〓 Carl Zeiss (カールツァイス) CONTAREX Planar 50mm/f2 silver《前期型》(CRX)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss (Oberkochen) 製標準レンズ・・・・、
『CONTAREX Planar 50mm/f2 silver《前期型》(CRX)』です。
このコロナ禍にあって、先月再び緊急入院してしまい体調が優れない日々が
続いています。皆様も同様大変な毎日を送っていらっしゃることとお察し
します
然しながら厳しさが募り悠長な事は言っておられず、今回に限り断腸の思い
でやむなくオーバーホール作業分の対価を省いた価格で出品します是非とも皆様のお力添えでお助け下さいませ・・
(ちなみに作業対価分の金額がバラバラなのは微調整など難度の違いです)
前回このモデルをオーバーホール済でヤフオク! 出品してからまだ2カ月と少しですが、累計で19本目にあたり、且つ光学系内がスカッとクリアな個体となると僅か8本目です。意外にもこのモデルの場合、光学系の第2群にあたる貼り合わせレンズにバルサム切れが生じてクモリが発生している個体が多かったりするので、調達に際し光学系の状態チェックは欠かせません (バルサム切れなら改善が難しい)。
◉ 貼り合わせレンズ
2枚〜複数枚の光学硝子レンズを接着剤を使って貼り合わせて一つにしたレンズ群
◉ バルサム切れ
貼り合わせレンズの接着剤/バルサムが経年劣化で剥離し始めて白濁化し薄いクモリ、或いは反射が生じている状態
今回出品する個体は残念ながら光学系内にカビの発生が生じており、特に前玉外周には菌糸状のカビ除去痕が全周に渡り残ってしまいました。前玉を光に反射させると角度によってそれらカビ除去痕が視認できますが、パッと見ではなかなか気づきません (実際オーバーホール後の商品写真/このブログの途中に掲載でも探さないと分からない)。
従ってこの当時の旧東ドイツはMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズ、特に中望遠レンズ100mmで表出する特大の真円なシャボン玉ボケでない限り、写った円形ボケにそれらカビ 除去痕の痕跡が写り込む心配をする必要もありません(笑)
また今回の個体は過去に一度メンテナンスされており、おそらく数年内と推測できますがデタラメな組み上げに遭い、正しく無限遠合焦しない状況に至っていました。
そもそも「観察と考察」が全くできない整備者で(笑)、さらにオールドレンズの「原理原則」すら認識できていない、まさしく当方のような「エセ整備者/整備者モドキ」だったので、解体する際に何でもかんでも回せば外せると思い込んでいて、距離環の固定位置をずらしてしまいました(泣)
このモデルの場合、シルバー鏡胴だろうがブラックバージョンだろうが関係なく、距離環ローレット (滑り止め) 部分は内部で「締付環」で締め付け固定されています。それが容易に外せるのなら問題ありませんが、普通のカニ目レンチでは歯が立たず、実際現在市場流通している カニ目レンチの中でも対応できるタイプがありません(泣)
それ故、別の方法で対応するしか手がないのですが、それが理解できていない整備者だった為「締付環」を外せずに、且つムリヤリ回そうと試みた結果「6㍉強ヘリコイドの固定位置が
ズレた」ワケです(泣)
従って無限遠位置の「∞」刻印位置もそれだけズレており、ちょうど距離環に刻まれている「距離指標値」の一目盛分ズレた位置で停止してしまう個体でした。
自分が今何をやっているのか全く分かっていないレベルの整備者であり、ヘリコイド (オス
メス) をネジ込む位置の問題を知っている整備者である事から「シロウト整備ではない」事が明白ですが、何とも恥ずかしい限りです (ロクなことをしません)。
それで当方同類の「エセ整備者/整備者モドキ」と言う表現に至る次第です(笑)
当方は自らを (自分で)「プロです」などと公言できないタチなので(笑)、つい最近このコトバを思い付いたので使う事にしました。なかなか自らの身の上を的確に表現できる良い表現だと 感心しています(笑)
ちなみに当方のオーバーホール/修理の経歴が10年だとしても「独学」ですから、苦しく辛い下積み時代をちゃんと経た「正真正銘のプロ」と同類などととても明言できませんし、ましてや自らを「匠」などととんでもない話です!(泣)
そのような表現はモノホンの「プロ/匠」に対し非常に失礼であり『転売屋/転売ヤー』たる 当方に当てはまる身分は、せいぜい「エセ整備者/整備者モドキ」程度と言うワケですね。
そしてそれら「プロ/匠」は正真正銘の王道技術とスキルを先代に師事することから伝授されているワケで、独学の当方がやっている作業など足元にも及びません(笑)
「プロ/匠」とは・・そのような孤高の存在なのではなのではないでしょぅか・・と憧れは尽きません(笑)
なお、今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品は、この個体のカビ除去痕の状況からいつもの「即決価格」(スカッとクリアな個体出品時) から10,000円分下げて「即決価格:79,500円」に設定しました。是非ご検討下さいませ。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はCarl Zeiss製『CONTAREX Planar 50mm/f2.0 silver《前期型》(CRX)』のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑「前期型」なのでコーティング層の放つ光彩が「アンバーパープル」で「アンバー」が主体
です。このCONTAREX版モデルの中で標準レンズとして考えた時、最も手頃な価格帯で流通している取っつき易い存在だと思いますが、意外にもヘリコイド (オスメス) の駆動が独自方式なので「整備済」か下手すれば「潤滑油注入」で軽い操作性に至っている個体を手に入れないとなかなかピント合わせが大変だったりします(泣)
しかしもしもヘリコイドグリースに「白色系グリース」を使っていれば「潤滑油注入」で早ければ1年遅くても数年でヘリコイド固着に至ります。その間どんどんトルクが重くなっていくのでその途中の個体だったりすると、なかなか距離環を回しただけで判定できる人はそう多くありません。
その意味で「整備済品」と「潤滑油注入品」との違いは、出品者が明記してくれないと分からないままかも知れませんね(笑)
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。但し冒頭解説の通り前玉外周には菌糸状のカビ除去痕が全周に渡り光に反射させると視認できるのでご留意下さいませ (事前告知済なのでクレーム対象としません)。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光学系後群側も透明度が高くLED光照射でも極薄いクモリが皆無です。但し後群側は前群に比べて「極微細な点キズが多め」なので、パッと見で「微細な塵/埃」に見えますが、オーバーホール工程の中で光学系の清掃を3回実施しても除去できなかった「極微細な点キズ」です (2点僅かに目立ち気味の点キズがあります)。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:11点、目立つ点キズ:7点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(後群内に極微細な薄い3mm長1本あり)
※但し実際はコーティング層の線状ハガレなので線キズではない為LED光照射で視認できません。
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(後群内に僅かに目立ち気味の微細な点状キズ2点あります)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
但し前玉外周に経年相応な菌糸状のカビ除去痕が全周に渡り残っており、順光目視で視認できます(写真への影響には至らないレベル)。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑9枚の絞り羽根もキレイになり絞り操作の機構部共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正九角形を維持」したまま閉じていきます。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・当モデルは絞り環を装備していません。絞り操作機能はCRX→LMマウントアダプタ側に絞り環を装備しており、刻印絞り値とは整合していません(本来フィルムカメラのボディ側で整合性を執る仕様なので正常です)。またマウントアダプタ側の最初の絞り値は「f1.4」の刻印ですが当モデル開放時は「f2.0」で一段分ズレており、これも仕様なので正常です(クレーム対象としません)。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
↑このモデルの仕様上の最短撮影距離は「30cm」ですが、附属の『疑似マクロ化』セットを使う事により最短撮影距離「25cm」まで短縮できています。
今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
① 汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
② marumi製MCレンズガード (新品)
③ 『CONTAREX Planar 50mm/f2 silver《前期型》(CRX)』
④ 汎用樹脂製バヨネット式CRXマウント後キャップ (新品)
⑤ CRX → LM マウントアダプタ (新品)
⑥ LM → SONY Eマクロ付マウントアダプタ (新品)
⑦ 汎用樹脂製SONY Eマウント後キャップ (新品)
※ フィルター外箱の中にフィルターケースが入っています。
↑実際に附属の『疑似マクロ化』セット (マウントアダプタ2個) を装着するとこんな感じです。解説の番号は前述に準拠。
↑まず最短撮影距離「30cm」まで距離環のローレット (滑り止め) を回して鏡筒を繰り出します (赤色矢印)。距離環の刻印距離指標値では「12”」になっていますね。
この時の操作方法は2つ目のマウントアダプタ「⑥ LM → SONY Eマクロ付マウントアダプタ」のマクロ用ローレット (滑り止め) を「ロック解除ツマミ」(赤色矢印) の位置にカチンと突き当て停止するまで回すと (ブルーの矢印①) それに連動してマウントアダプタ全体がズズ〜ッと「5㍉」分繰り出して上がります (ブルーの矢印②)。
従ってこの2つ目のマウントアダプタのマクロ用ヘリコイドを操作した時だけ「最短撮影距離が短縮化される」仕組みです。
なお上の写真でグリーンの矢印で指し示して解説していますが、鏡胴の基準「▲」マーカー位置とグリーンの矢印で指し示した「|線」位置が僅かにズレていますが、これは仕様であり「設定絞り値の目安を示す基準マーカー」なので、この黒色の縦線の位置に来ている絞り値が設定絞り値になります。
↑実際に2つ目のマクロ付マウントアダプタのローレット (滑り止め) を操作して全体を「5㍉」繰り出すと上の写真のようになります。ツマミの位置までローレット (滑り止め) を回しきると最大「5㍉分繰り出し」なので、もちろん途中で止めてもOKですが、その時の最短撮影距離は「25cm」ではなくなります (仕様上の30cm〜25cmの間)。
従ってマクロ用ローレット (滑り止め) を元の位置に戻せば (ブルーの矢印③)「5㍉分繰り出していた」全体も収納されて、再び「仕様上の30cm」に戻ります。もちろん距離環の位置が別に最短撮影距離でなくても原理は一緒です (繰り出せば仕様よりも近接できるし戻せば仕様上の距離に戻る)。
要は直感的に (意識せずに) 使えば良いだけで「撮影に没頭できる」ことを最優先とした考え方の操作性です。当然ながらマクロ用ローレット (滑り止め) を操作して「5㍉分」繰り出したままで無限遠位置「∞」に距離環をセットしても「無限遠合焦しない/近接しているので無限遠で合焦しない」ので、お間違いなきよう(笑)
《近接撮影の状況》※マクロヘリコイドの5mm分繰り出しで疑似マクロ化
◎ 最短撮影距離で突き当て停止+マクロヘリコイド回さず → 仕様上30cm
◉ 最短撮影距離で突き当て停止+マクロヘリコイド (5㍉) 繰り出し→ 25cm
↑上の写真はこのモデルの絞り羽根開閉動作とマウントアダプタへの装着について説明しています。
このモデルには絞り環が存在せず、代わりにオールドレンズ側のマウント面に「コの字型の切り欠きがある絞り羽根制御環」が備わっています (赤色矢印)。一方マウントアダプタ側の内側にも「絞り値制御キー」という突出した板状パーツが飛び出ていて (赤色矢印) それが互いに噛み合ってハマる事で絞り羽根の開閉制御が機能する仕組みです (グリーンの矢印)。
しかしここで注意深い人なら気が付きますが、オールドレンズ側のマウント面にもマウントアダプタ側マウント面にも「互いに絞り値の伝達機構が一切存在しない」点です。
つまりどうやってオールドレンズ側本体が、例えば今回は「開放f値:f2」をマウントアダプタ側 (ひいて言えばフィルムカメラ側) に伝えているのでしょうか?
どうやって開放f値が「f2.0」だと認識するのでしょうか???
答は簡単で、オールドレンズ側には「絞り値伝達機構が存在しない」ので、そもそも伝達する必要がありません。
従ってこのオールドレンズをマウントアダプタに装着する時は「ブルーの矢印で指し示している「●」リリースマーカー」だけを目安に合わせてから捻ると「バチンッ!」と大きな音が聞こえてちゃんと「コの字型切り欠き制御環にマウントアダプタ側キーが刺さる」仕組みです。
つまり互いが噛み合う位置を都度イチイチ気にせずとも「勝手に自動的に噛み合う」ように設計したからこそ「オールドレンズ側コの字型切り欠きがある制御環が斜めっている」設計なのです。装着時に聞こえてくる大きな音の「バチンッ!」はその斜め状の部分がバネの役目に働いて切り欠き部分に「正しくキーが噛み合った時の音」なのです (設計上板バネの要素を持たせている概念)(笑)
逆に言うなら・・。
このCONTAREX版オプション交換レンズ群は、その開放f値がモデルによってバラバラなので「コの字型切り欠きがある制御環の駆動域」で開放f値をフィルムカメラボディ側に伝達しているのです。だからこそオールドレンズをフィルムカメラに装着すると同時に自動的に開放f値がセットされて、フィルムカメラのボディ側に用意された「絞り値設定ダイアル」を回していくと絞り値が変化していく仕組みなのです。
要はオールドレンズ本体とマウントアダプタとを装着する時に気をつけるのはブルーの矢印で指し示した「リリースマーカー●の位置だけ」と言うお話ですね(笑)
このようなCONTAREXマウント規格の「装着方法」をちゃんと解説してくれているサイトが 見つからなかったので、今回明記しました。然し意外にも慣れてしまうとこの「バチンッ!」音が癖になって快感だったりします (いわゆる所有欲を充たす部類の快感)(笑)
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離30cm附近での開放実写です (1枚目の写真)。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
一方2枚目の写真はマクロ用ローレット (滑り止め) を操作して筐体全体を「5㍉分繰り出した状態」での最短撮影距離 (近接) 撮影であり、実測では仕様上の30cmから「25cm」と5cm分短縮化して撮った写真です (同じく開放実写)。
↑同様に絞り環を回して設定絞り値を「f2.8」にセットして撮った写真で、1枚目が仕様上の最短撮影距離:30cm、2枚目がマクロ用ローレット (滑り止め) を操作した近接撮影で最短撮影距離:25cmでの「f2.8」撮影です。
↑さらに回してf値は「f4」に上がりました。1枚目が最短撮影距離:30cmで、2枚目が最短撮影距離:25cmです。
↑f値は「f5.6」に変わっています。1枚目30cmで2枚目25cmです。
↑f値「f11」です。さすがにもうだいぶ絞り羽根が閉じてきているのですが、まだまだ「回折現象」の影響を感じ取れません。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。
↑f値はこのモデルの仕様上「f22」に到達していますが、何とまだまだ背景が僅かにボケています!(驚)
↑このモデルの仕様上の最小絞り値「f22」を越えた「f32」まで絞り羽根が閉じきっています (それでもまだ開口部があるからちゃんと撮影できている)。しかもまだ背景ボケがあるという状況です。
この『疑似マクロ化』はさすがにとっつきにくいと言うか分かりにくいようですが、今までにこのようなセット「疑似マクロ化/なんちゃってマクロ」で当方がオーバーホール済でヤフオク! 出品したオールドレンズをご落札頂いた方からは「総じてとても高い評価/認識」を頂きました。
やはり実際に使ってみないとこの「疑似マクロ化」の利便性や撮影の幅が広がる話はなかなか実感が湧かないようです(笑)
然し一度でもこの味を知ってしまうと「近接撮影が堪らない」と (今までマクロ撮影に興味があまりなかったのに) とオドロキの声をお聞きしており(笑)、要は別に徹底的に最短撮影距離にこだわらずとも「任意の距離/位置でマクロ要ローレットで繰り出してちょっと拡大撮影」が叶いさらにその時に「ご覧のように光量が増すので明るさとボケ量が増える」ので例えマクロ撮影に今まで興味がなかった人でも手に入れると「直感的に/意識せず操作できてクセになっている」とのご感想を何件が頂きました!(笑)
まさにそれが当方が狙っていた「撮影に専念できる使い使い勝手の良さ」であり、同時にお手元のオールドレンズが「一粒で二度美味しい」的な発想に転換できるワケで「それこそが写真ライフの愉しみ感倍増!」とも表現できますね!(笑)
何とも嬉しい限りで、まさにオーバーホールした甲斐があったと言うモノです!
ありがとう御座います!!!(涙)