◆ Steinheil München (シュタインハイル・ミュンヘン) Auto-Cassaron 50mm/f2.8 (zebra)《前期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Steinheil München製標準レンズ・・・・、
Auto-Cassaron 50mm/f2.8 (zebra)《前期型》(M42)』です。


このモデルの扱い数は、今回オーバーホール済でヤフオク! に出品する個体が累計で5本目に あたりますが、実はオーバーホール/修理ご依頼分の1本を除くと残り4本は毎回モデル銘が 異なった個体だったので、それぞれが初めてのオーバーホールという状況です。

モデル・バリエーションは複数存在し、大きく区分けするなら筐体外装の意匠が全く別モノになってしまった「後期型」とそれ以前の「前期型」に大別できます (ゼブラ柄に限定した場合/ シルバー鏡胴を含まない場合) が、実は全てのモデル・バリエーションで内部構造の設計概念が全く同一と言う、何でそんなにモデル銘を多くする必要性があったのか「???」なモデルの一つです(笑)

そして前回扱った時まではまだ完全に掴み切れていませんでしたが、今回の扱いで視点を替えモデル・バリエーションを製造番号ではなく「筐体意匠の変遷」で捉えると、そもそも「前期型
/後期型」の2種類しか顕在せず、モデル銘の違いは『セットされるフィルムカメラにあわせて都度変更していた』と認識すべきとの結論に至りました。

それは今回の出品に際し、製造番号を基にネット上で確認できるサンプルを数十本チェックしたところ「前期型」に関して製造番号の中で異なるモデル銘の個体がバラバラに混在している事実を掴みました。一方「後期型」になると筐体意匠が全く別モノに変化すると同時にモデル銘は逆にほぼ変化がありません (1種類だけ派生型を発見)。

今回扱うモデルに関して言えば「前期型の頃は複数のモデル銘でバラバラに出荷していた」との推定に到達したと言う次第です。但しそうは言っても内部構造と使っている各構成パーツに一切相違が顕在しない為「製産工場は一つだけ (吸収合併した別工場で増産しなかった)」と みています。これは後の解説で出てきますが、そもそもSteinheil Münchenは旧西ドイツ側の光学メーカーなので、国家指導部/管轄省庁など (ある種の強制的な要請) に従う必要がない 資本主義体制だからであって、基本的に増産の必要性はあくまでも個の企業単位の話として 独自に差配できたからです。

この製産工場と製造番号との関係をここから少し詳しく解説していきます (本題と少々外れた内容になります)。旧東西ドイツでこの認識の違いを正しく捉えないとオールドレンズのモデル別ではなく「個体別の素性」をちゃんと認識できないからと言う理由です。

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逆に言うなら「吸収合併した会社の工場で同一モデルを独自設計で作らせて増産していた」のは旧東ドイツの社会主義体制国家に於ける当時のソ連 (ソビエト連邦) と近似した産業工業の 構造概念/体制認識だったからとも言えます。それは数年前に旧ソ連時代の産業工業とその体制に関する専門研究者の論文を読み漁った際に得た知識からの話ですが、旧東ドイツも旧ソ連が統治、或いは関与していたために非常に近似した国家体制と産業工業の構造概念を執っていたようです (オールドレンズの分野たる光学精密機械に限定しない全てのあらゆる産業工業分野で同一の概念/思想/体制認識として)。

特に旧ソ連時代に「同一モデル銘のオールドレンズ」を複数の稼動工場で独自設計で開発/生産させていた事から、その区別として「製産工場を示すロゴマークを刻印していた」ワケですがそれは同一モデル銘なのに外観も内部設計も (もちろん内部で使っている各構成パーツも) 何もかも異なる「製産工場に一任する」と言う考え方が通用していた証として理解できます。

要は旧ソ連と旧東ドイツではそのような概念が通用していたとしても、旧西ドイツ側のいわゆる資本主義体制の下では、例え戦前は一つのドイツだったとしても全く考え方が異なっていたとも言えますね。

これは当時のソ連では企業体は私有の概念が存在せず「国営企業」でしたし、旧東ドイツでもやはり私有にならない「人民所有企業 (VolksEigene Betriebe:VEB)」と、それぞれの国で 概念と呼称が微妙に異なりながらも基本的に監督組織/管轄省庁に従う義務と責務が全国民に 課していた国家体制を執っていました (前述の社会主義体制専門研究者の論文を読んだまとめ的な印象として)。ちなみにその論文によると「人民公社」と言う呼称と概念は中国の共産党 一党体制による概念が強いらしいので、この当時のソ連や旧東ドイツには当てはまらないようです。

そしてこの当時のソ連と、さらにソ連が戦後統治していた旧東ドイツは共に「全分野に対する産業工業5カ年計画」を国家指揮の下遂行していた点が当時の中国とは大きく違う事を学び ました。

例を挙げるなら旧東ドイツ時代のCarl Zeiss Jenaは、シルバー鏡胴〜ゼブラ柄〜黒色鏡胴の 変遷の中で、特にゼブラ柄までの時代は吸収合併した会社の自社工場でCarl Zeiss Jenaの本社工場で製産しているモデルと同一モデルのオールドレンズを作らせていた事を知り得ています (当方が過去にオーバーホールしたオールドレンズに対する考察から推定)。どうしてそのような推定に至るのかと言えば、レンズ銘板に刻印されているモデル銘が同一なのに筐体外装や内部構造/構成パーツを逐一チェックしていくと「内部の一部に異なる設計概念/構成パーツの相違が顕在している」事実を掴んだからです (当時の増産体制の一つの手法と捉えています/旧ソ連時代の手法と同一とも言える)。さすがに旧東ドイツでは生産工場の独自ロゴマーク刻印をしませんでしたが(笑)、その根底概念は旧ソ連時代のまさに「様々な分野の産業工業5カ年計画」体制の思想そのモノだと論文でも解説していたので至極納得できます。

たかがオールドレンズの話ですが、当時の時代背景から国別の産業工業に係る考え方、或いは国家体制や国民の意識など相当幅広く捉えていかないと「単なる製産時期の違い」と結論づけるのは少々乱暴すぎると認識しています。その最大の根拠は「製造番号のシリアル値で並べると内部構造や使われている構成パーツの相違がバラバラに混在してしまい、単純に新旧モデルの違い/変遷と結論付けできないから」と言えます。

今も昔も一つの製産ラインで全くの同一モデルなのに、仮に週ごとに取っ替え引っ替え構成 パーツを総入れ替えしてまで製産し、製造番号をそのシリアル値を踏襲したまま付番していくほど「非効率的な話」なのは誰でも容易に理解できると考えるからです (同一工場なのに設計まで変更して用意する根拠が説明できない!)。

仮にこの反論として挙げるなら、当時の日本製オールドレンズの状況を考えた時「下請け会社に構成パーツの一部を発注して納品させていた」ので、構成パーツの仕様が細かい部分で変化するのは考えられるワケです。同じ状況を当然ながら旧東ドイツでも想定させるべきですが、然しだからと言って何故に筐体外装の変更まで伴う設計変更を強いるのか、その理由の根拠に行き着きません。まさに当時の日本製オールドレンズのように内部の仕様変更に限定するだけで完結してしまう話です (つまり筐体外装の設計変更にまで及びにくい/何かしらの改善を狙い内部の構成パーツも仕様を決めて下請けに発注していたと捉えるべき)(笑)

もっと詳しく説明するなら当時の日本製オールドレンズの場合、確かに内部で使っている構成パーツの一部に仕様の変更が確認できますが、それはほぼ製造番号のシリアル値増分に従います (シリアル値の前後で構成パーツの新旧でバラバラに混在しない)。また合わせて筐体外装の仕様変更も装着先の一眼レフ (フィルム) カメラのモデル・バリエーション変化に従うところが「やはり製造番号シリアル値の法則に倣う」ワケで、たいていの日本の光学メーカーで製造 番号のシリアル値とモデル・バリエーションとの変遷は互いに似た動きをしています (オールドレンズを個体別に完全解体していくと設計や仕様の変更と使われている各構成パーツの変化もちゃんと追っていく事ができる)。

逆に言うなら、内部で使っている構成パーツの仕様に変化が生じた際、手持ちの在庫分の消化と共に新しい構成パーツの使用頻度は「必ず製造番号のシリアル値増分に倣う」とも言い替えられるワケで、この時「モデル・バリエーションの変遷にも追従していく」とも言えます (実際に数多くの日本製オールドレンズ/光学メーカー品を完全解体しているから説明/断言できる)。

ところが同じ手法で捉える事ができないのが旧東ドイツ製のオールドレンズだったり、或いはロシアンレンズだったりします(笑) 一方旧西ドイツ側のオールドレンズに関して言えば、とても日本製オールドレンズの立場に近似した法則性を見出す事が適うので「旧東西ドイツで何かしら開発/設計/製産に大きく影響する考え方の相違が顕在していたのではないか」との推定に至らざるを得ず、それこそがまさに「社会主義体制と資本主義体制の相違の一つではないか」と捉えるなら、当時の日本も今現在も相応に説明ができると言う次第です。

これはよくネット上の解説でオールドレンズのモデル・バリエーションを「旧型/新型」或いは「前期型後期型」など区分けする根拠として、筐体外装の外見上の相違や距離環/絞り環などの回転方向の違い、或いは刻印書体の相違やローレット (滑り止め) 形状の違いなどを基に指摘して解説しているサイトが非常に多いワケですが、ではそれらのサイトで必ず「それらの相違点を製造番号との関連付けで納得できる説明に至っている」のかと言えば・・必ずしもそうではないと言えるからです(笑)

余談ですがこの旧東西ドイツ時代の (オールドレンズの) 話をドイツ人としていると、話が進むに従い相手のドイツ人との会話の中で「元は同じドイツだ!」とか「東も西もない!」と言うフレーズを何度も耳にしました(笑) 特に「ベルリンの壁崩壊 (1989年11月)」事件以降の旧東西ドイツが再び一つにまとまった時を「旧西ドイツが旧東ドイツを併合した」と認識される事に酷く違和感を訴える/抗議するドイツ人が居る事を知りました。彼らにすれば元は一つのドイツだったワケで、敗戦国と言う認識や潜在意識が働くか否かは別として「東西ドイツ再統一と言うべき」との指摘を様々なドイツ人が訴えていると聞いたのが印象的でした。

つまりは同じ敗戦国ながらも国と民族を分断されてしまった運命を辿ったドイツ人の意識は、なかなか今の日本人には理解できない部分があるのだと肝に銘じた次第です。

すると今まで説明してきた内容と照らし合わせた時「開発/設計/製産に大きく影響するのは 国民意識ではなく国に於ける産業工業体制の概念/思想」なのだとの考えに至りました。同時にそれら概念/思想の相違は開発/設計/製産しているオールドレンズの個別の企業方針やポリシーさえも超越した「さらに大きなモノ」との認識に到達するしかなく、グローバルで捉えようとしてもミクロ/マクロレベルで捉えようとしてもいずれも同じような答えに至りそうで、何とも消化不良だったりします (国民意識が前提という結論に至らない)(笑)

簡単に言うなら、日本人の意識でこれら海外のオールドレンズを捉えようとすると、そこにはなかなか一筋縄ではいかない背景認識がどうしても必要なのだとの考えにしか到達し得ないと覚悟した次第です。

特に当時の社会主義体制国家だった旧東ドイツの時代に、その名だたる消えていった光学メーカーの設計技術者達に想いを馳せると、何とも遣る瀬ない気持ちになってしまいます(涙)

オールドレンズに対する自らの設計思想や情熱と合わせて、様々なモデルに対する思い入れや愛情に葛藤しながらもその時々の時代の倣いとして「大きなるモノ (要は国家体制)」には従わざるを得ず、いったい何処に妥協のラインを引くのか (タダでさえ光学系の設計で入射光の何を活かし何を殺すかの判断に苛まれているのに) 相当辛い部分が垣間見えたりします(涙)

こんな部分でもオールドレンズに対する (ある意味個体別の) 捉え方が変わるのだと、なかなか感慨深い気持ちになったものです(笑)

オールドレンズ・・本当に奥が深くてロマンに満ち溢れていますね!(笑)

↑上の写真 (4枚) は、このモデルのバリエーションとして並べましたが、それぞれバリエー ションが違います。それぞれのモデル銘が異なり以下のようになります。
左 端Cassarit 50mm/f2.8 (zebra) ※鏡胴にフィルムカメラ側モデル銘刻印無し
2枚目Cassarit 50mm/f2.8 (zebra) ※鏡胴にEdixa-Reflex刻印有
3枚目Auto-Cassaron 50mm/f2.8 (zebra) ※鏡胴にEdixa-Reflex刻印有
右 端EDIXA-Auto-Cassaron 50mm/f2.8 (zebra) ※外装意匠一新/新デザイン

するとモデル・バリエーションで捉えると、筐体外装のゼブラ柄の意匠から列記したまでが同一ながら「モデル銘の表記」だけが異なるワケです。しかも前述のとおり製造番号のシリアル値に対してこれら3つのモデルがバラバラに混在してしまいます (製造番号2022xxx〜231xxxx)。
そして最後ののみモデル銘の相違は以下に示したモデル銘のみ顕在し、ほとんどが同一な まま終息しています (製造番号2271xxx〜2387xxx)。
※製造番号のシリアル値はあくまでも当方がチェックした時点での範囲を示す

左側Steinheil-REGULA-Auto-Cassaron 50mm/f2.8 (zebra) ※筐体意匠他に同一
右側Cassarit 50mm/f2.8 (silver) ※ゼブラ柄以前のシルバー鏡胴時代

従ってまでのバリエーションは鏡胴などに「EdixaReflex」刻印が伴うのでセット先が同じ一眼レフ (フィルム) カメラのシリーズだった事が確実ですが、特にはセット先一眼レフ (フィルム) カメラのやはりモデル・バリエーションが後期の頃の仕様に変わっていたりし ますから、筐体意匠を一新してきた根拠が納得できます。

一方「前期型」に関してもセット先一眼レフ (フィルム) カメラのモデル・バリエーションが相当な数顕在するので、同じような理由でモデル銘をチェンジしていたのかも知れませんが、その変更しなければならない理由が全く不明です(笑) 唯一想定できるのはだけがセット用ではない単独供給だったのではないかとみています (鏡胴にEdixaReflex刻印が無いから)。

なおハッキリ言ってネット上でも決して銘玉扱いなどされず、どちらかと言うと「クセ玉」的な扱いで説明しているサイトのほうが多めなのですが、今までオーバーホール済でヤフオク! に出品した個体の「前期型」4本はどういうワケか3本のご落札者様が女性だったと言う、当方の出品個体の傾向から捉えると少々偏りが強いオールドレンズとの印象を持っています。

しかも皆さんこのモデルを実際に手に取ると「小っちゃくて可愛い」と言う印象を持つ方が多いのか(笑)、そのようなニュアンスの感想を頂きます。意外と知られていない (サイトで詳しく解説されないから) のですが、実はこのモデルは機能フル装備だったりします(笑) それでいて皆さんが仰るとおり本当にコンパクトで小さい筐体サイズなので、そのゼブラ柄のデザインが配色と相まり「可愛い・・」と言う印象に繋がるのではないかと勝手に妄想していますが実際のところはよく分かりません(笑)

ウ〜ン・・可愛いと言われればそのようにも見えるが・・。
むしろ当方には「気高き貴婦人」に映っていたりします(笑)

ちなみに、モデル銘は全てドイツ語なので「Cassarit (カッサリート)」「Cassaron (カッサロン)」で2番目のモデル銘を”キャッサロン”とするのは誤認と推定されます。

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ここでちょこっと装着先である一眼レフ (フィルム) カメラの話を解説すると戦前ドイツで1920年に旧西ドイツにあたるヘッセン州のWiesbaden (ヴィースバーデン) 市で会社名にもなる「Wirgin (ヴィルギン)」家の3兄弟 (ドイツ系ユダヤ人) により創設されたのがスタート地点になります。

あくまでも場所/民族からしてドイツ語の為「」は「」と言う発音にあたり、逆に「」は「英語のF」の発し方に近くなるので社名「Wirgin」は「ヴィルギン」が正しい捉え方です。

Heinrich Wirgin (ハインリッヒ・ヴィルギン) にMax Wirgin (マックス・ヴィルギン) とJosef Wirgin (ヨセフ・ヴィルギン) ですが、1938年時点でMaxだけが外れて残りの2人で会社運営していたものの、1936年に先に渡米していたMaxの助けにより当時ナチス政権によるユダヤ人迫害を逃れる為に渡米した後、戦後Heinrichだけが旧西ドイツに帰国して会社を再建したようです。

戦前時点で既にファインダーカメラの「Edinex I/IS/III」などを開発し発売していました (いずれもリーフシャッター式)。戦後1953年フォーカルプレーンシャッター装備の一眼レフ (フィルム)
カメラ「Edixa Reflex」を発売しましたが、一番最初に出荷したモデルは「Komet」銘で商標権に引っかかってしまい急きょ次の製産分からモデル銘を変更したようです。

この「Edixa (エディクサ) シリーズ」は相当多岐に渡るモデルが存在し、当初発売時点では右写真のように幾つかの光学メーカーから供給されたシルバー鏡胴の標準レンズをセットしていたようです。

従って「Edixa Reflex」銘で捉えると1954年が一番最初の発売タイミングになり、今回扱ったゼブラ柄の標準レンズをセット化してきたのはその後の1959年に登場していた「Edixa REFLEX D」ではないかとみています (右写真は一番最初のEdixa Reflex)。

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上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で あり転載ではありません。

一段目
左端からシャボン玉ボケが破綻して滲んでいきながら円形ボケを経て背景ボケへと変わって いく様をピックアップしています。そもそも標準レンズなので写真撮影した時こんなに大きい円形ボケに囲まれる事は少々想定しにくいので、おそらくこれら写真はエクステンション (焦点延長用の環/リング/輪っか/スリーブ) を間に介在させて撮っていると考えられます。

今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼での使用を前提とするならAF接点端子付エクステンションを介在させるのが最も扱い易い話ではないかと思います。また光学設計自体が3群3枚のトリプレット型が基本設計ですが、実は後で解説するとおり変形型タイプの光学系の為、一概に相応に鋭いピント面に至ると期待して係ると後悔します(笑) クセ玉と揶揄されるほどなので円形ボケの周辺部も収差が相当残りある意味「今ドキのインスタ映え」を狙うならエクステンションを噛まして拡大してしまう撮り方のほうがより効果的な写真を狙えると思います。

二段目
さらに背景に少佐の影響が現れ次第に溶けていく様子をピックアップしました (いずれもエクステンションを介在している写真と推察しています)。

当方で出品している他のオールドレンズにも一部にこの「エクステンションを介在させてボケ味をさらに滑らかにトロトロにさせている疑似マクロ化」があったりしますが、同じ考え方と言えます。

三段目
ようやく普通に撮影した時のピント面の鋭さを確認できるような写真を見つけました (左端)。まさに3枚玉トリプレット型らしい写り具合です。ところが左端の写真はコントラストがどちらかと言うとナチュラル的ですが、2枚目の赤いバラと3枚目の街並スナップはコントラストが高く出てしまい、特に街並スナップ写真は「まるで絵ハガキ状態」みたいな少々誇張過ぎな印象の (よくある) 絵ハガキのパターンです。

ここまで行くとコッテリ系を通り越して如何にも違和感しか残らない印象に堕ちてしまいますが(笑)、ところが一番右端の写真では本当に見事なグラデーションでコントの軟らかさをシッカリ表現できていると見えます。

四段目
さらにこのモデルは白黒写真になると「まるで別モノで撮った?」と認識するほどにダイナミックレンジが広く割り振られて (何故ならカラー成分は白黒写真のグレースケールでは256階調に振り分けられるから) 相当明暗部の耐性が高くなっているようにみられます (つまり黒潰れ
/白飛びしにくくなる)。

その意味でカラー撮影時と白黒写真とで「まるで二重人格三重人格」的な、ちょっと事前に期待できそうもない意外性のある1枚が撮れる楽しみがあったりします(笑)

光学系はパッと見で構成図だけを見せられると 典型的な3群3枚トリプレット型にしか見えま せんが、実は絞りユニットを挟んだ第2群〜第3群の 部分が固定で、距離環を回しても一切動きません!(驚)

従って距離環を回した時、刻印されている距離 指標値の無限遠位置「」刻印では右構成図の
 部分に第1群 (前玉) が位置しているものの、距離環を回し最短撮影距離位置「80㌢」に近づくに従い、どんどん左側方向に位置が移動していき
 位置まで繰り出されている状態になる「変形 トリプレット型構成」の設計を採っています。
(グリーンの矢印のように移動する)

これは実際にオールドレンズを手に持って距離環を回して、その時「後玉の状態」をチェックすれば簡単に理解できます。距離環を回しても「後玉が引っ込んだり出たりせず全く動いて いない」からです(驚)

星の数ほど存在するオールドレンズの中のいわゆる「3枚玉トリプレット型モデル」で括るとなかなかこのような光学設計のモデルは滅多に現れません(笑)

そしてその結果こそがまさに実写として「クセ玉」と受け取れられるのだろうとみているのでそれこそ前述のとおりAF端子付エクステンションを介在させて使うと、相当感激する写真を 手に入れられるような気がします・・。

なお前述の実写ピックアップの中で、一段目〜 二段目あたりで大きく被写体を撮影できていた 写真は「おそらく延長筒」を使い撮影していると推測しています (投稿者説明なし)。

もしかしたらヘリコイド付マウントアダプタの類を使っているかも知れませんが、AFが利くデジタルな環境で使う利便性を考えると「接点端子付エクステンション」の魅力が増します。

しかしそうは言っても「中国製」なので設計/造りの問題が顕在し、しかもそれで損傷を来す 先がカメラボディのマウント側となると泣くに泣けません!(怖) 

とは言っても一度使うとこの魅力は絶大なので(笑)、今までさんざん探していろいろな商品を (人柱的に) 買い入れて使いましたが、現段階で「総金属製」である点と最も恐怖なロックが効かずにグルグル回ってしまう」現象を試した結果、左写真のNEEWER製エクステンションが最も安全との結論に達しています (但し設計に問題がある点はその影響度が低いだけの話なので要注意品ではあります)。

重要なのは装着する際に意識せずにリリースマーカを合わせて「パチッ!」とロックさせてしまうのではなくリリースマーカーを合わせてハメ込んだ後に「恐る恐るゆっくりとロック方向に/時計方向に回してロック時のバチッ!を指で感じ取る」事が肝要になりますので、ご留意 下さいませ。

もしもロックが効かずにグルグルと回ってしまったら、慌てずに「ロック解除ボタン」を押しながら、空いている手のほうでゆっくりオールドレンズを回しながらほぼ一周すると、再び ロック位置まで到達するので、その時に取り外せば大丈夫です!(笑)

あくまでもオールドレンズをこのエクステンションに装着する際に「ゆっくり操作する」事を心掛ければ良いだけの話で、できればリリースマーカーの「●」部分を赤色マジックなどで着色して分かり易く施すとより安心です (オールドレンズ側マウント面とカメラボディ側の製品側面の●印2箇所を着色)。

他に市場に氾濫している様々なエクステンション (中国製) のなかで考えたら「まぁ〜まともな製品に近い」と言う程度のレベルですし、もっと言うなら「総金属製」はこの製品だけのようですし装着後に「ガタつきが一切ない」商品となるとこの製品だけのようです (但しNEEWERでもマウント面がブラック色の製品はプラスチック製なので要注意!)。何故なら、ガタつきが生じているとピント合わせのたびに画面が左右にズレて、ハッキリ言って当方のような短気な人間はイラッと来ます(笑)

・・何でこんな当方と一切関係ない製品の話まで検証して (実際に買ってるから!) ダメだッた製品は捨てるだけになるのにいちいちチェックしてこのブログに載せなければならないのかと本当に毎度ながら頭に来ると言うか「不条理すぎる!」と腹立たしいのですが、現実的な話で「オマエの整備がダメだからだろう?!」と語気を荒げてメールしてくる人が居るので・・・マジッでコワイです!(怖)

渡る世間は鬼ばかり・・なのでしょうかね(涙)

合わせてマウントアダプタとの相性問題についてもこのブログの最後のほうで細かく解説しているのでご参考程度まで・・(笑)

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程など詳しい解説は「Cassarit 50mm/f2.8 zebra《前期型》(M42)」のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。もともとご覧のとおり光学系第1群 (前玉) の位置が奥まった場所にあるので、撮影に際しフード装着の必要性が極端に低いと考えられ、それでいて特に開放f値「f2.8f4」辺りの写り方で相当に甘い印象を受けるのはやはり光学設計に拠るところが大きいのではないでしょうか。

また海外オークションebayですらこの「前期型」は意外に市場出現率が低く、年間でも数本レベルです。逆に「後期型」は今現在も溢れていて(笑)、市場価格も5千円前後なので単に安く 手に入れるなら「後期型」狙いも一手です。

逆にこの「前期型」はどういうワケか市場価格の高騰傾向にあって1万5千円〜2万円台が主流です。冒頭解説の通り内部構造も使っている各構成パーツも全く同一なので、単に筐体外装の違いしか存在しないのですが不思議です(笑)

特に光学系のダメージが大きいモデルなので、なかなかキレイでスカッとクリアでとあ〜だこ〜だ要望していくと「後期型」でさえも手に入れにくくなったりします(笑)

なおこのモデルのピントの山はピークが非常に分かりにくいので、距離環を回すトルク感は故意にワザと「軽め」に仕上げています。

またこのモデルの「マウントアダプタとの相性問題」についてこのブログの最後のほうで細かく解説していますが、基本的に今回のオーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は「附属のマウントアダプタを使うのを前提」としている為、仮にお手持ちのマウントアダプタに装着した場合トラブルが発生する懸念はありますが、それは当方のオーバーホールが悪いのではなく(笑)、このモデルの仕様上の問題です。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。但し残念な事に後玉表面の中央に円形状の拭きキズが複数残っているのが光に反射させると順光目視できるレベルです。薄くて微細なので写真に影響するレベルではありません。

なお前後玉共に表面のコーティング層は経年劣化に伴うカビ除去痕などによりコーティング層のハガレが極僅かにあります (これも写真に影響なし)。

また光学系内にはオールドレンズに多い「気泡」が数点視認でき、パッと見で「微細な塵/」に見えますが3回の清掃でも除去できない「微細な気泡」です。

気泡
光学硝子材精製時に、適正な高温度帯に一定時間到達し続け維持していたことを示す「」と捉えていたので、当時の光学メーカーは正常品として「気泡」を含む個体を出荷していました (写真に影響なし)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群もLED光照射で極薄いクモリが皆無な状態ですが、前述のとおり後玉表面中央に複数ある円形状の拭きキズは、光に反射させただけで薄く微細ながらも順光目視できます。

今まで扱った個体全てで光学系の状態が似たり寄ったりなので、製産時点のコーティング層蒸着が弱いのだと思います。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:10点、目立つ点キズ:6点
後群内:13点、目立つ点キズ:9点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(後玉に複数あり)
(後玉に極微細で薄い円形拭きキズ複数あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(但し後玉を光に反射させて順光目視可能な円形状の極微細な拭きキズが中心部に複数本あり/前玉側方向から光学系内を覗き込んでほぼ視認できないレベルなので写真への影響ありません)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり3回清掃しても除去できない為、拡大撮影で「気泡」との判定しています。
一部は一見すると極微細な「塵/埃」に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷をしていた為クレーム対象としません)。また「気泡」も点キズにカウントしているので本当の点キズは僅かしかありません
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動していますが、残念ながら内部で使っているスプリング (2本) は既に経年劣化で弱っており、オールドレンズに際し完全開放しないか最小絞り値まで閉じないかの二者択一になっています。仕方ないので最小絞り値「f22」まで閉じない状態に微調整して「完全開放する事を優先」しましたのでご留意下さいませ (事前告知済なのでクレーム対象としません)。

絞り環操作で絞り羽根が閉じていく時「完璧に正五角形を維持」しながら閉じていきますが「開放f値f2.8f16」で閉じるのをやめてしまい最小絞り値「f22」まで閉じきりません。これを閉じるように微調整すると逆に開放時に絞り羽根が顔出しした状態になってしまい、且つ絞り羽根開閉時のチカラ伝達位置が1箇所である事から歪なカタチになります。

仕方ないので完全開放側を優先し最小絞り値「f22」まで閉じない微調整で仕上げています。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

この当時の旧西ドイツ製オールドレンズの多くのモデルに共通的に指摘できる話ですが「筐体外装のメッキ加工が弱いので経年劣化に伴う光沢感の薄れが取り戻せない」状況です。これも仕方ないので現状のままとなっています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:軽めと超軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人によって「軽め」に感じ「全域に渡って完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。
・絞り羽根の制御機構で使われているスプリングが経年劣化に拠り弱っているため、絞り羽根を閉じていくとf16で閉じるのをやめてf22まで閉じきりません。完全開放する微調整を優先したので最小絞り値f22は改善できません(事前告知済なのでクレーム対象としません)。
附属のマウントアダプタ(SONY E規格)での使用を前提としています。またピン押し底面を使わない処置を講じている為、そのままご使用下さいませ。同梱の「ピン押し底面」も使えば他のほぼ全てのM42規格オールドレンズに対応可能です(ご自分で組み替え作業など行って下さい)。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『Auto-Cassaron 50mm/f2.8 (zebra)《前期型》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M39後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
K&F CONCEPT製M42→SONY Eマウントアダプタ (新品)
上記の附属樹脂製ピン押し底面リング (新品)

↑冒頭解説の通り「当時のオールドレンズとしてフル装備」なのに本当に小っちゃなゼブラ柄モデルです。基準「▲」マーカーも兼ねた「A/M切替窓」がちゃんと備わり「自動 (A)」の時は上の写真のように白色表示ですが「手動 (M)」になると色が切り替わって「」になります。

当初バラす前のチェック時点で絞り環操作がだいぶガチガチした印象でしたが、何と過去メンテナンス時にベアリングとスプリングが逆向きでセットされてしまったので内部で潰れていました(泣)

今回のオーバーホールで正しくセットし直したので絞り環のクリック感は「軽め」の印象に仕上がっています。またマウント面直前に位置する基準「」マーカーとも縦方向でちゃんと位置合わせが済んでおり、クリック感と絞り値とがチグハグなどと言う事もありません(笑)

↑今度はオールドレンズを回して反対側を撮影しました。ちゃんと一丁前にレリーズケーブルを装着できるようソケットが備わり連動します (レリーズケーブルは附属しません/ネジ込んでいく装着方法です)(笑)

A/M切替スイッチ」も相応にクリック感を保ちながら操作頂けるよう微調整しましたが少々軽めの印象です。スイッチ部の刻印表記がドイツ語なので「N.Autom」が「手動 (M)」になり窓の色合いは「」ですが、反対側にスイッチ操作すると「Autom」で「自動 (A)」で白色の「▲」に変わります (ブルーの矢印)。

↑さて、ここから本来当方が関知する義務を負わない話なのですが、何か不具合があると「アンタの整備が悪いからこんなことになっている!」と当方のオーバーホールのせいにされるので(笑)、いちいち面倒で仕方ないのですが解説していきます。

上の写真は多くの皆様が「マウント規格なのだからどんなオールドレンズも全て同一」と信じてやまない(笑)「M42マウント規格 (グリーンの矢印)」を解説しています。

マウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」が備わります (赤色矢印) が、実はこの絞り連動ピンの位置と太さが問題で今ドキの「マウントアダプタとの相性問題」を引き起こします。

しかしそう言うと規格なら全て同じだと頑なに主張を通す勢力が結構居るので(笑)、その対応の一環として今回の出品に際し専用のマウントアダプタを用意した次第です (その分の資金を当方が負担しており本当に迷惑千万な話の何物でもない!)(怒)

詳しい人が上の写真を見ればすぐに気が付きますが「絞り連動ピンがM42ネジ部に近接している」のが問題なのです。

ところがフィルムカメラ全盛時代は、いえもっと言うならこのモデルの設計時点では「将来マウントアダプタに装着する事を一切想定していない」ので、それを考慮した設計がそもそもされていません (当たり前の話)。

ところがこう指摘すると「M42マウントがそもそも規格なのだから今も昔も一切関係ない!」と頑固に言い切る人が必ず居ます(笑) そういう人は是非とも当方がヤフオク! に出品するオールドレンズはご落札頂かないようくれぐれもお願い申し上げます。

ここからはその「装着するマウントアダプタによってトラブルが起きる問題」要はマウントアダプタとの相性問題について解説していきますが、本来そんなマウントアダプタとの相性問題についてまで当方が責任と義務を負う事に「不条理だ!」との当方認識があるのを前提として知って頂きたいと思いますね!(怒)

するとオーバーホールしたのはオマエだろう?・・と来るので話になりません(笑)

↑何でも良いのですが、上の写真は手元にある別個体のM42マウントモデルを同じ方向 (後玉側) から撮っています。ご覧のようにマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」の位置 (赤色矢印) はM42ネジ部端から僅かに離れた位置 (ブルーの矢印) になっています (絞り連動ピンが細いから)。

これが数多く出回っているたいていのM42マウント規格 (グリーンの矢印) のオールドレンズの場合ですが、この当時の特に旧西ドイツ製オールドレンズの光学メーカー品は多くのモデルで「絞り連動ピンの仕様や構造が特異」なのでマウントアダプタに装着するとトラブルに見舞われます。

↑今回のオーバーホール済でヤフオク! 出品するオールドレンズ個体に「附属品として同梱したマウントアダプタ」が上の写真でK&F CONCEPT製「M42→SONY Eマウントアダプタ」です (中国製)。

↑このマウントアダプタは「ピン押し底面 (赤色矢印)」なるM42マウント規格の自動絞り方式のオールドレンズに対し「装着時に強制的に絞り連動ピンを最後まで押し込んでしまうピン押し底面を有する」マウントアダプタです。ご覧のとおりM42ネジ部のさらに奥に棚のように迫り出している箇所があります (グリーンの矢印)。

↑分かり易いようにさらに拡大撮影しました。棚のように内側にさらに迫り出しているのが見えると思います (赤色矢印)。このようなマウントアダプタを「ピン押し底面タイプ」と当方では呼んでいます。

↑実際にそのまま今回のオーバーホール済出品個体をネジ込んでいくと、ご覧のように最後までネジ込む前に途中で抵抗/負荷/摩擦を感じつつネジ込みが停止します (赤色矢印)。このままチカラを入れて最後までネジ込んでしまうと「パチン!」と言う大きな音がして内部のパーツが破断します!(怖)

↑この途中でネジ込みが止まってしまった時のマウントアダプタ内部の状態を撮影しました (カメラボディ側方向から撮影)。するとご覧のようにマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」の縁がマウントアダプタの「ピン押し底面の端に接触して干渉している」のが分かります (赤色矢印)。

↑それではこのK&F CONCEPT製マウントアダプタヲ当方が勧めているメリットについて解説していきます。但しこれらの解説はこのK&F CONCEPT社のホームページでの案内がなく「あくまでも当方が勝手に解説している内容」なのでご留意下さいませ (当方はこの会社と何ら繋がりがありません)。

ネット上の一部のサイトでは関係していらっしゃる方も確かに居ますが、当方は中国の会社とは一切か変わりがないので誹謗中傷メールを送信してくるのは御遠慮下さいませ

マウントアダプタの側面に「ヘックスネジ」が均等配置で3箇所あるので「ヘックスレンチ1.3」のビット (赤色矢印) を使って緩めます (完全に外さないようにして下さい)。

↑するとこんな感じで「M42ネジ部」が環/リング/輪っかで外れます (グリーンの矢印)。さらにマウントアダプタの内側にはもう一つのパーツで「ピン押し底面」と言う樹脂製の環/リング/輪っかが入っています (赤色矢印)。

↑実際に取り出すとこんな感じです。M42ネジ部 (グリーンの矢印) とピン押し底面 (赤色矢印) です。またマウントアダプタの内側にセットする為の置き場所がちゃんと備わっているのも確認できますね(笑)

↑この「ピン押し底面」には薬「0.4㍉分の凹み」が用意されています (赤色矢印)。

↑一方、この「ピン押し底面」だけをひっくり返して裏側を見ると、ご覧のように「 (たいら) 」なのが分かります (赤色矢印)。

つまりこのK&F CONCEPT製「M42マウント規格のマウントアダプタ」はピン押し底面を両面使いでセットできる「ピン押し底面の深さ調節機能を有する業界唯一のマウントアダプタ」なのです。

たかが「0.4㍉分の深さ調節」で何を大騒ぎするのかと指摘してきた人も居ましたが (とにかく当方がヤルことが気に入らないみたいです)(笑)、然し実際にその0.4㍉分の違いで絞り連動ピンの動きが正され「絞り羽根開閉異常」の改善ができる/叶う事例を当方自身が数多く見てきているので「敢えて大騒ぎしている」のです (実際に当方ブログを見てご自分で試して今まで諦めていた不具合が解消され嬉しくてメールしてきた方もいらっしゃいます)(笑)

こんなふうに解説すると今度はこの中国の会社から幾らかお金を貰っているのか?とのメールが来るので笑ってしまいます(笑) 要は何がなんでも貶したいんでしょうねぇ〜(笑)

そういう事をヤル事で鬱憤を晴らすと言うか、ストレス解消できる時代になったのだと、ある意味「利便性の追求には弊害も伴う」事を身を以て理解しているような感じです(笑) 何しろ精神面で未熟すぎるのでいろいろ反省しつつもいまだに (この歳になっても) 学習に勤しまなければならず、何とも人生山あり谷ありではなく「山ばかりじゃん!」と納得いきません!(笑)

↑上の写真は今回のヤフオク! 出品時に附属させている「当方が自ら負担して手に入れた同じタイプのマウントアダプタ」です。実は「ピン押し底面を外してある」のです (赤色矢印)(笑)

↑ウソを載せていると来るので(笑)、ちゃんと拡大撮影して掲示しています (赤色矢印)。本来セットされているハズの「ピン押し底面」がありません。

↑その結果どういうメリットがあるのかと言えば、上の写真のとおり「絞り連動ピンが一切干渉しない」のでちゃんと最後までオールドレンズをネジ込めて「絞り羽根開閉異常」にも見舞われずに済みます (赤色矢印)(笑)

さらに言うなら、ご覧のとおり「M42マウントのネジ部まで丸見え状態」なのをグリーンの矢印で指し示していますから、ウソではなくちゃんと「ピン押し底面を外している」のが間違いありません(笑)

何かしら因縁付けたいみたいで本当に面倒くさくて仕方ありません(泣)

↑このマウントアダプタに実際にヤフオク! 出品個体をネジ込んだ状態を撮りました。もちろん最後までネジ込めています (赤色矢印)。

ところがオールドレンズとマウントアダプタとの互いのマウント面に隙間が写っていると指摘が来るので次の写真のとおりです(笑)

↑このマウントアダプタは確かに「M42マウント規格」ですが、ご覧のとおりオールドレンズ側のマウント面に「1㍉弱」の突出が備わり、例えば当時の日本製オールドレンズでフジカ製モデルやmamiya/sekorシリーズなどのマミヤ光機製モデルなどの「開放測光用の突出がマウント面に備わるオールドレンズ」のその突出を避ける目的でマウントアダプタ側が対応した設計なのです (赤色矢印)。

従ってこのマウントアダプタにはそれらマウント面が突出しているタイプのオールドレンズすらちゃんと装着でき、最後までネジ込めるという有難味を備えています。

↑中国企業ばかり褒めちぎっていると指摘されるので(笑)、今度は日本製マウントアダプタも撮りました。やはりオールドレンズ側マウント面に「1㍉弱の突出」が備わります (赤色矢印)。

↑さらにM42ネジ部の内側を見ると、やはり「ピン押し底面」が用意されているのが分かります (赤色矢印)。

↑ちゃんと同じように拡大撮影して解説しています(笑) 日本製マウントアダプタは珍しくちゃんと「遮光板」まで備えた気の配りようですから、さすが「思い遣り大国ニッポン」といったところです (赤色矢印)(笑)

↑しかし残念ながら上の写真 (カメラボディ側方向からの撮影) のように今回のオーバーホール済でヤフオク! 出品する個体をネジ込もうとすると「再び絞り連動ピンが接触して干渉」してしまい、やはり最後までネジ込めません (赤色矢印)。

↑この時のオールドレンズをネジ込もうとした状態を撮りました。ご覧のように前出の中国製マウントアダプタ以上にネジ込めなくなっているのが分かります (互いのマウント面の隙間がさらに増大している)。これも同様無理にネジ込もうとチカラを加えると「バチン!」と言う大きな音が聞こえてきてオールドレンズ内部のパーツが壊れます (赤色矢印)(怖)

しかしこのマウントアダプタは今現在の最新型モデルはネジ込み停止位置を微調整できる機能が附加したタイプが用意されていますが、残念ながら「ピン押し底面の深さは微調整できない」ままです(泣)

皆さんが信じてやまない「技術大国ニッポン製マウントアダプタ」の現実です(笑)

ここまでの話で根本的な問題はむしろ当方のオーバーホールの内容だと受け取られる方は、是非ともこのブログ自体の閲覧をやめて頂くほうが心の健康上お勧めだと考えますね (もちろん当方がオーバーホール済でヤフオク! 出品するオールドレンズの落札もやめてください!)(笑)

要は今回のヤフオク! 出品に際し附属させたK&F CONCEPT製の「M42→SONY Eマウントアダプタ」は製品規格から逸脱して「全部で3種類のM42マウント規格オールドレンズに対応可能な唯一のマウントアダプタ」と言えるワケです。

《対応/装着可能なM42マウント規格》
絞り連動ピンの自動/手動切替方式を装備したタイプ
絞り連動ピンの自動/手動切替方式を装備しないタイプ
絞り連動ピンの仕様が異なる/ネジ部からさらに突出があるタイプ

と言う話です(笑)

↑特に前述のの仕様を備えるM42マウント規格のオールドレンズと言うと、有名処では旧東ドイツのCarl Zeiss Jena製シルバー鏡胴モデルの極初期〜前期型モデルの一部に見られる上の写真のような「ネジ部 (グリーンの矢印) から先にさらに突出がある (赤色矢印) モデル」が顕在するので、それらオールドレンズまでも全て「ちゃんと最後までネジ込める」話になり、相当利便性が高いと考えます。

さらにもっと言うなら「その状態でちゃんとM42規格のフランジバックに完全対応」も済んでいるので、何もかも安心だと言う一石二鳥の内容です(笑)

・・と、現実的な話でこれだけ実際に使う立場に添っていろいろあ〜だこ〜だ解説している サイトがどんだけ存在するのか!と言いたいワケですが (検証の為だけにマジで自分で購入してチェックしているから!)(笑)、ならばそれら検証に係った経費は単なる損金なのかと言えば「それらを勘案してオーバーホール作業の対価を乗せて即決価格を設定している」にも関わらず・・相変わらず皆さんの認識は「市場価格がゼッタイ!」と言うワケで(笑)、いつまで経っても「市場価格より相当高い!」認識のまま、オーバーホール済でヤフオク! 出品しているオールドレンズは落札されずに残ります(笑)

実はこれが「現実の話!」なのであって、当たり前の事を当たり前にやろうとすると、或いは落札者本位と想いを馳せてどんなにガンバッても・・すべては「市場価格より高い!」と認識されるワケで、ここにオークションを利用している「不条理」と、合わせて想定しうるあらゆる現象にまで気配りしてオーバーホールしているにも関わらず「それらは決して認められないまま過ぎてゆく」だけの話なのが・・恐ろしいかな現実なのです!(涙)

何故なら、実際に落札された方「お一人」だけしか当方の言い分は通らず、ネット上で閲覧されている大多数の方々は「懐疑的」なのが現実なのです(涙) ましてやヤフオク! だけが当方の活躍の場として捉えるなら「価格高すぎるじゃん!」だけで終わってしまい、ウォッチ数は 一向に増えないままと言うのが皆さんも見ていて分かる「現実世界」なのですね(涙)

だからこそ・・渡る世間は鬼ばかり・・なワケです!(笑)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離80cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはハレーション気味だったりします。

ご覧のとおり、いったいどこにピントが合焦して撮っているのか疑いたくなるほどに甘いピント面ですが、撮影時の拡大画面ではちゃんと手前側ヘッドライドの電球部分にピントが合っています(笑)

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」にセットして撮影しています。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮りました。

↑f値は「f8」に上がっています。

↑f値「f11」になりました。極僅かですが既に「回折現象」の影響が現れ始めてほんの少しだけ解像度が低下し始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

↑f値「f16」での撮影ですが、今回のオーバーホール済でヤフオク! 出品する個体に限って、絞り羽根がここまでしか閉じません。最小絞り値「f22」まで絞り環は回りますが絞り羽根は変化しません。

↑最小絞り値「f22」での撮影ですが、前述のとおり絞り羽根は動いていません (つまり相変わらずf16の写り方のままと言う話)。