◆ FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON 55mm/f2.2《前期型:一部金属製》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の
FUJICA製標準レンズ・・・・、
『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:一部金属製》(M42)です。


 

  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

このモデルの当方での累計扱い数は今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体が61本目にあたり、その中で「前期型」は38本目です。残念ながら光学系内に極微細なカビ除去痕やそのカビ除去痕に伴う非常に薄いクモリが一部に残っているため (全面ではない) 光学系内が「スカッとクリア!」な個体数だけでカウントした本数は相変わらず6本目のまま変化なし。
(今回の個体はカウントに入らず)

↑上の写真の解説はこのモデルに於けるモデルバリエーションで言う処の「前期型」について その筐体材質を解説しています。

《前期型に於ける筐体外装部位別の材質》
※「前期型」はレンズ銘板と遮光環が分割している
※「後期型」はレンズ銘板と遮光環が一体成形のプラスチック製
フィルター枠:金属製
距離環:金属製
距離環:エンジニアリング・プラスチック製 (分割ハメ込み式)
距離環:エンジニアリング・プラスチック製 (一体モールド成形)
距離環:エンジニアリング・プラスチック製 (一体モールド成形/アルミテープ)
指標値環:エンジニアリング・プラスチック製
指標値環:金属製
指標値環:金属製 (イモネジ穴1箇所位置変更タイプ)
絞り環:金属製
絞り環:エンジニアリング・プラスチック製
マウント部:金属製

このモデルバリエーションはザックリ「前期型/後期型」の2種類に外見だけで判定できる要素があります。上記の中で冒頭の※部分で解説しているのがその「前期型/後期型」の見分け方を説明しています。

遮光環」とは前玉の直前までレンズ銘板の部分から連なる「階段状の環/リング/輪っか」を意味しており、レンズ銘板と分割し且つ金属製 (色合いが異なる/グレー色) なのが「前期型の特徴」です。一方「後期型」はレンズ銘板〜遮光環までが一体成形のエンジニアリング・プラスチック製なので (分割していないから) パッと見ですぐに判定できます。

従って※部分はその「前期型/後期型」の見分け方を解説していますが、実はこの差は内部構造まで大きく異なります。「前期型」が上の写真のように「前玉はネジ込み式の金属環で格納」に対し「後期型」は「エンジニアリング・プラスチック製でハメ込み式」でありネジ込み式の 固定方法を採らない為に「経年の揮発油成分にほぼ無防備状態」との問題を抱えています。

↑上の写真はこのモデルに於ける「前期型 (左写真)」と「後期型 (右写真)」の判別方法を解説 しています。

すると特に右写真の「後期型」の場合は左写真のように前玉までエンジニアリング・プラスチック製の格納筒にモールド成形されてしまったので「同じくエンジニアリング・プラスチック製の鏡筒にハマっているだけ」なのが経年の揮発油成分の侵入に対しほぼ無防備状態と言える設計に変更されてしまいました。

これはそもそも「後期型」では鏡筒自体がエンジニアリング・プラスチック製なので前玉と鏡筒の両方が「経年の揮発油成分に対してほぼ無防備」と指摘できます。

従って「後期型」は定期的にメンテナンスを施し内部に廻る経年の揮発油成分が特に光学系内に侵入しないよう気を配る必要があります (コーティング層の経年劣化が促される懸念から)。

外見上パッと見で一体成形に見えてキレイなのでユーザー受けし易く受け取られがちですが実のところ「むしろ逆で経年劣化に弱い構造」と明言でき定期的な整備が必須になります。

その意味では「前期型」のほうが特に前玉がネジ込み式で格納されるので経年の揮発油成分に対するコーティング層劣化はまだ安心と言う話になります。

すると「前期型」は幾つかのバリエーションに分かれますがフィルター枠マウント部の2つの部位についてはいずれも金属製しか製産されていません。

その一方でまでの4種類で距離環が造られているので特にのタイプが現在も数多く市場流通しており「加水分解で収縮してしまいヒビ割れてボロボロになる」エンジニアリング・プラスチック製 (金属製のベース環にハメ込み式) です。

後に設計変更してと2種類のタイプで同じエンジニアリング・プラスチック製としても「一体モールド成形」に変更し、且つエンジニアリング・プラスチック材の成分配合まで変更した為に将来的にヒビ割れしない仕様になりました。タイプとしては距離指標値を刻印しているとアルミテープに印刷したタイプのになります。

同様にその直下の指標値環もと3種類に分かれのエンジニアリング・プラスチック製はやはり市場流通品の多くでイモネジ部分でヒビ割れしたり既に破断している個体が流通しています。一方の金属製指標値環は一部のイモネジの位置が変更されているタイプが顕在しそれは前述の距離環との関係性で決まるので「いわゆるニコイチ/サンコイチができない」話になります。

最後にの絞り環も同様エンジニアリング・プラスチック製と金属製に分かれますが特にの金属製は非常に希で年間で1本出現するか否かのレベルです。

従って「前期型」の場合はがまさに「総金属製」と言う話で年間で1本 出現するか否かの頻度です(笑) これは実際当方が今まで扱った個体が6本あって既にご落札頂いているのでウソではありませんが(笑)、その製造番号もちゃんと調査済で把握しています。

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は「前期型」なれどで 指標値環だけが金属製のタイプです (もちろんフィルター枠とマウント部も金属製)。

逆に言うなら距離環も一体モールド成形なので絞り環同様に強度が担保されておりよほど強く落下させたりぶつけたりしない限り滅多に割れる事は考えられません (そもそも絞り環が割れている個体をまだ見たことがない)。

従って同じエンジニアリング・プラスチック製だとしてもその成分と配合により材の強度が変わるのでなかなか外見上だけで判断できない難しさがありますね(泣)

ちなみにいよいよ手元の在庫が無くなるので一部金属製の個体の出品は・・
残念ながら今回が最後です (クモリが少ない光学系も最後)。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は「FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)」のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。現状当方の手元に残る最後の1本で「指標値環が金属製」且つ一体モールド成形の距離環で将来に渡りヒビ割れの心配をせずに使える「逸本」でもあります。

光学系内が「スカッとクリア」ですが、残念ながら前後玉には相応にカビ除去痕やコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが一部に残っています。また後玉には少々大きめの菌糸状カビ除去痕も1箇所中心部に残っており、且つコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリの領域も一部にありますが全面に渡るクモリではないので (むしろクリアなレベルなので) 撮影する写真への影響はありません (光源含むシ〜ンや逆光撮影時もコントラスト低下やフレアの懸念も無いと推定)。

↑前玉側から順光目視しても上の写真のとおり後玉の中心付近に1箇所ある「菌糸状のカビ除去痕」の芯部分が何となく視認できます。但しLED光照射しない限りコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリ部分は視認できませんし、その薄いクモリ自体は全面に渡りません。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑後群側も内部は「スカッとクリア」ですが後玉には中心付近に菌糸状の大きめなカビ除去痕が1箇所と合わせて8mm弱程度の大きさでコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリがLED光照射で視認できます。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:19点、目立つ点キズ:14点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前後群内にカビ除去痕が複数残っています)
(特に後玉中心付近に大きめの菌糸状カビ除去痕が1点残っています)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(特に後群内極微細な薄い5mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
(後玉にカビ除去痕に伴う極薄いクモリ複数あり)
(後玉表面に8mm径の微細な円形薄クモリ1点あり)
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています (一部に除去できない汚れあり)。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・距離環に僅かな打痕が数箇所残っていますがヒビ割れは一体形モールド成形なので今後も将来的に発生しません(但し落下やぶつけたりなどした場合はヒビが入ったり割れる懸念もありますが仕様のため改善は不可能です/金属製ではないため)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
マウント面から突出している「開放測光用の爪」を残してあります。恐れ入りますが切削が必要な場合はご落札者ご自身で作業お願い申し上げます。(当方では切削しません)
・マウント部内部の過去メンテナンス時に伴う所為からマウントアダプタのピン押し底面の深さに拠って最短撮影距離位置まで繰り出した時に僅かに詰まった印象で繰り出す場合があります。可能であればK&E CONCEPT社製マウントアダプタを使い「凹側ピン押し底面」をセットして頂くと問題が起きません(マウントアダプタの相性問題なのでクレーム対象としません)。

↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります

申し訳御座いませんが切削にはご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-Nフィルター (新品)
本体『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:一部金属製》(M42)
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
純正樹脂製被せ式前キャップ (中古品)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当方所有のK&F CONCEPT製M42 → SONY Eマウントアダプタに装着した状態を撮影しました。マウントアダプタのオールドレンズ側マウント面に「1㍉弱」の突出があるので、ご覧のように隙間が空きますが、同時に「開放測光用の爪」が当たらないので最後までネジ込めます。

このK&F CONCEPT製マウントアダプタのマウント面の突出はこれら「FUJICA製M42マウントの開放測光用の爪を避ける目的」で突出しているのでありがたいです。同様mamiya製mamiya/sekorなど「SXシリーズ」もマウント面から飛び出ている金属製の棒状ピンを避けられるのでご使用頂けます。

↑同じように今度は日本製のRayqual製品に装着したところを撮りました。同様マウントアダプタのオールドレンズ側マウント面に「1㍉強」の突出があるのでご覧のような隙間が空きますが、前述のとおり「開放測光用の爪」を避けられるのでちゃんと最後までネジ込めます。

↑当レンズによる最短撮影距離60cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影していますが、絞り環上の刻印自体は単なるドット「●」です。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」で撮りました。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。「回折現象」の影響が現れ始めており解像度が低下し始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。