◎ VOIGTLÄNDER (フォクトレンダー) COLOR-ULTRON 50mm/f1.8(M42)

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この掲載はオーバーホール/修理ご依頼分について、ご依頼者様や一般の方々へのご案内ですので、ヤフオク! に出品している商品ではありません。写真付解説のほうが分かり易いため今回は無料で掲載しています (オーバーホール/修理全行程の写真掲載/解説は有料)。
オールドレンズの製造番号部分は画像編集ソフトで加工し消しています。


好きこのんでこのモデル (バリエーションは複数あり) のオーバーホール/修理を承っている ワケではないのですが(笑)、この数ヶ月毎月のようにご依頼が来ているように思います。

以前ご依頼者様から教えて頂きましたが、数箇所の整備会社に問い合わせたところ全て断られたとのこと。確かに調整が相当難しいモデルなので何処の整備会社も敬遠したいのがホンネでしょう(笑)

気がつけば現状の不具合を聞いただけで内部の問題箇所が思い浮かび、具体的なその改善方法や調整まで見当が着くようになりました。喜ぶべきか悲しむべきか・・(笑)

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今回オーバーホール/修理を承ったモデルは、旧西ドイツのRollei社 から1974年に発売されたVOIGTLÄNDERブランドのフィルムカメラ「VSL1 TM」用のセットレンズとして用意された標準レンズ『COLOR-ULTRON 50mm/f1.8 (M42)』です。

マウント種別がネジ込み式の「M42」ですが、他にRolleiの独自マウント「QBM (Quick Bayonet Mount)」モデルもフィルムカメラ本体も含めて存在します。

しかし、このモデルの伏線は1970年にRolleiが発売したQBMマウントのフィルムカメラ「Rolleiflex SL35」がスタート地点になり、その時のセットレンズである標準レンズ「Carl Zeiss Planar 50mm/f1.8 SL (QBM)」が原型モデルです。つまり製産/供給していたのは当時のZeiss Ikonであり生産工場も旧西ドイツのブラウンシュヴァイク工場になり今回のモデルが製産されたシンガポール工場とは異なります。

【当時の背景について】
● Voigtländer (フォクトレンダー):

1756年にオーストリアのウィーンで創業したVoigtländer社は、その後1849年ドイツのニーダーザクセン州Braunschweig (ブラウンシュヴァイク) に移転し工場を拡張しています。戦後イギリス統治領となった旧西ドイツのブラウンシュヴァイク市でフィルムカメラなど光学製品の生産を始めますが、日本製光学製品の台頭により業績は振るわずついに1969年Zeiss Ikon (ツァイスイコン) に吸収されます。しかし1971年にはZeiss Ikonもフィルムカメラから撤退したため1972年にはブラウンシュヴァイク工場の操業が停止しました。その後、商標権はRolleiに譲渡されています。

● Rollei (ローライ):

1920年にドイツのハンブルクで創業したRollei社はフィルムカメラの生産を主として、旧西 ドイツのCarl ZeissやSchneider Kreuznach (シュナイダー・クロイツナッハ) 社からレンズの供給を受けていました。1970年にフィルムカメラ「Rolleiflex SL35」を発売しCarl Zeiss製の標準レンズ「Planar 50mm/f1.8 (QBM)」などをセット用レンズとしていましたが、1972年に生産工場が操業停止したため、Voigtländer社の商標権譲渡も含め自社のシンガポール工場へと生産を移管しています。その結果1974年に発売されたのがVoigtländer製フィルムカメラ「VSL1」から始まるシリーズ (〜VSL3) で「QBM」の他「M42」マウントのタイプも併売されていました。

時代背景と共に各光学メーカーのポジショニングを踏まえるとこのような流れになります。
なお、今回届いたモデルは以下モデルバリエーションの一番最後のタイプですが一般的に多いのはコーティング層が「パープルアンバー」の光彩です。ところが届いた個体はグリーン色の輝きも放つ3色タイプなので非常に珍しいです

【モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった要素を示しています。
※Rolleiflex SL35用Carl Zeiss製「Planar 50mm/f1.8」からの展開として掲載しています。

前期型

レンズ銘板刻印:Carl Zeiss銘
生産工場:旧西ドイツCarl Zeissブラウンシュヴァイク工場
コーティング:パーブルアンバー

PL5018中期中期型

レンズ銘板刻印:Made by Rollei
生産工場:Rolleiシンガポール工場
コーティング:アンバー

PL5018後期後期型

レンズ銘板刻印:Made by Rollei
生産工場:Rolleiシンガポール工場
コーティング:パープルアンバー

CU5018COLOR-ULTRON 50mm/f1.8」

レンズ銘板刻印:Voigtländer
生産工場:Rolleiシンガポール工場
コーティング:パープルアンバー


   
   

上の写真はFlickriverで、このモデルの実写を検索した中から特徴的なものをピックアップしてみました。
上段左端から「リングボケ・円形ボケ・背景ボケ①・背景ボケ②」で、下段左端に移って「解像・ダイナミックレンジ・質感・被写界深度」です。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)

開放f値「f1.8」と特に騒ぐほどでもないスペックですが、円形ボケからトロトロボケまでボケ味の幅は相当なものです。そして注目に値するのが下段左端からの3枚で、1枚目は今ドキの デジタルなレンズと比較してしまえば決して緻密とは言えませんが妙に画全体の解像感を感じます。さらに2枚目のダイナミックレンジがこのスペックからは想像もできません。暗部に紛れ然し決して黒潰れせず赤色をシッカリ表現できている素晴らしい写りです。3枚目の籐椅子も材である籐の質感をよく表しています。光学系の性能は相当なポテンシャルを秘めていると感心してしまいます。

光学系は6群7枚のウルトロン型になり、元祖Carl Zeiss製「Ultron
50mm/f1.8 (俗に言う凹ウルトロン)」とは光学系構成が近似しており、
第1群 (前玉) の凹みがより平坦に変更された設計 (平坦に近い平凸レンズ) になっています。

Carl Zeiss「Ultron 50mm/f1.8」

俗に「凹みウルトロン」と呼ばれているCarl Zeiss製「Ultron 50mm/f1.8」の構成図です。同じ6群7枚ですが前玉が凹レンズになっています。

その描写性能は折紙付きで開放からエッジを明確に出してくる非常に鋭いピント面を構成しながらも破綻のない緩やかな階調表現を有する銘玉です。

IFBAGON 50mm/f1.8 (M42)

フィルムカメラ「IFBAFLEX」用セットレンズとしても供給されていたM42マウントのモデルが存在しますが、出荷数が非常に少なく市場に出回る率も珍しいでしょうか。

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今回のオーバーホール/修理ご依頼は以下のような内容でした。

(a) 絞り羽根が「f8」までしか閉じない。絞り連動ピンを指で押すと「f16」まで閉じる。
(b) 絞り連動ピンが一般的なオールドレンズと比べると短い。
(c) 絞り環のクリック感が無い。
(d) 距離環や絞り環の刻印指標値が消えかかっている。
(e) 距離環のトルクが重く引っ掛かりを感じる。

【当初バラす前のチェック内容】
 マウントアダプタ装着時「f8」で絞り羽根停止。指の押し込みで「f16」まで閉じる。
絞り連動ピンの突出量は僅かに短く感じるが特に異常にも見えない。
絞り環は適正なクリック感を伴うので問題無し。
距離環や絞り環の刻印指標値は一部が褪色。
距離環を回した時に多少トルクが重い印象だが引っ掛かりは感じない。
距離環に僅かなガタつきを感じる。

【バラした後に確認できた内容】
過去メンテナンス時に白色系グリースを塗布している。
マウント部内部に潤滑油の痕跡あり。
距離環用ネジ山の一部が削れている。
 過去メンテナンス時に開閉アームを僅かに曲げている。
マウント部固定ネジが最後まで締め付けられていない。

・・とまぁ市場に出回っている個体に多く発生している症状なので入手する際は要注意です。

↑今回の個体から取り出した絞りユニット内のパーツで「開閉環」を撮影しました。

絞り羽根の表裏に「キー (金属製の突起棒)」が打ち込まれており、一方が「位置決めキー」で絞り羽根が刺さる場所を特定し反対側に「開閉キー」があり、位置決めキーを軸にして絞り環操作で絞り羽根が角度を変えて閉じたり開いたりしています。

その「開閉キー」が入る環 (リング/輪っか) が上の写真の「開閉環」です。開閉環には「開閉アーム」と「制御アーム」が備わっていますが、そのアームを1枚の板金からプレッシングだけで用意してしまったのがそもそも設計の拙さです

このモデルの「絞り羽根の開閉異常」のほとんどの根本原因が「開閉アームの変形」であり 今回の個体も上の写真のとおり変形していました。このようにフニャフニャと曲がっているのは経年の操作で自然に曲がったのではなく「過去メンテナンス時に故意に曲げられた」ことが判ります (製産時は真っ直ぐに垂直状態)。理由は後ほど出てきます。

↑次にマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」を取り出しました。上の写真グリーンのラインから左側が突出部分で右側がマウント部内部に入っている部分です。

 停止板:
必要以上に突出しないよう停止位置を決めている板
 軸:
この部分にスプリングが入って絞り連動ピンのクッション性を与えている。
 連結アーム:
絞り連動ピン機構部 (爪) との連結用アーム

ここで問題なのは「連結アーム」で今回の個体では真っ直ぐになっていますが正しくはブルーのラインのように極僅かに斜め状です (その差0.1mm程度の差)。冒頭の問題点の中(b)の原因であり僅か0.1mm程度なので突出量は見た目では正常にも見えます。

↑こちらはマウント部内部の写真で既に構成パーツを全て取り外した状態を撮っていますがバラした直後です。特に絞り連動ピンの格納箇所付近に「潤滑油の痕」が残っており、実際絞り連動ピン機構部 (爪) はベトベトしていました。

上の写真でマウント部は下側 (径が小さいほう) になり上側が前玉方向です。つまり経年劣化でヘリコイドグリースの揮発油成分が流れてきたと仮定すると「潤滑油の痕は逆の向きに残る」ハズなのです。従って絞り連動ピンの隙間から潤滑油を注入していたことが判明します。一部には赤サビまで生じているので相当な量を流し込んだのではないでしょうか・・。

↑既に当方による「磨き研磨」を終わらせて絞り連動ピンを組み付けた状態で撮影しました。「停止板」をご覧下さいませ。隙間が空いており停止板で絞り連動ピンが止まっていないことが判ります

↑絞り連動ピン機構部 (爪) まで組み込んだところを撮りました。

↑マウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」が押し込まれると (ブルーの矢印) その押し込まれた量の分だけ絞り連動ピン機構部の「」が首振りします ()。上の写真では絞り連動ピンが押し込まれていない状態ですが「停止板」には隙間があるので絞り連動ピンはこれ以上突出しない (つまり製産時の状態) と判断できます。何故なら前出の絞り連動ピンの写真でグリーンのライン箇所で絞り連動ピンの突出が止まってしまうからです。

と言うことは何を言いたいのか?

今回の個体に於ける「絞り羽根の開閉異常」は例えそれがマウントアダプタ装着時 (指で押し込むと正常) だとしても絞り連動ピンの突出量が問題ではないことになります。たまたまマウントアダプタに装着すると不具合が発生し、指で押し込めば正常なのでそう思い込んでしまっただけです。バラして具体的に構成パーツを逐一調べれば一目瞭然です (つまり絞り連動ピンの突出量は適正)。

なお、最初の写真で「開閉環の開閉アームの変形」が経年使用で自然に曲がったワケではない理由が上の写真のであり「爪の首振り運動」です。このように左右に (横方向に) 首振りするので外側方向に向かってアームが曲がるワケがありません

つまり過去メンテナンス時に「故意に開閉アームを曲げていた」ことも判明します。しかも フニャフニャと曲がっているので何度も何度も曲げていたことになります。

↑こちらはヘリコイド (メス側) を撮影しましたが、距離環側のネジ山の一部が削れていました (ブルーの矢印)。またヘリコイド (メス側) のネジ山も一部に経年腐食 (酸化) が半分ほど残っている (グリーンの矢印) ので、今回の個体は距離環が半分ほど回った状態で (繰り出したまま) 相当に長い期間放置されていたことが判明します。

従って残念ながらネジ山の削れや腐食 (酸化) からトルクムラが生じる可能性がだいぶ高くなります (理由はネジ山が細かく距離が長い為)。

↑こちらはマウント部をセットした状態で後玉側方向から撮影しました。赤色矢印のネジ3本がマウント部の締付ネジです。当初バラした際にこの締付ネジ3本のうち2本が最後まで締め付けられておらず緩んでいました。

このマウント部には「直進キー」と言う距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目のパーツがネジ止めされているので (上の写真でネジが2本並んでいるところ)、マウント部の緩みは直進キーの位置ズレを生じ、結果距離環のガタつきに繋がります。すると距離環を回した時にトルクムラや下手すれば引っ掛かりなども発生するので冒頭の問題点(e)が当てはまります。

ところがこれら締付ネジ3本は経年の使用で自然に緩みません (原理原則を理解していれば完全に締め付けるから)。つまり過去メンテナンス時に故意に2本だけ緩めていたことになり「常套手段」だったことになります。緩めることでトルクが重かった、或いはトルクムラを解消していますがそもそも「直進キー」の位置調整をしていないのでそのような症状が出てしまうのは当然です (常套手段でごまかした)。

↑オーバーホールの工程途中で組み上げている最中に撮りました。

開閉アーム
絞り連動ピンの押し込みに連動して爪に掴まれて瞬時に開閉する
制御環
絞り環と連係して設定絞り値まで動く環 (リング/輪っか)
カム
制御環のある「なだらかなカーブ」の勾配にカムが突き当たり絞り羽根の角度を決定
直進キーガイド
直進キーがスライドする場所

上の写真では「なだらかなカーブ」の麓部分にカムが位置しているので、絞り連動ピンの押し込み動作で (絞り連動ピン機構部の爪が首振りして) 開閉アームが勢いよく移動して最小絞り値まで絞り羽根が閉じます。

ここまでの解説である程度ご理解頂けたと思うのですが、今回の問題点はそのほとんどが過去メンテナンス時の「常套手段 (故意の所為)」が原因であり、そもそも過去メンテナンス時に「絞り羽根の開閉異常」が発生していたのをムリに調整したのが根本原因です。

絞り連動ピンの突出量が少ないワケでもなく、距離環のトルクが重い/引っ掛かりなども締め付けネジ (2本) の緩みが原因です。その結果ネジ山の削れが生じてしまいました。

しかし過去メンテナンス者は全てバラして組み上げられるスキルを有する人間なのでシロウト整備ではなくプロの手によるものです。要は「原理原則」に則って不具合の原因追及を面倒だと考え「常套手段」を講じたのでしょう。下手すればその時に絞り連動ピンの隙間から潤滑油を注入したのかも知れません (後かも知れません)。いずれにしても、このようなごまかしの 整備が蔓延っているワケで市場に流れている個体を入手する際は要注意です。

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ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。

↑完璧なオーバーホールが完了しました。ご覧のように光学系のコーティング層はパープル アンバーの他に「グリーン色の輝き」まで放つ3色の光彩なので、このモデルの中では非常に珍しいです。このグリーン色のコーティング層は前玉裏面と後玉裏面に蒸着されており、さらに前玉表面側はブル〜のコーティング層が蒸着されているのでちょっと初めて見た個体で相当貴重です (ッて言うか今まで知らなかった)。

↑光学系内の透明度が非常に高い個体です。光学系内の微細なヘアラインキズや点キズ、或いはコーティングハガレなどはそのまま残っています。

なお光学系第3群だけスリーブ環に過去メンテナンス時に固着剤を塗っていましたが、どう してそのような処置を施したのか不明です (製産時は固着剤を塗りません)。

↑後玉裏面にもグリーン色のコーティング層が蒸着されています。

↑マウントアダプタ (K&F CONCEPT製) 装着時でも正しく絞り羽根が各絞り値で開閉しますしフィルムカメラにセットしても適正駆動です。簡易検査具による絞り羽根の開閉幅 (開口部/ 入射光量) 調整とチェックが完了しています。

当初マウントアダプタ(K&F CONCEPT製) 装着時に絞り羽根が「f8」で停止していたのは過去メンテナンス時の調整 (カムの突き当たり調整) を実施していなかったからなのでマウント面 から飛び出ている絞り連動ピンの問題ではありません。

マウント部をセットする際に以下の項目について調整/確認しながら一気に被せるのですが、過去メンテナンス者はそれを理解していなかったと推測できます。

(1) 直進キーと直進キーガイドの噛み合わせ
(2) 絞り連動ピン機構部の爪と開閉アームの噛み合わせ
(3) なだらかなカーブとカムの位置合わせ
(4) マウント部組み付け箇所の位置合わせ
(5) もちろん無限遠位置合わせ (ヘリコイドオスメスの位置合わせ)

特に(1)(3)の調整をミスっていた為に具体的な不具合が改善できずに幾つかの「常套手段 (ごまかし)」へと繋がっていたワケで技術スキルはプロ並みでも「原理原則」の追求にはあまり拘らない人だったと言えるでしょう。

↑塗布したヘリコイドグリースは黄褐色系グリース粘性:軽め」を塗り距離環を回した時のトルク感は全域に渡って完璧に均一で「普通」或いは人よって「重め」に感じますが、当初に比べると軽いトルク感の印象です。距離環を回した時極僅かに擦れる感触が伝わりますがヘリコイドネジ山の削れが原因なので改善できません。ピント合わせの際は極軽いチカラだけで 微動できるので操作性はだいぶ良くなっています。

距離環や絞り環の刻印指標値はご指示により当方にて着色しました。

↑絞り環のクリック感はこのモデルの構造上の制限からこれ以上明確なクリック感に変更することはできません (当初と変化無し/冒頭問題点の(c))。

また距離環の極僅かなガタつきやトルクムラ/引っ掛かりなども締め付けネジの「常套手段」から発生している問題であり、過去メンテナンス時に既にトルクが重くなっていた (或いは トルクムラ) が生じていたと推測できます (今回のオーバーホールで改善させています)。

凡そ「原理原則」に則り、このモデルの本来適正であろう調整を施し (つまりは製産時の状態に近い) 理想的な仕上がりになりました。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

↑当レンズによる最短撮影距離45cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定OFF。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に変わっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。長い期間に渡りお待たせしてしまい申し訳御座いません でした。今回のオーバーホール/修理ご依頼、誠にありがとう御座いました。