♦ Carl Zeiss (カールツァイス) CONTAREX版 Planar 50mm/f2 (silver)《初期型》(CRX)
(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
写真を閉じる際は、写真の外 (グレー部分) をクリックすれば閉じます
※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss製標準レンズ・・・・、
『CONTAREX版Planar 50mm/f2 (silver)《初期型》(CRX)』です。
ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ! Слава Україні! Героям слава!
上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。
Slava Ukrainieie! Geroyam Slava!
前回に続き、今回もご落札頂きました!
ご落札者様・・ありがとう御座います!或る意味この前後玉の非常に薄いクモリは「撮影効果的に奇遇とも言えるほど絶妙な状況」との印象でもあり、これはこれでご活用頂けるかも知れません。いえ、活かす方向性でお使い頂けるだけで、当方的にはとても光栄に思います!(涙)
何にしても『製品寿命』に至らず、今一度花道に佇めるだけでも、この個体にとっても誉れであります! もう一度、ありがとう御座いました!
今回のオーバーホール済でのヤフオク出品は『ジャンク扱いでの出品』なので終了時期に1週間あてています。それを見据えて敢えてこのブログでの解説を徹底的に仕上げています (超長文です)。終了まで時間がある為、じっくり解説をお読み下さいませ・・きっと実装光学系についての新たなオドロキの発見があると思います(笑)
オールドレンズって・・本当にロマンがあって楽しいです!(笑)
(ジャンク扱い出品で大損でも、それだけ楽しみを味わったので気にしない)
今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた14年前からの累計で、当時の旧西ドイツはCarl Zeiss製標準レンズ「CONTAREX版 Planar 50mm/f2」だけで括ると28本目にあたります。その中で「シルバー鏡胴モデル」だけでカウントすると14本目になり、超希少な「シルバー鏡胴のブラックバージョンモデル」が僅か1本のまま、さらに鏡胴内部にフラッシュマチック機構を内蔵した「“Blitz“モデル」は13本のままと言う状況です。
・・何しろ当方が一番大好きなオールドレンズなので、何回でもアップしてしまいます!(笑)
今回のブログ掲載の目的は「光学系は4群6枚ではなく、5群6枚だ!」との告知を、その特許出願申請書の内容から紐づけすることで、現在のネット上の定説を根底から覆すことを主眼とします。
そしてもう一つ、実際に仕上がった出品個体の状況は、残念ながら前後玉露出面に非常に薄いクモリがほぼ全面に残るものの、試しに実写しているうちに「微かにハイキ〜に振れる程度の、フレア感ギリギリ手前の写りも或る意味
ステキなのかな???」との、撮影写真のハイキ〜な映りがあまり好きでは
ない当方には「却って新鮮な感覚を覚えた」点も実はホンネだったりです(汗)そこから自身の描写性に対する嗜好を改めるのかと問われれば、まだまだ微妙なところですが、確かにこういう写りの嗜好もアリなのかも知れないと、そういう意味の自己反省材料にはなった個体の仕上がりだったりもします!(汗)
(薄いクモリなら何でも良い話にはならない為、なかなかにその境界は難しい)逆に言うなら、それだけこのモデルの光学設計が秀でている『証』ではないかと、改めて認識できた機会でもありました。
但し、それを恣意的に「オールドレンズの代表的な写り」と仕向けるプロの
写真家などによる「印象付け操作」には、当方は相変わらず反対の立場です!
凡そネット上の解説は、海外の詳しいところも含め全てが「4群6枚ダブルガウス型光学系」としていますが、当方が今までの14年間に扱ってきた28本の「CONTAREX版 Planar 50mm/f2」は、その全てが「5群6枚ダブルガウス型光学系」でした。
・・一つとして4群6枚のダブルガウス型光学系を実装していた個体が顕在しない!
或いは一歩下がって当方が今まで扱った個体が「偶然4群6枚ではなかっただけ」と仮定するにも、リアルな現実にネット上でその4群6枚の光学系を撮影した写真を、どうして誰も載せないのでしょうか???・・特にこのモデルの光学系を取り出すのに難しいことは一つもありません(汗)
するとどうして当時の取扱説明書に掲載の光学系構成図が「4群6枚ダブルガウス型光学系」なのか・・との疑念がフツフツと湧き上がります(恐) しかもその取扱説明書には「カタチが異なる2種類の構成図が載っている」点も含め、現在のネット上の定説を「特許出願申請書の記述を100%完全翻訳して根拠に据える」ことで不可逆的な解説に挑みます。
・・この挑戦に今まで誰一人挑んでいない!(怖)
今回の挑戦では、根拠として参照する2つの特許出願申請書を使い、その記述内容を100%全てテキストに変換し/入力し、そこからさらにGoogle翻訳を経由しての和訳にまとめ上げます。その結果見えてきた内容から考察を進め「取扱説明書の掲載構成図すら5群6枚のダブルガウス型光学系だった」ことの裏付けとしていきます。
さらにこのモデルに実装している「5群6枚ダブルガウス型光学系」の光学硝子レンズの硝子種別についても、オソロシイほどに徹底した特異性について知らしめます (ネット上の解説とはまるで別モノです)。
そして最後は、リアルな現実にこのモデルのバリエーション中で実装していた光学硝子レンズのパターンを確定させ/現物写真を載せ、モデルバリエーションとは裏腹に「光学設計の変遷が顕在していた真実」すらまとめていきます・・そこに個体別に刻印の製造番号には、はたして法則性を見出だせるのか否か???
或いはそれらモデルバリエーションの中での決定的な相違が在るのか無いのか、その真偽まで追求し、光学系に関する集大成的な解説へと導きたいと思います!(努)
・・今回のブログ掲載はちょっとしたサスペンス/ミステリー的進め方にこだわってみたり(笑)
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
1959年に旧西ドイツはZeiss Ikonから発売された高級一眼 (レフ) フィルムカメラ「CONTAREX I型」が今回解説の装着先になります。
全モデルで捉えてもその製産台数が僅か約55,000台のようなので (wikiより)、高額さ故に世界中の富裕層にしか売れていなかったことが窺えます(汗)
大きな円形窓が軍艦部に備わりますが、TTL方式ではないものの、円形窓の中に組み込まれている「硫化カドミウム測光素子を使うCdSセル方式」により、ゆっくりにしてもとても高い精度で測光でき、且つそれに連動し絞り羽根開閉動作とシャッタースピードの両方を自動制御する世界初のクィックリターン式ミラーを装備した一眼レフ (フィルム) カメラであり、この
円形窓の様相を呈して「Bullseye (ブルズアイ:射撃の的)」と呼ばれています(汗)
当方は「極度のカメラ音痴」ですが(笑)、それでもこのようなギミック感が「ゆっくり時間が流れる古き良き時代の1950年代を堪能できる」との意味合いでとっても大好きです!(笑)
・・特にこの頃は「ピッカピカにクロームなジュラルミン仕上げの流線型レシプロ旅客機すら飛んでいた」時代ですから、あらゆるモノに流線型が流行り採り入れられ未来に大きな期待を込めていた時代を象徴し、当方は本当に大好きなのです!(笑)
戦時中に米国で造られていた初期のプラスティック材成形の携帯レコードプレーヤーなども、まるで流線型の走りで大好きで使っていましたが、割れて捨ててしまいました(涙)
つまり「CONTAREX版オプション交換レンズ群は、絞り環を装備しない」点が、一般的なオールドレンズとの大きな構造面での違いです。
(絞り羽根の開閉操作はカメラボディ側のダイヤル操作で行う)
「CONTAREXマウント規格」はマウント面の爪を重ね合わせて時計方向に回すだけの操作でロックする「スピゴット式バヨネットマウント」ですが、その際フィルムカメラ側マウント部に備わる「絞り羽根開閉連動機構と自動的に噛み合う」仕組みになっています。
これは「自動的に噛み合う」原理のシステムなので、仮にオールドレンズ側の絞り羽根がどのような位置に開閉していようとも一切関係なく「マウント装着時に100%自動的にどのような開放f値のモデルも任意の設定絞り値で噛み合う」機構として設計されている世界初の一眼 (レフ) フィルムカメラでもあります。
その原理を支えるのが「CONTAREX版オプション交換レンズ群」全てのモデルのマウント面に装備する「板バネ方式の絞り羽根開閉連携環 (リング/輪っか)」であり、斜め状に迫り上がる板バネ方式だからこそ「装着時に瞬時に適正位置まで絞り羽根を開閉させる」動きが実現できたのです!(驚)・・結果、使用者は絞り羽根の開閉状況を一切気にする必要がなく、撮影に集中でき、今ドキのライブビュー撮影ではありませんが「ほぼ間違いのない適正な露出値とシャッタースピードを把握しつつ撮影に臨めた」との撮影の瞬間に着目した、新たな発想で造られた一眼 (レフ) フィルムカメラが「CONTAREXシリーズだった」とも述べられると思います。
逆に言うなら、その「板バネ方式の絞り羽根開閉連携環 (リング/輪っか)」とカメラボディ側の連携機構部との確実、且つ正確な噛み合わせを体現させる大前提が「一切の抵抗/負荷/摩擦を及ぼさない仕組み」の必要性だったワケで (何故ならカメラボディ側の絞り羽根開閉制御機構部がオールドレンズ側に伝えるチカラは、非常に弱いチカラだから)、その仕組みを実現したのは「小径の褐色鋼球ボール:48個」と「大径のシルバー鋼球ボール:24個」の合計72個の鋼球ボールが順番にセットされる事で「非常に潤沢で滑らかな平滑性を担保した回転運動」を実現したことに他ならず(驚)、その製品設計概念は「CONTAREX版オプション交換レンズ群全モデルの共通設計仕様」として採用しています。
これはそもそも絞り羽根の絞り値設定を (つまり一般的な絞り環の操作) を全てカメラボディ側のダイヤル操作で行う仕組みを採っており、且つそのダイヤルはシャッターボタン直下に位置し「シャッターボタンを押し込む時の右手人差し指でダイヤルを回して設定絞り値を決定後、その同じ指でシャッターボタン押し込み動作する」と言う、一連の撮影の動きを大前提にした配置だからです!(驚)
とかくフィルムカメラ側の細かい使い方の説明や、修理のコツばかり述べられますが、そもそもそのフィルムカメラを製品設計した概念について、どうして誰も興味を抱こうとしないのか不思議でなりません (当方はカメラ側にほとんど興味が湧かないのでどうでもいいですが)(汗)
そのような経緯からオールドレンズ側の絞り羽根開閉機構の設計概念が透けて見えてくる為「結果、この部位はどのように微調整して仕上げるのがベストなのかの判定が下せる」のに、誰もそのように考えようとしません(涙)
・・オールドレンズの『本来在るべき姿』とは、そうやって見出していくのです!
ネット上の「CONTAREXカメラ」の解説サイトを読んでも、この点についてちゃんと真正面から説明に臨んでいるサイトがありません (残念なことです)(涙)
従ってその絞り値設定ダイヤル操作が硬い/重い操作性では、そもそもピント合わせに進むことすら躊躇してしまう印象を与えかねず、このフィルムカメラの基本設計概念すら覆しかねません(泣) だからこそ絞り値設定ダイヤル操作は軽くなければならず、それは「オールドレンズ側に伝達させるチカラを限りなく小さく仕上げる必要性に駆られる」ことを意味するので「それを実現させる目的で2種類の外形サイズの鋼球ボールを使い、大変滑らかで軽い操作性を体現させた」とのオールドレンズ側製品設計へと結びつくのです!(驚)
↑上の写真は過去に扱った同型モデルのオーバーホール工程の中で撮影した写真からの転載です。基台には鋼球ボールがパラパラと組み込まれる溝が用意され「締付環 (封入環)」を締め付けることでこれら72個の鋼球ボール (グリーン色の矢印) が製品設計時に狙った転がり運動を行うよう仕向ける製品設計の概念です(驚)
もちろんこれら鋼球ボールによって滑らかな操作性を与えられる先の対象は「制御環」であり
ここに「板バネ方式の絞り羽根開閉連携環 (リング/輪っか)」が締め付け固定されるので、カメラボディ側の機構部との噛み合わせが実現できます。
ところが、この鋼球ボールを封入する役目の「締付環」は『最後まで締め付けたらイケナイ』のです!(笑)・・それはちゃんと考えれば誰にでもすぐに理解できます。何故なら「そもそも組み込まれている鋼球ボールが大小2種類の外径サイズだから、その転がり運動を妨げない」なら、封入する「締付環」は最後まで硬締めできないのが道理です(汗)
実際そのようにオーバーホール工程の中で作業しても「締付環を締め付けすぎずに緩くすると小径のほうの鋼球ボールの浮きが始まって抵抗/負荷/摩擦が増大する」ものの、逆に「締付環をギリギリまで締め付けると、今度は大径のほうの鋼球ボールの回転が悪くなり、やはり抵抗
/負荷/摩擦か増大する」と言う「適切な締め付け停止位置が一意に決まっている設計」なのがこの部位の微調整と言う非常に神経質な設計なのです(泣)
逆に言うなら、普通一般的に「単に回転運動を実現するだけ」なら1種類の外形サイズで鋼球ボールを用意すればそれで終わります(笑)・・それを敢えて2種類用意してきた理由を、とても多くの整備者が全く考えようとしません(笑)
・・その理由とは「互いに抵抗/負荷/摩擦を相殺し合う原理が必要だったから」です(笑)
どんなことがあっても「撮影する瞬間はそのシ~ンを記録することだけに没頭/集中する」のが、人情として至極自然で当たり前の話なのに、どうして皆さんはそのことに注目しようとしないのでしょうか???(泣) その為にカメラ側の様々な機能や性能に、スイッチ類やツマミ類の配置が付随して、且つオールドレンズ側の光学性能とその操作性が担保されるべきなのです・・そこで初めて「撮影道具のことが頭の中から消え去る瞬間 → シャッターチャンス」になっているのではありませんか???・・と、当方はものすごく考えるのです(汗)
それは例えばピント合わせしている時に、距離環を回すトルクが重すぎたりトルクムラがあったり、或いはボケ具合を確かめている時に絞り環がガチャガチャした操作性だったりと、その時の撮影は「写真を撮る行為に、自らが意識的に専念している」状況と説明でき、それが前述の「没頭/集中」とはある種異なる意識状況ではないかと当方は言いたいのです(汗)
・・人が本能的に情景を狩る行為こそがシャッターチャンスではないかと哲学しています(汗)
従ってシャッターチャンスをモノにすると言うコトバの表現性は、まさに捕食本能に似てその一瞬の瞬間に無心に没入し没頭し、そして自分の瞳にしか意識が集中していない状態 (まるで
瞳だけが脳として機能しているが如く) を指して「情景を狩る」と当方は表現したいのです(汗)
その意味で言うなら「Location Hunting (ロケハン)」の直訳たる意味合いに無理やり繋げてしまう、がさつな表現をとりたくないのです(涙)・・何故なら撮る対象全てが「Locationではないから」と敢えて (強く) 言いたいのです(汗) そのことを当方に知らしめてくれたのが
「プロの写真家:井上喜雄」氏であり、決してLocationではないからです(涙)
・・いずれも本当に素晴らしい写真ばかりで、生々しく、然しリアルな現実を撮り留め、且つそこに自身の主張を埋め込んでいる (決して表に露出していない) 様がステキなのです(涙)・・この忍び寄るようにその主張/現実/真実が迫ってくる一瞬の瞬間を残していることに、本当に感動を覚え・・あぁ〜、こういうのがプロの写真家なのだ・・と、今一度認識を改めた機会でもありました(涙) まるで商業写真家とは別の人種です(驚)
・・ありがとう御座いました!
当方が一生懸命オーバーホールしたオールドレンズの操作性なんて、撮影している時に誰一人感じていないのです(笑)・・それこそが「真の写真撮影の時の行動原理であり人間の本能」なのだと、当方は信じたいですね(泣)
ここまでの解説で話してきた内容に真摯に向き合い「まさに1959年時点に具体的に製品化させたい!」と希求したのが、この高級一眼 (レフ) フィルムカメラ「CONTAREX I型」を開発した設計技師だったのでは・・ありませんか???!!! だからこそ当時の富裕層は、それに対して払うお金の価値があると認めて購入したのではないでしょうか (どんなお金持ちもその支払には自分自身で納得する癖があったと思います)???・・当方はそう考えますね(泣)
お金持ちなら手当たり次第に買っていると捉えられがちですが (当方の人生は貧民層なので知りませんが)、意外にも価値に対して実直でとてもシビアで敏感な人種だったりするのではないかと妄想してしまいます(笑)
・・いったいこのような解説を今まで誰が行っていたでしょうか???
この一点を採ってみただけでも開発チームを引率した設計者「Edgar Sauer (エドガー・ザウワー)」氏の工業製品を生み出すセンスが窺われそのセンスの良さはNASAの「ジェミニ IV」計画で宇宙遊泳した一眼 (レフ) フィルムカメラだったことを裏付けています。
←左図は1959年に氏によって出願された特許出願申請書『US3034411A (1959-08-21)』米国特許庁宛て出願からの抜粋。
↑1959年の発売と同時に用意されたオプション交換レンズ群は実に多彩で、発売当初は
焦点距離:21㎜〜1,000㎜まで揃えており、その本気度の違いすら感じます。
↑1959年発売当初の製品版「CONTAREX I型」に同梱の取扱説明書をめくると、今回扱う『CONTAREX版 Planar 50mm/f2 (silver)《初期型》』の欄で光学系構成図を見ることが
できます (上の図はその抜粋)。典型的な「4群6枚ダブルガウス型光学系構成」です。
Planar レンズは今世紀初頭まで遡る Carl Zeiss の方式に基づいており、それ以来、光学的および機械的に数え切れないほどの改良が加えられてきました。その結果、Contarex 用の現在の f/2、50mm Planar レンズは、現代レンズ設計の究極を表しています。
他の優れた特性の中でも、このレンズは、フィールド全体にわたって均一で
非常にシャープな解像度を備えた非常に平坦な画像を生成します。球面収差と色収差の優れた補正とコントラストの適切なレンダリングにより、カラー及び白黒写真の理想的な標準レンズとなっています。標準の Contarex マウントでは、12インチ (30cm) まで焦点を合わせることができます。
↑前出の取扱説明書の抜粋部分をGoogle翻訳すると上のような内容になりますが、ここに掲載されている「4群6枚ダブルガウス型光学系構成」が「今世紀初頭まで遡る」始祖的意味合いの光学系構成図なのか、或いは製品化された「CONTAREX版 Planar 50mm/f2 (CRX)」なのかの特定をちゃんと明確に記述していません(汗)
まず最初に、このような記述に合わせて、明確に当時の取扱説明書内に「CONTAREX版 Planar 50mm/f2 (CRX)」の実装光学系が4群6枚であることを一切明示しない曖昧さが、今現在のネット上での齟齬を生み出していると考えられます (4群6枚の文字が一つも無いことを指摘している)。
従って先ず考察の第一歩は「始祖的なプラナー型光学系 (4群6枚ダブルガウス型光学系) から探っていく」必要性に駆られます(汗)
ちなみに「Planar (プラナー)」を以てwikiでは「平坦を意味するドイツ語のPlan (プラーン) を語源とする」と案内している結果、非常に多くの日本語サイトで拡散が続いています。
しかしドイツ語辞典を紐解いても、ネイティブなドイツ人の意訳を参照しても「何処にも平坦を明示させるような意味が現れない」点に於いて、当方的には「???」であり、さらに悪いことに今回取り上げる2つの特許出願申請書のうちの古いほうの記述には「明確に平坦性の追求を試みた文言が含まれているものの、そのドイツ語はBildfeldebnung (“フィールドの平坦化”の和訳) であり、コトバが違う」ことが明白になりました(汗)
ここで言うドイツ語「Bildfeldebnung」は、その和訳に付随する「フィールド」のコトバに光学で言う「像面」の意味合いを強く含むようにも受け取れますが、どうしてそこまで具体化した意訳が一単語に充てがわれるのか、残念ながらドイツ語に詳しい人からの説明を受けない限り理解できません(汗)
さらに探索を進めると「プラナー型光学系」を発明したドイツ人物理学者、光学レンズ設計者たるPaul Rudolph (パウル・ルドルフ) 氏の発明案件『GB189627635A (1896-12-04)』
英国内務省宛て出願を参照しても、その記述内に一言も「Plan」の文字が現れません。
Paul Rudolph氏のドイツ語特許出願申請書を複数探っても、その記述内に
現れる「平坦性」を表すコトバは「daß die Ausdehnung anastigmatisch geebneten (非点収差的に平坦化された)、Bildfeldebnung (フィールドの平坦化)、Felder abflacjen (フィールドの平坦化)」などに限られる。
このような探索から、当方的には「ドイツ語のPlanを語源にする」との解釈には賛同いたしかねます (第三者が恣意的にPlanと平坦を翻意した説ではないかと受け取っています)(汗)
もしもどうしても「平坦」との意訳を強制的に述べるなら、日本語→ドイツ語の時「flachen (フラッフン)」が最もネイティブの参考訳意として頻出する為、どのように考えても「Plan」に繋がりません(汗)
するとではいったい誰が「Planar (プラナー)」のモデル銘名付け親なのかとの話に尽きますが (リアルな現実にモデル銘になっている為、誰かが命名している)(笑)、実は「ドイツ語のPlanには、非常に狭義的な意訳として遠近法で捉えた時の、対象物と見る人との間にある任意の仮想平面を指す意味合いもある」とのネイティブの指摘があり、この捉え方は「光学レンズ設計者はそのように遠近法になぞらえない」とも考えられ (焦点の話なので遠近法を採り入れないから)、光学レンズ設計者とは全く異なる立場の人による捉え方から命名したモデル銘ではないかとの憶測に今回到達しました(汗)・・何故なら、例えどんなに対象物と瞳との空間を垂直平面に切り取っても「光学的に必ず平坦に (解像度を確保して) 像を結んでいるとは限らない」からです(笑)
それは或る意味、光学硝子レンズという物質的硝子球面体を経由して光を捉える/認知する原理なので、像面にその影響が現れるのは物理的な話であり宿命とも指摘できます(汗) それを至極単純に/純粋に本来の光の波長だけを使ってダイレクトに記録してしまうなら、そこに収差の影響が残るのは「工業技術的な問題点だけ」になり、理論上は100%記録できてしまう話に至ります。
もっと言うなら、例えば現在Panasonicが最も進んでいる光学硝子を介さない「平面レンズ」こそが、まさにこのような概念を体現させており、入射光を波長だけで捉える為、被写体と記録面との間の空間のどの位置で垂直平面を切り取っても「必ず合焦した画として記録できる」技術であり、それは裏を返せばどの位置でも合焦させることができ、或いは画の中の何処にでもピント面やボケ具合を「自在に配置できる」と言う革新的技術です・・全波長記録方式なので記録後に後からどのように加工しても「入ってきた入射光の全てを100%取り込んだ中での編集」という新次元の記録技術です (記録する時はピント面を一切意識しなくて良い)(驚)
この「波長で光を記録する概念」と言うのは、実は裏を返して考えてみると「被写体と記録面との空間を実距離で迫ったり離れたりしている感覚」とも指摘でき(笑)、それが「被写体と記録面との間の空間を垂直平面に切り取る」ことを現すなら、まるでマニュアルフォーカス時代の単焦点レンズによる撮影手法に退化しているような話とも受け取れてしまい、ちょっとした笑い話になってしまいます(笑)
近年の事例で説明するなら、ハッブル宇宙望遠鏡の後継として投入されたジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡を例に挙げ (右図はwikiより引用) 宇宙空間を波長 (大まかに言えば赤外線域の探索画像センサーと分光器の組み合わせであり、そこに光学硝子材が主体的に介在していない) で捉えるため、その解像度はジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡で著しく高解像度化したことが撮影画像を見ただけでも理解できます (つまり波長だけを使う光の記録が既に体現できていることを意味する)。
かつて街中の街灯は鯨油に頼っていた時代があり (日本では江戸時代辺り)、その時はたして電気のチカラだけで照らし、果てはLED光の街灯にまで進むとは、いったい誰が妄想したでしょうか(笑)・・いずれは「硝子材を使って記録していた時代が昔はあった」と指摘される時代がもしかしたらもうすぐそこまで来ているのかも知れませんョ。その時、物理的に経年で光学硝子レンズに帯びたクモリの存在は (今でこそ大騒ぎしますが)、カメラ側フィルター処理アプリでの操作の如く、単なる味付け材料の一つでしかないかも知れません(笑)
・・たかがモデル銘の考察ですが、当方は曖昧なままその拡散に同調したくありません(汗)
そして次に示す有名な「プラナー型光学系」に対する、非常に恥ずかしすぎる当方自身の思い込みについても、この機会にきちっと包み隠さず、恥を晒して解説を進めていきます(恥)
なおほんの一握りのファンの方が当方を指して「正直者、実直、生真面目」とお褒め頂きますが、実は当方は信用/信頼が皆無な「整備者モドキ/整備者崩れ」たる『転売屋/転売ヤー』との巷での評価なので(汗)、そもそもそのように立ち居振る舞わなければ生き残れません(涙)・・その点、皆様方も重々ご承知おき下さいませ(汗)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
←『GB189627635A (1896-12-04)』英国内務省宛て出願
ドイツ人物理学者、光学レンズ設計者 Paul Rudolph (パウル・ルドルフ) 氏による「プラナー型光学系」発明案件ですが、当時Rudolph氏は「対称型光学系」に取り憑かれてしまい執拗に発明を続けた結果、そのコストの高さと製造の難しさからCarl Zeiss経営陣との間に軋轢が生まれ、後に自身の晩年を決定づける方向性に運命が変わります(涙)
その意味で指摘するなら、すぐ後に登場する有名な光学系「3群4枚テッサー型光学系」たる『DE142294C (1902-07-15)』ドイツ特許省宛て出願は、まさに経営陣による圧力の結果、生み出された光学設計だったのではないかとさえ妄想します (前後群で非対称型だから)(泣)
とにかく記述を読むと「本発明の目的は、光強度が大きく、広い視野に渡り非点収差が良好に補正され、同時に色収差と球面収差補正の例外的与件すら満たす写真用対物レンズの提供」の出だしで始まり「既知のガウスが発明した補正原理を本発明に活用することでこの目的を達成できる」と続き、その根本に彼の有名な「Johann Carl Friedrich Gauß (ヨハン・カール・フリードリッヒ・ガウス)」が考案した「ガウス型光学系」に依拠することを述べています (左図はそのガウス型発明のトレース図/特許を出願していない)。
当のPaul Rudolph氏のみならず、実はそれほど (当時の光学史にとって) Gauss氏が友人にしたためた手紙に記された「ガウス型光学系の着想」が革新的だったことの表れであり、Gauss氏自身が特許出願の必要性を認めていなかったが為に、その権利が曖昧になってはいますが「その権威は確立」され残っています(涙)
一方で「フラウンホーファー型光学系」にみられる色消し効果を狙う、左図で
色付で示した「凸系クラウンガラス」と、 色付の「凹系フリントガラス」の2枚貼り合わせレンズを活用した色収差補正効果に対しては「互いに接触する面の曲率は実質的に等しく、ガウスの概念での曲率の適切な配置により2つの異なる波長に対しての補正効果が期待できる」とフラウンホーファーの名前を明示した上で明確に指摘しており、ここに当方の思い込みが被さっていた
事実を今回改めて認識したという経緯です(恥)
つまり入射光の波長に対する色消し効果自体に「2枚の光学硝子レンズの密着性、或いは接着が必須事項ではない」とPaul Rudolph氏は指摘しているワケです(汗)
これは後の解説でもっと詳しく説明しますが、特に当方のような「光学知識皆無」な人間は「3群4枚テッサー型光学系」のカタチを知っただけで「知ったような口を利く」と指摘でき(恥)、そもそも「テッサー型レンズの後群側2枚貼り合わせレンズで劇的に色消し効果を行っている」と崇め奉り信じ込んでしまうからタチが悪いのです (当方自身を指して述べています)(恥)
・・当方は何にしても思い込みが酷い思考回路しか持たないので、毎回反省ばかりです(汗)
つまりプラナー型光学系の発明で、Paul Rudolph氏が狙った発明の一つは、第1群前玉と第2群構成2枚目の2つの硝子レンズで2つの波長に対し色補正効果を仕掛け、合わせて第2群の2枚貼り合わせレンズで構成3枚目の両凹メニスカスにより3つ目の波長の色補正を試みた「アポクロマート化」だった。
・・との妄想が生まれました(汗) 要はこの「プラナー型光学系」で「色消し効果は第2群の2枚貼り合わせレンズで行っているとの当方の固定観念/思い込みが拙かった」との反省を述べているのです (あまりにも基礎的な思い込みで恥ずかしすぎて穴があったら入りたい!)(恥)
それでようやくRudolph氏が発明したこの「プラナー型光学系」で左右対称なるも「前後群でどうして3枚ずつの光学硝子レンズが、ここまで密接に互いに近接する必要があったのか」について当方は初めて納得感を得た印象です (ようやく核心を掴んだ)(汗)
つまり「プラナー型光学系」の核心は「ガウス型光学系+フラウンホーファー型光学系÷2」辺りのレシピがちょうど良い味わいになるように印象しました!(笑)
逆に言うなら、当時手に入る精製光学硝子レンズのSHOTT製硝子にしても、それら「アポクロマートの追求」に係る能力を発揮する光学硝子レンズの精製には、未だ課題を抱えていたことすら白日の下に晒され・・まさにそれこそが「3つの構成ガラスレンズが互いに近接し高い曲率で同心円状に密接な関係性を帯びる必要性をより高めてしまった」との経緯から生み出された「プラナー型光学系」発明案件だった・・との理解が、今回ようやく頭の悪い当方ですら進みました(汗)
・・ウ〜ン、無知と言うのはマジッで何事も恐れない!(恥)
その意味で考察を受け入れるなら、当時のSHOTT製光学硝子材も含め、あまりにも要求が高すぎた (発明案件のハードルを高く上げすぎた) との反省にも至ります(汗)
結果的に「このような概念は天体望遠鏡レンズに繰り返し使われているものの、大口径に対応できる写真用対物レンズの設計には未だ活用されていない」と述べており「色収差補正を見越しながらも非点収差と球面収差の補正を成し、且つ2枚貼り合わせレンズは結果的にハイパークロマティックなレンズである」とまで明言している始末で、どんだけ高すぎる先見性だったのか、本当に今更ながら感銘する次第です (ウルッとくる)(涙)
しかし残念ながら、当時の光学硝子レンズ精製技術とその研削技術は未だ至っておらず、結果的にコスト高を生み競合相手のGoerz C Pとの市場占有率に敗退する結末を迎え、ついにPaul Rudolph氏の晩年を決定づけてしまいました・・これを以て悲運と言わずして何と申し上げれば良いのでしょうか (晩年の教授職すら剥奪されるものの死去前年に辛うじて復職)(涙)
このような当時のCarl Zeiss経営陣による、在籍する光学レンズ設計者や製品設計者など、概ね技師に対する「非人情的で薄情で冷酷な姿勢」は、当時の様々な局面で指摘されていたのでまさにその犠牲者だったとの想いでいっぱいです(涙)・・写真を見る限り、とっても優しそうなオジサンなのに(涙)
・・そういう無念な想いって、特に当方には痛く分かるような気がします(涙)
・・・・可哀想な、パウル(涙)
近年、パウルが死去したドイツのニュルンベルグ市では、ドイツ光学史での貢献にその栄誉を称え、名誉も回復できています(涙)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「プラナー型光学系」への考察から新たな視点が見出だせた結果、必ずしも色消し効果の実現手法は1通りに限定せず (至極当たり前の話なのですが) その前提はどの光の波長に対する補正なのか冷静に見極めていくことも、改めて必要だと知りました (当方に限っての恥ずかしい話です)(汗)
すると前出の「CONTAREX I型」取扱説明書に掲載されていた4群6枚ダブルガウス型光学系の意味合いは、まさに「今世紀初頭のプラナー型光学系からの発展」の話に辻褄が合うと取扱説明書の解説の流れから、ここに来てようやく納得に到達できました(汗)
←結果見えてきたのは、取扱説明書に掲載されているもう一つの光学系構成図たる「Planar 50mm/f2の実装光学系構成図」を示すのが、左の図であるとの信憑性が高まります(汗)
ここで問題になるのがこの図に色付けされている「黄色の構成図は、4群6枚なのか5群6枚なのか」へと疑念の話は流れを次第に変えていくことになります。
どうして「5群6枚の数値が含まれるのか???」との問いに対しては、冒頭説明のとおり「今までにバラした28本全てが5群6枚だったから」と指摘できるからです。
つまり印刷されている構成図を見て、勝手に4群6枚ダブルガウス型光学系と決めつけてしまったことが、そもそもの間違いの始まりだったとの反省に立ち戻ります。
・・ここで初めてネット上で公に詳説されている特許出願申請書の登場に至ります。
←『US2777362A (1953-03-17)』米国特許庁宛て出願
Johannes Berger (ヨハネス・ベルガー)氏の名前しか特許出願申請書に載っていないように見えがちですが、実はちゃんと Günther
Lange (グンター・ランゲ)氏の名前も本文記述のほうに併記しており、Lange博士による監修だったことが窺えます (1953年時点で既にCarl Zeiss社内では博士の称号が付随しているから)。
この左に示した特許出願申請書こそがネット上で『CONTAREX版Planar 50mm/f2 (silver)《初期型》(CRX)』が「4群6枚ダブルガウス型光学系を実装している」との論説とその印象付けに相当役立ってしまい、当方もすっかり惑わされてしまいました(汗)
←今回左に示したオリジナルの特許出願申請書記述を翻訳するにあたり、OCRでのテキスト化にはその文字識字率の関係から相当厳しい画像品質である為、仕方なく全ての文言を当方自らテキストアプリに入力し、先ずは文章校正を行い、その次にGoogle翻訳を試みました。
その結果非常にスムーズで滑らかな和訳が完成し、ここでようやく記述の内容にその信憑性を掴めました。
結論を先に言えば、この特許出願申請書は『CONTAREX版Planar 50mm/f2 (silver)《初期型》(CRX)』の実装光学系を示していないと確信しました!(汗)
「本発明は相対絞りが1:4以上の写真用対物レンズに関するものであり、集束メニスカスの前部コンポーネント、絞りを囲む一対のメニスカス形状の発散コンポーネント、集束メニスカスの後部コンポーネントから構成されます」との出だしで始まりますが、既にこの時点で開放F値:F4以上を明記している点 (F2ではない) で当方的には「???」だったりします(汗)
そして決定的だったのは記述の最後のほうに記されていた一文で「本発明の対物レンズを写真用対物レンズとして使う場合、前部コンポーネントとの用語で対物側に向けられていると解釈でき、一方投影用対物レンズとして使う場合、前後を反転させることで後部コンポーネントが投影側に位置します」この解説記述によって初めてこの発明案件が「プロジェクター向け写真撮影の兼用レンズ」とのニュアンスが強まり、どう考えても今回扱うモデルの実装光学系発明案件には結びつかないと結論したのです(汗)
←いよいよ2つめの特許出願申請書の探索へと話は進みます(汗)
『US2831397A (1955-02-15)』米国特許庁宛て出願
同様Johannes Berger (ヨハネス・ベルガー)氏と Günther Lange
(グンター・ランゲ)氏両名による、前出特許出願から僅か2年後の
発明案件であり「まさに5群6枚ダブルガウス型光学系」です。
ちなみに、今ドキのドイツ語発音では「ü」なので「Günther」をギュンターとは発音しませんし「Lange」もランゲ(ゥ) と「ゲの発音でありながら口を
すぼめてゥを微かに残すような」発音に聞こえます。
←同じようにOCRアプリでは読み切れないので、再び当方の手入力でテキストアプリに入力後、文章校正をかけてからGoogle翻訳して
ちゃんと文意が伝わる日本語に変換しました (老眼には辛い作業)(汗)
その結果見えてきたのは「まさに不可逆的にCONTAREX版Planar 50mm/f2を示す記述内容」であり、その記述を以て今回扱うモデルの光学系発明案件として確信を抱きました(汗)
「本発明は6つのレンズから構成される撮影または複製用の写真用対物レンズに関するもので光学系の構成1枚目と2枚目は集束、3枚目と4枚目が発散、そして5枚目と6枚目が集束であり、2枚目と3枚目は接着されており、且つ3枚目と4枚目の空間に位置する絞りに面するレンズのその曲率半径は数値的に焦点距離よりも小さい最大値を採る」とし、オドロキなのは「光軸方向の収差と斜方束収差の間で大変良好な画像品質を得られることが判明し、それは
複写用途にも耐える」としている点です!(驚)
つまり発明段階で近接撮影による拡大複写撮影用途にも耐え得る画質解像度とその平坦性を担保する目的があったことを匂わせる特許出願申請書内の記述であり、それこそが最短撮影距離:30cmを体現させた要素の一つだったことを俔わせます。
いいですか、そもそもこのモデルの発売時期は1959年ですから、その時点で標準レンズと言えども最短撮影距離:30cmは驚異的との当方受け取りですが、これだけでも十分にその
信憑性が高いにもかかわらす、まだまだ記述が続きます(汗)
「これらの特性を組み合わせることで、本発明によれば相対開口比1.5以上の集光力の大きい対物レンズが可能になり、1:2であれば全ての収差を比較的小さく保ち、特に中心部と斜光束の補正をそれぞれ同時に、且つ良好に仕上げられる」との記述から「解像度とその平坦性の追求を見据えるなら、開放F値:F2がベストだった」ことに相当な説得力を増します(汗)
まだ続きます「添付の図には本発明による対物レンズの概略設計が示され、掲示する一覧表では本発明による3つの対物レンズ実施例を示し、これら3つの例についてはレンズ構成に関する限り、構成2枚目と3枚目のレンズの間の接合面の種類によってのみ異なる為、1つの図のみを掲示する。特に実施形態1の場合、接合面は第1群に向かって凹面を向けているが、実施形態2及び3については、この接合面は平面である」とまさにまるで取扱説明書に掲載している図面の解説の如く、あからさまに相違点を前もって例示している点で「もはや不可逆的」との結論にしか到達し得ません!(驚)
・・皆様はどのように捉えられますか???(汗)
↑すると取扱説明書に印刷されていた上の図「CONTAREX I型にPlanar 50mm/f2を装着時のカット図/光路図」の実装光学系で「光学系第2群の2枚貼り合わせレンズの張り合わせ面が、歪曲している」説明が、何と既に特許出願申請書内の記述時点で示されていたことになりオドロキを隠せないのです!(驚)
この時点で既に当方は「どうして取り出した光学硝子レンズの貼り合わせ面 (光学系第2群の貼り合わせレンズのこと) は平坦なのに、取扱説明書の図は違うのだろうか」との疑念がようやく納得でき吹っ飛びました (チョ〜気持ちいい)!(泣)
従ってここから自然に導き出された言い回しは「上のカット図で実装光学系の前群に位置する2枚貼り合わせレンズの接着面は、従前特許出願申請書内記述のとおり歪曲面としても、一方の後群側は全ての群が単独使用なのは自明の理」との結論に成らざるを得ず、当時の取扱説明書内掲載図ですら「5群6枚ダブルガウス型光学系」だった・・との判定に至ります!(驚)
この時点で当方が注目していたのは、第2群2枚貼り合わせレンズの接着面のカタチではなく、むしろ光学系後群内に2枚貼り合わせレンズが配置されていたのか、或いは単独使用だったのかについての根拠を探しています。
・・つまり4群6枚だと勝手に決めてしまった自分が悪い (スミマセン)!(恥)
↑上の光学系構成図は、この前出特許出願申請書『US2831397A (1955-02-15)』の記述を参照し、且つ掲載の一覧表に明示される曲率や各群の距離/空間から倍率を計算し、その比で再計算してトレースした構成図です。左が光学系第2群の貼り合わせレンズで「張り合わせ面が歪曲している場合を示す特許出願申請書内記述の実施例1の形態をトレースした構成図」になり、右が「接着面が平坦な場合の実施例2及び3の形態にあたる」トレース図です (いずれも当方にて計算し、その数値を基にトレース図面を起こしています)。
・・但しこれら当方の計算は簡易的であり、方程式に基づく真の光学計算ではありません(汗)
この2つの中で「光学系後群側の曲率と厚みや距離/空間は変化しない」ものの「第1群前玉と第2群の貼り合わせレンズの曲率と厚みはそれぞれ個別に異なる」点に於いて、まさに特許出願申請書内一覧表の数値をそのまま表しているトレース図とも指摘できます (上の2つの構成図を見ても違いが明確ではないほどに極僅かな曲率と厚みの変化でしかない/パッと見で同一に見える)(汗)
そして実施例2の形態こそが一覧表に示した数値で検証していった結果、最も優れていた数値を確認できたことから「掲載した1つの実施例を示す構成図は、2の形態のほうであることを確認できた」との報告に至ります(汗)・・何故なら、一覧表は他に3つ示されており、合計で都合6つの数値を示す一覧表がある中、最終的に1つだけの実施例として光学系構成図を載せているからです。
するとここでも前のほうでさんざん解説してきた、Paul Rudolph氏の本当に悲運だった話が (まるで亡霊のように) 再び蘇りますが(怖)、実は「製産コスト面から捉えれば、どのように考えても歪曲面よりも平面のほうが合理的、且つ効率的であり、Carl Zeiss経営陣 からの承諾を得やすいのは自明の理」たる、それこそ世渡り的な側面が、実は既にこの特許出願申請書内の記述の中にですら「如実に現れていた (しかも一切隠しもせずに)」とも窺い知れ(笑)、可愛そうだったパウルの二の舞いにはならないと、後輩技師達の轍になっていたのが・・当方的にはせめてもの救いだったりします (パウル、貴方の苦難の人生はムダにはならなかったョ)!(涙)
要は事前に発明時点で「歪曲させるレベル」と「平面化が達成し得るか」の
二者択一で臨んでいたことの現れと捉えられ、且つその時の裏事情として(笑)
実は発明段階でコスト意識が相当高かったことの一つの現われを意味するのではないか・・との妄想に繋がるのです(汗)
何故なら2枚貼り合わせレンズの前玉側に位置する構成2枚目の光学硝子レンズは、必ずしも「両凸レンズ/凸平レンズに限定されない」ワケで、もう一つ存在する「凸メニスカスレンズ」の実施例を発明時点に (特許出願申請書記述内で) 一切検証していない時点で、それはもはや「ガウス型光学系」に倣った Paul Rudolph氏そのものの発明概念を再び検証してしまうような愚策を講じないと、さすがにそれは自らをCarl Zeissの中で破滅の道に追い込んでいるような話になると、彼らが十分理解していたことの表れではないかとすら感じられるのです(怖)
↑上の図は「球面レンズのカタチ」を解説しており、光学系内の光学硝子レンズのカタチは凡そこれらのどれかに該当します (もちろん外形サイズや厚みに曲がり率などは任意です)・・ちなみに入射光の透過する方向を黒色矢印で示しています (左から右に向かう方向)。
もちろん他に球面を採らない「両平レンズ」或いは球面半径を採らない「非球面レンズ」も後の時代にはポピュラーになります・・「両平レンズ」などはまさにそのコトバのとおり「両面が平ら」なので、上の一覧に混ぜると「単なる縦長の長方形」にしか見えません(笑) しかし光学系内に組み込んで使う場合、透過していく入射光の波長分散性を利用して収差補正に役立てる光学硝子レンズなので、例えば後玉露出面側に使っているオールドレンズも1970年代前後に数多く登場してきます (後玉が後玉専用のフィルターの如く一切歪曲していない平面硝子状なので、見ればすぐに分かる)(汗)
前のほうに戻り、今回のモデルに実装する「5群6枚ダブルガウス型光学系」とした時、第2群貼り合わせレンズ構成2枚目の光学硝子レンズは「凸レンズ系」なので、上の《 球面レンズのカタチ 》を見ると❶と❷に❹だけが対象であり、❸は第1群前玉との関係性から採用されない/関係ないと断定できます(汗)
するとこの時、構成2枚目の光学硝子レンズのカタチは、必然的に発明時の大前提として「❶両凸レンズか❷凸平レンズと言う、あくまで製産ライン上での研削が比較的楽なほうのカタチしか想定していなかった」ことすら (当方の妄想範疇ですが) 浮かんでくるワケで (❹の凸メニスカスレンズだと、接着面たる裏面側も凹面に歪曲に研削する必要があり、その次に接着する❺凹メニスカスレンズとの曲面研削で、さらにコストが上がるから)、なかなかに凄まじい経緯だったことが浮かび上がります(恐)
要は先輩レンズ設計技師のPaul Rudolph氏と同じ轍を踏まぬよう、Johannes Berger氏と Günther Lange (グンター・ランゲ)氏両名は、❶と❷の2つのカタチしか使えないとの決断の中「背水の陣で発明に臨んでいた」結果だったことが透けて見えてきたのです!(驚)
昨年秋辺りから、当方はこういう特許出願申請書を探る楽しみにも気づきを得てしまい(笑)、オールドレンズを完全解体することで知り得る「内部構造と設計の妙」から伝わる、当時の光学設計者や製品設計者の意地と苦労/苦心に工夫を掴み得て、さらにそれらに直接繋がっていく特許出願申請書の記述から逆説的に結びつく納得感や合点、或いは光学設計者の人間性すら探れる楽しみを発見してしまい、もぉ〜堪りませんね!(笑)・・だからオールドレンズって、本当にロマンがいっぱい詰まっている工業製品で楽しくて仕方ないのです!(涙)
・・実はここに、当方がPaul Rudolph氏が辿った人生に着目した根拠があったりします(涙)
ここまでの考察の結果、このモデルの量産品が採用した2枚貼り合わせレンズ接着面のカタチは「平面で確定」と強く誘引され、全ての道理が導いてくれています(汗)
それら一覧表の中から最終的にチョイスした屈折率とアッベ数の組み合わせ「実施形態2」が次の図です (ここから使用する光学硝子材を特定させていきます)。
↑上の図は、前出特許出願申請書『US2831397A (1955-02-15)』の掲載図面たる実施例2の形態を当方が計算してトレースした構成図を基にしています・・単に特許出願申請書内に明示されていた光学系構成図をトレースしただけではなく「リアルな現実に実施形態の2の検証値を基に倍率計算し、改めて当方の手によりトレースして起こした構成図」であることを述べています(汗)
もちろん光学系第2群の2枚貼り合わせレンズは、その張り合わせ面が今までさんざん解説してきた通り「平坦」です。
特許出願申請書内記述では、各実施形態1~3それぞれに対し、2つずつの検証を行っておりその中で実施形態2のみが「2つの検証一覧数値が互い100%に合致した」結果、その数値を基に光学系構成図を掲載していると解釈できます (結果、掲載構成図は1つだけとの説明に合致する)・・そしてその掲載構成図は、結果的に実施形態2になる為「まさに第2群貼り合わせレンズの接着面が平坦であることを示す」と受け取れるのです (辻褄が合う)(汗)
このように特許出願申請書の記述内検証数値の合致点から導き出したその光学系構成こそが「2枚貼り合わせレンズの接着面は平坦だった」との結論づけへ道理として導かれたことを意味します。
そしてそれがそのまま「量産品に実装している光学系の形状を確定させる光学設計概念を指し、まさにそのとおり造っていた」から、張り合わせ面は平坦だったとの言説と納得に至ったのです。
(但しもちろん量産品の光学硝子レンズの曲率や厚み/空間など詳細値は異なる)
そして今度はその掲載構成図のトレース図に実施例2の形態を示す一覧表 (6つの一覧表の中で2つが合致) からピックアップした屈折率とアッベ数を使い「当時入手可能だったSHOTT (ショット) 社精製硝子をチョイス」した結果が上の構成図です・・これらの中で光学硝子レンズに付した番号は「❶と❺と❻が互いに同一種別の光学硝子レンズを使用」しているとみなせます (該当一覧表の屈折率とアッベ数が、これもそれぞれで100%同一だから)。
・・詳細は特許出願申請書のオリジナルな図面の一覧表をご確認頂ければ分かります。
❶ LAF2 (ランタンフリントガラス)
→ 屈折率:1.744n(d)、アッベ数:44.86v(d)、0.05≦µSv/h
❷ BaF10 (バリウムフリントガラス)
→ 屈折率:1.667n(d)、アッベ数:48.3v(d)、0.10µSv/h
❸ F2 (フリントガラス)
→ 屈折率:1.62n(d)、アッベ数:36.3v(d)、0.05≦µSv/h
❹ SF10 (重フリントガラス)
→ 屈折率:1.741n(d)、アッベ数:27.8v(d)、0.05≦µSv/h
❺ LAF2 (ランタンフリントガラス)
→ 屈折率:1.744n(d)、アッベ数:44.86v(d)、0.09µSv/h
❻ LAF2 (ランタンフリントガラス)
→ 屈折率:1.744n(d)、アッベ数:44.86v(d)、0.09µSv/h
※ 色付をランタンフリントガラス、 色付をフリントガラス、 色付を重フリントガラスにて表記しています。
ちなみに今回の個体から取り出した光学硝子レンズの各群で放射線量を計測した数値が上に
示した3つめの数値です (単位ガンマ線放射線量:µSv/h)。
これらの数値と実施例からオドロクことに「全ての群の光学硝子レンズにフリントガラスを採用していた」と言う、クラウンガラスを介在させない光学設計と言うのが確立できるのだと、光学知識皆無な当方は初めて知りえた次第で、マジッで恥ずかしいです!(恥)
それは一般的な定説から言えば「クラウンガラス:屈折率1.6n以下、アッベ数50v以上」或いは「フリントガラス:屈折率1.6n以上、アッベ数50v以下」なので、この定義に当てはめるなら上のような硝子種別に成らざるを得ません(汗)
この屈折率の単位に使う「n(d)」はナトリウム原子の発光スペクトルに視られる強い二重線を指し、その波長の短いほうを「D1線 (589.6nm)」波長の長いほうを「D2線 (589.0nm)」と呼び、共に「D線」として使います。そして屈折率は「光の進み易さを示す値」を意味し、真空中を透過する時の入射光速度 (c) を物質媒体を介在させた時の速度 (v) で除算した値 (n) を示します・・n=c/v。結果、真空中を進む光速は「1」を執り、屈折率が高い媒体中では遅くなり、屈折率が低い媒体中では速くなります。屈折率が変化する媒体を透過する際は、光は波長に従い曲がったり (屈折) 或いは反射して別れていったり (分散) というふるまいをします。
またアッベ数は、光の波長ごとに異なる屈折率の変位を示し、光学硝子材に拠る分散度合いを示す分散率の逆数でもあります。
◉ アッベ数 (単位:v)
入射光の波長に対する屈折率の変位を示し、光学硝子の色分散性を表す性質を意味します。
このことからアッベ数が高い数値の場合、色分散が低くなり色収差の発生が少なくなると言えます。また屈折率が高いほど球面収差の発生量が低減されるものの、その反面光学硝子材の内部を透過していく光の速度は低くなります (屈折率が低いほど透過速度が速い)。
このような関係性を考慮し光学系内に使う光学硝子材の種別をチョイスしいくのが、光学設計者の一つの仕事内容です。
またこれら硝子材の種別をサクッと述べると「ソーダガラスの分類:クラウンガラス」であり「鉛ガラス:フリントガラス」とも言え、ソーダガラスの一例は窓ガラスとも指摘でき、一方で鉛ガラスの例は食器のカットグラスなどが良い例でしょうか。
これらの考察から見えてきたのは、CONTAREX版 Planar 50mm/f2 実装光学系の凄まじい屈折率の追求と、低いアッベ数で分散率が高い環境の中、よくぞここまで徹底的に色収差、非点収差、球面収差、歪曲収差、像面収差補正に漕ぎ着け、複写用途にまで耐え得る究極的な平坦性の確保に至ったとの、本当にオソロシイほどの成果に驚愕です!(驚)
どうしてこのようにフリントガラスだけに集中して究極的な光学設計にこだわったのか、その執念の根拠は当方にはまるで分かりませんが(汗)、逆に考えるなら「アッベ数が低く入射光の透過に際し分散する度合いが増してしまう光の習性を、むしろ逆手に活用した???」との妄想すら浮かんできます(汗)
それは光線が分散していく習性を利用することで、高い屈折率の環境の中ならむしろ「本当に必要な光だけに限定できる」利点が増大するとも指摘でき、屈折率を高く設定することでそれら入射光の料理を合理的に、且つ効果的に仕上げていった結果の光学設計のようにも当方的には印象が残るのです (何故なら屈折率が高い場合入射光の透過速度はむしろ下がるので、料理する時間が許される → 補正度合いがより顕著に確立することを意味する)(笑)
これは様々なオールドレンズに採用される光学設計の中で「2枚〜複数枚に貼り合わせレンズ化せずに、むしろ単独利用で配置する」との光学概念に依拠しており、そのポジショニングに於いて不必要な入射光の波長成分を自然に排除してしまうことを指します (必然的にそのポジショニングに於ける非常に厳しい曲率と距離/空間の制御設計が求められてしまう)(汗)
その自信の強さを示す一文がまさに残っており「1:2のF値を採ればほぼ全ての収差を良好な範疇に収められる」と宣うている時点で、もしかしたら端からこの光学系発明時のスタートラインは「ムリに開口比/F値を追求せず、収差の低減に努める」だったとすれば、その結果で導き出された至極自然な成り行きこそが「ぜ~んぶフリントガラスにしちゃった!」であり(笑) それは当然な結末だったのかも知れません・・恐ろしやCarl Zeissョ!(怖)
・・ムリさせながら、ムリではない描写性能に仕立て上げるとは、マジッでかっこいい!(笑)
それがこのモデルの、決して可視光の中で破綻を視認させない、端正且つ緻密感漂う (この時代で言うので本当の緻密感には未だ至っていないが) 自然な入射光のふるまいこそが「Planar銘の如く平坦化された写り」なのだとすれば、まるで納得できてしまうのです!(涙)
ちなみに光学設計者の間で「平坦」を追求するのは、そのコトバそのままの意味合いであり「光学硝子レンズが球面である以上、その結像面も歪曲するのが自然な光のふるまい」との原理に立っているが故に「結像の平坦化を追求することで結果的に全ての光線が交わる点/合焦点で解像度を担保できる (収差が最も低くなる)」との意味合いではないかと、光学知識皆無な当方は今のところ受け取っています(恥)
・・詰まる処、なんだかんだ言って光をギュギュッと束ねるヤツが必要なんです!(笑)
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
大変長くなってしまい、皆様方にはご心痛お察し申し上げます・・毎回本当にスミマセン(汗)
ここまでの解説で「光学系の根拠が全て洗いざらい白日の下に晒された」との当方的な結論に到達でき、ようやくモデルバリエーションへと最後の話題を進められます(汗)
意外にもこのモデルのバリエーションは奥が深く、まさに「ザ・Historical」
だったりします!(笑)
↑上に並べた写真はいずれも当方が今までに扱ってきた個体写真の中からの転載です。左が1959年発売シルバー鏡胴になり、中央がその「ブラックバージョン」であり非常に希少です。そして右が後の1965年発売で全く別モノに変わってしまった「“Blitz (ブリッツ)” モデル」です。
・・巷では “Blitz” モデルを指してブラッグバージョンと謳われますが、それは間違いです!
「真のブラックバージョン」は上の写真中央しか顕在せず、しかも真贋に叶った個体の流通価格は数十万円に及びます (それほど少ないと言う意味合い/偽物が横行している)(怖)
右端「“Blitz“ (ブリッツ) モデル」は「Flashmatic (フラッシュ・マチック)」機構を実装したモデルで、ストロボ/フラッシュ撮影時に鏡胴のプリセットレバーを鏡胴刻印のガイドナンバーに合わせるだけで、自動的に「距離環の駆動範囲と適切な絞り羽根の開閉幅が限定される仕組み」であり、失敗しないフラッシュ撮影を実現した先進的なシステム・・フラッシュを焚く時/撮影時に気にするのは「ピント合わせだけ」だからです (“Blitz“はドイツ語で稲妻の意)。
しかしこの機構「Flashmatic」を装備するだけなら単に内部構造の複雑化だけの話で済みましたが、リアルな現実には「撮影時の実距離とフラッシュの閃光到達距離、そして何よりも必要とする適正な露出値との一致」こそが命取りになるシステムだった為、その制御の大前提は「光学系の最設計」だったことは自明の理です・・結果、この「”Blaitz” モデル」の最短撮影距離は38cmへと退化した為 (それまでは30cmだった)、その主眼が「解像度のピークと諸収差の改善に係るバランス性」から逸脱していく方向性へと修正された事を意味します(涙)
・・何を言いたいのか???(汗)
つまり「”Blitz” モデル」の入手に当たっては「その描写性は従前のシルバー鏡胴モデルと同じではない」ことを認知し、その前提のもとに手に入れるべきモデルです。
・・シルバー鏡胴モデルと同じ写りのまま “Blitz” を装備したのではありません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
従ってこのような前提に立てば、前出のモデルバリエーションで存在し得る光学系の設計は、2種類「シルバー鏡胴モデルのタイプと “Blitz” モデルのタイプ」となるハズですが、リアルな現実はそうではありませんでした(汗)
最初に挙げる2つの光学系構成図は「実在しない光学設計の構成図」であり、取扱説明書の中だけに存在する理論上の構成図のようなモノです (少なくとも当方自身はこれらの光学系を実装している個体を知りません)(汗)
先ずは右構成図が「今世紀初頭のプラナー型光学系」たる4群6枚ダブルガウス型光学系で、取扱説明書から当方がトレースした構成図になります (実在しません)。
さらに右の構成図も取扱説明書のカット図から当方がトレースした図になり、最大限まで拡大して調査した結果「5群6枚ダブルガウス型光学系」であるとの確信を得ましたし、前述のとおり当時の特許出願申請書の記述内容からもその裏が取れていると認識しています(汗)
前群側に2枚貼り合わせレンズを配置するものの、後群側は全ての
光学硝子レンズが単独配置です (貼り合わせ無し/実在せず)。
そしてここからが製品として市場に供給されたリアルな現実に実在するタイプの光学系になり全て「5群6枚ダブルガウス型光学系」です。
右構成図は今回のオーバーホールで完全解体した際に、光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。
特に今回扱った個体は光学系第2群の2枚貼り合わせレンズが「バルサム切れしていた」為(汗)、一旦剥がしてから当方の手により再接着しており、その際デジタルノギスで再び計測し直して確認しています。
もちろんその張り合わせ面が「平坦」なのは言うまでもありません(笑)
・・シルバー鏡胴モデル/ブラックバージョン含む、の実装光学系を意味します。
そして1965年に「“Blitz” Flasjmatic 機構」を実装してきたモデルの実装光学系が右の構成図になります。
基本的な光学設計の概念は変化しませんが、最短撮影距離:38cmへと退化した為 (当初は30cmだった) 必然的に光学系は再設計され、且つ「Flashmatic 機構」により実距離とフラッシュ閃光の到達光量との露出で整合性を持つ中、入射光制御も変化した為にカタチも曲率も厚みも何もかも変わっています (1つとして同一の群が存在しない)。
実は本来の予測と言うか想定は「ここまでがCONTAREX版Planar 50mm/f2の光学系範疇」だったのですが、実は以前扱った「“Blitz” モデル」が実装していた光学系が「まるで異端児」だったのです!(驚)
その時のオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時、当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図が右の構成図です (やはり全群で不一致)(汗)
この点についてちゃんと解説しているサイトが、ネット上には一つも存在しません!(汗) 当方が知る限り、このモデルの光学系は3種類顕在します。
このように提言しても、当方は「プロにもなれず、マニアすらなれなかった整備者モドキのクソな転売屋/転売ヤー」との話なので(笑)、「公然と平気でウソを拡散し続けている」と某有名処のコメント欄に誹謗中傷され続けている始末で(泣)、仕方ないのでちゃんと『証拠写真』を載せて解説しなければイケナイみたいです(笑)
↑上の写真は以前扱った時の「シルバー鏡胴タイプ」から取り出した光学系を順に並べて撮っている写真です。光学系前群側を赤色文字で表記し、後群側をブルー色文字にしています。また前群側に含まれる光学系第2群は2枚貼り合わせレンズなので、そのバルサム剤を剥がして再接着する為にバラしている状態であり、構成2枚目と3枚目が分離しています。
↑1つ前の集合写真だけでは誰も信じてくれないので(汗)、ちゃんと光学系第2群の2枚貼り合わせレンズを剥がした「張り合わせ面が平坦である事を確認した」時の『証拠写真』まで掲載しないと「ウソを拡散している」とまた誹謗中傷されます(涙)
上の写真は光学系第2群貼り合わせレンズの構成2枚目の光学硝子レンズを撮影しており、その向きは「写真下方向が前玉側方向」にあたります。
ご覧のとおり (写真上側の) 張り合わせ面は「まさに平坦そのもの」なのが確認できます(汗)
そして実はこの写真に非常に大きな光学性能を確定させるべく要素が隠れているのですが(汗)張り合わせ面が平坦なるも「凸平レンズの凸部分だけで終わっていない」点がポイントでありバルサム切れなどで一旦剥離した時「次に張り合わせる際の光軸合わせは相当厳しい」と言わざるを得ません(怖)
何故なら、この凸レンズ部分から突出する部分は、この次に掲載する写真の「平凹メニスカスレンズ」にピタリと位置が合致するよう格納されないのです!(驚)
要は格納筒 (鏡筒) の格納する箇所は、さらにその周囲が空いた空間になっている為、上の写真「構成2枚目の凸平レンズ」はその中心が定まらないのです!(怖)・・バルサム剤を垂らしていても、鏡筒が水平を確実に維持できていない限り「勝手に上の写真の凸平レンズが水平移動し始めてズレていく」始末で、ドシロウトレベルで張り合わせできるような簡易な格納手法を採っていません!(怖)
・・従って当方では既に専用治具を作成済で、それを使わない限り光軸を担保できません(怖)
もちろんそんなことは組み上げが完成した後の実写確認でもすれば、そのピント面の解像度と色ズレの有無、或いはピーク/山の前後動に現れるパープルフリンジとブルーフリンジの発生でアッと言う間に光軸ズレがバレます(笑)
・・これは誰が実写確認しようとも、100% 必ずバレます!(笑)
↑一つ前の構成2枚目の光学硝子レンズだけでも「張り合わせ面が平坦」なのは検証できているのですが、それでも信用されないので(笑)、今度は構成3枚目の「平凹メニスカスレンズ」を真横から撮影しています。上の写真の方向性は「写真上方向が前玉側の向き」ですから、この写真でも (当たり前の話なのですが)「張り合わせ面は平坦」であることを補強します(汗)
このように『証拠写真』を並べて解説してくと、今度は「如何にも的でしつこくてウザイ」とまで言ってくる始末で(笑)、まるであぁ言えばこう言う的な粘着性の強いヤツで呆れます(笑)
(もう2年近く数ヶ月に一度の頻度で誹謗中傷メールを送ってくる)
↑上の写真も同じように以前扱った時の個体写真から転用です。「“Blitz” モデル」から取り出した光学系を並べており、光学系前群側が赤色文字で後群側がブルー色文字です (第2群の貼り合わせレンズを剥がしていない時の写真)。
↑そして上の写真が問題の前述「異端児」で、同じ「“Blitz” モデル」ですが、光学系後群側の第3群〜第4群の仕様がまるで異なります(汗)
第3群は後群側格納筒にモールド一体成型されており、今までにこのような製品設計の個体がありません (つまり上の写真を撮影した個体1本だけ)(汗)
さらに第3群と第4群の間に「黄銅材のシム環が挟まる」点で、このような設計も他にありません(汗) そして極めつけ「第4群が黄銅材でモールド一体成型」で、この時初めてモールドしている光学設計で製産された「このモデルの存在自体」を知りました!(汗)
この個体の製造番号は「494xxxx」なので、製造番号としてのこのモデルの符番例を指摘するなら、相当後ろのほうの番号です。
逆に言うなら「CONTAREX版Planar 50mm/f2 (CRX)」で当方が今までに扱った個体28本の製造番号分布は・・・・、
◉ 236xxxx:** (2)
◉ 237xxxx:******* (7)
◉ 261xxxx:** (2)
◉ 317xxxx:** (2)
◉ 324xxxx:*** (3)
◉ 370xxxx:** (2)
◉ 407xxxx:*** (3)
◉ 416xxxx:* (1)
◉ 450xxxx:**** (4)
◉ 480xxxx:* (1)
◉ 494xxxx:* (1)
・・合計28本になりますが、上の写真の個体は一番最後の符番です。
ところがパッと見で考えてしまうと如何にも最終符番の製造番号 (先頭3桁) のように受け取られがちですが、実はご覧のように「黄銅材のモールド一体成型」となると、ワザワザ量産品の製品設計の中で「アルミ合金材→黄銅材」へと退化させているような話になり、基本的な工業製品で使う金属材の流れに沿いません(汗)
もっと言うなら、合理的にも効率的にも理論的にも「作業ラインを違えてまで古い時代のスタイルに戻す価値が見出だせない」との憶測から、当方的には最後のほうの符番ではないとの思いが強まり、今回当方の考察を更新させました (今までは最後の符番だと考えていた)(汗)
そもそも同じCONTAREX版オプション交換レンズ群の括りで捉えるなら、他のモデルには上に紹介した番号が符番されません (例えばDistagon 35mm/f4などは359xxxxなど)。
するとこれら先頭3桁の符番ルールには何かしら法則性があったようにも考えられますが、むしろ「先頭3桁は暗号化されていた」と考察でき、さらに「製造番号事前割当制」にて組立ラインの最終段階でレンズ銘板がセットされていたとすれば、検査後に出荷直前に符番が確定していたことになります(汗)
つまり先頭3桁にはシリアル値の概念が存在せず、これらの数値は互いに入り混じって出荷を繰り返していた。
・・との憶測に成らざるを得ません(汗)
ではこの時、はたしてモールド一体成型してきた「494xxxx」は「“Blitz” モデル」にしても、いつの出荷分なのかとさらなる妄想を巡らせると(笑)「答えは1965年発売直後」としか考えられず、要は光学設計で量産品として確定していなかったことを裏付ける個体なのではないかと当方的には受け取っています (もしかしたら同じ黄銅材モールド一体成型ながら、他の製造番号3桁個体も存在するかも知れません)(汗)
・・プロトタイプまではいかないまでも、それに近い性格の個体だったと考えられます(驚)
何故なら、もしも仮に光学系後群側の光学硝子レンズに対し「アルミ合金材を使ったモールド一体成型で製品設計を確定させるには、未だ技術面での担保が追従していなかった時期だったから」と仮定するなら「ではどうして鏡筒が既にアルミ合金材削り出しで用意されていて、且つ光学系第3群すら既にモールド一体成型されていたのか???」との辻褄が全く合致しない本末転倒な話に至るので、ここから見えてきた経緯は「平滑研磨を施したアルミ合金材削り出しの鏡筒 (内壁) に、黄銅材を使ったモールド一体成型に製品設計することで、格納時の平滑性が担保されるから」との明確な答えを導き出せ(汗)、それは後群格納筒にストンと落とし込み方式で光学系第4群と第5群後玉を格納できる・・との当方経験値から、その道理に繋がります。
・・ではどうして光学系後群側たる第3群を格納筒にモールド一体成型させてきたのか???
になりますが、逆説的に言うなら「どうして第3群だけが格納筒にモールド一体成型で良かったのか???」になり、これが意味するのは「光学系後群の中で、第3群だけ格納位置が光学設計上確定していたから」と指摘でき、要は第4群と第5群の曲率に厚みと距離/空間に関し「実地検証が確立できていなかった (迷っていた)」が為に「プロトタイプではないにしても、限りなくそれに近い」との言い回しになります(汗)
しかし実際にはその後に量産型として上の挙げた写真の2枚目の光学設計が「“Blitz” モデル」として採用されるので、間違いなく「494xxxx」だけはその描写性が他とは違うとの考察に至ります(驚)
結果、このモデルの実装光学系は3種類顕在していたことになり、その写りも3通り存在することを匂わせます(汗)
もしも当方と同じように「このモデル大好き人間」が居るなら(笑)、入手すべき描写性の対象は「シルバー鏡胴モデルに、494xxxx “Blitz“、そして量産化された “Blitz” モデル」と、3種類を手に入れることでようやく制覇したことを意味します(汗)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
↑上に並べた写真は上段が前に掲載のモデルバリエーションを示す写真を再び載せています。
この上段の中で「シルバー鏡胴 (左) とブラックバージョン (中)」だけが最短撮影距離:30cmの『CONTAREX版Planar 50mm/f2《初期型》(CRX)』であり、一番右端は最短撮影距離:38cmに退化した「“Blitz” モデル」です。
・・ところが市場には下段のような個体が流れています(汗)
下段左側は今現在も海外オークションebayにて「195万円近い価格」を現在の為替レートでつけている「ブラックバージョン」を謳うオークション出品ですが、はたして本当に「ブラックバージョン」なのでしょうか???(怖)
その一例を下段右側に掲載しています。この写真の個体は過去に流通していた時にコピーした写真データなので、現在は流通していません。
下段右側の個体はブラックに再塗装 (焼付け塗装) した偽物/ニセモノです(汗)
実は掲載写真を拡大してチェックすると「偽物/ニセモノ」がバレます(笑)
↑上の写真は以前扱った時の「ブラックバージョン」の距離環ローレット (滑り止め) 付近を
拡大撮影した写真です。赤色矢印で指し示している箇所をご覧頂ければ一目瞭然ですが・・「CONTAREX版オプション交換レンズ群の筐体外装は、ローレット (滑り止め) 以外は全てが微細なヘアライン仕上げで造られている」ことをここに告知させて頂きます(汗)・・上の写真では分かりにくいですが、ローレット (滑り止め) の下部分の距離指標値も同じヘアライン加工仕上げです。
これは筐体外装のアルミ合金材削り出しの際に仕上げ研削として「非常に微細な横方向のヘアライン切削を施している」結果、よ〜く凝視するとこのようにその仕上げ加工の状況が視認できるのです (その上で陽極アルマイト仕上げでメッキを被せている)。
ところが一つ前に挙げた下段右側の「偽物/ニセモノ」は拡大すると「微細な凹凸を伴うマットな梨地メッキ加工」に仕上がっているのが、これも一目瞭然であり「後から人の手によりメッキを被せられた」ことが明白です(怖)
・・それで数十万円稼げるとなれば、海外なら何でもアリです!(怖)
これは「CONTAREX版Planar 50mm/f2 (CRX)」だけに限定した話ではないので、ご注意下さいませ。但しローレット (滑り止め) 部分だけはヘアライン切削が施されていないただのメッキ加工です。また「“Blitz” モデル」はそもそもローレット (滑り止め) 位置がズレている為、これはすぐに分かりますね(笑)
巷では「ブラックバージョン」を謳って今現在もオークション出品され続けているので、要注意です(汗)
↑上の写真は「シルバー鏡胴」のほうのレンズ銘板をひっくり返して撮影していますが、このレンズ銘板は「光学系第1群前玉の締付環を兼務している」為、赤色矢印で指し示している箇所が前玉の露出面側を締め付け固定します。
↑一方こちらは「“Blitz” モデル」のほうのレンズ銘板ですが、よ〜く見ると「赤色矢印で指し示している箇所が僅かに盛り上がっている/枠が突出している」違いを確認できます。
・・何を言いたいのか???
これは以前「“Blitz” モデル」の前玉をシルバー鏡胴に転用すべくご依頼を受けた時に撮影した写真ですが「リアルな現実は互いに転用/ニコイチができない」ことを説明する為に再掲載しています(汗)
要は光学設計がシルバー鏡胴モデルと「“Blitz” モデル」とでは全く異なるので、しかもそれは5群6枚全ての群で違う為、どうにもニコイチ/サンコイチの転用が物理的に不可能です。
例えば上の写真で言うなら、前玉を「“Blitz” モデル」から持ってきてもレンズ銘板を締め付けたにもかかわらず前玉が外れてカタカタ鳴ります (要は締め付けできていないから)(怖)
逆に前玉を転用した後に「“Blitz” モデル」のほうのレンズ銘板を転用しても、今度は最後まで締め付けできません(汗)
↑このように並べれば一番分かり易いでしょうか???(笑) 互いによ〜く凝視すると「裏面の縁の面取り加工/曲り具合/アールが微妙に異なる」結果、最後まで締め付け固定できません。
従って5群6枚全てについて転用が物理的に不可能ですし、仮に接着など試みて転用してしまったとしても「その描写性はまるで狂ってしまう」ので、誰がチェックしても一目瞭然です(怖)
例えばもしも5群6枚全てを入れ替えられたのなら普通に写るでしょうが「“Blitz” モデル」のほうの光学設計は最短撮影距離:30cmに対応していません・・逆も然り。どう考えてもいずれは転用がバレます(笑)
それはそうです、5群6枚全ての光学硝子レンズを使って諸収差の改善に努力したのですから「“Flashmatic” 機構で実距離と絞り羽根の開閉角度まで矯正させている光学系と、本来のシルバー鏡胴の光学系とでは、その像を結ぶ制御方法すらまるで違う!」のは道理に適った話ではないかと思うのです(汗)
むしろこれらレンズ銘板の解説から明白になったのは「それぞれのモデルバリエーションで、その描写性能は微妙に異なる」との説明の補強材料にも至ったとの当方結論です!(汗)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
非常に長い解説になっしまいましたが(汗)、このモデルの光学系に関する根拠を明示しつつその光学設計を明らかにし、合わせてモデルバリエーションと「偽物/ニセモノ」への警鐘など
含め説明を進めました。
もはや「5群6枚ダブルガウス型光学系」実装との立場は覆せません(汗) そしてその描写性も顕在する光学設計から、明確に3つの写りが在ることを確認できました。それぞれのバリエーションが非常にユニークな存在と真実であることを・・ここに宣言します!
但し宣言しておきながら、ここで自ら穿った考察を進めてしまうなら、3つ存在する光学設計は「最終的に初期のシルバー鏡胴モデルの光学設計が吐き出す描写性に整合性をつける狙い/
近似させている」との受け取り方もできると考えられます。残念ながら描写性に関して、当方自身が「写真撮影スキル」すら欠如している為、何とも結論づけできないところです(汗)
然しながら一つだけ言えるのは、当時のオールドレンズ光学設計は「何を活かして、何を捨てるのか、との選択の連続だった時代」(それは特に非球面レンズがまだ一般的ではなかった時代をも意味する) との前提を認知するなら、あながち3つの描写性が実は顕在しているとの指摘も、決して妄想の範疇に留まらないような気もしますね(汗)
・・ほんの少しだけ伸びしろを残しておくのも、またをかし(笑)
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は『CONTAREX版Planar 50mm/f2 (silver)《前期型》(CRX)』のページをご参照下さいませ(当方の考察はその都度新たな情報を基に更新しています)。
ちなみに上の写真中央の白紙の上に並べている「ピッカピカに黄金色に光り輝く黄銅製の鏡筒」の存在から、今回扱ったこの個体が「初期型」であることの『証』に至ります(汗)
ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑その前に、上の写真は今回出品する個体で調達時の出品ページ掲載写真から転載しています。
・・ご覧のとおり「本格的なバルサム切れ状態」なのが分かりますが、実はこの調達個体は「距離環が完全固着」していました(汗)
「虹色のリング状に光が写っている」のは、以下に説明を示した「ニュートンリング」でありバルサム切れしている証拠でもあります(汗)
◉ 貼り合わせレンズ
2枚〜複数枚の光学硝子レンズを接着剤 (バルサム剤) を使って貼り合わせて一つにしたレンズ群を指す
◉ バルサム切れ
貼り合わせレンズの接着剤/バルサムが経年劣化で剥離し始めて白濁化し薄いクモリ、或いは反射が生じている状態
◉ ニュートンリング/ニュートン環
貼り合わせレンズの接着剤/バルサム剤が完全剥離して浮いてしまい虹色に同心円が視認できる状態
◉ フリンジ
光学系各群の格納が適切でない場合など、波長ズレを招き、ピント面の前後に色ズレ (ブルーやパープルなどの滲み) が現れ、エッジに纏わり付く現象
◉ 偏心
光学系内で上下左右で同じように収差の影響が現れない傾いた入射光の収束状態を指す
◉ 迷光
光学系内で必要外の反射により適正な入射光に対して悪影響を及ぼす乱れた反射光
◉ コーティングハガレ
蒸着コーティング層が剥がれた場合光に翳して見る角度によりキズ状に見えるが光学系内を透過して確かめると物理的な光学硝子面のキズではない為に視認できない
◉ ハレーション
光源からの強い入射光が光学系内に直接透過し画の一部分がボヤけて透けているような結像に至る事を指す
◉ フレア
光源からの強い入射光が光学系内で反射し乱反射に至り画の一部や画全体のコントラストが 全体的に低下し「霧の中での撮影」のように一枚ベールがかったような写り方を指す
↑当初バラしている最中の写真ですが、鏡胴から引き抜いた鏡筒を撮影しています。この個体の鏡筒はアルミ合金材削り出しではなく「黄銅材」なので「初期型」にあたるのが判明します。
(アルミ合金材の鏡筒はその後から製産出荷された)
するとご覧のように「緑青」を吹いており、相当キモいです(汗)・・まさに金管楽器の「臭い」そのままであり、臭いです(汗)
当初バラした直後は、このように鏡筒も経年劣化進行に伴う酸化/腐食/サビが進んでいる為「焦げ茶色」なのが分かります。前出の完全解体集合写真をチェックすれば一目瞭然ですが、当方が『磨き研磨』すると、黄銅材の黄金色にピッカピカに仕上がっています(笑)
↑引き抜いた元の鏡胴側を覗き込むと、こんな感じで内部に相当なレベルで経年の揮発油成分がヒタヒタ状に帯びていた名残が視認できます (その揮発油成分すら蒸発してしまって痕跡だけが残っている)。
↑こちらは鏡胴をヒックリ返してマウント部を取り外し、絞り羽根の開閉環まで取り外して「鋼球ボールの受け部」を見せている写真ですが、ご覧のように「赤サビが出ている始末」です (グリースではありません)。
このことから今回調達した個体は「潤滑剤を注入されたものの、そのまま再び放置されてしまった」結果、ヘリコイドの完全固着に至った経緯がみえてきました(涙)・・それは実際至る箇所に「埃が積もっていた」ままだったので、相応の時間を経ているのが分かります。
・・凡そ「潤滑剤」が注入されると、いずれはこうなるので全く以て禁じ手の一つです(怖)
特に「白色系グリースが塗られている上から潤滑剤が注入されると1年〜数年で完全固着する」のが常なので、本当に要注意です。
その意味ではトルクが異常に重い個体は手に入れないほうが良いのですが、なかなかオークションでは事前にそのような情報を入手できません(汗)
また今回の個体も今までに扱った個体の状況と同じでしたが「距離環が回らないからと非常に強いチカラでムリに回そうとした結果、ローレット (滑り止め) だけが僅かに回ってしまい、さらに外れなくなってしまった」との所為があからさまに見えてきます(汗)
「潤滑剤」を注入してめいっぱい回せば距離環が動き始めるとの考えですが、まるで素人考えです(泣)・・そうやってやがては「製品寿命」に尽きてしまいます(涙)
今回の個体はこのような「赤サビ」の状況だったので、大小72個の鋼球ボールにまで赤サビが生じており、正直なところまさか鋼球ボールまで当方の手による『磨き研磨』が必要になるとは想定しておらず、ちょっと面倒くさかったです(笑)
↑鏡筒をバラすとこんな感じです。この内部にそれぞれの位置で光学硝子レンズを格納していきますが、そもそもご覧のように酸化/腐食/サビが進んでいる為、バラした時は「光学硝子レンズを取り出すのでさえ大変だった」次第です(泣)
↑光学系前群の第2群2枚貼り合わせレンズを剥がしたところを撮影していますが、バラし始める前時点で既に「バルサム切れ」していたのに「加熱処置」しても全くビクともしません (剥がれない)。
3回ほど「加熱処置」を試みるものの全く歯が立たないので「これは二液性レジン液で接着されている」との確信に至り「せん断性」を活用する剥がし方に変更してようやく剥がしたところです(汗)
ご覧のように「バシバシと二液性レジン液が剥がれる際に浮き上がって立ち上がっているのが分かる」と思います(汗)
当然ながら二液性レジン液なので溶剤などでは一切溶けず剥がれません・・ひたすらに強くゴシゴシ、ゴシゴシと擦って削り落とすしかありません(涙)
上の写真は光学系第2群貼り合わせレンズの構成3枚目になりますが「凡そ1/5の領域に
二液性レジン液が残っている状況」です(汗)
↑一方こちらは剥がした構成2枚目の光学硝子レンズで、接着面を撮影しています。同様「凡そ4/5の領域に二液性レジン液が残っている」のが分かります。
このように垂直方向での圧力に対して結晶化する原理なので、剥がれた時は「それぞれ片側に残ってしまう」性質があるので一目瞭然です・・逆に言うなら正しい適切なバルサム剤は「溶剤で溶ける」と共に「接着面の両面にほぼ均質に残る」性質なので、剥がしてみれば何を使ったのかがバレバレです(汗)
結局一度剥がして再接着したのでしょうが、先ず以て「二液性レジン液」はすぐに剥離が始まります (多くの場合でニュートンリングが出現し始めるからチェックしていて分かる)(笑)
これら「二液性レジン液」の剥がし作業で都合4時間を要しており、マジッで頭に来ますね!(怒)・・ゴシゴシ、ゴシゴシと本当に強く擦っていた為、両手がプルプル状態です(涙)
↑完璧なオーバーホールが終わっていますが、残念ながら以下のような瑕疵内容が残ってしまった為『ジャンク扱い出品』としています(涙)
《残ってしまった瑕疵内容》
❶ 光学系前後玉にほぼ全面に渡り非常に薄いクモリが残っている (第2群〜第4群はクリア)。
❷ 距離環を回すとヘリコイドのネジ山の擦れ感が酷い。
❸ 再現性が一定ではないが、時々クッと抵抗を感じるトルクムラが現れる。
・・とこんな感じです。
❶の瑕疵内容から、普通の写真撮影時にはほぼ問題にならないものの、光源を含んでいたり光量が多い場合、或いは逆光撮影時などにフレアの出現率/発生率が極度に上がります・・特に前玉の非常に薄いクモリは順光でも目視できますし、一部にはカタカナの「ワの字」のようなコーティング剥がれ痕が浮き上がっています (普通に見ていても視認できるレベル/物理的に硝子面が削れているワケではない)。
また❷はヘリコイドが完全固着していた分で、接触面と非接触面でサビの状況が異なる為、その影響が残っています(涙)・・これは条ネジの斜面部分は『磨き研磨』しないので、結果的に擦れ感として残ります(涙)
しかもこのモデルは「ヘリコイドの条ネジ山がオスメス共にメッキ加工」なので、下手に研磨しても数年で酸化/腐食/サビが進み始める因果に至る為、徹底的に研磨してしまうのは却って悪影響です(怖)
逆に言うなら徹底的に研磨してしまった場合「グリースに頼った整備」になってしまうため、そのグリースの塗布量次第で酸化/腐食/サビの進み具合が変化することになり、近い将来的な再整備にも厄介な話になり当方はそのような処置を避けます(涙)
それは条ネジ山の金属研磨により寸法公差を逸脱していく方向性に進む為、整備のたびに塗布するグリースの成分と配合/添加剤を変えていく運命を進むことになり、当方ではそのような
サービスレベルを許容しないスタンスだからです(汗)
❸がその接触面と非接触面での塗布したグリースとの抵抗で変化するので、再現性が低いとみていますが、その時の状態を直視できないため推測でしかありません(汗)
接触面/非接触面と言うのは、ヘリコイドが完全固着していた為に露出していた条ネジ山部分を指して「非接触面」としており、その部分の経年劣化進行に伴う酸化/腐食/サビの進行が酷かった結果、再現性が一定ではないトルクムラや極度の擦れ感の印象へと繋がっています。
但し極僅かに今回オーバーホール済みでヤフオク出品するこの個体を擁護するなら、以下掲載写真のように「前後玉に残る極々微かな薄いクモリ」のお陰で『微かに、ほんの僅かにハイキ〜に振れる描写性が好きな人には、まさに堪らない Planar 50mm/f2 になる!』とさえ明言できてしまうほどに、そのフレア感はひたすらに、ひたすらに微々たる印象です(汗)
或る意味、当方にはそのような嗜好が無いですその印象に繋がりませんが、一方でその瑕疵として残る薄いクモリのレベルには「だからこその反面教師的な価値が生まれる」との受け取り方も、人それぞれなので決して蔑ろにはできないとの表現性も残されています(汗)・・但し、そのようなハイキ〜な映りこそがオールドレンズの代表的表現性だ・・との印象操作的な煽り方には、猛反対します!
↑1つ前の掲載写真と全く同じですが、これら「CONTAREX版オプション交換レンズ群の共通仕様」として、上の写真で説明している要素が全ての個体に顕在します。
光学系第1群前玉を締め付け固定しているのがレンズ銘板になりますが、そのさらに直前に被さるようにセットされるのが「遮光環」です (グリーン色の矢印)。
この環 (リング/輪っか) は、光学系内に不必要な反射光が透過することを防ぐ (フレアを防ぐ) 目的と役目から用意されていますが「レンズ銘板と遮光環との間に僅かな空間/隙間が残っている」のが見ると確認できます。
このような隙間は全ての同型モデルの個体に「同じ寸法の空間として必ず残る」と指摘でき、その理由は「前玉をレンズ銘板で締め付け固定した後に、今度は鏡筒そのモノを別の締付環で締め付け固定しているから」と告知できます。
逆に言うなら「どうしてこの遮光環をピタリと重ね合わせる製品設計に仕上げなかったのかは分からない」ものの、他のオプション交換レンズ群 (別の焦点距離のモデル) とも共通仕様ながら、そのモデル別で残る空間/隙間が異なることから、もしかしたらこの「遮光環」自体の設計寸法が数種類しか用意していないのかも知れません(汗)・・或る意味共通パーツ化しているような話なのかも知れませんが、その真偽は不明なままです。
いずれにしても、レンズ銘板と「遮光環」との間には空間/隙間が空いていますが、これは製品仕様であり、設計上の問題です (当方のオーバーホールの問題ではありません/改善不可能)。
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体ですが、前述❶のとおり前後玉に全面に渡る非常に薄いクモリが残ります。
コバ端着色を一旦剥がしてから再着色したのでキレイに仕上がっていますし、黄銅材の鏡筒ピッカピカに磨いて平滑性を取り戻してから光学硝子レンズを格納した為、適正な光路長が戻り非常に鋭いピント面を構成してくれます。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光に翳して反射させると、前玉はこんな感じに全面に渡り極々薄いクモリが残っています。
↑光学系後群もスカッとクリアですが、前述❶の後玉に全面に渡る非常に薄いクモリが残ります。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑後玉を拡大撮影するとこんな感じです。光に翳して反射させるとご覧のように全面に渡る極々薄いクモリが薄っすらと視認できます。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(光学系内は薄い極微細な最大6mm長数本あり)
※但し実際はコーティング面の微細な線状ハガレの為物理的に光学ガラス面のキズは光に翳して透過させも視認できません(反射で視認できるレベル)。
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
(前後玉に複数の微細な点キズあり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
(前後玉に視認できる薄いクモリが残っています)
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
※但し前後玉には薄いクモリが残っています。その影響で光源を含む撮影や逆行撮影時などの光量に敏感になってしまった為、状況によりフレアの発生率が相応に上がります。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
↑9枚の絞り羽根もキレイになり、絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正九角形を維持」しながら閉じていきます (途中カタチが変わります)。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・付属マウントアダプタのヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡りほぼ均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。
・距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
・距離環を回した時再現性が低いもののトルクムラが現れることがあります。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・付属品の一部には新品でも微細なキズや擦れが袋/ケースから取り出した時点で残っていたりします。
(おそらく中国/東南アジア製とみていますが不明)
・特に露出している後群格納筒は着色しましたが擦れると剥がれます。ご留意下さいませ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
例えば海外はドイツからワザワザ輸送してくるオークションなども見られますが、その出品ページを読むと「距離環を回すトルクは滑らかで均一、且つ適正なトルク」と謳っていますが、リアルな現実に今までに当方宛、その出品者から入手した個体とのことでオーバーホール/修理ご依頼を何本も承っています。
鏡胴に僅かなガタつきがあったり、その適性で均一と謳っている距離環を回すトルクがそもそも気に入らない、或いはピントが甘いような気がするなど、それらオーバーホール/修理を賜る瑕疵内容はもちろんバラバラですが、確かに人の感覚なので必ずしも出品者の印象とは合致しにくいものの、そうは言ってもガタつきの有無や距離環を回すトルクが適正なのかどうか、或いはピント面の鋭さ感など「いずれも数多く同型モデルを扱っているオールドレンズ専門の出品者なら、なおさらにそれら印象の標準化がオークション評価に連動するべき」との当方スタンスです。
しかし現在、ヤフオクの評価システムは一切落札者サイドに立っておらず「落札システム料を徴収できる出品者サイドのオークションシステム」としか言いようがありません・・そもそも親会社が何処ぞの某国なので、或る意味日本の商習慣や慣行に倣おうとしない企業姿勢なのは仕方ないのかも知れません(涙)
それだけに、当方のヤフオク出品スタンスは「可能な限り齟齬を排除したい」との思いから、敢えて少々厳しく誇張気味に記載し「ジャンク扱い出品」ではない限り、通常の出品時には「返品可」が大前提です。
その時、明確に当方自身の判定基準として据えるのは「多くの同型モデルで同じような印象なので適正 (酷い場合は仕様などと平気で明記するバカな出品者が居るが)」ではなく (それは多くの同業者が謳う逃げ口上として使われる言い回し)「本来このモデルなら、こう在るべき」との視点から最終的な個体別の仕上がり状況に即して印象を述べるのであって「俯瞰的に捉えた角度から個体別の印象に整合性をつけて述べている」のではなく「個体の状況からスタートして、結果同型モデル全体の相対的な仕上がりの印象に集約していくべき」との考え方です。
従って多くのオークション出品者 (特にヤフオク) と、当方の出品スタンスとは『まるで対極的で正反対の立場』であることを、ここに告知しておきます(笑)
それは落札者ありき、出品者ありきでもなく、全ては個体の仕上がり状況から話が始まるべきとの方針なので「可能な限りの齟齬を排除」が出品時の大前提です!
↑今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
❶ 本体『CONTAREX版Planar 50mm/f2 (silver)《初期型》(CRX)』
❷ HaoGe製 CRX→LMマウントアダプタ (絞り環装備) (新品)
上の写真のとおり❷ HaoGe製 CRX→LMマウントアダプタ (絞り環装備) (新品) は、絞り環を装備していますが、仕様として「F値:F1.4から刻印してある」絞り環です。しかし装着時にオールドレンズ本体側の開放F値を認識する機構部を装備していないので、上の写真のとおり「F1.4」からの操作になるのは、どうにも改善できません (オールドレンズ側の問題ではありません)。
従ってこれを理由にしたクレームは、マウントアダプタ側の問題なので一切受け付けません。そもそも開放F値を感知する機構部は「CONTAREXモデル」側のマウント部内部に組込まれているシステムなので、その機構部が存在しないと絞り値は合致しません。
結果、このサードパーティー製マウントアダプタと言うのは「単に絞り操作として働く絞り環の役目でしかない」とご認識頂くのが良いと思います。
時々「ではどうしてF1.4始まりで絞り値が刻印してあるのか???」との質問を受けますが前述のとおりそもそもオールドレンズ側開放F値を認識する機構部が欠落している製品なので装着するオールドレンズ側の開放F値を認識するハズがないのです(笑)
絞り環に絞り値が刻印してあるからと言って、そもそも当該マウントアダプタが中華製品なので、必ずしもそれに依拠した信頼性に足る製品とは限りません。それを当方宛クレームしてくるのはお門違いなので一切受け付けません!
なお、このような「CONTAREX版マウントアダプタ」側の操作性の問題は、製品のバラつきや同一製品ですら個体差が顕在するのを確認済なので、一切のクレームを受け付けません。
ちなみに「CONTAREXマウント規格」マウント部には「板バネ方式の絞り開閉環」が備わっている為、マウントアダプタなどに装着時はその板バネが反発して「バチンッ!」と少々大きめの音が聞こえて勝手に/自動的にハマりますが「正常」です(汗)
この装着時の音を指摘してクレームしてくるのも一切受け付けません・・それが「正常です」と何度も何度も執拗に告知しています!(怒)
中には「工業製品としてそんな音がして装着する仕様などおかしい」と面と向かって指摘してくる人も居ましたが(笑)、それを言うなら「ではどうして工業製品として板バネ方式を採用しているのか逆に説明してみろ!」と言いたいですね(笑)
この機構こそが「CONTAREXシリーズのマウント規格のボディ側機構」であるものの、それを装備していないマウントアダプタのほうが異常なのに、それを認めようとしないバカが居ます(笑) それを指摘してくるなら「ではどうしてマウントアダプタにはその機構部が組込まれていないのか???」と言いたいですね(笑)・・本当に何でもかんでもクレームすれば良いと思っているバカばかりで頭にきます!(怒)
・・ちゃんと自分の目で見て仕組みを理解してからクレームしてこい!(怒)
第一、この中華製マウントアダプタは噛み合う「コの字型の爪」部分の仕様すらバラバラなので、中には装着が硬い製品があったり「装着後の絞り環操作が硬い」マウントアダプタなどもリアルな現実に顕在していた為 (過去に既に確認済)、どのマウントアダプタも同じ仕様と勝手に思い込むのは相当危険です!
最低でも28回は、中華製マウントアダプタとの相性を確認しまくっている
当方に対してクレームしていることを自覚してからクレームしてこい!(怒)
いったいどれだけのオークション出品者が、ちゃんと付属しているマウントアダプタとの相性まできっちり確認していると言うのでしょうか??? こちら側が確認すればした分今度はそれをまるで当然の如く受け入れて、逆にクレームしてくるヤツが居るから頭にくるのです!(怒)
・・マウントアダプタに係る問題は当方の責任ではありません!(怒)
↑当方所有RICOH製GXRにLMマウント規格のA12レンズユニットを装着し、ライブビューで無限遠位置の確認等行い、微調整の上仕上げています。その際、無限遠位置はピタリの位置でセットしています。
(写真に写っているGXRやA12レンズユニットは今回の出品物には含まれません)
あくまでも当方での確認環境を明示しているに過ぎません。
無限遠位置 (当初バラす前の位置から改善/ピタリの状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離:50㎜、開放F値:f2.0、被写体までの距離:49m、許容錯乱円径:0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度:24m、後方被写界深度:∞m、被写界深度:∞m」の為、30m辺りのピント面を確認しつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の50m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。
・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭ですね(笑)
ヤフオク出品ページでは記載をミスって「前期型」としていますが、正しくは黄銅材の鏡筒を使っている「初期型」にあたります。アルミ合金材の鏡筒を装備するタイプから「前期型」のモデルバリエーションに変わります。
↑当レンズによる最短撮影距離30cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。