◆ OLYMPUS (オリンパス光学工業) M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 50mm/f1.4《初期型》(OM)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わってしゅするもで出品するモデルは、国産の
オリンパス光学工業製標準レンズ・・・・、
M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 50mm/f1.4《初期型》(OM)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は当方がオーバーホール作業を始めた11年前からの累計で当時のオリンパス光学工業製標準レンズ「50mm/f1.4」の括りで捉えると累計で23本目にあたりますが、今回扱った個体は数多く今も市場流通する「前期型」の範疇で捉えると21本目になるものの、その中にあって「初期型」だけでカウントすると僅か2本目です。前回の扱いが2021年1月だったのでちょうど2年が経ってしまいました。

久しぶりにこのモデルを扱う (基本的に当方はOLYMPUS製のオールドレンズが大好きです) のと、ちょっと問題を抱えてしまった個体を手に入れたので、その改善に講じてオーバーホール作業を楽しく行い、スッカリ改善できたので勢い勇んでネット上のいろいろを調べてこのブログに載せようとしたら「・・・」大御所たるこちらのサイトでボロクソに貶められているのを発見してしまい・・スッカリ意気消沈(涙)

確かに当方が信用/信頼に値しないのは重々承知なのですが、さすがに本人にそのような意思がないのに「詐欺的商法に躊躇がない」などと罵られ、しまいには光学系の表現について「オールドレンズ・コレクターの自己満足的な呼び方」とご指摘頂き、誠に的を射ておりご尤も極まりない話と・・平伏して反省した次第です(涙)

実は以前そのサイトでZUIKO MC AUTO-S 50mm/f1.4《後期型−II》(OM)』の光学系構成に関する大変素晴らしい指摘を発見したので、せっかく貼り合わせレンズにバルサム切れが生じている個体を手に入れたのなら「剥がしてその構成図が本当である事を証明したい」と、少しでもそのサイトの「補強的な意味合いの解説をしたい」との心積もりで頑張ったことがありました。前述のモデル銘をクリック/タップすると別ページでその作業工程が見られます。

6群7枚の拡張ガウス型構成なのですが後群側の貼り合わせレンズ第4群が、それまでの「初期型前期型」では凹メニスカス+凸メニスカスの組み合わせで接着していたのに「後期型」では凹メニスカス+平凸レンズで接着する設計に変わっていたのをそのサイトの情報を見て知ったのです。

左の構成図はその時のオーバーホールに際し完全解体した際に当方の手でデジタルノギスを使い逐一各群の光学硝子レンズを計測したトレース図です。

前述の「大御所サイト」がどんなにありがたく感じた事か・・。たまたまその時に手に入れた個体にバルサム切れが生じていたので、さっそく剥がして確認し「述べられている解説と共に掲載の構成図が全くそのとおり正しい」のだと意気揚々と・・それこそまるでそれら内容 (解説と図) を補強するが如く・・とても嬉しかったのを覚えています (そのサイトの解説が正しいのは百も承知でしたが貼り合わせレンズを剥がした写真を載せられるのが嬉しかったのです)。

・・いつもそのサイトを参考にしていて頭が上がらないくらいに感謝しているからです(涙)

いつも読んでいるなら、どうしてもっと早く気づかなかったのかとまた侮られそうですが、実は掲載されている内容がなかなか読み続けられなくて (読み進められない点に於いてはこのブログと同じ) ちゃんと読んでいなかったのですね (反省しかありません)(涙)

↑ちなみに上の写真は前述の当方がアップしている「後期型」の解説ページで掲載している写真からの転載で、取り敢えずは先に「前期型」の同型モデルの光学系をバラした際に並べた写真です。

光学系第4群の貼り合わせレンズを剥がして並べているのでちゃんと6群7枚である事か分かります。右図も以前に扱った「前期型」のオーバーホールで、完全解体した際に当方の手でデジタルノギスを使い逐一各群の光学硝子レンズを計測したトレース図です (その時に並べて撮影したのが上の写真)。

ちゃんと手前左側から並べてある「光学系第4群を構成する光学硝子4枚目と5枚目」を並べていて、特に4枚目の凹メニスカスの前玉側方向の面が「緩やかに湾曲している」のがこの下手クソな写真を見ただけでも少しは伝わると思います。

↑上の写真も同様に前回の扱い時に撮影した写真からの転載です。やはり第4群の貼り合わせレンズにバルサム切れが生じていたので同じように剥がして「前期型の時と同じように並べよう」と再び撮影しました。

光学系の構成図も前に掲載した構成図と同じですが、同様オーバーホールに際し完全解体した際に当方の手でデジタルノギスを使い逐一各群の光学硝子レンズを計測したトレース図です。

すると手前型の左から光学系第4群を構成する光学硝子たる凹メニスカスの「後玉側方向にあたる面が全く以て平坦」なのがこの写真を見ただけでも分かると思います。しかもその厚みたるやまさに構成図そのものの厚みなのです。

もぉ〜この写真を撮影できて、しかもブログに載せられたのが本当に嬉しかったのを今でも覚えています(笑)

貼り合わせレンズを剥がして「ホレ、見た事か!」と自慢話にしたかったのではなくて・・前述の大御所サイト様の情報はマジッで正確で詳細を究めていて本当に素晴らしいのだ!・・と証明したかっただけ(涙)

と言う、何とも話題性が皆無な・・それこそ逆の意味で自己満足だけの話・・だったのだと、今になって大いに反省している始末で「言われない限り分からないヤツ!」と罵られても全く以て反論できません(涙)

大御所サイトの「解説の補強ができる!」と喜び勇んでいたのは・・きっと執筆者にはウザく感じられて・・むしろ恩を仇で返したしまったような話であって、本当に (今さら) 反省している次第です。

・・本当に申し訳御座いませんでした。

先ずこのページを大御所サイトのご執筆者様が見る事はあり得ませんが、それでもお詫びの想いを述べない限り気が収まりません・・関係がなくてタダ読んでいるだけの皆様にまで無駄な時間を費やさせてしまい、合わせてお詫び申し上げます。。

前述した「当方の光学系構成の表現が間違っていた」との話は、実は単に「前群側が3枚に分割していたらウルトロン型」と捉えていただけで、大御所サイト様が指摘される・・アルプレヒト=ヴィルヘルム・トロニエ(Albrecht-Wilhelm Tronnier)の5群6枚のレンズ名を与えて「ウルトロン型」などとする呼び方・・のつもりは決してなかったのですが、結果的にそのように受け取られ指摘されるのは、まさにご尤もな話でこの点も今回大いに反省しました。本日より今後は「拡張ガウス型」との表現に訂正し使います。

・・重ねてお詫びします。皆様にもお詫びします!申し訳御座いません。

既にこのブログに載せまくってしまった「当該指摘の表現」はあまりにも数が多いので、少しずつ訂正していきたいと思っていますので、大変申し訳御座いませんが今暫くの時間的猶予をお与え下さいませ・・時間がかかろうとも必ず全て訂正させて頂きます。

さらに今回の「初期型」ですが、ここまで解説してきた光学系構成図の話は別に解説するとして、実は大御所サイト様でとてもキツくご指摘があったのは「M-SYSTEMの希少性をまるで煽っているが、実際は希少性は決して高くない」という点です。これは当方が以前アップしたページで一眼レフ (フィルム) カメラたる「M-SYSTEMのM-1は5,000台しか生産されなかった」と載せたのが相当勘に触ってしまったようで、まるで激怒状態です(怖)

あたかも希少性が高いが如く煽りまくって落札されるように仕向けている」とのご指摘で当方の名称「出品者のひとりごと」と共にリンクまで張られてしまい、相当逆鱗に触れてしまいました(涙)

そんなつもりは一切なくて、実は参考にしたのは「wikiのページ」で「ライツからのクレームと改名」の箇所だったのです。

もっと言うならいつもこのプロで述べていますが「当方はカメラ音痴」なのでフィルムカメラの事は詳しく分かりませんが、少なくとも当方には「レンズ銘板刻印のM-SYSTEMが珍しく見えた/感じられた」から希少性が少しは高いのかなとの印象だっただけです。

それを謳って希少価値を高めて落札を促していたという心積もりは一切無くて、どちらかと言うと「オーバーホールして使いやすく仕上げられたから即決価格はお高いです」と言うのが当方のいつものスタンスなので、ここのページで/ブログで解説しているのは「単にオークション/ヤフオク! の中で落札するだけよりも、解説のブログがあるとさらにプラスして楽しめる」との思いから、オーバーホール工程の解説を載せ、合わせてそのモデルの時代背景や実写サイトのピックアップ、或いはネット上の解説をまとめているだけです。

・・決して詐欺のつもりでこのブログを載せている気持ちは微塵もありません(涙)

このブログに掲載されている内容/解説に誤りがあればいつでもご指摘下さいませ。すぐに訂正させて頂きます。

またこのブログの冒頭「サイト概要」でも述べているとおり、ヤフオク! に出品している商品の「入札/落札を左右させるものではない」との認識なので、当方には詐欺を働く心積もりは一切ありません。

もちろんヤフオク! 出品ページも「何か不都合があれば返品キャンセル可能」として出品時点で設定していますし (ヤフオク! の出品ページ表示設定) 出品ページ掲載文の中でもそのように謳っているつもりです。

・・丁寧な解説や説明を怠っており大変申し訳御座いません(涙)

一応念の為に「返品要請の期間を商品到着後3日以内」としていますが、今までに扱った個体の中で「返品/キャンセル/返金」はもとより、不都合やご不満、或いはご不快があった場合は全てのあらゆる要求を受け入れて即座に対処しています。ご返金する金額も当初お支払い頂いた送料のみならず、お支払い時の振込手数料などがあればその分も加算してお支払いしています。その振込手数料も今までに「540円」と一番高い金額を連絡してきても、ちゃんと加算して全額返金しました (もちろん返送品は送料着払い)。

・・出品スタンスは気に入らなければご落札者様に1円たりとも一切の損をさせない。

そのような覚悟で臨んでいるので、今までにご落札者様に損をさせた実例は一つもないつもりです。3日どころか1カ月後、或いは半年後でも今までに返品/キャンセル/返金してきたので、何かあればご連絡頂ければ必ずや「ご納得頂けるまで対処致します」というのが今も変わらないたった一つのスタンスです (過去の出品商品の不具合もいまだに無償で修理しています)。そのようなスタンスで臨んでいたとしても「実のところ不満があって返品要求してきたのだから信用/信頼に値しないのは間違いない」のは不変ではないでしょうか・・そのように今も時に触れて反省し続けている次第です (だいたい年が明けると必ず毎年振り返っているので最低でも年に一度は十分に反省している)(涙)

・・決して詐欺紛いとか詐欺的商法のつもりはありません(涙)

もちろん承っているオーバーホール/修理のご依頼も、手元に戻ってきて気に入らなければ「無償扱い」とご請求金額を蹴って一切払わなくても当方は何一つ文句を言っていません (今までに言った事が無い)。

・・それでも実名称を載せて詐欺呼ばわりなのが、本当に胃が痛いです(涙)
・・世知辛い世の中です(涙)

と、全く関係が無い皆様にまでダラダラと付き合わせてしまい申し訳御座いません。今ご覧頂いている皆様も是非とも何かご指摘事項が御座いましたら以下までお知らせ下さいませ。

ご指摘事項は・・・・
   出品者のひとりごと・・・・pakira3kara@pakira3.sakura.ne.jp
までお知らせ下さいませ。

・・即座に改善致します。お手数おかけする事になり本当に申し訳御座いません。

貼り合わせレンズ
2枚〜複数枚の光学硝子レンズを接着剤 (バルサム剤) を使って貼り合わせて一つにしたレンズ群を指す

バルサム切れ
貼り合わせレンズの接着剤/バルサムが経年劣化で剥離し始めて白濁化し薄いクモリ、或いは反射が生じている状態

ニュートンリング/ニュートン環
貼り合わせレンズの接着剤/バルサム剤が完全剥離して浮いてしまい虹色に同心円が視認できる状態

フリンジ
光学系の格納が適切でない場合に光軸ズレを招き同じ位置で放射状ではない色ズレ (ブルーパープルなど) が現れてエッジに纏わり付く

コーティングハガレ
蒸着コーティング層が剥がれた場合光に翳して見る角度によりキズ状に見えるが光学系内を透過して確かめると物理的な光学硝子面のキズではない為に視認できない

フレア
光源からの強い入射光が光学系内に直接透過し画の一部分がボヤけて透けているような結像に至る事を指す

フレア
光源からの強い入射光が光学系内で反射し乱反射に至り画の一部や画全体のコントラストが 全体的に低下し「霧の中での撮影」のように一枚ベールがかったような写り方を指す

  ●               

気を取り直して今回の個体について解説していきます (と言っても直っていませんが)(笑) 当方とのお付き合いがある方はご存知ですが、こう言う事があるとアッと言う間に落ち込んでしまうタチで、しかも相当長引くのを知っている方が居ます(笑)

当方の心がどんなに折れてしまっても「オールドレンズの個体に罪は無い」のが当方の主張なので、ここは心を奮い立たせて解説を進めます。

wikiのページ」ではその希少性について具体的に解説していますが、1972年7月に発売された2カ月後の9月に1950年から2年に一度9月にドイツはケルンメッセで開かれる「フォトキナ」にてライツからフィルムカメラ「M-1」とシステム名「M-SYSTEM」に関するクレームが入り、最終的に「OM-1」そして「OM-SYSTEM」へと変遷した流れはお話しても良いと思います。

その際に何台流通したとかの具体的な数値を上げると「詐欺だ!デマだ!」と指摘されるのでそれは伏せておくものの(怖)、当方が「純粋に珍しいから手に入れてみたい」と感じたのは単純で「レンズ銘板の刻印がM-SYSTEMになっている」だけの話です(笑)

実際に製産されたフィルムカメラの台数を調べる術も無く(そもそも調べる気概が無い)、プラスして「製造番号のシリアル値に信用を置いていない」ので「100000」だろうが「114xxx」だろうが当方はシリアル値として捉えていません。それは実際に製造番号の先頭1桁〜数桁を専用符番として割り当てているオールドレンズがあったりするので (例えば東京光学のRE, Auto-Topcor 5.8cm/f1.4は”112″が先頭に必ず附随する) 何処から何処までがシリアル値の範疇に含まれるのかの確たる証拠/書類を見ない限り信用していません。

それは旧東ドイツのCarl Zeiss Jena製オールドレンズのモデルでTessarやFlektogon/Biotarなどなど、当時の数多くのシルバー鏡胴個体を扱ってきて「内部構造と設計が違うのに鏡筒からの光学系は同じ」或いは「内部構造を変更する理由の根拠を有さない」点について、その付番されている製造番号と共に内部構造の変遷を辿ると・・当方には以前取材させて頂いた金属加工会社社長さんの説明のほうが圧倒的な説得力を持っています。

・・どうして自社工場設備に無い切削を執る必要があるのか?

確かに外注に出していたとかの指摘はありましたが、するとそのメッキ加工まで異なる (色が違う) のも説明が着くものの、ではどうして敢えてワザワザ「設計変更したのか?」の説明が成り立ちません (取材した会社の社長さんがそのように話される)。どうしてお金を掛けてまでそこの構造を変更する必要があったのかは、専門のプロが見れば「別の会社だから設計が違うだけの話」とアッサリ結論付けされました。

つまり製造番号の中で突然現れる「内部構造の違い」は製産工場の違いであって、それは機械設備の違いを現す「証拠」とも仰り、且つ「鏡筒が同じならJenaが供給すれば良いだけで、他はその会社の設備に見合う設計を採れば良いだけの話」・・こんな具体的で説得力ある説明はありませんでした(驚)

すると当時Carl Zeiss Jenaが次々と国内の強豪光学メーカーを傘下に組み入れて増産体制を整えていたとの話にも具体性が表れ、まるでMeyer-Optik Görlitzの調査で知った戦後の経緯も納得できました。直属の配下に据えたPENTACONの一眼レフ (フィルム) カメラにセットするオプション交換レンズ群が必要だった経緯からも、Carl Zeiss Jenaの本体工場のみならず他の工場に作らせていたのは「PENTACON auto 50mm/f1.8」と「Pancolar 50mm/f1.8」の変遷を調べた時にいろいろ知り得ました。

社長が指摘されたのは・・Pancolarの構造があるのに傘下に据えたPENTACONで簡素化した設計を採ったのなら、その後のPancolarがどうして簡素化されないのか?・・との質問に答えられません。何方か答えられますか?

PENTACONの「直進キーはたったの一つ」なのにPancolarは後の黒色鏡胴モデルに至るまで「2つを使う設計」を継承し続けました。いくら傘下に組み入れようとも製産工場が違うのだから設計が違うのは自明の理。だとすればシルバー鏡胴モデルのBiotarに複数の内部構造が顕在するのは「複数の製産工場があった証拠」であり、決して外注で片付けられる話ではないとの説明でした。

それは至極納得できます。パーツだけでの外注なら理解できますが、例えば「制御方法まで変更してしまうほどの設計の相違」はいくら外注だからと言っても理に適いません (お金を掛けすぎるから)。従って製産工場が異なるから制御方法も異なり、詰まるところ設計が違うのも至極当然な成り行きになります。

その結果出荷される製産個体が「その付番される製造番号の違い」にも現れ、内部構造の相違が製造番号の前後で数多く頻出するとなれば、まるで製産ラインを取っ替え引っ替え毎週のように総入れ替えしていたような話になり、そんな製産工程の手段を例え1960年代〜1970年代の旧東ドイツだとしても執る理由がない・・と言うのが金属加工会社の立場から見た考えらしいです。

そのお話から編み出されたのが「製造番号の製産工場別事前割当制」であり、或いは先頭数桁に意味を持たせる「暗号符番制」でもあります。実際シルバー鏡胴のTessarで「刻印と刻印に内部構造の変化を関連付け」させた時に、製造番号の前後で相当な数の違いが並んでくるのを目の当たりにして説明が着かなかったのを思い出します(笑) 「刻印だけは先頭36xxxxxに集約」されるものの、その他の「刻印はまるでバラバラ」で内部構造が違うのです (全部で3種類に集約)。するとその3種類のメッキ加工の色合いが異なる事に気付き、今度はどうしてメッキ加工の相違に集約されていくのかが「???」だったのが、社長のお話で目から鱗でした(涙)

例えば同じ鏡胴サイズでパッと見で同一モデルなのに「どうしてブル〜のメッキ加工の個体だけには鏡胴の途中に締付ネジが必ず備わるのか?」或いは「オリープ色のメッキ加工の個体は何故絞り環のネジ山位置が違うのか?」ネジ山の位置が異なるのに (ネジ山の位置が違うから他の個体からの転用が適わない) 外側の外装たる絞り環は同じ位置にちゃんと納まっているのです (外からの見た目で内部の構造の違いを指摘できない)・・説明ができませんでした(笑)

・・社長の答えはたった一言「造ってる会社違うでしょ?!」(笑)

製産工程の中で最終的な絞り環の位置が同じなのにワザワザネジ山の位置を変更した工程を入れる事自体に必要性がありません。何故ならその都度製産ラインの周りに異なるパーツカゴを持ってこなければ工程が進まないからです。或いは流れ作業の中で「こっちはこの絞り環であっちはコッチの絞り環」のように複数の絞り環を扱っていたのなら、その外見が同一なので「パーツカゴの置いた位置で判断するしか手がない」ワケで、その判断の基は「絞り環用ネジ山の位置の違い」です(笑)

そんな違いが内部のあちらこちらに散在するなら、それほど効率の悪い製産工程はありません。とすれば週休一日で目一杯働いて月産1万台以上を仕上げるなら毎日400〜500本の作業として「メッキ加工の色合いを変更して目安にする」のは一つの解決案だとしても、それに合わせて「どうして設計まで変更する必要がある???」と言う話です(笑)

逆に指摘されたのは「吸収合併していった光学メーカーの工場はどうしたの???」・・でした(笑) それこそがまるでそのまま合致してしまったワケですが、Meyer-Optik Görlitz製「Oreston 50mm/f1.8」と当時の「PENTACON auto 50mm/f1.8」で「絞り羽根の回転方向が違う」のに1969年の途中から「Orestonの名称がPENTACONに変わったのに絞り羽根は逆のまま」と言う奇妙な個体が混在してしまったのです(笑) 製造番号の並びが近似している/ほぼ繋がっているのに絞り羽根のカタチも回転方向も違うのです(笑) この説明ができません。

つまり製造番号にいったいどの程度の重きを置けば良いのかは、結局そのオールドレンズによってマチマチなのだと思い知った次第です。

  ●               

今回扱う個体はレンズ銘板に「M-SYSTEM」刻印を伴う「初期型」です。「初期型」としているのはあくまでも当方が判定を下したモデルバリエーション上の話なのでネット上での数多くの解説とはまた違います。

基本的に当方などが述べている解説の信憑性は極端に低いのだと受け取って頂ければ良いのだと思います (要は信憑性の面から全く相手にしない)。それでも勘に障るなら是非ともご指摘のメールを送信下さいませ。即座に改善させて頂きますので・・申し訳御座いません。

《モデルバリエーション》
オレンジ色文字部分は最初に変更になった要素を示しています。

初期型:1972年2月発売
レンズ銘板:M-SYSTEM G.ZUIKO
マウント部固定ネジ:マイナスネジ
銀枠飾り環:有り (フィルター枠/絞り環)
コーティング:モノコーティング

前期型:1973年5月発売 (改名)
レンズ銘板:OM-SYSTEM G.ZUIKO
マウント部固定ネジ:プラスネジ
銀枠飾り環:有り (フィルター枠/絞り環)
コーティング:モノコーティング

後期型−I:?年発売
レンズ銘板:OM-SYSTEM G.ZUIKO
マウント部固定ネジ:プラスネジ
銀枠飾り環:無し
コーティング:モノコーティング / マルチコーティング

後期型−II:1983年発売
レンズ銘板:OM-SYSTEM ZUIKO MC
マウント部固定ネジ:プラスネジ
銀枠飾り環:無し
コーティング:マルチコーティング

後期型−Ⅲ:?年発売
レンズ銘板:OM-SYSTEM ZUIKO
マウント部固定ネジ:プラスネジ
銀枠飾り環:無し
コーティング:マルチコーティング

・・こんな感じです。

レンズ銘板のモデル銘で「G.ZUIKO」の部分は「後期型−I」のタイミングでも先に「G.」を 省いて単なる「ZUIKO」に変わっている個体が一部に存在するようです。つまりモデル銘の「ZUIKO」に附随して「G.」を伴ったり、或いは「MC」刻印が附加されたり (マルチコー
ティング化
) 逆に省いたりと年数を経るごとに変わっています。

ちなみに製造番号は発売当初の1972年時点で「10xxxx」から符番スタートしているよう
ですね。

また、上のモデルバリエーションで一番最後の「後期型−Ⅲ」に関し同じ年度での登場ですが、マウント面に用意されている絞り値伝達 アームの「」が消失して、代わりに「大きな爪2個」を装備した仕様変更モデルが存在しているようです (極少数生産)。

光学系に関しては6群7枚の拡張ガウス型構成ですが、右の構成図は当方がオーバーホールで完全解体して計測したトレース図ではなく「独立行政法人工業所有権情報・研修館」の情報開示検索ページ「特許情報プラットフォーム」にて検索した「特許開示昭和49-005620」の掲載図面よりトレースしました。

今回扱ったレンズ銘板に「M-SYSTEM」刻印が刻まれているタイプの光学系構成図に近いとみています。

そしてこちらの右構成図が今回のオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての群の光学硝子レンズを計測したトレース図です。

今回の個体は特に光学系の貼り合わせレンズに問題がなかったので接着している2枚の光学硝子レンズを剥がして確認していません。

 色に着色している光学系第1群の前玉だけが光学硝子材に「酸化トリウム」を含有させた俗に言う「アトムレンズ (放射線レンズ)」であり、実際にこの第1群 (前玉) 直上で計測すると「4.95μ㏜/h」の値をはじき出し、念の為に以降の群も全て計測していくと「第2群0.24μ㏜/h第3群0.2μ㏜/h第4群0.25μ㏜/h第5群0.21μ㏜/h第6群 (後玉):0.22μ㏜/h」と言う計測結果でした (各群の直上にて凡そ10分間当方の手で計測した平均値)。

↑上の写真は今回の個体から取り出した第1群前玉です。経年で「赤褐色化」していますが、旧東ドイツ製オールドレンズなどのアトムレンズ (放射線レンズ) に比べると色付き方が薄い印象です。当方が下手クソなので写真を上手く撮れていませんが「ほぼ全面に渡り満遍なく赤褐色に色付いている」状態であり、中心部の色付きが僅かに少ないように見えますがそのように写ってしまっただけです(恥)

↑一方こちらは同じ第1群前玉ですが既にUV光の照射で経年の変質たる「ブラウニング現象」の赤褐色化を半減程度まで低減させています。上の写真を見るとやはり下手クソなので「ほぼ無色透明」に見えますが、現物はまだまだ色付いています (ウソを着いて無色透明にして出品する目的ではないので決して詐欺行為ではありません)・・ちゃんと現物にUV光照射してその後で撮っていますし、現物が僅かに色付きしている点もちゃんと述べています。

なお今回完全解体して実際に光学系の各群を計測したところ、第1群前玉の曲率がピタリと特許時の構成図に一致していました。しかしその次の第2群から少しずつ曲率が変化しつつも厚みなどは全くピタリでむしろオドロキでした!(驚) さらに後群側にいくと外径サイズが違っているものの再び「曲率がピタリ!」なのにまたもやオドロキです!(驚) 最終的に後玉のサイズも曲率も同一なのが判明し、おそらくは量産型で光学硝子材の精製時の成分が変化した分光学設計をイジっているのかも知れませんが、また余計な事を言うと大御所様の逆輪に触れるので口を閉じます(怖)

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。基本的にこの当時のOLYMPUS製オールドレンズの多くのモデルは「マウント部の側面に基準「」マーカーの刻印がある指標値」になっていてとても薄いです。そしてすぐに距離環が備わり、その距離環を回すとズズ〜ッと繰り出しが始まり、さらに「絞り環は前玉直下の位置」と言うまるで1950年代のオールドレンズを継承したかのような配置です。他社光学メーカー品の多くがこの当時既にマウント部側 (距離環直下/指標値環直下) に配置している中で前玉側と言う配置は却って希少になりました(笑)

しかし見た目の外観はそのような話でも内部構造面から言うと「前玉側に絞り環を配置したせいで余計な問題が起きている」のが正直な印象です。

つまり「設定絞り値をマウント部まで伝達する経路が長くなってしまった」のがそもそも前玉側に絞り環が位置してしまった最大のネックです。それこそ1950年代辺りの「手動絞り/実絞り」方式ならマウント面まで設定絞り値を伝達する必要がなかったので構造が簡単でした。

逆に言うと「この当時のOLYMPUS製オールドレンズの多くのモデルで設定絞り値をマウント部まで伝達する様々な工夫が成されていた」点をシッカリと整備者が認知して、且つそれを見越した整備を行わない限り適切な仕上がりに辿り着かない。

・・これがこの当時のOLYMPUS製オールドレンズを整備する上での最大のポイントです。

今回扱った個体は距離環を回すトルク感に明確な「白色系グリースの使用感」が感じられ (ツルツルした無機的な印象の操作感) と合わせて「絞り環操作に違和感 (抵抗) を感じる」のが改善できるかどうかの対象でした。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒ですが、外廻りに「ヘリコイド (オス側) ネジ山が切削されている」設計です。一般的にこの当時の数多くのオールドレンズで「鏡筒内には光学系前後群が格納されるので経年の揮発油成分を嫌う」設計概念が常で、多くのモデルで「マットで微細な凹凸を伴う梨地仕上げのメッキ加工」が普通です。

ところがOLYMPUS製オールドレンズは全く別で上の写真のとおり赤色矢印で指し示した箇所の「鏡筒内部は底面も側面も全てが平滑仕上げ」であり1箇所たりとも「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」が存在しません。

・・つまり何処も彼処もツルツルしているのです。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

↑上の写真はこの当時のOLYMPUS製オールドレンズなら付モノの「絞りユニットを兼ねる制御系機構部」で、これらの構成パーツが全て前述の鏡筒内部にセットされます。

制御環
ベース環
連係キー (絞り環用)
伝達アーム (マウント用)
カム (連係アーム含む)
開閉環 (連係アーム含む)
開閉レバー (アーム状)

・・と当方での呼び名を集めるとこんな感じです。これらの構成パーツの中で「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」はだけで、その他のパーツ特にシルバーの金属製パーツは「平滑仕上げのメッキ加工」が施されています。

つまり「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」のパーツは経年による揮発油成分の附着を相当嫌う意味から、敢えてコストを掛けて/工程を経てそのような仕上げにしています。

特にOLYMPUS製オールドレンズではこの「揮発油成分を嫌うパーツの存在理由」をちゃんと認知した上で適切な組み上げができる技術スキルを有さないと素晴らしい仕上げに到達しません(笑)

↑今回の個体で1つだけ他の同型モデルをバラした時とは全く違う所為が施されたパーツがありました。上の写真は「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」が施された「開閉レバーのアーム状パーツ」ですが、ブルーの矢印で指し示した箇所だけが「ヤスリ掛けされて削られている」のが分かります。本来製産時点ではこのような研磨が施されておらずこのパーツは表裏全てが同じメッキ加工で「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」です。

・・過去メンテナンス時に何かが当たるので研磨して削った可能性が高い。

↑絞りユニットも兼ねるベース環に「開閉環」を組み付けました。「開閉環」は敢えて非磁性の黄銅材締付ネジ3個を使い組み付けられますが、ここに8枚の絞り羽根がセットされるので「磁性タイプの締付ネジだと影響が出るから」とも言えます。

すると上の写真で下手クソなので上手く撮れていませんが(笑)「開閉環」が「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」なのに対し「ベース環側はむしろ真逆で平滑性を高めるツルツルのメッキ加工が施されている」のがパーツを手にするとすぐに分かります。「開閉環」に絞り羽根のキーが刺さる溝が備わるのに対し「ベース環側は位置決めキーが突出している」ワケで、しかもよ〜く観察するとその飛び出ている位置決めキーまでが「ツルツルに平滑処理のメッキ加工」で仕上げられています。

↑一つ前の写真は実はベース環の裏側を撮っており「後玉側方向」にありますが、上の写真はひっくり返して前玉側方向から撮りました。

既に裏側には8枚の絞り羽根が組み付けられており、合わせてこの表面に各種制御系パーツをセットしています。「開閉環」には1箇所にスプリングがセットされます (グリーンの矢印)。このスプリングのチカラが及ぶので「常に絞り羽根は開こうとする」状態にセットされます。

合わせて「ベース環」の一部 (上の写真手前右下) に「コの字型の爪」が備わり「開閉環の駆動範囲を限定している」のが分かります。実際ブルーの矢印❶の範囲内しか開閉環は動かないので、必然的に「絞り羽根の開閉幅微調整機能を備えていないと絞り羽根の閉じすぎや開きすぎを調整できない」話になります。

そして開閉環が動いた時ブルーの矢印❷のようにスプリング (グリーンの矢印) も同時に伸び縮みします。するとそのスプリングのチカラの分だけ絞り羽根の開閉動作に抵抗/負荷/摩擦が増える話に行き当たります。

・・それらのチカラをいったい何処に逃がしているのか? バランスさせているのか?

さらに厄介なのが上の写真右下にブルーの矢印で指し示した「捻りバネ」の存在が大きいです。前述の「開閉環が動く」のとは全く別に独立して「開閉レバーがブルーの矢印❸の距離で移動する」その時に捻りバネのチカラが及んでいるので常に開閉レバーは赤色矢印の位置に居ようとします。

結局この当時のOLYMPUS製オールドレンズの整備には必ずこのような絞りユニット内部に一緒に附随する「制御系の機構部」と「それに介在するスプリングと捻りバネ」のチカラが大きく関わるので、その微調整機能の存在や調整方法を知っていないと適切なオールドレンズの操作性に仕上がりません。

↑同じベース環の今度は裏側で後玉側方向から見た時の写真です。既に8枚の絞り羽根がセットされていて「位置決めキーの出っ張りに絞り羽根が刺さっているのが見えている」のが右下に写っています。相応な長さを持つ「開閉レバー」が突出していてブルーの矢印❸の移動範囲で動きますが、前述したように捻りバネのチカラが強いので指で動かしても話すと勢い良く戻ります。

↑今度は完成したベース環 (絞りユニットの事ですが) を鏡筒最深部にセットした状態を撮影しました。おそらく過去メンテナンス時の整備者はこれらベース環に組み付ける制御系パーツの締め付け固定をミスッたのだと思います。その結果冒頭でお話した「開閉レバーのフチが何かに当たってしまい削らざるを得なかった」としか考えようがありません・・何故なら普通開閉レバーは何処にも接触しないからです。従って当然ながら冒頭のような削りを入れる必要性も120%の勢いで一切ありません(笑)

さて、ここで初めて/ようやく必要とする「2本の捻りバネ」が組み付けられました (ブルーの矢印❶)。の捻りバネによって開閉レバーにチカラが及び、開閉レバーが移動 (ブルーの矢印❸) しても必ず赤色矢印の位置に戻る設定なのが分かります。

その一方で今回新たにセットされたブルーの矢印❷の捻りバネによりアームが赤色矢印❹の範囲で動く事が分かりますが、実はアームが赤色矢印❹の範囲で動いても、或いはその一方でその動きに連動して開閉レバーがブルーの矢印❸の範囲内で動いても「必ずしも絞り羽根が閉じるとは限らない」点がポイントになります。

・・それをムリに動かそうと調整すると徐々におかしな話に追い詰められます(笑)

オレンジ色矢印のようなチカラが及ぶのに絞り羽根は相変わらず顔を出しません。ところが開閉レバーがオレンジ色矢印とは反対方向に動くと急に絞り羽根が顔を出して閉じ始めますが、その途中でまた開いてしまい完全開放に戻ります。

↑鏡筒 (赤色矢印) を立てて撮影したところですが、写真上方向が前玉側方向になります。鏡筒の外側には上から下まで長い距離のヘリコイド (オス側) ネジ山が用意されています。その途中に「直進キーガイド」と言う溝が備わり、そこを「直進キー」と言う板状パーツが行ったり来たりして鏡筒の繰り出し/収納が実現します。

さてこの鏡筒でもう一つポイントになる話があります。おそらくとても多くの整備者が全く気にしていない事実ですが、一番最初にも解説したとおり「鏡筒の内壁はツルツルの平滑仕上げ」に処置されています (オレンジ色矢印)。それにもかかわらず多くの場合で過去メンテナンス時にこの内壁部分にグリースを塗られてしまいます。

・・どうして油染みを嫌う絞りユニットの附近にグリースを塗るのか???

と言うお話です(笑)

↑上の写真は「制御環 (赤色文字)」と言う環/リング/輪っかですが鏡筒内部に入るパーツです。よ〜く観察すると内側部分には「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」が施されていて経年の揮発油成分を嫌っているのがこれを見ただけで分かります。

さらにその途中に「なだらかなカーブ」が用意されていて (グリーンの矢印の範囲) その麓側が「開放側」坂を登った頂上が「最小絞り値側」になります。また「制御環のフチはシルバーに磨かれていて平滑性がある」のをオレンジ色矢印で指し示しています。

実は今回の個体は一番最初に完全解体した時、この制御環を見て「オレンジ色矢印の箇所が過去メンテナンス時にヤスリ掛けされていて研磨してある」とすぐに分かりました。

確かに「平滑処理」してあるのでシルバーにツルツルしているのが正しいのですが、いちいちヤスリ掛けすることはありません。それで「???」と思ったのですが、後に組み上がってからそのせいで不具合が発生します。

↑制御環をひっくり返して今度は裏側を撮影しました。オレンジ色矢印で指し示したように裏側の底面部分はツルツルの平滑処理が施されています (メッキ加工)。その一方でブルーの矢印で指し示した側面側は「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」のメッキ加工で表側と同じ状態です (ツルツルしてない)。なだらかなカーブも写っていますね (グリーンの矢印)。

↑制御環に必要となる「連係キー」と「伝達アーム」をそれぞれ黄銅製の締付ネジで締め付け固定してセットしたところです。ご覧のようにキレイに鏡筒内部に組み込まれるのですがベース環の直上に入っているようなイメージです。

するとグリーンの矢印で指し示したスプリングが見えていますしブルーの矢印の捻りバネ (2本) も入っています。

この鏡筒内部 (絞りユニット) で一番重要なのは「カムがなだらかなカーブのどの位置に突き当たるのかで開閉レバーの動いた時に絞り羽根の閉じ具合が決まる」のをオレンジ色矢印で指し示しているのです。

↑同じ角度でワザと鏡筒裏側の開閉レバーを動かして (綿棒を差し込んで止めて) 撮影用に強制的に絞り羽根を閉じさせて最小絞り値にしたところです(笑) すると赤色矢印で指し示したカムから伸びているアームと開閉レバーの互いの位置が「もう一つ前の絞り羽根が完全開放している時の写真」から動いて変わっているのが明白です。

おそらく過去メンテナンス時にはこの何処かで開閉アームが接触してしまい絞り羽根が閉じるのをやめてしまう不具合が発生していたので「削って接触を避けた」のだと推察します。グリーンの矢印で指し示すようにスプリングのチカラで絞り羽根は常に開こうとするチカラが及ぶので、開閉レバーが動かない限り絞り羽根は閉じません。

つまりスプリングのチカラよりも開閉レバーが動くチカラのほうが強くないと、このように絞り羽根が閉じてくれない原理をご理解頂けるでしょうか?(笑) もしもこの時に開閉レバーが何かに接触して移動量が減じられたら「絞り羽根が設定絞り値まで閉じない」現象が起きるのも何となくご理解頂けるのではないでしょうか。

↑こんな感じでカムに附随する金属棒が「なだらかなカーブ」に突き当たって、その位置に従い絞り羽根の開閉が決まっています (オレンジ色矢印)。ポイントは「カムの位置で絞り羽根の閉じる角度が決まっても開閉レバーが動かない限り一切絞り羽根は閉じない」のがこの当時の多くのOLYMPUS製オールドレンズ達の絞りユニット/制御機構部の最大原則であり「原理原則」なのです。

・・これを理解していないとOLYMPUS製オールドレンズの整備はできません(笑)

↑この状態のままひっくり返して裏側を撮影しました。「開閉レバー」が右下に移っていて「伝達アーム」も左横に見えていて (赤色矢印)、それぞれがブルーの矢印のように動きます。写真で見えているプラスネジ (3本あります) は絞りユニット/機構部/ベース環を締め付け固定しているネジです。

↑距離環や真マウントアダプタ飛ぶが組み付けられる基台です。赤色矢印で指し示したように側面がやはりピッカピカでツルツルに平滑処置されています (製産時点で既にそういう加工が施されている)。ちゃんと分かる写真に撮れていなくてスミマセン・・(汗)

↑こちら距離環ですがひっくり返して裏側を写しています。同様赤色矢印で指し示した箇所 (裏側) は全面がツルツルの平滑処理です。その一方でブルーの矢印で指し示したように、外側の距離指標値の刻印やラバー製ローレット (滑り止め) がセットされる場所は「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」が施されていてツルツルではありません。

つまり距離環の内側も基台の表面側も互いにツルツルの平滑処理が施されていて「製産時点は互いに接触しないものの万一経年で/落下などで互いが接触した際可能な限り滑らかに動くよう予め配慮されている」設計なのです。

何故なら、上の写真で見えている丸い穴は「イモネジがネジ込まれるネジ穴」であり距離環の凡そ中腹に用意されているからです (全周に4箇所ある)。イモネジで締め付けられた後の距離環の半分の幅が基台側に被さるのですが「接触していないのにツルツルに処理されている」ワケで、もしもこれを仮に「経年の揮発油成分を嫌う」ならツルツルの平滑処理ではなくマットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げにしていたハズだからです。

ツルツルに平滑処理が施してあるのに互いが接触しないなら (そもそも接触して回転するほどの平滑処理でもないし) 落下したりして接触した場合の配慮としか考えられません。

逆に言えばそれほど距離環がマウント部直前に位置していて、マウント部の指標値があまりにも薄い厚みなので、落下にまで配慮した設計を執っているのだと推察します。

↑今度はヘリコイド (メス側) を写していますが、グリーンの矢印で指し示しているように同様に平滑処理が施されています。この部分もやはり距離環とは接触しませんが、接触しないのにツルツルなのです (接触するのはその下の出っ張り部分)。

↑距離環と接触する箇所を拡大撮影しました。

0.6mm程の突出が全周に渡り用意されていてその真下にギザギザな部分があります (赤色矢印)。この場所に距離環からネジ込まれたイモネジが締め付けられるのです。

イモネジ
ネジ頭が存在せずネジ部にいきなりマイスの切り込みが入っているネジ種でネジ先端が尖っているタイプと平坦なタイプの2種類が存在

するとその突出の上部分のツルツルしたところには距離環が接触しないことになります。そうする事で距離環を回す指のチカラを可能な限りそのままヘリコイドに伝えて鏡筒を持ち上げ繰り出していく「軽い操作性」にしていく設計の上手さがあり、その応用がまさに当時のOLYMPUS製「F2シリーズ」の銘玉群とも言えます。特に焦点距離90mmの中望遠マクロレンズなどは、絞り環から降りてくる連係アームが全部で3本も存在するので、それら3本の抵抗/負荷/摩擦を受けながらもシッカリ滑らかで軽い操作性の繰り出し/収納を実現させてしまった設計概念は、何回バラしていても本当に感嘆しかなく毎回溜息が出ます(涙)

この当時のOLYMPUS製オールドレンズにはそう言う設計の素晴らしさ共に、それは「小さく造る」ことに対する飽くなき追求心からも素晴らしさを感じられ、本当に所有していて満足でき使って感銘を受ける素晴らしいモデルばかりだと思います。

↑ヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。この位置から撮影するとヘリコイド (メス側) の僅かな突出の感じがよ〜く掴めるでしょうか。

↑ヘリコイド (オス側) たる鏡筒をやはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルは全部で10箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

鏡筒の側面から絞り環と連結する「連係キー」が飛び出ているのが分かります。この連係キーは鏡筒内部の「制御環」に締付ネジで固定されていて、且つ解説した「なだらかなカーブ」のすぐ上に位置しています。

↑この状態でひっくり返して裏側を撮影しました。ちゃんと制御環から伸びている「伝達アーム」が写っており、合わせて「開閉レバー」も手前に出てきています (赤色矢印)。

さてここでのポイントは両サイドに締付ネジで締め付け固定されている「直進キー」ですが、その締付ネジをよ〜く観察するとブルーの矢印のほうは「丸頭ネジ」に対してグリーンの矢印のほうは「皿頭ネジ」とネジ頭のカタチが違います。

これを単にネジ頭が違うだけの話で片付けてしまっている整備者が非常に多く・・それで本当にプロなのと思ってしまいます(笑) ちゃんと意味があって違うネジ頭のネジを設計時点で用意してあるワケで、そう言う事柄も組み上げていく時はとても重要であり、合わせてどのようにすれば「軽い操作性のトルクに仕上がるのか」の問題にまで直結している話となれば決して蔑ろにはできませんね(笑)

・・このように2箇所にある直進キーの締付ネジの頭のカタチが違うのは実はザラな話です(笑)

直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目

↑ここの工程も過去メンテナンス時の整備者は「白色系グリース」を塗りまくりでしたが(笑)、当方は一切グリースの類を塗りません。何故ならちゃんと理由があり、オレンジ色矢印で指し示すとおり基台側の突出部分は「ツルツルの平滑処理が施されている」のに対し、そこにセットされる「伝達環」は「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」なのです (赤色矢印)。

つまりグリースなど塗らずとも平滑性を担保するようちゃんと設計時点で考えられて、それに合わせたメッキ加工処理が製産時点に既に処置されているのです。従って互いの経年による酸化/腐食/錆びなどが除去さえできれば「一切グリースなど塗らずにスルスルととても滑らかに回る」ワケで、今回の個体は下手に過去メンテナンス時に「白色系グリース」を塗られてしまった為に一部が錆びてしまっていたほどです(泣)

伝達環」から飛び出ている「伝達アーム」がマウント論から飛び出てフィルムカメラ側に接触するので「伝達環」はグリーンの矢印のように組み込まれます。

↑こんな感じで「伝達環」はシルバーな光沢で微細な凹凸が備わる梨地仕上げの封入環で組み込まれます。グリースなど塗らずともとても滑らかです(笑) ここでも同じようにグリーンの矢印で指し示した「皿頭ネジ」とブルーの矢印の「丸頭ネジ」の違いがあります。どうしてこの2種類の締付ネジを使うのかと言えば「それは伝達環が入って平滑性の担保が必須だから」と言い替えられます。

・・ここにグリースなどを塗ってむしろ経年で酸化/腐食/錆びによる抵抗/負荷/摩擦を増大させている。

そういう整備に数多く出くわしますね(笑) そのクセ全く必要ない箇所にまで「固着剤」を塗りまくりで、いったいどの微調整の経年によるズレを防ぐつもりなのか、全く理に適っていないまま組み上げられている個体がザラです(笑)

↑マウント部内部の写真ですが既にセットされるべき構成パーツを全て取り外し、当方による「磨き研磨」を終わらせた状態で撮っています。

↑取り外していた各構成パーツも同様に「磨き研磨」を施し、やはりグリースなど塗らずに組み上げていきます。過去メンテナンス時にこのマウント部内部にまで「白色系グリース」が塗られていたので、一部は腐食が白く出ています。プレビューボタンを押し込む (ブルーの矢印❶) と、それに連動して内側の環/リング/輪っかが動き (ブルーの矢印❷) グリーンの矢印で指し示した箇所のスプリングが伸び縮みしながら動きます。

この時のやはり封入しているシルバーの微細な凹凸を伴う光沢梨地仕上げの環/リング/輪っかのおかげでグリースが必要ありません (オレンジ色矢印)(笑)

↑完成したマウント部を基台にセットします。「開閉レバー」と「絞り値伝達アーム」が (赤色矢印) それぞれブルーの矢印のように動きます。

みう既に光学系後群側をセット済ですが、結局この当時のOLYMPUS製オールドレンズ達の多くのモデルで「グリースを塗るのはヘリコイドオスメスと絞り環の接触箇所くらい」で他には一切塗りません(笑)

ご落札者様お一人様だけが今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体を手に入れられ、且つ当方が「素晴らしい操作性に仕上がっている」のを実際に手に取ってご確認頂けます。もちろん冒頭でさんざん説明したようにお気に召さなければ何もかも (振込手数料まで含めて) 込み込みでご指示どおりの金額でご返金しますので「ご落札者様は一切の損をしません」・・決して詐欺をしているつもりは全くありません。

・・あくまでもオーバーホール工程での事実だけを解説し仕上がり状態を正確に述べています。

↑上の写真は光学系前群側の「格納筒」で「光学系第3群が一体モールドされている」ワケですが、そのコバ端は赤色矢印で指し示すとおり「溶剤でも溶け落ちない製産時点の焼付塗装」で着色されており、且つその直ぐ下にはオレンジ色矢印で指し示すとおり「シルバー剥き出しのアルミ合金材によるカシメ止め」部分が反射防止黒色塗料のメッキ加工無しのまま仕上げられています。

この部分は丸ごと鏡筒内部の「絞りユニットのベース環の真上にセットされる」のですが、カシメ止めされているシルバー部分は全く光学系内には現れません。これが製産時点の現実であり「迷光・・迷光・・と騒がれる」のにもかかわらずご覧のようにギラギラ状態です(笑)

またブルーの矢印で指し示したようにこの格納筒自体は「マットで微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工仕上げ」で経年の揮発油成分を嫌っているのがド素人の当方にも分かります(笑)

そして問題なのはグリーンの矢印の箇所で格納筒のフチ部分が平らに仕上げられています。この事を過去メンテナンス時の整備者は全く理解しておらずムリな整備をしてしまったのです。

↑鏡筒内部のこの中に一つ前の「光学系前群の格納筒」がネジ込まれるのです。すると格納筒のフチの平坦な部分が上の写真「制御環のフチのシルバーに平滑処理された箇所で接触しながら絞り環操作時に回る」のが設計概念です。

↑上の写真は当方が一度最後までオーバーホール工程を終わらせて組み上げたものの「絞り環を回すとキ〜キ〜音が聞こえて煩い」ので再びバラしてその因果関係を追求しているところです。

光学系前群の格納筒を取り外すと絞り環を回してもキ〜キ〜音が聞こえなくて滑らかに絞り環操作できます。そこで何が原因で音が発生するのか探索しているところです。

制御環」と連係キーですが (赤色矢印) のその縁のオレンジ色矢印で指し示している箇所の「水平性」を全周に渡って見ていきます。「連係キー」は絞り環と接続されるキーですが、その直下には「カム」が来ていて「なだらかなカーブに接触している」のが分かります。

つまり「絞り環」を回した時なだらかなカーブが動くのでカムの角度が変化して、それに従い絞り羽根の開閉角度が決まる/閉じる角度が決まる原理ですね(笑)

↑今度は制御環の縁を半分先くらいまで見ていきます (オレンジ色矢印)。連係キーの場所から見て凡そ半周くらいのところまで見ていますが、右端のオレンジ色矢印の所を見ると「極僅かに縁が下方向に下降している」のが分かります。

↑さらに制御環の縁を見ていきます (オレンジ色矢印)。その下降はちょうど「伝達アーム」を越えた辺りで最も沈下が激しく、再び上がり始めます。

↑一周回って再び連係キーの砲に向かってチェックしていきます。すると少しずつ沈下していたのが上がってきて連係キーの近くでほぼ平坦に戻ります。

過去メンテナンス時に冒頭で「ヤスリ掛けしてしまった何かに接触していた開閉レバー」は、今現在は全く何処にも接触するどころか、その兆候すらありません。

つまり過去メンテナンス時の整備者の組み立てミスで正しく伝達レバーが組み込まれずに接触してしまい削ったが、今度は制御環の縁が当たってしまい (下から突き上げられるから) 絞り環が途中で止まるので「今度は制御環の縁をヤスリ掛けしてしまった」のが上の写真のチェックで白日の下に顕されました!(驚)

要は整備者のミスが原因で制御環が干渉してしまったのです。そもそも製産時点に一切削りを入れていないパーツに切削やヤスリ掛けする事自体信じられない所為です。

こういうのが「ごまかしの整備」であり、外見からは全く伝わらない内部のいい加減な処置です(笑) 今回のオーバーホールでは当方が正しい組み立てを行い、且つ各部位の微調整までキッチリ仕上げたので、結局問題の「伝達レバー」は何処にも一切干渉せず、合わせて上の写真の「制御環の縁」も強く接触したりしません。

むしろ平坦ではなくなってしまったのが問題で、その影響から組み上げると「絞り環操作時に鳴きが聞こえるようになってしまいキ〜キ〜音がする」始末です(泣)

もちろん当方の仕業ではないのですが、当方がオーバーホールした以上「当方の仕上げ方が悪いからキ〜キ〜音が毎回絞り環操作で聞こえる」との受け取り方にならざるを得ません(涙)

仕方ないので4時間を費やして改善策を執り絞り環操作時に一切の鳴きが出ないよう/聞こえないよう処置しました(泣) 全く面倒くさいったらありゃしません。

この後は再びバラした光学系を戻して無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にレンズ銘板をセットすれば完成です。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。今回は冒頭でさんざん皆様にまでお付き合いさせてしまいましたが「詐欺的商法」とか「自己満足」と罵られて貶されての本当に胃が痛いばかりのとんでもない批判ばかりでした(涙)

・・それもこれも身から出たサビで自分がイケナイので反省するしかありません!(涙)

今一度大御所サイト様にお詫びを申し上げると同時に、皆様にもご不快な思いをさせてしまい本当に申し訳御座いませんでした。お詫び申し上げます。今後はご指摘の内容を重々心に銘じて反省と共に訂正しつつ、配慮しつつ皆様にご不快な思いやご迷惑をかけぬよう勤めて参ります。

・・申し訳御座いませんでした。

↑当初生じていた盛大なカビなどはほぼ悉く除去でき「スカッとクリア」な光学系に仕上がりました。ひいて指摘するなら「後玉の外周附近に2箇所菌糸状のカビ除去痕が僅かに残っている程度」で、合わせて経年の拭きキズやヘアラインキズなどが僅かに残っています。

しかし光学系内は非常に透明度が高い状態を維持した個体でLED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。前玉だけに限らず第2群や第3群にも微かで微細な薄い拭きキズなどが幾つか残っていますが、よほど注意してチェックしない限りすぐには見つけられません。

↑特に後群側がヤバかったのですが盛大にカビが繁殖していたものの、ほぼ99%の勢いで除去できています。残りの1%は後玉外周に2箇所菌糸状のカビ除去痕として残ってしまった分です。光に反射させて/透過させてチェックすると後玉外周に2箇所見つけられると思います (小さめの微かな菌糸状カビ除去痕です)。その他幾つかの微細な拭きキズや最大13mm長のヘアラインキズなど数本あります。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な<B>点キズ</B>:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(後玉外周に微かな菌糸状カビ除去痕が複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い最大18mm長複数あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・前玉だけが光学硝子材に「酸化トリウム」を含有した俗に言うアトムレンズ (放射線レンズ)ですがUV光照射により半減程度まで改善しています。デジカメ一眼/ミラーレス一眼側のAWB設定で十分対応できる範疇ですが、おそらく写真のコントラストにもほぼ影響が現れず普通に撮影できる状態にまで改善できたと思います。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑当初バラす前の重いトルク感の絞り環操作も改善され、また逆にオーバーホール後のチェック時に起きていた絞り環操作での「キ〜キ〜音」も再びバラして再整備して聞こえなく改善が終わり、現在は完璧な状態に仕上がっています。

8枚の絞り羽根もキレイになり絞り環操作やマウント面の開閉レバー含め確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正八角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
・当初組み上げた際に聞こえていた絞り環操作時のキ〜キ〜音も再びバラして整備したために完全に改善できており現状一切鳴き音は聞こえません。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 50mm/f1.4《初期型》(OM)』
汎用樹脂製バヨネット式後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

ちょうど在庫が切れていたので写真に写っていませんがHAKUBA制MCレンズガードも届いたのでお届けの際にはちゃんと附属品として同梱します。

いろいろ希少性の問題で「詐欺的商法」と指摘され意気消沈しましたが(涙)、出品個体には罪は無く、しかも完璧な仕上がりまで戻す事ができたので、きっと手にされたご落札者様にはご満足頂ける仕上がりだと思います。

もしもお気に召さない事柄があっても「返品/キャンセル/返金」含めどんなご指示にも従いますので、ご落札者様に一切損はさせませんし「詐欺的商法」も「売りッ放し」を執っている気持ちは120%の勢いで無いので、何か御座いましたらご遠慮なくお申し付け下さいませ。

ハッキリ言ってこのモデルの中では今までで一番良い仕上がりに組み立てられたと自負しています。これを高く売れるよう煽っていると指摘されるなら何も言えなくなってしまいますが(涙)、実際にご落札後手にしてそのようにご不満を抱かれるなら「返品/キャンセル/返金」を要請して下さいませ。

またこのモデルでの開放時〜f2.8辺りまでの写りが「甘い」とネット上では定説ですが、当方は決してそのように思いません。大御所サイト様でも指摘されるとおり「もっと評価されて然るべきモデル」との気持ちで一杯です。このくらいのボケ味のオールドレンズなどいくらでもあると思います。それよりもシッカリした結像を結ぶピント面の鋭さと相まり自然なコントラスト表現や優しいボケ味などがとても魅力満載でいつも感動を与えてくれると感心しているくらいのモデルです。

・・どうかご評価頂きご活用頂ける方の手元に届きますように!(涙)

当方の悪評を拡散するのはご自由ですので、せめてこの個体を再び活かすくらいの情熱を傾けて頂ければもぅ何も申し上げません(涙) このブログもオーバーホール工程も何もかも総てはこの個体を想っての一途な熱意だけです。

大御所サイト様のみに限らず、他の人達からも罵られていますが「高く売りたいからブログ掲載している」のではなくて (前述しましたとおり) そもそもヤフオク! のようなオークションで販売している時点で「高く売りたい」或いは「安く手に入れたい」は総て人情ではないかと思っています。

それを『転売屋/転売ヤー』だからと卑下して指摘されるのは、他の『転売屋/転売ヤー』に対して失礼なので「あくまでも当方のみを対象として卑下している」と明確に顕す点に於いて、実名称を挙げてリンク張りまくりで貶めるのは「全く以て当方の致し方ない要素の一つ」との受け取りであり・・100%真摯に反省致します。

然しオーバーホールして仕上げて当方が納得ずくでヤフオク! に出品しているオールドレンズ達には「何一つ貶められる要素はどんなオールドレンズのモデルにも微塵も顕在し得ない」との強い意志が働きます・・何故なら数十年〜半世紀以上を経てもなお、次なる人の手に渡り「その個体の製品寿命から余生を送らんが為」精一杯愉しませてくれているのだとの想いしかないからです(涙)

・・そんな想いを込め整備しても詐欺呼ばわりに我慢するものの個体に罪はありません!

次の整備の機会が訪れても残念ながら当方はもう携われませんが、バラして中を見れば少なからず想いを込めて整備したのだとその事実を僅かでも汲んでもらえるかも知れない・・偏にそう願うばかりで御座います(涙)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離45cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f2.8」で撮影しました。

↑f値「f4」に上がっています。

↑f値「f5.65」での撮影です。

↑f値「f8」です。

↑f値「f11」での撮影です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。もうほとんど絞り羽根が閉じきっている状況ですが、それでも背景には一部にボケがまだ現れているほどで、ピント面の「回折現象」もまだまだ感じられません。

・・当方はこの頃のOLYMPUS製オールドレンズ達が大好きです!

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。