♦ A.Schacht Ulm (シャハト・ウルム) S-Travegon 35mm/f2.8 R《後期型》(zebra)(M42)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わりヤフオク!出品するモデルは旧西ドイツは
A.Schacht Ulm製広角レンズ・・・・、
S-Travegon 35mm/f2.8 R《後期型》(zebra) (M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

ご落札頂きましたぁ〜!(涙)・・ありがとう御座います!
ベルテレが考案し、自らも特許出願申請書に記した「僅か3つの塊だけで十分な像を結ぶ」・・その気概をご存分にご活用下さいませ!
もう一度・・ありがとう御座います!(涙)

今回完璧なオーバーホールが終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時の旧西ドイツA.Schacht Ulm製「広角レンズ35mm」の括りで捉えると10本目にあたりますが「開放f値f2.8」では僅か3本目、さらに今回扱った
個体「M42マウント規格」モデルだけでカウントすると2本目の扱いです。

実はつい先日オーバーホール/修理ご依頼品として、全く同一品を仕上げてお届けしています
・・その時のオーバーホール/修理の工程や解説はS-Travegon 35mm/f2.8 R (zebra) (M42)』のページをご参照下さいませ。

・・驚く事に、この時は同型モデルに『前期型』が存在する事を全く知りませんでした!(驚)

ッて言うか、今回扱った個体の内部構造の相違 (と言ってもたったの2箇所だけですが)(汗) を以て『後期型が存在した!』と初めて知り得ました/判定を下しました(驚)

当方がこのように現在のネット上で解説されていない言説を述べると、SNSや某有名処サイトのコメント欄で「ウソを公然と平気で拡散し続けている」と非難されるので(怖)、このブログにそのような内容を載せる際は「ちゃんと証拠写真を撮らないと酷い目に遭う」と言うか・・
何しろ小心者なので(笑)、誹謗中傷メールが着信しただけで、過呼吸に陥って体調が悪くなり
丸一日寝込んでしまいます(汗)

↑上の写真は、今回の個体から取り出した光学系第1群 (左端) 〜第3群 (右端) を並べて撮影しています。写真上方向が前玉側方向に当たりますが、最後の右端後玉だけは「露出側方向」が上向きに置いてあります。

彼の有名な「Ludwig Jakob Bertele (ルートヴィッヒ・ヤコブ・ベルテレ)」氏の考案/設計に
よる、レトロフォーカス型構成でありながら「僅か3つの群で成し得てしまった」まさにオドロキの驚異的な光学設計です!(驚)

・・そしてまさに上の写真こそが『証拠写真』なのですが(汗)

↑上の写真もその取り出した光学系を撮影していますが、光学系内の中間に位置する「第2群
3枚貼り合わせレンズ
」を上向きに置いたり、ヒックリ返して絞りユニット側方向を上に向けて撮影したりしています(笑)

光学系第2群の貼り合わせレンズであるものの、前玉からの構成で言うと3枚目
同様構成の4枚目
構成5枚目でそれぞれが互いに接着している光学設計

・・いったいこれの何が『証拠写真』なのか???(笑)

何しろ信用/信頼が皆無でクソ『転売屋/転売ヤー』なのが当方なので(汗)証拠写真
掲載と共に、ちゃんと解説していかないとイケナイみたいです(笑)

赤色矢印で指し示している光学系内構成の3枚目と4枚目の接着部分、及び同じように構成の
4枚目と5枚目の接着部分・・何と間に挟まっている「構成4枚目の鼓形光学硝子レンズの
外径サイズが極僅かに小さい
」のです!(驚)

・・何度も何度もデジタルノギスで計測して調べたので間違いありません!(汗)

しかし、そもそもこの話の基になる「前期型」の該当構成・・第2群・・の写真を載せなければ説得力がありません(笑)

↑上の写真は似たような写真で分かりにくく、申し訳ございません。実は先日オーバーホール/修理ご依頼で仕上げた個体から取り出した時 (バラして反射防止黒色塗料を一部除去した時に撮影した写真) の掲載写真です。赤色矢印で指し示している箇所に過去メンテナンス時に「反射防止黒色塗料」が厚塗されていて、その影響から光学硝子レンズ格納筒に適切な位置で格納されていなかった点を解説する為に撮影したのです。

この上の写真中央に置いてある「光学系第2群」の外径サイズが「上からストンと同一径なのが判る (つまり光学系構成の3枚目〜5枚目の3枚貼り合わせレンズの丸ごとが同一径と言う意味)」のです(汗)

と言っても信じてもらえないので(笑)、ちゃんと計測値を明示すると「前期型 (上の写真) の第2群構成4枚目⌀ 15.99㎜」に対し、一つ前に掲載した写真の「後期型 (一つ前の2枚の連続写真) 第2群構成4枚目⌀ 15.73㎜」なのです!(驚)・・その差⌀ 0.26㎜

たったの「僅か⌀ 0.26㎜」かと思うかも知れませんが、入射光が透過していく事を考えるとこの「鼓形にクビレている構成4枚目の小径はただごとではない」と、当方は受け取りました (何しろ光学知識皆無なので)(汗)

一つ前の連続写真と比較すれば、外径サイズが極僅かに違う、或いは外径の違いから突出箇所があるのが分かると思います。

・・さらにもう一つの相違点として事実が判明しました!(驚)

以下は「前期型」光学系の放射線量計測値 (先日のオーバーホール/修理工程の中で計測した平均値)
第1群:前玉露出面側=0.15µSv/h (構成1枚目)、裏面側=0.22µSv/h (構成2枚目)
第2群:前玉側=1.46µSv/h (構成3枚目)、中央=0.68µSv/h (構成4枚目)、絞りユニット側=0.54µSv/h (構成5枚目)
第3群:絞りユニット側=0.19µSv/h (構成6枚目)、後玉露出面側=0.19µSv/h (構成7枚目)

一方以下は今回扱った個体「後期型」光学系の放射線量計測値 (先日同様に測定平均値)
第1群:前玉露出面側=0.07µSv/h (構成1枚目)、裏面側=0.05µSv/h以下 (構成2枚目)
第2群:前玉側=0.07µSv/h (構成3枚目)、中央=0.08µSv/h (構成4枚目)、絞りユニット側=0.05µSv/h以下 (構成5枚目)
第3群:絞りユニット側=0.07µSv/h (構成6枚目)、後玉露出面側=0.07µSv/h (構成7枚目)

如何でしょうか???(驚) 全く別モノの放射線量を示しています。実はこの放射線量を測定して初めて「???」になり、その理由を考える時に第2群を掴んでいて「凹凸がある?!」と外径サイズの違いに初めて気づきました(汗)

つまりこうです・・先日扱った「前期型」と今回扱いの「後期型」とでは、その製造番号が
凡そ「54,000本分」少々離れています。するとその間に光学硝子レズが変更になり「より屈折率の高い新種硝子」が手に入ったのではないかとみています(汗)

↑上の光学系構成図は、左側が先日扱った「前期型」のブログページに掲載している「ランタン材を含有した光学系第2群を 色着色で明示」している構成図と、右側が「後期型」で、今回のオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時、当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です・・右側の構成図は、ちゃんと計測値に基づき第2群の構成4枚目・・クビレた鼓形・・部分に段差が見えています。

実際はクビレた鼓形たる構成4枚目の「そのクビレた箇所の深さまで計測値が違っていた」ので、リアルな現実はクビレの形状すら異なっています・・そこで考察した時に「入射光の透過も変化したのだ」と受け取ったのです (光学系知識皆無な当方の考え)(汗)

前期型」の放射線量測定値が多めに計測されていたのは、このクビレた鼓形構成4枚目の
光学硝子材に「ランタン材」を含有させて、屈折率を改善させていたと捉えたので、すぐに
納得できました。

ちなみに、光学系第1群の2枚貼り合わせレンズと第3群の後玉 (同様2枚の貼り合わせレンズ) の2つに関しては同径サイズで、曲り率も全く同一値を示しました。そこから考察できるのは前述のとおり「光学系第2群だけ硝子材を変更して精製し直した再設計品」と入れ替えたのではないかと考えましたが、上記のように放射線量を測定した測定値を鑑みると、第1群や第3群の外径や曲り率が同一であるものの「光学硝子レンズの配合成分を変更してきた」可能性も、これら放射線量の低下から/測定値から窺えるかも知れません。

要は第2群のクビレたカタチの堤型構成4枚目で入射光を料理して、その前後の第1群と第3群は硝子材の成分/配合を変更しながらも光学設計はイジらなかったと・・然しそのような話はネット上の何処にもありません (単なる当方の臆測でしかない)(笑)

・・従って信憑性が低く、単に当方が騒いでいるだけとお受け取り下さいませ(汗)

そのように明記しておかないと、また誹謗中傷メールが着信するので(笑) 酷い時は画像加工アプリを使って「証拠写真ですらごまかしてウソを拡散させている」と言ってきた人も居たので、さすがにその妄想力の逞しさに感心しました (おそらくいつもと同じ人)(笑)

↑そしてもう一つ、光学系以外に内部構造面でも「異なる構成パーツを用意して使っている箇所が存在した」のを解説するのに、その証拠写真として撮影しました(汗)

鏡胴中腹辺りに位置する「インジケーター機構部」のラック・アンド・ピニオンで要は朱色のインジケーターがギアでガリガリと左右に開いたり閉じたり、絞り環操作により「撮影できる被写界深度を明示してくれるありがたい配慮の設計」です。

↑同じように上の写真は先日扱った「前期型」のブログページからの転載写真です (以下解説はその時の内容です)。

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指標値環のスリット (透明窓) から透けて見える「被写界深度を表すインジケーター」の機構部を構成するパーツを並べています。

インジケーターベース板
インジケーター右
インジケーター左
インジケーター開閉角度伝達カム

すると インジケーターベース板ブルー色の矢印で指し示しているように・・どうしてアルミ合金材のアルマイト仕上げなのでしょうか???

或いはグリーン色の矢印で指し示している インジケータ右 インジケーター左のラック部分は黄銅材なのでしょうか???

もっと言うなら、 インジケーター開閉角度伝達カムは何故、鋼材で造られているのでしょうか???

こういう細かい事柄全てにちゃんと根拠と目的や役目が備わり、それをキッチリ汲みしつつ、
仕上げていかなければ「本来在るべき姿製産時点」には到達し得ません(笑)

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要は インジケーターベース板が丸ごと設計変更され、環/リング/輪っかに変わったのが明白です。

これは確かに「前期型」ではインジケーターの駆動に際し、非常に神経質で「カタチを整えない限り絞り環操作まで影響が現れ重くなってしまう」のが前回のオーバーホール/修理工程でイヤと言うほど味わったので(笑)、きっとそれが当時も生産過程で問題視されていて、最終的に設計変更を余儀なくされたのではないかとみています (ベース環がアルミ合金材のアルマイト仕上げなのはその原理からして同じままですが)(笑)

↑今回も当方のDOHにより、特に内部構成パーツの黄銅材がどのように変わったのかを明示しています(笑)

鏡筒締付環
直進キー環
絞り値キーベース環 (ラック部含む)
開閉環の鋼球ボール封入環
開閉環の鋼球ボール格納環
光学系前群格納筒締付環
マウント部メクラ
光学系第2群締付環
光学系第3群締付環
被写界深度インジケーター左
被写界深度インジケーター右
A/M切替スイッチ制御用カム
絞り連動ピン保持具
絞り値→インジケーター伝達ラック
絞り値キーベース環ストッパー
A/M切替スイッチベース板 (/刻印)

これらの中で だけが「微調整を伴わずにそのまま使えるパーツ」であり、単に締め付けるだけですが、それ以外、凡そ上の写真に写っていないアルミ合金材パーツなども
含め全てが微調整を必須とする超高難度モデルです(汗)

最初の写真が当初バラして溶剤で洗浄した直後の撮影で、2枚目の写真が当方の手によりDOHを済ませて撮影した写真です(笑)・・何度も執拗に言いますが(汗)、ピッカピカに仕上げるのが目的ではなく「あくまでも経年劣化進行に伴う酸化/腐食/サビを除去して、可能な限り製産時点に近づける為」ですね(笑)

特に光学系の締付環などは「光学系内に使うのに、こんなにピッカピカにしたら迷光が生じて撮影写真に対し悪影響」との指摘があるらしいですが(笑)、実際組み込んで光学系内を覗き込んだ写真を撮っても「これら締付環は視認できない」ので迷光が生じる理由に成り得ません。

↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はS-Travegon 35mm/f2.8 R (zebra) (M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わっています。パッと見で光学系の光学硝子レンズに傷が多いように見えてしまいますが、その多くは「モノコーティング層の微細なハガレ状」なので、撮影した写真にこれら点状やヘアラインキズが写り込んでしまうのを発見するのは、人の目では不可能だと思います (実際コーティング層なので写り込まないが)(笑)

・・まぁ〜、それでも気になるでしょうから落札しないほうが良いかも知れませんね(笑)

つい先日にオーバーホール/修理で扱ったばかりなのに、どうして再び扱ったのかと言えば、
実はその理由があります(汗)

先日の「前期型」では、溶剤をイモネジに注入したところ「フィルター枠のレンズ銘板の黒色メッキが剥がれてシルバーに戻ってしまった」(驚) と言う状況がありました。

さらに実は、その前段にもう一つ「???」だった内容があるのですが、この当時の旧西ドイツはA.Schacht Ulm製オールドレンズの多くで、特に「ゼブラ柄モデル」の場合に「鈍い光沢感のメッキ加工塗装」が普通のハズだったのですが、どう言うワケか先日の「前期型」は届いた時点から「フィルター枠/距離環/指標値環/絞り環」と、凡そほとんどの筐体外装が「光沢感の印象で光っていた」のです!(驚)

少なくとも当方が今までの13年間に扱ったA.Schacht Ulm製オールドレンズは「鈍い光沢感」ばかりだったのです。それで何の疑いもなくイモネジの穴に溶剤を流し込んだのですが、普通なら流れ出てきてもメッキ加工塗膜が溶剤如きに溶けて剥がれる事は一度たりともあり
ません(汗)

そのような状況があった為に「急遽海外オークションebayのポーランド在住出品者から落札
して海外宅配してもらった
」次第です(汗)

驚いた事に「僅か7日で手元に配達された」と言う経過でした (さすがに7日で届いたのは
初めて
)!(驚)

上の写真を見れば一目瞭然ですが(笑)、溶剤如きでレンズ銘板は剥がれません・・もちろん
他の筐体外装パーツも全て溶剤洗浄しています。

そこで新発見しました!!!(驚)・・何と筐体外装パーツの「フィルター枠/距離環/指標値環/絞り環」に「透明光沢クリア塗装」が施されていました!(驚)

・・どうりで光沢感が違うとの印象だったワケです!(驚)

つまりこうです・・海外オークションebayの、特にドイツやポーランドなどヨーロッパに流通している旧西ドイツ製オールドレンズの多くの個体が「透明光沢クリア塗装」によりキレイに見えるよう仕上げられているとみています(笑)

逆に言うなら、前回の「前期型」含め、今回の「後期型」も筐体外装パーツの光沢感を強く感じるものの「非常に微細な擦れ痕がアチラコチラに残っている」のが気になっていたのです。

確かに旧西ドイツはSchneider-Kreuznach/ISCO-GÖTTINGEN/A.Schacht Ulm/Steinheil München/Rodenstockなど、或いはフランスのP. ANGENIEUX PARISも含め「鈍い光沢感の
メッキ加工塗膜
」が多いと受け取っていた為、どうして最近は光沢感の強い個体ばかり出回るのか「???」だったのです(笑)

要は見てくれの良さを追求して (キレイに見えて高く売れるから)「透明光沢クリア塗装」しているのだと、ようやく納得できました(汗)・・そう言えば、最近はシルバー鏡胴モデルも海外
オークションebayで流れている個体はピッカピカだったりします(笑) 特にロシアンレンズなどは、シルバー鏡胴モデルでピッカピカに光り輝いたまま半世紀以上も残っているなど、ありえない話です(笑)

もはや当方が得意とする「筐体外装の磨き入れ」などの出る幕ではない時代が訪れたと、実のところ焦っていたのですが(汗)、その実を知れば何のことはありません(笑)

今回扱った個体もほぼ全ての筐体外装パーツに「透明光沢クリア塗装」が塗られまくりだったので、全て剥がして「磨き入れ」を施し「本来の製産時点のメッキ加工塗色に戻した」次第
です (製産時点のメッキ加工ではないから溶剤ですぐに溶ける)(笑)

・・全く世知辛い世の中になりました (剥がすのがチョ〜面倒くさい)(涙)

なお、いろいろ疑念が湧いた部分の答えが掴め納得できたので、このモデルは微調整が必須で超高難度モデルなので「今回の扱いを最後」にする予定です。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化進行に伴う極薄いクモリすら皆無です。

但し、以下写真のとおりモノコーティング層の微細な点状ハガレや微細なヘアラインキズ状の線状ハガレは複数残っています。また前玉中央に薄く微細な円形状と最大4㎜長のヘアラインキズも残っています (LED光照射で視認できるから物理的なガラス面の薄いキズです)。

・・然しこれらが撮った写真に写り込んだのを発見するのは先ず以て不可能でしょう(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

本格的な傷が残っているようにしか見えませんが(笑)、そのほとんどはコーティングハガレです(笑)・・一応視認できるよう故意にワザと敢えて誇張的に反射させて撮影しています (当方のポリシ~なので)。

↑光学系後群側もスカッとクリア極薄いクモリすら皆無です。コーティング層の点状ハガレの状況は前玉と同じです(涙)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:17点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:13点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
(前玉コーティング層に複数の微細な点状ハガレが残っています/LED光照射では視認できません)
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(光学系内に極微細な薄い円形状長数本あり)
※但し実際はコーティング面の微細な線状ハガレの為物理的に光学ガラス面のキズは光に翳して透過させも視認できません(反射で視認できるレベル)。
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり、被写界深度インジケーターや絞り環、或いはA/M切替スイッチ共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

その一方で、マウント部内部の「絞り連動ピン機構部の摩耗」により、特にマウントアダプタに装着した際に「自動絞りA手動絞りMでも絞り羽根開閉異常が発生する」状況です。

オーバーホール工程の中で「全部で11回組み直しを行い微調整をあ~だこ~だトライした」ものの、最終的に「絞り連動ピン機構部パーツが摩耗していて元に戻らない (製産時点に戻せない)」との判定を下し、別の手法で使えるように考案しました。

このブログページ最後のほうで実証写真を撮影しつつ解説しているのでご参照下さいませ・・装着して使えるマウントアダプタ (SONY Eマウント規格用) を用意しています。

付属のマウントアダプタに装着して使うと、上の写真の通り「完璧な正六角形
を維持したまま閉じていく」
ありがたい個体です

A.Schacht Ulm製オールドレンズの多くは「絞り羽根か閉じる際、歪なカタチに閉じる」のが構造上の問題点なので、ハッキリ言って正六角形に閉じるのは珍しいです(笑)

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。
距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
★マウント部内部の絞り連動ピン機構部の経年摩耗に伴い、マウントアダプタ装着時に絞り羽根開閉異常が発生する場合を確認しています。絞り連動ピンの強制的な押し込みが原因なので、絞り連動ピンを押し込まない(ピン押し底面無し)マウントアダプタを用意し付属させています。マウントアダプタ装着時は、A/M切替スイッチを「手動Mに設定」しご使用下さいませ。絞り羽根が正常に開閉動作します(事前告知済なのでクレーム対象としません)。
・さらに付属のマウントアダプタは取り外したピン押し底面も合わせて添付するので、マウントアダプタに戻せば普通のマウントアダプタとしてそのままご使用頂けます。
(つまり3通りの使い方ができる特殊なマウントアダプタです)。詳しく知りたい方は当方ブログで詳説しています。
(ヤフオク!外取引の誘引目的ではありません)

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

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写真撮影がド下手なので(笑)、ちゃんと上手く撮れていませんが(汗)、上の写真のように筐体外装パーツの製産時点メッキ加工塗膜は「鈍い光沢感を伴うメッキ加工仕上げ」が本来の製品版の状況で、届いた個体はさらに艶を感じる光沢感に仕上げられていたものの、非常に微細な
擦れ痕がそこいら中に残っている状況でした(汗)

そこで試しに溶剤でゼブラ柄の「シルバーの表面の擦れ痕を綿棒を溶剤に浸して拭ってみた」ところズルズルと剥がれ落ちた次第です(笑)

・・それでも「磨き入れ」によりご覧のように鈍い光沢感でむしろ美しく仕上がりました(涙)

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『S-Travegon 35mm/f2.8 R《後期型》(zebra) (M42)』
K&F CONCEPT製「M42→SONY Eマウントアダプタ」 (新品)
汎用樹脂製バヨネット式SONY E後キャップ (新品)
純正樹脂製被せ式前キャップ (中古品)
純正樹脂製被せ式後キャップ (中古品)
の付属品:樹脂製ピン押し底面 (新品/両面使い)
の付属品:樹脂製ケース (新品)
※ マウントアダプタ内側はピン押し底面がない状態に処置済です。

上記注意書きのとおり、付属したK&F CONCEPT製M42→SONY Eマウントアダプタ」は、本来の製品は「ピン押し底面 (平面と凹面の両面使い)」が内側にセットされているのが製品状態ですが、当方にて「ピン押し底面を除去した処置を施してある」為、今回のヤフオク!出品個体をご覧のように装着して使う場合「A/M切替スイッチは必ず手動Mに設定して使う (上の写真のように丸窓にが見えている状態)」ようにお願い申し上げます。

そうする事で絞り羽根が正常に開閉動作し、且つ珍しい「完璧な正六角形を維持」したまま最小絞り値「f22」まで閉じるようになります。

逆に言えば、もしも仮に「自動絞りの」にセットすると、マウント面から飛び出ている「絞り連動ピンが押されないまま」なので、絞り環操作しても絞り羽根は開放状態のまま変化しません(笑)

なお、上の写真で付属させて撮影しているマウントアダプタは、当方所有品を代用していますが、正しい付属品は明日手元に届くので、そちらの新しい製品を同梱致します (現在注文中です)・・届く新しい製品 (お届けするほう) は箱の外装シールが「2023」の印刷になっているのですぐに分かります。ちゃんと処置を施して梱包します。

  ●               

なお無限遠の合焦位置は当初バラす前の実写確認時点で「オーバーインフ量が多目」で、実際は「距離環刻印距離指標値の7m右横」でしたが (凡そ2メモリ半手前位置のズレ)、微調整により仕上がり後の実写確認では「刻印距離指標値の15m中央」と、凡そ1目盛り分まで短縮化して仕上げています。

↑いつもどおり当方所有のマウントアダプタではありますが、ちゃんと事前に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑)

赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合にそれが干渉しないよう、約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。

↑この時、A/M切替スイッチを「手動M」にセットしてあれば、ご覧のようにキレイに最小絞り値「f22」まで完璧な正六角形のまま閉じていきます(笑)

ご落札者様お一人様だけが堪能できますが(汗) 実はA/M切替スイッチを操作して「自動A」にセットしたり「手動M」に切り替えたり、ツマミを動かした時に「シャコンッ!」と瞬時に絞り羽根が完全開放したり、或いは設定絞り値まで閉じたり、そういうギミック感がメッチャ楽しくて(笑)、何度も操作して「その時の音と指に伝わる小さな振動を楽しんでしまう」だけで・・悦に浸ってしまったりします(笑)

・・そういうギミック感な楽しみ方も、オールドレンズの大きな魅力の一つですね!(涙)

のマウントアダプタの内側には赤色矢印で指し示しているとおり、本来の製品版には実装してある「ピン押し底面が無い」状態でストンと貫通しています(笑)

本来セットされていた「 ピン押し底面」は右横に並べて撮影しており、上の写真では凹面を上に向けて撮影しています。

↑今度は マウントアダプタをヒックリ返してSONY Eマウント側方向から撮影しています。同様赤色矢印の箇所には「ピン押し底面」がありません(笑) 取り外した「 ピン押し底面」は右横に並べてありますが、今度は「平面側を上に向けて撮影」しています。

このようにK&F CONCEPT製マウントアダプタの「M42マウント規格品」は、内部の「ピン押し底面が凹面と平面の両面使い」なので、このピン押し底面を入れ替えて使うことで「絞り連動ピンの動きに纏わるトラブルを回避できる」最大の恩恵を受けられます。

さらに今回の付属マウントアダプタは「それにプラスして絞り連動ピンを強制的に押し込まない処置を講じたので、3通りの使い方が実現できた」大変ありがたいマウントアダプタです(笑)

これにより、例えばM42マウント規格のネジ部の先に「さらに突出があるオールドレンズも使えるようになる」ので、使用可能なオールドレンズの幅が広がります(涙)

マウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」の押し込み動作に係るトラブルに遭遇した際は
このように「ピン押し底面」を入れ替えて凹面にしたり平面にしたり、或いはピン押し底面を取り外してしまったりと、全部で「3通りの使い分けが適う」マウントアダプタに生まれ変わったと言う内容です(笑)

↑実際に今回のオーバーホール済みでのヤフオク!出品個体をマウントアダプタに装着した状態を、SONY Eマウント側方向から撮影しています・・ご覧のとおり「絞り連動ピンは一切触れていない/押されていない」のが分かると思います (だからA/M切替スイッチを手動Mに設定しないと絞り羽根が開閉動作しない)。

逆に言うなら「絞り連動ピンが押されないからこそ」強制的に最後まで押し込まれないからこそ、その影響を受けてマウント部内部の関係する機構部パーツの経年摩耗は、その影響が現れない・・とも指摘できます。

つまり「絞り羽根が各絞り値で正常に開閉動作する事を最大限に優先した為の処置」こそが、マウントアダプタに対する処置を意味します。

↑上の写真 (2枚) は、絞り環操作で実際に被写界深度インジケーターがどのように開閉動作
するのかを撮影しています・・1枚目が開放鉢の状態で、2枚目が最小絞り値「f22」の時の
インジケーターの広がり状況です (赤色矢印で指し示しているのがインジケーターの朱色板の
端部分
)。

当初バラす前の確認時点は「絞り環操作がガチガチしていて重めのトルク」でしたが、仕上がった今現在は「とても小気味よい動きでクリック感もちゃんと感じられて操作性が良い」状態です(笑)

↑今回のオーバーホール済みでのヤフオク!出品個体は「残念ながら光学系にコーティング層ハガレが多いのでお詫びの品をつけました」(涙)・・申し訳ございません。

マウントアダプタのヘックスネジを外すL字型レンチ棒
セーム革のクリーニング布 (両面使い)
オールドレンズを入れてしまえる巾着袋 (当方自作品/起毛布)

・・即決価格が高いのに、たいしたモノではなくてスミマセン (せめてのお詫びの気持ち)(汗)

もしもご落札頂ける方がいらしたら、同梱してお届けします (もちろんいずれも新品です)(汗)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最近接撮影距離50cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮りました。

↑f値は「f8」に上がっています。

↑f値「f11」での撮影です。

↑f値「f16」です。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。もうほとんど絞り羽根が閉じきっている状態なので「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。