◆ Rodenstock (ローデンシュトック) Rodenstock-Heligon 50mm/f1.9 zebra(M42)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回オーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、旧西ドイツは
Rodenstock製標準レンズ・・・・、
Rodenstock-Heligon 50mm/f1.9 zebra (M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回オーバーホール/修理ご依頼分でご案内するする個体は、当方がオーバーホール作業を始めた11年前からの累計でカウントしても僅か2本目と言う状況で、前回2018年にオーバーホール/修理を承った個体が初めての扱いでした。

2018年のオーバーホール作業時は、仕上げるのに「3日間」を要し、且つ最終的な組み直し回数は記録によると「12回」だったと残っています。ところが今回のオーバーホール/修理作業は、やはり仕上げるのに「3日間」を要し、且つ組み立て直した回数はカウントしていた分だけでも「優に20回越え」その後にまだ数回組み直したハズなので4年前の2018年の時よりもまるで悪化している状況です(汗)

・・4年も経っているのに技術スキルに全く変化なし!(恥)

いったい4年間何をやっていたのか? 自身に驕りや慢心があったのではないか? まさに増上慢たる所以です・・恥ずかしい。

《当初バラす前のチェック時に気になっていた内容》
距離環を回すとトルクムラを感じる箇所がある。
合わせて距離環を回した時ゴリゴリ感 (膨れ) が指に伝わる箇所がある。
 絞り環を回した時のクリック感に違和感/ガチガチ感が強い。
開放時に絞り羽根が顔出ししていて少し閉じている (完全開放していない)。
絞り値「f11〜f16」で閉じない時/動かない時がある。
絞り連動ピンの戻りが緩慢。
絞り連動ピンとの連係動作に時間が掛かり過ぎる。
チャージレバーの戻りが緩慢で時々最後まで戻らない。
マウントアダプタ装着時絞り連動ピンが干渉する (これは仕様の問題)。

《バラした後に新たに確認できた内容》
チャージレバー環の酸化/腐食/錆びが酷い。
棒バネ (2本) が経年劣化で弱っている。
基台に附随する各構成パーツの微調整が適合していない。
ヘリコイド部の微調整が成されていない (ごまかした処置を講じている)。
ムリなチカラを加えた為に開閉アームが変形している。
絞りユニットの固定位置がズレており微調整されていない。
 そもそも根本的に各部位からのチカラの伝達を適正化していない

・・とまぁ〜これだけ問題点/気になった内容が顕在する個体で、実は既に完全解体してこれら内容が判明した時点で「自分には3日は必要だわ」とスッカリ観念してしまった次第です(笑) 当然ながらそれだけの日数を要すると言うことは「組み直す回数も必然的に多くなる」のを覚悟した瞬間でもありました(恥)

・・日々、真摯な想いでオーバーホール作業に向かわないからこうなる!(怒)

ただただ反省するしかありません・・せっかくオーバーホール/修理をご依頼頂いたのに、こんな事で本当にスミマセン。

今回のオーバーホール/修理作業が全て終了した現時点でようやくハッキリしたのは、今回のこの個体の状況で一番の因果関係は上の問題点/気になった点の最後 赤文字の内容が全ての始まりである事・・この対処を施さないまま経年を経たのが今の状況を招いています。

特に過去メンテナンス時の整備者が単にバラした時の逆手順で組み上げれば良いと考えていた場合にこのような状況に至る事が多いように思いますね・・いえ、他人の事をあ〜だこ〜だ言えた義理ではありませんが(笑)

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↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
左側2枚はこのモデルで撮影した時に表出する「シャボン玉ボケ」に近しい円形ボケをピックアップしていますが、そもそも光学系が4群6枚のダブルガウス型構成なので、真円の円形ボケ表出が苦手です。それでも細いエッジをちゃんと残して円形ボケが現れているので下手な標準レンズよりも全然マシです。また玉ボケから崩れていく様子も右側2枚の実写を観る限り違和感がなく自然な表現性です。

二段目
さらに円形ボケが破綻して溶けていく様を左側2枚の実写でピックアップしました。意外に優しくふんわり感を伴って溶けていくのに好感を持てます。ところが右側2枚の実写では収差ボケをピックアップしましたが、相当な暴れぶりです(笑) 特に二線ボケも乱れる傾向があり、はたして左側2枚の写真との相違は、実際に撮影シ〜ンの中でどのように変化するのかその境界を想像できません。

三段目
この段ではピント面の表現性と発色性をピックアップしています。何にしてもピント面のエッジは線が細く出るものの繊細感だけに染まるのではなく、むしろインパクトの強ささえ感じるほどに明確な印象です。ところが右側2枚の実写は「その反面でこの優しさ感は何なんだ?」との印象を観た瞬間に感じた実写をピックアップしています。決して画全体的に優しいのでは亡く、ピント面に纏わり付くように優しさが表現されている部分に何だか凄みを感じたりしました(笑)

四段目
左端の実写ではノッペリと平面的な写真に堕ちやすい中でこれだけ微細な陰影のグラデーションをちゃんと表現しきっているところがさすがです。また人物写真は下手なポートレートレンズを使うよりもむしろ事前な雰囲気を醸し出せていて、これはこれでちょっとクセになりそうな印象です (ポートレートレンズで同じ印象を出そうとすると相当モデルが限られる)。被写界深度は開放f値「f1.9」にしては意外にも広めです。

光学系は4群6枚の典型的なダブルガウス型構成です。左に掲載した広告は1959年当時の掲載ですが「exaktaマウント規格」の製品として案内されていて光学系構成図が確認できます (中央のモデル)。

実はこれをよ〜く観察すると現在ネット上に載っている数多くの構成図と僅かに相違点が確認でき、光学系後群側の外径が光学系前群よりもちゃんと小さめに描かれています。

今回のオーバーホールで完全解体した際に取り出した光学系もまさにこのとおりで、それが補強されたような話でホッと一安心です。

右の構成図は今回の個体を完全解体してバラした際に光学系の清掃時、各群の光学硝子レンズを当方の手でデジタルノギスを使って逐一計測してトレースした構成図です。

すると前述のように現在ネット上で数多く掲載されている構成図とは少々異なり、光学系後群側の外径サイズが光学系前群よりも相当小さめです。さらに第4群の後玉に至ってはネット上掲載図では凸メニスカスですが、現物は「平凸レンズ」であり、裏面側は全くの平らな状態でした。

そして第2群と第3群の貼り合わせレンズもその曲率がネット上掲載図よりもさらに大きいのが確認できました。

↑上の図はネット上で手に入れた当時のレビュー記事からの抜粋で、各社の高性能モデルについてその光学系構成図を示しています。

すると14番としてまさにHeligonが示されていますが開放f値が「f2.0」のモデルです。

だとすると今回のモデルとは全くの別モノで当時の製品を探索すると1954年に登場したほうのHeligonでKodak社の「Retinaシリーズ」向け製品だったようです。

ネット上に数多く掲載されている光学系構成図にとてもよく似ているように見えますが、はたしてどうなのでしょうか (左の広告に掲載のレンズ銘板に1:2の刻印が見えている)。

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。製品としての筐体意匠は立派な出で立ちである意味豪華にも見えますが、バラすと内部は「ひたすらに環/リング/輪っかの集合体」と言う始末で、しかもこれらの環/リング/輪っかの凡そ8割以上にネジ山が備わるので必然的に「その固定位置が問題になってくる」にもかかわらず、過去メンテナンス時の整備者は当初の固定位置で単純に固定して組み上げていったようです。

パッと考えると当初位置のままに組み上げていくなら一番最初の「製産時点」を継承しているので、むしろ問題が起きるハズがないと考えがちですが、それはあくまでも摩耗パーツ/消耗パーツの存在と合わせて「経年の酸化/腐食/錆び」に対する対処を執っている場合の話であり、それを蔑ろにしたまま当初位置で固定していくから逆にトラブルの元なのです。

↑その一例として「経年の酸化/腐食/錆びに対処していない証拠」を示して説明していきます。上の写真は今回の個体を完全解体した後に溶剤で1回目の洗浄を実施した直後の撮影です。ちょっとピント位置をミスってしまいスミマセン。

このモデルにも「基台」と言う距離環 (ヘリコイドのオスメス) とマウント部が組み付けられる部位が存在しますが、上の写真の構成パーツは「ヘリコイド部」の構成要素です。

一般的なオールドレンズの内部構造面から話すと、本来は上の写真の「直進キー環」の部分をたいていの場合で「基台としている」オールドレンズが多いのが実状です。

すると今回のモデルは「敢えて基台とは別にヘリコイド部を用意している設計」と言い替えられ、且つまさにここに重要なポイントが一つ隠されています。

しかし過去メンテナンス時の整備者は残念ながらそのポイントに気づかず対処を一切執っていません。

左側から「ヘリコイド (オス側)/鏡筒でもある」に中央が「直進キー環」そして右側が「ヘリコイド (メス側)」です (赤色文字)。

↑同様上の写真も一つ前と同じで完全解体した後の1回目の溶剤による洗浄後に撮影しています。「マウント部」に「チャージ環」と「連係環」です (赤色文字)。

↑こちらの写真は1回目の溶剤による洗浄後に「当方による磨き研磨」を処置した後に2回目の洗浄を行い撮影しています。この状態になればパッと見で「金属材は黄銅材」なのが分かります。

ピッカピカに磨き上げるのが目的ではなく(笑)「磨き研磨により各構成パーツ金属材表層面の経年による酸化/腐食/錆びを除去して可能な限り製産時点に近しい状態に戻す」のが最終的な目的ですが、このような処置を講ずるのに凡そ2時間〜3時間を要します。

逆に言うなら単純に徹底的に磨き上げれば良いのではなく(笑)「各構成パーツとの連係の中で必要とされる平滑性を取り戻す」のが狙いなので、処置する部位や箇所により研磨レベルが変化し一概に同じ「磨き研磨」に成り得ません。

さらに指摘するなら「最低1mmから磨き研磨」しているので、その際接触する相手が同じ金属材なのか異なるのかまで配慮する必要があります (下手に磨きすぎると悪影響)。

従って各構成パーツの「存在する意味/目的とその接触先」が非常に重要になりとても単にゴシゴシと磨き上げれば良いだけの話にはならないのです (そんな単純な作業では3時間もかからない)(笑)

今回のモデルは旧西ドイツはRodenstock製標準レンズですが、その旧西ドイツで同じ光学メーカーとしてその名声を確固たるものにしていたのはCarl Zeiss (Oberkochenのほう) とSchneider-KreuznachRodenstockと合わせて「3大光学メーカー」と認知されていたようです。

そしてそもそもRodenstockが当時からしてメガネなどを主体的に扱っていたのと同時に、中判/大判向けのプロ向け機材を積極的に展開し続けていたのも間違いありません。

すると上の写真でどのように説明できるのかと言えば、実はSchneider-KreuznachもISCO-GÖTTINGENも、或いはA.Schacht UlmもこのRodenstockまでも共に「懸垂式ヘリコイド駆動 (鏡筒の繰り出し/収納方式)」を採っていた点に於いて内部構造の設計概念が互いに近似しています。その一方で同じ旧西ドイツながらOberkochenのCarl Zeissの内部構造は基本部分で全く別モノです。

この「懸垂式ヘリコイド駆動」はその名称のとおり「ぶら下がっている状態のままヘリコイドが駆動する方式」を表し、基本的にヘリコイドのオス側は何処にも保持されずに設計されています。

上の写真で言えば左端の「ヘリコイド (オス側)」が何処にも保持されず/固定されずに単にヘリコイドのオスメスネジ山だけで接触しているだけの設計です。

同じ設計概念を採っているのが、例えばSchneider-Kreuznach製のゼブラ柄モデルや同様A.Schacht Ulm、当然ながら戦時中にSchneider-Kreuznachの100%出資子会社として創設されたISCO-GÖTTINGENも同一です。

・・これが意味するモノは一体何なのか???

どうして異なる光学メーカーで同じ設計概念を採っているのでしょうか?・・答えは「当時互いに協業していた」と観るべきで、特にヘリコイドの駆動方式で内部構造の基本部分は決まってしまうので、ぶら下がり方式を採れば自ずとその制御系まで近似してくるのが納得できます。

実際に当方のこのブログで掲載しているそれら光学メーカーの特にゼブラ柄モデルについてオーバーホール工程をご確認頂ければ近似している設計なのが理解できます。

↑こちらのマウント部関係も「磨き研磨」終了後2回目の洗浄を経てから撮影しています。特に「チャージ環」が問題で、このパーツの経年に伴う酸化/腐食/錆びを放置プレイしていたのがトラブルの元です。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です (黄銅材) が「ヘリコイド (オス側)」でもあります。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

↑上の写真は絞りユニットを構成するパーツで「開閉環位置決め環」です。この2つの環/リング/輪っかの間に絞り羽根がサンドイッチされます。位置決め環に刺さった絞り羽根の「位置決めキー」を軸として開閉環が回ると、同じく刺さっている絞り羽根の開閉キーにより絞り羽根の傾き角度が変化して「絞り羽根が閉じたり開いたりする動きをする」原理ですね(笑)

上の写真でグリーンの矢印/グリーンのラインで指し示している範囲にポツポツと点状の削れている箇所が3点あります。この「位置決め環」は鏡筒の最深部に「イモネジ3本で締め付け固定される」ので、位置決め環には「全部で3箇所均等配置でイモネジの締め付け痕が残る」のがまさに製産時点の状況だとすぐに理解できます。

ところが現実は違って「全部で3箇所 x3箇所=9箇所の点状締め付け痕」と言う状況です。これが意味するのは過去メンテナンス時が最低でも1〜2回行われていて、これら異なる位置で位置決め環が締め付け固定されていた事になります。

逆に言うなら「この点状締め付け痕の中で1箇所だけが製産時点のイモネジ締め付け痕」なのだと指摘できます。するとどんな弊害が明白になるのかと言えば「製産時点とは異なる位置で絞り羽根の軸が設定されていた (2回ある)」と言い替えられ、仮にもしも製産時点と同一の位置でイモネジを締め付けていたのなら「1箇所の締め付け痕だけが目立つようになる」のに、上の写真を見る限り3箇所とも締め付け痕が同じように見えているのは「製産後に1〜2回過去メンテナンスが施された証拠」と言えます。

こう言う要素から過去メンテナンス時の回数や状況を逐一掴んでいきます。そしてそれら過去メンテナンス時の状況を把握する事で「現在のトラブルとの因果関係がより確実になる」ワケで、そのような流れで不都合を見極めていけば自ずと適切な微調整が明確になってきます。

なおブルーの矢印で指し示した箇所に過去メンテナンス時の着色された「反射防止黒色塗料」が塗布されていて、今回のオーバーホールで完全解体した後に溶剤で洗浄した際「溶けて剥がれた」のです。

逆に言うなら製産時点に施されたのなら「溶剤などで溶けないメッキ加工/焼付塗装」だったハズで、それはイコール設計者自身が必要だと考えてそのような工程を与えていた事になりますし、そもそも上の写真のようなカラーリング (暗めのダークグレー) なのにそこに敢えて「反射防止黒色塗料」を着色していたワケです。

従って溶剤で溶けて剥がれた時点で「過去メンテナンス時の整備者の手による着色」と判明してしまいます(笑)

さらに今回の個体で言うなら上の写真オレンジ色矢印の箇所にその着色したインク成分が相当飛んでいて薄く黒っぽく汚れのように着いています (溶剤でも完全に落とせない)。

↑鏡筒最深部に絞りユニットをセットしたところを撮影しましたが、絞り羽根を閉じきっている状態で撮影しています。実は当初バラす前のチェック時点で気になっていた内容で加除書きしていますが「 開放時に絞り羽根が顔出ししていて少し閉じている (完全開放していない)」のがまさにこの状況を表していて「絞り羽根の設定が閉じすぎる方向でセットされていたので閉じるとここまで閉じきってしまう」のが問題なのです。

もちろんその反対に開放時に「絞り羽根が顔出ししている」なら開放f値「f1.9」を維持できていなかったとも指摘できます。

そして問題なのが上の写真赤色矢印で、ほんの微かですが閉じすぎている為に「必要以上に絞り羽根の角度が鋭角になりすぎて互いの重なりに隙間が生ずる」のを指し示しています。本当に極僅かな隙間なので写真に対する影響は決して限定できませんが「心の健康上ヨロシクない」と言えそうです(笑)

もちろん今回のオーバーホールではちゃんと絞り羽根の開閉角度を制御済なので開放時は完全開放していますし最小絞り値「f16」も上の写真まで閉じきっていません。

例えばヤフオク! などの出品オールドレンズで旧東ドイツ側Carl Zeiss Jena製準広角レンズ「MC FLEKTOGON 35mm/f2.4」などを観ていても同じように「閉じすぎている個体」を数多く目にしますから、単にバラして絞り羽根を洗浄して組み込めば良いと考えている整備者が多いのも否めません。

↑完成したヘリコイド (オス側/鏡筒でもある) を立てて撮影しました。社の上方向が前玉側方向にあたります。鏡筒の上半分がヘリコイド (オス側) のネジ山切削ですが、下部には「開閉アーム」が内部に実装されている絞りユニットから飛び出ています。

この「開閉アーム」には左側にスプリングが附随していて (ここの工程ではまだスプリングを固定しない)、このスプリングを固定した時点で「常に絞り羽根を閉じるチカラ」が加わり続けます。上の写真ブルーの矢印のように「開閉アーム」が動き絞り羽根の角度を変えていきますが、その時にも常にスプリングのチカラが及び続けている話になります。

↑再び同じ鏡筒 (ヘリコイドオス側) を横方向から撮影していますが、絞りユニットから飛び出ている「開閉アーム」の棒状アームに長さがあります (赤色矢印)。さらにグリーンの矢印で指し示している分の長さが「この鏡筒の繰り出し量/収納量」と言う「原理原則」である点がポイントなのです。

つまりヘリコイド駆動に乗じて「開閉アームには常に絞り羽根を閉じようとするチカラが及び続け」且つ「開閉アームを操作するマウント部からのチカラも加わり続けている」との2つの箇所からチカラが及んでいる点に整備者が気づき、シッカリ適切な微調整を施さなければ「絞り羽根の開閉異常」が起きてしまう事を言っているのです。

↑こちらは一般的なオールドレンズの内部構造なら距離環やマウント部を組み付ける為の「基台」に該当する部位になりますが、このモデルでは違います。このモデルの場合は「基台」が別に存在し、このパーツはヘリコイド (オスメス) を格納する役目と同時に「直進キーによる制御を実現させる役目も併せ持つ感/リング/輪っか」とも言えます。

直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目

すると側面の両サイドに切り欠きがあり「直進キーガイド」になっています。

この切り欠き部分を左写真のようなカタチをした特殊ネジが行ったり来たり移動する事で、この内側にセットされる「鏡筒 (ヘリコイドオス側)」の繰り出し/収納を実現します。

またグリーンの矢印が指し示している箇所には点状の締め付け痕 (イモネジで外側から他のパーツをここに締め付け固定していた痕) が3つあります。

イモネジ
ネジ頭が存在せずネジ部にいきなりマイスの切り込みが入っているネジ種でネジ先端が尖っているタイプと平坦なタイプの2種類が存在する

さらにその下側にも今度はブルーの矢印で指し示しているようにやはり点状締め付け痕が2つあります。

これらの点状締め付け痕はこの場所だけではなく均等配置で3箇所にイモネジで締め付け固定するので、例えばグリーンの矢印のほうは全部で9箇所の締め付け痕と言う話になり、ブルーの矢印も全部で6箇所の点状締め付け痕が残っています。

ところがこれら点状締め付け痕のうち「本来製産時点に残るべき締め付け痕はそれぞれ1つでイモネジの均等配置で全周に残るのは3つだけ (全部で上側が3箇所に下側も3箇所)」と言う話です。

要はグリーンの矢印のほうは2箇所が過去メンテナンス時の整備時に残ったイモネジ締め付け痕と言う事になり、合わせてブルーの矢印のほうも1箇所が過去メンテナンス時の意味になります。

従ってグリーンの矢印のほうの製産時点ではない2つの締め付け痕が何故残ったのか、或いはブルーの矢印のほうのもう1つの締め付け痕もどうして過去メンテナンス時に残ったのか、それらの理由が判明しなければ「過去メンテナンス時に起きていたこの個体の状況が掴めない」事になります。

当方のオーバーホールで重要なのは「それぞれの工程や部位別に適切な微調整を行い、且つパーツを固定する」ことなので、どうしてもそれら過去メンテナンス時の痕跡を逐一掴む必要があります。

その結果見えてくる事がちゃんとあり「過去メンテナンス時にそのような処置を執られたから今現在の個体の不都合が起きている」のかどうなのかを特定しなければなりません。そのような内容が特定できればその対処方法を考えれば良いだけの話しです。

つまり単にバラして元の通り組み立てて仕上げるオーバーホールの手法を執る限り「そのオールドレンズの個体に最も相応しい微調整や対策を講じていない事になる」のを当方は問題視していて、必ず過去メンテナンス時の有様を把握しているのです。

・・当方のオーバーホール作業は一般的な整備作業とは全く異質です。

当方宛年間で数件着信する誹謗中傷メールにも似たような事柄が明記されていますが・・自分の技術スキルが低いのをよそに過去メンテナンス時の整備者の不始末やごまかしをことさらに並べて批判ばかりしている・・と(笑)

確かに技術スキルが低いのは仰るとおりなので反論できませんが、少なくとも単に批判対象としてのみ過去メンテナンス時の整備状況を掴み解説しているワケではありませんね(笑)

今回の個体の特に上の写真が示す過去メンテナンス時の状況は (グリーンの矢印ブルーの矢印が指し示す痕跡は) はたして同じ過去メンテナンス時のタイミングで施された結果なのか迄は掴めませんが、少なくともこれらの影響から「適切な組み立て工程を経ていなかった事実」が判明します。

もっと言うならグリーンの矢印ブルーの矢印の痕跡それぞれで何のパーツを固定していたのかは明白で、且つその影響が経彼の何処の部位に及ぶのか迄掴めるのです。

このような内容を逐一掴んだ上で、今回の個体を仕上げる工程の中でどのような処置を執れば良いのか、或いはその改善がどうしても見込めないと判明するなら、その時はどのレベルまで今現在起きている不都合を改善できるのかの「決断材料として活用している」ワケで、決して単に過去メンテナンス時の整備者の悪口ばかりをことさら並べていると言う低脳な話ではありませんね(笑)

・・何故なら過去の処置の影響が経年で今現れているから!

この事実こそがこれらの話の全てです(笑) それを細かく逐一掴んだ上で、いったい何処まで製産時点に近づけて仕上げられるのか、戻せるのかが問われているのです。

↑無限遠位置のアタリを付けた場所までヘリコイド (メス側) をネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

このヘリコイド (メス側) にはグリーンの矢印で指し示した位置にネジ穴が備わります。全部で6個のネジ穴が用意されていますが、ここに「距離環用のベース環」が締め付け固定されて距離環を回すとこのヘリコイド (メス側) が回ると言う原理です。

従って均等配置で3箇所のネジ穴を使うので「結果的に2箇所分の距離環用ベース環固定位置が用意されている」設計と言えますね。

↑いよい冒頭から解説している「懸垂式ヘリコイド駆動」の真髄に近づきつつあります。鏡筒たるヘリコイド (オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で9箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

直進キーガイド」の内部に前述のシリンダーネジが既に刺さっていて一番下まで下がっているのが分かります (ガイドの切り欠きの下位置にシリンダーネジが来ている)。また鏡筒内の絞りユニットからの「開閉アーム」も合わせて飛び出ています (赤色矢印)。

するとグリーンの矢印グリーンのラインで指し示している範囲が「鏡筒の繰り出し量/収納量」であり互いに直進キーの移動量も開閉アームの長さも同じであることが「原理原則」です。

例えば「開閉アームの長さが足りない」場合は最後まで鏡筒を繰り出した時か、或いは逆に無限遠位置に合致した時なのか、そのいずれかで「絞り羽根の開閉操作ができなくなる」と言う絞り羽根の開閉異常が起きます。

或いは直進キーの移動/動きをチェックした時に「直進キーがガイドの端から端まで移動していない」場合 (ブルーの矢印❷) には鏡筒の繰り出し量が適切ではないので最短撮影距離まで距離環が回らないうちにググッと詰まって停止してしまうか (ブルーの矢印❶)、若しくは無限遠位置まで到達せずにその直前でやはり距離環が回せなくなるかなど、いずれかのトラブルに見舞われます。

このように内部の各部位やパーツの状況を掴むだけで「起こるべく不都合の内容が明白になる」のが「原理原則」に則っているのか否かの問題なのです。

・・当方のオーバーホールでは逐一そのチェックを各工程で行っているのです。

だからこそ適切な微調整や固定位置が明確になるのであって、どうして過去メンテナンス時の整備状況まで掴めるのか?・・とか、どうしてサービスマニュアルも持っていないのに自分が処置している微調整や固定位置が適切だと断言できるのか?・・などなど、全く以て「原理原則」の存在を知らない人達、或いは知ろうとしない人達の戯言でしかありません(笑)

逆に言うなら「今までに扱った事がない初めてバラすオールドレンズでも完全解体できてちゃんと仕上げられるのは何故なのか?」のその答えがまさに「原理原則」に則ってオーバーホール作業を進めているだけの話だからです(笑)

↑ようやく登場しましたがこのモデルに於ける「基台」で、距離環をセットしたりマウント部を組み付ける為の基準的な部位のパーツです。

従ってこのモデルではこの基台に今までさんざん解説してきた「ヘリコイド部」が締め付け固定されますし (上の写真で言うと下側の位置)、上の位置にはマウント部が組み付けられます (つまり上の写真は基台がひっくり返った状態で写っている)。

2018年に扱った個体ではこの基台は無垢のアルミ材削り出しで用意されていましたが、今回の個体ではご覧のように「微細な凹凸を伴う梨地メッキ加工」が施されていました (つまりマットなメッキ塗装)。

↑いよいよ今回の個体で20回以上の組み直しをしたその根本的な問題箇所に入ります。この基台には内部と外側に上の写真に並べた環/リング/輪っかがイモネジによる締め付け固定でセットされます。

そしてそのイモネジで締め付け固定する環/リング/輪っかは「必ず締め付け固定する位置が適切である必要がある」ワケで、この固定位置がズレていると他のパーツや部位に影響が現れると言う設計なのです。

従って20回以上も組み直していたその7割方はここの環/リング/輪っかの固定位置を微調整していた話です。

↑上の写真は既に内側に「制御環」に「ロック/解除環」或いは「絞り値キー環」などがセットされています。赤色矢印で指し示しているように基台の側面に用意されている切り欠き部分に「制御環」が見えています。ブルーの矢印のように相応に移動範囲がありますが、この範囲が絞り環の回転量と一致しています。

↑こちらでは今度は「チャージ環」をセットしました (赤色矢印)。このチャージ環は当初バラして溶剤で洗浄した直後では経年の酸化/腐食/錆びにより「金属材たる黄銅材がダークグレーに変質」していましたがご覧のように「磨き研磨」したので黄金色にピッカピカです(笑)

実は今回の個体で様々な不都合が起きていた根本的な因果関係はこのチャージ環にあり「過去メンテナンス時に経年の酸化/腐食/錆びを一切除去せずに具に頼った整備を施していた」のが拙かったのです。

↑合わせて基台側面のネジ山に今度は「絞り環用ベース環」をネジ込んだところです。内側にセットされている「制御環」とはこのベース環が「伝達キー」と言う、やはりシリンダーネジによって連係しています。

だから絞り環を回した時に内側の「制御環」が回って具体的な絞り羽根の開閉動作に繋がっているのです。

↑指標値環をベース環の先にセットしたところです。これもやはりイモネジ3本を使い均等配置で締め付け固定しますが、そもそもこの指標値環の固定位置をミスればすべての基準がズレていきます。

然し前述したようにブルーの矢印で残っていた2つのイモネジ締め付け痕がありますから、そのうちの1箇所がズレたままこの指標値環をセットしていた事が明白になりました (2つのうちのもう一方は製産時点の締め付け痕)。

↑こんな感じで絞り環が組み付けられて、合わせて鏡筒たるヘリコイド部も固定されました。ちゃんと絞りユニットからの「開閉アーム」が飛び(w)居て、且つ「制御環」や「ロック/解除環」まで見えていますね(笑)

後で再び出てきますが、実は前述したグリーンの矢印で指し示した3つのイモネジ締め付け痕がまさにここの工程に関わります。

全部で3つのイモネジ締め付け痕が残っていたものの、そのうちの1つだけは製産時点なので正しいと言えます。問題なのは残りの2つの位置がズレまくりだった点で、その影響が明確に出ていた個体だったのです。

↑こちらはマウント部内部の写真ですが、既に各構成パーツを取り外して当方の手により処置した「磨き研磨」が終わった状態を撮影しています。

このモデルで一番厄介で難儀する箇所ですが2本の「棒バネ」です。

左側が「絞り連動ピンにマウント面から飛び出す反発力を与えている棒バネ」で右側が「チャージ環を回して絞り羽根が完全開放状態にセットされた後、絞り連動ピンの押し込みで瞬時に設定絞り値まで絞り羽根が閉じるチカラを与える棒バネ」です (赤色矢印)。

正直、なんでこんな棒バネに全てを託してしまう設計にしたのかマジッで恨みますね・・(泣)

↑マウント部内部に取り外していた各構成パーツも「磨き研磨」を終えて組み込んだところです。マウント面から飛び出る「絞り連動ピン」に附随する「カム」によってバチンと音が聞こえて絞り連動ピンが戻り勢い良く「チャージ連係環」が回転して瞬時に設定絞り値まで絞り羽根が閉じる・・という原理です (赤色矢印)。

↑問題の棒バネが見える位置から拡大撮影しています。絞り連動ピンに棒バネが1本刺さっていますが、このカタチまで棒バネのカタチを正すのに5回組み直ししています。何故なら全て組み上げてからでないと各部位の動きと連係動作が確認できないからです。

右隣の「カム」とはグリーンの矢印で指し示したほんの僅かな出っ張りだけで絞り連動ピンと互いに関連付けされています。

結局絞り連動ピン用の棒バネが経年で弱ってしまったのと同時に過去メンテナンス時の処置でおそらくカタチをイジられていたと考えられ、今回のオーバーホールでそれを正した感じです。

・・極僅かな2mm程度の跳ね上がりの角度が問題で5回も組み直した次第です(泣)

棒バネなのでカタチをイジッて反発力を強くしてしまえばそれでトラブルは改善されますが、実はその後すぐに数年で再び棒バネは弱ってしまい問題のトラブルはさらに悪化していきます。

・・棒バネのカタチをイジッて反発力を強めても一時的でごまかしの整備にしかならない。

↑上の写真を撮るまでに2日間が経過しており、最初の1日目と合わせて3日が経過した時点で上の写真撮影をしています(涙)

上の写真は基台からの部位を下向きに置いて撮影しているので写真下方向が前玉側になり、上方向がマウント部側にあたります。

ちょうど絞り環の上にチャージ環がセットされるワケですが、グリーンのラインで垂線を附加させたように赤色矢印で指し示した「開閉アーム」がご覧のように曲がっているのが分かります。

この曲がり分が大きく影響して「絞り羽根の顔出し」或いは「f11〜f16の間が閉じない/動かない」さらに「絞り連動ピンとの連係」に問題が起きたのだと断言できます(涙)

・・マジッでこのアームの曲がりのせいで3日掛かりになったのです!(泣)

パッと考えて、金属棒なのだからペンチで元の垂直な状態に戻せば良いではないかと考えがちですが、この「開閉アーム」は絞りユニットから飛び出ているワケで、下手にペンチなどを使ってチカラを加えると「このアーム棒はプレッシングで打ち込まれているだけ」なので、その根元がグラついてしまったらアウトです!(怖)

逆に言うならこの「開閉アーム」が極僅かでもグラグラしただけで「絞り羽根の開閉異常」に至り、絞り値の一段分ぐらいの誤差が起きるので「完全開放しない (絞り羽根が顔出しする)」或いは「最小絞り値までちゃんと順に閉じてくれない」下手すればマウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み動作との連係にまで支障を来します。

つまりたいていの場合でオールドレンズ内の「開閉アーム」は板状のカタチだろうが棒状だろうが関係なく「ペンチなどを使ってカタチを正そうとすると下手すればグラグラになってしまう」ので危険です(怖)

↑さらに極めつけですが、再びここまでまたバラしきっているのを撮っていますが(笑)、基台にヘリコイド部を固定する締め付けネジが両サイドに1本ずつ用意されている (つまり合計2本ある) ものの「片方のネジだけがちゃんと最後まで硬締めで締め付けられておらずユルユル状態だった」次第です (赤色矢印)。

・・これが何を意味するのか???

おそらく過去メンテナンス時にヘリコイドグリースを入れ替えたもののトルクムラが起きていたか、或いはトルクが重すぎた為にそれをごまかす処置として片方の締め付けネジだけ硬締めせずに終わらせています。

このような「ごまかしの整備」は整備者の常套手段で昔から今現在に至るまで相変わらず処置されている事が多いです。

冒頭で解説したとおり、このモデルのヘリコイド駆動は「懸垂式ヘリコイド駆動」で当時のSchneider-KreuznachやISCO-GÖTTINGEN他A.Schacht Ulmでも多用されていた設計概念です。

互いに異なる光学メーカーにもかかわらず設計概念が同じになるなどと言う話は普通は発生しないと、以前取材させて頂いた金属加工会社の社長さんからアドバイスを受けました・・一般的に自社の工場設備に最も適した設計を採るのが普通との事です。

そこで考えられるのは当時のこれらの光学メーカーが互いに協業していたとすれば設計概念や様々な部位の駆動方式なども設計概念が近似してくるのは納得できる話です。

おそらくはオールドレンズ内部のあらゆる環/リング/輪っかに必ず締め付け固定用のイモネジを用意したり、或いはこのような「懸垂式ヘリコイド駆動方式」を採り入れる設計はSchneider-Kreuznachが一番最初に始めていた設計とみています (今まで完全解体したオールドレンズ達の状況からの判定)。

特に内部の環/リング/輪っかにイモネジでの締め付け固定を採用する場合、金属材がアルミ合金材なのか黄銅材なのかの違いによって「下手にイモネジを強めに硬締めすると金属材がそのチカラの反発で膨張してしまう」ために、どのように設計すれば良いのかという実積が蓄積されていないとなかなか安易に諸手を挙げて採用できないからです。

その現象の一つが今回の個体を当初バラす前のチェック時点で感じていた「距離環を回した時にゴリゴリ感を感じる箇所がある❷の問題点と合わせて❶のトルクムラにも繋がっていたと推察できます。

合わせてヘリコイド部を片側だけで硬締めしていたので「懸垂方式の鏡筒から飛び出ている開閉アームの操作に影響が現れた」のも容易に指しが着きます。

そもそも上の写真を見れば分かりますが、鏡筒 (ヘリコイドオス側) はヘリコイド (メス側) の内側にネジ込まれているだけで、他に保持している環/リング/輪っかや締め付けネジが一切存在しません。いくらヘリコイドオスメスのネジ山でネジ込まれているとは言え、一番下の「開閉アーム」が強いチカラで操作されるのを考えるとその伝わってくるチカラの影響がトルクにも現れるのは容易に想像できます。

従って旧西ドイツの光学メーカーが好んで採用したこの「懸垂式ヘリコイド駆動方式」はその駆動の大前提として「トルクムラが発生しない」或いは「平滑性が担保されていて軽い操作性」なのが大きなポイントになります。

・・だからこそ黄銅材をピッカピカに磨き上げているのです!

また今回の個体で一つ前の工程でお目にかけた写真の「斜め状に傾いてしまった開閉アーム」のそのズレ分は処置のしようがないので(泣)、仕方なく他の部位のパーツで少しずつ微調整機能を活用しつつ相殺していった次第です。

逆に言うなら、そんな改善策を講じていたが為に「10回を超える組み直しに至った」とも申し上げられます(涙) アッチがこう変わったらコッチがこうなってしまった・・みたいな感じで一度組み上げてはチェックして再びバラしてを10回以上繰り返しつつ、起きている問題点を一つずつ消していった次第です(笑)

・・一度でパパッと改善策を執れないのがまさに技術スキルが低い証(泣)

と言われても反論するコトバが見つからないのが実は本当の話です(笑) 11年もオーバーホール作業を続けているにもかかわらず、こういう有様です(泣)

このブログをご覧頂いている皆様も重々お汲みおき下さいませ。一部の誹謗中傷メールを送信してくる人達が様々なサイトで指摘しているように、ウソや思い込みが多く、しかも当方の技術スキルは低いので決して皆様のご期待には応えられません。
イザッとなれば責任転嫁して逃げてばかり居るとの指摘も、そのようにしか受け取れないのでしょう。
申し訳御座いません・・(泣)

結局この後もさらに追加で10回以上組み直しを行いつつ仕上げていったので「合計で20回を超えてしまった」次第です・・恥ずかしいったらありゃしません(笑)

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりましたが、残念ながら一つだけ改善できずに動き方を変更して仕上げています。

当初バラす前のチェック時点で起きていた距離環を回すトルクムラやゴリゴリ感、或いは少々重く感じるトルク感も含め全て改善できており、特にこのモデルのピントのピークはその山がとてもなだらかなので「軽い操作性」に仕上げた次第です。

また絞り羽根が顔出ししていて完全開放していない問題と「f11〜f16の間で絞り羽根が動かない問題」或いはマウント面からの絞り連動ピン押し込みに伴う絞り羽根の動きが緩慢、チャージレバーが最後まで戻らないなどについても凡そ改善できています。

然しそもそも「開閉アームが斜め状」なのは正しようがないので仕方なくチャージ環の動き方も「瞬時にガチャン!と勢い良く戻る」のが適正なところを、そこまで改善させていません。チャージ環操作をすると途中から戻りが緩慢になりますが、一応ちゃんと最後まで戻るようには改善させました。

・・実際、チャージ環の改善はここまでが当方の技術スキルでは限界です。申し訳御座いません。

結局、マウント部内部の「2本の棒バネ」のうち、特に絞り連動ピン側の棒バネが既に弱っているのでこれ以上強くできません。過去メンテナンス時にチャージ環の平滑性を処置してくれていればまだもう少し耐えられたのかも知れませんが、分かりません。

ちなみに「ではどうして開閉アームが斜め状に変形したのか?」の答えはちゃんと明白になっていて「マウント部内部で開閉アームが刺さる箇所があり、チャージ環操作に連動して回る為に無理矢理チャージ環を最後まで回しきる操作を何回も行ってしまった」のが120%の勢いで間違いありません(笑)

その所為を執ると間違いなく必ず開閉アームが変形し、下手すれば前述のとおりグラつきが出てしまったり破断の懸念も高いです。ムリヤリ操作する事で少しでもチャージ環の緩慢な動きを改善したかったのでしょうが・・悪影響だけしか残りませんでした(泣)

《当初バラす前のチェック時に気になっていた内容》
距離環を回すとトルクムラを感じる箇所がある。←改善済
合わせて距離環を回した時ゴリゴリ感 (膨れ) が指に伝わる箇所がある。←改善済
 絞り環を回した時のクリック感に違和感/ガチガチ感が強い。改善済
開放時に絞り羽根が顔出ししていて少し閉じている (完全開放していない)。←改善済
絞り値「f11〜f16」で閉じない時/動かない時がある。←改善済
絞り連動ピンの戻りが緩慢。←半減程度まで改善
絞り連動ピンとの連係動作に時間が掛かり過ぎる。←半減程度まで改善
チャージレバーの戻りが緩慢で時々最後まで戻らない。←改善済
マウントアダプタ装着時絞り連動ピンが干渉する (これは仕様の問題)。←改善不可能

《バラした後に新たに確認できた内容》
チャージレバー環の酸化/腐食/錆びが酷い。←改善済
棒バネ (2本) が経年劣化で弱っている。←半減程度まで改善 (これが限界)
基台に附随する各構成パーツの微調整が適合していない。←改善済
ヘリコイド部の微調整が成されていない (ごまかした処置を講じている)。←改善済
ムリなチカラを加えた為に開閉アームが変形している。←改善不可能
絞りユニットの固定位置がズレており微調整されていない。←改善済
 そもそも根本的に各部位からのチカラの伝達を適正化していない。←改善済

・・こんな感じです。

オーバーホール/修理を賜った皆様に必ず申し上げているのでここでも明記しますが、今回のオーバーホール/修理ご依頼分が完了してお届けした個体を操作されてご納得頂けない点については「納得できる金額をご請求額から減額が可能」です。減額の最大値は「ご請求額まで (つまり無償扱い)」とし、当方による弁償などの対応はできません。申し訳御座いません・・(涙)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。皆無と言うよりも「もしかして光学硝子が入っていない?」と言ってしまいそうなくらいにスカッとクリアすぎて凄いです!(笑)

↑光学系後群側もとんでもなくスカッとクリアです!(驚)

↑簡易検査具ですが検査するとこの閉じ具合が最小絞り値「f16」の閉じ具合です。オーバーホール工程で示した閉じ具合は完璧に閉じすぎなので、必然的に開放時に絞り羽根が顔出しするのも納得できる話です(笑)

もちろん「f11〜f16の間」もちゃんと適正に絞り羽根が開閉動作します。絞り環も当初のガチガチ感がなくなり心地良いクリック感に変わっていますが、当初入っていた鋼球ボールを一つ小径に替えています。その理由は既に「絞り値キー (溝)」と言う各絞り値で刻まれている箇所が削れていて摩耗が酷いので、当初の鋼球ボール径のままだとガチガチ感を相殺できなかったので「小径に変更してクリック感を適正化し今後の将来的な摩耗を防御する」処置と決断しました。

・・一応当初入っていた鋼球ボールを添付しておくので戻す必要があれば再度作業します。

↑距離環を回すトルクは前述のとおり、このモデルのピントのピークがなだからな山なのでピント面の前後での微動で違和感を感じないよう「敢えてワザと軽めに仕上げた」状況です。おそらくトルクを意識する事なくピント合わせに集中できると思います。

・・逆に言えば懸垂式ヘリコイド駆動でここまで軽いトルクに仕上げられるのは少ない。

↑指標値環や絞り環用ベース環、或いはさらに内側にセットされている制御環やチャージ機構まで含めて「凡そ製産時点の固定位置/締め付け痕を見出した」上で、どの位置で固定するのか判断し「そもそもの問題たる斜め状の開閉アームから起因する問題を相殺させた」状況です。

しかし残念ながらチャージ環との連係動作だけは完璧に改善ができませんでした・・(泣)

なお光学系内部はもとより前玉直前の遮光環部分も含めて溶剤で洗浄していたら一部が溶け始めたので「過去メンテナンス時に反射防止黒色塗料を厚塗りしていた」のが分かり、1時間ほど掛けて全て除去し製産時点のメッキ状態に戻しています。製産時点の焼付塗装やメッキ加工なら溶剤で溶ける事は一切ありませんし、当方が一番イヤなのは「塗料のインク成分が光学系の硝子面コーティング層に反応して薄いクモリを帯びて除去できなくなる」のがコワイのです。

↑例えば上の写真の赤色矢印で指し示したように「設定絞り値f5.6」に設定する場合、絞り環を回すと「絞り羽根が閉じていきf5.6まで閉じる」のが正しい動き方になり、チャージ環を最後まで回して「完全開放状態にロック」してからフィルムカメラで撮影に臨み、シャッターボタン押し込みと同時に勢い良く絞り羽根が設定絞り値まで閉じる動作が正常品です。

↑上の写真のようにチャージ環そのものはちゃんと最後までブルーの矢印のように動きますが、内部でチャージ環との連係に一部制限を与えて「絞り環を回して設定絞り値にセットしても絞り羽根は完全開放したままを維持する」ように変更しています。その後「マウント面から飛び出ている絞り連動ピン押し込みに伴い瞬時に絞り連動ピン痔根が設定絞り値まで閉じる」ので、正直チャージ環の操作が必要なくなっています。

つまりマウント面から飛び出ている絞り連動ピンが押し込まれれば設定絞り値まで瞬時に絞り羽根が勢い良く閉じますが、その後は絞り環操作で絞り羽根の開閉ができてしまいます。

さらにその後にひとたび「開放状態にまで絞り環を回すと再び勝手に (チャージ環を回さなくても) ロックされて完全開放状態を維持するように変わる」ように仕上げています。チャージ環によるロック操作も行えるようになっていますが、絞り環操作でロックするように仕向けてあります。

これはチャージ環に附随するスプリングが弱っている点と例の絞り連動ピンに附随する棒バネの経年劣化、合わせて今回の個体に限ってチャージ環の抵抗/負荷/摩擦の改善に限界があるのが分かったのでこのような処置を講じて組み上げています。

但しマウント面から飛び出ている絞り連動ピンを機を雨声的に最後まで押し込んでしまう「ピン押し底面」を装備したマウントアダプタに装着すると、絞り連動ピンが押し込まれたままになるので「単なる手動絞り (クリック感を伴う)」になるのは今までと同じままです。

このモデルは「半自動絞り方式」なのでチャージ環を操作しなければ完全開放しなかったのを無効化しています。

従って、例えば仮に「ピン押し底面が無いマウントアダプタに装着」すると絞り連動ピンを押し込む手立てが存在しないので、完全開放したままで絞り羽根が閉じないままになりますからご留意下さいませ。

↑マウント面から飛び出ている絞り連動ピン (赤色矢印) はこんな感じです。ブルーの矢印のように押し込まない限りご覧のように「絞り環がf5.6にセットされているのに完全開放したまま」なのが分かります (絞り連動ピンが押し込まれると瞬時に勢い良くf5.6まで絞り羽根が問題なく閉じる)。

↑そして冒頭でご案内した問題点/気になる点の中で唯一何も対処できない問題「 マウントアダプタ装着時絞り連動ピンが干渉する (これは仕様の問題) ←改善不可能」についてここから解説していきます。

当方所有K&F CONCEPT製マウントアダプタを使い装着した写真ですが、ご覧のようにちゃんと最後までネジ込めています (赤色矢印)。

↑ところがこの時のマウント部内部を覗き込むと上の写真のように「マウントアダプタ内側に棚のように迫り出ているピン押し底面の縁が絞り連動ピンに干渉している」状態なのが分かります。

いえ、正しくお伝えするなら・・絞り連動ピンの位置が内側過ぎるのでマウントアダプタのピン押し底面がその位置に合致しておらず「縁だけで干渉して押し込んでいる様子」のを撮影しています。

一応マウントアダプタに装着すると絞り連動ピンが最後まで押し込まれるので絞り羽根の動きは前述のとおり「手動絞り方式」に変わりちゃんと絞り羽根が開閉しますが、その時の絞り連動ピンの状態が「単にピン押し底面の縁で干渉して押し込まれているだけ」なのをご留意下さいませ。

このように絞り連動ピンの位置が内側過ぎるのは、このモデルの設計/仕様が悪いのではなく、当時の様々なオールドレンズで「M42マウント規格の詳細部分は各光学メーカーの一任」であった点が大きく影響していると思います (当方の考察です)。

例えば極端な話ですが「M42マウント規格のフランジバック」も今でこそwikiを調べれば「45.46mm」と明記されていますが、日本製マウントアダプタを設計/販売している会社では「45.5mm」ですし、もっと言うなら当時のコシナ製フィルムカメラの取扱説明書には「45.45mm」とまで印刷されています。

さらに指摘するなら、当初の「M42マウント規格のフランジバック」は一部光学メーカーに於いて「45.76mm」で設計していた関係から今ドキの「45.5mm」仕様を適合化させているマウントアダプタに装着しても無限遠位置がズレるのは当然な話です。

そして今回のモデルのように「絞り連動ピンの位置自体がそもそも違う設計」のオールドレンズさえも、特に当時の旧西ドイツ製モデルの中に数多く顕在しています。或いは「M42マウント」のマウント面に追加で突出した「爪や金属製の棒状ピン」を用意した設計に仕様変更し「開放測光機能に対応させた」光学メーカーもありました。

詰まるところ「マウントネジ部内径42mmピッチ1mm」しか仕様が継承されず、はたしてそのネジ込みマウントの「ネジ切りのスタート位置と終端位置」さえも一任されてしまったのが今の混乱を招いているようにもみえてなりません。

・・然し最終的な不都合の全ては当方のオーバーホール作業が悪い!

とまるでレッテルの如く「アンタの整備が悪いからこんな事になってしまった」と言ってくる人達が居るので、当方の技術スキルはこのようにとても低く、ご依頼者様のご期待に値しませんョと事前に申し上げているのです・・(涙)

・・今年の夏で引退するので、どうかそろそろ許してほしいです(涙)

とのお願いをしてもきっとダメなのでしょう。サッサとケツをまくッてネット上からもその存在の一切を消さない限りは、相変わらず誹謗中傷メールを送ってくるのでしょう(涙)

・・本当に世知辛い世の中です(涙)

↑K&F CONCEPT製の「M42マウント規格」用マウントアダプタです。デジカメ一眼/ミラーレス一眼にマウントアダプタを装着した際に「真上に来る位置をグリーンの矢印で指し示している」のを撮影していますが、当方の手でケガキ書き込みをしていてマウント面側にもそのラインを刻んであります。「ピン押し底面」は赤色矢印で指し示したようにマウントアダプタ部の内側にあります。またネジ部には1mm弱の突出も備わりますがオールドレンズに干渉しません。

↑このマウントアダプタは内部に実装している「ピン押し底面が平面と凹面との両用使いが可能」なので、1.3のヘックスレンチさえ用意すればご覧のように取り外せて「平面と凹面を使い分けできる」優れモノです。ちなみにピン押し底面は樹脂製なので絞り連動ピンが干渉しても大きなトラブルに巻き込まれにくい安心感はとても強いです。

今回のオールドレンズでは「凹面をセット」しているのでちゃんと最後まで (ネジ込んでいくと徐々にキツメになりますが) ネジ込めます。反対の平面側にセットすると最後までネジ込めなくなります。

↑一方こちらは国産のマウントアダプタでRayqual製です。最後までネジ込んでいくと途中で停止してしまい指標値側が真上に来ません (上の写真では反対側に居る:赤色矢印)。

↑この時の絞り連動ピンの干渉状況を撮影しましたが、ご覧のとおりやはり「ピン押し底面の縁が干渉」していますが、金属製のピン押し底面なのでガチガチ状態です。もっとネジ込みを強く締めれば指標値側が真上に来るのかも知れませんが、これ以上ネジ込むとおそらく絞り連動ピン内部の機構部が壊れます(怖)

逆に指摘するなら前述のK&F CONCEPT製マウントアダプタなら「ピン押し底面が樹脂製」としても、それは「樹脂材が削れているから干渉の程度が低い」とも指摘でき、それはそれで削れてしまいイヤなら、もう1個追加で購入しても5千円以下ですから諦めが着くモノです(笑)

  ●               

以上、大変長い解説で申し訳御座いません。またこのように操作性について一部を当方の決断により変更してしまった件、お詫び申し上げます。皆様にも必ず告知していますが、これらの内容についてご納得頂けない分を減額下さいませ。もちろん「無償扱い」としても致し方ない話で御座います。

技術スキルが低すぎるから「できないモノはできない」ので、決して責任転嫁して逃げているのではなく、ちゃんと「無償扱いの判定をご依頼者様に一存している」点で真摯に臨んでいるつもりです・・が然し、それでも足りなければ弁償するしかありませんが、それも対応できません(涙)・・スミマセン

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離60cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」です。

↑f値「f11」での撮影です。相応に絞り羽根が閉じてきているものの、その影響など微塵も現れません・・素晴らしい!

↑最小絞り値「f16」での撮影です。「回折現象」の影響を全く見出せません。大変長い期間に渡りお待たせし続けてしまい本当に申し訳御座いませんでした・・お詫び申し上げます。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。