◎ Carl Zeiss (カールツァイス) 凹 Ultron 50mm/f1.8 silver Oberkochen(M42)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss製標準レンズ・・・・、
『凹 Ultron 50mm/f1.8 silver Oberkochen (M42)』です。
今回オーバーホール済でヤフオク! 出品するこの個体を「海外オークションebay」でオーダーしたのは「4カ月前の7月上旬」でした(笑) セラーの所在地はポーランドです。オーダーの際セラーからは「現在コロナ禍の影響で荷物の輸送が遅れる事が多い」との事前の案内をもらい承諾の上で取り引きを進めました。
すぐに支払いを済ませるとセラーもすぐに発送手続を行い7月10日にはポーランドのクラクフはバリツェ国際空港の税関から無事に出国しました。意外にも早く出国できたと喜んだのですが、そこからが大変でした。
取り敢えず出国案内の通知が来た後、トラックナンバーを基に輸送状況を追跡しますが、8月の下旬になっても「出国済」の案内のままです。取り敢えず普通の対処としてセラーに今現在の荷物の状況 (場所) を確認してもらう安全策を講じます。
状況確認の依頼をした翌日にすぐにセラーから返事が届き「既に7月頭に出国しているから もう少し待て」との事。まぁ〜たいていの場合、分かりきっている返事しか来ません(笑)
待てど暮らせど追跡サイトの表示は「出国済」のまま変化がありません。いくら何でも何処かの国の国際空港を経由して、或いは別の便に移し替えして経由したとしても、さすがに2カ月も経過すると「そろそろ荷物がある場所・・知りたいなぁ〜」と言う気持ちが湧いてきます(笑)
ハイ、当方はせっかちなので我慢強くありません・・(笑)
再びセラーに問い合わせすると前回と同じ返事でまるッきしのコピペ状態(笑) さすがにちょいイラッと来たので、国際郵便貨物EMSなのでこちらでも確認し、ポーランドからの荷物は現状
2カ月も要していない事をチェックしたと伝達。日本郵便に問い合わせするとちゃんといろ いろ教えてくれます。
(日本人は基本みんな優しくて親切/電話越しの声がとッてもキレイなお姉さん)(笑)
日本郵便EMSでも荷物のトラッキング入力が完璧ではないように見えるとの感想・・(怖)
さすがにちょっと不安になってきました・・(泣)
再びセラーに「マジッで荷物探せョ!」とちょっと語気を荒げたようなメールを送信。
同時にトラックナンバーの追跡ではラチが明かないので税関に問い合わせろと指示。
税関のバッチ番号を探索し、且つ輸送会社に伝達してさらに荷物の探索を強化・・。
いちいち細かい部分を指示するのがハッキリ言ってチョ〜面倒くさい!(怒)
タダでさえ英語なのでストレスがピークに差し掛かっているのに・・(泣)
さすがのセラーも「おッ。コイツコマケ〜ぞ!」と感じたのか、次の返信はだいぶ探索モードが強化されていた。
何とオールドレンズは「今・・あの、アンカレッジに居る」「アンカレッジで凍ってしまったのかも?」:)|
アンカレッジで凍り付いたなどとジョーク言っている余裕がある事にカチンと来た!(怒)
「おいッ! 何で日本飛び越してアンカレッジに居るんだョ!」
「トウキョウに落としてけョ!」
マジッ切れしている雰囲気を目一杯英文で表現して送信すると・・。
「ebayの保険使えばすぐに返金できるから、ちょっと待ってて!」
・・という返事が来た。
「いや、そうじゃないから! それダメ!ポチッとするな!!!」
・・と今度はこっちがチョ〜慌ててメッセージ送信!(怖)
何の事はない、アッと言う間に向こうのペースにハマったという情けなッ!(泣)
「何で? すぐにお金PayPalに入るョ! だから貴方安心安心!」
いやいや、そんな事一言も言ってね〜からッ!
「オーダーしたオールドレンズが貴重なので金返せとは絶対言わない!」
「とにかく荷物を戻せ!!!」
・・とメッセージしてしまった。これ・・実は失敗だったんです(泣)
アンカレッジから荷物が発送されたとの連絡が来てから、再び3週間経過・・。
「いくら何でも凍ったのを解凍するのに3週間かからないだろ?」
「何でトウキョウまで3週間もかかってんだョ?」
「てめぇ〜しばくぞッ!」
・・最後の一言だけは心の中でツバ飛ばしながら言って(笑)
数日待つ事長し・・(涙)
やっとの事で返事が来た・・。
「安心安心!」
「荷物戻った!今手元にあるョ!大丈夫!良かったね、貴方とッてもラッキ〜!」
・・へッ?!!! あの・・ポーランドに戻したの?!!(涙)
何でそういうことをする・・???
てッめぇ〜これから行くッからな!そこで待ってろ!逃げんじゃね〜ぞッ!
・・と言いたいのをグッと我慢して(笑)
「あの・・スミマセン。もういいからとにかく送って・・お願い」
ようやく先月末に届きました・・(涙)
4カ月間もかかって、しかも太平洋往復して、さらにユーラシア大陸までも端から端まで横断して・・ICBMじゃないんだから、何で大陸を横断するかねぇ〜ッ!(泣)
彼のチンギス・ハーンでさえ端から端まで征服できなかったのに・・(泣)
荷物を開封してマジッで凍った形跡が残ってないか結露を確認してしまったくらいです(笑)
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とにかく今回出品する個体は「超〜超〜稀少品!!!」ハッキリ言って出品者の写真撮影時のテカリか何かでそう見えるのかと思い込んでいたくらいです。
「シルバーな絞り環を配したM42の凹ウルトロンが居るなんて!!!」
そうです、当方は10年間で初めてこの個体を目にしました。10年間でたったの1本です!(驚)
何度も写真をチェックして、且つセラーに質問もして確認すると確かにシルバーな絞り環との事。届いた個体をマジマジと眺めつつ「ほッ!」と溜息・・10年で1本だから、コレ!
眺めながら何かシックリ来ないと言うか、ミョ〜に何度も何度も眺めてる。眺めながら自分でどうしてそうなのかが分かっていない・・(笑)
そうなんです! 絞り環の両サイドに「ツマミが無い」のですョ!(驚)
さらにオーバーホールのために完全解体して「DOH」して組み立てていくと、内部の構造が 一部設計変更されている。さらに何と光学系まで設計変更しているのだが、光学系の再設計はしていない事がデジタルノギスで実測すると確認できた。
要は内部構造の設計変更を少し加えただけのようです。
製造番号から最後の1975年の生産個体であることが分かっているので、おそらく「M42マウント化」した上でシルバ〜なモデルも追加で発売したのかも知れませんが、何しろ初めて!(驚)
ネット上でも一つもアナウンスされていない「超〜超〜稀少品!!!」(驚)
【当初バラす前のチェック内容】
① 距離環を回すとトルクが「重すぎ」でどうにかやっとの事でピント合わせするが、ハッキリ言って使えるレベルのトルクではない。
② しかも絞り環が途中から重くなり固まってしまう・・。
③ 反対に鏡胴には相当なガタつきがありガチャガチャした印象。
④ 無限遠が出ていない (合焦しない)。
⑤ 絞り羽根が目一杯油染み。
【バラした後に確認できた内容】
⑥ 過去メンテナンス時に白色系グリースを塗布しているがその後「潤滑油」注入。
⑦ そもそもヘリコイド (オスメス) ネジ込み位置ミスでトルクがダメ。
⑧ 絞り環が途中で擦ってしまい固着する。
⑨ 絞り羽根の動きが緩慢。
⑩ 基台の締付ネジ (4本) が浮いたまま (なのでガチャガチャしてる)。
⑪ マウント部内部のパーツもデタラメで固定。
・・とまぁ〜他にも幾つか在るのですが、要は過去メンテナンス時の整備者は「原理原則」が分からず、しかも何とか「らしく組み立てただけ」と言うレベルでした。
とにかく「白色系グリース」にその後さらに「潤滑油」を注入されているのが完璧に禁じ手です。このタイミングがおそらくヘリコイド固着の最後のチャンスだったのではないでしょうか (おそらくあと1カ月で固着していた)。
逆に言えば、もしかしたら本当にアンカレッジで凍っていたのかも知れませんが(笑)、その おかげもあってヘリコイド固着が僅かに延びたのかも知れません。とにかく確かにラッキ〜 でした!(笑)
ッて、別に普通に届いていればとっくに出品してたのにッ!(怒)
なおヤフオク! を見ていると当方と同じ同業者『転売屋/転売ヤー』が状態の良い個体を「即決価格:89,800円」で出品していますが(笑)、普通の黒色絞り環のほうで当方が「即決価格:89,500円」するのは「DOH」済の個体です。単なる商品価値としてそんな高額設定しているワケではありません。
逆に言うなら、古いグリースのままなのと「DOH」済なのとではその後の将来に渡ってどの ような相違があるのかと言う部分に於いて「全くの別モノ」です。もっと言うなら、何で「DOH」しているのか目的を考えて頂ければ自明の理です。
当方はやみくもに高額設定しているワケではありません (一般論としてそのような卑劣なことはしません)(笑) ちゃんと「DOH」した作業対価分を上乗せした価格設定をしているつもりです。
(完全解体でオーバーホールするとだいたい2万円〜3万円くらいの作業料に至る)
目一杯こだわって特に光学系の状態が良いと思しき個体を調達しているのであって、それに プラスして「DOH」を施しているからこその価格設定です。そうすることで将来に渡って
「光学系も操作系もともに安心!」と言うお墨付きです (一応7年までは検証済)(笑)
そうでなければ、単に市場価格をシフトアップしているだけになり、何とも哀しい話にしか ならなないですョね・・?(笑) 価格設定は出品者の自由ですから勝手ですが(笑)、はたして 当方の印象としては下心丸出しなのはどうなのかなって言うお話ですョ(笑) 同じ日本人なのに・・(笑) 儲け話にはマジッでガチる何処かのお国の方々と似たお考えの方のようですね(笑)
↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程の解説などは「凹 Ultron 50mm/f1.8 Oberkochen (M42)」のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑完璧なオーバーホールが終わりました。たくさん指摘した様々な問題点は、ちゃんと全て100%改善済です。
あぁ〜、何と美しいのか・・(涙)
その瞳の輝きもスカッとクリアで (光学系内は) 信じられないくらい透き通っています!
憧れの凹ウルトロン・・(涙)
ピントがスパンッ!とアッと言う間に合焦する「チョ〜気持ちいい!」が堪らない(涙)
そうなんです・・このモデルのピントはピークがほんの一瞬なのです!(泣)
だからこそ距離環を回すトルク感は「チョ〜チョ〜重要な操作性」なのです!(涙)
↑光学系前群側は「パッと見で塵/埃に見える極微細な点キズ」が少なめですが、逆に後群側はちょっと多めです。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑ウソではありません!(笑) ご覧のとおりちゃんとネジ込み式の「M42マウント」です。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:10点、目立つ点キズ:6点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い2ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑10枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。マウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」の押し込み操作で、或いは鏡胴横から飛び出ている「プレビューボタン」の操作でも
シャコンシャコンととても小気味良く開閉しています。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。もちろんこれが魅力のクローム メッキ部分も「光沢研磨」を施したので、まるで新品の如く眩い光彩を放ちます。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せますが、クリック感の無い無段階式(実絞り)です。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・オプションで⌀50mm → ⌀52mmフィルターを希望される方はご落札後の一番最初のメッセージにてご申告下さいませ。ご申告が遅れた場合対応できません。またオプションのフィルターを選択した場合は「附属の純正前キャップとフィルター」は附属しません。ご注意下さいませ(その代わり別途有償代金1,500円を頂きません/無償扱い)。
↑もぉ〜本当に溜息しかでませんね(笑) シルバーな絞り環になると、より一層気品に満ち溢れているというか品格を感じる印象です。そもそも当時の特にヨーロッパ人はこのシルバーな 輝きが大好きだったみたいですね(笑)
もちろん距離環を回すトルク感は前述のとおり「ピント合わせ時に一切辛さを感じない非常に軽い印象の仕上がり」です。当方独特なシットリ感と言うかヌルヌルッとした微動にまた感嘆の息を漏らすのかも知れません (少なくとも当方はそうです)(笑)
↑純正の樹脂製バヨネット式UVフィルターと前キャップが附随しますが、ちょっとでも強めに回そうとしたりすると「アッと言う間に内側の引っ掛け部分が折れてしまう」ので要注意です。
↑本来は前キャップに限らずフィルターもフードも何もかもバヨネット式が必要なのですが、 今回出品個体で言えばフードが附属しないので手に入れられるのはいつになるか分かりません(笑) そこでちょっと細工してガシッとハメ込むことができるステップアップリングを別に用意しました。一度ハメ込むとそう簡単には外れません (どうしても外す場合はマイナスドライバーなどを隙間に挟み込まないと外せないくらい本格的にハマります)。
内径⌀52mmのフィルター枠ですから、一般的に市場流通している様々なフィルターにフード 或いは前キャップなどが全て使えます。
【このステップアップリング希望時は純正附属品は附属しません】
大変申し訳御座いませんが、ステップアップリングをご希望の場合は本来附属させている「純正UVフィルターと純正前キャップ」の2点との入れ替えになります (つまり附属しません)。
もしもご入り用の方はご落札後の一番最初の取引メッセージにてその旨お申し付け下さい。
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑実は中国製であるK&F CONCPET製M42マウントアダプタには、ネジ部の外側に「ヘックスネジ」が均等配置で3箇所用意されています (ブルーの矢印)。使うドライバーは「ヘックスネジ
/ビット:1.3㍉」を使います。
こんな感じでヘックスドライバー/ビットを使って3箇所にある「ヘックスネジ」を緩めます (外しきってしまうと面倒なので緩めるだけのほうが良い)。
↑すると「M42マウントのネジ部」だけが環 (リング/輪っか) で外せて、さらにその下には
やはり薄い環 (リング/輪っか) が入っています。
これが「ピン押し底面」であり、実は「凹凸で両面使いできる仕様」になっているのがこの 中国製たるK&F CONCEPT製M42マウントアダプタだったりします(笑)
「ピン押し底面の環/リング/輪っか」だけを拡大撮影しましたが、エンジニアリング・プラスティック製で作られている環 (リング/輪っか) です。
すると反対側は「平面」ですが、裏側は「約0.4㍉の凹面」で設計されている為、この凹んでいる側を上に向けて外した「M42マウントネジ部」を戻して「ヘックスネジ」を締め付け固定すると「正常に絞り 羽根が開閉する」マウントアダプタに変わってしまうワケです(笑)
確かに皆さんが仰るとおり「日本製のほうが工作精度が高く正確な製品」なのは間違いないと思いますが、残念ながらRAYQUAL製は「ピン押し底面の深さが一定:6.0㍉」です。
だからこそ当方はこのK&F CONCEPT製M42マウントアダプタをお勧めしています (オーバーホール作業もこのマウントアダプタで検査している)。
特に中国と繋がっているワケでも何でもありません・・(笑)
今回の出品個体でこのマウントアダプタを使う場合は「ピン押し底面は平らな面のほうを上向きにセット」して下さい。
↑なお、当方はマウントアダプタのレンズ側マウント面に「縦線のマーキング」を刻み込んで あって (ブルーの矢印) オールドレンズを装着した時に指標値が真上に来るよう目安にして
います。こうすると何回「ピン押し底面」を入れ替えても、ちゃんとオールドレンズの指標値が真上に来てくれるのでありがたいですね(笑)
なおこの「ピン押し底面」が平らな状態でないと絞り羽根は「最小絞り値:f16」まで閉じずに「f8停止」してしまうので要注意です。
↑当レンズによる最短撮影距離45cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありません。またフード未装着なので多少フレア気味だったりします。
↑最小絞り値「f16」での撮影です。「回折現象」の影響を微塵も感じずにたいしたモノです!
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。