◎ OLYMPUS (オリンパス光学工業) ZUIKO AUTO-MACRO 50mm/f2(OM)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、OLYMPUS製
標準マクロレンズ・・・・、
 『OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm/f2 (OM)』です。


今回の扱いが初めてですが、この当時も今も変わらずにOLYMPUS製オールドレンズの標準 マクロレンズとして、何十年にも渡りその名を轟かせ続けている銘玉中の銘玉OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm/f2 (OM)』です。

今回扱うのに際しいったいどの程度その描写性が優れているのかを知りたいと思っていたところ、スイスはKERN製標準レンズ「KERN-MACRO-SWITAR 50mm/f1.8 AR (ALPA)」を思い付きました。

さっそくネット上でこの2つのオールドレンズの写真を数百枚チェックしたところ「おぉ〜ZUIKOッてSWITAR彷彿しまくってるじゃない!」と唖然(笑) いえ、正直に言って諸収差などの乱れ方など見苦しさが全く無い写真を見てしまうと、余計にSWITARの汚さが目についたりしてしまうもので、比べるんではなかったとちょっと後悔です (だってSWITARメッチャ高!)

そうですね、とても「ハイこれ下さい!」とポチッできない価格なのがSWITARであり、とても庶民派とは言い難い存在です(笑)

本当は順番が逆で、SWITARとの比較をしてしまったが為に今回このモデルを手に入れてしまったワケで「とっくに清水の舞台から飛び降りていた」ワケです(笑) それだけに今回のオー バーホールでは相当「鼻息が荒い (フンッ!)」作業工程を経た次第です。

【お ね が い】
世の中の整備者の皆様、いえせめて日本の整備者の方々・・。
どうかどうか「白色系グリース」塗ったくりで光学系のコーティング層寿命を短くするメンテナンス・・やめて下さい!!!

本当にお願いだから・・やめて!(涙)


・・とイキナシお願い事からスタートしましたが、まずは以下の写真をご覧下さいませ。

↑上の写真は今回の個体を当初バラし始めた時に撮影した「鏡筒距離環まで」の写真です。

するとこのモデルには鏡筒の内部に「昇降筒」なる筒状の格納筒がもう一つ余計に組み込まれている設計なのですが、実はバラしたところ既に経年による「揮発油成分」が相応な液化になってヒタヒタと附着していました。

上の写真はその液化したヒタヒタ箇所を撮影したつもりだったのですが、写真下手クソなので上手く撮れませんでした(泣)

↑距離環を外してからまずは「ヘリコイド外筒」をグリグリと繰り出したところを撮りました。するとヘリコイドのネジ山に塗ってあるグリースは「白色系グリース」がご覧のように「まだまだ真っ白状態」なのが一目瞭然です。

と言うか、実はこれ「レンズ専用の本物の白色系グリース」なのです!(笑)

いわゆる何処ぞの通販店で今も販売が続けられている「紛いモノ白色系グリース」ではなく、正真正銘レンズ専用のグリースなので、ネジ山が擦れても「グレー状にアルミ合金材が摩耗しない」ヘリコイドグリースなのです。

要は「白色系グリース」にもモノホンがちゃんと存在すると言う良い例ですね・・。

そこで煩くバシバシとグリーンの矢印で指し示した箇所に「ヒタヒタと液化した揮発油成分」が附着している次第です (それを言いたかったの)。

↑さらにさらにヘリコイドをグリグリと繰り出していくと今度は「ヘリコイド内筒」側が現れました。

そうですね、このモデルは2つのヘリコイド (オスメス)  がセットで組み込まれている「ダブルヘリコイドシステム」の設計を採っています。

これは実は当時のOLYMPUS製オールドレンズでは至極当たり前の設計概念で「コンパクトな筐体サイズは絶対!」なので、それでいて繰り出し量を増やしたいとなれば必然的に「ダブルヘリコイド」やるしか無いワケです(笑)

ところが今回のモデルは「コンパクトと言うにはOLYMPUSのクセにバカデカ!」と言う筐体サイズで設計してしまった「ちょっと???」なモデルですョね?(笑)

その理由までちゃんと後で説明していますが、取り敢えず上の写真で言いたかったのはグリーンの矢印で指し示した箇所の「隙間」です。2つのヘリコイド (オスメス) を「内筒外筒」で互いにネジ込ませて繰り出し制御している設計ですから、そんなのはとうの昔1950年代からいくらでも当たり前に設計し尽くされてきた特に珍しい話でもありません。

ところが「内外ダブルヘリコイドの間に隙間???」があるとなると話は別で、いったい何の為に (何の目的で)「隙間」を用意したのでしょうか?

普通一般的な「ダブルヘリコイド」なら「内筒オス内筒メス/外筒オス外筒メス」と内外筒のネジ山が表裏でオスメスを切削しておけばそのまま互いにネジ込みで動いてくれます。

つまり赤色文字の「内筒メス/外筒オス」が表裏でネジを切削した筒になっていれば「その間に隙間は必要ない」事が誰にでもすぐに分かります。

・・ウン? じゃなんで隙間あるのョ?!

そうですね、整備している人ならすぐに気が付くでしょう(笑)「繰り出し量が多いのでトルクを軽くする目的で隙間を用意して材が撓るのを防いでいる」ワケです。つまり内外筒のネジ山に負担が掛からないよう隙間を用意する事で「抵抗/負荷/摩擦を相殺させている」設計概念ですね。

これ・・もの凄く頭いいです!(驚)

と言うか、OLYMPUSの生命線だった「コンパクトな筐体サイズ (小さく作る企業ポリシ〜)」を逸脱してでも相当なこだわりで設計してしまったモデルと言えます。こんな設計をしてしまって当時の設計主任は上司に叱られなかったのでしょうかね?(笑)

しかしここで一つ疑問が湧いてきます。繰り出し量が多いオールドレンズなど「いくらでも あります」し、もっと言うなら中望遠レンズや中望遠マクロならさらに繰り出し量が多くなるハズです。

ところがそれらレンズでは特に「隙間」を用意してトルクの相殺などやっていません!

辻褄が合わないウソを載せるんじゃない!とまたSNSで当方の批判がオンパレードなのだと 思いますが(笑)、実はこのモデルの「ピントの合い方」故にトルクの相殺が必須になってしまったのではないかと、当方は考察しています。
(あくまでも考察レベルです/設計主任知りませんから/話したこと無いですから)

それほどこのモデルのピント面は「あ゛ッ!」と言う間なのです。それこそ気持ちいいくらいにピタッとピントが合ったと思ったら、もう滲みはじめているワケで「あれ? ピント・・何処いった?」と言う感じです。

こうなるとピント面の前後で行ったり来たりを繰り返すシ〜ンも当然ながらあったりするワケで、その時にトルクムラが出にくい設計を考えた時「隙間だ!」と思い付いたのかどうかは 知りませんが(笑)「隙間」なのだと思います(笑)

↑しつこくまだグリーンの矢印で「液化したヒタヒタ」を指し示しています。「鏡筒」の内部にストンと落とし込まれる「昇降筒」を左横に並べ撮影しましたが「シルバ〜な鏡面仕上げ」で外周が設計されています。

もっと言うならオレンジ色矢印で指し示した箇所は「すべて鏡面仕上げ」なハズです。ところが前回のメンテナンス時に塗られてしまった「白色系グリース」のせいで揮発油成分によって「アルミ合金材の酸化/腐食/錆び」が生じてしまいぜ〜んぜん鏡面っぽくなっていません。
特にシルバ〜な外周部分を見ればザラザラとしているのがすぐに分かります。

そうですね、ここにも「白色系グリース」を塗ったくってくれたワケですが、はたして「鏡筒内部にまでグリースを塗るの???」と言うお話しです(笑)

このモデルはハッキリ言って「高難度」を通り越して「超難度モデル」ですから、解体しヘリコイドグリースを塗る事ができる技術スキルを持つ人となれば「プロの整備者」しか居ませんね(笑)

しかも今回の個体に塗られていたグリースは「モノホンのレンズ専用白色系グリース」ですから、プロの修理専門会社様に在籍している整備者の手による仕業と推測できます。

なにゆえに光学硝子レンズが入る場所の鏡筒内部にグリースを塗るのか???

もぅそれだけで当方はバラした途端に「哀しい気持ち」いっぱいでした・・(涙)

  ●               ● 

OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm/f2 (OM)』が発売されたのは1985年になりますから、当然ながら光学硝子レンズに蒸着しているのは「マルチコーティング」です。

今回オーバーホール済でヤフオク! に出品する計画で手に入れたワケですから、当然ながら 相当厳しい目で特に光学系の状態をチェックして調達しています。しかしそれでもイザッバラしてみると「全ての光学系に油膜いっぱい・・」と言うレベルであり(笑)、いささか黙り込んでしまいましたね(笑)

と言うか、それほど現在市場に流通している個体の光学系 (の写真) を見ると、ます以て必ず「第1群第2群」に極微かなクモリや非常に微細な「/」の類を写真の状態で確認できますから、その原因 (因果関係) はおそらく「昇降筒に塗ってしまったグリースのせい」ではないかと当方はみています。

左図はネットでゲットできる「カット図 (側面図)」ですが、あたかもそれらしく描かれていますが、当方がこの図を見た時すぐ「???」に陥りました(笑)

OLYMPUS製オールドレンズの開放f値「f2クラス」と言えば、まず 間違いなく光学系内には「昇降機能」を包括しているのが常です。

なのに「このカット図には昇降機能が無い!」ワケです・・(笑)

もっと言うなら、ネット上で整備の解説をしている人が大勢居るのに、どうして「昇降機能」を包括している話をしないのですかね???

整備作業の自慢話はいいから(笑)、肝心な部分をちゃんと載せてほしいといつも思います。

このモデルの「昇降機能」の設計概念を説明する為に当方が合成した解説用の図が左図です (従ってサイズなど正確ではありません)。

するとオレンジ色ライン部分が「鏡筒」を表しており、その中に「昇降筒」が組み込まれている事をグリーンのラインで示しています。

コトバどおり「昇降筒」なので繰り出したり収納したりを繰り返している部分ですね。

そしてその「昇降筒」に前玉から伸びている「反射防止環 (すり鉢状のフードを兼ねる部分)」が入ります (赤色ライン)。

つまり「昇降機能」によって繰り出し/収納を繰り返しているのは「グリーンのライン赤色ラインの部分」まるごとと言う話です。

↑当方がそう言っても信じない人が居るらしいので、仕方なく写真撮影しました(笑)

上の写真は疑似的に取り敢えず「反射防止環」をセットした状態で「昇降筒」が繰り出したり収納したりをしている動きを撮影しています。1枚目が収納時で「無限遠位置側の場合」です。一方2枚目は距離環を回しきって最短撮影距離位置まで繰り出した時の状態を想定した写真として撮影しました。

すると光学系前群側がそっくり丸ごと「昇降機能」で直進動している設計と言えますが今回 この解説で問題視しているのはそんな簡単な話ではありません!(怒)

光学系は7群9枚の独自構成で設計されています。右の構成図は今回バラした際に (清掃した時) 当方がデジタルノギスを使って1枚ずつ実測してトレースした構成図になります。

すると前述のネット上でバラ蒔かれている「カット図」の光学系構成図とはビミョ〜に違っている事が分かります。

第1群 (前玉) 〜第4群までをグリーン色で前述のカット図では着色して区別していますが「光学系前群」なのは間違いありません。しかし問題なのは赤色ライン (第1群〜第2群) とグリーンのライン (第3群〜第4群) の「大きく2つの塊」として2分割されている設計なのが問題なのです。

何を言いたいのか???

このモデルの「昇降機能」はOLYMPUS製オールドレンズの中でも類をみない「さらにこだわった設計」を採っており、鏡筒内部の「昇降筒」にグリースを塗った場合、その揮発油成分が簡単に分割している「2つの塊 (第1群〜第2群と第3群〜第4群) 」に廻ってしまう点を当方は 問題視しているワケです。

これが実は現在もなお市場に流通している個体で「光学系内が汚れて見える写真」の因果関係ではないかと考えています。

逆に言えば、今回バラしてみてそれほど「頑固な油膜」が光学系のコーティング層に付着していたと告白します!

【今回のオーバーホールについて】
ヘリコイドグリースは距離環のダブルヘリコイド (内外筒オスメス) のみに
塗布。昇降部はもとより絞り環もマウント部内部にも他の部位には一切
塗らずとも「これだけ軽い操作性を実現」と言う自信の仕上がりです。




上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。

一段目
左端から円形ボケが破綻して滲んで溶けていき背景の収差ボケへと変わっていく様をピックアップしていますが、そもそも円形ボケ自体が苦手なようです (実写が異常に少ない)。さらにピント面のエッジ (輪郭) を見ると骨太だったり逆に繊細だったりといったいどちらが正しいのか分かりませんが、実はこのモデルのピント面のエッジは基本的に繊細で細いようです。しかしピント面がとんでもなくカリカリに出てくるので強調されて「骨太なエッジの写真も撮れてしまう」と言う両刀使いなのが分かります。

二段目
ここではパッと見でソフト的に見える写真があれば、逆にススキの写真のように「明確なエッジを伴うピント面」も撮れてしまうことを言いたくてピックアップしています。このモデルの赤色表現は少々艶やかに振れます。

三段目
この段ではダイナミックレンジの広さを示す実写をピックアップしました。例えば左端のようなピ〜カンでも何ら白飛びせず/黒潰れせずキレイに階調表現できているところが凄いと感心してしまいましたし、2枚目のラベルのようなライトト〜ンな場合でもシッカリ階調を写し込んでいます。夕暮れ時もちゃんとギリギリまで潰れずに解像しているのがさすがです。

右端はちょっと懐かしくてピックアップしてしまいました(笑)

香港に2年ほど住んでいましたが、本当にマンションの裏側は上の写真のように乱雑な窓だらけです(笑) 明かりが点いていない部屋が多いのでおそらく明け方の写真だと思います。

四段目
左端の写真で鳥肌立ちました(笑) これだけ空気感/距離感を感じる写真を撮れる標準マクロレンズと言うのを、当方は知りませんね。2枚目の被写体の素材感や材質感を写し込む質感表現能力の高さが円形の壁面の質感をしっかり写し込んでいます。要は「フツ〜に標準レンズとして当たり障り無く使えて、然しホントはマクロレンズなの」と言う使い方が間違いなくできて しまう正真正銘の銘玉中の銘玉ですね(笑)

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。内部の構成パーツは環 (リング/輪っか) の集合体なので、撮影で使っている小道具の楢材のお盆に並びきりません(笑)

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。このモデルはヘリコイド (オスメス) が「ダブルヘリコイドシステム」なので独立しており別に存在します。

上の写真のとおり鏡筒の内外は一部を除いてほとんどが「鏡面仕上げ」ですが (オレンジ色矢印)、バラした直後の状態では冒頭写真のように酸化/腐食/錆びが進んでしまいザラザラ状態でした (本来は上の写真のようにピッカピカになるのが正しい)。

↑冒頭でバラした直後 (洗浄する前) の写真を撮りましたが、上の写真は既に当方による「磨き研磨」が終わった状態を撮っています。するとご覧のようにオレンジ色矢印の箇所は全て「鏡面仕上げ」です。

酸化/腐食/錆びしてしまった箇所を全てツルッツル/ピッカピカに磨き上げ(笑)、従って当然ながら鏡筒内部にグリースなど一切塗りません

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

↑こちらは「絞りユニット」ですが、ユニットと言うほどの厚みが全くありません (つまりベース環です)。

ここでのポイントは絞りユニットの絞り羽根が刺さる「ベース環」が「マットな梨地仕上げ」でメッキ加工が施されている点です。この「梨地仕上げ」により表層面の非常に微細な凹凸で経年の揮発油成分が流動する事を防いでいます

梨地仕上げ
金属表層面に微細な凹凸でメッキ加工する「マット (艶消し)/ブライト (光沢)」がある。

↑6枚の絞り羽根を組み付けてから右横に並べている「メクラ (被せる蓋のようなモノ)」をセットしますが、実はこの「メクラ」はエンジニアリング・プラスティック製なので、下手にバラす際に溶剤などを流し込むと「溶けてしまう」ので要注意です。

↑前述の絞りユニット「ベース環」の反対側を撮影していますが、既に組付けが終わり絞りユニットが完成している状態です。

ご覧のとおり絞りユニットの反対側には「絞り羽根開閉の制御機構」がこの薄いサイズの中に組み込まれています。それぞれ絞りユニットの外周部分に「制御爪/開閉爪」が飛び出ており、そこに「制御アーム/開閉アーム」が刺さる事で絞り羽根が設定絞り値まで開閉したりする仕組みです。

従ってここの工程での最大のポイント「難関」はグリーンの矢印で指し示した「絞り羽根開閉の微調整」であり (ネジの締め付け固定で微調整)、ここをミスると絞り羽根が閉じていく際適切な入射光制御にならなかったり、或いは完全開放しなかったりと「絞り羽根開閉異常」に繋がります。

さらにオレンジ色矢印で指し示している箇所は、当初バラした直後に塗布されていた「白色系グリース」の場所を表し「なんと絞りユニットにまでグリースを塗っていた」事が判明しています(笑)

↑完成した絞りユニットを鏡筒最深部にセットしたところです。鏡筒内壁がピカピカと「鏡面仕上げ」されているのが分かりますね (当方の磨き研磨により再び鏡面状態に戻ったから)(笑)

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。上の写真では写真下側が「前玉側方向」です。前玉側位置に配置されている「絞り環」と連結するアームがちゃんと飛び出ています。またマウント部側に向かって用意されている「絞り連動レバーガイド (差し込み口)」も当然ながら連係しています (赤色矢印)。

↑「ヘリコイド内筒オス側」をセットしたところです。「昇降ガイド」と言うスリット/切り欠きが側面に入りますね。

↑今度は後玉側方向から撮影しました。前述の側面に刺さっている「昇降ガイド (スリット)」には「昇降制御キー」が刺さっています。

するとグリーンの矢印で指し示していますが前の工程で解説したとおり「絞りユニット」に関連する部位は「マットな梨地仕上げ」のメッキ加工が施されており、一方オレンジ色矢印の部分は「鏡面仕上げによる平滑性確保」が施されているのが分かります。

当初バラした直後の状態では、これらの箇所には過去メンテナンス時に「白色系グリース」が塗られていましたし、もちろんヘリコイド内外筒 (オスメス) のネジ山にも、冒頭写真のとおり「レンズ専用白色系グリース」が塗られていましたね(笑)

しかし今回のオーバーホールでは「ヘリコイド内外筒 (オスメス) のみに限定してヘリコイドグリースを塗布」しています。つまりこれら駆動部位のパーツには一切グリースを塗っていません。

何故なら「梨地仕上げしてまでグリースを嫌っている設計」だからです(笑)

如何ですか???
はたしてこれらの点について世の中の整備者の方々はどのように弁明されるのでしょうか???
何故に「梨地仕上げ」の箇所にまでグリースを塗ったくるのでしょうか???

↑さらに「昇降機構」を組み上げていきます。「昇降用スリット (切り欠き)」にはグリーンの矢印で指し示したように「昇降キー」と言うシリンダーネジがポリキャップと共にネジ込まれ、これによって上下動する (直進動する) 昇降システムが実現できます。

実測して計算するとその「高低差凡そ4mm」になり (ブルーの矢印)、その分だけ「光学系前群」が繰り出し/収納している話になりますね。

↑今度はひっくり返して写真の上部が前玉側方向になるよう撮影しています。鏡筒に対してその内側にセットされている「昇降筒」が繰り出し状態で「約4mm弱」ほど飛び出ているのが分かります (シルバ〜な鏡面仕上げ部分が露出している)。

すると右横に前述の「昇降ガイド (スリット/切り欠き)」を並べて撮影していますが、そのスリットの斜め状の移動でシリンダーネジが駆動するので「水平/垂直両方向で移動」しているのが分かりますね。

ここがこのモデルの光学系設計上の最大のポイントです

光学系前群」は昇降機能により僅かに鏡筒内部で回転しながら水平/垂直の両方向で昇降している設計なのが分かります。と言う事は「光学系前群の設計は入射光を包括した設計」だと言えますね。

つまり昇降筒の上下動により入射光の「何を活かして何を捨てるのか」と言う選定を「光学系前群側」で行っている光学設計なのに気が付く事ができます。特に「第1群 (前玉) 〜第2群」が冒頭のカット図のように重なったカタチで設計されている理由が、これら「昇降機能」の設計概念で明確になりました。

つまり入射光の全てを使っていない事が分かると思います。それゆえこのモデルのピント面の合い方が「ピタッと突然合焦する」のに納得できるワケです

↑いよいよ「内外ヘリコイド筒 (オスメス)」の組み上げ工程に入ります。すべてはここの組み上げ工程でこの個体の使い易さが決まってしまいます。

ダブルヘリコイドシステム」なのでヘリコイド (オスメス) は「内筒/外筒」の2セットが用意されていますが、グリーンの矢印で指し示した「隙間」が冒頭解説のとおりポイントになります。この「隙間」の意味/理由をちゃんと「観察と考察」で理解できているのかどうかが最終的な「距離環を回す時のトルク」の仕上がり状態を左右します。

もちろん塗布するヘリコイドグリースの種別や粘性なども重要ですが、実は最も大切な話はこの「隙間」を理解しているかどうかです(笑)

それは今回出品するこの個体をご落札頂いた「ご落札者様1名様」だけが知るチャンスを与えられるワケですが(笑)、どんだけ「軽い操作性のトルク」に仕上がっているのか・・ですね(笑)

逆に言うなら「グリースを塗ったくらずとも理想的なトルクに仕上げられる事を実証した」と明言しているワケです

まさにこれこそが当方がこだわる「DOH」の成せる技ですね(笑)

↑上の写真は鏡筒内部を前玉側方向から撮影していますが「昇降筒」の中に光学系の「第3群第4群」がちゃんと解説のとおり組み込まれている事 (証拠) を示している次第です (何しろ当方は嘘つきらしいので証拠が必要)。ご覧のように光学系前群側は「2つの独立した塊」なのが明白です。

さらに右横に並べて撮っているのはもちろん「第1群 (前玉) 〜第2群」であり、これら「第1群第4群」までを含めて「光学系前群」と言うワケです。

なおグリーンの矢印は「マットな梨地仕上げ」メッキ加工を示し、逆にオレンジ色矢印は「平滑性のある鏡面仕上げ」と言うメッキ加工を指し示しています。

もちろんグリースなど一切塗っていません・・(笑)

↑今度は後群側方向から鏡筒の裏側を撮影しました。同様にグリーンの矢印で「マットな梨地仕上げ」とオレンジ色矢印の「鏡面仕上げ」ですね。

これらの事から (グリーンの矢印オレンジ色矢印) からどんだけ「グリース/揮発油成分などの油成分を嫌っているのか」がご理解頂けるのではないでしょうか。

従ってここにグリースを塗ったくる整備など「整備とは絶対言えない」と当方がこだわる理由です

↑距離環やマウント部が組み付けられる基台を撮影しましたが、側面に「制限壁」なる出っ張りが用意されているのを解説しています (ブルーの矢印)。

すると右端は「無限遠位置」になり左端が「最短撮影距離位置」になりますが、ここが距離環を組み上げる際の最大のポイントになってきます。

↑前述の「制限壁」にかかわるポイントについては後で解説します。まずは「ヘリコイド外筒 (オスメス)」を無限遠位置のアタリを付けた正しい場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

↑同様今度は完成している鏡筒 (ヘリコイド内筒:オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で9箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

↑さらに工程を進めます。上の写真はマウント部内部を撮っていますが既に当方による「磨き研磨」が終わった状態で撮影しています。

↑取り外していた個別の各構成パーツもすべて「磨き研磨」を施し組み付けました。上の写真グリーンの矢印で指し示した箇所には「薄いアルミ合金板」が「鏡面仕上げ」で組み込まれています。

実は当初バラした際にこのマウント部内部にまで「白色系グリース」が塗られていたワケですが、冒頭解説のとおり既に酸化/腐食/錆びが進行していました。

すると上の写真ブルーの矢印で指し示した「操作アーム」によって「プレビューボタン押し込み」に連動して設定絞り値まで絞り込んで絞り羽根が閉じていく仕組みですが、この操作が大変スムーズに滑らかに行われるのは「鏡面仕上げだから」です。

つまりマウント部内部の嵩を必要としないようちゃんと考え尽くされている設計なのがここの解説だけでも明白ではないでしょうか?

そこに「稼動部だから」と言う理由だけでグリースを塗ったくるので経年劣化に伴い酸化/腐食/錆びが進んでしまいます。

↑完成したマウント部を基台にセットしたところです。もちろん鏡筒先端部の「絞り環連係ガイド」も含め「制御爪/開閉爪」にそれぞれ「制御アーム/開閉アーム」が刺さって確実に連動しています (前述の写真赤色矢印のアーム)。

↑ようやく出てきました(笑) 前述の「制限壁」が用意されている理由を解説しています。

距離環の内側には「突き当て停止キー」がそれぞれ「無限遠位置側/最短撮影距離位置側」の
2個打ち込まれています (位置を微調整できません/赤色矢印)。

ここがポイントであり距離環をセットした際「無限遠位置∞を微調整できる」のですが「カチンと突き当て停止する箇所は微調整できない」事に整備者がちゃんと気が付いているのかを言っています。

上の写真で言えば、基準「」マーカーに対して距離環の「」刻印がピタリと合致していますが、はたしてその時ちゃんとカチンと突き当て停止しているでしょうか (グリーンの矢印)?

制限壁」のサイズや位置は決まっていますし「突き当て停止キー」まで固定となれば「∞位置の微調整ができない」話になります。

何を言いたいのか???

つまりこのモデルの「ヘリコイド内外筒 (オスメス) システム」は「適切なネジ込み位置が一つしか無い」事を意味しています。この点を勘違いしている整備者が非常にOLYMPUS製オールドレンズでは多いのが現実的な話です

それほどOLYMPUSのマウント規格は厳格なのだと言いたいのです

如何にも偉そうな事をほざいていますが(笑)、実は今回のオーバーホール工程では結局5回も組み直しを行い「適切なヘリコイドのネジ込み位置」を確定しました。それは単にヘリコイドのネジ山のネジ込み位置を決める話ではなく「あくまでも昇降機能に伴うピント面の鋭さ」ですから、必然的に最後まで組み上げて簡易検査具でチェックしつつまたバラしてはネジ込み位置を変更する作業を都合5回繰り返したと言う意味です。

つまり当方の技術スキルはその程度ですから(笑)、このブログをご覧の皆様方もくれぐれもご承知置き下さいませ。当方の技術スキルは低いです。

↑ベアリングを組み込んでから絞り環をセットしてこの後フィルター枠を組み込んで距離環のラバー製ローレット (滑り止め) を貼り付けてから無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行えば完成です。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。まさに「完璧」です! 設定している「即決価格」の価値が十分あると言う自信の表れでもありますね(笑)

当初バラす前の実写チェック時に「期待値ほど鋭いピント面ではなかった」写りが「カリッカリの鋭いピント面」に変貌しました!(笑)

その理由は「昇降筒の昇降量の微調整」をちゃんと光路長検査した上でキッチリ適合させたからです。

逆に言えば前回のメンテナンス時 (おそらく1年以内) にはキッチリ検査できていなかった事になります。

もっと言うなら、整備者が「昇降システムの原理原則」を全く理解できていなかったとも言い切れます

今までの工程で何度か出てきていますが「昇降ガイド (スリット/切り欠き)」に「昇降制御キー」さらには「約4mmの高低差」或いは「昇降システムそのモノ」など、凡そ複数の箇所で微調整機能が用意されているのがこのモデルの設計です。

設計者の意図を汲み取ったのか否か」がまさに問われるモデルとも言えますね(笑)

従って単に無限遠位置の適合だけで内外ヘリコイド筒 (オスメス) を適合させただけでは決して鋭いピント面を確保できません。内外ヘリコイド筒 (オスメス) のネジ込み位置はたったの一つしか適正ではありませんが、そもそも前述の数多く用意されている「昇降機能に纏わる微調整機能」と合わせて「必ず同時進行」で微調整していかない限り、このモデルは本来の鋭いピント面には至りませんね(笑)

同じことは中望遠マクロレンズの90mmでも当てはまりますし、もっと言えばOLYMPUS製「開放f値f2シリーズ」オールドレンズはほぼ全てのモデルで「昇降システム」を包括し、且つ同じ徹底的な設計思想で作られていると言えます。

その結果がまさに銘玉中の銘玉といまだに評価され続けているその描写性が裏打ちとも言えますね(笑)

↑光学系内はLED光照射でコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。そもそも当初の調達時の厳しい選定からして当然と言えば当然な話です(笑)

さらにその上「今現在残っている点キズだけが5回清掃しても除去できなかった極微細な点キズ」と明言できる「光学系内の完璧な清掃」が施されています。それほどLED光照射しながら何度も何度も清掃して徹底的に光学系内に侵入する「極微細な塵/」を取り除いています。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑もちろん光学系後群側もLED光照射で極薄いクモリが皆無なのは当たり前です(笑)

結局このモデルは「昇降機能」により光学系前群側をありったけ直進動させていますから(笑)
入ってきた入射光の中からそれぞれの距離環距離指標値の位置で「最もベストな入射光だけを料理」している光学系の設計概念なのが分かりますね。それ故、光学系前群のあの変わった (ある意味異質な) 重ね合わせ技法を敢えて採っているワケで、本当に素晴らしい徹底的にこだわった光学設計です (惚れ込んでしまいました!)(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:13点、目立つ点キズ:6点
後群内:18点、目立つ点キズ:10点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い7ミリ長が1本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・附属の中古フィルターは清掃済ですが微かな拭きキズなどが残っています(実用レベルでキレイ)。

↑附属品の中古MC/UVフィルターに純正の前後キャップを装着した状態を撮っています。

ハッキリ言ってこのままキレイな化粧箱に入れられて「これデッドストック品ですから」と 言われたらまるッきし信じてしまうレベルの仕上がりです(笑)

要はそんだけの自信があると言う意味ですが・・(笑)
ダテに「即決価格」を設定しているワケではありません。

↑当時のオリンパス光学工業のカタログにも記載されていますが、このモデルは距離環に (いつもはfeet刻印が併記) 撮影倍率が刻印されています。「最短撮影距離24cm」で1/2倍撮影のハーフマクロと言う次第です。下手に繰り出し筒に撮影倍率を刻印などせずに (この当時の他社光学メーカー品に多い)「シンプル・イズ・ベスト」を地でいっていますね(笑)

おそらくそれほど光学系の設計に意地を架けてこだわってしまったが故に「筐体サイズバカデカ!」と、この当時のOLYMPUS製オールドレンズ群の中にあって、どう言うワケか「異端児的な大きさ」ですが(笑)、それはその意味がちゃんとあった事がここまでの解説でご理解頂けたのではないでしょうか?

少なくとも当方はキッチリ理解できています(笑)
素晴らしいマクロレンズです・・(溜息)

無限遠位置 (当初バラす前の位置から適切な位置に微調整済/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離24cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に変わっています。

↑f値「f8」に上がりました。

↑f値「f11」です。「回折現象」なんて何処吹く風です(笑)

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑最小絞り値「f16」での撮影ですが、ご覧のとおりまだまだ背景がボケてますから開放f値「f2シリーズ」のまさに実力そのモノですョね?(笑)

ふわっ」と撮れるOLYMPUS製オールドレンズの特徴はもちろんですが、意外にもこのモデルはコントラストの高低が自由自在ですし (決してコッテリ系だけに偏らない)、素晴らしいダイナミックレンジと共に逆光耐性のモノ凄さも特筆です。

滑らかな階調表現や被写体の材質感や素材感を写し込む質感表現能力などの高さはマクロレンズである以上至極当然な話であり、そこにプラスして「あ゛ッ!」と言う間のピント面がスパッと合致する様は「チョ〜気持ちいい!」と断言できますね(笑)

それを「この軽さのトルク感」で仕上げてしまったところが、まさに当方のこだわり「DOH」の結果です (単に当方だけがこだわっているに過ぎません)(笑)

その意味で「本当に違いが分かる必要な人にだけ渡るように」と言う心積もりでの「即決価格」です!(笑)