◎ KMZ (Krasnogorsk) MC ZENITAR-M 16mm/f2.8(M42)
今回は「フィッシュアイレンズ」で有名な「MC ZENITAR-M 16mm/f2.8 (M42)」ですが、光学系前群の鏡筒を解体できなかったので、一部の解体にて作業を進めています。光学系後群に僅かなクモリが生じていたのと、絞り羽根に油染みがあったため解体して整備しています。
解体したパーツの全景写真です。
このモデルは鏡筒と絞りユニットとが独立しているので、ヘリコイドのグリスから揮発する油分が絞りユニットに附着し易い構造をしています。
この個体は、光学系の中玉にクモリが薄く生じているように見えていたので、解体したところ絞り羽根にも油染みが僅かに生じており、その揮発した油分が中玉に薄く附着していました。次の写真をそれを清掃した直後で、絞りユニットを解体してあるので絞り羽根も外れています。
この状態に絞り連動パーツを組み付けます。次の写真で大きく光学系後群の鏡筒周囲を囲っているパーツが「絞り連動カム」になり、絞り環の操作で希望した絞り値に絞り羽根の開閉幅を決めているパーツです。
絞り環から伸びたアームが絞り連動カムのコの字型の溝に噛んで、絞り環の回転に伴いカムが回転し、写真手前のなだらかなカムのカーブに従い、絞り羽根の開閉幅が変化します。上の写真では絞り値「f22」の状態に位置しています。
光学系後群を組み付けます。
次の写真は現在出品しているレンズの同梱品で、説明書の中にある「保証書」欄の写真です。
レンズ本体の他に、純正の前後キャップと専用のフィルター (4個) 、フィルター収納ケースに説明書と外箱が附属しています。
光学系前群です。光学系前群は解体できていないので清掃していませんが、キレイな状態を維持しています。
ここからは鏡胴の写真です。2002年製造の個体ですので、まだまだキレイな状態です。
距離環のゴム製ローレットも今回外して清掃しましたので、汚れなども無くなりました。絞り環なども汚れが附着していましたが、やはり清掃によりキレイになっています。
光学系後群も、極僅かですが油の揮発成分付着があったので清掃を施しています。キレイになりました。
後玉には既に専用のフィルター (UV) が装着済です。他に3個の各色フィルターが附属しています。
当レンズによる最短撮影距離30cm附近での開放実写です。なかなかの端正な写りですね。