〓 Chiyoko (千代田光学精工) SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 ©《後期型−II》(L39)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。
今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク!出品するモデルは、国産は
千代田光学精工正標準レンズ・・・・、
『SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 ©《後期型−II》(L39)』です。
ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ! Слава Україні! Героям слава!
上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。
Slava Ukrainieie! Geroyam Slava!
今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時の千代田光学精工製標準レンズ域「45㎜/f2.8」だけで捉えると18本目にあたりますが、実は前回扱った1年前に「このモデルの扱いを最終とする」宣言をしていたものの、肝心な当方データベースへの入力を失念してしまい、今回ミスって再び調達してしまいました(汗)
このブログに今載せ始める段階になって、データベースをチェックしていて入力忘れだったことが分かりました (今回は間違いなく入力済)(笑)
巷でこのモデの人気は高いのに、どう言うワケか当方がオーバーホール済みでヤフオク!出品すると人気がありません (扱いをやめた理由)(汗) さらに「当方所有のカビ除去薬品の効力が強力」であるが為に、バラす前の確認時点でキレイだった光学系蒸着コーティング層は、薬品洗浄すると「実はカビ菌が繁殖していて、カビ除去痕が残ってしまった」と言う結果に繋がりました(驚)
まぁ〜、それは以前取材させて頂いた工業用硝子精製会社様の伝手を頼って入手している薬品なので、ご落札者様の手に渡ってから再びカビ菌の繁殖が進んでしまうリアルな現実を招くよりは、当然ながら安寧材料になり得ます (当方のみならず、ご落札者様にとっても心の健康維持には大切な要素)(祈)
その意味で当然な成り行きであり、今回のオーバーホール工程を鑑みても「光学系内には瑕疵が一つも残らず、操作性含め、まるで新品状態」と言う仕上がり状況だけに、前後玉に残ってしまった蒸着コーティング層のカビ除去痕だけが、却って悔しかったりします(涙)
・・思い描いたとおり仕上がらないという、自らの技術スキル低さに相変わらずガックシ(凹
今回のこの事実が暗に明示する事柄は、実は意外に「死角を突いたような脅威的な話」であり
オールドレンズの光学硝子材に繁殖するカビ菌の付着が「当然ながら人の瞳で凝視しても視認できない」のは納得できる道理とするも、その反面例えば電子式防湿庫に保管している場合を想定すると「カビ菌が付着したままの個体を一生懸命保管し続けている」話に至っている・・
のを知らないのは、所有者本人だけ・・みたいな話です(笑)
いえ、もっと的確に表現するなら「カビ菌の繁殖には至らない」と120%の勢いで信じ込んだまま、電子式防湿庫保管に頼っているのが真実であり(笑)、確かに明確に湿度制御されている電子式防湿庫の内部保管で「カビ菌繁殖の環境が整う脅威」はだいぶ低いのですが (ここ
でのポイントは、あくまでも湿度管理面だけであることをもっと直視するべきです/温度面は室温に影響されたまま)、しかし撮影で使った後に光学硝子レンズ面に付着した湿気分はその
ままに、やがて電子式防湿庫にまた入ります。
もっと言うなら「電子防湿庫で保管していれば、オールドレンズの光学系にカビ菌の繁殖は
起こり得ない」と信じ込んでいるのが大きな間違いです(笑) 防湿庫内でさえカビ菌はいくらでも浮遊しており、当然ながら部屋の中も、屋外も何処も彼処もカビ菌だらけです(笑)
そんな環境下であることは、今回の個体を見れば、光学系の前後玉の蒸着コーティング層に「どのようにカビ菌糸が根を下ろしていたのか」すら、今となってはまるで視認できてしまいなんともオソロシイ光景を知ることになったりします(笑)
・・その意味で、その光景を今更ながら眺めて、日々の教訓とすべし(笑)
そもそも光学系に蒸着しているコーティング層は「鉱物を資料として蒸着した被膜」であることから、それに対する脅威は「カビ菌の繁殖」だけに限らず、コーティング層の経年劣化進行とは「要は蒸着膜の酸化/腐食/錆びの反応の一つ」との立場に立って今一度考察すれば「指紋やグリースの揮発油成分など、油脂成分にも弱い」のも至極自然な道理であり、もっと言えば「インク成分の付着で化学反応を示す」点も決して蔑ろにできない直近の現実的な脅威だったりします (ここで言う資料とは蒸着に資する鉱物材料を指す)(怖)
それは黙っていても経年の中で、CO2溶解に伴う光学硝子材へのアタックが日常的に進んでいる状況を鑑みれば、一目瞭然の事実ではないでしょうか??? (工業用硝子精製会社様での取材内容による)(怖)
特に近年の研究者論文に習えば、マルチコーティング (多層膜コーティング層蒸着) が光学硝子レンズに対し有効性を高めるものに「TiO2 (二酸化チタン)」や「ZrO2 (ニ酸化ジルコニウム)」或いは多くの場合で「MgF2 (フッ化マグネシウム)」と「CeF3 (セリウムフッ化物によるシンチレーター活用)」そして
当然ながら「SiO (一酸化ケイ素活用の保護膜形成)」など、既にこれら鉱物の蒸着による有効性が既知になっている。
特に当方がこの5年間に大きく変化してきたと受け取っている内容こそがソレであり「反射
防止黒色塗料による光学系蒸着コーティング層への脅威」を、ことさら大きく認知しています。何故なら、何十年も前に蒸着した光学硝子材のコーティング層に対する現実的な脅威が、いったい何だったのかを個体別に特定する方法は、相応の施設に検査依頼しない限り判明しない内容である点を考えれば、前述した「カビ菌/油成分/化学反応」それら3つ全てに対しての防御策を講じなければ、その個体に50年後の未来は訪れないことを示しています(涙)
もっと言うなら、昔勤めていた家具専門店での職人伝授から「塗膜塗装表層面に蔓延る白黴の脅威」こそが、まさに根を下ろした非常に頑強に要塞化したカビ菌の繁殖の一種であり、それをまさに招いているリアルな現実を「自らの目で目撃している」状況に、甚だ憤りを感じるしかありません (だから洗浄では一切太刀打ちできず、研磨して根本的に酸化層からして剥ぎ取るしかない→反射防止黒色塗料を嫌う最大の要因)(涙)
自分が使っている間だけちゃんと使えてキレイであればそれで良い・・のがきっとホンネなのでしょうが、世界中がそうだからこそ、50年後にはオールドレンズは『ほぼ絶滅状態』に瀕してしまい(涙)、極々一部の富裕層だけが高額な個体を大切に保持できている時代が訪れます。
それこそ「100年くらい前に和製ズミクロンと囃し立てられていた銘玉の一つ!」と言われつつ、RICOH製「XR RIKENON 50mm/f2 (PK)」が棚に並んでいる光景すら、なまじ妄想に終わらないかも知れません(笑)
←そんな話の一例にはなりませんが、左写真のようなオールドレンズをヤフオク!に出品しておきながら、その出品ページに公然と平気で「通常撮影に影響なし」とあからさまに明記している次第で、こういう悪質極まりない低俗なカメラ店/ショップが横行しているのがリアルな現実です(笑)
こうやって『製品寿命』を迎えて消えていく運命なのです(涙)
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当方での扱いの最後にあたり (今度こそ)(汗)、今一度ネット上を調べまくって、特に光学系の設計に関し知見を広めました。
戦後すぐ1947年に、後のMINOLTAの前身であった千代田光学精工社から発売の、バルナック判ライカコピー機たるレンジファインダーカメラ「Minolta-35 A」の登場に合わせ、そのセット用標準レンズとして用意されたのが今回扱うモデル『SUPER ROKKOR 45mm/
f2.8 © シリーズ』です (右写真はMinolta-35 A)。
↑上の写真は一つ前の右写真のフィルムカメラと同一ですが、その刻印製造番号「0773」から、初期型たる「Minolta-35 A」なのが分かります(驚)
この個体は今現在もこのまま海外オークションebayで流れているからオドロキです(笑) 初期型「Minolta-35 A」の為、低速シャッタースピード・ダイアルに「5・10」刻印があり、低速ダイアルのロックレバーが備わります・・翌年1948年の「Minolta-35 B」では「4・8」に代わりロックレバーが消えるようです。
オモシロイのは、刻印メーカー銘が「CHIYODA-KOGAKU OSAKA」になっていて、翌年
後半以降の「C.K.S.」ではない点と、なによりも当方はオールドレンズが主体なので (申し訳ございませんが、フィルムカメラにはあまり興味関心がありません)、装着している「Chiyoko © SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 (L39)」のほうがオドロキで「刻印が前後反転タイプ」になっていて、大変珍しい個体です(驚)
実はこの逆向き刻印タイプの個体は、当方でも2015年に2本と2021年にも扱っており
まさしくまるッきしの反転状態でした(笑)・・そもそもパソコンiMacのiPhotoと言う画像管理アプリに写真データを蓄積していた為、ハードディスククラッシュの際に復旧できずデータ消失の憂き目にあっていますが(涙)、データベース記録では「4桁の製造番号」なのは残っている為、初期のロットであることは間違いありません (初期型なのでもちろんレンズ銘板に絞り値用の丸窓を備える)(汗)
また「SUPER ROKKOR 45mm/f2.8シリーズ」には珍しい「メートル表記刻印」なのも希少だったりします(笑)
←するとここからが今回の調査でいろいろ調べまくった内容の一つですが、はたしてセットレンズたる「SUPER ROKKOR 45mm/f2.8
シリーズ」発売時期が本当に1948年なのか???・・と言う話
です(笑)
それほどまでにネット上の解説では必ず「1948年発売/登場」と
記載されています(汗)
しかし前述「Minolta-35 A」取扱説明書の装着レンズ解説ページを見ると、左写真の如く「SUPER ROKKOR 45mm/f2.8シリーズ」の説明なのです (もちろんそもそも販売時点の
セットレンズだったハズです)(汗)
この事実から今回扱う『SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 ©《後期型−II》(L39)』のそもそもの発売時期は、一番最初に登場したレンジファインダーカメラ「Minolta-35 A」発売のタイミングにちゃんと合わせていたと推測しています (つまり1948年ではない/1948年だとMinolta-35 Bになってしまうから)。
↑上に並べた光学系構成図はいずれも今回扱った『SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 ©《後期型−II》(L39)』の光学系に関係する構成図ばかりです。左端から順に「Minolta-35 A取扱説明書の掲載構成図からのトレース図」に2つめが「前期型個体の計測値を基にしたトレース図」そして3つ目「今回扱った個体の計測値を基にしたトレース図」最後が全く別モノになりますが、これら光学系の始祖たる存在の特許出願申請書掲載図面からのトレース図です (右端)。
左から順に微妙に違いがあるように見えますが、実は決定的な相違点が一つだけあります(驚)
左端の構成図は、一番最初に登場した「Minolta-35 A」取扱説明書の掲載図面からトレースしていますが「光学系第2群の両凹レンズの歪曲の向きが、他の3つとは逆転している」点を以て、その光学設計の入射光制御に関し一つの考察を進められます。
左端は「絞りユニット側面の曲がり率 (左方向) > 後玉側面の曲がり率 (右方向)」であるのが分かります。次に来る後玉に面する側の曲がり率が緩やかなので、必然的に前玉からの入射光透過について「後玉の外径を大きくとれない」結果、確かに取扱説明書掲載図のとおり (左端のトレース図のとおり) 上に並べた4つの構成図の中で最も小振りの後玉になる道理です。
また2つ目の構成図は「前期型」を以前扱った際、オーバーホールで完全解体した時に当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図であり、3つ目も同じデジタルノギスによる実測値からのトレース図となれば、下手するとこのモデルは「1947年の発売当初から、何回も光学系の再設計を繰り返してきた」との憶測が湧き上がります(驚)
そもそもレンジファインダーカメラ側ボディの発売/製造期間が1947年〜1957年と僅か10年間なので、その中でセットレンズたる『SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 © シリーズ』が3回も光学設計を変更していたものの、基本仕様は何一つ変化していないというリアルな現実に驚かされます・・いったいコストを掛けまくって、当時の千代田光学精工社は、何にこだわっていたのでしょうか???
←そして左の図が上の羅列の中で一番右端の光学系構成図の基になる特許出願申請書です (左図からトレースしました)。
1886年Carl Paul Görz (カール・パウル・ゲ(ゥォ)ルツ) が、ドイツはベルリンで起業した光学製品の会社で、1925年にOPTISCHE ANSTALT GOERZ AG (ゲルツ光学研究所AG) として特許出願申請の『GB247134 (1925-02-15)』になります (左図はその2ページめ)。
まるで一つ前 (左から3つめ) の今回扱った個体を実測したトレース図と・・瓜二つです(驚)
もっと言うなら、各群の曲がり率とその方向性まで近似しており、どう考えても入射光の透過に関し今回扱ったモデルと比較した時、互いに似たような設計概念ではないかと、それこそ
目を細くして疑いの眼差しになってしまいそうです・・まさか特許期限切れを良いことにパクったのか???(汗)
当方の他のブログページでもちゃんと解説していますが、その意味で当時同じ敗戦国ながら、ドイツと日本の扱いは連合国軍の中でも明確に別れており、敗戦したドイツが戦前に遡ること凡そ70%の特許権について戦時賠償の一環として剥奪されたのにもかかわらず、その一方で同じ枢軸国に属していたハズの日本は、戦前に遡って特許権を「保護されてしまった」一点を指して、彼の有名な「Ludwig Jakob Bertele (ルートヴィッヒ・ヤコブ・ベルテレ)」が大の
ニッポン人嫌いだった逸話が有名だったりします (自らの人生を賭して発明した案件をあっという間に拐っていって、コピー製品を世に送り出し始めたから)(汗)
このような敗戦時の (日本では終戦時と言うが) 自国特許権の扱いの差こそが、今思えばその後の時代の「日本製光学製品の世界征服の分かれ目だった」運命的な事象だったのではないかと
世界中の光学設計者/数学者から注がれる視線をよそに、思ったりもしています(笑)
・・人生、最後まで諦めずに突っ走ったが勝ち! みたいな話で、当方も頑張らねば(努)
話がちょっと逸れますが、実はこの時の「サンフランシスコ平和条約 (1952年4月28日発効)」は、戦後日本の世界平和に関する戦争状態終結を意味する条約です。ところが「この条約に唯一署名しなかった国が在る!」ことを、皆さんはちゃんと捉えているでしょうか???(怖)
お察しのとおり「旧ソビエト連邦たる現ロシア」です(驚) まるで平和ボケのニッポンに堕ちまくっていますが(涙)、まさにプーチン大統領がこの点を明確に述べており「北方領土含め先の大戦時の歴史的事実は、今もなお続いていることを日本と国民は想起するべきだ」のコメントに、いったいどのような意味が含まれるのかを、今こそ日本国民は (ウクライナを対岸の火事と捉えず) 真の脅威として受け取るべきです (既に脅されているのですョ!)(怖)
マスメディアの記事を読むと、まるで中間部分が省かれてしまっていますが(驚)「今もなお継続していること」と翻訳できることを公然と平気で省く姿勢が
本当に信じられません(汗) たまたま現ロシアの侵攻が西に向かったから助かったものの、下手すればすぐ後に中国共々東方向にまで舵切りされたら、とんでもない時代が到来します (経済成長どころではありません)!(怖)ウクライナの「vs ロシア」どころか、その時の日本は「vs 中国 & ロシア & 北朝鮮」と三つ巴に至るのが、今回の北朝鮮軍精鋭部隊1万5千人のクルスク派兵で、まさに明白です (もっと脅威に捉えるべきです)!(怖)
北海道札幌近辺にはウラジオストーク経由のロシア軍、近畿中国地方に北朝鮮+中国合同軍、さらに南西諸島には中国軍と、3方面同時侵攻されれば陸海空自衛隊だけでは、25万人でさえ3日耐えれば良いくらいの危機です!(怖)
サクッと襲っておいて、すぐに挫けた日本政府により「3国同時占領統治」が決定づけられ、その後の日本は「再びの平和到来を人質に」核心技術を吸い尽される時代に突入します(涙)・・サンフランシスコ平和条約に署名しなかった事実には、そういう背景と妄想が拮抗するのです(怖) 25万人の自衛隊員の命を殉職として英雄視して、なんていうのは子どもたちの時代に到底耐えられません!
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←これら4つの光学系構成は、基本要素として3群3枚トリプレット型構成から発明が派生しており、その始祖は英国はHarold Dennis Taylor (ハロルド・デニス・テイラー) による1893年の発明であり 『GB189322607 (1893-11-25)』になります。
光学系第1群前玉に色消し効果を高める目的で凹凸の2枚を貼り合わせる3枚貼り合わせレンズで設計した特異な構造です。
これら特許出願申請書の掲載構成図をよ〜くチェックすると気づきますが、絞りユニットの配置が3枚玉トリプレット型構成では第2群の両凹レンズの次に来ていたのに、上の4つの光学設計では前群側に一つ分ズラしています。
これは3枚玉トリプレット型構成の特許出願申請書記述でも光学系第2群の屈折率に課題を抱えていたことが窺え、そこに新設計のより高性能な光学硝子材を使い屈折率を向上させることで、プラスして3枚貼り合わせと言う独創的な発想により一気に収差改善を図ってしまった、本当に画期的な発明ではないかと思います(驚)
←しかし今度はこの「Carl Paul Görz」の特許出願申請書を辿っていくと、さらに興味深いことに既に3枚貼り合わせレンズの起草にかかっていたことを如実に示す特許出願申請書があり『GB189902854A (1899-02-08)』後に「ダゴール型光学系」と呼称される光学設計
です。3枚貼り合わせレンズの開発など、自身にとっては既に容易い発想だったのかも知れませんね(笑)
詰まるところ種明かししてしまえば(笑)「国内特許・実用新案検索J-PlatPat」を検索したところで何一つこのモデルの光学設計に関しヒットしないので、その時思い浮かんだ「ダゴール型光学系」の3枚貼り合わせレンズ (を剥がしたり接着したり) に関する記述を思い出し、そこから辿り始めてようやく掴み得た/発見できた特許出願申請書だったのです(汗)
・・その意味で、まさかここまで近似し尽くしていた光学設計とは夢にも思わず!(驚)
光学設計を辿っていくとそのルーツを探り当てるのもなかなかドキドキ感が堪りませんが(笑)
それに合わせて開発の背景などを妄想するのもまた楽しいです (当方は光学知識が皆無なので妄想でしかあり得ませんが、だからこその自由な世界が愉しいのです)(笑)
なお、別の方向性の話ですが、この後に登場する「アクロマチックコーティング (AC)」に
ついて (1958年特許出願)、こちらの「写真レンズに対するAchromatic Coatingについて (西野久著)」を読むと、特にカラーフィルム印画紙に於いて、光学硝子レンズの屈折率が低い面に対して薄膜蒸着すると効果が期待でき、特にシングルコーティング層に被せるとより有効らしいです。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は『SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 ©《初期型》(L39)』のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑まず先に完全解体した結果から、内部構成パーツの中で気になったモノを明示していきます。上の構成パーツは「絞り環用ベース環」で、この上に絞り環が被さる設計です。
上の写真で赤色矢印で指し示している箇所の大きな穴を貫通して「開閉キー」と言うシリンダーネジ (左の写真のような部類の締付ネジ) が刺さり、鏡筒内最深部に組み込まれている絞りユニット内「開閉環」と連結することで、絞り環操作が伝達されて絞り羽根の具体的な角度での開閉動作に至ります。
ところが今回の個体はブルー色の矢印とグリーン色の矢印で指し示したように「2つの締付
ネジ用の下穴が在る」ことが判明しました。
このネジ山に絞り環がネジ込まれて、最後化粧ネジによって締め付け固定される設計ですが、さらによ〜く観察すると、そのネジ山に対してこの2つの下穴の位置が微妙に高低差がある
事実が判明します。
これが意味するのは「1つだけが製産時点で、もう一つは過去メンテナンス時にドリル穴あけされた下穴」だと明言できてしまいます (上の写真では既に溶剤洗浄が終わり、当方の手に
よる『磨き研磨』も終わっています)(汗)
↑また別の与件もバレてしまいました(笑)、上の写真は「絞り羽根が刺さる位置を確定する位置決め環」と言う鏡筒最深部に組み込まれる絞りユニットの構成パーツの一つです。
この環/リング/輪っかの固定位置が変わると、自動的に絞り羽根の開閉角度まで変わってしまい、絞り値との整合性を担保できなくなります(怖)
←ここにはイモネジが締め付けられていた痕跡が2つずつ残っており (全周全部で6個)、グリーン色の矢印と赤色矢印で指し示している箇所の凹みですが、その内の1つだけが製産時点です。
こちらも水平位置に高低差があり極僅かにズレています。
これらの事実から、要は絞り環を固定する位置をワザと故意にズラして仕上げていたことが見えてきますが、そもそも今回のモデルはヘリコイドが「回転式ヘリコイド駆動方式」の設計なので、絞り環の位置が問われないのに、いったいどうしてこのような所為に及ぶ必要があったのでしょうか???
答えは、このモデルの整備経験者ならすぐにピ~ンと来ますが(笑)、ヘリコイド部の無限遠位置固定に対する「絞り値刻印の辻褄合わせ/位置ズレの調整」と指摘できます。
後でオールドレンズを見れば分かりますが、このモデルは「距離環のローレット (滑り止め) に絞り値用の基準●マーカーが両サイドに刻印してある」が為に、距離環の「∞刻印位置がズレると、自動的に絞り環との位置ズレまで生ずる」ことを微調整する目的で「いろいろ穴あけしたごまかしの整備」と言うのが当方の結論です(笑)
・・バラす前は分かりませんが、バラせばいろいろごまかしの整備が白日の下に晒される(笑)
↑さらにオモシロイ発見がありました(笑) ちょっと撮影をミスってしまい、ピンボケで申し訳ございません(汗) 絞りユニットや光学系前後群が格納される鏡筒を立てて撮影しています。
↑さらに鏡筒の側面を拡大撮影しました。何やらマーキング/刻み込みしてあるのが分かりますが、その文字と意味が不明です(汗)
いろいろ傾けたりしながら凝視して観察するとマーキングの文字は「ЦВКЦЦ」であることが分かりました・・この文字、いったい何処の国でしょうか???(笑)
そうですね、今なら皆さんにもある程度察しがつくでしょうか???(笑) さらに左に並ぶ文頭2文字が不明瞭で分かりませんが、ベラルーシ語かウクライナ語と推測しており、和訳すると「color」になります。他の国の言語では文字単位での発音になってしまいコトバとして機能しません。
最初は「4BK44」に見えたのですが、拡大すると下に棒が伸びておらず、横方向に伸びていることから「4ではない」と判断したところ、するとキリル文字の「Ц」が思い浮かんだという次第です (筆順から我々には4に見える)(笑)
実は驚いたことに、今回の個体は「イモネジや他のネジ類の締め付け固定が
素晴らしく正しい締め付け手法を執っている」と関心だったのです!(驚)
昨今、なんともニッポン人の整備者がデタラメで締め付けている中で、彼の国の整備者のほうが「まさに正しい締め付け方を知っていた」と言う話になり、まるで本末転倒のような話ですが(笑)、実はウクライナもベラルーシもロシアも共に「極寒地」を国土内に持つ国なので、このような金属材の作業に係るネジ類の締め付けについては、むしろ熟知していたりします(笑)
そうしないと金属材の極僅かな応力反応だけで、互いに上手く駆動しなくなったりするので、常温で整備できる国の整備者ほど、怠けて本来の正しい知識を身に着けていなかったりしますね(笑)・・このような事柄からも日本の整備者は、自らを戒めるような内容ではないかと受け取れます。
・・世界に君臨する日本の光学製品を整備しているニッポン人整備者のほうが、むしろ為体。
その意味で、今ドキの日本でいくらでも確認できる「硬締めしかしないバカな整備者」或いは「ネジ類の締め付け手順を知らないアホな整備者」もっと言えば「ネジというネジ全てに固着剤を被せまくる低俗な整備者」などザラに居たりしますから、本当に恥ずかしい話です(恥)
当方は若かりし頃、小売業界に勤めていた為、決して金属加工に携わったことは一度たりともありませんが、13年前からのオールドレンズ整備作業の中では、独学でこういうネシ類の
締め付け方について自分の哲学を構築してきました(恥)
実はこの点に関し以前取材で伺った金属加工会社の社長に、すぐさま質問されてしまい「貴方はレンズの整備で、この3つのネジをどのように締めつけていますか?」とネジを差し出されました。
前のテーブルに並んだのは「イモネジ・皿ネジ・平ネジ」3本でした。ちゃんとオールドレンズの取材と事前に相談していたので、用意されたネジ類も凡そオールドレンズによく使われている小さなネジ類ばかりでした(汗)
この質問について自身の経験値から率直に申し上げたところ、社長に大変褒められたのを今もとても懐かしく記憶しています (社長、その節はありがとう御座いました!)(涙)・・オールドレンズで撮影するのが大好きな社長なので、今も当方のこのブログを見て下さいます(涙)
「昔、いろいろな整備会社に整備に出したことがあるが、まともにネジを締め付けできていた会社が一つもないのに、貴方はよく研究されたね」そのひと言で何もかも救われたような気持ちになったのを、今でも昨日の事のようにハッキリ覚えています(涙)
いの一番で試されたテストに合格したのか(笑)、その後の社長の話は本当に目から鱗の内容ばかりで、そのお話があったからこそ今の整備があります・・ありがとう御座いました!(涙)
↑上の写真は取り出した光学系第1群前玉の3枚貼り合わせレンズです。既に当方の手により溶剤を使い、過去メンテナンス時の整備者の手による「反射防止黒色塗料」を除去し終わっています。
ところが赤色矢印で指し示している箇所にポツポツと過去メンテナンス時の「反射防止黒色塗料」が残っているように見えますが、それらはグリーン色の矢印で指し示している箇所の塗膜で判明します。製産時点の塗料が剥がれずにモッコリ膨れたまま残っているにもかかわらず、その上からさらに「反射防止黒色塗料」を塗りまくったので、黄銅材の光学系前群格納筒の中に最後まで格納できていなかったようです。
これが原因で無限遠位置が適正化できず、ムリにあ~だこ~だ微調整しまくって仕上げたのが今回の個体のバラす前の状態だったことが判明しました(笑)
どうしてそういう結果まで透けて見えているワケではないのに分かると言うのかと言えば、実は確実に最後まで格納できていれば「収納した光学硝子レンズは水平を担保できているなら、クルクルと回せる」のです(笑)
そして今回のモデルで言えば、上の写真前玉は構成1枚め、2枚め、3枚めの3枚貼り合わせレンズであるものの、最大径が最も大きいのは構成2枚めなのです (だからグリーン色の矢印で指し示している箇所の盛り上がりが大問題になる)。
・・すべてにはちゃんと理由があるのです(笑)
従って当初バラしている最中にこの前玉が全く回らず微動しなかった時点で「あッ。最後まで入っていない」とすぐに判明するものの「加熱処置したらアッと言う間にバルサム切れ」との危険性も高く、おそらく/間違いなく当時はカナダバルサムを使って接着していたと推測でき、なかなかバラすのも大変な作業だったりします (むやみに加熱できない)(怖)
←ちなみに左写真のように、ちゃんと冒頭解説で明示したトレース済光学系構成図のとおり、3枚貼り合わせレンズのカタチと厚みを確認できますから、決してウソを掲載しているワケではありません(笑)
「公然と平気でウソを拡散し続けている」と某有名処のコメント欄に誹謗中傷され続けている始末で(泣)、ちゃんと『証拠写真』を載せて解説しなければイケナイみたいです(笑)
もっと言えば、構成1枚めの硝子レンズは凸平レンズと推測できますが、構成3枚めの硝子
レンズは、上の左写真を見ても凸平レンズにしか見えないものの、実は裏面側 (次の第2群の
方向) は「▲0.2㎜」と相応に凹んでいる「凸メニスカス」なのです(驚)
だからこそ、絞りユニットを挟んだ次の光学系後群側たる第3群の絞りユニット側面の曲がり率が緩やかな光学設計になる (反対側の後玉側方向の曲がり率のほうが強い/歪曲が多い) のも道理になります。
しかもその計測値は上のほうで並べて掲示した光学系構成図左から2つめ「前期型」に於いても、前玉3枚貼り合わせレンズの裏面側 (絞りユニット側) は、やはり計測値「▲0.2㎜」なのを実測済みです(汗)
このような実測値から捉えて、4つ並べた構成図の中で一番左端の構成図だけが、その第3群両凹レンズの曲がり率が異なる (逆転している) と結論づけしています。
ここで最も重要なポイントは「このモデルの前玉は、バルサム切れが生じていても一旦剥がしての再接着はほぼ不可能」と言う話であり、特にこの3枚目の「僅かに窪んでいる硝子レンズの光軸を担保する方法がない」ため、特に前玉に薄いクモリやバルサム切れと分かる症状が発生していたら、その個体はイコール『製品寿命』でしかありません(涙)
それを承知で入手するかどうかですが、実は冒頭解説のとおり、今回の個体も光学系がとてもキレイだと捉えて手に入れたワケで、詰まるところ薬剤で清掃すればカビ除去痕が現れた次第で、喜ぶべきか悲しむべきかと言ったところです (カビ菌の繁殖が除去できた)(汗)
↑完璧なオーバーホールが終わりました。当初調達時の掲載写真では確認できなかった「前玉の点状のカビ除去痕」が視認でき、確かにこれが蒸着コーティング層の上に侵食していたカビ菌の繁殖だったが為に、このようにカビ除去痕として見えている次第ですが、なんとも複雑な思いだったりします(涙)
何故なら、光にかざそうがLED光照射しようが、これらカビ除去痕は確実に除去できているらしく視認できないのです(汗) その意味で、今回の個体の光学系はスカッとクリアでとんでもない透明度を誇ります(涙)
本来ならもう1万円高くしても落札される個体の仕上がりなのに・・こんなカビ除去痕の為に仕方ありません。それが「人情」と言うものですから、どうにも逃げられません(涙)
逆に言うなら、現在市場流通している個体のどれかを1本手に入れてみれば良いです(笑)・・
当方は既にそれら出品ページ掲載写真をチェック済みですが、本当にスカッとクリアだと確信を以て手に入れられると判定を下せた個体は一つもありません(笑)
そのくらい「光学系内を光に翳して (LED光照射ではなく) 覗き込んだだけで薄いクモリが視認できる」のが、特にこのモデルの光学系第1群3枚貼り合わせレンズの宿命的な状況です(汗)
・・そのような状況が一年中続くので、なかなか確信を以て入手できないのです(涙)
前述のとおり「スカッとクリア」と明記しているのは、本当にスカッとクリアなのであって、
光に翳そうが、LED光照射しようが「100%薄いクモリが存在しない」と明言しているのです・・「見えない」ではなくて「存在しない」と断言しているのです。
この事実がどれだけこのモデルの流通品の中で凄まじい事実なのかは、残念ながら数を扱っている当方にしか判定を下せません・・まさにこのことこそが「当方がオーバーホール済みで
ヤフオク!出品しても人気がない」点を物語っており、その裏をとれば『転売屋/転売ヤー』は良いふうにしか謳わないと、まるで信用/信頼が皆無なのだと思わざるを得ません(涙)
結果、このモデルの扱いを最後にするしかないのです。どんだけ光学系の状態が素晴らしくても、どんだけ操作性を突き詰めても、それがまともに伝えられない以上、扱い続けても意味がありません。
その意味では、今年元旦に「引退時期を延ばす宣言」をしましたが、凡そ9ヶ月間続けてみて
やはり引退する潮時なのかも知れないと思い始めました。
どんだけ真剣に、真面目に、情熱を注いで追求しても受け取ってもらえず、
伝えられず、あくまでも一般的な『転売屋/転売ヤー』としてしか扱われない
なら、このようにオーバーホールを続けていても意味がありません。来年を見据えてもう一度考えてみたいと思います・・。
13年間オーバーホールを続けてきて、本当に真に喜んで頂けた方々はほんの数えるほどであり、多くの方々に受け入れられず、高額なだけで、単に当方本人が自己陶酔しているだけの如く、白い目で見られている視線をヒシヒシと心に刺しながら毎日続けていくのは、当方のような小心者には・・あまりにも辛すぎます(涙)
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。ポツポツと少々大きめに写るのは「気泡」です。
◉ 気泡
光学硝子材精製時に、適正な高温度帯に一定時間到達し続け維持していたことを示す「証」と捉えていたので、当時の光学メーカーは正常品として「気泡」を含む個体を出荷していました (写真に影響なし)。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
光に反射させると、明確に蒸着コーティング層にカビ除去痕が浮き上がりますが、光に翳して内部を確認した時には視認できません(涙)
↑光学系後群側も同じで、後玉にはやはり光の反射防止黒色塗料で浮き上がるカビ除去痕が複数残っていますが、LED光照射でも視認できません(涙)
・・スカッとクリアなのに、まるで不運としか言いようがありません(涙)
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:7点、目立つ点キズ:4点
後群内:9点、目立つ点キズ:7点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前後玉に点状の微細カビ除去痕複数あり)
(但しコーティング層なので硝子面には無し)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後玉に極微細な薄い拭きキズ複数あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・光学系内に微細な「気泡」が数点残っています。当時光学硝子材精製時に一定時間規定の高温度帯を維持した「証」として捉えており、正常品扱いで出荷されていました。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
↑9枚の絞り羽根もキレイになり、絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に円形絞りを維持」したまま閉じていきます。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。
詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。
もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し「製品寿命の短命化を促す」結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない『磨き研磨』により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる『完全解体を前提とした製品寿命の延命化』が最終目的です(笑)
もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)
実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)
その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施す『DOH』そのものなのです(笑)
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感です。距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。
・距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
(神経質な人向けに誇張的表現で記載しています)
・このモデルは回転式ヘリコイド駆動方式なので、距離環の回転と一緒に絞り環が回っていきます。それを考慮し、距離環側に僅かにトルクを与えてピント合わせ後絞り環操作で距離環が微動しない配慮したトルクバランスで仕上げています。但し開放側と最小絞り値側では絞り環の突き当て停止に伴い距離環の微動を招くので、撮影時は留意すると良いでしょう(それが正常で仕様です)。
・絞り羽根の開閉幅(開口部面積/カタチ/入射光量)と光路長の適正化やピント面解像度の向上含め簡易検査具でキッチリ検査しつつ微調整を施し本来在るべき姿として組み上げ終わっています。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
↑今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
❶ 純正金属製ネジ込み式専用フード/本革ケース付 (中古品)
❷ marumi製UVフィルター (新品)
❸ 本体『SUPER ROKKOR 45mm/f2.8 ©《後期型−II》(L39)』
❹ 汎用樹脂製ネジ込み式M39後キャップ (新品)
❺ 汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
❻ クリーニング用マイクロファイバークロス (新品)
前述のとおり、このモデルは「回転式ヘリコイド駆動方式」なので、距離環を回すと絞り環まで一緒に回っていきます。
すると本来なら「ピント合わせした後に絞り環操作するとピント位置がズレる」のが当たり前の駆動方式ですが、そこを配慮して「距離環でピント合わせ後に絞り環操作できるよう互いのトルクバランスを微調整してちゃんと仕上げてある」次第です(笑)
そう言うと「単に距離環側のトルクを重く仕上げただけの話」と何処ぞで批判されているらしいですが(笑)、もちろん距離環のトルクを微調整していますが、それでもいつもの当方独自たる、ヌメヌメッとしたシットリ感漂う軽めのトルク感で、掴んでいる指の腹に極僅かにチカラを伝えるだけでピント面の前後微動が適うトルクに仕上げられており、抜群の操作性を実現しています (ちゃんと絞り環側にもトルクを与えています/スカスカではない)(笑)
その上でピント合わせした後に絞り環操作してもピント位置がズレないよう処置してある話で
そういう細かい配慮に気を利かせて作業できるのがオーバーホールの醍醐味だったりしますね
(それを知るのはご落札者様たったお一人様だけですが)(笑)
それを考えれば、前述のように誹謗中傷されて拡散している人数のほうが圧倒的に多いワケで
本当に世知辛い世の中になりました(涙)
↑純正金属フードをセットするとこんな感じです・・如何ですか???(笑) マウント部直前の基準「▲」マーカーに対して、赤色矢印で指し示しているように基準●マーカーは合致するものの、グリーン色の矢印で指し示している箇所の「f2.8」よりも少し先です。
↑これにはちゃんと理由があり、上の写真のとおり「最小絞り値側のf16位置でピタリと合致させる (グリーン色の矢印)」設計なのがこのモデルの場合です (赤色矢印)。
逆に言うと、ここの組立工程で過去メンテナンス時の整備者は位置合わせできず、仕方なく
下穴をもう一つ別の場所に用意して組み上げていたと指摘できます(汗)
しかしそもそもこのモデルは「回転式ヘリコイド駆動方式」なので、距離環の∞刻印位置に全てが左右されます・・と言うことは「組み上げたら無限遠位置が合わなかったので、微調整して合わせたものの絞り環の位置がアッチにズレてしまった」状況が透けて見えてきます。
今回のオーバーホールでは、それらを逐一調査して「製産時点を示す下穴を突き止めて組み
上げている」為、ご覧のように適切な位置で操作できます (当たり前の話ですが)(笑)
↑当然ながら無限遠位置も上の写真のように新調した (と言っても中古品ですが) RICOH製「GXR」にA12ユニットを装着し、LMマウント化にRayqual製変換リング (赤色矢印) を介し
∞刻印ピタリの位置で組み上げています (凡そ∞刻印中心から0.3mmほど左位置で合焦)。
当然ながら、今回のオーバーホール済みでのヤフオク!出品には、これら「GXR」にA12ユニットや変換リングは付属しません (前述した付属品だけです)。
どうやらSNSでちゃんとLMマウント化して無限遠位置を調べていないと言われているらしく(汗)、このような事まで『証拠写真』が必要なのかと、どんだけ信用/信頼が皆無なのかを如実に示している話であり、本当に情けない限りです(笑)・・仕方ないのでその『証拠写真』として掲載しました (面倒くさい)(汗)
・・まぁ〜身から出た錆なので仕方ありません(恥)
無限遠位置 (当初バラす前の位置から改善/ほぼピタリ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離:45㎜、開放F値:f2.8、被写体までの距離:28m、許容錯乱円径:0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度:14m、後方被写界深度:∞m、被写界深度:∞m」の為、20m辺りのピント面を確認しつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の30m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。
・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭ですね(笑)
↑当レンズによる最短撮影距離1m付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。専用フード装着状態での撮影です。
↑f値「f11」での撮影です。みうだいぶ絞り羽根が閉じてきているので、そろそろ「回折現象」の影響などが現れ始めています。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。
◉ 焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。
なお、冒頭告知のとおり、今度こそこのモデルの扱いを最後にする予定です。
お探しの方は、是非ご検討下さいませ。
(調達がリスキーすぎるから/当方が整備すると人気がない)