◎ Carl Zeiss Jena (カールツァイス・イエナ) Tessar 50mm/f2.8 zebra(M42)

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今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧東ドイツの
Carl Zeiss Jena製標準レンズ『Tessar 50mm/f2.8 zebra (M42)』です。


たかがテッサー然れどテッサー」と言うワケで、鋭いピント面を表すが如く代名詞的な使われ方もするオールドレンズであり、近年ではスマホの実装レンズとしても再び脚光を浴びたりした、いまだに活躍してやまない大変息の長い光学系です。

また整備業界でも「テッサー仕上げられたら一人前」などとも言われる存在なのですが、如何せん当方はオーバーホールを始めて8年が経っているにも関わらず「いまだにテッサーを (まともに) 仕上げられない」輩の一人です(笑)

つまり当方は、何だかんだ言っても「半人前」に到達するかどうかと言うレベルの技術スキルしか持ち合わせていません (プロではないから)(笑)

恥ずかしい限りです・・。

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ネット上の案内やオークションを見ていると「鷹の目テッサー」と出ていることがあります。一方「鷲の目テッサー」とも呼ばれています。要は「鋭いピント面」を表す象徴として「鷹の目/鷲の目」と言われるのでしょうが、その「/」がどちらなのかが毎度ながら気になって仕方ありません(笑)

そもそも日本製オールドレンズの中で「鷹の目」と揶揄されながら、フィルムカメラ全盛時代に呼ばれていた銘玉はMINOLTA製「MC ROKKOR-PG 58mm/f1.2 (SR/MD)」です。では当時のヨーロッパでもピント面の鋭さを表す象徴として「鷹の目」と言う表現を使っていたのかと言う疑問に行き着きました。

そこでいろいろ調べて発見したのが左写真で、1954年当時の旧東ドイツ国内でのCarl Zeiss Jena広告です。

これを見ると「ZEISS-TESSAR Das Adlerauge Ihrer Kamera」とドイツ語で記載があり英訳すると「The eagle eye of your camera」になるので、ちゃんと「eagle eye (鷲の目)」とドイツ語で書いてあったことになります。

これで完璧に納得できました(笑) 旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaが「鷲の目テッサー」の異名を (ワザワザ鷲を意味するアイキャッチまで用意して) Tessarモデルに与えて広告していたことが判明しました。

オールドレンズというのは、このようにロマンが広がるので本当に楽しいですね!(笑)

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Tessar (テッサー) と言うモデル銘のクラシックレンズは、戦前ドイツで1902年に登場していますから相当な歴史の古さです。1930年代の戦前から戦後のいわゆるオールドレンズの範疇で捉えると、戦前の旧ドイツCarl Zeiss Jenaは戦後に旧東西ドイツに分かれて存在することになる為、旧東ドイツのCarl Zeiss Jena製Tessarと、旧西ドイツZeiss-Opton製Tessarといった同じブランド銘が2つに分かれて存在していた事になります。後に旧東西ドイツの「ベルリンの壁崩壊事件 (1989年11月)」により1990年には晴れてドイツ再統一が成され、東西に分かれていたCarl Zeiss JenaとZeiss-Optonも併合し現在のドイツではZEISSとして現存しています。

クィックリターン式ミラーを搭載した一眼レフ (フィルム) カメラ用の標準レンズとしてTessar 50mmが登場するのは1936年からになり、総真鍮製のズッシリした重みを感じる造りでした。
(製造番号:20xxxxx〜)

この時製産されていたのは開放f値「f3.5/f2.8」2タイプですが、初期の時点ではモノコーティングを示す「zeissのT」刻印がレンズ銘板にまだありませんでした (シングルコーティングだったから)。

戦中からパープルアンバーの2色の光彩を放つモノコーティングとして「zeissのT」が光学硝子レンズに蒸着されるようになると、戦後にはアルミ合金材の筐体で同じく開放f値「f3.5/f2.8」2タイプが出回ります。

【Carl Zeiss Jena (戦前〜戦後) コーティング技術の発展】
1934年ノンコーティング (反射防止塗膜の蒸着無し)
1935年〜:シングルコーティング (反射防止単層膜塗膜の蒸着)
1939年〜:モノコーティング (反射防止複層膜塗膜の蒸着:T)
1972年〜:マルチコーティング (反射防止多層膜塗膜の蒸着:T*)
※ 世界初の複層膜蒸着技術 (世界初の薄膜複層膜蒸着技術開発は1958年のMINOLTAによる
アクロマチックコーティング)

このコーティング層の蒸着技術の中で、よく間違われているのがシングルコーティングモノコーティングの違いで、戦前戦中のシングルコーティングは「ブル〜系」になりますが、戦中戦後のモノコーティングは「パープルアンバー」です。それは真空状態でコーティング層の塗膜蒸着時に「2つの資料 (基になる材料)」を使っているから2色の光彩を見る角度によって放つワケです。

例えば2色の光彩を放つとしても、仮に任意領域で別々の色合いに光彩を放っていたらそれは「斑模様」に見えてしまいますね(笑) つまり「見る角度によって異なる光彩を放つ」から複数のコーティング層が蒸着されていると言えるワケで、同時に「見る角度によって違う」のは「光の成分として波長が異なるから」とも言えます。

そもそも光学硝子レンズに入射光が透過する際、片面の反射で4%が失われます (硝子レンズは必ず表裏面があるので合計8%消失)。それ故、反射防止技術がまだ開発されていなかった (つまりノンコーティング時代) の光学系は、できるだけ光学硝子レンズの枚数を減らして開発/設計していました。

入射光は自然光ですから「色の三原色」として「」の成分として当時はフィルム印画紙に感光させていました (白黒フィルムでも256階調に近い成分でカラー成分を分光する必要がある為)。つまり光を「3つの成分として分光管理」させることで光学硝子レンズ面での反射防止が叶います。そこで最初に考え出されたのが、波長が短くて先に減衰してしまう「青色成分」の透過率を上げることで波長が長い「色成分」と対等に制御することを考えたのだと思います (つまりシングルコーティングの登場)。

次に解像度とコントラストを向上させる目的から「赤色成分」の透過率まで向上させ、同時に明るさを維持させるために「黄色成分」まで透過率向上を狙います。すると「パープル (青色成分)」と「アンバー (黄色成分)」の両方で全体の透過率向上を狙えるのでモノコーティングの必要性が増したと考えられます。結果、光学系内の幾つかの群でそれぞれ単独でシングルコーティング層を用意して「青色成分」或いは「黄色成分」をコントロールしてあげれば、最終的な後玉から射出する光の制御が叶うというものです。

ちなみに現在のデジタル技術ではRGB ()、或いはRGBY ()が色成分の三原色/四原色になり、特に4K/8K技術の黄色成分は輝度/明るさの向上として使われているので、まさに昔の概念と同じ発想と言えるのがオモシロイ
(白色を輝度とし強くすると彩度が下がりコントラスト低下を招く為使えない)

また1960年代に入るとさらに「緑色の成分」制御まで考え出されたようで、まさにMINOLTAの「アクロマチックコーティング (AC) 」技術が当時世界初の「薄膜蒸着技術」として登場し当時のライカにまで注目されました (後に技術提携に至る)。この薄膜蒸着技術が優れているのは既存の単層膜/複層膜/多層膜いずれの蒸着面に対しても薄膜で任意の量で追加できる点です。従って「まるで薬味のような味付け」としてカラー (色成分) コントロールができるようになったのが革新的だったと言えます (光学硝子レンズの群の別で制御せずに済むから)。

話が長くなりましたが、このような経緯を経てモノコーティングの「zeissのT」が当たり前になり、1966年にようやく今回扱うゼブラ柄モデルが発売されます (レンズ銘板からT刻印を省いた時代に入る)。

【モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった諸元を示しています。

1936年〜:シルバー鏡胴時代
コーティング層:シングルコーティング/モノコーティング
レンズ銘板:T刻印無し/有り混在
開放f値:f3.5/f2.8混在
筐体材質:真鍮製/アルミ合金製混在
絞り制御:手動絞り (実絞り)

1954年〜:シルバー鏡胴時代
コーティング層:モノコーティング
レンズ銘板:T刻印無し/有り混在
開放f値:f2.8のみ
筐体材質:アルミ合金製のみ
絞り制御:プリセット絞り

1955年〜:シルバー鏡胴時代
コーティング層:モノコーティング
レンズ銘板:T刻印無し
開放f値:f2.8のみ
筐体材質:アルミ合金製のみ
絞り制御:半自動絞り

1958年〜:グッタペルカ巻時代
コーティング層:モノコーティング
レンズ銘板:T刻印無し
開放f値:f2.8のみ
筐体材質:アルミ合金製のみ
絞り制御:自動絞り

1966年〜:ゼブラ柄鏡胴時代
コーティング層:モノコーティング
レンズ銘板:T刻印無し
開放f値:f2.8のみ
筐体材質:アルミ合金製のみ
絞り制御:自動絞り

1978年1989年黒色鏡胴時代
コーティング層:モノコーティング
レンズ銘板:T刻印無し
開放f値:f2.8のみ
筐体材質:アルミ合金製のみ
絞り制御:自動絞り

なお、1989年11月に「ベルリンの壁崩壊事件」が発生し1991年には東西ドイツの再統一が成された為、旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaは事実上1990年で旧西ドイツ側Zeiss-Optonに統合され消滅しています (製産を完了した)。

ちなみに、シルバー鏡胴モデルを以前オーバーホール済でヤフオク! 出品しましたが (こちらのページ)、M42マウントであるにも拘わらず規格上の問題から正直に案内しすぎてしまい全く人気がありませんでした(笑)

ところが、細かく詳しく案内せずに (知らん顔して) ヤフオク! 出品している同業者のM42マウントのほうが飛ぶように落札されているワケで、全く以て配慮が仇となった結末でした(笑)

そんなワケで、シルバー鏡胴モデルは当分敬遠することにしました (ヤフオク! の同業者から手に入れて下さい)。しまいには「M42マウントの規格が新旧あるなどウソばかり書いている」と罵られている始末で、ちゃんと検証 (実験) までしたにも拘わらず世の中厳しい限りです(笑) はたしてそれら落札した方々は、無限遠をどう対処しているのでしょうかね(笑) そういう部分にまで配慮しようと拘るからイケナイのだと、前回反省した次第です。

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上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。

一段目
左端からシャボン玉ボケが破綻して円形ボケを経て収差ボケへと変わっていく様をピックアップしています。たかが3群4枚のテッサーですが、ちゃんとシャボン玉ボケを表出できています。

二段目
左端写真を見ると分かりますが、決して違和感を感じないレベルの発色性なので、よく言われている「コッテリ系」に偏るワケではありません。2枚目実写のとおりコントラストは相当高めに出てくるので、原色が多いシ〜ンだと「コッテリ系」に見えるのかも知れません。しかしそれは次の空港写真で分かります。ダイナミックレンジが意外と広いので空間表現が得意とも言えますね。

たかが3群4枚のテッサー型構成ですが、いまだに様々な光学製品で基本成分として活用され続けている非常に息の長い設計です (1902年から100年以上続く)。

今回バラして清掃時にデジタルノギスで計測しほぼ正確にトレースした構成図です。
当方が計測したトレース図なので信憑性が低い為、ネット上で確認できる大多数の構成図のほうが「」です (つまり右図は参考程度の価値もない)。
(各硝子レンズのサイズ/厚み/凹凸/曲率/間隔など計測)

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。「初心者向け」とネット上でも案内されている非常にシンプルな内部構造ですが、その初心者向け」さえも当方が作業するとすんなりオーバーホールが完了しないワケで、ドンだけ技術スキルが低いのかを物語っていると思います(笑)

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒 (ヘリコイド:オス側) です。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

↑5枚の絞り羽根を組み付けて絞りユニットを完成させますが、このモデルは光学系第2群の格納筒で絞りユニットの締め付け固定を代用させている為、このままひっくり返すと絞りユニットがバラけてしまいます(笑)

↑仕方ないのでここで先に光学系第2群の格納筒をセットします。

↑完成した鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を立てて撮影しました。鏡筒下部には「直進キー」の役目を担う特大ネジが1本あります。

直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目

↑距離環やマウント部を組み付ける為の基台です。

↑ヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

↑後からでも良いのですが、ここで距離環を仮止めしてしまいます。

↑鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルは全部で9箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

↑ヘリコイド (オスメス) がネジ込まれた状態でひっくり返して撮影しました。

↑「プレビューレバー」の機構部を組み付けたところです。「絞り連動ピン」も既に刺さっていますが、ご覧のとおり「絞り連動ピン」はこの状態では真っ直ぐになっていません (マウント部を被せて初めて垂直状態に固定される)。

従って「プレビューレバー/絞り連動ピン」の両方が同じ「シーソーの原理 (テコの原理)」で連係動作します (ブルーの矢印)。

↑さらに別の角度を撮影しました。鏡筒内部の絞りユニットには「開閉アーム」が備わりスプリングによって「常に絞り羽根を閉じるチカラ」が及んでいます。一方「カム」が用意されていて「絞り連動ピン」とやはり連係動作で駆動するように設計されています。

ここで「絞り環」をセットしますが、カチカチとクリック感を実現しているのは鋼球ボールではなく、左写真のように「金属製の棒状ピン板バネ」によるクリック動作になります。

従って、板バネを弱めればクリック感は軽くなりますが、逆に言うと板バネが折れてしまう懸念が高いのでクリック感の強弱を微調整するのは難しいのが現実です。

↑「絞り環」をセットしたところです。これで初めて「絞り羽根の開閉制御」が完結することになります。

絞り環」には途中に「なだらかなカーブ」の制御壁が用意されていて、その勾配 (坂) に「カム」が突き当たることで「絞り羽根の開閉角度」が決まる仕組みです (ブルーの矢印)。「なだらかなカーブ」の麓部分が最小絞り値側で、勾配 (坂) を登りつめた頂上が開放側になります。

従って「プレビューレバー/絞り連動ピン/カム/開閉アーム」これら全てが互いに連係して駆動しているのが内部の状態ですから、この微調整次第でスムーズに駆動する個体に仕上がるのか否かが決まります。

つまりは、その微調整にいまだに手間取っているのが当方の技術スキルと言えるワケで、だからこそ「低いレベル」のままと言っています。

↑マウント部を被せて、ここで初めて「絞り連動ピン」が固定されたので、この時ちゃんと垂直状態を維持していれば「シャコンシャコン」ととても小気味良く絞り羽根が開閉動作してくれます。この後は無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。

修理広告     DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑ヤフオク! などでも整備済で数多く出回っていますが、当方にとってはキッチリ微調整を施そうと拘ると、とても頻繁に扱う気持ちにはなれない非常に神経質なモデルです。

だからこそ当方にとっても「たかがテッサー然れどテッサー」なのであり、いまだに修行途上の身の上なのでまだまだそう簡単には納得ずくで仕上げることができません(笑)

完璧な個体をお探しの方は是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様などで扱っている個体をお求め下さいませ (ヤフオク! でも整備済が数多く出回っています)。

↑今回の個体は光学系の透明度がこのモデルにしては恐ろしく透明でクリアすぎです。もちろんLED光照射でコーティング層の経年劣化に伴う極薄いクモリは皆無で、それ以前にキズと言うキズがほぼありません (せいぜい2mm長の極薄いヘアラインキズ数本のみ)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群が貼り合わせレンズなので、たいていの個体でコーティング層の経年劣化に伴う極薄いクモリやカビ除去痕が残っていたりしますが、今回の個体は「全て皆無皆無」の連呼です(笑) CO2溶解による極微細な点キズが数点あるだけでスカッとクリアな状態を維持した、テッサーにしては珍しい光学系です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(順光目視で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:9点、目立つ点キズ:5点
後群内:15点上、目立つ点キズ:10点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
・バルサム切れ:無し (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
光学系内の透明度が非常に高い個体です
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。クロームメッキのゼブラ柄部分も当方にて「光沢研磨」を施したので、当時のような艶めかしい眩い光彩を放っています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度と軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人によって「軽め」に感じ「全域に渡ってほぼ均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません (附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑完璧なオーバーホールが完了しています。ピントの山が少々分かり辛いモデルなので、距離環を回すトルク感は僅かに軽めの設定で仕上げています。本当はもう少し重めに仕上げたかったのですが、トルクムラが酷くなるのでやめました。こう言う部分が当方の技術スキルの低さ故です

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑珍しく「Carl Zeiss Jena」銘が入った樹脂製の純正被せ式前キャップが附属します (ちょっと嬉しいです)。当初バラす前の実写チェックでは「甘いピント面」でしたが、キッチリ光路長確保したので以下実写のとおり本来の鋭いピント面に戻ってくれました。これでこそ「鷲の目テッサー」と言えるピント面ではないでしょうか。

↑当レンズによる最短撮影距離35cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮りました。

↑f値は「f8」に変わっています。

↑f値「f11」になりました。僅かに「回折現象」が出始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑f値「f16」での撮影です。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。