〓 LEITZ CANADA (ライツ・カナダ) ELMAR 65mm/f3.5 (silver) +16464K + 16471J(VISOFLEX)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホール/修理が終わりご案内するモデルは、カナダは
LETZA CANADA製マクロレンズ・・・・、
ELMAR 65mm/f3.5 (silver) (VISOFLEX)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で捉えても僅か3本目です。つい先日オーバーホール済みでヤフオク!出品しご落札頂いたばかりです (ありがとう御座いました)。

そんなワケで、当方の扱いスタンス、とりわけライカ製オールドレンズなどとなれば毎月1本扱っている始末で、まるで信じがたい状況です(驚)・・しかし本当に素晴らしいモデルなので、許してしまいます(笑)

さらに今回のオーバーホール/修理では「何とありがたいことに延伸筒16471Jまで付属している」ワケで、このような機会を与えて下さったご依頼者様に、改めて冒頭で感謝とお礼を申し上げます・・ありがとう御座います

これは同じ延伸筒でもヘリコイドを備えた、ローレット (滑り止め) がある「16464K」だけではなく、それにプラスして組み込める「さらに延伸させて最短撮影距離:27cmまでの
近接撮影を実現する
」延伸筒を意味します。

ただでさえ本体16464Kだけで最短撮影距離33cmを実現しているものの、リアルな現実は実測すると被写体とレンズ銘板との距離は「僅か17cm」だったりします(笑) それをプラスで6cmも近接できると言う撮影環境を提供している話になります(驚)

さすがに「被写体とレンズ銘板の距離実測11cm」レベルの話になり、光の射し具合によっては、むしろ影の中に被写体が入りかねない近接撮影距離です(笑)

実際、本体16464Kの時の撮影倍率は2.4倍のハーフマクロです (フルサイズ)。

ここに今回の延伸筒16471Jをプラスで付け足すと撮影倍率は1.2倍とほぼ等倍撮影に到達します。従って、実際は最短撮影距離を「僅か6cmでも近づきたい」と受け取るよりも「ハーフマクロを等倍で撮影したい」が為に延伸筒を付け足しているのだと考えたほうが分かり易いと思います(笑)

逆に言えば、本体16464Kでも「さらに6cm強近づければ等倍撮影が実現する」ので、LMマウント側にエクステンションを付け足す考え方だってあっても良いと思います(汗)

そういう考え方に立ち「疑似マクロ化」に挑戦したことが過去にありましたが (エクステンションを追加して擬似的に近接撮影を実現させていた)、全く受け入れられず、人気がないままにオーバーホール済みでのヤフオク!出品はその扱いを終了してしまいました(汗)

しかしその一方、こうやって当時も今も「ハーフマクロレンズ等倍マクロレンズ化」の概念こそが、そもそもエクステンションの追加で実現できていたワケで、それなのに当方が同じ事をヤルと批判の嵐になると言うのは(笑)、詰まるところ当方が「プロにもなれず、マニアすら
なれなかった整備者モドキのクソな転売屋/転売ヤー」
との話であり(笑)、かつ「公然と平気でウソを拡散し続けている」と某有名処のコメント欄に誹謗中傷され続けている事実こそが・・
きっとすべてを物語っているのでしょう(涙)

・・世知辛い世の中です(涙)

2022年以来のそのような誹謗中傷掲載の中で、どれだけ今もなお精神的な苦痛を受け続けているのか、或いは当方がこのブログ内で述べる内容に対する根拠の明示を強いられる事実、この2点に於いてその証拠を残さなければイケナイ面もある為 (弁護士先生のご助言もあり)、近い将来の裁判の為に毎回ブログの掲載時に述べている次第です (皆様には毎回不愉快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ございません)(汗)

↑上の写真は当初バラし始めた時に撮影した、レンズ銘板だけを取り外した時の写真です。実はこのモデルは「レンズ銘板の一番下部に光学系第1群前玉が格納される」設計を採るものの、さらにもう一つ「絞りユニットの開閉環の浮き上がりを抑える締付部」の役割も併せ持つ設計である点が、実は今までにバラしてきた累計3本の個体で「どれも同じように蔑ろにされたまま過去メンテナンス時に整備されている」ことを確認済です(汗)

上の写真から判明する事実は「塗布しているグリースが潤滑剤の類なので数十年前の整備」との推測が適います (今ドキ頻繁に使われ続けている白色系グリースではない)。

これは10年前後の話ではなく、年数で言えば20年〜30年くらいのスパンで捉えるべき事実です。この当時に市場流通していた固着剤が「朱色のタイプ」だったこともあり、同じ時期に整備されていたオールドレンズの多くには「朱色の固着剤」が多用されています・・現在の主流は「青緑色の固着剤」であり、当方でも使っています (嫌気性タイプなので外気に触れたまま固着させる使い方は適さない/チカラが加わるとすぐに剥離してしまうから)。

すると上の写真から今回扱った個体は20〜30年前に一度整備されていると推測が適いますが、ローレット (滑り止め) を装備した延伸筒「16464K」のマウント部に使われていたのはエポキシ系瞬間接着剤だったので、それだけ昔のタイミングでは市場流通は少なかったと
考えられます (つまり2度整備されている)。

↑上の写真はローレット (滑り止め) 付延伸筒16464Kのマウント部に貼り付けられているメクラ (カバー) を剥がしたところを撮影していますが、ご覧のようにメッキが剥がれるくらいにエポキシ系瞬間接着剤で相当強く接着されていました(汗)

実際のオーバーホール/修理工程では、このマウント部側に残るエポキシ系瞬間接着剤をいち
いちマイナスドライバを使い擦り落として平坦に戻す作業が入り、面倒くさいったらありゃ
しません(涙)

↑上の写真は今回の個体をバラして取り出した「シム環」です。

プリセット絞り環用シム環:薄いほうしかない (厚いほう欠品)
ベース環用シム環:厚い/薄いの両方が揃っている
絞り環用シム環:厚いほうしかない (薄いほう欠品)

・・とこんな状況でした(涙) これらシム環の総数は、共に2個ずつなので全部で6個なければイケマセン(汗) これらシム環総数の真偽は以前扱ったELMAR 65mm/f3.5 (silver) (VISOFLEX)』のページで解説しているので、ご参照頂ければ6個存在するのが適切
なのだと判ります。

もっと言うなら「どうしてこれら部位にこのような厚さの異なるシム環を介在させているのか
???
」の点について、ちゃんと過去メンテナンス時の整備者が明確に「観察と考察」できていないから、このように平気で取り外して組み上げている始末です(涙)

カチカチとクリック感を伴いつつ操作できるプリセット絞り環の小気味良い操作性を実現しているのは「内部にグリースなどを一切塗って仕上げていないから」と明確に指摘できます (こう言う事柄が当方が公然と平気でウソを拡散し続けていると誹謗中傷されています)(笑)

その根拠はこのLEITZ CANADA製オールドレンズの構成パーツのほぼ90%以上が「ブライトクロームの微細な凹凸を伴うメッキ加工」であり、そこに厚みの異なるシム環を複数介在させることで「回転駆動部の平滑性を担保できる」設計概念に道理が通るからです。

逆に言えば、は厚いほうを取り外してしまい「薄いシム環」だけを使いグリースを塗っていた次第です(涙)

ではどうして厚いほうを取り外ししたのかについては、次の写真で明確になります(汗)

↑上の写真は鏡筒最深部の絞りユニット内部で使う「開閉環」ですが、このパーツは正しくは
製産時点の時に「微細な凹凸を伴うマットな梨地メッキ加工」だったハズなのです(汗)

←左写真は8月に扱った個体のオーバーホール工程で撮影した同じ「開閉環」です。

絞り羽根の開閉キーが入る切り欠き側の外周端面取加工の仕上げ方が違う為、このパーツ自体の遍歴があるのかもしれません。実際調べると7月扱いの個体と今回の個体とはそれほど製造番号が離れておらず同じ1960年製です。

ところが直近8月にオーバーホール済みでヤフオク!出品した個体は左写真のように「開閉環のメッキ加工仕上げが変わった」のが分かります。

ここから推察できるのは「上の写真の開閉環 (7月と今回の個体) は、微細な凹凸を伴うマットな梨地メッキ加工でグリースを塗らない想定」であり、それは鏡筒の表層面「微細な凹凸を伴うブライトクロームなメッキ加工」との接触時に、グリースを必要としない駆動原理を採り入れていた設計なのが覗えるからです。

すると過去メンテナンス時にここにグリースを塗ってしまったのかどうかは不明ですが、少なくとも鏡筒内壁にグリースが浮いていた形跡が一部に確認できたので、いずれかの時期でグリースを塗っていたことがあると推察できます(汗)

しかし上の写真で重要なのは「グリースを別にして、どうして横方向のキズが入っているのか
???
」ですし、もっと言えば開閉環の縁部分 (上の写真で写真下部分) がシルバーにスッカリ
削れている/摩耗している理由のほうが問題です(汗)

↑さらにプリセット絞り環用ベース環側の内側にも上の写真のとおり、一部に水平方向での相当明確なキズが残っています(汗)

そのキズの位置から/キズが始まる位置から考察するに「プリセット絞り環の刻印f値:f5.6〜f22間でこの内側部分に強力な抵抗/負荷/摩擦が生じていた」ことが判明します (ちゃんと
プリセット絞り環と絞り環をセットして確認してみた
)。

するとこれらの事実から見えてきたのは「当初バラす前時点で絞り環操作時、f5.6〜f22間でだんだん重く変わる」印象が強かった理由が見えてきたように思います(汗)

↑上の写真は今度は「絞り環の内側」を撮影しており、やはり赤色ラインの間に擦って削れていた痕跡が残っています。

↑鏡筒の内部を前玉側方向から覗き込んだ写真です。するとやはりこの個体にも「番号が刻んである」のが分かりますが、どうしてワザワザ個体別に番号をマーキングして刻む必要があるのでしょうか???(汗)・・今まで扱った3個全てに同じ位置に番号が刻んであります

・・鏡筒の外側でも下部でもなく、3個全てでこの手前の位置にマーキングしてある。

それぞれ製造番号が異なり、例えば一番最初の7月の個体と今回の個体は同じ1960年製ですが、100本相当離れています。また先月8月個体は1964年製なので、相当離れているものの「3個とも同じ位置にマーキング」が明示するのは・・「同じ整備者の手により整備
されている
」もっと言えば、これら3個全てが同一整備会社で一度は整備して市場に流されていることが窺えます(驚)

つまりLEITZ CANADA製ELMAR 65mm/f3.5モデルを専門に整備している整備会社が日本国内に居ます!(驚) しかもその整備会社では構成パーツにこのようなマーキングまで施し「必要の有無を判定し、一部の構成パーツを取り外して備蓄している (他の同型モデルの個体に転用する為)」ことまで分かってしまいます(驚)

・・どんだけ悪徳で悪質な整備をコソっと隠れてヤッているのでしょうか???(驚)

それが前のほうで写真掲載した「シム環が足りない理由」の根拠ではないでしょうか(恐)

以前、整備会社の人に似たような話を聞いたことがありますが、どのオールドレンズで必要になり、上手く瑕疵内容を改善できるか分からないから、必要ないと判断を下した構成パーツは「備蓄して必要な個体に転用する」のが整備会社の慣例らしいです(汗)

↑上の写真はレンズ銘板ですが、前述のとおり「前玉を格納している」のにプラスして「開閉環を抑え込む締付環の役目も担う」設計概念で作られています。

赤色矢印で指し示している「」が「開閉環の縁を抑え込んで、特にf11〜f22の時に絞り羽根の膨れ上がりを抑え込んでいる」約目です。従ってこの面は「平滑仕上げのメッキ加工」が施してあり、他の面とは異なります。

一方グリーン色の矢印で指し示した箇所には「エポキシ系瞬間接着剤」を注入した後「乾いて
からネジ込んだ時の硬締めの材料に仕向けていた
」荒業までバレバレです(笑)

このモデルはこのレンズ銘板兼/前玉格納筒兼/開閉環締付環と言う3つの役目を備えるパーツをネジ込んでいっても「イモネジなどで締め付け固定しない設計概念」を採り、ネジ込むだけの組み込みに心許ないと考えこのような荒業を処置した思考回路が見えてきます(笑)

・・と言うのは良い捉え方の場合で、実際は「光路長が狂っていて適切なピント面を (この個体は) 吐き出しておらず、それを改善させる (ごまかす) 目的で処置された荒業」ではないかとみています(汗)

↑プリセット絞り環をセットしたところですが、赤色矢印の箇所に1本しか無い「薄いほうのシム環」が挟まっているものの、今回の当方のオーバーホール/修理工程ではグリースをここに塗らないので (互いに塗る必要が無いメッキ加工だから) シム環だけを挟んでいるものの、結果的に「仕上がると極々僅かにほんの少しですがガチャガチャした遊びが残る」印象です(汗)

7月の一番最初に扱った時の個体にはここにシム環が「薄いのと厚いのと2本セット」で挟まった為に「遊びが一切無くシッカリした操作性を担保できていた」ので、この部位にグリースの塗布は必要ないと判定を下しています。

↑さらに工程を進め撮影していますがプリセット絞り環が組み込み完了し、プリセット絞り環の指標値環もイモネジ固定が終わり、ようやく「絞り環用ベース環を組み込んでいるところ」を撮っています。

ここで初めて鏡筒内部の開閉環とシリンダーネジを使い連結するので、ご覧のように「絞り環用ベース環がシリンダーネジで連結している (シリンダーネジの頭が見えている)」ことが分かります。

従ってこのベース環が回ると鏡筒内部の開閉環が回り「絞り羽根が開閉する原理」ですね(笑)

するとこのベース環に「イモネジ締め付け痕が複数残っている」のが確認できるものの、例えば上の写真で撮影した場所は「全周で3箇所に均等配置で締め付けられるイモネジの中の1か所分の範囲」でしかありません。

ところがこれだけ互いに離れた位置で締め付けられていては「絞り環の固定位置が全くズレていた時期が長い」と考えられます。直前の「刻印絞り値の指標値環もイモネジ固定」なので、この両方がズレていればこれらグリーン色の矢印で指し示している箇所の互いのズレも外からは発見できませんが、問題なのはこれら3つのイモネジ締め付け痕が3つとも水平位置でズレている事実です(汗)

一番左端はワリと平面側に寄っているものの、真ん中は溝の方に明確な穴が空いており、右端はフチの突出した部分にまで穴が達しています。このことから絞り環の固定位置が僅かにズレていた時期が最低でも2度ある (製産後を除いて) とも指摘できそうです(汗)

ちなみに上の写真グリーン色の矢印指し示している箇所の中で「製産時点は1箇所のみ」なのは当たり前ですね。

↑上の写真 (3枚) は、取り付けた絞り環のイモネジ締め付け箇所を拡大撮影しています。残念ながら今回の個体は当初バラす際にイモネジが全く回せず、一部は既に内部で破断していて
仕方なくドリル切削しています。

組み立てに際し、代用イモネジで適合するサイズが手元になく、2箇所について短めや大きめを使い転用していますが、最後の3つめは釘打ちして固定を代用しています (要は3本のイモ
ネジ全てが全滅だった
)(汗)

↑上の写真は光学系第1群前玉のコバ端を拡大撮影していますが、前述のとおり番号を「鉛筆書きしている」のが分かります。はたして製造メーカーがこのように番号を個別に符番していく必要性があるのでしょうか???(汗)

そもそもこのような鉛筆書きは、もっと厚みがあったり大口径なら「裏側から覗き込むと鉛筆書きが視認できる/光学硝子内に映る」のが間違いなく、当方も幾つか確認しています。

するとそのような所為を製造メーカーが執るとは全く以て考えられません(汗) ましてや前述のように鏡筒内側までワザワザ刻んでマーキングする所為に「???」しか残りません(汗)

そして今回の個体でいろいろイモネジの締め付け位置をズラしたり、プリセット絞り環の固定位置を変更したりと「ごまかしの整備」が横行していたその根拠を発見しました。

当初バラすまえ時点での実写確認時に「無限遠位置を確認するどころか、全くボケまくりで
何も分からない
」写りで、当初バラす前は「焦点があっていなかった」と受け取れます(汗)

実は「無限遠位置」について当ヘウのオーバーホール/修理受付フォームには記載事項があるのですが、今回の個体はメールで受けてしまったので「当初の無限遠位置が不明なままご依頼を受けてしまった」のが失敗の元でした(汗)

完全解体でバラしてみれば「光学系第2群が加熱処置でも取り出せないくらいガッツリ嵌っていた」ワケで、3回に及ぶ「加熱処置」で温度帯を少しずつ上げながら、合わせて工夫も追加してようやく5回めに取り出せたのです(汗)

すると第2群の両凸レンズには光学硝子レンズの側面に「明確に食い込んで凹んでいた箇所が3点」視認でき、小さすぎて硝子内から見えなかったのが不幸中の幸いだったものの「過去
メンテナンス時の格納時に、反射防止黒色塗料を着色していた為に加熱しながら格納するも、途中でその格納が止まってしまい最後まで入っていなかった
」と言う経緯が見えてきます(汗)

つまり光学系第2群の光路長が適合しておらず、下手すれば極々僅かに傾いたまま入っていたのかもしれません(汗)

いずれにしても現時点では光学系の3つの群は確実に格納が完了し (格納筒内壁を磨きまくったから) もちろん不必要な反射防止黒色塗料も完全除去し、まるでとんでもなく鋭いピント面に戻っています(笑)

・・仕上がり後の実写でピーキング反応にどんだけホッと安心できたのか?!(怖)

それほど当初バラす前段階での「実写による無限遠位置確認」作業は、当方にとってとても
重要であり「オーバーインフなのかアンダーインフなのか???」の判定は欠かせない内容
なのです(怖)

それが一切できないほどにピンボケと言うことが、数十本に1本程度で起きますが「マジッでホラ〜映画並みに怖い!」ワケで、下手すれば (こういう高価なライカ製オールドレンズだったりすると) 過呼吸に陥り暫し横になったりします (高価すぎて弁償できないから)(涙)

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。ここまでの解説で今回の個体の瑕疵内容は以下の複数の内容が重なっていたと判定を下せます(汗)

光学系第2群の光路長が不適切だった/嵌っていた
絞りユニット内部にグリースを塗っていた
クリック感の板バネが斜めに組まれた為、ベース環内壁をキズつけ抵抗/負荷/摩擦増大
延伸筒のヘリコイドネジ込み位置が不適切で合致していなかった
直進キーの組み合わせで一部が摩耗している

・・とまぁ〜、やはり今回の個体も酷いもんです(泣)

せめてくらいは組み込みが終わったら気付ける内容だと思うのですが???(汗) どうして違和感 (組み上がり後の描写性と絞り環操作の2つ) が残るのに、それで完成したと受け
取ってしまうのかが当方には全く理解できません。

↑完璧なオーバーホール/修理が終わっています。赤色矢印で指し示している箇所は横方向から覗き込むとご覧のように「シルバーな輝きが微かに見える」ものの、鏡筒の開口部に塗られていた「反射防止黒色塗料」を「今回は実験で溶剤に浸さず綿棒そのままで拭ってみた」ところ
スッとそのまま剥がれたので「製産時点に着色された箇所ではない」と判定を下し完全除去したので、横方向から覗き込むとシルバーに光るのです(笑)

↑そのシルバーに見える場所も真正面から眺めればご覧のとおり全く分かりません(笑) ちなみに開口部の12時〜4時くらいの間で外周に糸状にワサワサ写っているのは光学系内に侵入した「微細な繊維」ではなく「菌糸状のカビ除去痕」です(涙)

前玉外周に相当な領域で菌糸状のカビが繁殖していたものの、その菌糸痕は既にコーティング層に侵食しており除去不可能です(涙)

↑後群側もクリアですが、ご覧のとおり、残念ながらコーティング層丸ごと剥がれてしまった菌糸状のカビ除去痕領域です。貼り合わせレンズの内部側には同じようにカビ除去痕が残り、そこには極々薄いクモリも生じています(汗)

↑10枚の絞り羽根もキレイになりプリセット絞り環/絞り環共々確実に駆動しています。それぞれの位置がズレたまま組まれていたのは完璧に適切な位置に戻せています。そもそも組み込まれている「シム環」の枚数と厚みが適切ではないままに組み上げているので「僅かにガチャガチャした遊びは残ったまま」であるものの、それを「ごまかしの整備」で仕上げていない為
まるッきし自然でナチュラルな操作性を取り戻しています (当たり前ですが)(笑)

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑ブライトクロームの微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工がとても美しいです!

↑前述のプリセット絞り環と絞り環操作で「特にf5.6〜f22間で徐々に重く変わっていくトルク感」は完璧に消えて、プリセット絞り環側のクリック感も本来の板バネの感触が戻り(涙)、且つ絞り環操作もスムーズに戻っています。

↑今回の付属品一式です。

16464Kの延伸筒です。

↑ローレット (滑り止め) を回すとご覧のように繰り出すことができますすが、この時の繰り出し/収納は「2段階式の直進キーを使う設計」なので、ローレット (滑り止め) 操作時に収納していく際「ガクンと旧に重くなる、抵抗/負荷/摩擦が生じる時があるがそのまま前後に微動させてもう一度回すると再現性が無い」と言う構造です・・詳細はELMAR 65mm/f3.5 (silver) (VISOFLEX)』のページで解説しています。

↑過去メンテナンス時の整備でヘリコイドオスメスのネジ込み位置をミスッていたのが上の写真で、このモデル「16464K」のヘリコイドが収納/格納した時は「上の写真のように僅かな隙間ができてヘリコイドのネジ山が見える (赤色矢印)」のが本来の適切な組み上がり状態です・・当初バラす前の届いた時の状態は「隙間が無くピタリと塞がっていた」次第です。

またそれに合わせてグリーン色の矢印で指し示している箇所に組み込まれている環/リング/輪っかの向きも「正しくはちゃんと決まっている」のに、それが逆向きに組み込まれていた為、ヘリコイドが詰まって停止していました(汗)・・つまり過去メンテナンス時の整備者は「この環/リング/輪っかを単なる化粧環くらいにしか捉えていなかった」ワケですが、設計者の意図は「ヘリコイドオス側の延伸停止位置確定環/リング/輪っか」です(笑)

・・ちゃんと構成パーツには目的や役目/根拠が必ず在りますねぇ〜(笑)

↑16464Kを正面から眺めるとこんな感じで凄く無骨です(笑)・・赤色矢印で指し示している箇所に「ELMARなどのレンズヘッドネジ込みが備わる」ものの、実はどんなに硬締めしてもちゃんと外す際は回せば外れる着脱の設計思想が実現できている製品なので、それはこのネジ山をよ〜く、本当によ〜く凝視すると理解できます(笑)

↑同じく16464Kのマウント側から覗き込むとこんな感じです(笑) 蛇腹が組み込まれています。

↑残念ながらその蛇腹も今回の個体はグリーン色ラインのように赤色矢印で指し示している箇所だけが裂けて切れています。これは過去メンテナンス時にこの蛇腹を締め付け固定しているリングを外さずにヘリコイドを取り出そうと試みてしまったので、その時に引っ張られてバリッと裂けてしまったのです (相当勢い良く引き抜いた)(涙) 残念ながら蛇腹の裏側でまた経年劣化進行に伴い互いが癒着し合うので、今回はここに固着剤や修復液を塗っていません。

↑さらに付属していた延伸筒「16471J」を裏表で撮影しました。単なる延伸筒ですが、このおかげで等倍撮影が適います(涙)

↑全て装着するとこんな感じで、Rayqual製「VISO – SαEマウントアダプタ」に装着でき、16471J+16464K+本体です。

本体全長:26.00㎜
16464K全長:74.2㎜
16471J全長:50.2㎜
組み込み時総全長:150.4㎜

・・です。

↑ローレット (滑り止め) を回して最短撮影距離:27cmまで繰り出すとこんなに長〜くなります(笑)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離65㎜開放F値f3.5被写体までの距離47m許容錯乱円径0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度23m後方被写界深度∞m被写界深度∞m」の為、30m辺りのピント面を確認しつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の50m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。

・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭ですね(笑)

オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。

↑当レンズによる最短撮影距離33cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑こちらの実写は延伸筒16471Jを組み込んで等倍撮影で撮影しています。その関係で被写体 (手前側ヘットライトの電球部分) までの実測距離はレンズ銘板まで僅か「11cm」の状態です(笑)

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。同様1枚めが最短撮影距離:33cmで、2枚めが等倍撮影時の27cmです。

近接撮影すると「被写体からの光量が増すので明るく写り、且つボケ量も増大する」道理です。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮影しています。

↑f値は「f8」に上がりました。

↑f値「f11」での撮影です。

↑f値「f16」になりました。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。今回のオーバーホール/修理ご依頼、真にありがとう御座いました! 先日の「TELE-WESTANAR」含め同梱し本日発送しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。