〓 FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON 55mm/f2.2《前期型:一部金属製》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産は
FUJICA製標準レンズ・・・・、
FUJINON 55mm/f2.2《前期型:一部金属製》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時のFUJICA製標準レンズ域「55㎜/f2.2」の括りで捉えると77本目にあたりますが、今回扱った「前期型」だけでカウントすると54本目です。

さらにその中で今回オーバーホール済でヤフオク!出品する個体は、非常に珍しい (今回のカウントで僅か2本目) と言う「一部金属製」になり、そのカウント数は累計で捉えても12本目にとどまります。

つい先日この「一部金属製」のモデルバリエーションをオーバーホール済でヤフオク!出品しましたが、本来フィルター枠とマウント部だけが「金属製」である製品ながら (つまり距離環/指標値環/絞り環が樹脂製)、極一部の製造番号帯にバラけて「さらに金属製で筐体外装の構成パーツが造られていたモデルバリエーションが潜んでいる」と言う、まるでちょっとした都市伝説的なイメージの話です(笑)

今回の個体が何故、そんなに珍しいのかと言えば「絞り環だけが樹脂製で、
他の筐体外装パーツ全てが金属製
と言う造りだからです!(驚)
しかも、それは「レンズ銘板まで金属製」であり、まさにその存在自体は
この製造番号だけに限定する『唯一無二の存在』です!(驚)
※他の製造番号帯は全て100%樹脂製のレンズ銘板ばかり。

実際には今年に入って扱った「初期型2本 (総エンプラ製)」と言うモデルバリエーションも顕在しますが、実はこの「初期型」は光学設計が異なる唯一無二のモデルバリエーションでもあります(汗)

当方に於いて、これら異なる筐体外装パーツで組み上げられた製品の存在を問題として捉えているのは「単に樹脂製か金属製かの相違だけで終わらない、内部構造の違い」まで判明している為に、当方では特殊な扱いとしてカウントを続けています(汗)

それは共通構造として「筐体外装パーツの材質だけを設計変更すれば良かった」ものを「敢えて内部構造の設計を違えてきた/コストを掛けてまで設計変更してきた」点に於いて、もはやその時点で「廉価版の格付けから逸脱した製品に成り下がってしまった」ことに着目して、カウントを続けている次第です(汗)

1976年に廉価版の一眼 (レフ) フィルムカメラ「ST605」を発売したタイミングでセットレンズとして用意した標準レンズがこの「FUJINON 55mm/f2.2シリーズ」の登場背景ですが、これだけのモデルバリエーションを設計変更を伴い用意してきたのは、結果的に「廉価版の格付け以上にコストを掛けまくってしまった」点で「???」が拭えません(汗)

  ●               

↑上の写真はこの「FUJINON 55㎜/F2.2シリーズ」筐体外装パーツから、違いが判明している「指標値環」だけを取り外して重ねて撮影しています。

金属製 (上段):全部で3種類顕在する (他に内側に切削が在るタイプが2種類ある)
樹脂製 (中段):最も多用されているタイプ
樹脂製 (下段):一部のモデルバリエーションにだけ使われているタイプ

現在分解整備済でヤフオク!出品し続けている出品者の出品ページでも、この「指標値環」について「金属製 (2種類) と樹脂製 (1種類) が在る」と写真付で掲載し解説していますが、その相違点について「パーツの材質と重量に指標値刻印の違い (白丸の大きさ)」だけに着目して
います (出品ページ掲載写真は内側に切削が在る金属製の指標値環2個と樹脂製1個)。

・・違います!(汗)

外見上の相違点からばかり捉えようとするから「重量の違い」を測ったり、刻印の相違点を見つけようとしたりしますが(笑)、リアルな現実の「設計者の立場から捉えた本質的な相違点」は、上の写真でグリーン色の矢印で囲った「パーツ高の違い」が主点です!(汗)

これを外見上の違いや重量などからだけで捉えようとしてしまうから「他の製造番号帯の個体からキレイな部分だけを転用して組み上げるヤツが出てきてしまい、いつまで経っても市場
流通品の製造番号帯の信憑性を担保できないままでいる
」のがリアルな現実です!(涙)

今までにも当方のこのブログで何度も何度も執拗に解説していますが、一部製造番号帯 (製造番号の先頭2桁) が重なってしまい、混在してしまっているのが実際です。

例:58番で始まる個体の中に「前期型の仕様諸元の個体と、後期型の仕様諸元を含んだ個体の2種類が混じっている」などと言う現象が現れています(汗) これは簡単に言ってしまえば「一体モールド成形の製産に変更して、割れ/欠け/ヒビが入らない樹脂製距離環に設計変更したのが後期型」の始まりなのですが、それが「前期型」の仕様諸元の個体にまでセットされています(驚)

・・要は誰かが勝手に「後期型」から取り外した一体モールド成形の距離環を転用した。

逆に言うなら「製造番号先頭2桁だけが暗号」なので、本来のシリアル値はその後の4桁だけになります・・例えば前述の「58xxxx」の製造番号で説明するなら「xxxx」の部分だけがシリアル値を執るので「580000589999」の総数1万本しか製産出荷されないとの
推察が道理です。

ところが、実際はこの「58番」は他の構成パーツが「前期型」を示すパーツだったりするので、当時生産出荷した時は、本当は「58xxxx」としての「経年劣化進行に伴い割れ/欠け/
ヒビが入る樹脂製距離環
」だったハズなのですが、その割れ/欠け/ヒビが入った距離環を取り外して「後期型」から転用したキレイな一体モールド成形の距離環へと付け替えて、ヤフオク
などで出品している始末です(汗)

だから、本来製造番号の先頭2桁だけでカウントするなら「00xxxx 〜 99xxxx」と言う100種類の製造番号帯しか存在しないハズなのに、未使用の番号帯まで数えても市場流通品の仕様諸元を調べると「全部で109種類の個体が流通し続けている」始末です (以前当方が調べた際の検証値です)(汗)

これらの詳細は以前検証したFUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製(M42)』で解説しているので、興味が在る方はご参照下さいませ(汗)

↑今回オーバーホール済でヤフオク!出品する個体の指標値環は「金属製」なので、一つ前の写真でになり、且つグリーン色の矢印で指し示した内側に切削が備わらないタイプです (同じ金属製でも他に内側に切削が在るタイプが2種類在る)。

それではせっかくですから、全く別の製造番号帯から構成パーツを転用することの「酷さ/偽善/虚偽」について次に明示していきましょう(笑)

↑前述した重ねて撮影した指標値環を、今度はヒックリ返して裏側を上向きにして撮影してい
ます(笑)

並び順は同じですが、 に向けて、このように「裏側のカタチや切削、厚みすら微妙に異なる (グリーン色の矢印)」のが一目瞭然です(汗)

・・これが何を意味するのか???(涙)

そうです! 設計者が目的があって設計変更してきた要素であり、特に裏側の切削面 (カタチ) の相違から「絞り環とこの指標値環の上に被さる距離環の諸元が違う」事が窺えます(汗)

然し前述のとおり、現在入手するこの「FUJINON 55㎜/F2.2シリーズ」は、筐体外装パーツを好きなだけ転用し入れ替えられてしまっているので、その設計の意図の違いを確かめる術がありません(涙)

・・同じ製造番号帯からキレイなパーツを転用する配慮すら欠如しているのが実際!(涙)

↑今度は手元に在る「樹脂製絞り環」を3種類重ねて撮影していますが、リアルな現実は「金属製の絞り環も顕在する (総金属製が在るから)」ものの、絞り環の全高は同一ながら「内側の設計の違いが一目瞭然」なのが、リアルな現実です ( の並び順を、ちゃんとパーツの仕様に合わせて符番しています)(笑)・・もちろん「刻印の相違」もありますが、それ以前にこの絞り環の制御に大きく関わる要素の違いが歴然です(汗)

どうして当方がここまでして、これらの内容を解説しまくっているのかと言えば「如何にも
整備しましたョ!
」・・的に謳っていながら、詰まる処「自分の都合だけで製品寿命を短命化させているだけの話」なのだと、そもそも設計者の意図から全く以て逸脱した構成パーツの
使い方を強いておいて、何が「分解設備済」だと言いたいのです!(涙)・・腹立たしいです。

↑上の写真は、今回の個体のマウント部内部から取り外した「制御爪」の写真で、この「」は絞り環に締付ネジで、マウント部内部の内側から締め付け固定されます。

すると赤色矢印の箇所をチェックすれば一目瞭然ですが、工具のペンチか何かで掴んで「グィッ!」と目一杯チカラを加えて故意にワザと変形させているのが明らかです。えぐれているキズの付き方から、グリーン色の矢印の方向に強制的に曲げられてしまったのが明白です(涙)
・・その結果、ブルー色の矢印で指し示した付け根から変形しています。

つまりこの事から、過去メンテナンス時の整備者の手で、故意にワザとこの「制御爪」が絞り環に締め付け固定されたままの状態でペンチで曲げられたので、上の写真のような状況なのが顕になります(涙)

樹脂製の絞り環なのに、締め付け固定されているままこのような強力なチカラを加える所為を執ること自体に、オールドレンズに対する愛情のカケラすら感じ得ません!(怒)

↑上の写真は以前このブログで解説時に掲載した写真からの転載ですが、全て過去メンテナンス時の整備者の所為に拠る「ごまかしの整備」たる証拠です(汗)

トーションバネ (捻りバネ) の左右両端 (グリーン色の矢印) を固着剤で固める所為
結果、反発力の方向性が反転してしまい、絞り羽根開閉異常を起こす

トーションバネ (捻りバネ) を強制的に曲げて反発力を強くした所為
本来はグリーン色のラインが正しい製産時点のカタチだが、グリーン色の矢印の箇所で曲げ
チカラを強くした (それによって異常が起きていた絞り羽根開閉を何とか改善させている)(笑)

そもそもで固着剤を間違った場所に塗布したのが原因で、チカラの方向性が設計を逸脱し「絞り羽根開閉異常」を来したのに、過去メンテナンス時の整備者は全く分かっていない・・しかもそれを「ごまかす」為にの所為に及んでいます(笑)

の締付ネジがこの制御爪のグリーン色の矢印箇所に入る
然し、の締付ネジの使い方をミスっている (左右どちらの穴に締め付けるのか、ちゃんと
意味がある
)。

制御爪固定用締付ネジ
締付ネジのネジ頭の大きさが異なり、絞り環の駆動域を決める役目なのに、左右をテキト〜に締め付け固定するから、絞り環操作時のクリック感が「刻印絞り値から外れた印象に変わってしまう」(汗)

ちなみに、上のを見れば分かりますが、この「制御爪」の左右の伸びしろ部分には「キズが無い」ので、製産時点はこの状態だった事が掴めます(笑)

またのトーションバネ (捻りバネ) の使い方を過去メンテナンス時の整備者がミスっているものの、そもそもトーションバネ (捻りバネ) の目的/役目/狙いすら全く理解していないのが明白です。当方が今までに扱ったこの「FUJINON 55㎜/F2.2シリーズ」の累計カウント数77本の中で、凡そ76%の確率で似たような所為がマウント部内部に執られているので、ドシロウト整備ではなくプロのカメラ店様や修理専門会社様に在籍している整備者の手による
所為と推測しています(汗)

トーションバネ (捻りバネ) は、そのカタチのバネ材からして、左右に広がるハの字型の先端方向に対して「接触対象となる左右の金属材などに対して、スライドしながら反発力を与えていく目的/役目/狙い」なので、この左右に開いている先端部分を固着剤などで固めてしまって「固定すると、チカラの反発は方向性が逆転し、中央の円形に集中的に向かう現象が起こる」為に、設計者が企図したチカラの伝達とは異なる動き方に変化してしまいます(怖)
(スライドしていく中で接触対象に適正な反発力を、必要とするチカラとして与え続ける)

ここがポイントで、これらトーションバネ (捻りバネ) が、接触対象にその反発力を及ぼす時「当初伝わってきたチカラよりも増大も減少もしない」点を以て、最終的に「絞り羽根を常に開くチカラ」と「常時閉じるチカラ」とのバランスの中で「絞り環操作と絞り連動ピンの活用により、絞り羽根が閉じる移動量をコントロールできる」原理なのが「絞り羽根制御の基本的概念」であり「原理原則」だからです(汗)

・・過去メンテナンス時の整備者は、それを全く理解していません!(汗)

もッと言うなら、小学生レベルでも、ちょっと考えれば分かる「絞り羽根開閉の原理」すら
理解していない始末です(笑)・・それって凄く恥ずかしいと思わないのでしょうか???(汗)

絞り羽根に製産時点にプレッシングされている金属棒を指して「キー」と呼称しますが、その表裏面に打ち込む向きは別にして「開閉キーと位置決めキーの2つの目的/役目/狙いが在る」ことすら理解していません(笑)・・何故なら、絞り環を回して設定絞り値まで絞り羽根が閉じる時「2つのキーが互いにその位置を固定してしまったら、絞り羽根は角度を変えられない」のが原理です(笑) その一方で「2つのキーが両方とも位置が変わっても角度は変えられる」と言う「円運動の概念」を理解していません(笑)

話が変わりますが、それを説明するのに、例えば昔のレシプロ戦闘機が、敵同士で互いに相手機を目視しながら「巴戦 (ともえ戦)」と言う円運動の中で旋回している時、お互いにグルグルと旋回しつつ射撃のチャンスを狙っている時に、お互いの位置がもしも変わらなければ、いつまで経っても敵機を撃墜できませんョね???(笑)

一方でいわゆる締め付け固定しているネジ類全てを、何でもかんでも「固着剤で固めまくる」と言う、安直で短絡的な考え方がその背景に在ることを示唆していると、当方は捉えています(汗) それこそ皿頭ネジやナベ頭ネジなど、凡そどうしてそのようなカタチの異なるネジ類を
使ってきたのか、そう言う設計者の意図を完全無視する概念としか考えようがありません(汗)

何で当方のような高卒上がりの「プロにもなれず、マニアすらなれなかった整備者モドキの
クソな転売屋/転売ヤー」
が理解できているのに、プロのカメラ店様や修理専門会社様に在籍しているプロの整備者が理解していないのか「???」しか残りません(汗)

いったいそういう整備会社に在籍していながら、こういう「ごまかしの整備」を平気で執れてしまう人格と言うのが、同じニッポン人として全く以て信じられません(汗)

ちなみに、これら「ごまかしの整備」を平気で執り続けている整備会社は、今まで扱った77本の個体の状況から「塗布している固着剤の色が、古い時代の赤色今ドキの青色へと変化しながらも、相変わらず同じミスを続け、そのごまかしの所為まで同じ手法を継承し続けている」事実からして、何処ぞの父子で世継ぎしている整備会社ではないかと憶測しています(汗)

逆に言うなら、それこそ光学メーカー認定修理専門会社様で整備されたオールドレンズをバラすと、その内部にはこのような「ごまかしの整備」が何一つ露わにならない事実を以て、昔から業界全体で執られ続けていた整備内容では決してないと、当方はみています (特定の整備
会社だけが執り続けている内容/しかもその数からして相当な有名処
)(汗)

↑今回の個体から取り外した「距離環の巻く距離指標値印刷テープ」ですが(笑)、赤色矢印で指し示した箇所の穴は「楕円のカタチで固定位置微調整の為のマチが備わる」のが一目瞭然です(笑)・・設計者のこの配慮のおかげで、或る特定の微調整時にとてもありがたい/助かる次第です(笑)

逆に言うと「前期型」の頃に主流だった「刻印距離指標値」の場合は、同じ微調整機能が付加されていなかった事になり、その分「別の部位の設計が違っていた」のも掴めています(笑)

↑一例として以前掲載した写真から再び転載しています。

マウント部内部の写真ですが、以下のような構成パーツと、その目的/役目があったりします。

❶ 絞り連動ピン
マウント面から棒状の金属棒が突出し、その押し込みにより設定絞り値まで瞬時に絞り羽根が閉じる

❷ トーションバネ (捻りバネ)
ハの字型に左右に広がるバネ材で、反発力を及ぼし絞り羽根の開閉動作を保持する目的と役目 (2種類あり)。

❸ 操作アーム
絞り連動ピン () の動きに従いその移動量分だけ❹の開閉爪が動く

❹ 開閉爪
鏡筒内の絞りユニットから飛び出てくる「開閉アーム」を爪が掴んで操作する役目

❺ 制御爪
絞り環に締め付け固定され、同様絞りユニットから飛び出る「制御アーム」を掴んで操作する

❻ ❼ 駆動域限定ネジ
でネジ頭の相違/同一の差から、絞り環の駆動域を確定する役目 (の記載を忘れた)。

すると実際にマウント面から飛び出ている「❶ 絞り連動ピン」が押し込まれると (ブルー色の矢印❽)、その押し込まれた量の分だけ「❸ 操作アーム」が動いて (ブルー色の矢印❾) 絞り羽根が設定絞り値まで「瞬時に閉じる」原理です。この時、絞り環操作で既に設定絞り値が決まっているので「❺ 制御爪」が、鏡筒から飛び出てきている「制御アーム」をガシッと掴んでいるから「設定絞り値まで絞り羽根が閉じられる」道理ですね (ブルー色の矢印❿)(笑)

ここでのポイントは「絞り連動ピン () の押し込み量の分だけしか開閉爪 () が移動しない」設計であり、その為に過去メンテナンス時の整備者は「この制御爪をムリに曲げて向きを変え、絞り羽根の移動量を微調整する荒業を執っている」所為なのが判明するワケで、当方が大袈裟に煽り立てて、自分の自慢話にストーリーを仕上げているワケでは・・ありませんね (ちゃんと道理が通っている)(笑)

逆に言うなら、これら所為を執った過去メンテナンス時の整備者は使っている2種類の❷ トーションバネ (捻りバネ) の個別の目的/役目/狙いが分からないだけでなく「絞り羽根の開閉原理に於いて閉じるチカラ開くチカラの2つの方向性の中で (バランスの中で) 制御する概念
すら理解していません。

こう言う事柄の一つ一つが「観察と考察」であり「原理原則」とは、前述した各構成パーツの役目とその動き方だったりしますから、それをちゃんと照らし合わせて「???」にならなければイケナイのに、単にバラした逆手順で組み立ててしまうから「製品寿命はどんどん短命化に進んでしまう」と執拗に、何度も何度もこのブログで述べています(涙)

↑上の写真も以前掲載写真からの転載です。前玉側方向から観た時の、このモデルの鏡筒 (ヘリコイドオス側) と、その最深部にセットされている「絞りユニット」です(笑)

このように鏡筒最深部に「完成した絞りユニット」をセットするにも、実は「原理原則」が介在するので(笑)、それをミスると (或いは整備者自身が理解していないと)、やはり「絞り羽根開閉異常」へと繋がり、その程度の多い少ないの差はあるものの「本来の在るべき姿」として、製産出荷時点に限りなく近似した仕上がり状況から、ひたすらに乖離していく話になっていきます(汗)

もしも今このブログを観ている整備者が居るなら、上の写真を観て、いったい何処の何について「原理原則」が介在するのかを言い当ててもらいたいです(笑)・・当方は、どんなに初めての扱いのオールドレンズのモデルだとしても「原理原則」を熟知しているので、決してバラした時の逆手順だけで組み立てていきませんし(笑)、そもそも過去メンテナンス時の所為が正しく適切だったのかまで疑いの眼差しなので(笑)、何一つ信用していません。

観察と考察原理原則はそう言う次元の話であり、その結果が本来在るべき姿なのです(笑)・・そこに扱いが初めてなのか否かは、一切問題に成り得ませんね(笑)

↑さらに絞りユニットを取り出すと (上の写真はマウント側方向に向かって上向きにして撮影
しています/つまり上に写っているこの絞りユニットの裏側が前玉側方向を意味します
)、上の解説のとおり、ちゃんと「開閉アーム」と「制御アーム」の金属棒が飛び出てきており、マウント部内部の動き方解説のとおり「ブルー色の矢印❾により瞬時に設定絞り値まで絞り羽根が閉じる」のは、マウント面から飛び出ている「❶ 絞り連動ピン」の押し込み動作に拠るチカラの伝達ですね(笑)

同様「ブルー色の矢印❿が絞り環で設定した設定絞り値の範囲で移動する」ワケで、さんざん解説してきた「制御爪をペンチで曲げれば、絞り羽根の綴じ方が変化する因果に繋がる」のが分かりませんか???(笑)

要は自分のミス (構成パーツの使い方ミス) が真の因果なのに、それすら気づかず、ひたすらに「ごまかしの整備」をし続けていたのが過去メンテナンス時の整備者の所業です(涙)

そしてもっと言うなら、現在分解整備済でヤフオク!出品しているこの「FUJINON 55㎜/F2.2シリーズ」は、確かにその出品ページに解説と共に掲載写真が明示されているものの、肝心なこれら「マウント部内部の状況」には一切触れておらず、明らかに「外見的な要素に着目した整備」と共に「金属用研磨剤を使い磨いて如何にもありがたく仕上げられている」事を謳いますが、そもそも見ている着眼点の角度が全く当方とは別モノです(汗)

上の写真の2本のアームは、マウント部内部の2つの「」がガシッと掴んだまま、距離環を回すとスライドしていくので、ここの微調整が適切ではない限り「いずれ近い将来的にムリが現れる」懸念が残っており、もッと言うなら「当方のデータベースでは実は、今までに扱った個体の76%でマウント部内部の構成パーツが間違った使われ方をしていた」ワケで、今回のオーバーホール同様、当方が「逐一製産時点に正して組み上げている」始末です(笑)

・・全く以て本末転倒な不条理を強いられているオーバーホールです(涙)

はたして、それら出品中の分解整備済個体の絞り羽根開閉動作と、合わせて爪からのチカラは
どのようにアームに影響を来しているのでしょぅか???(怖) 残念ながら、今までの出品個体を観ていると、掲載写真も出品ページ内の記載文章にも「マウント部内部制御系の構成パーツの状態は不明なまま」でしかなく、さらに残る懸念は「一部パーツの使い方をミスって組み上げられていた」或いは「別製造番号帯からのパーツ転用」などを執り続けていたのが分かっていて、そもそも当方のポリシ〜である「オールドレンズの製品寿命延命化を目的とした整備」からは、全く乖離した異なる整備目的なのだと、受け取っています(涙)

そもそもパーツの使い方をミスっているのを後から発見している時点で、自身が組み立てている時の構成パーツに対する「観察と考察」が蔑ろにされているワケで、そのままミスッたまま組み立ててしまっている結末であるにもかかわらず、言っている事とヤッている事が違うようにしか当方には受け取れません(汗)

ヘリコイドオスメスのネジ山にこだわって「金属研磨剤を使い研磨」し続けるのも勝手ですし
その結果軽いトルク感に改善するなら、とてもありがたいことなのでしょう。さらに割れ/欠け/ヒビ割れまで気にせずに使える「一体モールド成形の樹脂製距離環への転用」も、まさに
ご落札者様にとり大変ありがたい安心材料でしかありませんが、製造番号帯の、例えば「70番台」と「80番台」のパーツを転用してしまう行為自体は、当方には哀しい事実にしか映りません(涙)

それでもありがたい整備なのだからと言われれば、それ以上指摘しても通用しませんね。

当方が狙う「本来在るべき姿」の追求とは、まさに対極的な整備が横行している始末で、いつまで経っても『絶滅危惧種』なのだからとの想いは、残念ながら決して伝わらず、相変わらず報われないままです(涙)

・・自分の所有物なので、活かすも殺すも自分の勝手で、とやかく言われる筋合いはない。

そのような立場は、出品者もご落札者様も結果的に同一なのでしょうが、はたしてそれって、オールドレンズに対する慈しみの思いって、あるのでしょうか???(涙)

大のお気に入りで、思い入れが強いから、多少クモリが残っていても、キズだらけでも、垢だらけでも、相変わらず大事に大切に使い続けるのだと、或いはそのオールドレンズに、父親や祖父の背中を追っている・・などなど、まさにオールドレンズと言えども「纏わる慈しみ」の想いは人それぞれで、そこに銘玉もクソも無いのだと当方は強く、本当に強く思います(涙)

特につい近年まで「思いやり大国ニッポン」だったハズの同じニッポン人として、とても寂しい想いしか残らないのは・・どうしてなのでしょうか(涙)

なお、直近でのこの「FUJINON 55㎜/F2.2シリーズ」調達状況はこれで一旦終わります。また気が向けば、或いはチャンスが訪れれば、海外からでも入手したいと思っています(笑)
(だいたい1年〜2年間隔でのスタンスにはなってしまいますが・・)(笑)

↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はFUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。今回扱った個体は、今までの13年間で「2本目にあたる製造番号帯」であり、絞り環だけが樹脂製です (金属製)。上の写真に写っているレンズ銘板さえも金属製なので、それだけで何だか高級感です(笑)

この個体は今回英国から個人輸入しましたので、凡そ3週間時間を要して手元に届きました(汗)・・おそらく、以前の出品者/別の出品者が既に「潤滑油をヘリコイドに注入」したのだと推測していますが、残念ながら届いて手にした個体は「距離環が全く微動だにしない状況」で、しかもバラしてみると「指の腹にヘリコイドのオス/メスがそれぞれ張り付いて持ち上げられるほどの粘着力」だったのです(涙)

溶剤で当初塗布されていた「白色系グリース」を拭うにも、既に注入した「潤滑油」のせいで化学反応が起き、ヘリコイドのネジ山はオスメス共に「ベタベタにまるで接着剤付着状態」なので、溶剤如きでは全く歯が立ちません(涙)

・・このベタつき/粘着力を除去する作業だけで丸っと4時間費やす始末でした(涙)

その結果、距離環を回すトルクは、当方の印象では「重め」です(涙)

↑その一方で、筐体外装では「絞り環」以外が「金属製」と言う喜びが付随するものの、実は最大の悦びは「光学系の状態の良さが、今まで扱った76本中で最大規模!!!」との要素です(驚)

ハッキリ言って、当方の出品ページに記載した「微細な点キズ」を適合させるほどの数で、現ブツの光学系内には見つからない程です(笑)

・・スカッとクリアを通り越して「まさに逸品レベルの光学系」と断言できます!

この「FUJINON 55㎜/F2.2シリーズ」ではなかなか見つけられる状況ではありません。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群も同じレベルですから、前後群全てに於いて「逸品レベル」です(驚)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:11点、目立つ点キズ:6点
後群内:12点、目立つ点キズ:8点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・絞り羽根に油染み痕が残っています(除去不可能)。

↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります

申し訳御座いませんが切削はご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。

またK&F CONCEPT製のマウントアダプタをご使用頂ければ/手に入れればこの「開放測光用の爪」を回避するので干渉せずに正常使用が可能ですからご検討下さいませ。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています (一部の絞り羽根に油染み痕が残っています)。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

なお、当方が行うDOHでは、以下の処理を行いません。

水などを使う中性洗剤に拠る筐体外装パーツ、及び内部構成パーツの洗浄
金属用研磨剤を使った研磨
光沢剤を使用した金属材や樹脂材の光沢/艶出し処理
化学薬品 (剤) や合成化合物を使った酸化/腐食/サビの除去
化学反応を利用した酸化/腐食/サビの除去
ブラスト処理による酸化/腐食/サビの除去

またDOHでは、最後の工程で必ず対象材に見合うエイジング処理を全てのパーツに施す為、整備後の経年劣化進行に耐性を担保できるよう配慮しています。

従って「水利用に拠る中性洗剤での洗浄」や「金属用研磨剤の使用」など、
凡そ金属材表層面の経年劣化進行を促しかねない所為を一切執りません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。なお後キャップを外さずに距離環を回すと空気の吸い込みにより、さらに重いトルクになる為、後キャップを外して操作して下さい
距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
・装着するマウントアダプタによってはピン押し底面の深さの影響で絞り羽根の開閉動作に問題が現れる懸念があります。出品商品はK&F CONCEPT製、及び日本製Rayqual製マウントアダプタに装着して絞り羽根の開閉動作に異常なく正常である事を確認済みです。マウントアダプタ装着時の絞り羽根開閉動作に係る問題はクレーム対象としません。
・マウント部内部の捻りバネの経年劣化進行に伴い僅かに弱っている為鏡筒から飛び出ているアームを掴んでいる爪が擦れて「カリカリ音」が聞こえてくる事があります(特にマウントアダプタに装着すると聞こえてきます)。捻りバネの経年劣化が原因なのでこれ以上改善できません。またこの瑕疵が原因で将来的に不具合を起こすことはありません。
過去メンテナンス時整備者の手によるマウント部内部構成パーツ変形があり、今回カタチを正したものの距離環を急に回したりするとトルクが重くなる事があります(その原因と根拠は当方ブログで解説しています)。距離環を回す際は普通の速さで回してください

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑上の写真は、今回のオーバーホール済ヤフオク!出品で、筐体外装パーツのどの部位が「金属製」なのかを示しています。

❶ レンズ銘板金属製
❷ フィルター枠金属製
❸ 距離環金属製
※但しローレット (滑り止め) は塩ビ (ラバー) 製
❹ 指標値環金属製
❺ 絞り環樹脂製
❻ マウント部金属製

ちなみに、これら「金属製」の構成パーツであることの確認は、工具を使い単に叩いたり弾いたりせず「ちゃんと8cmくらいの高さから落としてみて、その時のカランカランと鳴る金属音を聞いて、初めて金属製との判定を下している」次第です。これが例えば樹脂製の構成パーツだったり、或いは前述した「割れ/欠け/ヒビが入らない、一体モールド成形の樹脂製距離環」だったりすると、同じ8cmの高さから落としてみても「コトン!コトコトッ」と鈍い音が聞こえてくるだけで、金属的な音は鳴り響きません(汗)

そのような検証を経て「金属製」との判定を下しているので、決してウソをついているワケ
ではありませんね(笑)

さらに付け加えるなら、距離環を巻いているローレット (滑り止め) も「伸縮するラバー製」のタイプと、今回の個体に巻かれている「塩化ビニル仕様 (伸縮性は相当低い)」のタイプの2つに分かれます。

また冒頭で解説した「距離指標値を印刷したアルミテープ」が距離環に巻いてあり、その両端を締付ネジで締め付け固定する際に「ネジ穴が楕円でマチが備わる」のがありがたい理由は「距離環をセットした時に無限遠位置を合わせても、距離指標値が刻印のタイプは∞の中心でちゃんと突き当て停止しない」のですが、それをピタリと「∞の中心位置」に合致させることができ、パッと見た目での意味合いしかありませんが、所有者の気持ち良さ (納得感) を充たすには良い材料になります(笑)

従って巷では「アルミテープのタイプはチープ感が強い」などと貶されていることがありますが(汗)、当方の判定ではむしろ逆で「∞位置をピタリと合わせられる良さが在る」と、これも「後期型」への移行過渡期に一部製造番号帯のモデルで多用された要素ではありますが、その際の設計者の思考も垣間見ることができ、それはそれでまたロマンだったりします(笑)

オールドレンズのモデルバリエーションを手繰る時、そう言う角度から考えて調べてみるのもまた奥行きが増して楽しめたりするのではないでしょうか???・・少なくとも、当方はそういう捉え方をしています(汗)

なお、モデルバリエーションの中で『総金属製』があるものの、それは上の写真で明示している までが「金属製」なのであって ( 絞り環も金属製)、逆に レンズ銘板が樹脂製
だったりしますから、その意味では「真のオール金属製は存在しない」と捉えています・・
もちろん前述の方式で転用してしまえば「レンズ銘板まで金属製にはすげ替えられる」ものの
製造番号先頭2桁の符番ルールからは全く以て逸脱した「創られたモデルバリエーション」でしかありませんが(汗)、相当努力を重ねれば実現不可能な話ではありません (何しろ金属製レンズ銘板モデルも総金属製モデルも共に、符番製造番号2桁はそれぞれ1つだけだから)(笑)

モデルバリエーションに関する解説の最後になりますが、今まで扱ってきた77本の個体 (ジャンク箱の中に転がっている個体を足せば優に3桁に突入しますが)(汗) を観てきて一つだけ掴んだ真実があります。それは「金属製距離環を装備している製造番号帯のモデルだけが、実装している光学硝子レンズのコーティング層蒸着レベが全く違っていて、当時の他のFUJICA製の
オールドレンズと同じ蒸着コーティング層表層の平滑性をキープできている
」と判定を下しています。

これは光学系の清掃作業時に明確に違いが現れ、シルボン紙の拭き加減で明らかにその滑らかさ感に違いが現れます。それ故に「廉価版の格付けとして蒸着コーティング層の成分なのか配合なのか、何かを変更してきた」結果が、今頃になって歴然としており「蒸着コーティング層経年劣化進行が酷い個体ばかりが大多数に堕ちてしまった」のだと受け取っています(涙)

従って必然的に、今まで扱ってきた『総金属製』11本も含め、今回の個体も同じように「とんでもないクリアなレベルの光学系を維持できている」と共に、それはまさに光学系清掃時の当方自身の作業のし易さ感からも共有できている次第です(笑)

それは当方のオーバーホール工程では、光学系の清掃時「光学硝子レンズ片面について、カビ除去→汚れ除去→清掃→仕上げの4工程を経ている」ワケで (当然ながら各工程での使用薬剤は全部違うので、その都度4種類の薬品を使います)、光学硝子レンズの表裏面に於いて最低でも8工程、掛ける光学硝子レンズの総枚数が「清掃工程のトータル回数」であるものの、リアルな現実は、気になる拭き残しや拭きムラなどまで光学硝子レンズの角度を変えつつ光に翳してチェックしているので、それら再清掃工程まで含めると「相当な回数拭き拭きヤッている」始末です(笑)・・如何に当方の技術スキルが低いのかを、まさに物語っている内容の一つとも指摘できます (恥ずかしい)(汗)

これら光学系清掃工程に使っている薬品類は、以前取材させて頂いた工業用光学硝子レンズ精製会社様でご教授頂き、且つ部長さんの大変ありがたい鶴の一声で (お声掛けで)、一般顧客には決して流さない薬品まで購入ルートをご用意頂けたので、とても多くのカビ除去が適い、且つ蒸着コーティング層の清掃時に於けるクラック回避にまで、その恩恵を得ており、本当に感謝以外の何物でもありません!・・ありがとう御座います!(涙)

このように感謝する時、いつも必ず思い出すのですが、師匠の一言「正直に
真面目にやっていれば、いつか必ず報われるものだ」
・・毎年元旦の早朝に
思い出しているお詞でもあり、懇意にしてくださる皆様方や、お世話になった
それら『神々しい方々』への感謝を・・決して忘れません!(涙)

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:一部金属製》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

まさに距離環を回すトルクが「重め」である点さえ瑕疵が残っていなければ、それこそ今回のオーバーホール済ヤフオク!出品は「即決価格49,500円」が妥当との判定を下すほどです (そう言う光学系のレベルと言っています)。

↑いつもどおり当方所有のマウントアダプタではありますが、ちゃんと事前に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 上の写真は中国製のK&F CONCEPT製「M42 → SONY Eマウントアダプタ」に装着し、合わせてマウントアダプタ内側のピン押し
底面を「平面」にセットした状態で全く問題がない正常動作である事を確認しています。

赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合にそれが干渉しないよう、約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。

ちなみに「ピン押し底面」は両面使いできますが「平面側/凹面側」どちらでも絞り環操作、或いは絞り羽根の開閉角度など「凡そ当方が気になって確認するべき事柄は全て逐一チェックし微調整が終了している状態」での、オーバーホール済ヤフオク!出品になっています (当たり前の話ですが)(笑)

↑同様今度は日本製のRayqual製「M42 → SαE マウントアダプタ」に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合に、それが干渉しないよう約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後まで
ネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる
)。

無限遠位置 (当初バラす前の位置から微調整/ピタリの位置)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離55㎜開放F値f2.2被写体までの距離53m許容錯乱円径0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度26m後方被写界深度∞m被写界深度∞m」の為、30m辺りのピント面を確認しつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の60m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。

・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭ですね(笑)

↑当レンズによる最短撮影距離60cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影していますが、絞り環の刻印は単なる「●」だったりします(笑)

↑さらに回してf値「f4」で撮影しています。

↑f値は「f5.6」に上がりました。

↑f値「f8」の撮影です。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。