群貼り合わせレンズ 部分の外径サイズが僅かに小さいのです!!!(驚)

この構成図は当時のMiranda製フィルムカメラの多くのモデルの取扱説明書を見ても一切掲載されておらず、当然ながら当時のカタログやレビュー記事にもありません。それら全ての掲載が一つ前の取扱説明書からトレースした構成図で統一されています。もちろんそもそもこの タイプの設計で構成してきた光学系を実装している時点でMiranda向けとしてはとても珍しいのですが、いったいどんな背景があったのか気になるところです。

またこのように告知すると当方が公然と平気でウソを載せていると批判の嵐なので毎度の事で面倒くさいですが証拠写真を撮りました(笑)

↑上の写真は光学系第3群貼り合わせレンズだけを後玉側方向から撮っています (後玉を既に 外してあります)。後群側の硝子レンズ格納筒にご覧のように光学系第3群の貼り合わせレンズが成形格納されているワケですがそのサイズの相違を各色のラインで示しています。

まず赤色ラインですが第4群後玉がセットされる箇所の段差部分を囲って示しています (これだけの外径サイズがある)。この段差部分に後玉がハマります。

そしてそのすぐ直下に遮光環 (リング/輪っか) がグリーンのラインで囲って示しています。これだけの厚みで「内側に迫り出しているのでこの下に格納される貼り合わせレンズの外形が小さくなる事が自明の理」であり内径をさらに小さく工夫しているのが明白です。

そして肝心な当方が外径サイズが小さくなっていたと指摘している部分がブルーのラインで囲っている箇所です。赤色ラインの後玉に比較すると相当小さく設計しているのがおわかり頂けるでしょうか?

これでもウソだと仰るなら是非とも現物を手に入れて後群側格納筒の内径を小さくする格納環が一つ介在している事実を調べてみるのも良いかも知れませんね(笑) 逆に言うならこの第3群貼り合わせレンズは上の写真光学系後群用の格納筒に成形格納されておらず「もう一つ存在する内径を小さくする役目の格納筒に成形格納されている」のであって、その内径を小さく する格納筒がこの後群側格納筒にさらに格納されている次第です (つまりこの第3群貼り合わせレンズの箇所だけが二重で格納筒がセットされる)。

この事実を掴むと・・ではこの後群格納筒はもしかしたら他の同一焦点距離/開放f値モデルとの共通パーツなのかと言う思案が浮かびます。そこで実測してみると確かに後玉と同一径になるよう造られているように思いましたので、要は「このモデルだけに限定して第3群貼り合わせレンズを小さくしたかった」という話が浮かび上がります。もちろんその分屈折率を向上させなければ後玉に集束しないので相当ムリな設計で解像度の向上を狙ったのか、或いは収差の影響を排除したかったのかその因果関係は全く不明ですが何かしら思考錯誤が介在していたのは間違いなさそうです。

オールドレンズ・・このようにジックリ「観察と考察」していくとまた楽しいです!(笑)

貼り合わせレンズ
2枚〜複数枚の光学硝子レンズを接着剤 (バルサム剤) を使って貼り合わせて一つにしたレンズ群を指す

↑こちらは今回のこのモデルをSONY製ミラーレス一眼に装着する為のマウントアダプタです。「FOTODIOX」と言うブランドのマウントアダプタで「MirandaSONY Eマウントアダプタ」になります。市場で流通している価格帯は5,980円〜8,980円ですが、当方で調達した上のアダプタはいつもながら高いほうです (安いほうは一度手を出して失敗したので今は高いほう専門です)。

このマウントアダプタは今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品個体に附属していません。ご入り用のご落札者様だけに別途追加料金5,000円の加算で同梱可能です。一番最初の取引ナビのメッセージでご申告下さいませ。
マウントアダプタを附属品に変更した為ご落札頂くと必ずセットされます。

ご覧のようにMirandaマウントはバヨネットマウントとスクリューマウントの両方に対応した「複合マウント方式」と言うとても先進的な規格を採っています。このような概念は今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼向けマウント規格としてもまるで通用しそうなくらいに素晴らしい概念だと当方はベタ褒め状態です!(笑)

バヨネットマウント部分は赤色矢印で指し示した4つの爪が互いに噛み合う事でオールドレンズのマウント部が固定されるバヨネット方式ですね。

一方内側にある「⌀ 44mm内径 x ピッチ1mm」のM44ネジ部がスクリューネジ込み式の マウント向けです (グリーンの矢印)。

ところが今までに数多くのMiranda向けオールドレンズやM44マウント規格のオールドレンズを扱いましたが (オーバーホール/修理ご依頼分を含む)、どの個体もこのマウントアダプタ経由でデジカメ一眼/ミラーレス一眼 (当方ではSONYα7II) に装着するとオールドレンズ側距離環の刻印距離指標値を目安として実写した時「4〜5目盛分」位置が手前方向にズレており相当な量でのオーバーインフ設定になっています。実際にMirandaフィルムカメラに装着して調べた事も一度ありましたが、どうやらこのマウントアダプタの設計が拙いようでさすがに「4〜5目盛分」もズレまくるといくらオーバーインフとしても撮影時にいちいち面倒くさくて仕方ありません (無限遠位置の話)。

そこで今回の個体の出品に際しもしも必要なご落札者様が居るならこのマウントアダプタの オーバーインフ量を低減した上でほぼ適正な位置に改善して (そういう処置を施して) 別途追加料金でお分けできます。

また合わせてこの処置を施す事でバヨネットマウントに噛みあわせる際のキツメの印象も僅かに改善できています (もともとがマウントアダプタの設計時点でクリティカルなのでキツメの 印象/どの個体でもその印象は同じです)。

ああ言えばこう言うで実際の処こんな事をしたところでな〜んの有難味も一切無いのが当方がやった時のオチなのですが(笑)、それこそが現実世界なので致し方ありません(笑)

まさに渡る世間は鬼ばかり・・です(涙)

ちなみにこのモデルのマウント規格は「MB」と表記していますが「Miranda Bayonet (ミランダ・バヨネットマウント)」の略です。

それでもこの「暴れるボケ系の一推し!モデル」に必ずや魅力を感じるご落札者様が100人にお1人くらいはいらっしゃるかも知れないとはかない願いを抱きつつ誠心誠意想いを込めてオーバーホールに臨み仕上げました。
是非この春にご存分にご活用下さいませ

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。内部構造や使っている各構成パーツの多くは以前オーバーホール/修理を承ったモデルの『AUTO MIRANDA 50mm/f1.8《アーム付》(MB)』にとても近似していますがビミョ〜なところで一部に相違が 確認できます。

基本的に内部構造の設計概念はどちらかと言うと相当に簡素で合理的でムダを極力排除した 設計なので「ある意味初心者向け」的と言えますが、実はヘリコイド (オスメス) の駆動域が 相当長く (ヘリコイドのネジ山数がとても多い) その中でどのように微調整していくかがむしろ難しく絞りユニットの微調整含め簡素であるから故にコツが必要だったりします。

従って相応にオールドレンズの整備に慣れている人でなければそのコツに思い当たらずなか なか適切に仕上げる事がそもそも難しいモデルと予測できます。

今回のオーバーホールでは冒頭解説した専用マウントアダプタとの兼ね合いからできるだけ オーバーインフ量を減らす改善策として「マウントアダプタの対処のみならずオールドレンズ側でも一つ工夫している」微調整を経て仕上げているので、他のMiranda向けモデルに比べてとても適切な距離環駆動域に仕上がっています。

つまりオールドレンズ側とマウントアダプタ側の両方で適切に至るよう微調整を施したという話ですね。

こういう部分に当方自身がオーバーホールしている最大のメリットが現れるので単に右から左に売り捌く一般的な転売屋/転売ヤーとはちょっと違いますね (然し同業者です)(笑)

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。鏡筒外壁にはヘリコイド (オス側) のネジ山が切削されています。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

↑6枚の絞り羽根を組み付けて鏡筒最深部に絞りユニットをセットしたところです。上の写真を見ると一目瞭然ですがこの当時にしてはとても珍しく絞り羽根に「フッ素加工」が施されているにもかかわらずどういうワケか「金属材メタリックの地のまま」でダークグレーに仕上げていません。この当時としては非常に珍しい仕上げ方ですね。

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。写真上方向が前玉側になります (下側が後玉の向き)。鏡筒外周にはヘリコイド (オス側) のネジ山がビッシリ切削されていますが、実はこの当時の 標準レンズにしては意外にネジ山数が上から下まで相当多く長い距離を駆動域に設定した設計なのが見て分かります。

また「直進キーガイド」と言う溝部分が一般的なオールドレンズでは両サイドに2箇所用意されるのが多いのに対して1箇所だけなので、このモデルの整備をする時に「どれだけ仕上がり時の距離環トルクを軽くできるか?」について相当なスキルが必要になってきます。

その意味でシロウト整備に適う内部構造と食ってかかると仕上がりの操作性で大変な思いを するハメに陥るかも知れませんね(笑)

↑今度は完成した鏡筒をひっくり返して裏側 (つまり後玉側方向) から撮影しました。すると絞りユニットから飛び出ている「開閉アーム」が備わるのが分かりますが、この当時これらMiranda製オールドレンズの多くのモデルで「自動絞り方式」と告知されていましたが、その後に日本で一般的になる本当の意味の自動絞り方式とは異なり「制御アームと開閉アームを 互いに兼ねた設計」を採っており、これが仇となってすぐ後の時代に各光学メーカーが採用してきた本格的な (完全な) 自動絞り方式に対応できない問題が現れます。b;0

これを先見性が無いなどと指摘する以前に、そもそもこの当時にこれだけ合理的な設計で自動絞り方式を採り入れてきたのが既に先見性の証なのであって、全く以て批判の対象になりません(笑)

↑距離環やマウント部を組み付ける為の基台です。上の写真解説のとおり一部に「制限壁」と言う壁が突出していて (赤色矢印) その両端がそれぞれ「最短撮影距離位置」と「無限遠位置」になり距離環の駆動域 (回転域) になります (ブルーの矢印)。ここに距離環に備わる「制限
キー
」がカチンカチンと突き当て停止する事で無限遠位置と反対側の最短撮影距離位置を意味する原理です。

従って距離環の固定位置を変更する事で容易に特に無限遠位置の位置ズレが解消できると考えがちですが(笑)、実はヘリコイド (オスメス) のネジ込み位置が適合していなければ当然ながら反対側の「最短撮影距離位置までの間しか微調整範囲が存在しない」ので、それを越えた場合はネジ込み位置を正さない限り適切な距離環固定位置に当たりません。

逆に言うなら後に出てくる真鍮 (黄銅) 製ヘリコイド (メス側) に備わる「イモネジ用の下穴」にピタリと合致せず距離環のトルクムラ原因に至ったりします。

↑真鍮 (黄銅) 製のヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリをつけた正しい位置までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

このヘリコイド (メス側) には距離環をイモネジで締め付け固定する為の「」が備わりますが、一般的にその溝のどの位置でも自由に距離環を締め付け固定できると考える整備者が多いものの、現実は「イモネジの下穴」が製産時点に切削されて用意されているので、そこにピタリと合致しないと必然的に「イモネジ締め付け時の応力に反応しトルクムラに至る」ワケで(笑)、何でもかんでも硬締めで締め付け固定すれば良い、或いはもっと最悪な話で固着剤で 固めれば良いと考える整備者が非常に多いのも現実的な話ですね(笑)

そんな個体を今まで数多く見てきてその都度適切に改善しています(笑)

↑前の工程で完成している鏡筒ですが外周に上から下まで切削で用意されているヘリコイド (オス側) です。同様無限遠位置のアタリをつけた正しいポジションでネジ込みます。このモデルは全部で17箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

一つポイントがありますが、以前扱った『AUTO MIRANDA 50mm/f1.8《アーム付》(MB)』ではこのヘリコイドのネジ込み位置が全部で9箇所しかなかったので、そもそもヘリコイド (オスメス) のネジ山数が異なり、それは必然的にネジ山の勾配角度も異なる事を意味します。

つまり光学系の設計が違うので鏡筒繰り出し/収納時の勾配/角度が異なるのは自明の理というお話です(笑)

↑同様再びひっくり返して後玉側方向から撮影しました。ちゃんと鏡筒内の絞りユニットから飛び出ている「開閉アーム」が見えています (赤色矢印)。ここでブルーの矢印で「開閉アームの動き方」を説明していますが②番目としているのがポイントです。

↑マウント部内部を撮っていますが既に各構成パーツを取り外して当方による「磨き研磨」を終わらせた状態で撮っています。当初バラした直後はこの内部にまで過去メンテナンス時にグリースが塗られていたために一部に経年劣化進行に伴い酸化/腐食/錆びが生じていました。

1箇所に「直進キー」という突出が備わります。

直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目

↑取り外していた各構成パーツも個別に「磨き研磨」を施して組み付けますが、当方のオーバーホール工程ではこれらの構成パーツに一切グリースを塗りません(笑)

既に絞り環をセットしてあり鋼球ボール+スプリングでカチカチと小気味良くクリック感を与えています。また絞り環と連結する「制限キー (弧を描いた板状パーツ)」に絞り連動アームから飛び出ている伝達キーが突き当たる事で設定絞り値が伝わり絞り羽根が閉じる量を決めている仕組みです。

弧を描いた「制御キー」の勾配の頂上が開放側になり、反対側の麓部分が最小絞り値側を意味します (グリーンの矢印)。

↑マウント部を今度は横方向から撮影していますがご覧のように鋼球ボールが「絞り値キー (溝)」にカチカチとハマるのでクリック感を実現しているのが分かりますね。

↑完成したマウント部を基台にセットしたところです。するとマウント部内側に「絞り連動アーム」と言う金属製の棒状ピンが垂直状に露出するので、これがMIRANDAカメラのマウント部内部で噛み合い操作される事で最終的な設定絞り値まで絞り羽根が瞬時に閉じる仕組みです。

つまり一番最初に操作されるのがこの「絞り連動アーム」であって (ブルーの矢印①) その伝達に従い設定絞り値が決まり伝達されるのが前の工程で解説している絞りユニットに直結した「開閉キー」の機能であってブルーの矢印②という原理です。

フィルムカメラ側からの操作が伝わり設定絞り値まで具体的に絞り羽根が瞬時に閉じる原理とは「このようなチカラの伝達の仕組み」から成り立つのであって、同時にこれらのチカラの伝達は「常にヘリコイド (オスメス) ネジ山のトルクとの兼ね合いの中で決まる」ワケで、非常に多くの方々が「距離環のトルクを軽くする因果関係はグリースの粘性」と思い込んでいますが「それは間違い」なのがご理解頂けたでしょうか?(笑)

もっと言うならどんなにヘリコイドに塗布したグリースの粘性を軽くしても肝心なこれらチカラの伝達経路からの応力か必ず介在するので、これらの伝達経路が重ければ必然的に距離環を回すトルクも「重くなる」のは当たり前ですね(笑)

逆に言うならこれら伝達経路に存在する各構成パーツがヘリコイドの回転時には一切離れてフリーになるのであれば、それは介在するチカラが存在しないので確かにヘリコイドに塗るグリースの粘性だけで容易にトルク調整が適います(笑)

要は「観察と考察」もせずに単なる思い込みだけで「原理原則」を無視して整備するからなかなか期待通りの各部操作性に仕上がらずテキト〜なところで納得しています(笑)

各部位を逐一突き詰めて仕上げていけば「自ずと全体の仕上がりもベストな操作性に至る」のは当然のお話です。

ちなみにマウント規格「MB (Miranda Bayonet)」は4つの爪の噛み合いでロックされるので「ロック解除ボタン」が備わります。

↑距離環を正しい位置で (ちゃんとイモネジ用の下穴がある位置でピタリと合致して) イモネジで締め付け固定します。この後は無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、光学系前後群をセットしてから最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。残念ながら光学系の状態が期待した程良くないのですが、大凡市場流通しているMiranda向けオールドレンズの多くは光学系に問題を抱えている個体が多いように受け取っています。

↑光学系内の第2群〜第3群貼り合わせレンズの2つは相当な透明度を維持していますが、第1群 (前玉) と第4群 (後玉) の表面側にコーティング層経年劣化やカビ除去痕に伴う極薄いクモリや点キズ、ヘアラインキズなどが複数残っています。

また特に前玉には大きな真円状の非常に薄いヘアラインキズが残っておりLED光照射せずとも見る角度により視認できます。本来前玉のこのような物理的なキズは開放付近で撮影した時に表出する玉ボケの内側に同じようなカタチで現れるのですが、そもそもこのモデルの光学特性が暴れる傾向のボケ方なのでこれら物理的なキズも相殺されてしまい視認できません(笑)

これをヨシと受け取るのか否かといった感じです・・(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑後群側も特に後玉表面に同様コーティング層の経年劣化に伴う薄いクモリやカビ除去痕、点キズなどを伴います。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前群内僅か)
(前後群内極微細な薄い8mm長数本あり)
※特に前玉表面側に「円形状のヘアラインキズ」が非常に薄く残っています。硝子面のキズの為清掃でも除去できません(但し写真に影響なし)。
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
(ヘアラインキズ複数あり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
前後玉にLED光照射で視認可能な非常に薄いカビ除去痕に附随するクモリがあります
また前後玉の一部にはコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリもLED光照射で視認できます。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(但し前後玉カビ除去痕附随の薄いクモリあり)
光源を含むシーンや逆光撮影時にフレアやフレアの出現率が上がる懸念がありますが事前に告知済なのでクレーム対象としません
また当レンズ特有の「暴れるボケ味」からこれら光学系の状態の影響がむしろ視認できずに収差に相殺されているように見えます。特に開放付近での玉ボケなど光学系内の状況が写り込みますが、それを視認できないくらいにザワザワしたボケ味なのでその特徴が功を奏している印象です。
(個人的主観)

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「ほぼ正六角形を維持」しながら閉じていきます (極僅かに歪なカタチ)。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

なお当方では筐体外装を抗菌剤や消毒液などを使い清掃したりしていません。これら薬剤には近い将来的に金属材に影響を与える成分が含まれている事もあるので要注意です。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります
・MIRANDAマウントの専用マウントアダプタを用意していますが本来製品仕様上オーバーインフ量が多く4〜5目盛分ほどズレてしまいますが当方で1目盛分前後に改善処置を講じています。カメラ側マウント規格は「SONYEマウント」ですが必要な方は必ず一番最初の取引ナビのメッセージでご申告頂き送料欄に「追加料金:5,000円」加算のうえでご決済頂ければ同梱します(ご決済後の対応はできませんのてせご注意下さいませ)。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・附属の樹脂製後キャップは輸送保護用なので全くハマらずに単に当てて保護しているだけです。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの:合計5点》
marumi製MC-Nレンズガード (新品)
本体『Auto Miranda 5cm/f1.9 (MB)』
FOTODIOX製マウントアダプタ (SONY Eマウント用/新品/調整済)
汎用樹脂製SONY Eマウント用後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離45cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」です。

↑f値「f11」での撮影です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。極僅かですがそろそろ「回折現象」の影響が現れ始めて極僅かに解像度の低下が視認できます。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。