〓 FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJICA FUJINON・W 35mm/f3.5《後期型》(M42)訳あり

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の
FUJICA製準広角レンズ・・・・、
FUJINON・W 35mm/f3.5《後期型》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

前回このモデルを扱ってから3年が経ってしまいました。別に敬遠しているワケではありませんが、意外にも根拠がちゃんとあって市場での流通数自体が極端に少ないため (年に3〜4本程度) になかなか出回りません。その数少ない中から「光学系の状態が良い個体だけを調達しようとする」と必然的に時間だけが経っていきます(笑)

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は「訳あり」として出品していますがその理由は「本来後玉の周りに在るべきメクラ環が欠品」している個体だからです。

↑上の写真はその欠品している状況を解説した写真で以前扱った個体からの転載写真を左に 並べています。つまり左側写真が本来の製品状態であり右側が今回ヤフオク! 出品する個体の状態です。

赤色矢印で指し示した箇所に本来存在するべき「メクラ環」が欠品しているので内部が丸見え状態です。仕方ないので一部を着色しましたがキレイに塗れていません (ご勘弁下さい!)(泣)

そもそもこの「メクラ環」がまさに接着されているだけなのを前回完全解体時に確認済なのでいくら「廉価版格付」としてももう少し設計しようがあったのではないかと思います(笑)

ちなみに「メクラ環」としているのはこのパーツが「砂やチリの内部侵入を防いでいる役目 ではないから」と断言できるからです。このパーツの目的は「単に塞いで体裁良く整えているだけ」であり、そもそも鏡筒にダイレクトに接着されるので距離環を回すと一緒に繰り出したり収納したりで「移動する」からでありご覧のとおり「周囲に僅かな隙間が空いている」のが一目瞭然ですね(笑)

だから「メクラ環」と呼称しています・・(笑)

このモデルが登場したのは前回解説ページFUJINON・W 35mm/f3.5《後期型》(M42)』に詳説しているのでこのモデルが登場した背景など興味がある方はご参照下さいませ。

もぅ気づかれた方もいらっしゃると思いますが(笑)、当モデルが登場したタイミングには同時に「廉価版格付」だった標準レンズたる「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」が存在します。標準レンズであるが故に海外向け輸出機モデルたるボディ側のフィルムカメラ「ST601」向けセットレンズとして先行して1976年に登場していた一方で、今回の準広角レンズは翌年の1977年に発売されたのだと結論づけています (何故なら当時の輸出法に準拠する為に製品化して標準レンズ/セットレンズを先に許認可申請する必要があったから優先的に製産された)。

ちなみに日本国内では「ST605」 という型番でボディ側フィルムカメラが用意されています。

するとここでまた一つ興味深い「観察と考察」が叶うワケですが(笑)、今回のモデルの距離環はエンジニアリング・プラスチック製です。ところが1976年に発売された標準レンズたる「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」はそのモデルバリエーション上では「前期型」にあたり同じエンジニアリング・プラスチック製としても少々設計が異なり「金属製ベース環にエンジニアリング・プラスチック製の外装をハメ込んでいた」設計を採った為にそれが仇となり「樹脂材の 加水分解によりヒビ割れが生じてボロボロになる」問題が発生しました。おそらく当時製産 向けにパーツを在庫していた時点でクラックが確認でき大騒ぎになったと推察しています。

標準レンズ「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」の「前期型」の一部はそのようにヒビ割れが宿命となり現在市場流通している個体の多くは既にクラックが生じています (酷い場合は一部の 個体でベース金属環が剥き出しになったまま市場で流れていたりする)(笑)

おそらく設計時点で樹脂材の成分配合をミスッたのだと思いますが(泣)、その後すぐに改善策が執られ「金属環に戻したり一体成形モールドに変更したり改善策を講じている」のがその モデルバリエーションの多さからもまるで走馬灯の如く浮かび上がります(泣)

つまりこの標準レンズ「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」に至っては残念ながら「廉価版格付のプロジェクト自体が詰めが甘く失敗し瓦解してしまった」とみています。

そもそもこの当時の状況からして1976年〜1977年以降1982年までの「僅か5年余りの中で複数回設計変更に至り製産ライン自体を変更している始末」からしてどう考えても企業利潤の追求とは真逆の結末に至っていると考察できます。

哀しいかな富士フイルムは1982年ついに民生向け光学製品事業から撤退してしまいます(涙)

そこで今回のモデルに話を戻すと「何と距離環は一体構造のモールド成形で設計されている」事が根拠となり前述の標準レンズに於ける「後期型」と同時期のタイミングで「遅れて発売 された」と受け取れる次第です。

つまり内部構造以前に筐体外装パーツの仕様/設計からして「同じ1976年に発売していた仕様との辻褄が合わず遅れて翌年の1977年発売と判定するのが理に適う」ワケです。

こんな感じで例え他のモデルとしても総てに対しちゃんと「観察と考察」を真摯な想いで進めることにより、また別のモデルとの兼ね合いや関わりまで当時の背景が見えてきて「あぁ〜 どんだけ設計者が大変な想いをしていたのか?」いやもしかしたら経営陣に睨まれていたの かも知れないとまるでサラリーマン的な思いに置き換えて「おぉ〜怖ッ!」と冷や汗かも知れません!(笑)

ちなみに詳説ページの解説のとおり今回のこのモデルが登場したタイミングで発売されていたボディ側フィルムカメラは「AZ-1」と言う「M42マウント規格最終モデル」なので、その後すぐにバヨネットマウントたる「AXマウント規格」に変わってしまいます。

・・たかが発売時期のタイミングを特定するだけの話で何でこんなに騒ぐのかと思われるで しょうが(笑)、意外にも愛着が湧いて愛用している人々からするとこのような当時の時代背景に纏わるロマンこそが「所有欲を充たしてくれる」ワケで・・まさに今ドキのデジタルなレンズとは趣が異なるオールドレンズの魅力の一つと言えます。

そんなロマンやまるで都市伝説みたいな話に想いを馳せて晩酌が進みつつこのオールドレンズをイジりながら浸るひとときも「まさに歓びのひととき」なのが堪らないのです・・(泣)

逆に言うならそのような充足感を味わっている貴方・・もぉ〜ドップリとオールドレンズ沼に浸かってますねぇ〜(笑) せめて首から上は残していないと息ができなくてヤバいですョ?!

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はFUJINON・W 35mm/f3.5《後期型》(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。引退までの残り1年ちょっとの中で再びこのモデルを扱うチャンスが訪れるのか、何しろ光学系の状態如何で変わるので何とも言えません(泣)

然し当方自身はこのモデルの描写性が大好きで (そもそも基本成分が3枚玉トリプレットなので!)(笑)、トロットロボケの写り方をするオールドレンズも大好きですが、その対極に位置 する「いやぁ〜ボケ味硬めだョねぇ〜」みたいな感覚の中で「でも自分の目で観たままじゃねぇ〜?」と言う例えば記憶色だったり背景のボケ方だったり (自分の感覚よりも多少誇張されることで初めて人間は意識的に感じ取ることができる/脳裏に焼き付けられている) などの印象から意外にも手放す気持ちにならないモデルだったりします (たぶん手放す時は相応に苦しむハズ)(笑)

そういうある意味このモデルの描写性にハマってしまう感覚の持ち主にとっては「まさに堪らない逸本の一つ」と指摘できるのではないでしょうか?(泣)

もっと言うなら冒頭で掲示した詳細ページにちゃんと載せていますがまるっきしの3枚玉トリプレットの前に1枚配置しただけの「どんだけ簡素に光学設計するのョ?!」と突っ込みたくなるくらいに(笑)、疑似的極まりないレトロフォーカス型光学系の設計に「おぉ〜! こうゆう処に当時の引き伸ばしレンズまでシェアを握っていた富士フイルムの強みがまるで現れる
のか!
」と当方自身はオドロキを隠せませんでした!(驚)

ちなみに「レトロフォーカス型光学系」とは一般的にパッと考えた時に「レトロ」と言う附随するコトバの影響が大きく「古めかしい甘い写り/低コントラストな写り方のオールドレンズ」とその印象を固定しがちですが、実は「レトロ (後退)+フォーカス (焦点)」の二つのコトバが組み合わさった造語であり (正しくはフランス語) 1950年の当時まだ世界中で戦前戦中通してレンジファインダーカメラが主流だった時代に「標準レンズの光学設計のまま広角域まで延伸させることが可能だった時代」から一変して「当時黎明期だった一眼レフ (フィルム) カメラの登場にせがまれて」撮像面 (当時はフィルム印画紙) に結像する直前に位置していたミラーの 存在から「バックフォーカスを延伸させなければフィルム印画紙に記録できない」と言う必然性に駆られて「1950年に世界で初めて登場した広角域専用の特殊な光学設計概念」を指して「レトロフォーカス型光学系」なので、できるだけ「その基本成分は何ぞや?!」と考える事で吐き出す写真の描写性/性格を掴む事が適います!

今ドキのデジタルなレンズに比較したらとんでもなく簡素なレベルですが(笑)、だからこそオールドレンズの愉しみの一つにもなっているのだと受け取るべきではないでしょうか。

要は「収差もオールドレンズの味の一つ」と肯定するくらいがオールドレンズに真摯に向き 合うにはちょうど良いように感じますね(笑) その意味で当方は「等倍鑑賞派」ではないので写し出した画の中心〜四隅を逐一検査してあ〜だこ〜だ言う勢力とは対極に居ます!(笑)

その最大の根拠は「当時の新種硝子や光学技術の進捗からして光学設計者には必ず何を活かして何を殺すのかの選択の中でその葛藤と闘い限られた狙いだけに固執するしか許されなかった時代」だからと断言できます!(泣)

つまりモデル別にどんな描写性能面での問題点や課題を残していたのか知り尽くした上で量産型の光学設計に結論づけていたワケで「その自身の精神性に纏わる消化不良の程度」と言ったらどんだけなのか想像を絶すると思います!(涙)

きっと苦々しい想いの中で光学設計を積み重ねつつ自らの人生を全うしていったのではないでしょうか?!(涙)

・・まるでこんな話に想いを馳せた時・・晩酌しているといつの間にかウルウルしていたり するのでやはり堪らないですね(笑)

基本的に当方はO型なので何事も感性 (人情) に流されてしまうのが人としての欠点です(笑)

↑後玉周囲のメクラが欠品していても「どんだけスカッとクリアなの?!」とまるで新古品レベルの光学系に思わず本格的な納得ずくでのオーバーホールを試みてしまった「どちらかと言うと衝動的にかかってしまった」個体です (多少極微細な点キズは残る)(笑)

要はそんだけレトロフォーカス型のオールドレンズには光学系に問題を抱えている場合が多いのですが、当方はそもそも光学知識が皆無なので「どうして広角レンズ域のモデルはクモリが多いのか?」と言う問題点に明確な結論を全く見出せていません!(涙)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

ハッキリ言って「スカッとクリア!」でありとんでもない光学系です (たいていのレトロフォーカス型モデルで特に中玉外周附近にクモリが生ずる事が多い)!(笑)

もっと言うなら/指摘するなら彼の有名な旧東ドイツのCarl Zeiss Jena製の準広角レンズ「Flektogon 35mmシリーズ」で中玉の貼り合わせレンズにクモリが生じている個体が非常に多くまず以て薄いクモリが残っていればアウトであり「必ず低コントラストな写りに至る」のが宿命だったりします!(涙)

だいたい撮影時の絞り値を絞れば (数値を上げれば) クッキリスッキリ写るのは必然でありそれを以て「問題なし」ではなく「開放f値でどうなのか?!」が最優先課題なのに、そんな話すら全く理解していない (或いはそういう素人の如くフリをして) 出品している時点で「まともに 入札するのは術中にハマっているだけ」と言えますね(笑)

その意味で今ドキのヤフオク! を観ていると「視認性は良いです!」とか「薄いクモリがありますが写真には影響ありません!」とか明言している時点で「売りたいが為の逃げ口上であって本当に光源含むシ〜ンで実写確認して調べていない!」と声を大にして指摘できます!(笑)

そもそも「視認性が良い」と言うコトバを使う時点で「光学系内の透明度だけに限定して中を覗き込んで順光状態だけで見えるか見えないか?」をさして述べている状況であり、そこに「写真として記録された時の状態 (つまり実写) レベルでの光源含めたシ〜ンを想定して述べていない!」事がまるであからさまです!(笑)

要はド素人レベルの域にも達していないのがこういう『転売屋/転売ヤー』丸出しなのですが(笑)、当方と同じ同業者たる輩ながらも少しは落札者に配慮したらどうかと思いますね(笑)

逆に言うならどんだけ落札者に配慮できた出品を心掛けているのかで「ヤフオク! でのリピーター率は驚異的に上がる!」のに同業者たる当方の頭の悪さ以上にバカなヤツばかりなので 未だに「くだらない歯が浮くようなコトバで逃げ口上ばかり放っている!」のが実状です(笑)

残念ながらヤフオク! では「報復評価が許容されているシステム」なのがそもそもYahoo!JAPANの企業姿勢なので (つまりユーザーサイドに立っていない企業と断言できる) あくまでも日本古来から続く「商習慣にそぐわない企業の一つ」として挙げられます(笑)

いっそのこと落札者評価に従い「落札システム料を設定する仕組み」に改変すれば「挙って ヤフオク! の出品者は落札者サイドに立った出品に変化する」のが目に見えて明白なので・・それを実行しないのはまさに企業姿勢そのモノ・・と明言できます!(笑)

要は出品者側から入る落札システム料だけに重点を置いていて「あたかも落札しやすさを謳っているだけの (ある意味) 詐欺的な概念の企業の一つに属する」と指摘できそれを許容している時点で孫正義氏の良心を甚だ疑いたくなります。

つまり過去から継承し続けてきた「日本の商いの習慣」は決してそんなレベルではないとの 認識に当方は必ず立っているので「ヤフオク! の出品は必ず100%返品OK!」です(笑)

出品ページとの齟齬があれば返品でき、然しその出品ページはこれでもかと莫大な情報量で事細かく指摘して明記しているワケで(笑)、その頑なに正直に告知されている「不都合な要素」を肯定させずに列記している時点で「次元が異なる出品姿勢」と認識しています(笑)

しかしそういうスタンスを自身が貫いたが為に働いていた頃は与えられた営業成績を残せず (然し顧客は意外にも多く) 企業サイドから捉えれば「全く以て排除したい社員の1人」だった次第です (それこそが世の常)(笑)

その意味で例え個人経営としても巷には自らの責任や使命にこだわりひたすらに追求し続けて顧客の心を鷲掴みにしている「」や「職人」が現実にお店や工房を構えているのであって、それは決して「モノ」に限らず食べ物でも同じですョね?!(笑)

・・こんな当たり前の事が全く理解できない企業なのがYahoo!JAPANだったりしますね(笑)

当方も10年前にはそんな気概に心を燃やしていたのですが(笑)・・気がつけばプロになれなかったド素人崩れと揶揄されまくる始末で自分の人生いつまで経っても中途半端で終わるのかと今さらながらに後悔ばかりです(涙)

結局引退してしまえば当方の存在などアッと言う間に忘れ去られ消えゆくだけなので(笑)、 このブログも残すべきか否か散々悩みましたが撤退するなら潔くサーバー契約解除で何もかも消し去って身綺麗になるのがそのように卑下され続けてきた自分の潔さとも考えています(笑)

世の中には周りから惜しまれつつ消えていくまさに無形文化財の如く「」や「職人」が存在する一方で・・人知れず何もかも痕跡を消し去って消えていく存在も必ず居るワケで今考えれば結局自分は「負け組」だったのかと散々働いていた時にパワハラ含め揶揄されていたその ままなのかとガックリしています (自分が悪いのですが)(笑)

街並が数十年を経て変わっていくようにまさにそれが世の常なのでしょう・・・・。

↑愚痴ってしまい申し訳御座いません・・。光学系後群も前群同様にLED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。

つまりLED光照射で何処かに必ず非常に薄いクモリがあるハズと探しまくっても「ありませ〜ん!」と断言できる光学系です(笑)

その意味で当方のスタンスはヤフオク! の大多数を占める当方と同業者たる『転売屋/転売ヤー』の中で異端児的なポジションです(笑)

徹底してユーザーサイドにも立てず (技術スキルが低すぎるので) かと言って同業者『転売屋/転売ヤー』にもなりきれないとにかく中途半端なヤツです!(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:15点、目立つ点キズ:11点
後群内:18点、目立つ点キズ:13点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:<font color=#ff0066><B>なし
(前後群内にカビ除去痕が数点残っています)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(特に後群内極微細な薄い2mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
マウント面から突出している「開放測光用の爪」を残してあります。恐れ入りますが切削が必要な場合はご落札者ご自身で作業お願い申し上げます。(当方では切削しません)
・マウント部内部の過去メンテナンス時に伴う所為からマウントアダプタのピン押し底面の深さに拠って最短撮影距離位置まで繰り出した時に僅かに詰まった印象で繰り出す場合があります。可能であればK&E CONCEPT社製マウントアダプタを使い「凹側ピン押し底面」をセットして頂くと問題が起きません(マウントアダプタの相性問題なのでクレーム対象としません)。
・フィルター枠に1箇所打痕があり修復しています。現状フィルター脱着は普通に行えますが修復痕はそのまま残っています。
・後玉周りに本来存在するメクラ環/リング/輪っかが欠品しています。内部を見えないようにする目的のパーツですが迷光を防ぐ意味から黒色に着色してあります。事前告知済なのでクレームの対象としません。

↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ−1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります

申し訳御座いませんが切削にはご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-Nフィルター (新品)
本体『FUJINON・W 35mm/f3.5《後期型》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑鏡胴指標値環の1箇所グリーンのラインの位置に (赤色矢印) 突いたような打痕が残っていますが距離環の駆動などへの影響はありません (擦っているような感触や音も聞こえません)。

↑その一方で上の写真赤色矢印のとおりフィルター枠に打痕修復箇所があります (既に擦れて下地が露出している)。附属のフィルター脱着に全く支障になっていません。

↑当方所有のK&F CONCEPT製M42 → SONY Eマウントアダプタに装着した状態を撮影しました。マウントアダプタのオールドレンズ側マウント面に「1㍉弱」の突出があるので、ご覧のように隙間が空きます (赤色矢印) が、同時に「開放測光用の爪」が当たらないので最後までネジ込めます (グリーンの矢印)。

このK&F CONCEPT製マウントアダプタのマウント面の突出はこれら「FUJICA製M42マウントの開放測光用の爪を避ける目的」で突出しているのでありがたいです。同様mamiya製mamiya/sekorなど「SXシリーズ」もマウント面から飛び出ている金属製の棒状ピンを避けられるのでご使用頂けます。

なおマウントアダプタ内側の「ピン押し底面」は「凹面側を上にしてセットするとベスト」です。

↑同じように今度は日本製のRayqual製品に装着したところを撮りました。同様マウントアダプタのオールドレンズ側マウント面に「1㍉強」の突出があるのでご覧のような隙間が空きますが、前述のとおり「開放測光用の爪」を避けられるのでちゃんと最後までネジ込めます。

↑当レンズによる最短撮影距離40cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f5.6」で撮影しています。開放f値が「f3.5」ですが本来の次の絞り値である「f4」はこのモデルの設計では存在しません。

↑さらに回してf値「f8」で撮影しています。

↑f値は「f11」に上がっています。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。極僅かですが「回折現象」の影響が現れ始めていてピント面の解像度低下が視認できます。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。