◆ Tokyo Kogaku (東京光学) RE,Auto-Topcor 2.5cm/f3.5 (silver)《前期型》(RE/exakta)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。
今回完璧なオーバーホール/修理が終わりご案内するモデルは、国産は
東京光学製広角レンズ・・・・、
『RE,Auto-Topcor 2.5cm/f3.5 (silver)《前期型》(RE/exakta)』です。
ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ! Слава Україні! Героям слава!
上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。
Slava Ukrainieie! Geroyam Slava!
今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時の東京光学製広角レンズ「25mm/f3.5」の括りで捉えても僅か2本目です。
先ずは冒頭で、このような大変希少なオールドレンズのオーバーホール/修理ご依頼を賜りました事、ご依頼者様に感謝とお礼を申し上げたいと思います・・ありがとう御座います!
今回のオーバーホール/修理ご依頼を賜る際に「個体の現状は正常品」との話でしたので、特に心配せず普通に「東京光学製の造り」と、他のモデル同様高をくくっていましたが(笑)、届いた個体を当初バラす前の時点で確認すると「ガタつきが酷い」印象を通り越して、間違いなく
ガタつきを生じている状況なのが分かります。
しかし事前にご依頼者様より・・付属したK&F CONCEPT製マウントアダプタ「EXA – NEX
マウントアダプタ」に装着すると、ガタつきが在るが気にしないで下さい・・とのご案内が
ちゃんとありました (こういうご依頼者様のお心遣いが最近本当に身に沁みます)(涙)
・・ありがとう御座います!(涙)
と言うのも、オーバーホール/修理ご依頼を受けたは良いが、実際に届いた個体を手にしてバラす前に実写確認などすると「???」となってしまう場合が少なくありません(怖)・・当方の所有マウントアダプタに装着してバラす前の事前実写確認を行うのですが、とても正常に使えているとは受け取れない実写だったりするのです(汗)
すると、当然ながら「当方所有マウントアダプタが悪い」と判定を下すしか無くなり、新たに買い直したりして手に入れ再びチェックすると「何と同じ状況に陥る」(汗)・・たりします(笑)
要は届いた個体に何某かの瑕疵内容が既に生じていて、バラす前の段階なのに既にその現象が現れているので「実写確認に問題が現れる」話に至ります・・多くの場合で「無限遠合焦しないアンダーインフ状態」或いは「オーバーインフ量が異常に多い (∞刻印の数目盛り分前で一度無限遠合焦してしまう) 」酷い場合は「ピントが合わない/色ズレが酷い/偏芯が起きている」などの症状だったりします(汗)
するとオーバーホール/修理ご依頼時に頂いた「オーバーホール/修理ご依頼受付フォーム」でちゃんとご案内が無かったりすると、必然的に「ご依頼者様のもとではちゃんと使えていたのに、当方所有マウントアダプタに装着したら異常な状況が起きている」と受け取らざるを得ません(怖)
もぉ〜こうなると「過呼吸が始まってしまい体調が途端に悪化する」ので、酷い時はそのまま寝込んでしまったりします(怖)・・仕方ないので新規にマウントアダプタを買い直して、再び
確認する作業を執らざるを得ません (何しろネット上での当方に対する信用/信頼が皆無な状況なので証拠を手に入れる必要があるから)(涙)
ところがそれで改めて買ったマウントアダプタに装着しても同じ状況だったりすると「その時初めて届いた個体が実は瑕疵が既に起きているオールドレンズだった!」と気づくワケです(笑)・・どんだけ自分の技術スキルが低いのか、バラす前段階なのに既に思い知っている始末で、マジッで恥ずかしくッて逃げ出したい気持ちです (穴に逃げ込まず、とにかく逃走したい
気持ちになる)(恥)
昔からパワハラやイジメがあると「現実逃避」するのは得意だったほうなので、至って苦に
なりません (サクッとできる)(笑)
特に2度倒れてからと言うもの、このような状況に陥ると「過呼吸が始まる」のでどうにも
なりません(涙)・・先生に相談しても「精神性の問題も在るからねぇ〜」・・と言われる始末で(笑)、何とも情けない限りです(笑)
そんなワケで高をくくっていたのですが、何と今回の個体は「マウントアダプタを外しても
ガタついているんだけど・・どうしョ???」(汗)です(笑)
つまり筐体が既にガタつきを生じているので「無限遠位置の確認でピント合わせする時、普通に距離環を回しているとアンダーインフが酷い状況に陥る」ものの、何と「鏡胴をマウント側方向に押し込みながら (つまり押し込んでガタつきを無くしてから) ピント合わせすると僅かなオーバーインフ状態に激変する/改善できる」から大変なのです!(怖)
今までの13年間に東京光学製のオールドレンズは79本扱っているものの、それらの中で
何某かの瑕疵が起きていた場合「過去メンテナンス時のごまかしの整備に起因している」事が6割近い割合で経験しているからです(怖)・・それら「ごまかしの整備」を元に戻す作業が
とんでもなく大変なのを、よ〜く、本当によく知っているのです(涙)
実は、それがイヤになってしまったので、近年は「東京光学製オールドレンズを避けて済ませている」だったりします(笑)・・「そんなのはオマエの技術スキルが低いからだろう?!」と言われれば、もちろん返すコトバがないのも事実なので(汗)・・そう言う時は昔から上手な
「逃げるが勝ち!」だったりします(笑)
ところがオーバーホール/修理ご依頼を承って届いてしまって「今、まさに目の前に在る!」となれば、普通なら逃げるに逃げられません(笑)・・仕方ないので、とりあえずは「過呼吸になって寝てしまう」と言う「現実逃避」が、実は当方の得意な逃げ方だったりするのです(笑)
・・しょっちゅうやっているので慣れっこなのです(笑)
↑上の写真は、今回の個体をバラし初めて取り出した、ヘリコイド部のメス側 (左) とオス側
(中央) に基台 (右) です (溶剤で洗浄する前に撮影)。
先ずは右側で赤色矢印で指し示している箇所を確認すると「パカパカに固まっている古い黄褐色系グリースが少し残っている」のが分かる一方(笑)、その上から過去メンテナンス時に「白色系グリース」が塗られて、経年劣化進行に伴いアルミ合金材のネジ山が摩耗して摩耗粉が混じり「濃いグレー状」に変質しているのも分かります(笑)
しかし何やらブルー色の矢印で指し示している箇所に備わる下穴/ネジ穴を数えると6箇所だったりします(汗)・・実はこのネジ穴は基準「●」マーカーが刻印されている「指標値環」を締め付け固定するネジ穴で、正しくは「全部で4箇所」なのが製産時点です(笑)
さらに左側を観るとグリーン色の矢印で指し示している「距離環の駆動域を限定する役目の
制限壁が削られている」のまで判明します(汗)
↑制限壁は上の写真 (今回の個体をバラした直後に溶剤で洗浄する前に撮影したヘリコイド群) ですが (一つ前の写真と同じ)、グリーン色の矢印で囲っている領域は「距離環がイモネジで
締め付け固定される下穴位置に対して右方向の制限壁の長さを指し示している」目安です。
↑上の写真は今回の個体ではなく、一番最初に扱った時の (2020年) 同じモデル「後期型」タイプのヘリコイド群を撮影した写真から転載してきました・・するとグリーン色の矢印で
指し示した領域が「本来はもっと長い」のが分かると思います(笑)
分かり易いので制限壁の右側領域で解説していますが、こちら側は「距離環を回して最短撮影距離位置でカツンと音が聞こえて突き当て停止している場所」です・・逆に言えば「反対側の制限壁が無限遠位置でカツンと音が聞こえて突き当て停止している場所」を意味します (無限遠位置側の長さも違うのですが、分かりにくいので最短撮影距離側の位置をグリーン色の矢印で囲って解説しています)(笑)
これら上の2つの写真を見ただけで制限壁の長さが違うのが分かると思いますが・・如何で
しょうか???(汗)
さらに指摘するなら、この当時の東京光学製オールドレンズは全てのモデルの設計で「距離環を締め付け固定する位置が決まっている (イモネジ用の下穴が用意されているから)」設計概念なので、上の写真を観てもグリーン色の矢印で囲う時の基準にしているのがそのイモネジ用の下穴だったりします(笑)
・・何を言いたいのか???
つまり東京光学製オールドレンズは全てのモデルで「∞刻印の無限遠位置微調整ができない設計仕様」なのです。無限遠位置を微調整したければ、鏡筒の格納位置を変更するか (鏡筒を深く入れるか格納する深さを浅くするかのどちらか) 或いはヘリコイドオスメスのネジ込み位置を故意にワザと変更する、且ついずれにしても製産時点とは異なる所為を執る「ごまかしの
整備」しかありません(汗)
・・するとではどうして今回の個体は制限壁の長さが違うのでしょうか???
その疑念にすぐに気付けない整備者が居たら反省するべきですね(笑) 今回の個体は過去メンテナンス時に「おそらく別個体から転用した構成パーツを合体させて仕上げている個体」と推測が適います。
何故なら、ちゃんと製産時点を維持できているなら「締め付け固定位置は変わらないハズ」なのが道理だからです(笑)・・その締め付け固定位置が変わる要素は「別の個体からパーツを転用したから」であり、おそらくはその転用した別個体の製産時期も違っているのだと推測できます (そうしないと下穴の位置までズレない)。
つまり今回の個体で推測できる因果は「前期型個体と後期型個体を合体させて組み上げた
個体」との疑念が湧いてきます(涙)
↑上の写真は絞り羽根の表裏にプレッシングされている「キー」を解説している写真ですが、左側が今回の個体から取り出した絞り羽根3枚で、右側は2020年に扱った時の「後期型」から取り出した絞り羽根3枚です。
カタチは同一ながらも絞り羽根の仕上げ方が異なり、パッと見での絞り羽根の色合いが違うのが分かります。さらにプレッシングされている「キー」の仕様も異なり、今回の個体「前期型」では黄銅材で造られた円筒だった事が分かります。
つまり「前期型 (左)」と「後期型 (右)」の絞り羽根の相違を表している写真と指摘できます。
↑上の写真は、今回の個体から外したマウント部ですが、右側に弧を描いて引張式スプリングが1本巻かれているのが分かります・・このように引張式スプリングを巻いた仕様で設計していたのが「前期型」を示す一つの内部構造であり「前期型の設計概念を示す証拠の一つ」とも言い替えられます。
↑一方こちらの写真は2020年からの転載で、同じマウント部ながらも「後期型」なので「右側に巻かれていた引張式スプリングが消滅している」と同時に「引張式スプリングの代わりに銅製の板バネを備えた (手前位置)」のが分かります・・これが「マウント部に於ける後期型の特徴の一つ」です(笑)
↑上の写真は今回の個体から取り出した「直進キー環」と言う環/リング/輪っかで、グリーン色の矢印で指し示したように「直進キー」と言う板状パーツが垂直状に伸びています。
◉ 直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目
「前期型」の当時は、上の写真のように「アルミ合金材にメッキを被せたパーツとして用意していた」ものの「後期型ではメッキ加工をやめてただのアルミ合金材に変わった」次第なので、この「直進キー環」のメッキ加工を以て「前期型」の要素との判定も下せます(笑)
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は『RE,Auto-Topcor 2.5cm/f3.5 (silver)《後期型》(RE/exakta)』のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからは完璧なオーバーホール/修理が完了したオールドレンズの写真になります。
↑完璧なオーバーホール/修理が終わりました。結局、冒頭仮説の通り「内部構造と内部の構成パーツを見る限り前期型をちゃんと踏襲している」点から捉えても「この個体が前期型の設計仕様」なのは間違いない事が確実視できます。
もちろん上の写真の通り、レンズ銘板もモデル銘刻印が「焦点距離:2.5cm」と「cm表記」なので「前期型」の仕様を採っています。ところが基準「●」マーカーが「緑色の●」なので、本来は「後期型」の特徴であるものの、実は「過渡期は●刻印たる前期型の一部に●刻印を使っていた時期がある」のを今まで扱った東京光学製オールドレンズの検証から知り得ています。
・・つまり今回の個体は「前期型」なるも「後期型」への過渡期製産出荷品。
と指摘できそうです。
これらの今回個体に対する検証から、当初バラす前時点で生じていた瑕疵内容「鏡胴にガタつきが在る」因果は、ここまで解説してきた「前期型/後期型に係るモデルバリエーションの相違」ではない事が確定します・・それは内部構成パーツに「前期型の要素しか実装していない」点からも間違いありません。
すると残るのは冒頭で前述した「ヘリコイドメス側の制限壁の切削と下穴/ネジ穴が2個多い問題」だけに限定されるので、今回の個体の瑕疵内容「鏡胴のガタつき」はそっくりそのまま「過去メンテナンス時のごまかしの整備」との断定が適いそうです(汗)
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化進行に伴う極薄いクモリすら皆無です。
当初バラす前時点で「光学系内に (前群/後群共に) 微細な塵/埃が多め」の印象でしたが、オーバーホール/修理工程が終わった現時点は「ほぼ数える数分しか微細な点キズが残っていない」なので、それらは清掃しても除去できない微細な点キズであるものの「光学系内の微細な塵/埃はほぼ完全除去済」とお伝えできます。
逆に言うなら「光学系内のどの群の何処の位置の微細な点が点キズなのか塵/埃なのかをちゃんと言い当てられる」レベルと言えば・・伝わるでしょうか(笑) そんくらいマジッに真剣に
光学系を清掃しているので (カビ除去専用薬剤で1回/汚れ落とし専用薬で1回/油成分除去の薬剤で1回/仕上げ清掃液OLYMPUS IMS製EE-6310で1回) 都合4回清掃していますから、どんだけ時間をかけて真剣勝負なのかと言う話です (至極当たり前の話でしかない/ちゃんと
やっていると言う意味合いです)(笑)
・・プロのカメラ店様や修理専門会社様ならもっと回数が多いハズです!(怖)
何しろ冒頭解説の通り小心者ですぐに過呼吸に陥るので「ちゃんとクレームが来た時に逐一
答えられるようにしている」・・とにかく他人様の所有物を完全解体してしまうので、悪いのは全て当方だからです (どんだけ怖いのかと言う話です)(怖)
↑上の写真は、今回の個体から取り出した「光学系内で使っているスリーブ環/リング/輪っか」です。光学系第2群と第3群の間に挟まるのが左側で、右側は第1群前玉と第2群の間に入っているスリーブ環です。
それぞれ赤色矢印で指し示した箇所に (要は全周表裏面で) 過去メンテナンス時に「反射防止黒色塗料」が塗布されていたので、この分の厚みが影響してしまい「光路長を延伸させていた」瑕疵内容に至っており、且つ合わせて「どう言うワケか各群の締付環が硬締めされていなかった」と言う「???」な状況です(汗)
もちろん光学系前群格納筒内部に塗られていた「反射防止黒色塗料」まで含め「全て完全除去」してしまっています・・基本、当方のオーバーホール工程では「光路長に影響を及ぼすような反射防止黒色塗料は全て完全除去」がポリシ~なので(笑)、もしもご納得頂けない場合はご請求額から減額下さいませ・・申し訳ございません。
↑光学系後群側もスカッとクリアになり極薄いクモリすら皆無です。純正の専用UVフィルターがとても誇らしげです(涙)
上の写真を観るとこの純正UVフィルターが「パープルアンバーブルー」に写っていますが、あくまでも当方の撮影スキルがド下手なので、上手くちゃんと撮影できていません(恥)
純正UVフィルターは、そもそも「UV」刻印が在るので「紫外線領域への対処」しかしておらず、上の写真のコーティング層が放つ光彩は「光学系に蒸着されているコーティング層が放つ光彩」なので、お間違いなきよう (そのような類の解説が在るようですが間違っています)(笑)
↑6枚の絞り羽根もキレイになり、絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根か閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。
当初バラす前の挙動確認時点では、絞り羽根が閉じていく時に「最小絞り値側で♦型に閉じていた」状況ですが、その因果は6枚の絞り羽根のうち「1枚だけ絞り羽根がメクレ上がっていた」(怖)ので、その影響を受けて閉じる際のカタチが歪になっていたようです。
オーバーホール工程の中でそのメクレ上がっていた1枚の絞り羽根を叩き込んで「平坦に戻した」ので適切なカタチに復元できています・・メクレ上がっていた理由は、おそらく過去の油染み時点で張り付いて変形していたのを、過去メンテナンス時にそのままにしていたからと推測しますが、確かな事は「???」です(汗)
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。
詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。
もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し「製品寿命の短命化を促す」結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない『磨き研磨』により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる『完全解体を前提とした製品寿命の延命化』が最終目的です(笑)
もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)
実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)
その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施す『DOH』そのものなのです(笑)
↑塗布したヘリコイドグリースは「黄褐色系グリース」を使い、いつもの当方独自なヌメヌメっとしたシットリ感漂う「軽い」トルクに仕上がっており、且つ距離環を回した時「全域で完璧に均一なトルクを維持」しています。
もちろん当初バラすまえに生じていた瑕疵内容の一つ「鏡胴のガタつき」は完全解消しています (当たり前の話ですが)(笑)
↑完璧なオーバーホール/修理が終わりました。特にご報告すべき瑕疵内容は残っていません。
オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑上の写真は当方所有のK&F CONCEPT製「EXA – NEXマウントアダプタ」に装着した様子を撮っています。
先ず同梱頂いた同型マウントアダプタですが、上の写真赤色矢印で指し示した方向でガタつきが発生しています (上の写真のマウントアダプタとは個体が違います)。マウントアダプタの時点でガタつきが起きているのは、ご依頼者様からご案内頂いたとおりでしたが、実はグリーン色の矢印のようにオールドレンズ側の鏡胴自体にもガタつきが生じていた次第です。
従ってダブルでガタつきが起きていたので、仰る通り「マウントアダプタの問題」とも受け止められそうですが、当方は必ず完全解体していくので因果が判明しました。
マウントアダプタ側のガタつきが起きている理由はブルー色の矢印で指し示している「マウント口径の誤差に伴う製品バラツキ」と考えられ、上の写真で装着して使っている当方所有マウントアダプタではガタつきが一切無く、ガッチリハマります(笑)
↑例えば当方がこのようにブログ掲載して貶すと「日本製だから工作精度が高いのに」と批判の嵐になりますが(笑)、日本製Rayqual製マウントアダプタ「EXA・TOP-SαE」に装着した時、赤色矢印の方向でガタつきが起きます(汗)
このようにご紹介すると「公然と平気でウソを拡散して続けている」と誹謗中傷コメントが某有名処に投稿されますが(笑)、事実なので仕方ありません(汗)
↑その証拠として写真撮影しました (何しろ当方は信用/信頼が皆無なので)。マウントアダプタに装着状態で「ピント合わせする行為を想定」して撮影しています。
すると赤色矢印で指し示している位置にリリースマーカー「●」が来ていますが、ちょうどロック用ノブの先端部分です。
↑ピント合わせのつもりで距離環操作すると、上の写真の通り「リリースマーカー●の位置が約1㎜弱分、右方向にズレた」のが分かると思います・・決してウソを述べて貶しているつもりではありません(笑)
ところが「画像加工してウソを拡散するなら製造元に通告して裁判沙汰にしてやる」との脅し紛いなメールすら着信したことがあるのでビックリです (以前別のexaktaマウント規格のオールドレンズで日本製マウントアダプタのガタつきを説明した時の話)(笑)
まぁ〜、画像加工したか否かは「証拠を示せ」と言われても返すコトバがない (方法を知らない) のでムリですが(笑)、少なくとも貶すつもりで掲載しているのではなく「例え日本製だと
しても製品に拠るバラツキはどんに商品にも起きる話」であり、もっと言うなら「電子制御の自動NC旋盤機を使って金属加工しても、誤差を皆無に仕上げるのは相当難しい」のは想像に難くないので(笑)、それを述べているだけです(笑)
日本製も中国製も関係なく、或いはそもそものオールドレンズ本体の経年劣化進行に伴う劣化も想定できますし、もっと言えば実装している光学設計ですら「±0.02㎜を許容誤差」としているくらいですから、もう少し大人な対応ができるのではないかとも思いますがね(笑)
まぁ〜、何にしても当方の事が気に入らないのでしょうから仕方ありません(笑)
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以上いろいろ解説してきましたが、今回の個体の瑕疵内容は「おそらくパーツの転用」によるヘリコイドオスメスのネジ込みで改善できない「∞刻印無限遠位置のズレ」と指摘できそうですが、実はその根本的な因果を突き止めました。
実は今回の個体に実装している光学系は「おそらく本来製産時点に組み込まれていた光学系とは違う個体からの転用」であり、その時に「後期型」から転用されたのだと推察しています。
もちろん「後期型」も光学設計には変更がないのでしょうが、光学系前群格納筒のカタチが極僅かに違うと思います。その外寸の相違が干渉してしまいフィルター枠 (鏡胴の前玉側方向のラッパ状に広がっているパーツ部位) の一部が当たっています。
プラスして過去メンテナンス時に「反射防止黒色塗料」を塗りまくっていたので(笑)、さらに光路長が加算された分、それらの干渉が影響して「硬締めで鏡胴固定するとヘリコイドが固まってしまった」のを確認しました。
当初バラし始めている段階で「どうしてガタつきを残したまま過去メンテナンス時の整備者は仕上げたのか???」との疑念が湧き上がり(笑)、それこそが「この個体に於けるごまかしの整備の本質」と捉えました・・実際に過去メンテナンス時に着色されていた「反射防止黒色塗料」を全て完全除去した後に、再び光学硝子レンズを (試しに) ちゃんと格納してみて鏡筒にセットしたのに、フィルター枠〜距離環までを硬締めして固定すると「それでも再び固まって動かなくなる」ので、確かに硬締めせずに「ガタつきを残したままで組み上げないと距離環が回らないのが判明」したワケです(汗)
・・それで発見できたワケですね(笑)
おそらくは元々製産時点に実装していた光学系にキズが多かったのかカビが酷かったのか詳細は「???」ですが、何某かの理由から「後期型から光学系前群を持ってきた」のだと思います(笑)
ところが光学系前群格納筒の微妙な外形寸法の相違とカタチの相違からニッチモサッチモ行かず(笑)、仕方なくガタつきを残したまま硬締めせずに組み上げたのだと思います(笑)
特に前述したとおり、東京光学製オールドレンズの多くのモデルで「前期型〜(過渡期)〜後期型」と言うのが、内部構成パーツの事実だったりするので、するとそれを良いことに「過去メンテナンス時のごまかしの整備材料として使われてしまう」が故に、双方の「前期型/後期型」で互いに内部構成パーツの転用が起きます(涙)
しかしリアルな現実には「過渡期に於いても転用していなかった部位も在る」のが真実で、その一つが光学系だったりします。従って今回の個体のように「光学系自体を転用してしまうとヘリコイド群が当初の位置でネジ込めなくなる」のは必然であり、想定内の話なのですが、それをヤラれてしまうから、こういう事に陥ります(泣)
まぁ〜、たいがい「ごまかしの整備」などはそう言う類の内容ばかりですが(笑)、そうは言っても現実に「制限壁の長さが違う/切削されている」のは間違いないので、今回のオーバーホール工程では「フィルター枠の干渉含めヘリコイドのネジ込み位置を変更した上で再び制限壁を切削して微調整して仕上げた」次第です。
従って切削処置を施していますし、距離環を固定するのにイモネジの下穴位置がズレるので (∞刻印位置と合わなくなるので) ドリル穴あけ処置も施しました。
現状、大変鋭いピント面に戻り、合わせてオーバーインフ量も減じられ、且つ当然ながらガタつきも解消し、まさしく製産時点に近い佇まいに戻っています (当たり前の話ですが)。
なお、ラバー製ローレット (滑り止め) が1箇所に割れが入っており、解体時に切れたので全周貼付けで固定しています・・この点ご納得頂けない場合はご請求額より減額下さいませ・・
申し訳ございません!(涙)
↑当レンズによる最短撮影距離16cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
↑最小絞り値「f22」での撮影です。もうほぼ絞り羽根が閉じきっているのに「回折現象」の影響を感じず、ご覧のような写り具合で本当に素晴らしい限りです!(涙)
今回のオーバーホール/修理ご依頼、誠にありがとう御座いました。明日MLレンズと共に4本まとめて梱包し発送申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。