〓 FUJICA (富士フイルム) EBC FUJINON・W 35mm/f2.8《後期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わりヤフオク!出品するモデルは、国産は
FUJICA製広角レンズ・・・・、
EBC FUJINON・W 35mm/f2.5《後期型》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で、当時のFUJICA製広角レンズ「35mm/f2.8」の括りで捉えると僅か9本目です。

扱い本数が意外と少なめな印象ですが、最近特に強く感じているオールドレンズに対する印象があります。それは現在市場流通しているオールドレンズについて「そろそろどの個体でも、光学系の蒸着コーティング層に限界が訪れているように見える」との強い危機感です(涙)

当方がそのような印象を特に強く抱くようになったのがこの3〜4年くらいなので、おそらく2019年まではそれほど強く感じていなかったようにも思います(汗)・・これは当方が調達する際、特に光学系内に薄いクモリが生じていない個体をピックアップして手に入れている為
この数年で手に入れられる個体数が激減しているように感じているからです(汗)

その意味で間違いなく後50年もすれば、そもそも当方が扱ってきたオールドレンズの範疇は (クラシックレンズではなくて) 市場流通数が半減以下まで激減し絶滅危惧種へと突き進んでいくように思います(涙)

それは光学系内が「極薄いクモリを通り越して完全な白濁状態まで劣悪化していく」状況に、ひたすらに向かっているように思えてなりません(涙)

それこそ近い将来に誰かの発明で「サクッと光学硝子レンズをガラス研磨」できて、しかも「その後にサクッと擬似的なコーティング層を被せられる技術」を開発してほしいです(祈)

今ドキの3Dプリンターのような、ちょっとムリすれば誰でも買えるくらいの機器として製品化され、光学硝子レンズを研磨してくれて、洗浄した後に「アプリで被せるコーティング層の種類を微調整できる」機能を備え、本当に鉱物由来のコーティング層を蒸着するのではなく「擬似的に入射光の波長の反射率を制御できるような新素材」として被せてくれれば、必ずや必要になってしまう蒸着窯など用意せずに一般家庭でも利用できたら、安心してあの世に逝けるように思ったりします(笑)

要は「酸化セリウム」などでガラス研磨せずに、別の新素材が開発されて研磨できれば良いと考えるのは甘すぎるでしょうか???(笑) 合わせて研磨した後のノンコーティングの光学硝子材に、今度は蒸着するのではなく「それこそ着色するくらいの意味合い」で入射光の成分に対して反射率を制御できる新素材を被せられれば、それで完成してしまうようにも考えます(笑)

例えば例が悪いかも知れませんが(汗)「変形自在の (折れ目が付いたりしない) セロファン薄膜のようなモノを熱圧着する」なんて言うのを妄想して、ニヤニヤしていたりします(笑)・・要はパープルアンバーだろうがグリーンだろうが、それこそ初期の頃のプルシアンブル〜シングルコーティングさえも、そのような薄膜質の「何か」が開発されれば、自由に何層でも被せられて入射光制御できたら・・とニマニマしています(笑)

そもそもエジソンが電球を開発していた時代に (まだ鯨油ランプに頼っていた時代)、いったい誰がLED光照明をイメージできていたでしょうか・・(笑) 翻って、そもそも50年後になれば「金属質の平面レンズ (波長だけで光を総天然色で記録する)」が流行っていて「そう言えば、昔は硝子材を通して撮影していたんだョなぁ〜」なんて、感慨に耽る時代が来ているかも知れません(笑) その時、アプリで撮影画像を見ながら、後からピントを合わせたい場所をタップして、背景のボケ味まで自由自在にいくらでも加工できてしまう (つまり取り込んだ撮影データは全画素データとして記録されているから) 全ての画素/点に合焦している撮影なんて言うのが
良いかも知れません(笑)

だいたい人間の瞳で捉えて鋭さ感を認識している領域など、たかが知れているので(笑)、後からボケ具合を加工して付加すれば良い話になります (にじませる度合いをコントロールしてあげれば良いだけだから)。確か現実にすでにPanasonicがそのような技術を開発しているそうなので
意外と「波長だけで捉える平面レンズ」の登場は早いのかも知れませんね (レンズ面が透明で
入射光が透過する必要性が一切なく、閉ざされた1枚の金属板だけで良い
)(汗)

それら取り込んだ画像データを加工したり視認する際、VR技術の発展系として「人の瞳での網膜で錐体細胞が反応した結果だけを伝達」できるなら、それこそメガネを掛けている感覚で視線の位置と認識レベルだけでボケ具合が制御できれば、大掛かりな設備も必要なくなります(笑) そもそも「色の三原色」の概念から錐体細胞が反応して脳に伝達しているワケで、何処ぞの企業が開発した「視線で位置を特定できるコンタクトレンズ」技術を併用して、そこに脳波で認知レベルを伝達できれば「視て認知して」と、まるでスマホ画面で操作しているが如く
作業できてしまいそうです(笑)・・確かイーロン・マスク氏のグループ企業が既に「脳に埋め
込んだ端子から作業を指示できる技術
」として臨床実験しているくらいなので、なまじSF
映画だけの話でもなさそうですね(笑) そしたら、眼の前に何某かの素材を使った画面を広げる必要すらなくなり (いわゆる投影みたいなデスクトップが必要ない)、頭の中で仮想的に画面を広げて取り込んだ画像データの処理ができる時代も・・近未来には訪れているのかも知れません(驚) まるで攻殻機動隊の世界観です(笑)

・・そういう妄想をするのは、楽しいですね!(笑)

と話がめいっぱい脱線しましたが(汗)、要は今回扱った個体も前玉と後玉に極々薄いクモリが介在しています(泣)

↑上の写真は、既にオーバーホールが終わり組み上がった状態の出品個体を撮影しており、前玉側方向から撮っています。後玉のさらに後にLED光ライトを置いて照射しています。

基本的に当方では、このように光学系内をLED光照射で明示するのを「敢えてワザと故意に」やりません(笑)・・その理由は、光学系内のどの群の表裏面どちらに生じている点キズや汚れ状、或いは薄いクモリなのかが「一般の人には判定できない」ので(汗)、これらの写真を掲載しても「単に光学系内の点キズや汚れ/クモリが多く見えてしまうだけ」にしか至りません。

逆に言うなら、上の写真のように「後玉のさらに後ろ方向からLED光照射して光学系内を覗き込むと、明確にどの群の表裏面で何が残っているのか???」が明確に判定できます(笑)

当方が当初バラす前の時点で光学系内をチェックしているのが、まさにそのような手法なので
当然ながら対象となるオールドレンズの光学系構成図くらいは、認知した上で取り掛かっています(笑)

すると上の写真で左側方向から赤色矢印とラインで囲っている領域・・凡そ光学系第1群前玉の外周から中心方向に向かって赤色ラインで囲っている幅の領域がグルっと全周に渡り「極薄いクモリを伴う」状況です(汗) さらにそのクモリの程度も「まさに上の写真で写っているくらいのクモリ度合い」なので、これが影響して実写時の写真に残るとすれば「相当広角域から差し込んでいる光源の強力な光」とも推測でき、そのような撮影シ~ンになるとだいぶ限定してくると思います(汗)

当方は一切隠さずに全ての瑕疵内容を明言してしまうので(笑)、今回は (大変珍しいですが) 敢えて写真撮影して掲載しました(笑)

また右側のグリーン色の矢印で指し示しているのは、実は光学系第2群の表面側に残っている「大きくグルっと2周回っている螺旋状の極々微細なヘアラインキズ」であり、その一部だけが弧を描いて写っています (とても微細で細い線なので視認する角度によっては見えなくなるが確実に物理的に光学ガラス面に残っているヘアラインキズ)。

この螺旋状のヘアラインキズは、既にバラした時点で残っていたので「クリーニング済」を謳っていた個体を調達したものの(汗)、そのクリーニング時に付けられてしまったとみています (何故なら、当方はこのような大きな円を描いて清掃していないから)(笑)

こんな感じで上の写真を観ただけでも「前玉から始まって第3群まで各群表裏面にポツポツと微細な点キズが数点ずつ散見している状況」なのが当方には分かりますが、いったいどれだの方々がそのように受け取れているでしょうか???(笑)・・ちなみに後群側の一部がクモリを生じて写っているように見えているのはLED光照射したからで、現ブツは第5群までがスカッとクリアです(笑)

もッと言うなら、本当は上の写真の解説で指し示している赤色矢印の箇所は正しくありません(笑)・・皆様に分かり易いように敢えてワザと故意に内側方向にズラして赤色矢印とラインを書き込んでいます。何故なら、光学系第1群前玉は「凹メニスカス」なので、横方向から観るとご覧のようにコバ端部分の映り込みがズレて観えます。本当はもっと外周寄りに薄いクモリが生じているのが現ブツの状態ですが(笑)、そのように赤色矢印とラインで指し示して囲うと「全くクモリがない場所を囲っているようにしか捉えられない」から、敢えてワザと故意に
ズラしているのです(笑)

これが「凸平レンズ」だったら、横方向から覗き込んだ時にまた観え方が変化するので、そういう観点から「正しく伝わらない」からこそ、当方は敢えてLED光照射の掲載写真を一切明示しません・・当方のポリシ~なので変わりようがありません(泣) そこまでしないと、むしろちゃんとキレイな仕上がりに戻ったのに、オールドレンズがあまりにも可愛そうだからです(涙) どうしても微細な点キズや除去できなかった汚れ状などがイヤなら、オールドレンズではなく新品の今ドキAFレンズを購入するのが良いと思います。

↑今度は同じように前玉側方向からLED光照射したまま「後玉を撮影している」状況です。赤色矢印で指し示している領域 (凡そ後玉の半分弱の領域) に「極薄いクモリが付随するものの実際はコーティング層経年劣化進行に伴う汚れ状の微細なキズの集合体」なのですが、これを「いや、クモリでしょ!」と仰る方も居るので(笑)、そのように出品ページにも明示しています。

このような汚れ状 (皆さんが言うところの薄いクモリ) は、光学系の前玉側方向から光源/逆光撮影などで光が差し込んでいる状況下に、極僅かなハレーションを伴う懸念は残りますが、これも撮影シ~ンとするとだいぶ限定的と言えるほどのタイミングで、光が入射している状況と言えそうです。

これがこのように隙間だらけで汚れ状に至らず、面としてクモリを生じていると話が変わり、多くの撮影時に「コントラスト低下」を招きます(泣)

従って単純に光学系内をLED光照射して写してしまうと、その写真を見たときに「一体どれだけの人が適切に判定を下せるのか???」との観点から、当方は懐疑的なので「敢えてワザと故意に」載せません(笑)

その一方で最近のヤフオク!などを観ていると「一つ流行り始めている謳い文句」があり「ちゃんと綺麗な写真が撮れれば良いと考える人だけ入札/落札して下さい」との言い回しで出品
ページ掲載文を載せている・・当方とご同業者たるアホな『転売屋/転売ヤー』が居ます(汗)

逆に言うなら、上に明示した光学系前後玉の瑕疵内容を以てしても「このブログページ最後の出品個体による実写」をチェックすれば、ちゃんと普通にキレイな写真撮影が適いますが(笑)「しかし当方が気にしているのは・・人情として・・上のような前玉や後玉の状況は、人それぞれで捉え方/感じ方が違う」との認識の為「いくらキレイな写真が撮影できようとも、それで済ませるのはあまりにも配慮が無さすぎて、ハッキリ言って酷すぎる」との受け取りです。

何故なら、そもそも出品している商品が「写真撮影する道具たるオールドレンズ」なので「キレイに写るのは100%当たり前の話」であって、経年劣化進行に伴いどれだけ光学系の劣化が進行しているのかを「できるだけ観て確認したい」と言うのが人情だからです!(涙)

だからこそ光学系内の瑕疵内容は全て「コトバで明記」するポリシ~ですが、今回のようにLED光照射した写真を掲載するのには・・相変わらず相当な抵抗感が強いです(泣)

・・裏を返せば、光学系内の瑕疵と撮影写真との関係性の判定は相当難しいと言える(泣)

ちなみに、上の写真 (後玉の写真) を観ると、前述した光学系第2群の表面側に残る螺旋状の大きなヘアラインキズがご覧のとおり一切視認できません(汗)・・がもちろん後玉側方向からでも「直視すれば見える」のを併記しておきます(泣)

  ●               

↑当時、富士フイルム (メーカーブランドとしてはFUJICAシリーズ) が「M42マウント規格」を採用した、一眼レフ (フィルム) カメラを初めて発売したのが1970年になり「ST701」から
スタートしますが (上写真左)、1972年の「ST801」発売に合わせ「M42マウント規格を
踏襲しつつも開放測光機能を付加した独自マウント規格
」を採った為に従来広く巷で「Pマウント」と呼称されていた「PRAKTICA (プラクチカ) ネジ込み式マウント規格 (つまりM42マウント規格のこと)」或いは単に当時の旭光学工業製の「PENTAXネジ込み式マウント規格」といずれも頭文字「」をとって呼んでいたところに、その完全互換から逸脱しています。逆に言うなら既に1970年時点で世界規模で「M42マウント規格」が陳腐化していたとも指摘でき日本でも「バヨネットマウント規格への移行期」に瀕していた時期とも受け取れます。

バヨネットマウント
レンズ側マウント部の爪とカメラボディ側マウント部の爪が互いに噛み合いロックする方式

ちなみに当時富士フイルムは1978年発売の一眼レフ (フィルム) カメラ「ST605II」が実質的に「最後のM42マウント規格モデル」になり、翌年1979年から「AXバヨネットマウント規格」へと移行しています。然し既に時遅く事業性の低下からついに1985年には戦後の1947年から培ってきたフィルムカメラの開発/製産から撤退してしまいました(涙)

↑上の記事はこの当時の富士フイルムに於ける「EBC (lectron eam oating) コーティング」に関する、オドロキの詳細記事抜粋です。巨大な「EBC蒸着釜」の写真まで観られる機会はそう滅多にありませんが(涙)、手前左側にある計測データ印刷機の大きさから如何に
デカいのかが伺えます(驚)

・・まるで宇宙船の着陸船のように見えて仕方ありません!(笑)

特に当時の雑誌記事では「EBC」による入射光透過率を99.8%と謳い「ついにフレアを撲滅した」とまで明言していますから、その
自信の表れが伺えます。当時の富士フイルムに於けるラボでの光学
硝子レンズ面 (硝子レンズは表裏で2面になる) 透過率テストでは、左一覧の中腹辺り10面で「EBC」は98.0%の透過率を誇っていますから・・まさにオドロキです(驚)

【モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった要素を示しています。

初期型1970年発売「ST701」用

コーティング:モノコーティング
開放測光用の爪:無
距離環ローレット (滑り止め):金属製
レンズ銘板:金属製

前期型1972年発売「ST801」用

コーティング:マルチコーティングEBC
開放測光用の爪:
距離環ローレット (滑り止め):ラバー製
レンズ銘板:金属製

後期型1974年発売「ST901」用

コーティング:マルチコーティング「EBC
開放測光用の爪:有
距離環ローレット (滑り止め):ラバー製
レンズ銘板:プラスティック製

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↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
累計で僅か9本目にしても、前回の扱いが2019年なので、今回はネット上の実写を再び
ピックアップしてみました。

一段目では円形ボケのレベルを確認しています・・そもそも光学系がレトロフォーカス型構成ですし、何しろ焦点距離が35㎜の広角レンズですから「シャボン玉ボケは当然ながら円形
ボケすら実のところ苦手
」と、その表出に難儀します(笑) これらの実写で観ているのはピント面ではなくて「その背景の円形ボケ」です(笑)

観ていると円形ボケのエッジが結構誇張的に太めに現れるので(汗)、ピント面にたいしての背景が少々ザワザワしていて見ずらいです(汗)

その傾向は一番右端の円形ボケが角ばり始めている状況でも相変わらずで、ちょっと背景に気を遣う必要があるかも知れません(汗)

二段目
収差ボケのレベルを確認していますが、二線ボケ傾向も含め先に滲んでいくようなので、一段目に比べるとピント面の背景の煩さ感が減じられているようにも見えます。収差ボケがキツメに現れるオールドレンズは多いと思いますが、このモデルはむしろ円形ボケの処理のほうで大変な印象です(笑)

ただ、ここまで一段目と合わせて観てきて一つ感じたのは、ボケ具合の話ではなくて「コントラストの高さ」が意外にもそれほど誇張感なく観られて、ワリと自然な印象を受けました・・皆さん「EBC」でコッテリクッキリと色濃く出るように言われますが、当方の感じ方では
それほどでもありません(笑)

三段目
この段では被写体の材質感や素材感を写し込む質感表現能力のレベルをチェックしています。

たいして誇張的に質感表現能力が高い印象には落ち着きません・・むしろ甘めでしょうか(笑) ただ人の目で観た時の印象ではこのくらいがちょうど良いように思え、どちらかと言えばナチュラルなイメージさえ抱きます。

四段目
やはりコントラストの高さには違和感が伴わず、安心して観ていられます。確かに黒潰れの耐性は低めで、いとも簡単にストンと堕ちてしまいますが、その反面明部の耐性は高く、グラデーションも滑らかに出て良い印象です。特に白黒写真に変わった時の暗部側が変化して明部側に偏るので、意外と暗がりがハッキリ出ていたりします(汗)

五段目
周りの植物のグリーンに比して朱色の表現性が独特に現れ印象的です (左端の写真)。それでいて街中スナップ写真でも赤色の発色性が極端に振れないので「???」な部分です(笑)・・光の射し具合で極端にコロッと変化するのかも知れません(汗) パースペクティブは僅かに「樽型」でしょうか。また人物撮影は意外にもなかなかの生々しさを表現してくれます (広角レンズ域なのに)。

六段目
最後この段の抗原に対する反応レベルが流石です!(驚) 当方は特に光輪やゴーストに極端に反応を示さないので(笑)、それだけにこだわりませんが、これだけの自然なコントラストと光線を残しつつ写し込めるのはたいしたモノだと思います。

光学系は6群7枚のレトロフォーカス型構成ですが、光学系第1群の前玉は「外径⌀ 30.97㎜」また第6群後玉は「外径⌀ 21.99㎜」と、前玉がこのクラスの当時のオールドレンズの中では小さめなのに対し、後玉は逆に特大です(驚)

例えば元祖レトロフォーカス型構成のフランスは P. ANGENIEUX PARIS社製広角レンズ「RETROFOCUS TYPE R1 35mm/f2.5」の
前玉は「⌀ 57.54㎜」に対し、後玉が「⌀ 18.55㎜」とだいぶ小さ目です(笑)

合わせて旧東ドイツの「Flektogon 35mm/f2.8 zebra」辺りでは「前玉⌀ 41.47㎜」に対して「後玉⌀ 19.5㎜」なので、それらと比較しても如何に後玉がデカイのかお分かり頂けると思います(汗)

・・コンパクトな筐体なのに、よく写るのが何となく納得できそうです(笑)

↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はEBC FUJINON・W 35mm/f2.5《後期型》(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。当初の調達時は「クリーニング済」と謳われていた個体ですが、確かに特に光学系内の清掃が実施されているのが確認できるものの「反射防止黒色塗料」塗りまくり状態で(汗)、しかも「光路長ズレ/狂い」まで起きていた為に、オーバーホール後の実写確認では「明らかにピント面の鋭さ感が向上した」印象です(笑)

それはそもそもピント面の「ピーク/山の立ち上がりが早く、スパッと突然訪れる」のがこの
モデルのピークの迎え方だったハズなので、当初バラす前の実写確認時点では「こんなもん
だったかなぁ〜???
」程度でしたが(笑)、イザッ組み上がると「俄然、チョ〜気持ちいぃ
〜!
」状態に戻り(笑)、ほっと一安心です。

皆さんは口を開けば「無限遠位置、無限遠位置!」とおっしゃいますが(笑)、その無限遠位置
確認時に「合わせてピント面の鋭さ感も確認する必要って・・どうして無いのかしら???
常々思ふところあり人知れず心がけている次第です(笑)

・・こう言う観点からの捉え方も単なる操作性確認に終わらないオーバーホールの良さ!(笑)

合わせて「白色系グリース」も塗りまくりですし「固着剤」も至る箇所で、せめてもの救いはいつもの如く「マウント部内部のパーツの使い方をミスっている」のが正しく使われていた分「ごまかしの整備」が確認できませんでした・・意外とFUJINONレンズでは珍しかったりします(笑)

その一方で、やはり冒頭解説のとおり「前玉と後玉の瑕疵が残る」のと合わせて「第2群の大きい螺旋状のヘアラインキズ」もガックリです(泣)

・・これでカメラ店だと言うから全く以て信じられません(涙)

いったい何処をどうクリーニングしたらこうなるのか「???」極まりない話です(汗)

さらに「絞り羽根が閉じすぎていた」ので、それまでキッチリ正すハメに陥り「クリーニング済を信じてバカみたい」な話です(笑)

特に光学系内は格納筒の内壁まで「反射防止黒色塗料」塗りまくりだったので、ぜ〜んぶ剥がしまくりました!(笑)・・結果、以下写真のとおり「製産時点の黒色メッキ加工 (光沢がある) に戻っている状況」なので「迷光を気にする人」はご落札頂かぬようご注意下さいませ(笑)

・・結果、当然ながら適切な光路長に戻り鋭いピント面を吐き出すようになりました(涙)

そもそも製産時点で「微細な凹凸を伴うマットな梨地メッキ加工」すら施していない、光学
硝子レンズの格納筒内壁を指して「迷光迷光」と大騒ぎする人達/勢力は、当方が対象と
すべき方々ではありません(汗)・・それらの方々は是非とも「反射防止黒色塗料塗りまくり
の、プロのカメラ店様や修理専門会社様が整備したオールドレンズを手に入れて頂ければと
願う次第で御座います(笑)

↑光学系内の透明度が高い状態を維持した個体ですが、冒頭解説のとおり前玉外周と後玉半分の領域に極薄いクモリが残っています。

その一方で、前玉コバ端の白いポツポツとした「反射防止黒色塗料」の浮きも解消され、ご覧のとおり後群までキレイにコバ端が仕上がっています (もちろん全ての群でコバ端を一旦剥がして塗り直しています)。

・・いったい何の為のクリーニング済だったのか???(怒)

当初バラしている最中は、光学硝子レンズが格納筒から取り出せないくらい、圧が加わっていたので (反射防止黒色塗料により格納時に抵抗/負荷/摩擦が生じていたから) 光路長が狂うのも当然の話です・・ロクなことをしません!(怒)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側も光学系内はスカッとクリアですが、冒頭掲載写真のとおり後玉の半分の領域に汚れ状の極薄いクモリが残っています(汗)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(第2群に極微細な薄い螺旋状の長いの1本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
前玉外周に薄いクモリが全周に渡り残っています。また後玉も半分の領域に極薄いクモリがあります。いずれも光源や逆光撮影時にハレーションを招く懸念があります(順光撮影時は影響なし)。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。

↑マウント面に「開放測光用の爪」が残っています。K&F CONCEPT製マウントアダプタ、或いは日本製マウントアダプタであればこの爪との接触を避けたまま装着し使うことができます。また当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

当初バラす前のチェック時点では「絞り羽根が閉じすぎていた」ので、簡易検査具を使い適切な閉じ具合に戻しています。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体EBC FUJINON・W 35mm/f2.5《後期型》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑いつもどおり当方所有のマウントアダプタではありますが、ちゃんと事前に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 上の写真は中国製のK&F CONCEPT製「M42 → SONY Eマウントアダプタ」に装着し、合わせてマウントアダプタ内側のピン押し
底面を「凹面」にセットした状態で全く問題がない正常動作である事を確認しています。

赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合にそれが干渉しないよう、約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。

この「K&F CONCEPT製M42マウントアダプタ」に関する解説は、ちゃんと補足解説として『◎ 解説:M42マウント規格用マウントアダプタピン押し底面について』で詳しく説明して
いるので、気になる方はご参照下さいませ (別に中国のK&F CONCEPT社からお金を貰って
いるワケではありません/皆様の利便性追求を以て解説すると、今度はそのような意味不明
な批判を言ってくる人が居るからウケます
)(笑)

↑同様今度は日本製のRayqual製「M42 → SαE マウントアダプタ」に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合に、それが干渉しないよう約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後まで
ネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる
)。

↑当レンズによる最短40cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮っています。

↑f値「f8」に上がりました。

↑f値「f11」での撮影です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。まだまだ「回折現象」の影響を感じません。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。