〓 tamron (タムロン) BBAR MULTI C. 28mm/f2.8 《CW−28 後期型:米国輸出仕様》(ADT)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。
今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク!出品するモデルは、国産は
tamron製広角レンズ・・・・、
『BBAR MULTI C. 28mm/f2.8《CW−28 後期型:米国輸出仕様》(ADT)』です。
ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ! Слава Україні! Героям слава!
上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。
Slava Ukrainieie! Geroyam Slava!
ご落札頂きました!(涙)
ありがとう御座います!以前から馴染みのある方にご落札頂き、ホッカリ来ているところです(涙)
もぉ〜、それだけで整備した甲斐があったと言うものです(涙)
今夜の晩酌がより一層美味しくなりそうです・・(笑)もう一度、ありがとう御座います!(涙)
今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時のtamron製広角レンズ域「24㎜~28㎜」辺りで捉えると13本目にあたりますが、今回扱った「28㎜」だけでカウントすると僅か5本目です。
昔からこの当時のアンバーライクな偏重の発色性を来たすtamronの写りが好きですが (他にもα系やOLYMPUSにPanasonicなども同系の発色性)、それでいてスッキリとナチュラルな色味を大切にするこのモデルの描写性にハマり「tamronの鮫肌の虜に堕ちた!」と言っても差し支えない程に今は惚れ込んでいます(笑)
まだ現役世代の頃に、一番最初にNikonを買い入れ、次にCanonと進みましたが、その写りに「何がが違う」と趣向を変えて、OLYMPUS機を使って初めてツボ入りしました(笑) その意味でも大衆受けを狙ったNikonやCanon系列とは一種異なる「危ない主張」の色味に魅力を感じます(笑)
唯一その中にあって、当方と同じ発想の立場を頑なに取り続ける「角度を違えていま一度捉え直そうとする努力」を惜しまない企業姿勢たる富士フイルムは、自らの立ち位置をそれら既存の思考回路からむしろ離しているようにも見え、特にフィルムシミュレーションはさすがお家芸だけあって秀逸で、他社追従を一切許さない「異次元世界」を確立してしまい、フルサイズさえ採ってくれれば二度と離しはしないとさえ懇願しますが、残念ながら別の方向を走っています(涙)
自らが「画全体」で感じたい派なので、どうしてもAPS−Cの画角に落胆し (撮っている最中にそのシ~ンの感動と結果に同一性を見いだせないでいる)、かと言ってフルサイズ以上の画角に魅力を感じないのでGFXシリーズにも靡きません・・詰まる処、自身の瞳で捉えている「画角」が総てなので、富士フイルムの「画質が原点」との考え方にどうしても馴染めないでいるのだと思っています(汗)
その意味でフィルムシミュレーションが「自分 (の瞳) が捉えた見え方、感じ方」を主体として
その感性を伝播させていく過程であるのに対し、一方の画質のほうは「個の精緻さから捉えようとするリアル感、臨場感、緊迫感」の表現性とすれば、当方は真逆で「被写体とその周辺域まで含めた場のリアル感、臨場感、緊迫感」から捉えようとする感性であり、例に挙げるなら「まるで映画のセット的感覚」とでも表現すれば伝わるでしょうか(汗)
そこに「個の精緻さの追求は意味を成していない」ワケであり、たとえ被写体が甘くとも精緻に写っていなくとも、その周囲から「自ずと伝わるリアル感、臨場感、緊迫感」は光と影からの影響をふんだんに取り込みながら、相対的に認知し知覚していく感性なので、どうしても「画角が出発点でしかない」と言えます (画質は二の次)(汗)
今ドキのドラマの4K/8K画質よりも、むしろ1980年代辺りのシネフィルムライクな描写の中にリアル感、臨場感、緊迫感を求めてしまい(汗)「見えすぎてしまう世界に魅力を感じていない」とすら結論づけています(笑)
従ってアンバーライクな偏重の発色性と言うのは、単に鮮やかな写りや個々の発色性の追求よりも、むしろその周辺域からの光と影からの影響により大きく変化していく発色性なので、その偏重の仕方が当方には堪らないのだと受け取っています(汗)・・例を挙げるなら日中のピ〜カン時の撮影で被写体の発色性を堪能するよりも、ちょっと陽が傾き始めた僅かな時間の瞬間的な被写体の発色の変化に興奮するようなイメージでしょぅか(笑)
だからこそ、当方は映画が大好きで、瞬時に没入感に陥る仮想体験が大好きなのだと思っています (文章力も表現力もないので上手く説明できていません)(笑)
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さて本題に入ると、このモデル「CW−28」は1976年に発売された米国輸出専用モデルなワケですが、その後tamronサイトの推定では1979年辺りまで製造していたとの話です (そもそも製造元でありながら推定と言う表現なのが???ですが)(笑)
はたして「製造期間:3年」が短いのか長いのかはその当時の時流/流行り廃りによっても変わるのでしょうが、当方にはそれほど長い期間との印象には至りません(泣)・・その後に登場してくる「BBシリーズ」などの樹脂製鏡胴モデルの流れからすれば、僅か3年間で切り上げてしまったのは、或る意味「失敗だった」との社内評価だったのでしょうか???・・ロマンはたゆたゆと広がります(笑)
↑上のカタログはタムロンのホームページから引用しています。
7群7枚の本格的なレトロフォーカス型構成を設計しつつも、右図のイメージの如く各群に強烈に光彩を放つコーティング層を蒸着しているところが「tamronの覚悟!」を物語っているように受け取れてしまい、当方は本当にウットリ見てしまいます(笑)
右構成図を見れば一目瞭然ですが、特に第3群に表裏面でグリーン色の光彩を強力に放つコーティング層蒸着を配置してきた時点で (マジッで色が濃いです)「画の優しさ表現はお墨付き」とも指摘でき、その一例は何かと言えば「MINOLTAの緑のロッコール」でもあるので(笑)、確かにMINOLTAのオールドレンズ群は後世に至るに従い「緑のロッコールたる所以が消滅」していった (いわゆる時勢の流れからパープルアンバー主体へと変遷した) 事実まで勘案すれば、中核層にドンと配置している時点でタムロンの設計陣が狙ったところがパチっと適合しているようにも見えます(笑)・・素晴らしいモデルです!(涙)
今回のオーバーホールにあたり、意外にも/想定外にも驚くほどに苦難を強いられたのは「何と光学系のコバ端塗膜」でした(驚)
光学系内の「迷光!迷光!」と騒ぎすぎると、いつの頃からなのか分かりませんが、整備する側 (プロの整備会社のこと) も光学系内を真っ黒に仕上げる算段が当然になり、光学系は光学硝子レンズのコバ端着色はもちろんのこと、果ては光学硝子レンズ格納筒や鏡筒の内壁に至るまでを、ここぞとばかり執拗に「反射防止黒色塗料」で塗りまくられてしまいます(汗)
光学硝子レンズのコバ端とは「硝子レンズ側面の切削断面」ですが、例えば光学系で入射光が前玉から後玉に向かう「前後方向」に対して適切な距離で各光学系の群/塊が格納されていれば「適切な、本来必要とされる光路長が確保されている」と受け取れますが、仮に「前後方向の距離に影響を来たす位置に反射防止黒色塗料が厚塗される」と、適切な光路長を超過してしまい光学設計から逸脱する懸念が残ります(怖)
すると前述の「光学硝子レンズのコバ端への反射防止黒色塗料着色」は前後方向ではない「横方向での塗料の厚み」が増えるだけの話なので、コバ端着色は即座に光学系の光路長に影響しないと仰る方が居ます(汗)
ところがリアルな現実は違い「コバ端の厚塗りにより光学硝子レンズ格納筒の適切な位置までちゃんと格納されないまま締め付け固定されてしまう」現象が起きます(怖)
これは光学硝子レンズの外径に対し「着色した塗膜の厚み分が増大し、格納筒の内壁に干渉してしまう現象」を指し、例えば「反射防止黒色塗料」塗膜の厚みを「0.2㎜」とした時、光学硝子レンズのコバ端に着色すると、その外径の両端で塗膜が増える為「0.2㎜ x 2」になり「0.4㎜」分塗膜の厚みで外径サイズが増えた事になります。
この時格納筒内壁に対して「水平方向で干渉した場合」と「極僅かに斜め状に干渉した場合」の2つの想定が懸念として残りますが、いずれにしても適切な光学設計上の光路長を逸脱しかねません(怖)・・確かに光学硝子レンズを締付環で締め付け固定するにしても、必ずしもその
締め付ける際のチカラ加減で、確実に適正位置まで光学硝子レンズが押し込まれて格納するとは限らないのです(汗)
↑その状況を例を上げて解説するなら、例えば上の写真のように光学硝子レンズのコバ端に
具体的な「浮き (左)」や「剥がれ (右)」が起きていた時に (いずれも当方の手により画像編集アプリを使って人工的に加工を加えた写真)、左側は「単なるコバ端塗膜の浮き」であり、経年劣化進行に伴い光学硝子材とコバ端塗膜との密着性が悪化し始めているだけの話、であるのに対し (自然発生的に起きる)、右側は「コバ端着色した光学硝子レンズを格納する際に、格納筒の内壁に干渉してその摩擦により剥がれてしまった痕」の状況なのが一目瞭然です(汗)
つまりポツポツと細かい点状にまんべんなく一部の領域に広がる場合は「浮き (左)」であるものの、格納時の抵抗/負荷/摩擦などにより着色したハズの「反射防止黒色塗料」が一気に剥がれてしまった状況なのが「剥がれ (右)」です(泣)
「浮き (左)」は既に格納筒に光学硝子レンズが確実に格納してある状況のまま「塗膜と硝子材の密着性が薄れ始めているだけ」と指摘できますが、一方「剥がれ (右)」は間違いなく、光学硝子レンズの格納時に「塗料が剥がれて外れた箇所」であり、問題なのは「その剥がれ落ちた塗料はいったい何処へ行ったのか???」です(怖)
剥がれ落ちた塗料が光学系内に落下したのなら、格納時 (つまり整備作業時) に目視でき、ちゃんと清掃して除去できているハズと推察が適うものの、最悪なのは「剥がれた塗料がそのまま剥がれた箇所の奥に、内壁との間に挟まっている/詰まっている状況」だとすれば、それは相当なチカラ/応力が及び、格納筒の膨張を生むか「光学硝子レンズが正しく格納位置まで達していない」懸念も捨てきれません(汗)
これが当方がオーバーホール工程内で「執拗に頑なに反射防止黒色塗料を溶剤で除去しまくっている」理由であり、どうしても「反射防止黒色塗料」による着色が必要な場合は、後のオーバーホール工程の中でちゃんと再着色して仕上げています。
すると上の例の写真で言う処の「剥がれ (右)」だった場合は、多くの場合で一旦過去メンテナンス時に塗られていた「反射防止黒色塗料」を剥がしてから格納することにより「簡易検査具で最後にチェックするとピント面の鋭さ感が増えたりする」結果に落ち着きます (それを以てヤフオク!での出品ページに当初バラす前の実写チェック確認時よりもピント面が鋭く改善したと明記している)(笑)
では「剥がれ (右)」で仮に剥がれてしまった塗料が格納筒の内壁との間に挟まっているなら「どうしてその状況が映らないのか (白っぽいままなのか)???」と考えるでしょうが、実はこの現象が起きている場所が「光学硝子レンズのコバ端」なので、内壁との間に詰まっている黒色塗料の粕が/粉が挟まっていても、上の写真のように白いままで一切映らないのです(汗)
・・たいていの場合で格納筒内壁側に黒い帯となり厚く残っているのがリアルな現実です(泣)
このようにここまでの解説で明白なのは「光学系内を覗き込んだ時の光学硝子レンズのコバ端の見え方」一つとっても、光学系内の状況がまるで手に取るようにバラす前時点で把握できるのです(汗)
詰まる処、確かに光学系内の「薄いクモリ」や「キズに汚れ」も気になるのでしょうが、実はそもそもその光学硝子レンズがちゃんと適切な位置に格納されているのかは「全く確証がない状況のまま過去メンテナンス時に組み込まれている」のが、真実だったりします(笑)
・・どうしてこう言う解説を整備者の人達は一般ユーザーに対し明示しないのでしょうか?
・・と、当方などは思ったりしてしまいます(涙)
今回の個体で完全解体した後に取り出した光学硝子レンズのコバ端の着色が「溶剤で溶けずに水で溶けた」時点で、既に整備者ならピ~ンと来ているハズです(笑)・・まさにそのとおりで
コバ端を一旦剥がしてから再着色するものの「ほぼ全ての群で再着色」となれば、何回も何回も剥がしては塗ってを繰り返し、納得いく着色に仕上げた次第です(泣)
・・気がつけば、再着色工程だけで優に2時間を要していた!(涙)
ワケで、マジッで恨み辛みブツブツ状態でしたね(笑)
過去メンテナンス時に着色した「反射防止黒色塗料」が溶剤や水で溶けるなら「光学硝子レンズの清掃作業時にも塗料が溶けて飛ぶ」ので、清掃するたびに非常に薄〜く、本当に薄〜くにグレーがかったりするワケで「清掃後の光学硝子レンズをLED光照射して翳して見ると、清掃痕が見えていたりする」次第で、その度にもう一度「再着色した反射防止黒色塗料を再び剥がして、もう一度再着色のヤリ直し」を行いつつ、合わせて当然ながら光学硝子レンズ面ももう一度また清掃し直す作業を延々と続けるワケです(笑)
・・どんだけ面倒くさい作業なのか?!!!(笑)
しかも非常に多くの人達が「プロワーで勢いよく塵/埃を吹き飛ばしたら、光学硝子レンズ面にはもう微細な塵/埃が付着しない」と信じてやみませんが、実はクリーンルームではないので「そのブロワーした空気にそもそも微細な塵/埃が含まれている」ワケで、再び光学硝子レンズ面に微細な塵/埃がピタッと付着していたりするのです(涙)
・・こういう作業って、まるでバカな作業に思えてくるから不思議(笑)
しかも、今回のモデルは「何と光学硝子レンズが7枚も組み込まれている」ワケで、まぁ〜
本当にマジッで面倒くさいったらありゃしません!(笑)
どんだけ標準レンズの4群6枚ダブルガウス型光学系が羨ましく思えるのか、これはヤッた人にしか味わえない苦しみの一つだったりします (だから当方は広角レンズ域のモデルが好きくない)(笑)
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は『BBAR MULTI C. 28mm/f2.8《CW−28 後期型:米国輸出仕様》(ADT)』のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑完璧なオーバーホールが終わりました。光学系内は今まで扱ったこのモデルの中で最もスカッとクリアで、当然ながらLED光照射でも極薄いクモリすら皆無です(笑)
↑何とも恨めしい撮影写真ですが(笑)、ご覧のとおり光学系第1群の前玉「凹メニスカス」の
コバ端が、どんだけ美しくキレイに均質に、整って仕上がっているのかを物語っています (とウットリ眺めているの当方だけの話ですが)(笑)・・もちろん一旦剥がしてから再着色しているワケで、皆さんには当然の如くにしか見えていないでしょうが、この為だけにワザワザ2時間以上の時間を費やしている始末で、本当にヤッてられません (これを7枚全てに対し行っているワケで)(涙)
今ドキ、ヤフオク!でも「分解整備済」を謳う出品者が増える傾向にありますが(涙)、当方は「プロにもなれず、マニアすらなれなかった整備者モドキのクソな転売屋/転売ヤー」との話ですから(笑)、そう言うサクッと清掃して組み上げている輩と同一視されてしまうのが、本当に悔しくて仕方ありませんね(涙)
・・唯一の原動力は、たった一人ご落札者様の為だけに誠心誠意、丹精込め仕上げてます(涙)
一切の妥協を許さない姿勢とは・・それほどまでに苦しくも激しい道のりだったりします(涙)
しかも、特別な話ではなく、至極当たり前の話でしかありませんが・・(涙)
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光学系後群もこれでもかとスカッとクリアで、もちろん極薄いクモリすら皆無です(笑)
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:14点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前玉/第2群に微細カビ除去痕複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な8mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
(但し前述通り微細な菌糸状カビ除去痕複数あり)
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環やA/M切替スイッチ共々、確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。
詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。
もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し「製品寿命の短命化を促す」結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない『磨き研磨』により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる『完全解体を前提とした製品寿命の延命化』が最終目的です(笑)
もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)
実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)
その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施す『DOH』そのものなのです(笑)
↑・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。
・距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
↑今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
❶ Kenko製MCレンズプロテクター (新品)
❷ 本体『BBAR MULTI C. 28mm/f2.8《CW−28 後期型:米国輸出仕様》(ADT)』
❸ K&F CONCEPT製ADAPTALL → M42 マウントアダプタ (新品)
❹ 汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
❺ 汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離:28㎜、開放F値:f2.8、被写体までの距離:11m、許容錯乱円径:0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度:5m、後方被写界深度:∞m、被写界深度:∞m」の為、10m辺りのピント面を確認しつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の20m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。
・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭です(笑)
↑このモデルのマウント規格は「ADAPTALL規格」ですから、上の写真赤色矢印で指し示しているリリースマーカーを互いに位置合わせして、グリーン色の矢印のように重ねて時計方向に回すとロックされます。
↑こんな感じでK&F CONCEPT製ADAPTALL → M42 マウントアダプタがせっとされますが、赤色矢印で指し示しているとおり、基準「|」マーカーとリリースマーカーの●位置がピタリと合致します。そして本来当然な話なのですがマウントアダプタ側の「TAM – M42」刻印位置までピタリと合致します。
本来これは当たり前の話ですが(笑)、どういうワケかK&F CONCEPT製「ADAPTALL→M42マウントアダプタ」のネジ部の取り付け位置が90度分ズレており、普通にマウントアダプタを購入しセットすると「3時の位置に来てしまう」のを、ちゃんと当たり前のように位置合わせして仕上げている始末です(笑)
・・何でK&F CONCEPT製品の不始末まで当方が直さなければイケナイのか???(怒)
なお、マウントアダプタを装着しているのでA/M切替スイッチは「A自動」に設定しようとも「M手動」に切り替えようとも、いずれの場合でも絞り羽根は絞り環操作に連動して閉じる「実絞り方式」です。もちろんマウントアダプタを外してフィルムカメラなどに装着した場合 (当然ながらtamron製ADAPTALL変換リングの装着が必須ですが) は、A/M切替スイッチの設定が有効に正しく機能します。
↑上の写真のとおり、M42マウント規格のマウントアダプタに装着しても、ちゃんとグリーン色のラインのとおり、一直線上に赤色矢印で指し示した全ての基準が揃います (当たり前の話ですが)(笑)
↑当レンズによる最近接撮影距離25cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
↑最小絞り値「f16」での撮影です。もうほとんど絞り羽根が閉じきっている状況なので「回折現象」の影響が極々僅かに現れ始めています。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。
◉ 焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。