〓 CORFIELD (コーフィールド) LUMAX 50mm/f2.4 (zebra)《ENNA製》(L39)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、英国は
CORFIELD社製標準レンズ・・・・、
LUMAX 50mm/f2.4 (zebra)《ENNA製》(L39)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

《 事 後 談 》
オーバーホール済で「ジャンク扱い出品」としてヤフオク! に出品しご落札頂きましたが、現在この個体が「そのまんま」で再びヤフオク! 出品されてます。当初落札者は「ID:9*b*2*** (評価 210)」ですが、現在の出品者は「ID:sol31311234 (評価 600)」です。所在地も同じなので同一人物と特定できそうですが「落札時の価格は整備後で20,500円」でしたから、現在「1円出品」していますがお知らせしておきます。掲載写真を見る限りは当方が仕上げた状況から何一つ変化していないように見えますが詳細は不明です。

手に入れてきっと気に入らなかったのでしょうが、そうだとしても入札者/落札者への配慮を示すなら、せめてそれらの内容/経緯をちゃんと出品ページに記してほしいですね。

例えジャンク扱い出品としても納得頂ける金額でご落札頂き少しでも活用頂けるならとの想いから曲がりなりにも数日がかりで一生懸命時間かけて整備したのに「まるで泥だらけの靴で踏みにじられた」ようでショックです(涙)

手に入れられたオールドレンズをご活用頂きその感想まで送って頂ける方々が居るのに対し、このように当方の同業者種『転売屋/転売ヤー』が出張ってきて貶められるのは甚だ心外です(涙)・・内部パーツを入れ替えたり光学系を入れ替えたりと何某か手を加えて出品するならともかく、頑張ってオーバーホールしたのに本当に世知辛い世の中です(涙)

再出品するかどうかは落札者の勝手と言うのでしょうが、だとしたら精魂込めてオーバーホールした当方の趣旨はどうして霧散する運命なのでしょうか。せめてまた新たにご落札頂く方の為に「事後談」としてここに告知致します (写りは霧中撮影ですが操作性は抜群に良い状態に仕上がっているハズです)。

こうやって人情を傷つける人達が居るから堪りません・・(涙)

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は当方がオーバーホール作業を始めた10年前からの累計で、当時のCORFIELD製標準レンズ「45mm〜50mmクラス」の括りで捉えると累計で18本目にあたりますが、今回扱った個体「開放f値:f2.4」モデルだけでカウントすると僅か4本目です。

そもそもこのような英国の光学メーカー製オールドレンズ自体が日本国内では決して知名度が高くなく、聞いたことも見たこともない方々が大多数を占めるでしょう。

戦後1954年に英国の光学メーカー (実際は光学製品メーカーで当初からカメラメーカーではなかった)「CORFIELD (コーフィールド) 社」が発売したレンジファインダーカメラ「Periflexシリーズ」向け標準レンズです。

左写真のように「マジッで本気にマウント部内部に『潜望鏡』が降りてくる!」からオドロキなのです(笑)

巻き上げノブを回すとその動きに従いグリグリとこの「四角い潜望鏡」が降りてきて、シャッターボタン押し込みと同時に勢い良くシャコンと瞬時に格納されるのが、もぉ〜見ていて本当に楽しいレンジファインダーカメラです(笑)

従ってこのレンジファインダーカメラのモデル銘も「periscope (潜望鏡)」から採って「Periflex (ペリフレックス)」と命名されました。

本来当初用意されていた標準レンズ群は自社開発製品でしたが (創始者のケネス・ジョージ・コーフィールド卿自身による開発/設計)、特異な内部構造を採り「何とヘリコイドは鋼線を螺旋状に打ち込んでネジ山に見たてていた」と言う、正直他に類を見ないヘリコイド構造で開発されていました (その一例は当方ブログCORFIELD LUMAX 45mm/f1.9 zebraなどに掲載しています)。

そしてそもそも実装光学系の設計自体も自社開発ではなく同じ英国の「Wray Optical Works (レイ光学製作所)」によるパテント登録を適用し委託製産していたようですが、さすがにオールドレンズ内部構造に限界を感じたのか、後に旧西ドイツの「ENNA WERK (エナ・ヴァーク)」社に全てを委託しています。

前述のブログページでちゃんとオーバーホールした内容が解説されていますが、ハッキリ言って「鋼線をヘリコイドのネジ山に見たてていた構造でも急勾配でちゃんとスムーズにピント合わせができる」ように相当考え尽くして設計していたのを感じ、さすがにその努力と言うか意地と言うか情熱にコーフィールド卿の素晴らしさと同時に凄みさえも感じ取ってしまい、当方はこの会社の製品がとっても大好きです!

例えば例を挙げるなら、相応に線径が太くて硬いハガネを採用し螺旋状に仕上げていますが、バラしてオーバーホール工程でオドロキだったのは「そのネジ山に見たてていた鋼線をアルミ合金材に打ち込んだ時、その両端処理に工夫が確認できた」点に於いて、これは相当大変な設計だったのだと今さらながらに感動したのを今でもハッキリ覚えています。

何が凄いのかと言うと、鋼線をどんなにアルミ合金材に打ち込もうとも「先ずは螺旋状に勾配を持つ」時点で応力が働きまくりでスムーズなトルクに仕上げるのが難しかったと推察できます。その結果応力に区切りを付けさせる目的で「鋼線の両端に打ち込む時ちゃんと鍵状の突出を敢えて用意してアルミ合金材にガッツリ打ち込んでいた」のが判明したからです。

要は鋼線を打ち込むにしても「ネジ山のオス側の役目を果たす必要がある」から線径の半分以上が露出していないと螺旋状に回転していきません (半分以下ではカジリ付いて動かなくなる)。ところがそれを受ける側たるアルミ合金材の「 (メス側の役目)」との接触に際し、鋼線の材質や成分配合はもちろん応力の制御も含め相当苦労したのではないかと考えられます(泣)

コーフィールド卿はどうして当時の他の光学メーカーに倣い、黄銅製のオス側とアルミ合金材のメス側、或いは真鍮 (黄銅) 材同士のオスメスネジ山として開発しなかったのかその背景が不明です。きっと何かこだわりがあって鋼線を採用したのでしょうが、結果的にそれが仇となり自社での開発/製産を諦めてしまいました。

当然ながら旧西ドイツ側の光学メーカー「ENNA WERK社」も1920年創業ですから老舗の光学メーカーですが、今も現存しており「ENNA KUNSTSTOFFTECHNIK (エナ・コンツシュトフ-テヒニク)」にて光学製品とプラスチック製品の工業製品企業として活躍しています。

ちなみにこの社名「ENNA」を日本語のローマ字読みで「エンナ」と記しているネット上サイトが非常に多いですが(笑)、ドイツ語なので「エナ」ですね(笑) 当然ながら当時の読みも「エナ・ヴァーク」との発音になります (ドイツ語のWはラテン語/英語のV発音にあたるから)。

なお今回の個体は海外オークションebayを使いまさに英国から調達しましたが、ヤラれてしまい「前玉を硝子研磨していた個体 (と判定している)」を掴まされてしまいました。なかなか掲載写真だけでは判定できず難しいです(泣)

そのような背景もあるので今回扱う個体は前述のとおり10年間の累計で僅か4本目でありながら、さすがに撮影する写真への影響からオークション形式にて出品致します。

海外オークションebayでの流通価格帯も3万円台後半〜6万円台までと知名度が決して高くないモデルながら高額価格帯を維持し続けている標準レンズですし (但し光学系に瑕疵が多いようで1万円前後の流通品もチラホラ)、当方が今までオーバーホール済でヤフオク! 出品してきた価格帯も「いつも即決価格49,500円」でしたが・・仕方ありません (タダ働きを通り越して大赤字です)(涙)

完璧なオーバーホールがちゃんと終わっておりとても良い操作性に仕上がっていますが、残念ながら前玉の状態が悪い為お好きな価格でご検討下さいませ。

 

いやぁ〜何気に出品状況チェックしたら「ご入札価格1万円超えッ!」(驚)
マジッすか?!(涙)
ご入札頂いた方々をちゃんと把握しています! 皆さんのご温情をとても嬉しく思っています。ありがとう御座います(涙)
くれぐれもご無理されませんよう・・滲んだ写りになるのでもうお気持ちだけで十分です!(涙)
(オークションでこう言うコメント告げるのも変ですが・・)(笑)

いつも思いますが、批判メールの着信とは別に、日頃お付き合い頂く皆様方は本当にお優しい方々ばかりで毎年生活費のみならず精神面まで助けられまくりです(涙)

お問い合わせが来たのでここでご案内します。
せっかくオーバーホール済でヤフオク! 出品するのにどうして赤字覚悟なんですか・・との事。

確かにヤフオク! の出品状況を見ていると、当方と同業者たる『転売屋/転売ヤー』の類は例え1円出品でも先ず以て調達価格以下では落札できないことが多いようです (終了間際に入札を削除して終了するから)。

予め想定している落札価格に到達しない限りそのような処置を講ずるワケですが、当方は真面目に/正直にそのまま赤字で終わっても仕方ないとのポリシ〜なので(笑)、例え100円のままで終わっても落札者削除を行ったりしません。

元来オークション形式で競り合うとはそのような環境なのが昔から当たり前だったハズなので、別にヤフオク! だからと特異な方式に固執する必要はないと思います。特に当方と同業者たる『転売屋/転売ヤー』の大多数は「出品の取消しは出品者側の勝手/都合で認められているシステム」とアホな事を平気で述べますが(笑)、そんなのは入札者/落札者サイドの「人情を全く無視した話」なので当方は同意しません (興味関心を以てせっかく入札してくれたのに削除するとは何事か)。

もしも想定価格以下での落札を避けるなら、ちゃんとその価格で出品をスタートすれば良いのに「あたかも1円でスタートしたから入札者に対しちゃんと配慮している」如く振る舞いつつも、実は肝心な処で真逆のホンネを言いきっている/行動を執っている始末で、そんなヤツらは (当方も含めて) 煮ても焼いても食えないといつもこのブログで述べているのです。

また今回オークション形式で100円スタートにした理由はちゃんと以下の解説でも述べていて「前玉の状態が悪いので写る写真に大きく影響するから」です。

逆に言えば、今までオーバーホール済でヤフオク! 出品している個体の即決価格でちゃんと十分に稼がせて頂いているので、例えオーバーホール済でもその仕上がりについて出品個体に瑕疵が残る場合は「適切価格たる100円スタートのオークション形式で出品」が当方のポリシ〜なのだと述べているのです。

それは裏を返せば、オーバーホール済で仕上がった個体の「瑕疵の有無」にオールドレンズとしての価値を担保しているワケで、だからこそヤフオク! 出品ページに記載がない/明記されていない瑕疵が届いたオールドレンズにあったら「問答無用で返品キャンセルできますョ」と言っているのです (それを批判される謂れは無いですね!)。

・・稼ぐ時は稼いで、ダメな時は皆さんにご判断頂くというスタンスを執り続けています。
これでご了解頂けるでしょうか?

↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はLUMAX 50mm/f2.4 (zebra)《ENNA製》(L39)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わっています。正直、旧西ドイツの「ENNA WERK」製なのでそれほど内部構造は簡単とは言えず、特に部位別での微調整がとても神経質でこのようにステキな操作性に仕上げるには相応にコツが必要なモデルです。フィルター枠周りが盛大に剥がれていたので着色している関係でちょっと下手クソですが(恥)、ご勘弁下さいませ。

↑せっかく光学系内も後玉も「スカッとクリア!」なのに肝心な前玉のコーティング層が「おそらく光学硝子研磨した」ようで微細な凹凸がコーティング層に残ってしまい、その影響を受けて「滲みが多いソフトフォーカスのような写りに堕ちている」現状です。

さすがにこのレベルになると海外オークションebayの掲載写真でも判定が付きません(泣)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

前玉は決して薄いクモリで全体に渡って白濁しているワケではないのですが、やはりよ〜く見ていくと前玉表面のコーティング層に非常に微細な凹凸が残っているのを視認できます。それでおそらく硝子研磨したのではないかとみていますが詳細は不明です。

見るからにコーティング層が下手に残っているのが影響していると考えられるので、この際前玉の全面に渡ってコーティング層を剥がしてしまえばむしろ写真への影響はもっと低減できると思います (当方ではできません)。

↑その一方で光学系後群側はLED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無なので、何とも悔しい限りです(涙)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前後玉に微かな点状カビ除去痕が複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い最大6mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
(前後玉に点状カビ除去痕複数残っています)
(前後玉に極微細な経年の拭きキズ数箇所あり)
前玉に1cm長に及ぶ目立つヘアラインキズが数本ありますまた前玉コーティング層は劣化が進行しており薄く白濁しています
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
一般的な撮影でコントラスト低下を招きます
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。

↑7枚のフッ素加工が施されている絞り羽根もキレイになりプリセット絞り環/絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正七角形を維持」したまま閉じていきます。

当初プリセット絞り環の駆動域が適合しておらず、合わせて絞り環操作に大きなトルクムラが発生していましたが「完全解体の上でちゃんと正しく処置して改善済」です。微調整により絞り羽根の開閉やプリセット絞り値の設定操作も適正な状態に戻っています。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が指に伝わります(擦れ感強め)。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-UVフィルター (新品)
本体『LUMAX 50mm/f2.4 (zebra)《ENNA製》(L39)』
汎用樹脂製ネジ込み式M39後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑既に附属品のmarumi製MC-UVフィルターを装着済ですが、無限遠位置から距離環を回して鏡筒を繰り出し、最短撮影距離まで回してカツンと音が聞こえて突き当て停止した状態を、無限遠位置と最短撮影距離位置の両方で撮影しました。

ご覧のように「まるでインナーフォーカス」にしか見えませんが(笑)、実は距離環を回転させると「最大で約1.5mm」距離環が繰り出しされるので厳密にはインナーフォーカスシステムとは言い切れません (完全解体しているので当然ながら内部構造と設計は分かっているので)。

しかしそうは言っても装着したフィルターにも突き当たらずにこのようにコンパクトに繰り出しできるのは、またそれはそれで嬉しかったりします(笑)

↑さらにこちらの写真は無限遠位置から距離環を回して最後の最短撮影距離位置で突き当て停止した時の状況を上下2枚の写真で載せました。

距離環は1周回ると仕様諸元値たる赤色矢印で指し示している「2feet (凡そ60cm)」を越えてグリーンの矢印の位置まで到達しますから、ほとんど350度回っているような感じです(驚)

実測すると最短撮影距離は45cmくらいまで近接している換算になりますから、意外に寄れる印象です。

なおプリセット絞り環と絞り環の関係は両方とも一緒に回るので不明瞭ですが、下側の「プリセット絞り環」が設定したプリセット絞り値の位置で「」マーカーが固定される設計です (赤色矢印)。

またプリセット絞り環はブルーの矢印①の順で操作して設定絞り値にハメ込むような操作方法になります (上の写真では例としてf8にプリセット絞り値をセットする場合をブルーの矢印で示しています)。

このプリセット絞り機構部が正しく組み込まれておらず、せっかく完全解体したのに改善するにも正しく動かなくなってしまっていて焦りましたが、無事に直せました。

また当初バラす前の距離環を回すトルク感は「ピント合わせしようとするとマウント部が回ってしまうくらい重いトルク感だった」或いは「特定の領域で急にトルクが重くなりほぼ固着状態に陥る」など、全ての因果関係を洗い出して逐一改善しています。

従って出品時点でこの個体の操作性は抜群な状態に仕上がっています(笑)

なおマウント規格は「L39」のライカ版ネジ込み式マウント規格ですが、距離計連動機能は設計時点で実装されていないのでライカ製フィルムカメラなどに装着しても目測でしか使えません。

↑当レンズによる最短撮影距離45cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

ご覧のとおりピント面のエッジ部分が本格的に滲みまくっているので、これが前玉のコーティング層の問題の写り方になります。逆に言うなら後玉が無事でも前玉がアウトなだけで・・こんな写りに堕ちてしまいます(涙)

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。開放f値が「f2.4」モデルなのでほとんど変化しませんが、実はよ〜く観ると極僅かに被写界深度の変化が分かります。

↑さらに回してf値「f4」で撮っています。ちゃんとピント面の鋭さはさすが海外のマニアの中で褒めちぎられているくらいなので素晴らしいのですが、如何せん滲みまくりです(笑)

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。いつも思うのですが、このモデルで写真を撮ると不思議と画に艶が現れるので、こんだけ前玉の影響が出ているにもかかわらず、ちゃんと艶の表現性に変化が出てきているのでやはり光学系の設計が影響しているのではないかと、逆に今回のオーバーホールで感じた次第です。

↑f値「f11」での撮影です。全く滲みが消えません。

↑f値「f16」です。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。「回折現象」の影響が現れていて既にコントラスト低下や解像度も下がりつつある状況なのですが、そんなのが気にならないほど「相変わらずの滲みまくり」なので「回折現象」と言っても何だか分かんないくらいです(笑)

まぁ〜その意味では「ソフトフォーカス」や「ハイキ〜な撮影」に興味がある方には、むしろ打ってつけみたいな個体です(笑)

以上、オーバーホール済でのヤフオク! 出品ですが、このような状況から「100円」スタートなので、お好きな価格でどうぞ(笑)

そうですね、どう考えてもオーバーホール作業対価どころか、調達価格自体さえ回収できないのは目に見えて分かっているので(笑)、どうですかね・・当方の低い技術スキルと信用/信頼性の低さからみてせいぜい「1,000円」くらいでしょうか(笑) それでもちゃんと「リピーター割引」は当方ファンの為だけに有効なシステムなので、もちろん千円落札でも送料は当方が負担します (いつもありがとう御座います)!(笑)

・・最近ミスや思い違いが多くて皆様にご迷惑ばかり掛けているから罰が当たるんですョ(笑)