〓 FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)
(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
写真を閉じる際は、写真の外 (グレー部分) をクリックすれば閉じます
※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産は
FUJICA製標準レンズ・・・・、
『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』です。
ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ! Слава Україні! Героям слава!
上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。
Slava Ukrainieie! Geroyam Slava!
なお、頂いたご提案メールを今回に限り参考にして、日付が変わる本日中に
ヤフオク!に出品しますので・・ここに事前通告しておきます。
※ヤフオク!出品するまで最上部ボタンを押しても出品ページは開きません
・・ちょっと昼間からの連投だったので(泣)、これから少し夕飯食べさせて下さいませ(汗)
今回完璧なオーバーホールが終わってヤフオク! 出品するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた12年前からの累計で、当時のFUJICA製標準レンズ「55mm/f2.2」の括りで捉えると74本目にあたりますが、今回扱った個体「前期型:総金属製」だけでカウントすると僅か11本目です。
先日来「* 事前告知:ヤフオク!に例の総金属製を出品予定です!」との掲載をこのブログ内で実施していたところ、数件のメールが着信し「ブログへの掲載と同時にヤフオク!出品では
じっくりブログに目を通す時間もないままに瞬時に落札されていくので品定めできない」とのご提案を頂きました(笑)
・・非常にご尤もなお話でございます。普段オーバーホール済でヤフオク!出品するオールドレンズはともかく、今回はそのご提案をいれて今お読みいただいているこのブログ掲載後に、タイミングを見計らってヤフオク!出品していきたいと思います。
それはそれで「いや今回は事前告知までされてワクワク感が爆上がりしています」ともメール頂き、何とも嬉しい限りです(笑)・・とは言っても、本日は日曜日なので「日付が変わるまでにはヤフオク!出品」が人情的にはベストなのでしょうか・・(笑) そんな腹づもりで準備しています。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからは完璧なオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑パッと見でこの角度からの撮影では、さすがに『総金属製』のありがたみは写りません(笑) 何故なら、もともと多くの「前期型」モデルバリエーションでこのフィルター枠自体が金属製だからです。さらにプラスしてレンズ銘板も樹脂製がほぼ99%なので、この角度から撮影すると何ら樹脂製タイプとの区別が付きません(泣)
ちなみに何とオドロキな事に(笑)、その樹脂製たるレンズ銘板も「金属製の個体が顕在していた」から堪りません!(驚) それならいっその事『総金属製』にもその金属製レンズ銘板が入ってくれていれば「モノホンの100%総金属製!」に完成していたのにと、ちょっと落胆だったりしますが、そんな話はご落札頂ける方には一切関係なくて(笑)「ポチッとできたぁ~!」と歓喜のメッセージまで取引ナビで送ってこられる始末で(笑)、本当に皆様に有難味の感謝の念で一杯です(涙)・・いつもありがとう御座います!(涙)
↑上の写真は今回出品個体を完全解体でバラした後に、溶剤で洗浄してから当方の手による「磨き研磨」が終わり、撮影しているマウント部の内部の写真です。
すると実は非常に多くの「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」に於いて異なるマウント部内部の設計が一つ明確になっています。上の写真赤色矢印で指し示している箇所にある「捻りバネ」用の引掛けネジが「備わる個体と存在しない個体」の2つが出回っているのです。
この「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」には内部に「2本の捻りバネ」が使われており、そのうちの1本が上の写真グリーン色の矢印で指し示しているタイプです。
今まで完全解体してきた74本からの検証では「初期型~前期型」のほぼ最初の頃の出荷個体で、このように引っ掛け用のネジが備わっている事実を掴んでいます。その一方で「前期型の途中」から、このネジの締め付けが消えて「捻りバネ」の装着方向をひっくり返し始めました!(驚)
↑上の写真は過去に扱った個体からの転用写真です。左側は同じ「FUJINON 55mm/f2.2 (M42)」のマウント部内部写真ですが、前述の引っ掛け用ネジが外されているタイプです。
赤色矢印で指し示している箇所にネジが入っておらず「ネジ切りだけ見えている」のが分かります(笑)・・当初は過去メンテナンス時の整備者がネジ込むのを失念したのか、或いはここにセットするべき「捻りバネ」の反発する強さを微調整する考えから「ネジを外して向きを逆にすることで反発力を強制的に変更するゴマカシの整備」かと勘ぐりました(笑)
しかし、あまりにも数多くの個体でこのネジの存在が消えてしまっているので「FUJINON組立工程の中で外すことに変わった (ネジ込まない)」と推測しています。
逆に言うなら「捻りバネをセットする際の方向がひっくり返る」ので、ここのパーツの使い方をミスると必然的に「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み動作に連携するチカラの伝達が狂う」話に至るのが「原理原則」の一つです(笑)
右側に掲載した写真はそれら内部に使う2本の「捻りバネ」ですが、過去メンテナンス時に「ゴマカシの整備」で処置されてしまった可哀想な状況が❶~❹で、正常なのは❺と❻だけです(笑)
・・とこのような解説をしていたら数年前ですが「どうしてサービスマニュアルも手元にないのに内部の構成パーツの使い方が分かるのだ???」との案内を出品ページに載せているヤフオク!のご同業者様たる『転売屋/転売ヤー』が居る事を、当方のファンの方から教えてもらいました(笑)
ご尤もなお話ですが、残念ながらそのような思考回路はお門違いで、全く以て「整備の何たるか」を勘違いしている人の言い分です(笑) たかが「捻りバネ」の話かもしれませんが、これら工業製品を用意した設計者にすれば「たかがでは済まない!」話で(泣)、詰る処「捻りバネ
一つにもその存在理由と使用目的がちゃんと在る」点を全く気づけないドシロウト感覚丸出しのご同業者様の思考回路です(笑)
↑マウント部内部に構成する各パーツを正しく組み込んで「全く以て正常に駆動する状態に仕上がったマウント部内部」の写真ですが (以前からの転載)、グリーン色の矢印箇所に2種類の「捻りバネ」がセットされています。
するとマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」が押し込まれると (ブルー色の矢印①)
そのチカラが伝達されて付随アームを動かし (ブルー色の矢印②) 絞り環の設定絞り値まで絞り羽根が瞬時に閉じる原理です。
従って「組み込むべき捻りバネの向き」が変化すれば、それは自ずと「チカラの伝達レベルが変化する」ワケで、そのような「原理原則」がちゃんと理解できているのか否かが整備者には問われるのです (サービスマニュアルなんて見たいと思った事など1度もありません)(笑)
全ては「観察と考察」と「原理原則」だけで、例え初めてバラすオールドレンズだろうが何だろうが一切関係なく「本来在るべき姿」へと導いていけるのです(笑)・・残るは「経年劣化進行に伴う摩耗の度合い/レベルだけ」であり、いくら導かれても既に摩耗度が激しくどうにも対処できなければ「本来在るべき姿」にまでは到達し得ないかも知れませんね(泣)
・・何処でどう判定を下し次の工程へ進むのか、決断の毎日です(涙)
↑今回の個体から取り出した距離環やマウント部が組み付けられる「基台」です。今回オーバーホール済でヤフオク!出品する個体に残っていた「致命的な瑕疵部分」が赤色矢印で指し示している箇所です・・ちなみに、グリーン色の矢印で指し示しているのは「総金属製」タイプだけが必要とするべき「制限キーが入るネジ穴」で、バラせば「総金属製」タイプの所以たる設計の相違がこのように一目瞭然に至ります (総金属製以外のタイプには2つ備わらない/何故なら距離環の駆動方法が別モノだから)(笑)
↑前述の写真で赤色矢印で指し示していた箇所をさらに拡大撮影しています。基台の内側に用意されているネジ山の1箇所に、ご覧のような極僅かな「ネジ山の歪」が確認できました。
実はコレ、先日来「* 事前告知:ヤフオク!に例の総金属製を出品予定です!」に掲載している内容の一つで「白色系グリース+潤滑油」により距離環を回すトルクが異常に重く変わり、且つプラスして「トルクに強力な粘りが生じ始めていた」為に起こってしまった「アルミ合金材の加熱に伴うカジリ付き現象」の一つで、要は「金属材の融着」です(涙)
粘りにより金属材に高負荷がかかり、合わせて加熱が進み「その材の先端部分で熱に耐えられずに互いが融着し始める現象」です(怖) 従って皆様もよく行うと思いますが(笑)「トルクが重いからと仕方なく掴んでいる両手で、雑巾の硬絞りの如く、互いに反対方向にグイッと目一杯のチカラをいれて回してしまう行為」が大変拙いのです!(怖)
よくヤッていると思いますが(笑)、もしもヘリコイド内部に「白色系グリース+潤滑油」の環境が整っていれば、金属融着/融解の懸念が非常に高くなります!(怖)・・やめましょうね(笑)
↑同じように、今度は基台に入るべき「ヘリコイドメス側」です。
↑問題の融着箇所は上の写真赤色矢印で囲った領域です。基台側ネジ山と互いに接触しているのは赤色矢印で囲った領域ですから、前述の僅かな長さの融着が、結果的にこのような長大な長さで相手側ネジ山の山部分に凄まじい影響を与えてしまいました(涙)
他のネジ山の山部分と比較すれば、どんだけ悪化しているのかが分かると思います・・普通にやってしまう行為「雑巾の硬絞り」のような行為は、少なくともオールドレンズ相手には一手考える時間を是非とも用意しましょう!(笑)
ちなみに今回の個体ですが、上の状況から改善を試み、凡そ4時間がかりでほぼトルクムラを解消しています。但し、グリース溜まりと当方が呼んでいますが「稀にツッと掴んでいる指に抵抗を感じる場合がある」のが残っています。
何しろこうなってしまったアルミ合金材のネジ山部分を代替する方法がないので(泣) ごまかすしか対処方法がなく、そのように仕上げています(泣)
↑上の写真も以前扱った個体からの転載写真です。問題となる「基台」に対して「ヘリコイドメス側」がネジ込まれ、合わせて鏡筒の「ヘリコイドオス側」が入ります。
従って皆様が「距離環を回す動作」をしている時に周っているのは「上の写真のグリーン色の矢印で指し示したヘリコイドメス側」なのです(泣)・・このネジ穴は距離環を締め付け固定する目的のネジ穴で「距離環を全周均等配置で4本の締付ネジを使って締め付け固定する」設計です。
詰る処「金属の融着/融解」がどんだけトルクに対して致命的な状況なのかを、ご理解頂けたでしょうか???(泣)
↑ひっくり返して裏側を撮影しています (転載写真です)。すると両サイドに「直進キー」が刺さっているのが分かります。
◉ 直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目
◉ 直進キーガイド
直進キーが直進動でスライドして移動するガイド/溝であり鏡筒の繰り出し量をカバーする
↑上の写真はその「直進キー」ですが、今回の個体から取り外した2つです (内部には2個しか使われない)・・銅製のとても軟らかいパーツです。
↑前述でさんざん解説してきた「金属融着/融解」の問題から、今度は次に何が起こったのか
???(涙)・・「直進キー」を拡大撮影しましたが、ご覧のように「既に直進キーがチカラに耐えられずに変形してしまった/歪んでしまった」状況を解説する為に拡大撮影しています。
本来直角状に切削されているパーツなのに「ブルー色の矢印方向の強大なチカラが及んでしまい変形してしまった」のが、グリーン色の矢印で囲った箇所の膨らみと、その反対に赤色矢印で囲っている箇所の落ち込みで納得できます(涙)
つまり掴んでいる手のチカラで目一杯「雑巾の硬絞り」をやってしまった、その加えたチカラにさらに応力が嵩んで「直進キーをご覧のように歪なカタチへと変形させてしまった」と言う状況が、まるで走馬灯の如く目に浮かんできます(涙)
↑これら2つの「直進キー」は鏡筒の両サイドに締め付けられるので (赤色矢印)、ご覧のとおり「直進キーガイド」たる溝部分に刺さって使われます。
↑その箇所をさらに拡大撮影しました(泣)・・分かるでしょうか???
「直進キー」は (赤色矢印) パーツのカタチ全体が「直進キーガイドの溝部分に刺さる」のではなく (グリーン色の矢印) ブルー色の矢印で指し示している「直進キーの90度曲がった先端部分だけ」なのです!(涙)
さらに注意深い人なら、もっと発見するでしょう(笑)・・よ~く見て下さい。「直進キーの
90度曲がっている先端部分は左右両端だけで直進キーガイドの内壁に接触していて、決してガイドの底面に接触していない事実/現実」です (上の写真でオレンジ色の矢印で指し示している隙間部分の事/この隙間が在る事実をどのように説明できるのでしょうか?)(笑)
今回の個体に限って上の写真のような隙間があるのではありません(笑) 一般的なオールドレンズの多くのモデルで「直進キー+直進キーガイド」の関係性では、このような隙間が介在します。どうして誰もそれをちゃんと説明できないのでしょうか・・整備者なのに!(笑)
この点について過去メンテナンス時の整備者の多くが「全く気づいていない」或いはそもそも「理解できていない」のです(笑)
・・いいですか???数千本もヤッツケ作業している整備者ですョ???(笑)
そんなプロの整備者が、こんな為体な整備をヤッているのです・・なぜなら、ほぼ99%の確率でオールドレンズを一番最初に完全解体すると「この直進キーガイドの底面部分に目一杯のグリースが塗布されている」状況を発見できます(笑)
ところが、前述のとおり「原理原則はそうではない」ので、その10年前後前に塗らているグリースは「全くそのままの状態でこのガイドの底面に残っている」のです(笑)
・・いつも見て笑ってしまいますね(笑)
どうして理解されないのか???(笑)・・もしも仮にこの「直進キー+直進キーガイド」の箇所に、距離環を回してピント合わせしている時の「掴んでいる指で加えたチカラ」が溜まってしまったら「重いトルクに変化する/トルクムラに至る」と言う「原理原則」が誰一人、全く以て理解できていません!(笑)
・・それでオールドレンズの整備者を長年ヤッているのですョ???(笑)
これのいったい何処が笑わずして済むでしょうか(笑)・・掴んでいる指から加わったピント合わせのチカラは「そのまま瞬時に回転するチカラから鏡筒を繰り出し/収納するチカラへと直進動に変換されて、そのまま伝達されていってしまう」べき事を・・オールドレンズの整備者が理解していなくて、いったいどうするのですか???(笑)
もっと言うなら、逆に「生産されてから一度も整備されていないワンオーナー品」のオールドレンズ個体も、年間で上手くいけば1~2本手にする事ができます。その時初めて完全解体されるワケですが、直進キーガイドの底面部分には一切グリースが塗られていません!(笑)
この現実、事実をどう説明できるのでしょうか???(笑)・・少しは「恥じてほしい」ですね
世の中の整備者は!(笑) 当方のようなプロは当然ながら、マニアにすらなれなかった「整備者モドキ」みたいなヤツ (ネット上でそう呼ばれているらしいです)(笑) がこのようにちゃんと解説できるのに、どうして本場のプロの整備者が誰一人ネット上で解説できないのですか???
今回の個体が最終的に「稀にツッと指に抵抗を感じてしまう」現象に至った背景は・・このような経緯だったのです(涙)
この一体何処に事実無根が在るのでしょうか???・・もしもそう指摘するなら、これら掲載してきたパーツのカタチに至った背景をちゃんと説明してください!(笑)
・・これがオールドレンズを毎日扱っている整備者のリアルな現実なのです!(笑)
ちなみに、ではどうして当方がこれらの与件について理解と研究が進んだのか??? それは
前述した「直進キーガイドの底面部分」を「観察と考察」していて、単品の個体に限定した話ではなく、数多くの、それこそ扱ってきたオールドレンズの99%の確率で「直進キーガイドの底面は平滑に面取り加工されておらず、微細な凹凸面を表装面に剥き出しにしたまま仕上げてある」事実を知ったからです。
その時、初めて「あッ! 距離環を回した時のトルク/指で掴んで伝えたチカラはこの底面には一切関係ないんだ!」と気づいたのです(笑)
そして反対に互いに接触している「直進キー」をやはり「観察と考察」すれば、接触している箇所は「ガイドの溝の底面方向ではなかった」のが判明したのです(驚)
これらの事実を組み合わせれば自ずとそのパーツや機構部が示す「原理原則」が導き出され、ではいったいどのようにこの部位のオーバーホール工程で微調整を施せばベストなのか閃いた次第です(笑)
こうやって部位別に「観察と考察」により該当する構成パーツの存在意義と目的が明白に至り
且つ合わせて「原理原則」に則れば「自ずと設計者の意図が見えてくる」からこそ、その部位から起因して起きている不具合について、オーバーホール完了後に不具合として瑕疵が残れば「100%完璧に全てその瑕疵が起きた原因を特定し説明できる」ワケです(笑)
↑解説するだけ解説し尽くしたので(笑)、ブログを進めます。今回オーバーホール済でヤフオク!出品する個体の光学系内写真です。光学系内は透明度を非常に維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。
このモデルには憑き物の「薄いクモリ」が皆無であるばかりか、もっと言えてしまうのは「スカッとクリアを超越してまるで新品状態!」の光学系なのです!(驚)・・マジッで凄いレベルです(笑)
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
間違いなく前玉表面にも裏面にも「経年劣化進行に伴う極微細な点キズ」は残っているので、皆無ではありませんが、それでも数点レベルと数えられてしまいます(驚)
↑光学系後群もスカッとクリアを維持していて極薄いクモリすら皆無です・・ハッキリ言って、このモデルでこんだけ美しく感じる後玉を見た記憶があまりありません(笑)
とは言ってもリアルな現実は厳しく、残念ながら後玉表面には菌糸状を伴う極微細な点キズ状のカビ除去痕が複数残っています。光を透過させて確認すると点キズの中心部に付随して微細な菌糸状が僅かに広がっているのが見えます。
当初はもっと大きかったのですが、カビ除去薬剤のチカラで芯部分のみに除去し終わっています。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:11点、目立つ点キズ:6点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(後玉に菌糸状/点状の状微細カビ除去痕複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内極微細な薄い最大2mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(後玉に菌糸状/点状の状微細カビ除去痕複数あり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。
もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります。
申し訳御座いませんが切削はご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。
またK&F CONCEPT製のマウントアダプタをご使用頂ければ/手に入れればこの「開放測光用の爪」を回避するので干渉せずに正常使用が可能ですからご検討下さいませ。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。
詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。特にピント合わせ時は距離環を掴んでいる指の腹に極僅かなチカラを伝えるだけで微妙な前後動が適い正確にピント合わせできる素晴らしい操作性を実現しています。
・距離環のラバー製ローレット(滑り止め)はベタつきもなくシッカリしたホールド感を感じられる操作性を与えてくれます(但し微細な塵/埃などはラバー部分に附着しますので普通に軽く水拭きなど清掃すればキレイになります)。
・距離環を回すとヘリコイドネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
・マウント部内部の捻りバネの経年劣化進行に伴い僅かに弱っている為鏡筒から飛び出ているアームを掴んでいる爪が擦れて「カリカリ音」が聞こえてくる事があります(特にマウントアダプタに装着すると聞こえてきます)。捻りバネの経年劣化が原因なのでこれ以上改善できません。また当問題で将来的に不具合を起こす因果関係に至ることはありません。
・距離環を回している時、稀にツッと掴んでいる指に一瞬抵抗を感じる(トルクムラ)事がありますが、ヘリコイドネジ山に残っている過去の融着痕が因果関係なので、完全復元できません。それにより再現性が非常に低いものの時々そのような抵抗を感じます(トルクムラとの判定にしていません/同時にクレーム対象ともしません)。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
↑今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
❶ marumi製MC-1Bフィルター (新品)
❷ 本体『FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)』
❸ 汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
❹ 汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
光学系内には後玉の瑕疵が残り、合わせて距離環を回すトルクにも「ツッ」と来る抵抗感を感じる場合が残るものの・・然し、しかし『唯一無二の総金属製』・・ですです!(笑)
・・是非ご検討下さいませ。
なお、頂いたご提案メールを今回に限り参考にして、日付が変わる本日中に
ヤフオク!に出品しますので・・ここに事前通告しておきます。
※ヤフオク!出品するまで最上部ボタンを押しても出品ページは開きません
↑いつもどおり当方所有のマウントアダプタではありますが、ちゃんと事前に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 上の写真は中国製のK&F CONCEPT製「M42 → SONY Eマウントアダプタ」に装着し、合わせてマウントアダプタ内側のピン押し底面を「平面」にセットした状態で全く問題がない正常動作である事を確認しています。
赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合にそれが干渉しないよう、約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。
なお上の写真の状態は、既にオールドレンズ側マウント面に、同じくK&F CONCEPT製ADAPTALL → M42マウントアダプタを装着して「M42マウント規格」に変換した上で、今度はさらにK&F CONCEPT製M42 → SONY Eマウントアダプタに装着した状態を撮っています。
↑同様今度は日本製のRayqual製「M42 → SαE マウントアダプタ」に装着して「操作性の確認と共に各部位の駆動をチェック」しています(笑) 赤色矢印で指し示している隙間がオールドレンズとマウントアダプタ側の互いのマウント面に生じているのは、オールドレンズ側マウント面に「開放測光用の突起」があるモデルの場合に、それが干渉しないよう約1mmほど突出させた設計で造られているからで、製品上の仕様になります (隙間があってもちゃんと最後までネジ込めて指標値も真上に来ているのが分かる)。
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離60cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影していますが、絞り環の刻印は単なるドット「●」です。
↑最小絞り値「f16」での撮影です。なかなか視認できませんが極僅かに「回折現象」の影響が現れ始めています。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。
◉ 焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。