〓 Meyer-Optik Görlitz (マイヤーオプティック・ゲルリッツ) Domiplan 50mm/f2.8 (zebra)《前期型−III》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧東ドイツは
Meyer-Optik Görlitz製標準レンズ・・・・、
Domiplan 50mm/f2.8 (zebra)《前期型−III》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は当方がオーバーホール作業を始めた10年前からの累計で36本目にあたります。その内訳は「(初期型)3本・(前期型-I)11本・(前期型-II)0本・(前期型-III)18本」そして「(後期型-I)0本・(後期型-II)4本」という状況です。

特に「初期型前期型」までが俗に呼ぶ「ゼブラ柄」ですが、そもそもMeyer-Optik Görlitzは戦後の早い時期からPENTACONへの供給が義務づけられてしまった事からなかなか思うように単独での市場放出が適わなかった実状があります。そして1968年にはついにPENTACONに吸収されレンズ銘板からは「Meyer-Optik Görlitz」銘の刻印が消え、替わって「automatic lens」が附随したPENTACONからの供給品へと変貌していきます。

この一連の流れを指し当方では特に旧東ドイツに於ける「悲劇の光学メーカーMeyer-Optik Görlitz」と受け取っています。

それを簡単に説明すると、Meyer-Optik Görlitzは戦前こそ中判〜大判向けオールドレンズの領域でCarl Zeiss Jenaと肩を並べるポジショニングまで登りつめましたが、戦時中から戦後の括りで調べるとそもそも政府要人との繋がりが薄い状況からどうしても単なる軍需品供給側の立場を越える事が適いませんでした。また特に戦時中に特化して専門研究者の論文などを調べるとどうやらコーティング層蒸着技術で大きくCarl Zeiss Jenaから遅れをとっていたようで、その結果供給できる軍需品でも精緻な射爆撃照準器には向かずに専ら陸軍などの照準器や観測器を中心に供給していたようです。

そこから見えてくる背景は戦前1938年時点ではまだシングルコーティング技術しか確立されておらずモノコーティングの蒸着が特許登録されたのは戦争に入った1939年でした。

《Carl Zeiss Jena (戦前〜戦後) コーティング技術の発展》
1934年ノンコーティング (反射防止塗膜の蒸着無し)
1935年〜:シングルコーティング (反射防止単層膜塗膜の蒸着)
1939年〜:モノコーティング (反射防止複層膜塗膜の蒸着:T)
1972年〜:マルチコーティング (反射防止多層膜塗膜の蒸着:T*)
※ 世界初の薄膜複層膜蒸着技術開発は1958年のMINOLTAによるアクロマチックコーティング
が最初でありモノコーティングとは異なる/当時のライカがMINOLTAと技術提携
※ それぞれドイツ国内に於ける最初の特許登録年を列記/国外登録年はまた別

・・おそらくポーランド侵攻が勃発したのが1939年5月なので特に侵攻時にその主翼を担ったドイツ陸軍の6個装甲師団と4個軽師団などを中心に射撃照準器には特許登録が適う前段階で優先的にモノコーティングを蒸着させていた光学レンズを使っていたようです (照準器に附随する銘板の供給元暗号が違っている)。またドイツ空軍の特に爆撃機に於ける射爆撃照準器は モノコーティング蒸着が必須条件だったので、必然的にMeyer-Optik GörlitzよりもCarl Zeiss Jenaが供給した光学機器に対する絶大なる軍の信用/信頼の高さが伺えます。

もっと言うなら既に戦前に時のナチス政権のプロパガンダとして利用/活用された1936年8月開催の第11回ベルリンオリンピックでそもそも政府要請でCarl Zeiss Jenaが開発/製作したOlympia Sonnar 180mm/f2.8によるプロパガンダ映画こそが最も分かり易い例として挙げられます。専門研究者の論文によると既に特許登録前のモノコーティング技術の一部が この製品の光学系に蒸着され先に使われていたとも受け取れます (実際の量産型製品としてのモノコーティング蒸着は1947年以降製産品から)。

確かに光学系の設計そのモノも重要ながら、これらコーティング層の蒸着技術確立は入射光の透過率を上げる事で被攻撃対象の特定と言うまさに戦争突入と同時に世界規模の急激な変化から危急的に最優先で開発が進んでいったとも受け取れ、その一方で連合国側からすれば特に旧ソ連軍が戦前から狙っていたCarl Zeiss Jenaの一連のCONTAX製品に対する熱い眼差しもそれら軍用光学品に対する劇的な照準精度の向上となればあながち「単なるコーティングの話し」には留まらず、やはりこの当時の時代背景を汲みしてオールドレンズの世界でも考察を進めるべきとの結論です。

詰まるところこのような時代背景を必ずチェックしない限りこの当時のMeyer-Optik Görlitzのポジショニングは見えてこず、残念ながらとても戦前の勢いを取り戻す事は適わず、さらに悲運な事に戦後の国家産業工業5カ年計画にあってMeyer-Optik Görlitzは何と「軍需産業VEB」に組み入れられてしまいCarl Zeiss Jena率いる「光学精密機械VEB」とは全く異種の畑になってしまったのがその後の命運を分かつ結果に繋がっていきます。

おそらくはさんざん政府側に「光学精密機械VEB」への編入を嘆願し続けたのでしょうが人脈がないMeyer-Optik Görlitzには叶わず、ついに宿敵Carl Zeiss Jenaに自社工場を売却してしまう事でようやく「光学精密機械VEB」への編入が叶います。ところが工場をCarl Zeiss Jenaに渡してしまった事はその製品開発/製産体制までも明け渡してしまった事に至り、まるで魂を売ったが如くCarl Zeiss Jena直下のPENTACONヘの製品供給だけに専念せざるを得ず、ここでも再び市場への自由な製品供給には程遠い環境に至りました。必然的に経営難の改善には至らず戦後ず〜ッと抵抗し続けてきたにもかかわらずついに1968年にPENTACONに吸収され消滅していきます。

このような「悲劇の光学メーカー」を辿っていった背景を知るにつけ、一にも二にも「こね」をどれだけ持つのかがイザッと言う時の身の振り方を決めてしまい、且つ自らの立ち位置に 決して奢らずに時の流れに常に敏感でいる事が経営陣には求められ、その中で製品としての 本質を見失わない事こそが自らの延命に繋がるのだと今の世の中にも適応できるヒントを垣間見たような気持ちになります。

はたしてオールドレンズの本質とはこの当時はあくまでも「コーティング層蒸着技術」だったのだと、なかなか感慨深い (下手すると涙腺弱くなるほどに) 結末を知るにつけ晩酌が進んで しまい困りモノです(笑)

まさにそのような背景があったからこそ彼の「Plimoplan設計者の1人」たるStefan Roeschlein (ステファン・ロシュライン) 氏が退社して独立してしまったのも社の将来に見切りを付けたのかも知れませんね(涙) 沈んでいく泥船には乗り続けませんョね・・(笑)

製造元たるMeyer-Optik Görlitzの話しばかりしてしまいましたが、要はこのモデル「Dompiplan 50mm/f2.8シリーズ」にとっくに飽きてしまい(笑)、2019年以来手を付けていなかったと言うか、むしろ敬遠していた嫌いがあります。その神経質な内部の設計構造と 共に最大の問題点「光学系後群をイモネジで締め付け固定する手法」にそれらオールドレンズ作業対価の回収が先ず以て叶わない一点に於いて「残念ながら来年夏の引退まで残り1年間で最後の扱いとする」べく今回敢えて臨んだ次第です。ハッキリ言って全く以てヤル気が失せていたので(笑)、ただただ苦痛で仕方なかった印象しか残っていません(涙)

このモデルを突き詰めて整備していくとそんな印象しか残りませんが (達成感がない) それも 一つのオールドレンズの側面なので貶すワケにはいきません。たかが3枚玉トリプレットながらよく頑張っているモデルだと思いますが、如何せん整備する立場からすると「完全解体したら後にも先にも後悔しか残らない」と明言できてしまうくらいに相当ヤバい神経質なので閉口してしまいます。

今後このモデルを手にしませんので探している方は是非ご検討下さいませ (大赤字)。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はDomiplan 50mm/f2.8 (zebra)《前期型−III》(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑このモデルの開放f値「f2.8」の時の絞り羽根の状態について「絞り羽根が顔出しせずに完全開放しているのが大多数の個体の状態」と面と向かって言い放つ海外から出品し続けている 当方と同業者たるヤフオク! の出品者『転売屋/転売ヤー』が居ますが、その人は自らオールドレンズを整備した経験がないので感覚的に自分が扱った個体での感想しか述べていません。

その解説をちょこっと話していきます。上の写真は絞りユニットや光学系前後群を格納する 鏡筒ですが、前玉側方向から撮影しています。

↑上の写真はその鏡筒の絞りユニットがセットされる位置に「位置決め環」と言う環/リング/輪っか (赤色矢印) を締め付けネジで締付固定したところを撮影しています。するとグリーンの矢印で指し示した位置に締付ネジを固定する為の楕円状の穴が備わりますが、その締付ネジに対して「約0.8mm」ほどのマチ/隙間があります。

上の写真ではその片側に締付ネジを目一杯寄せて締め付け固定していますが「この位置で締め付け固定して初めて絞り羽根が完全開放状態にセットされる」設計です。

この状態で締付ネジを固定すると絞り羽根を組み込んだ時に開放f値「f2.8」で絞り羽根が一切顔出しせずに完全開放状態を維持します。ところがこのネジ穴の中央辺りに締付ネジを締め付け固定すると「開放f値f2.8の時に絞り羽根が顔出しして角張った開口に至る」ワケで、さらにその反対側で締め付け固定すると「最小絞り値f22がほぼ閉じきった状態」まで絞り羽根が 閉じてしまいます。

すると一般的なオールドレンズの絞りユニットの設計を参照して考察した時、このように絞り羽根開閉幅 (開口部の大きさ/カタチ/入射光量) の微調整機能を備えるモデルの場合、多くの モデルで「中央の位置が基本的に製産時点の設定」と設計しない限り、逆に絞り羽根がより 広く開く側の方向の微調整が適わない話になってしまい、そのような設計ははたして通るのか
(許容されるのか) との疑念が湧きます(笑)

この当時の設計図面をチェックすると多くの国の光学メーカーで「±0.02mm」とする会社が多かったように印象を受けますが、それはあくまでも各構成パーツを製産していく時の許容誤差を示しているに過ぎず、上の写真のような「0.8mm」にも及ぶ空き (マチ幅) は切削時の誤差ではなく「意図的に設計者が用意した絞り羽根開閉幅 (開口部の大きさ/カタチ/入射光量)
微調整範囲」と考えるのが自然ではないでしょうか?

ではもっと深掘りして「どうして絞り羽根が開く側の微調整機能も必要なのか」と問われれば最小絞り値側の話しとも相通じますが「絞り羽根に打ち込まれるキーの垂直度合いを厳格に 90度ピタリにできなかったから」とも考えられます。つまり要は当時のMeyer-Optik Görlitzにとって工場機械設備に厳格に90度を担保できるプレッシング機械が無かったとも 受け取れます。その因果関係は実は絞り羽根金属材の材質からも影響を受けており、絞り羽根をプレッシングする時の耐圧まで考慮すればもっと厚みを増した設計、或いは金属材の成分 配合を変更すれば良いのでしょうが「そんな材にコストを掛けずマチを用意するだけで如何様にも逃げられる/対応できる」との考えが働きこのような設計に至ったと容易に推察できます。

・・はたしてこのような考察の何処にムリ/違和感があるのでしょうか?

そのように考えたら必然的に「絞り羽根のキーをプレッシングする際に開く側も閉じる側にも共にマチ幅を用意するのが90度のプレッシングが適わない状況での逃げ」とするのが普通の人情ではないかと感じます。実際今まで扱ってきた35本のこのモデルの中で完全開放位置で位置決め環を締め付け固定したにもかかわらず極僅かに絞り羽根が顔出ししていた個体も顕在したワケで、絞り羽根の厚みとキーのプレッシング精度とが厳密に担保されていなかった事が伺えます (整備者なら既に知っていますがこのモデルの絞り羽根はペラペラで薄いです)。

・・確かに厳密に検査機械で高精度で調べた話しなのか?

・・と問われれば返すコトバがありませんが(笑)、現実的に事実として完全開放位置で位置決め環を締め付け固定したにもかかわらず顔出ししていた絞り羽根が6枚中1〜2枚あったのも間違いありません。そんな時は仕方ないのでその顔出ししていた絞り羽根を特定してから叩き込みして顔出ししないように改善したくらいです。

このような具体的なオーバーホール工程の中での事実が顕在するので「完全開放しているのが当たり前」などと言う言い草はハッキリ言って開く側の微調整機能を奪う設計を設計者自らが採っていたのかと言っているようなモノで(笑)、逆に言うならどうしてそこまで絞り羽根が閉じる側の微調整幅を増やす事にこだわったのか頭が悪い当方には思い描けません(笑)

少なくとも当時は少しでも開放時の開放f値を高速化すべく光学設計を追求していた時代であると当方は受け取っているので、そのような時に「どうして最小絞り値側に絞り羽根が閉じる ほうにこだわったのか」どう考えても理に適う答えを見出せていません。

・・オマエが頭悪いだけだろう?

と指摘されれば閉口するしかありませんが、何方か具体的な証拠を 基にご教授頂ければ即刻考えを改めたいと思います。

左写真はその位置決め環の固定位置を中庸の真ん中で締め付け固定 した時の開放時の絞り羽根顔出し状況です。実はこのモデルの焦点 距離100mmでも同様に絞り羽根が顔出しするので同一の設計概念だったと受け取っています。

するとでは逆に「どうしてそこまで開放時の絞り羽根顔出しにこだわるのか」と言う対極の話しが浮かび上がりますが(笑)、これは残念ながら「インスタ映え」の如くもて囃されてその ような微調整で仕上げる傾向が増してしまったのがその背景にあります。

実際開放時に完全開放するようこの位置決め環固定を微調整するとオールドレンズが組み上がった時の簡易検査具によるチェックでは「凡そf2.6くらい」のf値のような印象ですが、この時のピント面の視認性は相当甘々でハッキリ言って微かにカメラボディ側のピーキングに反応するレベルです。するとおそらくこの当時の白黒写真がまだまだ主体だった時代性で考えると「顔出しさせてf2.8でピント面を先鋭化したほうが市場ウケは良かったハズ」とも考えられ、まさに今ドキの「インスタ映え」狙いだけで完全開放化が進んだとも言えそうです。

最後にならばどうやって完全開放させれば良いのかと言えば「レンズ銘板を反時計方向に回して外してから光学系前群を取り除いたら上の写真の締付ネジ部分が顕わになるので誰でも容易に微調整できる」と言えてしまいます(笑)

詰まるところ市場流通品の多くの個体が既にイジられていて完全開放側に締め付け固定されているのなら「大多数の個体が顔出ししていない!」との指摘も適いますが、その一方で整備者たる当方からすれば開く側にマチ幅を残さなかった設計思想に相当な違和感しか残らずとても納得できませんね(笑)

・・こういうのが整備者の立場から捉えた考察の一つです。

少なくとも外見や扱った個体数から捉えた印象だけで左右されない納得感だけは自分の中に あったりします(笑) その出品者は以前は明確に謳って出品していたのだからお住まいの海外のお国でプロと名を馳せた有名処の整備者の見解も確認すれば良いのにと思います。そういう意見はとても参考になるのでむしろありがたいです。

・・詰まるところ『転売屋/転売ヤー』とは当方含めそんな低俗なレベルです(笑)

ちなみに他人の批判ばかりしているとSNSで批判されまくりですが(笑)、ハッキリ言って『転売屋/転売ヤー』相手に批判するのはそもそもその対象自体が当方と同業者で低俗極まりないので当方にすれば批判しているつもりにもなっていません(笑) もちろん中にはちゃんと落札者サイドに立ってちゃんと10枚掲載できる掲載写真を駆使して出品し、出品個体の状況も隠さず網羅している素晴らしい出品者も居ますが、そんな出品者は極僅かでたいていの『転売屋/ 転売ヤー』は語るに値しませんね(笑)

ましてやご同業者たる整備者となれば「グリースに頼った整備」や「ごまかしの整備」はザラで、当方が素晴らしいと頷くような過去メンテナンス時の整備者レベルは正直なところ100本中数本レベルです。そのような状況に鑑みてちゃんと証拠を掲示しつつ対抗してくるべき ですね(笑)・・本当に恥ずかしいヤツ等です。

正直な話し、整備会社で当方が唸るようなレベルなのはCanonとNikonの認定整備会社ともう一社だけなので、ハッキリ言ってその3社に含まれない大多数の整備会社の中には相当な大手も含まれます。ところがそのような大手の会社に整備を依頼したにもかかわらず納得できずに当方宛オーバーホール/修理ご依頼を頂いた方々が10年間の間に二桁を超えて存在するとなれば、単に当方が大袈裟に受け取っているだけとも言いきれず現実としてそのような印象を受けていらっしゃる方々が実数として顕在するのだとの認識に至ります。

・・このように受け取る事の何処に違和感がありますか???(笑)

だとすればそれらの方々には極一部の方しかその整備会社をご教授頂けませんでしたが、少なくとも大手の一翼を担っている整備会社であり在籍する「プロと自称する」整備者のレベルとははたしてどうなのかと当方にすれば疑念しか残りません(笑)

・・そういうのが現実なのです(泣)

詰まるところ当方が貶している整備者はシロウトの方々が自分の所有するオールドレンズの状況を少しでも改善したいと微かな期待を寄せてバラしている時の話しを対象とせず、イッパシの「プロの整備者と自称しまくり」の整備者をターゲットとしており、はたしてそのような 整備者は自らの行い/所為に何の躊躇いも無いのかと面と向かって問い正しているのです!

それは当方が長き下積みを経てプロに師事して伝承され続けてきた技術を伝授/継承しておらずひたすらに独学だった点に於いて自らをプロと自称する事に憚られるとの想い以外に「プロではない!」と明言する意識を持ち得ません。

ならば「そのプロと自称する輩の自意識とは何なのか???」とそれこそ執拗に問い正したいのです!!!

何故なら、プロである事に安堵を覚えてオーバーホール/修理依頼するのだとすれば、その対価に見合う所為が大前提との話ではないかと強く想うからです。

然しながら現実は全くオドロキの世界で、数多くのオールドレンズをバラすとプロの仕業でない限り組み上げが適わないモデルでも「グリースに頼った整備」や「ごまかしの整備」はザラで、はたしていったいそこの何処に「プロとは何ぞや?!」の答えを見出せるのかと追求したいのです!!!

整備したところでその内部を確認する術は無く、或いは既に製産後数十年を経ているとなれば経年劣化の因果と説明されて納得せざるを得ないのがオーバーホール/修理を依頼した側の立場であり「そのような立場を逆手に取った言いよう」にはたしてそこにニッポン人気質は残っているのかとまで言いたいのが当方のホンネです!!!(怒)

・・冗談じゃない!!!

確かに当方はSNSでの誹謗中傷のとおり他人の批判ばかりしているのは間違いありませんが、その対象は同業者であって『転売屋/転売ヤー』か整備者です。すると『転売屋/転売ヤー』の圧倒的多数は批判しているつもりになる事すら当方には意識しないくらいに低俗な同業者であり、合わせて整備者ともなれば「グリースに頼った整備」や「ごまかしの整備」している限りそこに擁護する想いは120%沸きません!

少しはCanonやNikonの認定整備会社やもう一社に試しに整備依頼して確認してみたらどうなのでしょうか?(笑) どのくらい自分達がやっている整備レベルが悪すぎたのかきっと納得できると思います。

ちなみに当方がCanonやNikonのオールドレンズを普段対象としない理由は、それら認定整備会社が存在するからで、彼らはちゃんと今現在入手困難な必要パーツすら自ら生産委託して 手に入れる徹底の有様と言うこれ以上無いほどに『プロ意識を貫く集団』だからです。そこにリスペクトしない理由が当方には思い浮かびません。

・・このような話しの何処に違和感が残るのかどうか教えて下さい!

ご教授頂ければ残り1年間の時間の中で可能な限り自ら反省しちゃんとこのブログで謝罪して訂正を促したいと思います。

皆さんはたかがオールドレンズと言うのでしょうが、例えそうだとしてもいっときの間に壮大な期待を寄せてその写りに一喜一憂するのなら、そこに「決して人の人情を裏切らない想いで臨む気概」があって然るべきではないのでしょうか???(涙)

もちろん人間である以上ちゃんと納得できるまで整備が至らない事も数多くありますが (人力を超越している事も多々ある)、それを経年の年数の因果にしてごまかさずにちゃんと告知する勇気とポリシ〜を・・どうか切に持って頂きたいと願うばかりです!(涙)

ちゃんと告知する気概さえ湧けば、すると意外にもちゃんと一生懸命臨んでいたりするのが「ニッポン人気質たる職人意識」であり、まさにそれこそが当方が憧れてやまない「プロ意識/匠精神」なのではないかと誉れ高く凝視しています。

・・この話になるとどうしても熱くなるので申し訳御座いません!

次に生まれ変わった時はおそらく幾世代か跨ぐとしても「次には必ずやプロに師事して皆さんから認められる正真正銘の匠に昇華したい!」との想いはとこしえに果てなく及びます(笑) そして50年先、100年先でも数少ない希少なオールドレンズ達に想いを馳せて必死に臨む整備者達が必ずニッポン人の中に現れると信じてやみません(涙) 世の中、決して核心的最先端技術だけが必要なのではありません。

人情を知って/理解してその想いに少しでも応えようと努める時・・受け取る側も提供する側も互いがウインウインに至る平和極まりない環境が整うとこのウクライナの状況の中だからこそオールドレンズを通して強く信じたいのです!!!(涙)
↑完璧なオーバーホールが終わりました。まぁ〜やっぱり完全解体までしてしまうととてもオーバーホール対価を回収できないくらいに神経質で相当気持ちが重かったですね(泣) それでもさすが「インスタ映え」狙いなのか、決して「廉価版モデル」だからと卑下するような描写性ではありませんが当方での扱いは今回が最後になります。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群側もLED光照射で極薄いクモリが皆無です。どちらかと言うと後群側のほうが「微細な塵/埃に見えてしまう気泡」が多めの傾向です。

気泡
光学硝子材精製時に、適正な高温度帯に一定時間到達し続け維持していたことを示す「」と捉えていたので、当時の光学メーカーは正常品として「気泡」を含む個体を出荷していました (写真に影響なし)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:11点、目立つ点キズ:7点
後群内:16点、目立つ点キズ:11点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い最大2mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり、一部は一見すると極微細な塵/埃に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷されていた為クレーム対象としません)。「気泡」も点キズにカウントしているので本当の点キズは僅かしかありません
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が指に伝わります(擦れ感強め)。
・附属品の汎用樹脂製M42後キャップはネジ込みの際に少々装置しづらい印象です。
・絞り羽根が閉じる際に装着するマウントアダプタによっては極僅かに絞り羽根が閉じる動きが緩慢傾向になりますがオールドレンズ単体の状態で絞り連動ピンを押し込むとちゃんと機能しておりマウントアダプタとの相性問題と当方では受け取っています(つまりクレーム対象としません)。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『Domiplan 50mm/f2.8 (zebra)《前期型−III》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

凡そ距離環を回すトルク感は軽くなり全域で均一で絞り環操作もクリック感が小気味良く操作性は至って素晴らしい状況です。唯一指摘するなら内部の捻りバネが経年劣化進行に伴い少々弱り気味なので装着するマウントアダプタの「ピン押し底面の深さ」によっては特に最小絞り値側まで絞り羽根が閉じる際に多少緩慢になります。それを改善するには無限ループに填まるだけなのでそれを意識した即決価格価格で出品する事で対応しています。

つまり「マウントアダプタとの相性問題」はクレーム対象としませんのでそのつもりでご検討下さいませ。逆に言えば完全解体せずに組み戻せばそこまで神経質に至りませんが経年劣化を排除できるか否かまでこだわればどっちもどっちです(笑)

・・そんな次第でこれが最後の扱いです。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離75cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。実際は開放側を開くよう微調整したので完璧に「f4」に到達していませんが。

↑さらに回してf値「f5.6」での撮影です。

↑f値は「f8」に上がっています。

↑f値「f11」になりました。「f11」でこれだけ余力が残る描写なのは開放側をイジッたからです。

↑f値「f16」です。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。「回折現象」の影響が現れ始めて解像度低下を招いています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。