◎ YASHICA (ヤシカ) AUTO YASHINON 5.5cm/f1.8 silver(M42)

オーバーホールのために解体した後、組み立てていく工程を掲載しています。

すべて解体したパーツの全景写真です。

AY5518s(0308)11ここからは解体したパーツを実際に組み上げていく組立工程写真になります。

まずは絞りユニットと光学系前群を収納する鏡筒です。富岡光学製のモデルになるので、絞りユニットの目隠し蓋自体には固定用のネジ穴が無く、鏡筒側面に用意された穴3箇所からイモネジで固定されます。

絞り羽根の組み付けに際してはペース環のひとつが真鍮製です。

AY5518s(0308)13次の写真は基台なのですが、既に距離環用のヘリコイド(メス側)をネジ込んであります。距離環の指標値板が固定ネジで締め付けられているのですが、さらに接着剤による接着もされており剥がすと曲がってしまうために今回は剥がしていません。

AY5518s(0308)14ヘリコイド(オス側)を無限遠域のアタリを付けて、正しいポジションにてネジ込みます。

AY5518s(0308)15次の写真はマウント部の基台です。

AY5518s(0308)16この基台に「自動/手動スイッチ」部を組み付けます。このマウント部の内部パーツがすべて「富岡光学製」を物語る同一のパーツであり、構造や組み付け手順も全くの同一です。

「富岡光学製」と言えるこれらパーツの「原版」は、当方プログにも掲載している富岡光学のOEMモデル「AUTO YASHINON 55mm/f1.2 TOMIOKA (M42)」の「出品中の商品写真」にて解説しています。

AY5518s(0308)17絞り環を組み付けます。この絞り環の「クリック方式」の構造と、絞り環の固定方法、さらには「自動/手動スイッチ」の構造など・・それらがすべてが富岡光学のレンズと同一になります。「富岡光学製」の「証」ですね。

AY5518s(0308)18基台を鏡筒をセットします。やはり鏡筒のセット方法も富岡光学製の場合、単に鏡筒を差し込んで前玉側より鏡筒固定環にて締め付ける方式です。鏡筒をスライドさせて差し込む際の「ガイド」がヘリコイド(オス側)の内部に用意されています。

AY5518s(0308)19光学系後群です。とてもキレイな状態を維持した個体です。数点の点キズしか見受けられず、ヘアラインキズやクモリ、或いはカビなども生じていません。富岡光学製のレンズの場合、特にカビの発生がそろそろ多くなってきているので、調達時には注意が必要です。

前玉の写真を撮るのを忘れてしまいましたが、前玉も数点の点キズのみで大変キレイです。

AY5518s(0308)20鏡胴に指標値板をセットして、この後距離環を組み付けて無限遠確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認をすれば完成間近です。

AY5518s(0308)21ここからは組み上げが完成した出品商品の写真になります。クロームメッキ部分の光沢研磨を施したので大変美しく輝いています。

AY5518s(0308)1光学系内部もとてもキレイな状態を維持した個体です。

AY5518s(0308)2フッ素加工が施された絞り羽根もキレイになり、確実に駆動しています。

AY5518s(0308)3ここからは鏡胴の写真です。経年の使用感がほとんど感じられない、とても状態の良い外観を維持していますね。

AY5518s(0308)4 AY5518s(0308)5 AY5518s(0308)6 AY5518s(0308)7スペック的には汎用レベルのモデルですが、富岡光学製らしい線の細いエッジを伴う描写特性はなかなか端正な画造りです。

発売後僅か1年足らずでマウントの仕様変更をしたようなので、元々生産数自体が少ないのかも知れませんが、市場ではあまり見かけないモデルだと思います。大変美しい鏡面仕上げの鏡胴です。

AY5518s(0308)8光学系後群も5点ほど極微細な点キズが見受けられますが,写真への影響はありませんでした。

AY5518s(0308)9当レンズによる最短撮影距離50cm附近での開放実写です。

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