◆ PENTACON (ペンタコン) PENTACON auto 50mm/f1.8 MULTI COATING《後期型−II》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧東ドイツは
PENTACON製標準レンズ・・・・、
PENTACON auto 50mm/f1.8《後期型−II》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

ご落札頂きました!(涙)
ありがとう御座います

きっと当方のこのブログをお読み頂いたのだと思いますが、超長文につき
さぞかしご心痛のことでしょう・・
恐縮で御座います(汗)

ありがとう御座います。

今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時のPENTACON製標準レンズ「50mm/f1.8」の括りで
捉えると60本目にあたりますが、今回扱った個体「後期型」だけでカウントすると38本目です。

さらにそれらの中で「絞り羽根開閉が正常な個体」だけに限定してカウントすると24本目になり、光学系に薄いクモリが生じていない個体だけでカウントすれば20本目、ちなみにヤフオク!への出品本数ではちょうど40本目といった状況です(笑)

前回の扱いが2022年なので2年ぶりと言った感じです・・(笑)

  ●               

先ず今回扱ったモデルPENTACON auto 50mm/f1.8《後期型−II》(M42)』を知る上で、
避けて通れないストーリーが幾つかあります。

ネット上ではそれこそこのモデルの描写性と共に、その市場流通価格の安さから手に入れ易いとして「オールドレンズ入門者向け」を謳って解説しているサイトも多いようですが(笑)、対象を入門者に限定する以前に「実は複雑で悲しい背景を伴うモデル」である事を認知するべきだと当方は受け取っています(涙)

・・今回のブログ掲載では、その点に注目して解説していきたいと思います。

PENTACON (ペンタコン) は旧東ドイツのフィルムカメラメーカーで、その発足は先の大戦で戦前ドイツが敗戦した後の1964年元旦に旧東ドイツのVEBの
一つとして誕生しますが、その背景は戦前にまで遡ります(涙)

↑その祖は、1850年に現ドイツの中央に位置する郊外都市Eichsfeld
(アイヒスフェルト) に生まれたHeinrich Ernemann (ハインリッヒ・エルネマン) 氏が、1876年に小間物店を引き継ぐ為にDresden (ドレスデン) に訪れたのが出発点です。後に1889年合弁会社への参画を経て1898年に有名な「Lichtgöttin (光の女神)」の壁画が角に据えられた、大変美しくも
黄色に輝く上の写真右の建物が建設されました。右図の光の女神の壁画自体は後の1903年に造られ据えられました (ドイツ語でLichtgöttin:リヒトゴッティンと発音する)。

そして1915年に始まった上の写真左側の社屋である、非常に有名な地下1階、地上12階建ての「ERNEMANN TOWER (エルネマン・タワー)」は第一次世界大戦の影響から当初予定の1918年を過ぎ、1923年に完成しています。1938年左右社屋を繋げる「連絡橋」が設置され、1992年までPENTACONのフィルムカメラ製造工場として利用され、合わせて
現在右側の黄色い建物にはドレスデン社会福祉局の事務所が入居しているものの、連絡橋含め2つの建物は観光名所としても現役で機能し続けています (当時戦前ドイツ最初の高層ビルとして親しまれ続けていた)!(涙)

・・126年に及ぶ由緒ある古い建物を現存させ続けるドイツ人の民意に感銘を受けます(涙)

然し乍ら、そのPENTACONのフィルムカメラ開発/製造には隠れた・・戦争に翻弄された・・紆余曲折が背景に憑き纏います(涙) PENTACON製フィルムカメラを「単なる安物買い」として受け取らずに、是非そのような背景まで知った上で慈しみを抱いて頂ければと思ふところで
御座います、ですハイ!(涙)

PENTACON製フィルムカメラの『』もいにしえの如く古く、1915年にドイツ系ユダヤ人Paul Guthe (パウル・グーテ) 氏が創業した「Kamera Werkstätten Paul Gutje Dresden (カメラ・ヴァークシュテーテン・パウル・グーテ−ドレスデン)」と言うとても長い社名「パウルグーテ・ドレスデン=カメラ工房」になり、1919年に経営参画した同じくドイツ系ユダヤ人Benno Thorsh (ベンノ・トルシュ:ユダヤ人の両親を持つスイス国民) 氏ら2人により開発
設計された「Praktiflex (プラクチフレックス)」を原型とし、世界初のクィックリターン式
ミラーを装備した24 x 36㎜判フルサイズ一眼フィルムカメラながらも、1937年〜1938年に渡り戦前ドイツに於ける「ユダヤ人迫害」から逃れる為に、会社の経営権も含め何もかもを没収されPENTACONに移譲しています(涙)

実際会社はBenno Thorsh氏の伝手からドイツ系米国人Charles Adolph Noble (チャールズ・アドルフ・ノーブル:旧姓Karl Adolf Spanknöbel カール・アドルフ・シュパンクヌーブル) 氏に売却し、氏がフィルムカメラ設計者を雇い入れて1939年春のライプチヒ見本市で発表したものの、その後の大戦時に軍需産業へと偏向を余儀なくされ、敗戦時に旧ソビエト連邦秘密警察に息子共々逮捕になり、息子はシベリア強制労働収容所に、自身もJustizvollzugsanstalt Waldheim (ヴァルハイム矯正施設) に送致されてしまいます(涙)
(その関係からドイツ戦犯者の扱いで生き残った為に自分の名前すら変更せざるを得なかった)

結果、その後空いてしまった経営権をPENTACONが旧ソビエト連邦お墨付きの基で、まるで
タダ同然に手に入れたと言うのが正しい歴史になります(涙)

詰まる処、ユダヤ人の血を引くが為に迫害を受け没収され、戦時賠償のコトバの下に都合よく旧東ドイツの体制下に組み入れられてしまったワケですが、それだけで終わらなかったのが
何よりも悲しいリアルな現実なのです(涙)

ちなみに上右写真のモデルは「Praktiflex IV型」になり「M40マウント規格」のネジ込み式
マウントを採る (実際に当時のCarl Zeiss Jena製、M40マウントBiotar 5.8cm/f2が装着
されている
)1940年発売のモデルで、おそらくBiotarは総真鍮製/ブラス製の造りで、且つ「歪曲絞り羽根」を実装しているとみています (整備したらメチャクチャ大変な地獄を見る
ハメに陥る/絞り羽根の組み込みだけで最低6時間は必要
)(怖)

今回扱うモデルPENTACON製標準レンズ『PENTACON auto 50mm/f1.8《後期型−II》(M42)』の系譜をみていきますが、実は原型モデルが存在するので、そのモデルのバリエーションから捉えていく必要が起きてしまいます(汗)

【 モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった諸元値の要素を示しています。

ORESTON 50mm/f1.8 zebra(Meyer-Optik Görlitz製)

前期型1961年発売
コーティング:モノコーティング
プレビューボタン:有
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :無
筐体の意匠:ゼブラ柄 (細かいストライプ)
絞り羽根形状:Meyer-Optikのカタチ (右回転)

後期型
コーティング:モノコーティング
プレビューボタン:有
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :無
筐体の意匠:ゼブラ柄 (大柄なストライプ)
絞り羽根形状:Meyer-Optikのカタチ (右回転)

PENTACON auto 50mm/f1.8(PENTACON製)

前期型−I1969年発売
コーティング:モノコーティング
プレビューボタン:有
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :無
筐体の意匠:ゼブラ柄 (大柄なストライプ) レンズ銘板入り替えのみ
絞り羽根形状:Meyer-Optikのカタチ (右回転)

前期型−II
コーティング:モノコーティング
プレビューボタン:有
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :無
筐体の意匠:黒色鏡胴に変更 (ゼブラ廃止)
絞り羽根形状:Meyer-Optikのカタチ

中期型−I1969年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環)
レンズ銘板:MC (赤色刻印)
絞り羽根形状:新形状に設計変更 (PENTACONのカタチ/左回転)

中期型−II1975年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環)
レンズ銘板:MULTI COATING (赤色刻印)
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

中期型−III1976年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環)
レンズ銘板:MULTI COATING(赤色刻印)
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

後期型−I1977年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環)
レンズ銘板:MULTI COATING (白色刻印) プラスティック製
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

後期型−II1978年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環) 廃止
レンズ銘板:MULTI COATING (白色刻印) プラスティック製
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

後期型−III1979年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環)
レンズ銘板:MULTI COATING (白色刻印) プラスティック製
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

AUTO REVUENON 50mm/f1.8(PENTACON製/OEMモデル)

後期型−I1977年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環)
レンズ銘板:MULTI COATING (白色刻印) プラスティック製
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

後期型−II1978年発売
コーティング:マルチコーティング
プレビューボタン:無
自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) :有
筐体の意匠:銀枠飾り環 (距離環) 廃止
レンズ銘板:MULTI COATING (白色刻印) プラスティック製
絞り羽根形状:PENTACONのカタチ/左回転

こんな感じで延々と粛々とモデルバリエーションが「あたかも自前のモデルの如く」続きますが(笑)、基を正せば原型モデルは、同じ旧東ドイツの老舗光学メーカーMeyer-Optik Görlitz (マイヤーオプティック・ゲルリッツ) 製標準レンズ「Oreston 50mm/f1.8 zebra (M42)」がスタート地点だったりします(汗)

前述の解説のとおり、PENTACONはフィルムカメラメーカーだった背景が掴めたと思いますが(笑)、さらにそれら自社製を謳うフィルムカメラのオプション交換レンズ群さえも「吸収合併した光学メーカーの製品をなまじ強制的に使い回してしまう」のが、そもそも旧東ドイツの国民性「以前にロシア人の国民性」である点を、決して忘れてはイケナイと強く、本当に強〜くに
思うのですありますです、ハイ!(涙)

この国民性は今現在も、まさにウクライナ侵攻しているロシアとロシア軍をみていれば本当によ〜く理解できますが「どんな手段を使おうが、奪い取ったモノは全て自分達のモノ」と言うのが、それこそ旧ソ連邦時代から延々と続く現ロシア国民の国民性と指摘できそうです(怖)

しかもそこには、さんざん戦前ドイツのナチス政権とそのナチズム/概念を貶しておきながら、まるで自分達の社会構造の中にでさえ「人種と民族差別と言えば聞こえが良いが、実の処社会階級差別を延々と残し続けている国と国民なのが現ロシア」と面と向かって指摘できます(怖)

これは手前味噌に都合よく「全体主義国家」などと宣う次第ですが(笑)、今現在もウクライナの凍土/平原の塹壕で凍えながら戦い続けているロシア兵の、凡そ6割強が地方出身者か難民の出稼ぎ労働者だったりします(驚)・・地方とは「極東連邦管区 (シベリア/カムチャツカ/ハバロフスク/イルクーツクなど)、シベリア連邦管区 (アルタイ共和国/アルタイ地方/イルクーツク州など)、ウラル連邦管区 (チェリャビンスク州/チュメニ州/クルガン州など)」・・と、それら凡そ3つの連邦管区の出稼ぎ労働者が現ロシア軍構成の中での「純粋なロシア人」として7割強を占めています!(驚) それ以外は最も低階級たる移民/避難民労働者と、さらにその下階層
たる囚人ですね (ウクライナ前線の話)(笑) 一時期傭兵組織たるワグナーで有名になりましたが詰まる処、社会階級が低階層すぎるのでそのような「金銭で働く逆労働者」的な立場での所属なので、ウクライナの最前線で「肉弾としていいように使われまくっている」のも、結果的に戦死すれば5倍もの遺族年金が支払われるのを当にしている次第です (生きている間は最低賃金だけで給与のほぼ全額規模が支払われていないまま)(笑)

例として挙げるなら、 1998 年5月27日連邦法第76号「軍人の地位について」法改正により戦地での殉職軍人は100万ルーブルが支給されるとしていたのを、2022年6月
殉職軍人遺族等への金銭報酬の支払に関する法改正」として最大で500万ルーブル (日本円で約1千万円) 支給にプーチン大統領が大統領令に署名しています。

・・それこそが旧ソ連時代から続く戦術ドクトリンの基礎であり人海戦術の源なのです(怖)

映画でもありましたが(笑)、旧ソ連軍原潜「Курск (クルスク)」が事故で沈没した際、乗員の118人全員が死亡したものの恩給を特別に膨らませて騒ぎになるのを防いだ、まさにその
張本人がプーチン大統領だったりします (本人は当時5日間のバカンス中で、初日に事故を知ってもなお指示を出しただけだった)!(怖)

詰まる処、現ロシアの高齢者が、自分の孫が戦地ウクライナで戦死したのを誇りに思っていると、公然と平気で国に殉じた事の意義をコメントしているのも(怖)、その実は自らも旧ソ連邦時代で現役世代だった頃にプロパガンダがカラダに染み着き、確かに戦前に比べれば格段に経済状況が好転して戦後は生活が楽になった、その経済成長を断行したのは何を隠そうプーチン大統領だったのだと、現ロシア国営第一放送のプロパガンダを鵜呑みにしている生活を続けているからこそ、いまだに視聴率70%代を維持する国営放送だったりします(怖)・・プーチン大統領による現ロシア体制を選挙で投票しまくっているのも、それら高齢者達とその子供世代であり、孫の世代はそれら家族や親族の「後の世の保証」として自らの命の犠牲すら厭わずに、今もウクライナの戦地に赴いているのだと「悪循環のスパイラル」に脅威を感じています(怖)

このような国を相手に戦争していても、そもそもNATO軍まで含めた西欧諸国側の戦術ドクトリン (戦時下の部隊運用教義) には対極化しており、命を犠牲にしながらの人海戦術で攻め入れられれば「如何に最新の現代兵器を以てしても、そもそも大量殺戮に対処できない」点に於いて、現ロシア軍のドクトリンは一定の成果を挙げ続けているとも指摘できそうです(涙)

実はそこに平和ボケが隠れていて「戦術核兵器さえ使わなければ」と真顔で宣うニッポン人
ジャーナリストが居ますが(笑)、核兵器を使おうが使わまいが関係なく、既に30万人規模で
戦死者数を挙げている現ロシア軍相手に対抗するべく「基本概念が間違っている」としか言いようがありません(汗)

最新の情報から透けて見えてくるのは、激戦地アウディーイウカからもウクライナ軍は撤退を余儀なくされたので、現ロシアでは追加招集で再び30万人弱規模での徴兵を行うらしく(汗)
まだまだ地方連邦管区の出稼ぎ労働者には事欠かないようです(怖)・・その一方で中央連邦管区 (モスクワなど) はもちろんの事、北西連邦管区 (カリーニングラード州/レニングラード州/サンクトペテルブルク市など)、沿ヴォルガ連邦管区 (モルドヴィア共和国/タタールスタン共和国など)、南部連邦管区 (クリミア共和国/セヴァストポリ市など) 辺りでの徴兵数は下士官以上のクラスに限定を設けていたりするので、リアルに現実にウクライナの最前線に赴いている指揮官の多くは中央に近い存在なのかも知れません (つまり中央に近い地域は戦時体制下の感覚が麻痺したまま生活を続けている/いまだに戦死者数が極端に少ないままだから)。

然し北カフカース連邦管区 (チェチェン共和国/北オセチア共和国/カバルダ・バルカル共和国など) で特にチェチェン人徴兵部隊 (異常に顎髭が長い兵隊達でイスラーム系民族) は、開戦当初から参画し続けており、昨年秋以降に入ってからは「最前線ロシア兵の督戦部隊」として自ら名乗り出て、それこそ敵前逃亡や降伏する同胞を射殺しているらしく、軍法会議どころか現地で即座に処刑ですから、さすが「いまだに20世紀脳のままのプーチン率いる軍隊」です。
(まるで映画そのもの)(怖)

これらの内容は全て2022年来「どうして21世紀にこのような、まるで20世紀に逆戻りの如く侵略戦争が勃発するのか???」とロシアを専門に研究している大学教授や専門機関の発表論文を幾つか読み漁り急遽勉強しました。そから見えてきた内容でもありますが、それこそ現ロシアでさえ地方連邦管区の諸民族は (現ロシア全体で明確になっているだけでも155の民族が居る) その多くが「低下層階級扱い」で、凡そ卑しい身分との認識なのが公然と平気で罷り通っている社会なのが「今のロシア」と受け入れるべきと肝に銘じた次第です(怖)・・それ故に、地方からの出稼ぎ労働者が現ロシア軍に率先して徴兵されようとも気にならず、本人達が喜んで兵役に臨んでいるのだからと当然の成り行きに受け取っています。「自らの命と引換えに支払われる遺族年金」に何一つ疑念が湧かない時点で「今も延々と続く旧ソ連時代の
名残り
」こそが、現ロシアの最大の武器なのかも知れません(怖)

これらの今ドキのリアルな背景を知るにつけ、ようやくウクライナ戦地で、現ロシア軍BTG (各兵科混合大隊/運用) が、あいも変わらず一度侵攻した道をひたすらに繰り返し何度も何度も進み (一度通った道なら地雷の有無が分かるから/地雷で既に破壊された車両が在るから)、当然の如くウクライナ軍の待ち伏せ攻撃と自爆型ドローン攻撃に晒されようとも、挫けずに
次から次へと兵員と戦車/戦闘車両など装備を繰り出し続ける「旧ソ連軍型ドクトリン」を飽きもせずに続ける理由がわかったような気がしました(怖)・・まさに肉弾戦そのもの(怖)

はたして日本の平和憲法が効力を発揮し続け、平和なニッポンを今後も守り続けてくれるのか
・・「???」・・な思いが限りなく募ります(怖)

どうしてもロシア関係の話になると辛口になってしまいますが(汗)、今回のモデルに話を戻すと原型モデルたるMeyer-Optik Görlitz製標準レンズ「Oreston 50mm/f1.8 zebra (M42)」がPENTACONに採り入れられた経緯が問題なのです(涙)

↑上の図は、当方が以前専門研究者の論文を読み漁っていた頃にまとめた当時の旧東ドイツ産業工業体系図で、その中の「光学精密機械製造コンビナート (VVB)」に関するものです。
すると取りまとめ役VVBに初めてCarl Zeiss Jenaの名称が現れたのがこの時1968年時点
になります。

当時のCarl Zeiss Jenaは配下にPENTACONを従えているものの、フィルムカメラの製造以外にオプション交換レンズ群の開発製造に相当苦慮していたようです・・自前のオールドレンズ達がいくらでも在るじゃないかと思われるかも知れませんが(笑)、実はPENTACONごときのオプション交換レンズ群として本格的に市場流通させてしまう事に相当な警戒を抱いていたようで(笑)「あくまでも高級路線を堅持」が組織の命題だったようです(汗)

そもそもこの国家を挙げての組織体系図を読み解く際の「基本中の基本」として、ネット上は某有名処で案内されている「人民公社」との呼称を、この当時の旧東ドイツの企業体に該当させてしまう概念に「当方は非常に強く抵抗感を覚えます」と論文の研究結果から述べざるを
得ません(汗)

人民公社」とのコトバをちゃんと紐解いて調べれば明確に案内されていますが(笑)、中国共産党隷下で農村地帯の取りまとめ手法として編み出された組織運用方法の一つが「人民公社」であり、当の旧ソ連邦時代の旧ソ連域内で運用されていた国家概念上は「国営企業」との捉え方なので、確かに同じように国民/人民から労働力を搾取する代わりの「給与/金銭」は、一旦国が吸い上げてからの再配分との要素部分でその概念がとても近似していますが、その出発点が異なり「領土内の企業体全てを該当させ、且つ国を挙げての計画経済に則り運用した」点に於いて、共産党が主体性と権限を独占していた中国と旧ソ連とは合致しません(汗)

例えば今ドキの話題で挙げるなら、中国共産党で「不動産開発企業」のデフォルト (債務不履行) を契機に大手の「碧桂園」などがありますが、そもそも地方に渡り、それこそ中国全土に及ぶ「地方融資平台」と言う、いわゆる第三セクターが手掛けてきたインフラ施設などを絡めた投資/融資が数千兆円規模の不良債権と揶揄され続けているので (ネット上の有名な先生の番組を観ればよく分かる)(怖)、現ロシアとは体制自体が違う事が理解できます(笑)

当時の旧ソ連邦は「社会主義体制国家」だったので、占領統治した旧東ドイツも同じように「社会主義体制 (厳密には国際法上は国家ではない)」を採りました。一方の中国は一党独占の体制であり「共産主義体制国家」です(笑) また現在のロシアはその発展系を採り「全体主義
体制国家
」として1991年以降切り替わっています。その意味でも「共産主義」と「社会主義」或いは今現在の「全体主義」それらを一緒くたにまとめて捉えてしまう概念は、下手すると意思疎通の齟齬を産みかねませんから、気を遣うべきと強く思ふところであります、です
ハイ(汗)「人民公社」の出発点は農地の開放と運営管理が基礎であり、今現在も粛々と続けられている「地方と中央のあらゆる面での格差」を招いてもなお、機能し続けているその根本は「共産主義体制国家」の温存である点を捉えるべきと思いますね(泣)

この時、旧ソ連邦領内では「国営企業」との概念に則り「私企業」としての位置づけを法的に持っていませんし、同様旧東ドイツも「olks-igener etrieb (人民所有企業)」となり「VEB」と呼称します (初期段階はolkseigene etriebe:VBで人民所有経営と呼称
していた時期がある
)。

・・つまり旧東ドイツでは「人民公社」とは呼びません(笑) あくまでもVEBです。

プラスして戦後すぐから「全ての産業工業を網羅した経済5カ年計画」に則り、評議会や委員会、或いは後の時代に「」が支配権を有し統括管理/運営できた概念が旧ソ連時代の国家の体制です (当時の中国とは全く別モノ)・・今でこそ、まるで自前に開発した概念の如く振る
舞っていますが (某国人のパクリ精神は得意中の得意)(笑)、それこそ当時の旧ソ連邦時代の「計画生産 (生産なので工業のみならず生物対象も含む) 体制」を採っていると豪語している
ものの(笑)、その実はパクリでしかありません。

それらの中で前述した「光学精密機械製造局 (VVB)」に限定した時系列一覧表をまとめたのが次の一覧表です。

↑「ベルリンの壁敷設」が始まった1961年時点で既に旧東西ドイツの経済格差が深刻化しており、外資の取り込みもままならない中で組織体の集金能力向上に相当なレベルで苦慮していたのが透けて見えてきます(笑)

このコンビナート令が施工されたのがまさに1968年ですが、戦後すぐに「軍用機械製造
VVB
」に編入されてしまった旧東ドイツの老舗光学メーカMeyer-Optik Görlitz社が、その後の運命を違えてしまい「悲劇の光学メーカーへの凋落を迎える」話に至ります(涙)

戦後にCarl Zeiss Jena含め相当数 (当時17社) を率いていた光学精密機械製造VVBに入れず
仕方なく自社工場をCarl Zeiss Jenaに売却してしまう事で念願の光学精密機械製造VVBへの編入を手に入れ、まるで水を得た魚の如く光学製品に特化した開発/製産を執りますが、リアルな現実はそれほど甘くなく、工場の運営管理の一切を手放してしまった先がCarl Zeiss Jena
配下のPENTACONに一任され、詰まる処、PENTACONの為だけに製品供給が義務付けられてしまう憂き目を見ます(涙)

戦前までにはそれこそ中判/大判で当時のCarl Zeiss Jenaに肩を並べるにまで躍進していたMeyer-Optik Görlitz社は、この時PENTACON製フィルムカメラの取扱説明書に「オプション交換レンズ群として印刷されるだけの存在」でしかありませんでした(涙)

自社製品の広告宣伝も戦前に得ていたプロ向けの指向は適わず(涙)、そもそも輸出で頭を抑えられていた為にPENTACON配下での製品供給だけが生命線になってしまい、ついに1968年のタイミングでCarl Zeiss Jenaに吸収合併されます。この時組み込まれたのがまさにPENTACON直下であり、翌年の1969年にはとうとうレンズ銘板からもその刻印にMeyer-Optik Görlitz銘が消滅してしまいました(涙)


↑上の写真は戦後に発売されたPENTACON製フィルムカメラの一部 (上段) と、さらにその後の時代に登場したフィルムカメラの説明書 (下段) を並べています。

上段一番左端の1958年発売「Praktica F.X2」は「M42マウント規格」を採用するもののセットレンズもオプション交換レンズ群もそれらの中に競合相手たるMeyer-Optik Görlitz製製品銘が一切ありません(笑) 左端から2番目の1959年時点「PRAKTICA IV」も同様で、
・・この当時、確かにMeyer-Optik Görlitz製モデルの中にもちゃんとシルバー鏡胴モデルが
数多く存在し秀逸でした(涙)

3つ目のモデル1965年発売の「PRAKTICA nova B」の時期には、既にシルバー鏡胴からゴムの樹脂材で造られたGutta Percha (グッタペルカ) の距離環ローレット (滑り止め) へと流行りが変遷し、その後の時代に「ゼブラ柄モデル全盛時代」を迎えますが、このタイミングでも取扱説明書オプション交換レンズ群一覧にはMeyer-Optik Görlitz銘が一切ありません。

戦後すぐにMeyer-Optik Görlitz社が「軍用機械製造VVB」に編入されている最中、それを横目にCarl Zeiss Jenaから執拗な吸収合併話が持ちかけられていたようですが、頑なに固辞し続けていたようです(涙)・・戦前の栄光を追い続けていたのかも知れません(涙)

経営難は相当厳しく、ニッチモサッチモ行かなくなり、ついに1968年にCarl Zeiss Jenaに吸収合併されますが、その際既に製産されていた製品群は全てそのままの市場供給が認められ「最後のMeyer-Optik Görlitz刻印モデル」としてレンズ銘板に面影を残します(涙)

その年1968年の発売だった「PRAKTICA super TL」が一番右端の写真モデルですが、何ともイヤラシイと言うか姑息な手段にしか見えませんが(汗)「オプション交換レンズ群の中にMeyer-Optik Görlitz製モデル銘が載っている」次第です(笑)

↑上の写真はその時の取扱説明書からオプション交換レンズ群の一覧を抜粋したものです(涙)

左側が前述の「PRAKTICA super TL」の取扱説明書からの抜粋で、右側は翌年1969年に発売されたフィルムカメラ「PRAKTICA LLC」の同様取扱説明書のオプション交換レンズ群一覧からの抜粋です・・とうとうMeyer-Optik Görlitz製モデル銘は、その一切を跡形もなく消え去りました(涙)

下段に移って左端が1969年発売の「PRAKTICA LTL3」で表紙に印刷されているセット用標準レンズは、確かにマルチコーティング化が終わった「PENTACON auto 50mm/f1.8 Multi Coating (M42)」なのが分かります(笑)

↑上の写真は、以前に扱ったそれぞれのモデル (標準レンズ) での絞り羽根の状況を撮影した写真です。左側がMeyer-Optik Görlitz製Oreston 50mm/f1.8 zebra (M42)」の流れを
汲むタイプの写真で「右回り回転の絞り羽根開閉動作でL型のカタチ (キーは片面に2個)」に対し、右側は「PENTACON auto 50mm/f1.8 Multi Coating (M42)」で「左回りで弧を
描いたカタチ
(キーは両面に1個ずつ)」です・・当然ながら左側はモノコーティングのモデルで右側がマルチコーティングですね。

この時、下段側の取扱説明書表紙を注意深く観察していくと「上のモデルバリエーションでの後期型の変遷がみてとれる」のは、例えば「Multi Coating」と赤色刻印で、且つ距離環距離指標値も赤色刻印だったりします(笑)・・その一方で最後になると「MULTI COATING」と樹脂製レンズ銘板に白色印刷されるものの、距離環の刻印距離指標値はグリーン色に変化しているのも分かります。

また途中に一部マウント面に電気接点端子の突出を有する「electricモデル」が登場している要素まで掴めますね(笑)

詰まる処、世界初のクィックリターンミラーを搭載したフルサイズ機たるフィルムカメラも「ユダヤ人迫害」により戦争に翻弄され、戦後も国家体制の中でMeyer-Optik Görlitz社は
やはり時代の流れに翻弄され消滅し、その吸収先のPENTACONでさえ「最後は1981年にCARL ZEISS JENA DDRに吸収合併」して消えていく運命を辿りました(涙)

・・はたしてMeyer-Optik Görlitz社在籍の社員の運命はどうだったのでしょうか???(涙)

ちなみにネット上のwikiサイトでは、実しやかに旧東西ドイツに於ける「Carl Zeiss銘を含めた商標権争い」で敗れた旧東ドイツ側Carl Zeiss Jenaが制約を受け、一方の旧西ドイツ側Carl Zeiss Optonが勝訴し、互いに製品供給に関しコントロールしたと案内されていますが・・
違います。

旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaが商標権裁判で訴訟を起こしたのは「1953年」であり、その裁判が進行して結審したのが「1970年」その結果、1971年に旧西ドイツのCarl Zeiss Opton (いわゆるOberkochen) が勝訴しています (旧東西ドイツで最も長かった18年間に
及ぶ裁判
)。

つまり勝訴したのは1971年時点での話であり、如何にもその裁判の結果から互いの製品供給網を違えたとの内容に至っていますが・・違います。結審する以前から、そもそも戦後すぐの段階で旧西ドイツ側OberkochenのCarl Zeiss Optonが旧東ドイツ側Carl Zeiss Jenaに対し商標権の制約を課し続けたのが事実です。それに耐えられなくなり「商標権裁判」へと向かったワケですが、その審理期間中に制約を互いに受け続けていては製品の拡販にも大きな影響を来たす為に「互いが率先して合理性を突き詰め畑分けを積極的に実施した」のがその実です。

そしてもっと言うなら、旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaはそれら制約を表上守っている振りをしながら(笑)、実はその裏で (闇市で) 裏ルートで製品を流し続けていたので「結果的に今現在の市場流通品の中で圧倒的に制約を受けていた個体数が少ない」のがリアルな現実です・・例えばモデル銘を謳えなかったハズの「:Flektogon」や「:Tessar」或いは「:Biotar」や「:Pancolar」などの絶対数が異常に少ないのは「西側陣営向け輸出個体数が圧倒的に少なかったから」ではなく(笑)、東欧圏向け輸出個体が公然と平気で裏ルートで流され続けていたからこそ「メートル表記のモデルが数多く流通を続けている」真実なのではありませんかね
???(笑)・・と、当方は受け取っています(笑)

  ●               







↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
久しぶりに2年ぶりに扱ったので、ネット上の実写で特徴を確認できる写真をピックアップしてみました。さすが「入門者向け」との案内が氾濫しているだけに(笑)、実写枚数も格段に
増えています。・・と言っても、どんなに今ドキのデジタル一眼レフカメラ/ミラーレス一眼
レフカメラが進歩しようとも、オールドレンズ側の表現性は変化しないので(笑)、相変わらず
ではありますが。

左端からシャボン玉ボケが破綻して優れて滲んで円形ボケへと変わっていく様をピックアップしています。光学系が典型的な4群6枚のダブルガウス型構成ですが、意外にも真円を維持したシャボン玉ボケの表出がサクッとできます(笑) またエッジも相応に細めに出るのでシャボン玉ボケの印象を強く出そうと試せば決してムリではありません。

但し、エッジが明確に残るのでトロットロに溶けて消えていく印象ではありませんから、それなりに背景ボケとして残るので多少なりとも背景には気を遣うのが良いかも知れません。

二段目
この段ではさらに円形ボケが収差の影響を色濃く受けて乱れていく様をピックアップしています。二線ボケやコマ収差の影響もあるので明確な収差ボケとして背景を濁しますが、前述のシャボン玉ボケ〜円形ボケへの流れほどは明確にエッジを残さず、一緒に滲んでしまうので意外にも馴染むのが早い印象です。

但し、それこそプロの写真家がネット上のサイトで「オールドレンズの写りはこうだ!」的に、ハイキーな低コントラストな写真を乱発するが如く(笑)、まるで1枚ベール越し/レースカーテン越しに撮影しているかのような写りをする事があります(汗)・・どこでその境界線に至り、コロッとひっくり返るのかがよく分かりませんが、コントラストが強めに出るシ~ンと、そうではないシ~ンとが対極的な印象です。

三段目
この段では発色性について確認しています。十分にコントラストを保ったピント面を構成できるので、ご覧のように決してハイキーな低コントラストに堕ちる写真ばかりではありません(笑)・・その意味で、使いでがあると言えばそうなりますが、これか普通なのではないかとも思います。

四段目
ここでは人物写真のポートレートレンズ的な使い方をピックアップしていますが、やはり繊細感が足りないので、結構明確なキッチリした印象のポートレート撮影が向いている印象です。その一方で人肌感はワリと表現できているほうにも見え、何とも捉え処がないイメージでしょうか(笑)

五段目
ここでは被写体の素材感や材質感を写し込む質感表現能力の高さをチェックしています。ピント面の鋭さ感を十分確保できているシ~ンでの撮影では上手く表現性をキープできるようですが、淡いシ~ンなど、やはりコントラスト差があまり大きくない撮影では立体感が消失したノッペリした印象を受けます(汗)

六段目
特にこの段の表現性がキツイ部分で、ここでは被写体との間に介在する「空気層」の捉え方を観ていますが、なかなか難しいようです(泣)・・決してノッペリだけで終わる平面的な写りばかりではありませんが、そうは言ってもそこに「空気層」はちょっと感じられない印象です(涙)

やはり繊細感が足りていない分、骨太なエッジ表現が誇張され気味なのが影響しているのかも知れません。

七段目
光源や逆光耐性をチェックしていますが、明暗部の特に暗部の耐性が弱いので、ストンと突然黒潰れしてしまう要素には相応に気を配る撮影スキルが必要かも知れません(汗)

光学系は右構成図のとおり典型的な4群6枚のダブルガウス型構成です。右構成図はモデルバリエーションの一番最初に登場していたMeyer-Optik Görlitz製モデル「Oreston 50mm/f1.8 zebra (M42)」になります・・Orestonのシリーズにシルバー鏡筒モデルは存在しないので、全てがゼブラ柄の話になります。

以前に扱った際に完全解体した時、光学系の清掃時に当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。

一方こちらの右構成図は同じ4群6枚ダブルガウス型構成ですが、ちょうどモデルバリエーションで言う処の「Orestonの後期型」さらにPENTACONに移ってから同じ内部構造のまま継承していた頃の構成図で、やはり以前のオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを
計測したトレース図です。

さらにマルチコーティング化が施されて発売した時から受け継ぐ、今回の個体と同じ構成図になり、今回のオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。

マルチコーティング化されたものの、大きく光学設計を変更してきていないのが分かりますし、そもそも光学系後群が「イモネジでの締め付け固定」の設計を継承したので、光学設計はそれを加味してマルチコーティング化に対応
せざるを得ません。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はPENTACON auto 50mm/f1.8《後期型−I》(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わっています。当初バラす前の確認時点で、光学系内の透明度が
高く、経年で塵/埃が少々多いかなとの印象で調達しましたが、現物を手にすると「A/M切替スイッチの設定如何」で絞り羽根の開閉幅 (開口部の面積/カタチ/入射光量) に違いが起きる事を把握し、合わせてマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」の押し込み状況によっても「絞り羽根の閉じ具合が異なる」印象を覚えました(泣)

初めてこのモデルを手にする人なら、きっと「あぁ〜こんなモノなのかなぁ〜」程度にしか感じ取らないでしょうが(笑)、今までの13年間で3,000本を超える個体を扱ってきた当方の感覚では「ちょっと許せないョなぁ〜」レベルです(汗)

実は正直に話すと、このモデルは特異な内部設計の為に、その影響から「絞り羽根の開閉異常」が起きやすい問題と、合わせてやはりマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」の
押し込み動作に凄く神経質だったりします(怖)

それを完全解体してサクッと改善が期待できるなら、何の問題にもなりませんが、凡そ厄介な作業と工程を強いられるのが分かっているので、問題を抱えていない個体を入手する心がけで調達しています(汗)

・・それでも起きてしまうのがこのモデルの厄介極まりない特徴の一つとも言えます(泣)

↑上の写真はマウント部の写真ですが、既に各構成パーツを取り外して当方の「磨き研磨
処置が終わっている状況です。

当方の「磨き研磨」処置は「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しないので、金属材の表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に
到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している
特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした
製品寿命の延命化
が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリ
コーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

また当然ながら過去に当方がオーバーホールした個体を再び手に入れて経年劣化進行に伴う
内部状況をちゃんと確認しています・・現在の処、最大で8年前に整備した個体の回収が終わっており「7年目8年目辺りの経年」で塗布したヘリコイドグリースの経年劣化進行が確認でき、そろそろ液化が進み始めているかなと言う印象を受けますが、そもそも相手が「白色系グリース」ではないので、それだけの年数を耐え凌いでいる次第です(笑)

・・つまり完全に液化してしまいヒタヒタ状態に陥っていないのが最も重要な結果なのです!

もしもこれが「白色系グリース」だった場合 (つまりシリコーン系グリースを指す)、凡そ2年
〜5年内にほぼ間違いなく内部に揮発油成分が廻り切ってしまい「揮発油成分でヒタヒタの
状態
」に至り、まるで内部で結露しているがごとく「一部に赤サビ緑青などが生じている」最悪のパターンに到達します(涙)

その意味でも「黄褐色系グリース」にこだわっているのは「製産時点に使われていたであろうグリース種別だから」との憶測から、数種類の成分/配合を揃え、ヘリコイドのオスメスのネジ山状況/設計、或いは連携する各部位からのチカラの伝達などに配慮して、塗布するグリースの種別を決めている次第です。

従って「当方では単に軽いトルク感だけを決して追求していない」ので、個体によっては/設計概念によっては/経年劣化進行状況によっては塗布するグリースの種別やトルクすら重くしたり替えたりして何回も組み直している次第です。

・・最終的な目標は「撮影に没頭できる操作性の良さと光学系の回復を担保する」ことです!

その結果が皆さんからご指摘を頂く「ヌメヌメっとしたシットリ感漂う軽い操作性のトルク感」で(笑)、プラスして撮影に没頭できる操作性は当然ながら「ピント面の合焦が確実でピーク
/山の前後動は掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで前後動が適う直感的な操作
」が素晴らしすぎると、まさにこれ以上無い褒め言葉でビッシリ埋め尽くされているような取引メッセージやメールが数ヶ月後に着信します(驚)

落札されてお届け後の数カ月後に、そのようなメッセージやメールが着信するので「着信の
事実を知った時はそれこそ過呼吸に近くなる
」と言う、まさに文面を読む前がホラ〜映画並みに怖い瞬間だったりします (当方はホラ〜映画を観られません)!(怖)

・・着信する時いの一番に頭に思い浮かぶのは「何が拙かったんだろう?!」しかない(笑)

と言う始末で、如何に自分の技術スキルが低いのかを、まさに物語っている「査証」と明言
できそうな精神状況
です(笑)

オーバーホール済でのヤフオク!出品は、一応念の為に「商品到着後3日以内のご連絡」だけをクレーム対応としての前提条件に挙げていますが(汗)、リアルな現実は最大で3年前まで遡ってご落札頂いた個体の「再整備」を無償扱いでヤッているので (もちろん当方宛の返送料は着払い)(笑)、そう言う「着信メッセージ/メールがどんだけ怖いのか?!」みたいな話になっています(笑)

逆に言うなら、総てのオーバーホール工程作業記録は「納得できなかった要素」或いは「気になる点」などを逐一書き留めて記録してあるので、例え3年後でもすぐにパパッとその因果関係に思いが至り「何をどうすれば良いのか、あ~だこ~だ改善処置が瞬時に頭に思い浮かぶ」次第です(笑)

その意味で、何年経とうとも自ら整備した個体は「本当に慈しみの想いしか残っていない」のが、或る意味記録データベースにギッシリ詰まっているようなものです(笑)

↑上の写真は一つ前にご紹介したマウント部の内部に組み付けられていた構成パーツの全てです(笑)・・マウント部ですからヤッている内容は至極簡単な話で「 マウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み動作を伝達する/ 絞り羽根を設定絞り値に従い開閉させる/切替スイッチで動きの方向性を変更する」だけだったりします(笑)

要はたいした事をヤッていないので(笑)、大騒ぎしている時点で当方の技術スキルがどんだけ低いのかを自ら解説しまくっているような話です(笑)

すると、やはり過去メンテナンス時の整備者も面倒くさいと考えたのか、グリーン色の矢印で指し示している箇所には、経年劣化進行に伴う酸化/腐食/サビが相応に生じており、一部は
赤サビに至っていました(泣)

さらに赤色矢印で指し示している箇所は過去メンテナンス時にラジオペンチを使ったか何かの工具により「故意にワザと変形させて曲げていた」のが判明し、今回のオーバーホール工程で当方が逆に「製産時点のカタチに戻している」始末です(笑)

ヤッていたのは「マウント面から押し込まれた時の絞り連動ピンのチカラの伝達量を強化したり」或いは「絞り羽根が開く度合いを強くし完全開放になるよう広げていたり」などです(笑)

凡そ「ごまかしの整備」なのですが、実はこのような「マウント部内部の整備を放置する整備者が多い」のがリアルな現実だったりして(笑)、実際にヤフオク!などで今流行りの「分解整備済」の掲載写真を観ていると「どう言うワケかマウント部はゴッソリ丸ごと写っている」とバラしていないのが明白です(笑)

上記の事実については、ヤフオク!「分解整備済」を謳っている出品ページで分解したパーツ写真をチェックすれば明白になります(笑)・・上の写真に写っている「弧を描いたカタチで
端にコの字型の爪が付随するアーム
」が、ちゃんとパーツとしてバラした状態で/個別の状態で写っているのか否かを見れば明確になってしまいます(笑)

もしも写っていなければ「マウント部を解体せずにそのまま仕上げている」のが間違いあり
ませんし、このパーツ/アームを外さない限り絞り羽根の開閉を微調整したことにはなり
得ません(笑)

もっと言うなら、以下で詳しく解説しますが、光学系後群側の貼り合わせレンズ (光学系の
第3群
) が取り外した状態で写っていなければ「光学系後群格納筒のイモネジを外さずにそのまま組み上げている証拠」になります・・何故なら、このモデルの光学系は「4群6枚のダブルガウス型構成」なので、光学硝子レンズの塊 () は全部で4つ写っている必要があるからです。ところが多くのヤフオク!出品ページ掲載写真で「レンズ群は3つしか写っていない」ので(笑)、明らかに個別に光軸確認などせずに、そのまま組み上げて「写りも正常で綺麗に写っています」と謳っているだけの話です(笑)

従って、こう言うマウント部をバラさない、絞り羽根の開閉駆動をちゃんとチェックしない (特にA/M切替スイッでの切り替え時挙動など)、或いは光軸ズレや偏芯を調べないなど・・それら一切の微調整を施さずに「分解設備済」を謳い、使い易くなっていると述べているにすぎません(笑)

下手すれば、最近は出品ページに実写を数枚載せて「写真撮影して綺麗に撮れるのを問題ないと感じた人だけ入札して下さい」と上から目線で、あからさまに謳っているバカ・・当方とご同業者たる転売屋/転売ヤー・・も居ますが(笑)、そもそもオールドレンズである以上「写真を撮るための道具なので綺麗に撮れるのが当たり前」なのを、あたかも入札/落札の前提条件の如く明示する時点で「入札者/落札者は出品個体についてのその状況を知りたいだけ」と言う、明確な人情としての事前情報取得であるのを逆手に取るような、それ
こそ民法で言う処の「ごまかし/試行錯誤を誘う行為」とも指摘でき、とても悪質です(怖)・・ご注意下さいませ!

・・はたして絞り連動ピンからのチカラ伝達を蔑ろにする概念ってどうなんでしょうか?(涙)

何だか一番重要なのは「光学系とヘリコイドだけ」みたいな感覚が横行しすぎていて、本当に「製品寿命の延命化に繋がっている」のか・・哀しい気持ちになります(涙)

ましてや「研磨剤」と来た日には空いた口が塞がりませんでした!(驚)・・もぉ〜掲載写真を観ただけで「あぁ〜ッ! アルミ合金材が、黄鋼材が・・可哀想な事になっているのが分かるぅ〜!(涙)」と目が釘付けになります(涙)・・そのクセいちばん重要な経年劣化進行に伴う酸化
/腐食/サビはソックリそのまま残っている始末で、はたしてこれッて何を狙ってやっているの
???と疑心暗鬼です(笑)

・・おそらく「金属材の表層面」の研究が全くできていないように見えますね(涙)

さすがに「研磨剤」を使う目的とその役目 (研磨剤を使って研磨した結果) くらいは、せめて
研究してほしいものです(涙)・・おそらくピッカピカに仕上げる事で「平滑性が確保できた」と信じ込んでいるのでしょうが、それは「あくまでも手で掴んでイジッてみて感じ取っている時の感触」であり、製産時点に施されていた処置でも工程の一つでも何でもありません(涙)

・・むしろ製品寿命を短命化させている状況なのを目の当たりにして哀しい限りです(涙)

そんなワケで、当方の今回のオーバーホール工程では、上の写真の如く赤色矢印の変形を元に戻し、グリーン色の矢印の酸化/腐食/サビを完全除去させたのが実は上の写真です (既に磨き研磨が終わっている) が、当然ながら研磨剤などは一切使いません(笑)

↑上の写真は過去に扱った別個体からの転載写真ですが、基台に付随する「光学系後群格納筒を締め付け固定するイモネジ用の穴」を均等配置で備わる3箇所でグリーン色の矢印で指し
示しています。

これら元々の原型モデルが旧東ドイツのMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズだった製品群は、その多くのモデルで上の写真同様に「イモネジ3本で締め付け固定する手法」として設計しています(汗)

また今回扱ったこのモデルで意外と多いのが「開閉アーム (手前の垂直状に伸びている金属棒)」がグラグラしている場合で、その時必ず「絞り羽根開閉異常」が起きています。

従って調達する際は「絶対に絞り羽根開閉異常の個体を入手しない!」のがこのモデルでの
調達時の大前提です!(怖)

↑その根拠が上の写真で (やはり過去扱い個体からの転載写真)、絞り羽根を開いた入閉じたりする役目の「開閉環」と言う絞りユニット内の構成パーツで、上の写真解説のとおり赤色矢印で指し示している「開閉アーム」の現況が大問題になるからです。

グリーン色の矢印で指し示している箇所に「製産時点にプレッシングで叩き込まれているだけ」なので、この金属棒が極僅かでもグラグラしていたら「絞り羽根の開閉動作時に適切で正しい角度まで絞り羽根の開閉ができなくなる現象絞り羽根開閉異常」が起きます(涙)

そもそも製産時点に叩き込んでいる関係で「グラつきを止める手段が無い」のが問題なのです(泣)・・ハンダ付けしようが溶接しようが何をヤッてもダメでした (今までに経験済)(涙)

この「開閉環」の寸前まで、マウント部内部の「コの字型の爪」が上がってくるので、要は鏡筒の繰り出し量の分だけ「開閉アームの長さが一致している」為に、余計な膨らみが根本に
起きると、途端に絞り羽根開閉異常がまた別の問題として起きます(泣)

・・詰まる処、グラついていたら即ジャンク箱行き (グラつきの度合いは一切関係なし)!(怖)

↑上の写真は過去に扱った時の旧東ドイツはMeyer-Optik Görlitz製標準レンズ「Oreston 50mm/f1.8 zebra (M42)」からの転載写真で、やはり光学系後群格納筒を「イモネジ3本で締め付け固定する設計」なのをグリーン色の矢印で解説しています(笑)

要はMeyer-Optik Görlitz製モデルの設計をそのまま延々と継承し続けたのがPENTACON製
オールドレンズの設計なのだと指摘しています(笑)

よ〜く観察すると「あッ! 絞り羽根のカタチが違う!」と面白かったりします(笑)

↑ちょっと写真をいつも撮り忘れているので(汗)、今回扱ったPENTACON製標準レンズの場合の写真がありません(汗)・・上の写真も同様過去に扱った時のMeyer-Optik Görlitz製標準レンズ「Primoplan 58mm/f1.9 (silver) (M42)」からの転載写真で、右横に並べているのが「後群格納筒」そのモノです。

するとやはりイモネジ3本を使い外側から締め付け固定する設計手法を採っています (グリーン色の矢印)。

この時、締め付けられた3本イモネジが「光学系後群格納筒」のどの場所に締め付けられるのかを、上の写真では解説しています。

ご覧のとおりグリーン色の矢印で指し示している「後群格納筒のくびれている場所」なのですが、とても難しいのは「このくびれている場所のいったい何処にイモネジが刺されば適正な
光路長を担保できるのか
???
」なのです(涙)

残念ながら、3本のイモネジを順番にただ単に締め付けていくと「先ず以て光路長ズレが発生し色ズレか偏芯に至る」或いは当然ながら「ピント面の合焦時に違和感を感じる」だったり
します(笑)

つまりイモネジが来る箇所は「くびれの一番深い場所なのかその上下なのか個別の個体で光路長が違う」から簡易検査具での確認が必須作業になってしまいます(汗)

・・もちろん今回扱い個体はキッチリ光軸/偏芯をチェック済で大変鋭いピント面に戻った(驚)

のは、当然な話ですね(笑)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。

但し残念ながら光学系第2群貼り合わせレンズの裏面側外周付近に14㎜長の微細な細いヘアラインキズが1本と、後群側も後玉中央付近に4㎜長のヘアラインキズ (光学系第3群側) と目立つ点キズが残っています(涙)

また光学系第2群貼り合わせレンズのり面側外周付近には、一部にコーティング層経年劣化に伴う汚れ状が光に翳す角度によっては浮き上がりますが、裸眼では目視できません。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側もスカッとクリアになり極薄いクモリすら皆無です。後玉中央付近に4㎜長のヘアラインキズ (光学系第3群側) と少々目立つ点ギスが残っています(涙)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:18点以上、目立つ点キズ:11点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内極微細な薄い最大14mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。特に光学系の第2群の裏面側が反射して光にスザした時に微かに見える外周付近の「清掃時の拭き残し」のような痕は、蒸着コーティング層の経年劣化進行に伴う汚れ状が光に反射する角度に寄って視認できる部分なので4回清掃しても除去できなかった部分です。事前告知済みなのでクレーム対象にしません。
・光学系第2群貼り合わせレンズ裏面側外周付近に14mm長の微細な細いヘアラインキズ1本。また光学系第3群貼り合わせレンズ裏面側中央付近に4mm長の微細な細いヘアラインキズ1本、及び後玉裏面側の中央付近に僅かに目立つ点キズが1点残っています。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり、A/M切替スイッチや絞り環共々、確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『PENTACON auto 50mm/f1.8《後期型−II》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
純正樹脂製被せ式前キャップ (中古品)

以上から、お伝えすべき瑕疵内容は「光学系の瑕疵内容ヘアラインキズ2本と後玉の点キズの合計3つ」だけです。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑いつもどおり当方所有のマウントアダプタではありますが、ちゃんと事前に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 上の写真は中国製のK&F CONCEPT製「M42 → SONY Eマウントアダプタ」に装着し、合わせてマウントアダプタ内側のピン押し
底面を「凹面」にセットした状態で全く問題がない正常動作である事を確認しています。

赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合にそれが干渉しないよう、約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。

この「K&F CONCEPT製M42マウントアダプタ」に関する解説は、ちゃんと補足解説として『◎ 解説:M42マウント規格用マウントアダプタピン押し底面について』で詳しく説明して
いるので、気になる方はご参照下さいませ。

ちなみに「ピン押し底面」は両面使いできますが「平面側/凹面側」どちらでもA/M切替スイッチの操作と共に絞り環操作、或いはA/M切り替え動作の挙動状況、絞り羽根の開閉角度など「凡そ当方が気になって確認するべき事柄は全て逐一チェックし微調整が終了している状態」での、オーバーホール済ヤフオク!になっています (当たり前の話ですが)(笑)

↑同様今度は日本製のRayqual製「M42 → SαE マウントアダプタ」に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合に、それが干渉しないよう約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後まで
ネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる
)。

↑当レンズによる最短撮影距離33cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

・・当然な話ですが(笑)「光軸ズレ/偏芯」は起きていません

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮っています。

↑f値「f5.6」での撮影です。

↑f値「f8」に上がっています。

↑f値「f11」での撮影です。当初バラす前の実写確認時はこのf値時点で既にコントラストの低下が僅かに現れ、且つ焦点移動が顕著に出ていたので「光路長ズレが起きていた」と捉えています(汗)・・もちろん改善済です (要はイモネジ3本の締め付け固定手法が拙い/原理原則
必須/どうしてクビレているのか?
)(笑)

↑最小絞り値「f16」での撮影です。もうほとんど絞り羽根が閉じきっていますが「回折現象」の影響を感じません (背景がまだ僅かにボケているくらい)(笑)

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。