◎ 補足解説:Carl Zeiss (カールツァイス) 製標準レンズ 凹 Ultron 50mm/f1.8(M42)購入時の確認必須事項!・・要注意です!

先日3回目の検証光学系後群の状況をこのページに追加でアップしましたが (中腹辺り)、今朝同じ方から4回目の問い合わせが着信しました。
★★★★★のマークを付随させて分かるようにしています。

大変申し訳ございませんが、この検証はこれで終わりにしたいと思います。
(本人には既に伝えているのですが、どうも日本語が伝わっていないかも?)

今回は画像加工ソフトでどんな処理を加えてチェックしているのかの手順を
サクッとご案内するので、自分で試して確認するようにして下さいませ。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

再び、と言うか三度 (みたび) 問い合わせが着信したので、追加で掲載します。
現在市場流通している個体の掲載写真から読み取れる「光学系後群の状況」
検証になります。
★★★★★のマークを付随させて分かるようにしています。

追加分の写真はこのページの中腹辺りに載せて、集中解説しています。

旧西ドイツの「Baden-Württemberg (バーデン=ヴュルテンベルク)」州はシュトゥットガルト行政管区内「Ostalbkreis (オストアルプ)」郡にある、僅か23.55km2しかない田舎町「Oberkochen (オーバーコッヘン)」市にあるCarl Zeissが、Voigtländerと合弁した後の1966年に発売した一眼 (レフ) フィルムカメラ「Icarex 35S TM」向けに用意した標準レンズ「Ultron 50mm/f1.8 (M42)」で、
光学系第1群の前玉が凹んでいる事から巷で、未だに「凹みウルトロン」と呼ばれ続けている銘玉があります。

実は先月中にも別の方から問い合わせ頂いていたのですが、スッカリ失念していました。今回また別の方から似たような問い合わせを頂き、やっと思い出してこの「補足解説」で解説する旨ご返事しました (先月中にお問い合わせ頂いた方、失念しておりスミマセン!)(汗)

その描写性能の素晴らしさや当時の背景、オーバーホール工程の解説などは凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochen》 (M42)」のページをご参照下さいませ。

とても素晴らしいオールドレンズで、当方自身も欠かせないお気にの
モデルとしてランクインしています。

前述のとおり、お二人の方々から似たような内容でお問い合わせ頂いたのは、近々手に入れ
たいと考え、海外オークションebayやヤフオク!、或いはフリマなどを物色しているそうですが、いったいどう言う個体を入手すれば良いのかの「コツのようなモノ」を教えてほしいとのお話でした。

それは当然ながら「高い価格で出回っている個体なら間違いがないですョ」と言いたい処ですが、如何せん近年の当方とのご同業者『転売屋/転売ヤーの仕業を眺めていると、そうも明言できないほどに酷い状況だったりするので、ここは一つちゃんと解説するべきと考えこの
ページをアップする事に決めました。

或る意味当方とご同業者『転売屋/転売ヤーの仕業を貶す話にもなりかねないので、この
ような内容をアップするとまたまた嫌がらせが増大し、或る意味マイナス思考的な結末をみるハメに陥りかねません(怖)

然し乍ら、モノがモノだけに知らん顔を続けるのもどうかと、ここ最近特に思っていたので
良い機会です(笑)

先ずこのオールドレンズを手に入れたいと考えるなら、一にも二にも右の構成図を頭に入れる必要があります。6群7枚の拡張ダブルガウス型構成ですが、光学系第1群の前玉が内側に湾曲した凹んでいる
珍しい光学設計を採っているために「凹みUltron」と呼ばれます。

右構成図は以前のオーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時、当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。

手に入れる際、この中で一番重要な要素は 色で色付した群の光学系第5群貼り合わせレンズです。絞りユニットを挟んだ光学系後群側にあたるのでここが重要なのです。

するとこの 色で色付した「貼り合わせレンズ」の事をちゃんと理解していなければ意味が
ありません(泣)

貼り合わせレンズ
2枚〜複数枚の光学硝子レンズを接着剤 (バルサム剤) を使って貼り合わせて一つにしたレンズ群を指す

バルサム切れ
貼り合わせレンズの接着剤/バルサムが経年劣化で剥離し始めて白濁化し薄いクモリ、或いは反射が生じている状態

ニュートンリング/ニュートン環
貼り合わせレンズの接着剤/バルサム剤が完全剥離して浮いてしまい虹色に同心円が視認できる状態

フリンジ
光学系の格納が適切でない場合に光軸ズレを招き同じ位置で放射状ではない色ズレ (ブルーパープルなど) が現れてエッジに纏わり付く

偏心
光学系内で上下左右で同じように収差の影響が現れない傾いた入射光の収束状態を指す

迷光
光学系内で必要外の反射により適正な入射光に対して悪影響を及ぼす乱れた反射光

コーティングハガレ
蒸着コーティング層が剥がれた場合光に翳して見る角度によりキズ状に見えるが光学系内を透過して確かめると物理的な光学硝子面のキズではない為に視認できない

ハレーション
光源からの強い入射光が光学系内に直接透過し画の一部分がボヤけて透けているような結像に至る事を指す

フレア
光源からの強い入射光が光学系内で反射し乱反射に至り画の一部や画全体のコントラストが 全体的に低下し「霧の中での撮影」のように一枚ベールがかったような写り方を指す

少々「用語解説」部分が長くなってしまいましたが(汗)、逆に言えばこれだけの用語を理解していなければ「正しく貼り合わせレンズの事を知っていると言えない」くらいの内容なので、ここは頑張って理解しましょう(笑)

たかだか「貼り合わせレンズ」の話だけで、その貼り合わせ状況にトラブルを抱えていた場合は、これらの問題点が必ず現れますから、仮に現物の貼り合わせレンズ自体、そのモノを見られる状況とは限らずとも、例えばその実写をチェックできる場合などには、上の内容がとても役に立ちます。

何しろ「貼り合わせレンズ」と言うくらいなので「2枚~複数枚の光学硝子レンズをバルサム剤 (接着剤) で貼り合わせている状態」なのは間違いありません。するとその接着面 (バルサム面) が極僅かに浮き上がっているだけで、撮影される写真にどのような影響が現れるのかを上の解説で説明しているワケです。

コーティングハガレと言うと「光学硝子レンズの表面ばかりを気にする」のが普通ですが、実は貼り合わせ面/接着面/バルサム面にもコーティング層が蒸着されている場合も多いです。

とにかく光学硝子レンズを入射光が透過する際「片面側で必ず4%分が反射して減じられる」ワケですから、レンズ表裏合わせて1枚を入射光が透過した時に「放っておけば8%分が減じられる」次第で、実装している光学硝子レンズの枚数分どんどん入射光は減っていきます。

それを可能な限り反射を低減させて入射光を後玉方向まで到達させ、ちゃんと光学硝子レンズの設計により料理して写真撮影に繋げる役目が「蒸着コーティング層」ですから、例え貼り合わせレンズだとしてもそれぞれの面にコーティング層が蒸着されているのは至極納得できる話です。

すると、経年劣化進行に伴いもしもバルサム切れが起きていた場合、その浮いてしまったバルサム剤と共に蒸着コーティング層が酸化してしまうと「極薄いクモリ」となって残りますから
まず除去できません(涙)

だからこそ「貼り合わせレンズの話の中にコーティングハガレの解説が登場する」次第です。

↑上の写真は、これらの解説をする際に参考になるので、現在掲載されている海外オークションebayから掲載写真をピックアップしてきました。出品ページが特定しにくいよう「レンズ銘板の製造番号は消してある」のでご留意下さいませ。

どうしてこれらの個体が「手に入れたら拙いのか???」について、左端から順に説明していきます。

左端は光学系第1群前玉の凹レンズ外周部分にコーティング層の経年劣化進行に伴う「ハガレ/浮き」が確認できます (赤色矢印)。赤色矢印で指し示した箇所の反対側にも本当はあるので、おそらく外周部分全周に渡ってコーティング層が一部剥がれています。

これは「一部」と表現したのがポイントです。このコーティング層を指して「アンバー色のコーティング層」と解説する人のネット上を見ていると多いですが、するとこの左端の個体で赤色矢印で指し示している箇所のコーティング層が剥がれた後に残っているのは何なのでしょうか???(笑)

実際は「アンバーパープル色のモノコーティング」なので、残っているのは「パープル色
コーティング層
」のように見えています。

逆に言うなら、この当時の蒸着モノコーティング層で「パープルアンバー」なのか「アンバーパープル」なのか、見え方の違いではなくて (光に翳して反射させた時の角度の違いではなくて) どちらが主体的なのかの違いだったりします。

パープル色」は「ブルーレッドの混色」と考えれば、2つの色について入射光の透過率を向上させているとも受け取れます。一方「アンバー色」はまさに「イエロー」です。

この時、必ず考えなければならないのは「色の三原色」であって、総天然色は「3つの色があれば表現できる」事から、例えば現代ではデジタルに於いて「 ()」で総天然色を表現できますね(笑)

しかし「 ()」この当時は「 ()」を使って総天然色を表現する事が多く、或いは「 ()」だったりもします。もちろん今現在と同じ「 ()」の光学メーカーもあります。

要は入射光の中のどの色合いについて「色の三原色」として扱うのかは、光学設計によるので光学メーカーごとに違うのも納得できる話になりますね(笑)

また最近では「4K/8K」技術で特に「 ()」と「アンバー」をプラスしたりしています。これは輝度をさらに明るく上げることを狙った概念ですが、普通にパッと考えたら「白色ではないのか?」と考えますが、ホワイトを強くすると「無彩色」なので画のコントラスト低下を招きます (つまり明るくなるのではなく色の濃さが薄く変わり霧の中での撮影のようなコントラスト低下に至る)。

だからこそ「アンバー」をプラスする事で輝度を上げられる原理至ります・・つまりこの当時の「アンバー」の役目も見えてきたと言うものですね(笑)

話が長くなりましたが「凹Ultron」の「アンバーパープル色のモノコーティング」層は、そういった意味合いがあります。

従って左端の個体の前玉には「アンバーだけが剥がれてパープル層が残ったとすれば、そこにクモリ状が介在していないのか???」と言う心配が現れます (用語解説を参照)。

同様に左から2枚目の写真は、今度は「光学系第6群の後玉露出面のアンバーパープル色モノコーティングの一部が剥がれている状況」と指摘できます (赤色矢印)。すると同じようにそこに「薄いクモリの存在」の懸念が非常に高まる話になりますが、その点についてはたしてちゃんと出品者が記載してくれているのか否か重要になってきます (後玉ですから!)。

次に3枚目はパッと見でキレイに見えてしまう出品ページの掲載写真ですが、当方がチェックする際は必ずこのまま判定を下しません。必ず画像加工処理して右端の写真のように「可能な限り明るく処理を加えて見えなくなっていた光学ガラス面の状況を露わにする」処置をとります (赤色矢印)。

すると中央部分に何やらコーティング層の劣化が現れているように見えるので、この出品個体も相当ヤバいレベルに至ります(泣)

もちろん蒸着コーティング層が剥がれていたとしても「入射光がちゃんと透過されている (つまり極薄いクモリが皆無) 」なら撮影した写真への影響はだいぶ限定されますね(笑)

  ●               

★★★★★ ここからが4回目になりますが、さらに追加で現在市場にアップされ出品
されているページからのピックアップ写真として掲載/解説していきます。

冒頭でも述べたように、今回でそろそろ最後にしたいので(笑)、お問い合わせメールの送信は今後ご遠慮下さいませ。

↑現在市場流通している個体の中から、出品ページに掲載されている掲載写真をピックアップしています。

既に当方にて画像加工アプリを使い加工処理を施した写真として掲載し解説しています。

冒頭で既に解説しているとおり、画像加工して確認しているのは「光学系後群側第5群の貼り合わせレンズの状況」であり、上の方に載せた光学系構成図の中で 色着色している箇所の
状況確認が目的です。

この貼り合わせレンズにバルサム切れが生じていると改善させる手が無いので、どうにもなりません(涙)・・さらに、市場流通価格も当方のような金欠病患者には相当厳しい金額なので、入手する前に事前確認できればとの思いだけでスタートした検証です(笑)

まるで今ドキの逮捕者が出ている「YouTubeの私人逮捕系」のような内容ですが、低く見積もって「世直し系」と捉えても、相手は当方のご同業者『転売屋/転売ヤーなので、人情としてなかなか難しい感情だったりします(汗)

然し、それこそちょっと前に世間を騒がせた車の整備会社のような話ではありませんが、口八丁手八丁で、在ること無いこと言い繕って売りたいが為にいろいろ仕掛けてくるのが常套手段なので(汗)、それを真摯に反省しつつ皆様に見分け方を解説したいと思いアップしたのが始まりだったりします(笑)・・転売屋/転売ヤー』の常套手段で皆様には大変なご迷惑をおかけ
しており、マジッでスミマセン(汗)

さて、追加でアップした上の4枚の写真は左側の2枚が一つの個体で、右側2枚も一つの個体です。それぞれで前玉側方向から確認している写真と、マウント面からの写真の2枚ずつを
セットでアップしています。

先ず左側2枚ですが、現在終了期限日に向かって入札が入り続けている現在進行系の出品個体です。出品ページ掲載写真のパッと見では全く分かりませんが、掲載写真を画像加工アプリで処理を加えると、このような感じに浮かび上がります。
(出品者を特定する情報をなるべく明示しませんし製造番号も消してあります)

左端1枚目で赤色矢印で指し示している箇所には黒っぽい影が浮かんできたので、この箇所が光学系第5群の貼り合わせレンズになり「中心部の相応の領域から連続的に外周に向かっている影が視認できる」ワケで、要は「中心部だけではないので (外周にも浮かび上がった影が向かっているので) 」貼り合わせ部のバルサム切れではないかとの懸念が高くなります。

これが例えば円形状に中心部だけ影が浮かんでいるなら、もしかしたら「単なる経年劣化進行に伴う汚れ/薄いクモリ」の影が浮かび上がったのかも知れませんが、円形から外周に向かって影が繋がっているとすれば、それはバルサム剤の連続的な浮き部分と受け取れます (汚れだけで連続的にこのように影が残るなら、逆に具体的な汚れが前玉方向からの写真でも写り込んでいるハズだから)。

そのような感じで複合的に今までの経験値から考察を進めているので、確実性が高い/懸念が高い話に至る次第です(汗)

また2枚目の写真は同じ個体のマウント面からの撮影写真/ピックアップです。すると画像加工を処置すると今度は「ポツポツと無数の点状が浮かび上がった」ワケですが、もしも仮にこれが「光学系第6群後玉の状況」だとすれば、それも掲載写真で確認できる次第です。

つまりこのポツポツの点状は第5群の貼り合わせレンズで起きている内容との推察が適うと
言えるのです。するとポツポツと点状に浮き上がるのもバルサム切れの一つですから懸念の補強材料に至ります(泣)

ちなみにグリーン色の矢印で指し示している位置にプレビューボタンのつまみが近寄っているので「絞り環をf11辺りにセットしている状況での撮影」とも判明し、合わせてブルー色の矢印で捉えると「絞り値伝達板が僅かに落ち込んでいる」ので、内部の捻りバネが経年劣化進行に伴い弱っている懸念が高くなります(汗)

さらに3枚目は、前回の3回目の時に解説した「右から2枚目のニュートンリング浮き上がり個体」と同一の個体写真を加工してチェックしています。おそらく以前に指摘していた個体の角度を変えて、出品者が掲載写真を訂正したのだと推察しますが、やはり前玉側方向から捉えると外周部分に赤色矢印で指し示している領域に影が浮かび上がるので、貼り合わせレンズのバルサム切れ状況が判明します。

右端の写真も同一個体ですがマウント面側方向からの撮影ではニュートンリングの浮かび上がりの解説を補強すべく、円形状に中心部に影が映るので、既にバルサム剤が浮いてしまっている状況なのも見えてきます。

またグリーン色の矢印で指し示したように、プレビューボタンのツマミが絞り環のツマミと
一致した位置なので「最小絞り値f16の設定で撮影している」のが分かりますが、マウント面の「伝達版」はブルー色の矢印で指し示すように落ち込みが無く、捻りバネの劣化も懸念がありません。

いずれにしても撮影する角度で光の入射角が変化するのでこのように撮影方向の変化に伴い影の浮かび方まで変わってしまいます。当然ながら光学系の構成枚数の中で撮影時に増減が伴うので (例えばマウント面側方向から撮影すれば後玉が介在するから見え方が変化するのは至極当たり前の話) 必ずしも同じ見え方で画像加工アプリの処置による影が浮かび上がりません。

逆に言えば、やはり何だかんだ言っても現物を手にとって光学系内を自分の目で覗き込んで光に翳せば一目瞭然になる内容ばかりと推察できます。しかし市場流通品の出品ページ掲載写真では、このように相応の限界が伴うので「自分で判定を下すしかない」のが現実です(泣)

なお、画像加工アプリで主体的に使う処理は「画の明暗とコントラスト調整」です。出品ページ掲載写真をそのまま取り込んで、できるだけ個体全体を囲んだ状態で切り取り、先ずは「画の明るさを一番暗くする」と共にコントラストも増減させて視認しながら最も明瞭になる位置で処理を停止します (コントラストだけは最大まで上げきらない)。

さらに今度は「明暗レベル」で明部と中間と暗部でレベルガイドを操作して、同様最も視認性が高い結果になるまで操作します。最後は一括で「自動調整」の処理を行うと、見やすい状態に仕上がるでしょうか。

当然ながら画像加工アプリそれぞれでメニューや操作方法など異なりますが、だいたい似たような処置を執っていけば同じような結果に繋がると思います・・頑張って処置して確認してみて下さいませ。

これらの処置は今回のこのモデルに限らず、どんなオールドレンズのモデルにも共通項として「影を浮かび上がらせてバルサム切れをチェックする」手法ですが、その大前提は「光学系の構成」なので、例えば光学系内に貼り合わせレンズがそもそも存在しない「3群3枚のトリプレット型光学系」で一生懸命画像加工を施してチェックしても、その結果浮かび上がる影は「実はバルサム切れではなく単なる経年劣化進行に伴う汚れやコーティング層のクモリなど」だったりします(笑)

従って「必ずどんなオールドレンズでも光学系を確認するくらいの最低限の捉え方は心がける」のがヨロシイかと思います(笑)・・もちろん出品ページの中で貼り合わせレンズが存在しないモデルなのに「バルサム切れなし」を謳い文句にしている出品者も居るので(笑)、入札者/落札者もその前段として「光学系構成の把握」くらいは努力しましょう(笑)

ちなみに、例えば光学系の状況について (外観ではなく)「ABランク」などと高評価のランク付けで出品している当方とご同業者たる『転売屋/転売ヤーも居ますが(笑)、当方が見ると
明らかにバルサム切れの影響が現れていて「薄クモリが在る/出ている」のに「バルサム切れ
なし
」と表記し、その代わり「薄いクモリが在る」とはちゃんと明記しています。

するとまるでバルサム切れではない普通の巷で多いオールドレンズ特有の (経年劣化進行に伴う) 薄いクモリの如く装っていて、実は光学系の状況として捉えればバルサム切れの症状の一つだったりする出品個体も流れていたりします(汗)

詰まる処、あぁ言えばこう言う、ではありませんが(笑)、何とか売りたいが為の謳い文句ばかりなので、ランク付けしていても現物が届いて手にすると話が違うように捉えられ、クレームしても「個人の主観による捉え方の相違」で片付けられ、或いは「完ぺきを求める人/神経質な人」の類に濡れ衣を着せられ(涙)、ブラックリストに登録される始末だったりします・・だからこそ煮ても焼いても食えない当方とご同業者たる『転売屋/転売ヤーなのだと・・言えそうです(笑)

逆に言うなら「個人の主観による捉え方の相違」で片付けられたり「完ぺきを求める人/神経質な人」の類に濡れ衣を着せられるのは、決してそれらに該当する話ではなく「例え同じ価格でも、誰もができるだけ状態の良い中古品を手に入れたい」との期待値を膨らませるのが人情なのであって、このような内容の話は・・煮ても焼いても食えない当方とご同業者たる『転売屋/転売ヤーの「逃げ口上たる常套手段でしかない」としか言いようがありませんね (ご注意下さいませ)(笑)

それでは以上にて4回目の掲載と解説を終わりにします。今後はこのモデルの市場流通品の
検証を載せる予定はありません (お問い合わせメールの送信もご遠慮下さいませ) ので、宜しくお願い申し上げます。
(日本語・・伝わっていると・・いいな)(笑)

  ●               

★★★★★ ここから3回目の追加分で掲載する写真4枚とその解説を進めます。

↑上の写真4枚は、今回追加で3度目に着信した問い合わせメールのご請求に従い、現在市場流通している掲載写真からピックアップして光学系後群側の状況について解説を進めて
いきます。

なお、今回の三度目の問い合わせ着信メール内容では、ここにアップしていた掲載写真の状況と違う写真で掲載して出品されているとの「半ばクレームモドキ」的なご指摘を頂きましたが(汗)、正直に言ってこれら掲載写真や解説内容は「その時点での市場流通品の出品ページ掲載写真」を参照しているのであって、現在との相違について当方が保証する事も担保する事も有り得ません (当たり前の話です)。

あくまでも皆様が落札で選ぶ際の参考項目になればとの思いだけで載せている/解説している話なので、そこを追求してくるのはご勘弁頂きたくお願い申し上げます。当方の責任範疇を
超えているぐらいの事はお察し頂きたく、切に願うところで御座います(涙)・・今回着信した問い合わせメールは、何だか日本語が「???」な印象を受けたので、もしかしたら日本人ではない方なのかも知れませんが(笑)、そこは日本人の中での常識/礼儀として何とか受け入れて頂ければありがたいです(泣)

上の写真の個体が現実に何処にどのように掲載されているのかを示す掲載主の特定は、敢えて明示していません。手に入れたいと思い探している方には必然的に目に入るべきものと推測していますが、その情報は明示しません。

いずれも「光学系第5群の後群側に収納されている貼り合わせレンズ部分の状況」についてのみに限定して検証しています。最後の光学系第6群後玉の状態については、今回検証を省いています (解説している内容は全て第5群に対してのみです)。

また、これら4枚の掲載写真は全て当方にて「画像加工処理を加えた後の加工写真を掲載」している点をお含みおき下さいませ・・このまま同じ写真が市場流通品として掲載されているのではありません。

すると一番左端は赤色矢印で指し示しているとおりリング状に薄いクモリが浮かび上がってきたので、掲載文では「バルサム切れなし」と明記されているものの、はたしてこの部分がどうして浮かび上がってきたのかは「現物を確認しないと分からない何とも不安材料の一つになっている」と指摘できます・・もしかしたら撮影時の角度と光の加減で写り込んでいるのかも知れませんが、当方が今までに扱ってきた24本の同型モデルの後群側の見え方から察すると/
経験値から考察すると、この薄いクモリのリングが気になるところです。

またグリーン色の矢印で指し示している位置に「プレビューボタンのツマミ」と「絞り環のツマミ」が近寄って集まっているので、この写真を撮影した時に「絞り環の絞り値はf11前後に設定されたまま撮影された」事が伺えます (実際そうだったのかは説明されておらず、また当方も確認していない)。

この時にブルー色の矢印で指し示している位置に在る「絞り値伝達機構」のエレベーター板 (シルバーな円弧を描いた細長い部分) が極僅かに下に落ち込んでいます (内部に入り込んでいる状況)。これは「設定絞り値が最小絞り値側f16に近い状況」に設定されていない限り、この伝達板が落ち込まないので、この写真を撮影した時の「絞り環の位置が見えてくる」次第です(笑)

するとこの内部には「捻りバネ」が組み込まれていてこの板をお仕上げているハズなので「正しいのは平坦な状態/落ち込んでいない状態」なのが、設計上の原理です。

従ってこの一番左端の個体は「捻りバネが経年劣化進行に伴い弱ってしまった?」か、或いは「捻りバネを逆向きに組み込んでいるか?」のどちらかしか考えられません・・何故なら、フィルムカメラ側ボディから押し込まれた時に初めて落ち込むような構造になっており、その落ち込み度合いによって「フィルムカメラボディ側に撮影時の設定絞り値が伝達される」仕組みだからです。

そのような原理なので、正常なのは「落ち込んでいない状態/平坦な状態」と明言できるワケですね(笑)・・実際今までに扱ってきた24本の個体の中で、バラしてみると現実にリアルに「固着剤で捻りバネを固定している」製産時点とは全く異なる処置が執られていた個体が半分ほど顕在したので、必然的に「線径が非常に細い捻りバネの反発力が経年劣化進行に伴い弱ってしまった」と言う状況に堕ちていたりしました(涙)

そういう「過去メンテナンス時の整備者の手による不始末」が起きているのか否かなども、このような掲載写真を注意深く観察することで、入手する前に事前に把握する事が適います(笑)

・・多くの場合で過去メンテナンス時整備者の自己満足な所為が多いのがリアルな現実です。

解説を進めます。左から2枚目の写真も現在市場流通品からのピックアップ写真を当方で画像加工しています。

赤色矢印で示しているとおり、光学系第5群の外周付近にポツポツと点状に汚れ状に残っているので、これは「バルサム切れの浮き部分」と推測できそうですし、実際この出品者はちゃんと「出品ページにバルサム切れかも知れないと記載している」ので良心的です(笑)

同様グリーン色の矢印の位置から判断して、やはり「捻りバネの弱り」懸念が少々残っている印象です (実際にバラしてみないと明確にならない)・・但し、このブルー色の矢印で指し示している落ち込み度合いの大小は (平坦を維持していない問題は) 光学系第5群の問題とは一切
関係ありません。

次に3枚目の写真をチェックすると、これはもぉ~赤色矢印で指し示した箇所に「ニュートンリング」が浮き上がってきたので、既にバルサム切れにより接着面が微妙に浮き始めている状況と言う懸念が見えてきます。「完璧なバルサム切れ状態」と指摘できそうですが、もしも完全に浮いてしまっていれば光学系内を覗き込んでも「シロウト見には透明に見えてバルサム切れ進行中なのが分からない」場合もあるから非常に厄介なのです(怖)

これが再接着できる設計を採っていてくれさえすれば、安心して入手し再接着すれば良いだけなのですが、このモデルはおそらく不可能です (おそらくと言うか当方が今まで挑戦してきて成功した試しが1度もない)(涙)

最後に4枚目にあたる一番右端の写真ですが、実はこれは先日オーバーホール/修理した個体の後群側写真から転載しただけです(笑) 従って当然ながらスカッとクリアでバルサム切れなどは
100%顕在しない個体ですが、撮影時の角度によってはなかなかその判定が難しく変化してしまう事の良い例として敢えて解説用に挙げました(笑)

ちょっと分かりにくいですが、グリーン色の矢印で指し示したとおりツマミの位置から「最小絞り値f16」状態での撮影ですが、ブルー色の矢印のとおり板は落ち込んでいません (これが正常な状態です)(笑)

以上、追加で問い合わせが着信したので4枚写真をアップし解説しましたが、一部の出品者は当方がこのページをアップした際に観ていたようで(笑)、後群側の写真を背景が真っ白な状態になるよう訂正しました(笑)

・・当方とご同業者の『転売屋/転売ヤー』は、このようにロクな事をしません!(笑)

従って、現在は真っ白な背景で「バルサム切れの浮き箇所が見えない写真に変わっている」次第なので、そもそもそう言う背景が真っ白な写真を載せている時点で「とても、非常にとても怪・し・い」出品者なので、落札しないほうが良いとの判定に至ります(笑)

ここまでが追加分の4枚の写真とその解説の欄になります。お問い合わせありがとう御座いました。

  ●               

↑では上の写真は如何でしょうか???(笑) ちゃんと赤色矢印で問題箇所を指し示してあるので一目瞭然ですが(笑)、これは「バルサム切れ」です(泣) まさに前出解説の光学系構成図の中で 色着色した「貼り合わせレンズ」ですね(泣)

バルサム切れ」なので、その光学系の位置は「光学系第5群の貼り合わせレンズ」ですから、もしもこのバルサム切れでクモリが生じていれば、コーティング層のハガレ以上に厄介で、撮影写真は「間違いなく霧の中の撮影」まで堕ちます(涙)

例えばヤフオク!などでもこのような「本当はバルサム切れ」な状況を指して「汚れ/コーティングムラ/拭き残し」のように記載している転売屋/転売ヤーも居るので堪ったものではありません(泣)

確かにパッと見で「まるで水滴が溜まっているように見える」或いは光学ガラスの色合いが違うように見えるから「汚れと言われればそのように見える」となりますが・・違います「バルサム切れ」です!(涙)

現在ヤフオク!で流通している個体の多くにこのようなバルサム切れが生じていて、とても手に入れられません(泣)・・パッと見で不明瞭な掲載写真は必ず画像加工処理を施して明るさを上げると、或いは極度にコントラストを上げたうえで暗くすると一目瞭然です(笑)

ハッキリと上の写真のような痕跡が現れるのですぐに「バルサム切れ」と判明します。どんだけ出品者が言い繕っていてもダメです(笑)・・例えば現在ヤフオク!で流通している高額品の中にも「後群側の写真を見ると (後玉ではなく) ポツポツと気泡のようなモノが複数写っている個体が出品されている」のが数点見られますが、残念ながらどんなに高額で出品しても、これら「ポツポツと気泡のように見えているのもバルサム剤の浮き部分/剥離部分なのでバルサム切れの一種」です(笑)・・どんなに汚れだなんだと言い繕っていても「バルサム切れ以外の何物でもない」ので、手を出さないほうが無難です(笑)

もっと言うなら専門店で確認済などと言うなら、その専門店で「これはバルサム切れですョ」と指摘できていない時点で、専門店でも何でもないドシロウト判定でしかありません(笑)・・下手するとカメラ店でも判定できないお店があるようなので、ロクでもありません(笑)

だいたい背景がホワイトなのに、そのまま撮影して出品ページに掲載している『転売屋/転売ヤー』が一番怪しいので、そんな掲載写真を平気で載せている出品個体は「どんなにAB格付品」でも無視したほうが安全です(笑)

いったいどうやって真っ白な光学系の写真を見せられて判断しろと言うので
しょうか???

それで何かトラブルになると「ちゃんと撮影した写真を載せている」と公然と言ってくるので始末が悪いです(泣)・・真っ白な写真を見て判定を下せるなんて、いったいどう言う「」の構造をしているのか、教えてもらいたいです (人間ではない)(笑)

何度も執拗に言いますが、コーティングハガレは入射光が透過しているならさして問題になりません (つまり薄いクモリが皆無なら別に一部のコーティング層が剥がれていても致命的な話には至らない/もちろん剥がれていないほうが良いが)。

ところが「バルサム切れ」となれば明確に撮影写真に何かしら影響が現れるので、それを確認する必要性が高くなります (用語解説を参照)(泣)

肝心な事を記載忘れしていましたが、このモデルの「貼り合わせレンズ」たる第5群は、残念ながら格納筒に一体モールド成形で収納されるタイプの貼り合わせレンズの為、バルサム切れだからと言って一旦剥がしての再接着ができません(泣)・・つまり「バルサム切れ」の改善方法が無いので (1つだけ方法はありますが、非常にリスキーな手法なので無いと結論したほうが無難です)、そういう個体を手に入れないほうが良いとしか言えません(泣)

入手する際に特に注意すべき内容は・・・・、
 光学系各群のコーティング層ハガレ確認 極薄いクモリに至っていないか?
貼り合わせレンズのバルサム切れ クモリの状況と描写性の確認

ちなみに、このモデルの絞り環操作は「クリック感を感じない無段階方式/実絞り方式なのでスルスル」です。またマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」のカタチが特殊で「ピンの先端に丸頭が備わる」ので、今ドキのデジタル一眼カメラ/ミラーレス一眼カメラにマウントアダプタ経由装着する際は「ピン押し底面までの深さが問題になる場合もある」懸念も覚悟が必要です。

以前手にした個体の時の話ですが、このマウント面から飛び出ている「絞り連動ピンの先端の丸頭部分を切削してしまった個体」を実際に手にしました。装着するマウントアダプタによってはその結果問題が解消されるかも知れませんが、別のマウントアダプタに装着したり、特に「フィルムカメラで使う場合は絞り連動ピンの突出量が足りなくなる」ので、逆に絞り羽根の開閉異常を来たします(泣)

問題が在るからと言って、折ったり曲げたり削ったりするのは「自分の都合に合わせている
だけ
」なので、下手すれば別の人の手に渡った時に「製品寿命」に堕ちてしまう懸念にも成り得ます(怖)

その意味では、なるべくオリジナルな状態を維持できるよう配慮するのが、何十年もの経年を生き長らえてきたオールドレンズに対する「せめてもの礼儀/敬う思い」ではないでしょうか?

・・原理原則」から捉えるなら総ての行為に良し悪しの結果を伴うのは歴然たる事実です。

確かにそのままの状態ではジャンク品に堕ちて誰も手にしない場合もありますが、だからと言って切削したり接着したりして「改造を施す」のは、特定の環境下でしか使えない話に至り、それ以外は同じように意味がありません。その時、それで仕上がった個体の「光軸確認はできているのか???」或いは「色ズレは起きていないのか???」「偏芯は???」などなど、そのようなチェックを蔑ろにしたまま「工業製品ではないから」と謳って出品している甘ったれた出品者が多いですが、はたしてそれッて「自分の勝手で切った張ったしているのと同じではないか???」と言いたくなります。

今ドキのYouTuberで「私人逮捕」と似たような話ですが(汗)、まるで正義の味方みたく振る舞っているものの、その改造を施されてしまった個体の存在価値は、結局は特定の人達の個別の環境下でしか意味がありません。

・・改造するなら、ちゃんと最後まで責任持って検査して仕上げてほしい!

まさに地球温暖化の話と五十歩百歩の話であり、絶対数が多いうちは自分の都合で (自分の所有物だから) 何をしようが勝手だとの奢った考え方をする人達が多いのでしょうが、いずれ時が経ち、50年もすれば個体数は半減以下まで激減してしまい、その時ようやくオールドレンズは絶滅危惧種だった!』と気づくのでしょう(涙)

話がズレてしまいましたが、ここまで挙げてきた6枚の写真を参考にして、似たような状況に陥っていない個体を是非手に入れて下さいませ。健闘を祈っています!