◎ A.Schacht Ulm (シャハトウルム・ドナウ) S-Travelon 50mm/f1.8 R(exakta)
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今回の掲載はオーバーホール/修理ご依頼分のオールドレンズに関する、ご依頼者様へのご案内ですのでヤフオク! に出品している商品ではありません。写真付の解説のほうが分かり易いこともありますが、今回に関しては当方での扱いが初めてのモデルでしたので、当方の記録としての意味合いもあり無料で掲載しています (オーバーホール/修理の全工程の写真掲載/解説は有料です)。オールドレンズの製造番号部分は画像編集ソフトで加工し消しています。
今回オーバーホール/修理を承ったモデルは1961年に旧西ドイツのA.Schacht Ulmから発売された標準レンズ『Edixa-S-Travelon 50mm/f1.8 R (exakta)』です。今回も当方の琴線に触れる大変魅力的なモデルなのですが、ご依頼者様は毎月オーバーホール/修理をご依頼頂くリピーターの方です。この場を借りてお礼申し上げます・・いつも貴重な素晴らしいオールドレンズをご依頼頂き本当に感謝しています。
このモデルは当時発売されていたEdixa (エディクサ) と言うフィルムカメラのセット用レンズとして生産されていたようなのでモデル銘は「Edixa-S-Travelon」で始まっているのですが、他のフィルムカメラ用としても供給されていたようです。今回の個体を見るとレンズ銘板にはEdixaの刻印がありませんから単品で流通していた個体なのかも知れません。
よく判らないのが、全く同一のモデルにも拘わらずレンズ銘板に「Edixa-S-Travelon-A 50mm/f1.8」と言う刻印のタイプが存在しています。「S-Travelon」ではなく「S-Travelon-A」になっており、逆に「R」の刻印がありません。この「A」と「R」の相違はいったい何なのか、いまだに不明なままです・・筐体のデザインや指標値刻印から光学系のコーティングの色合いまで、すべてが全く同一です。
光学系は4群6枚の典型的なダブルガウス型で、その描写性はダブルガウスの特徴を良く表した画なのですが、どの絞り値で撮っても画全体が低コントラストになる独特な描写性です。発色性もクセがあり、どうもシアン成分が強調されているように感じます・・特にブルーの表現は独特で嫌味もなく、それでいてインパクトのある色合いで写し出されます。Flickriverにてこのモデルの実写を検索してみましたので興味がある方はご覧下さいませ。
オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。
↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。旧西ドイツのSchneider-Kreuznach製オールドレンズも同じなのですが内部の構造は総じて調整が厄介な設計が成されています。そして、構成パーツを共通化させて生産コストを下げる、或いは合理化させていく考えが全く無かったのではないかと感じるくらいに、同じモデルでも異なる構造で設計されていたりします。細かいパーツが増えても日本製オールドレンズのようにキッチリと収まるならば、たいして調整の必要も無いのですが旧西ドイツ製オールドレンズは意外にもアバウトな固定なので各部との連係には必ず調整が伴います・・正直、大変厄介なモデルばかりです。
↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。このモデルはヘリコイド (オス側) が独立しているので別に存在します。鏡筒はヘリコイド (オス側) の中に落とし込む方式で格納されて前玉方向から鏡筒固定環で締め付け固定する方法です。
↑6枚のフッ素加工が施された絞り羽根を組み付けて絞りユニットを完成させます。このモデルも他のA.Schacht Ulm製オールドレンズ同様鋼球ボールを使って絞りユニットを回転させる構造を採っています・・今回の個体は鋼球ボールが錆びついていなかったのでラッキ〜でした。鋼球ボールが錆びているとサビ落としが結構大変です (サビを落とさないと絞り羽根がスルスルと動きません)。
↑この状態で鏡筒を横から撮影しました。鏡筒裏側には絞り羽根を勢いよく開閉させるための「絞り羽根開閉アーム」が備わっており棒バネのチカラで常に絞り羽根が開放状態になるよう設定されています・・この当時のオールドレンズで多いのは逆で、常に最小絞り値まで閉じようとするチカラを及ぼす設計のモデルが一般的です。
↑鏡筒の反対側にはもう1本のアームがあり「絞り羽根開閉幅制御アーム」になっています・・絞り環で設定した絞り値まで絞り羽根を閉じる際に連係しているアームです。
↑だいぶゴツイ感じですが距離環やマウント部を組み付けるための基台になります。
↑上の写真は直進キーが備わっている環 (リング/輪っか) で、距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目のパーツでヘリコイド (オス側) のガイド (溝) 部分に、この直進キーが入ってスライドします。
↑こんな感じで直進キーがガイドの溝部分にハマり、距離環を回すとヘリコイドが上下動して鏡筒が繰り出されたり収納したりしている仕組みです・・回転するチカラを直進動に変換している。
↑まずは先にヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。
↑前述の直進キーの環をセットしてからヘリコイド (オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で7箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。
オーバーホール/修理を承っていると非常に多いのが「ヘリコイド・グリースを入れ替えてピントリング (距離環) のトルクを現状より軽くして欲しい」と言うご依頼です。現状、何かしらの原因で距離環を回す際のトルク感が「重く」なっていたり、或いは引っ掛かりがあるなど違和感を感じていらっしゃるワケですが、その改善には「ヘリコイド・グリースを入れ替えればOK」と言う考え方が多いですね(笑) 確かにヘリコイド・グリースを古いグリースから入れ替えるだけで改善できる場合もありますが・・それはむしろ非常に希です。
距離環を回す際のトルク感には、経年使用に於ける以下の事柄が影響していることが忘れられています・・。
- ヘリコイドのネジ山の摩耗状態
- ヘリコイド・グリースの粘性状態 (粘性の種類/相違)
- 直進キーの摩耗状態
- 絞りユニット制御機構との関係
- 連動系・連係系パーツとの関係
- 内部構成パーツの微調整
・・他にもありますが、大まかにはこんな感じでしょうか。従って、ヘリコイド・グリースの交換だけで距離環を回すトルク感が改善するのは希だと言わざるを得ません。
↑こちらの写真は絞り環用のベース環を写しています。このベース環の側面に絞り値に見合った位置で「溝」があり、そこに鋼球ボールがカチカチと填ることで絞り環の絞り値設定が成されます。そして、今回のモデルに関しては「ラック (ギア)」が用意されています。
↑実際に絞り羽根の角度を制御している「絞り羽根開閉幅制御環」を組み付けました。ラック (ギア) に対してピニオン (歯車) が噛み合っています。
↑組み付けた制御環を基台にセットしました・・こんな感じで組み込むワケですが、ラック (ギア) がもうひとつあります。歯車に対してギアは1つあれば足りそうな気がしますが、実は絞り環を回して回転している状態の中で歯車がギアと噛み合うので、その誤差を解消させるためにもう1つのラック (ギア) でピニオン (歯車) を押さえ込む仕組みです・・つまり歯車が2つのギアにサンドイッチ状態と言えます。
↑後からでは調整が厄介なので、ここで先に鏡筒をヘリコイド (オス側) の中に落とし込んで正しい位置に固定してしまいます。
↑基台の裏側を撮影しました。前述のラック (ギア) とピニオン (歯車) ・・つまりは制御環ですが、こんな感じで組み込まれています。絞り環を回すと、この制御環も一緒に回りますから附随する「ストッパー」の位置が変わっていきます。鏡筒から飛び出ている「絞り羽根開閉幅制御アーム」がストッパーに突き当たることで設定絞り値まで絞り羽根が閉じる仕組みです。
↑さて、いよいよ「被写界深度インジケーター」の部分を組み付けていく工程に入ります。今回のオーバーホール/修理ご依頼では「インジケーター左右が均等に開閉しない」と言う内容でした。絞り環を回すことで、それに呼応して「被写界深度インジケーター」の赤色マーキングが広がったり閉じたりして被写界深度を明示してくれる仕組みになっています。
従って、被写界深度インジケーターが左右に開閉する仕組みであることから、この部位にも「歯車」が1個存在します。上の写真では被写界深度インジケーターの背板 (バックパネル) の裏側に用意されている「歯車」を撮っています。
↑実際に被写界深度インジケーターを組み付けていく工程途中で撮影しています・・このような感じで左右のインジケーターにもラック (ギア) が用意されており、背板の裏側にあるピニオン (歯車) に噛み合うことでインジケーターが左右に均等に開閉する仕組みです。
↑被写界深度インジケーターの表示窓 (の環) を組み付けてインジケーター部分が完成した状態を撮っています。被写界深度インジケーターの下には「制御カム」が備わっていて、絞り環がカムの中心 (の穴) にネジ止め固定されるので、絞り環を回すと一緒に被写界深度インジケーターも左右均等に開閉していくワケです。
試しに絞り環をセットして回してみると小気味良く被写界深度インジケーターが左右に開閉・・のハズでしたが、上手く動きません! 何と向かって右側のインジケーターがすぐにズレてしまいます。つまり当初バラす前の状態に戻ってしまいます。今回のご依頼は「被写界深度インジケーターが左右均等に開閉しない」つまりは右側のインジケーターがズレていたワケです。
上の写真のようにキッチリと均等配置してインジケーターをセットしたのに絞り環を回した途端に右側のインジケーターだけが8mmほど離れた位置にズレてしまい均等ではなくなってしまいます。同時に、ガチガチとした操作性になってしまい絞り環を回すのに相当なチカラが必要になってしまいます。
再び、バラしてインジケーターを均等配置して組み直しました。念のため絞り環をセットして同じ操作をしてみます・・再び右側のインジケーターだけがズレました (しかも操作性はガチガチ状態)。
どうしてインジケーターがズレてしまうのか??? 左右のインジケーターを組み付ける際はキッチリと背板裏側の「歯車」にギアが噛んでおり問題ありません。カバーを被せて上の写真の状態までは組み上がるのですが・・絞り環を回すと何度組み直しても同じ状態に陥ります。5回ほど組み直しをしてから再度バラして暫く考えました・・原因が全く見当つきません。
↑悶々とした時間が過ぎていく中で・・ついに発見しました! 被写界深度インジケーターの化粧環 (透明窓) の環に1箇所「ネジ穴」があるのを見つけたのです・・しかし、当初バラしてく際には、この位置にネジは全く刺さっていませんでした。上の写真を見ても分かるとおりネジ穴にはネジ山が切られています。つまりは「部品の欠品」と言うことになります。
それで、もう一度化粧環やインジケーターそのものなどを細かく観察していくと、この「ネジ穴」の目的が見えてきました・・被写界深度インジケーターの左側は前述の写真のとおり「カム」が組み付けられているので歯車から外れないのです。ところが被写界深度インジケーターの右側だけは背板の「上部」に乗っているだけであり、歯車に噛んでいる状態のままで左右に開閉しているのです。つまり右側のインジケーターが絞り環を回した途端に回転するチカラが影響して浮き上がっているのです・・結果、右側のインジケーターだけが歯車から外れてしまいます。しかも、この時歯車からギアが外れるので絞り環もガチガチした操作性に陥っていました・・ネジが1本足りないではありませんか!!!
↑恐らくは欠品しているオリジナルのネジはイモネジ (ネジ頭が無くネジ部にいきなりマイナスの切り込みを入れたネジ種) だったのだと推察するのですが、マイナスの切れ込みの反対側 (つまり右側インジケーターにあたる部分) が「平」になっていないとインジケーターがスライドしなくなってしまいます。しかし、そんな特殊なイモネジなど当方にはありません。
仕方ないので代用できそうな小さなネジを化粧環の裏側からネジ込みました。この表側 (上) からフツ〜にネジ込んでも右側インジケーターを押さえ込むことはできるのですが、実はこの部分は距離環が回る場所になっていますから、この上部分にネジ頭が出っ張っていると距離環が止まってしまうのです。
↑ようやく絞り環を組み付けることができました。ガチガチした操作性にもならず正常な状態で絞り環を回すことができますし、被写界深度インジケーターも左右が均等に開閉するようになりました。ここまで辿り着くのに何と4時間を費やしてしまいました(笑)
実際には、被写界深度インジケーターの「カム」が僅かに変形しているので絞り環を回すトルクは少々ぎこちない印象です・・しかし、カムの正しいカタチが全く不明なので、これ以上改善ができません。申し訳御座いません。
↑こちらはマウント部内部を撮影していますが既に当方による「磨き研磨」が終わった状態で撮っています。マウント部内部は至ってシンプルで自動/手動スイッチ (A/Mスイッチ) が入っているだけです・・が、しかし、ここでもハマりました。
↑マウント部内部に固定されていたパーツを取り外して撮影しています。このパーツはシャッターボタンと連係して動いていますが、具体的には「絞り羽根開閉幅制御アーム」を動かして絞り羽根を「閉じる」ための「爪」になっています。
鏡筒側では常に絞り羽根が「開こうとするチカラ」が架かっているので、こちらの「捻りバネ」は逆の「絞り羽根を閉じるチカラ」を及ぼす目的です。ところが経年劣化で捻りバネがスッカリ弱っています。
↑この「爪」のパーツをひっくり返して撮影しました。何と軸は打ち込まれていました・・つまり解体できません。爪をご覧頂くと分かりますがサビが出ていたり腐食していたりしています。これが影響して捻りバネが弱ってしまったのだと推察します (従って解体して研磨しようと考えたワケです)。
こうなるとどうにもなりません。仕方ないので解体しないまま捻りバネのチカラだけを強めに調整しました (何しろ小さいので相当厄介な作業です)。
↑前述の「爪」の捻りバネが適正なチカラを及ぼすようになりマウント部を組み付けることができました。この写真を撮影するのも既に3時間が経過していました・・小さな捻りバネをイジるのに手こずってしまったのです。
ここで、今回の個体が過去のメンテナンス時に何を処置されたのかが明確になってきました・・捻りバネが弱ってしまったので被写界深度インジケーターの機構部が抵抗になってしまい絞り羽根が開閉しなくなっていたのです。それを改善する目的で右側インジケーターを押さえ込んでいた特殊ネジを「故意」に外してしまったのです。結果、右側インジケーターが絞り環を回すと同時に歯車から外れるので抵抗が低減されて、弱っている捻りバネのチカラでも問題なく絞り羽根を適正な状態に開閉させることができたのです。
従って、今回被写界深度インジケーターを直してしまったので、その機構部の負荷がそのまま抵抗として「爪」部分に架かってしまい、今度は絞り羽根の開閉異常を来してしまったのです (捻りバネが弱っているから)。
それに気がつくのに何時間かかったことか・・(笑) 正直、今回の作業は超ハードでした。それこそ組み直し回数は30回くらいやってます・・もうネジを見ただけで何処に使うネジなのかまで覚えてしまいました(笑)
被写界深度インジケーターの左右のズレが実はマウント部内部の「爪」に使われている「捻りバネ」から起因した問題だったとは・・さすがに現象を見ただけでピンと来ませんでしたねぇ〜。まだまだ修行が足りないです・・未熟さをヒシヒシと感じた次第です。
↑距離環を組み付けてから光学系前後群をセットして無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。
このモデルは「無限遠位置調整機能」を装備していないので (つまり距離環は1箇所で固定)、もしもここで無限遠位置がズレていたら再び完全解体して、工程の最初部分まで戻ることになります(笑) も〜ぉ、何でも来い状態ですよ。
ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。
↑意外と珍しいA.Schacht Ulmの『S-Travelon 50mm/f1.8 R (exakta)』です・・Edixaが附随していないモデルは初めて見ました。上の写真をご覧頂くと写っていますが、残念ながら光学系前群中央の「華 (花)」は除去できませんでした。これは確かにカビなのですが何とバルサムの中に花開いているので処置しようがありません・・申し訳御座いません。
↑光学系内の透明度は非常に高い個体です。しかし、残念ながら前玉表面のコーティング層がだいぶ経年劣化が進んでおりLED光照射では薄いクモリ状になっています。
↑こちらも残念な結果です。光学系後群の貼り合わせレンズもバルサムの中にカビが発生しています・・同様処置できません。申し訳御座いません。今回の個体は第2群と第3群の貼り合わせレンズ2箇所にバルサム内のカビが発生しており、どうしようもありません。バルサム内なので、これ以上カビが増えることはないと思いますし写真への影響も非常に少ないと考えます。
ここからは鏡胴の写真になります。経年の使用感を感じる筐体なのですが、A.Schacht Ulm製オールドレンズの場合はメッキ塗膜の成分が異なるので「磨きいれ」は本格的に処置できません。相応に施しています。
↑塗布したヘリコイド・グリースは「粘性:中程度と軽め」を使い分けて塗っています。距離環を回すトルク感は「普通」で全域に渡って「完璧に均一」です。このモデルはピントの山が掴みにくいので、それを考慮したトルク感に仕上げてあります。
↑オーバーホールが完了し、一応正常状態まで仕上げていますが、絞り環の操作性と絞り羽根の開閉に関しては再現性がないのですが時々不安定になります。原因は絞り環が極僅かにマチがあり、浮き上がるので、その際に被写界深度インジケーターが影響を受けてしまいます。また、例の捻りバネもチカラを強めにしましたが、既に経年劣化でバネ自体が弱っているワケですから、それも影響して絞り羽根の開閉が不安定になることがあります・・これ以上改善できません。申し訳御座いません。
↑当レンズによる最短撮影距離50cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。
↑絞り環を回して設定絞り値をF値「f2.8」にセットして撮影しています。
↑最小絞り値「f22」で撮りました。今回のオーバーホール/修理ご依頼、誠にありがとう御座いました。