◎ Asahi Opt. Co., (旭光学工業) Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm/f3.5(M42)

旭光学工業のTAKUMARシリーズは、当方でのオーバーホール済出品は今回が最後となります。次回の出品予定はありません。残念ながら今後の取り扱いは見送りますので、お探しの方はこの機会に是非ご利用下さいませ。

オーバーホールのために解体した後、組み上げていく工程を解説を交えて掲載しています。

すべて解体したパーツの全景写真です。

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ここからは実際に解体したパーツを使って組み上げていく組立工程の写真になります。

まずは絞りユニットや光学系前群を収納する鏡筒(ヘリコイド:メス側)です。

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実際に絞り羽根を組み付けて絞りユニットを完成させます。このモデルには「絞り羽根開閉幅調整機能」が装備されているので、大凡のアタリを付けて組み付けます。

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次の写真は距離環やマウント部を組み付けるための基台に、真鍮製のヘリコイド(オス側)を無限遠のアタリを付けた位置でネジ込みます。このモデルでは「無限遠位置調整機能」も装備しているので、大凡で構いません。

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鏡筒(ヘリコイド:メス側)を無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このネジ込みをミスると、いくら「無限遠位置調整機能」を装備していても、まったく当てが外れたネジ込み位置になるので、この鏡筒(ヘリコイド:メス側)のネジ込み位置は重要です。

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このモデルではマウント部をセットした後に、光学系後群を組み付けるのが少々面倒なので、先に組み付けてしまいます。

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極微細な点キズ3点と外周部附近にやはり極微細なコーティングスポット1点、第5群には2mm長の微細な塵が混入してしまいました。

次の写真はマウント部の台座です。

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絞り連動アームやカムなどの連係機構パーツを組み付けます。

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この状態で絞り連動ピンの押し下げにより、各部が正しく連係しているかの確認をします。その後でマウント部に絞り環をセットして基台に組み付けます。

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指標値環を基準マーカー位置を確認しつつセットします。

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光学系前群を組み上げてネジ込みます。第1群〜第2群に極微細な点キズが6点と2mm長の塵が混入しています。特にこのモデルでは7群7枚構成の変則的なレトロフォーカス型光学系になりますが、第3群が大きな「貼り合わせレンズの塊」になっているため、最近ではバルサム切れ (貼り合わせレンズの接着剤が経年劣化で剥離し始めて白濁化が進み薄いクモリのように見えている状態) の個体が増えてきているので「要注意」です。当レンズはとてもキレイな状態を維持しています。

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この状態で距離環を仮組み付けして、無限遠位置の確認と光軸確認、絞り羽根開閉幅の確認を行えば完成間近です。

ここからは組み上げが完成した出品商品の写真になります。現在でもゴロゴロと市場に多く出回っているモデルですが、整備済で安心して入手できることは少ないかと思います (特に光学系の状態)。

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中玉も大変キレイな状態を維持しています。

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絞り羽根もキレイになり確実に駆動しています。

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ここからは鏡胴の写真です。少々経年の使用感がある個体ですが、キズやハガレ、凹みなど目立たぬよう着色しており、当方の状態判断では「美品」としています。

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距離環や絞り環も大変滑らかで軽いチカラで駆動でき、ピント合わせの際も極僅かなチカラで微妙なピント合わせができるように仕上がりました。

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光学系後群も清掃によりキレイになりました。

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当レンズによる最短撮影距離45cm附近での開放実写です。

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このモデルはヤフオクでもゴロゴロと安値で出回っているので、わざわざ当方から入手頂く必要もないかも知れませんね・・しかも高い価格で(笑) しかし上記のようなオーバーホールを施した個体は、そう頻繁には出回っていないと思います。

今回は特に意識して (ワザと) ゴロゴロ市場に出回っている「TAKUMAR (タクマー) シリーズ」を採り上げて整備してみました。金属製の鏡胴で角形のローレットレに、ズシリと重みを感じられる造りの良さがまだまだ人気の的です。一通り各焦点距離でのモデルをオーバーホールした上で出品しました (残念ながら貴重な「20mm/f4.5」に関しては出品後5時間足らずですぐにご落札頂いたので今はありません)。

確かにこのモデルは (旭光学のレンズは) 数十年を経た今もなお、非常に滑らかな操作性を維持した個体が多く出回っています。当方のオーバーホールでもさらに、その操作性は改善され大変滑らかに軽いチカラで距離環や絞り環の操作ができるようになりました。しかしそのような整備済の個体を果たしてご落札頂けるのか・・??? それを承知の上で立て続けにまとめて整備しての出品です。

これはひとつの「検証」です。市場に流通量が多い日本製レンズを整備の上で出品したら、どのような結果になるか・・。この結果次第では次の同型モデルでの出品はありません(笑) それは、これだけの本数ですから相当な時間と手間を掛けての出品です。「TAKUMARシリーズ」に関する説明ではこちらのページのに少し解説をしています。やはり「価格優先指向」なのか、それとも整備された個体にも「魅力を感じられる」のか・・検証です。

残念ながら、旭光学工業の「TAKUMARシリーズ」 の取り扱いは今回が最後とします。お探しの方は、オーバーホール済の個体を入手されるチャンスですので、是非ご検討下さいませ。