◆ Carl Zeiss (カールツァイス) 凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss製標準レンズ・・・・、
凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)』です。


前回このモデルを扱ったのは今年の5月でしたが、お手頃価格で光学系の状態が良い個体が なかなか手に入らず半年経ってしまいました。

と言うのも海外オークションebayでのこのモデルの流通価格帯は5万円台後半〜7万円までがたいていの場合「光学系内にクモリが生じている個体」だったりします(泣) そしてもちろんバッチリ光学系内がスカッとクリアな個体も流れており流通価格帯を見ていると8万円台後半
〜13万円台までをターゲットに据えるならいつでも手に入れる事が叶います。

すると当方がいつもヤフオク! に出品している時の「即決価格89,500円」はオーバーホール済と言う点を含むなら意外にも適価ではないかと言われるのですが、実はやっている作業工数とその難易度からすればこのモデルの構造は「高難易度モデル」なので、オーバーホール対価の作業金額を据えるなら「2万円3万円」くらいに達してしまうのが本当のところです。

仮にそのオーバーホール対価で捉えるなら海外オークションebayで手に入れる際の調達品の ターゲット価格帯は「5万円6万円辺り」みたいな話になり、まさに「光学系の状態が悪い個体の流通価格帯」にドンピシャなワケです(笑)

ところが悪いことに操作性などでトラブルを抱えている個体がそのような価格帯で流通する事は非常に少なく、ほぼ全数が「光学系の問題を抱えている」と言う状況が海外オークションebayだったりしますから、なかなか手に入らないワケですね(笑)

その意味で毎回同じですが今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は「これでもかと スカッとクリア!」であり(笑)、合わせて「マジッでこんなに軽いの?!」的な軽〜いトルク感に仕上げたので、いくら「高難易度モデル」だとしてもちゃんと整備してあげれば市場流通している個体の距離環を回すトルクよりもだいぶ軽い印象なハズなのです(笑)

もちろん「白色系グリース」を塗布するなら誰でも軽〜いトルク感に仕上げられるので特に 当方の技術スキルを自慢するべき話ではありませんね(笑) 然し当方は「時代背景として製産時点で想定されていたであろう黄褐色系グリース」しか使わない頑固者なので(笑)、それで仕上げるとたいていの場合で「重めのトルク感」に至るのがオチです。

特に当方が「白色系グリース」を嫌う最大の理由が「早ければ1年遅くとも数年内に揮発油 成分がオールドレンズ内部に廻り始める」性質である点を問題視しており、且つそれら「揮発油成分により光学系コーティング層の経年劣化が促される」と信じてやまないので (以前取材した工業用光学硝子製造会社の話で確認済) 或いはそれら「揮発油成分に拠る界面原理が作用してカビ発生に繋がり易い」点も光学系にとっては大きな脅威になるからです。

要はオールドレンズの寿命を延ばしたければ「徹底的に内部に廻る揮発油成分を排除すべき」とのポリシーを捨てないからです。

その意味で言うなら「絞り羽根の油染み」を視認しても特に粘性を帯びていなければ、或いはちゃんと絞り羽根の開閉動作が行われるなら気にしないと言う人達が多いのも分かりますが、当方にとっては「絞り羽根の油染みは経年の揮発油成分が既に廻っている証拠」と捉える為に問題視している次第です。

この部分でも「オールドレンズに対する認識の相違」が顕在して、圧倒的多数の人達は「絞り羽根を主体として正しく機能していれば気にしない」ワケですが、当方が主体と捉えるのは「オールドレンズ内部の経年に伴う揮発油成分の存在」の為絞り羽根の挙動はその次のレベルの話であって次元が異なるのです(笑)

・・とすると残念ながら今はまだ星の数ほど流通するオールドレンズ達も50年後の将来にはその大多数の光学系に支障を来し「本来の性能機能を発揮する個体数は圧倒的に激減する」と言う時代が訪れることを予測しています。

つまり当方の認識は『オールドレンズも絶滅危惧種』と見ている次第です(涙)

但しそうは言っても技術革新は進歩し続けるワケで、既に登場している「平面レンズ」の存在を蔑ろにはできず、或いは宇宙探索でも「新たな電波望遠鏡の時代到来」とも言え (先日NASAが発射)、光学硝子に頼った写真撮影/動画撮影の時代はいずれ衰退し消滅していく運命だとも予測できます。

それは『光』が波長/波動である以上、光学硝子レンズに頼る技術から脱皮して「波長/波動 レンズ」ひいては「平面レンズ」技術は既に進歩しておりその実現も近い将来と考えられますから、撮影と同時に全ての距離をデータで捉え、後からボケ具合やピント面を自由自在に設定変更でき、且つその時に合わせて「遙か昔に光学硝子レンズに頼っていた時代の如く光に加減や作用を附加する」ソフト的なシステムの時代が必ず到来します。

まるで入射光を扱うが如く光学硝子レンズが何枚も介在していた時代の「味付け」がソフト的にシステムで再現され波長/波動で捉えられたデータが瞬時に (コンパクトで低価格な量子コンピューターで) 加工され吐き出される時代・・そんな近い将来がもう夢ではなくなりつつあるとも言えそうです。

例えばエジソン電球が開発された時代にまさかLED電球が現れるとどれだけの人が予測できていたのか考えると・・なるほどなと思ったりします(笑) ともすれば下手したら50年後にはスマホの裏側に平面レンズが組み込まれていて仰角も自由自在なので広角レンズ域から望遠域まで全ての距離で撮影できるかも知れませんね(笑) 暗視や透視レベルまで備えればそれこそ撮影できない場所が無いくらい撮られてしまうかも知れません(笑)

話が反れましたが要はオールドレンズの絶対数は年々激減していく運命と捉えるなら、当方はむしろ (天の邪鬼な性格なので) 例え1本でも残したいと思ってしまうのが整備者たるサガかも知れません(笑) 然し例えそのような時代に至ったとしても「自分で距離環を回してじっくり ピント合わせする撮影の動作を愉しむ人達/勢力も必ず存在する」とも考えられるワケで、きっとそれを叶える整備者がまた現れると期待しています(笑)

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)』の ページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑「スカッとクリア!」な光学系でプラスして「マジッで軽〜いトルク感!」に仕上げられた 当方が大大大好きな凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)』です。

今回の個体も当初バラした直後のチェックで判明しましたが、光学系内のスリーブや光学硝子レンズ締付環に過去メンテナンス時に「反射防止黒色塗料」が厚塗りされてしまい、そのインク成分が極僅かに飛んでいました。結果、当方のオーバーホール工程の中でそれら「反射防止黒色塗料」を溶剤を使って除去している始末で、過去メンテナンス時の整備者による「自己 満足大会」は本当に厄介極まりないですね (チョ〜面倒くさい!)(笑)

上の写真を見れば歴然ですが、艶消し黒色に厚塗りされていた光学系第2群の締付環もそれら「反射防止黒色塗料」を拭い去ってもちゃんとダークグレーなマットな梨地仕上げでメッキ 加工が施されており、製産時点の状態に戻った次第です。

例えばこれがマットな梨地仕上げのダークグレー色ではなく真鍮 (黄鋼) 材そのままの黄金色 なのだとしたらそれは「反射防止黒色塗料の着色の理由が適う」ワケで、要は光学系内での「迷光」を低減できる話に繋がりますが、はたして設計者が製造段階でそのような環境を光学系内に与えたまま設計してしまうのかと言えば「あり得ねぇ〜!」みたいな話であって(笑)、まず以てマットな梨地仕上げのダークグレーで十分なのだと考えます。それは光学硝子レンズを清掃した時にシルボン紙 (光学硝子専用パルプ紙) に非常に薄く黒色が附着したのを確認してインク成分が飛んでいると判定しました。

その意味でワザワザ敢えて「反射防止黒色塗料」を塗りたくって納得しているのは「まさに 整備者自身だけ」と言えないでしょうか?(笑) いまだに数多くの整備会社でそのように締付環を「反射防止黒色塗料で着色」し続けているので開いた口が塞がりません! 単に見てくれだけで (光学系内を覗き込んだ時に真っ黒に見えたほうが良いから) そのような処置を講じる 行為自体に何ら必要性を感じ得ません!

・・世の中の整備者は是非心して反省して頂きたい!!!

貴方が執ったその処置のせいで10年後にはとても薄いクモリとなって光学硝子レンズの表層面にインク成分が附着し、現実的な話として撮影した写真のコントラスト低下を招く一因へと繋がる因果関係に至るのだと認識されたい!!!(怒)

迷光
光学系内で必要外の反射により適正な入射光に対して悪影響を及ぼす乱れた反射光

そして確かにこの「迷光」を極度に嫌う人達/勢力が顕在するのも間違いありませんが、実は ニュース記事の中で「99.9%以上の漆黒の黒色を実現した塗料が開発」と言うニュースを 読んだ時に、その記事の中に「人工衛星などに搭載される探査望遠鏡の光学技術に貢献」との一文を見て初めて「あぁ〜迷光とはそう言うレベルで気にすれば良いのか!」との想いに到達しました。

実はこの話も以前取材した工業用光学硝子レンズ製造会社での取材で質問して確認済であってそんなに「迷光」を気にされるなら「ではどうして絞り羽根がマットなブラックではなくギラギラのメタリックなのですか?」と逆質問されて開いた口が塞がらなかったのを覚えています(泣) 確かに当方が10年間3,000本を超えるオールドレンズを扱ってきて「マットなブラックの絞り羽根を実装したオールドレンズを1本も見た記憶が無い」ワケで、目から鱗とはまさにこのような話だと感心したことを思い出します(笑)

要は「迷光迷光!」と大騒ぎしているのは整備者であって、光学系内が真っ黒クロスケと 自慢している「整備者の自己満足大会」なだけで、実際設計者が「迷光」を考慮していない ハズはなく「当然ながら折り込み済み」で光学設計と製産時点工程に配慮しているとのお話 でした・・まさに至極納得のお話です!(涙)

詰まるところ一般的な写真撮影に使うオールドレンズのレベルで言うなら「とても迷光を気にするような次元の話ではない」なのが光学のプロから見た認識レベルなのだとまさにシロウトな当方は納得した次第です (マジッで取材時は穴があったら入りたい気持ちだった!)(笑)

それ故、99.9%の漆黒の黒色塗料のニュース記事を見て変に納得してしまったことを覚えています (迷光は現実的な思考として人工衛星レベルで気にするべき問題)(笑) それは遙か遠くの星や銀河の微細な波長/波動を検知して研究していく上で必須の前提条件として捉えるなら 99.9%の漆黒が本当に要求されるのだと納得できたワケです(笑)

・・何と浅はかなレベルだったのか、自らの立ち位置を本当に反省した次第です!(泣)

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

特に前玉には経年並みの拭きキズや点キズなどが僅かに残っていますがご覧のとおり拡大撮影しても順光目視できずLED光照射でようやく視認できるレベルの為写真は一切影響しません。

↑光学系後群側も「スカッとクリア!」でもちろん極薄いクモリが皆無です。まさに海外オークションebayで言うところの「8万円台後半13万円クラス」のレベルです(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

後玉の外周附近にLED光照射でチェックするとパッと見で「微細な塵/」に見えてしまう微細な点キズが密集している箇所がありますが写真には影響しません。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:18点、目立つ点キズ:13点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前群内に複数あり)
(前群内に極微細で薄い8mm長ヘアラインキズあり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(但し後玉を光に翳すと外周附近に微細な点キズが密集している箇所があります(写真に影響なし)。
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑当初バラす前の時点で既に絞り羽根に油じみが生じており、ご覧のように一部の絞り羽根にはその影響による経年の酸化/腐食/錆びが残っています。10枚の絞り羽根もキレイになり 絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑クロームメッキが施されたフィルター枠からの鏡胴部分には一部に経年に伴う酸化/腐食/錆びがポツポツと残っています。

【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:軽めと超軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人によって「軽め」に感じ「全域に渡って完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・距離環操作時には極僅かに前後動のガタつきがありますが内部パーツ(直進キー)の経年摩耗がが原因なので改善できません。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・このモデルの絞り環操作時にはクリック感がなく無段階式の実絞り方式になります(仕様なので改善できません)。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・フィルター枠外回りのクロームメッキ部分に一部経年のサビが出ている箇所があります。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
本体『凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
純正樹脂製バヨネット式前キャップ (中古品)

の純正樹脂製バヨネット式前キャップは既に経年劣化進行に伴い白濁化しています。

↑ヤフオク! 出品ページにも記載していますが「別途2,000円加算」頂ければ上の写真のように「ステップアップリング他」も合わせて追加で附属し同梱します。

別途ヤフオク! かんたん決済確認画面で送料欄に2,000円加算頂いた時の附属品一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
本体『凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
純正樹脂製バヨネット式前キャップ (中古品)

marumi製MC-Nフィルター (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
汎用金属製⌀52mm径ステップアップリング (新品/加工済)

↑「別途2,000円加算」頂いた場合に追加で附属するステップアップリングは上の写真のように当方でバヨネット式フィルター枠部分に填め込んで梱包します (外す場合はマイナスドライバーなどを使いこじ開けないと外れません)。

これは不意にフィルター枠やご落札者様が用意されたフードなど脱落しないようにする目的で敢えてワザと「硬締め」でハマるように仕上げているからです。

するとこのステップアップリングの⌀52mm径で市販の様々なアクセサリがそのまま転用でき ますから楽です (MCフィルターと前キャップは既に附属されます)。また純正のバヨネット式樹脂製前キャップも附属したままになります。

距離環を回すと極僅かに左右方向で微細なガタつきを感じますが (ピント合わせに支障を感じるガタつきとは異なる) 内部パーツ「直進キー」が既に経年摩耗している為、一度擦り減ってしまった金属材は元に戻せないので改善のしようがありません。

↑念の為に当方所有マウントアダプタに装着したところを撮影しました。あくまでも当方の認識では「マウントアダプタとの相性問題は当方の責任範疇ではない」との認識ですが、クレームしてくる人が居るので事前に調べている次第です(笑)

赤色矢印で指し示している箇所に隙間があるのはマウントアダプタ側の仕様でオールドレンズ側マウント面に「1㍉弱の突出がある」為に隙間ができますがちゃんと最後までオールドレンズがネジ込まれます。

この時の絞り羽根の開閉動作もちゃんとチェックしました。絞り環を回して最小絞り値「f16」まで絞り羽根が閉じきります。

つまり絞り羽根の開閉異常は一切起きません。左写真は絞り環を回して最小絞り値「f16」にセットした時の絞り羽根の閉じ具合で、正しく「f16」まで閉じているのを簡易検査具を使い確認済です。

↑こちらは今度は日本製のマウントアダプタでRayqual製品になります。同様オールドレンズ側マウント面に「1㍉弱」の隙間が空きますが、これもマウントアダプタの仕様で突出した設計だからです (赤色矢印)。

この時同様に絞り環を回して最小絞り値「f16」にセットすると、残念ながら絞り羽根は「f8で閉じるのをやめてしまう」為、左写真のように完璧な正五角形で閉じているにしても「f11f16」まで閉じない
絞り羽根の開閉異常」が起きてしまいます。

これはマウントアダプタ内側の「ピン押し底面の深さが5.92㍉」で深すぎるからです。

実は今回のモデル凹 Ultron 50mm/f1.8《Oberkochenモデル》(M42)』には絞り連動ピンの仕様が2種類顕在し「絞り連動ピンの突出する長さが異なる」設計なのでこのような問題が起きます。

絞り連動ピンの頭に丸い傘が附随するタイプは日本製Rayqualのマウントアダプタに装着してもその傘の厚み分で長さが確保されている為ちゃんと最小絞り値「f16」まで閉じますが、今回の個体の設計は異なる為このような現象が起きます。

↑このように指摘するとまたSNSで当方がウソの言い訳を言っていると批判されるので証拠写真を載せました(笑) 上の写真 (2枚) は1枚目が今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体の絞り連動ピンを撮っており、2枚目が以前扱った個体からの転用写真ですが「絞り連動ピンの頭に傘のような広がりが附随するタイプ」であるのが分かると思います (2枚目は今回ヤフオク! 出品している個体ではありません)。

従って例えば上のほうのK&F CONCEPT製マウントアダプタにしても「ピン押し底面は平面側をセットして頂く」使い方がベストです。

他方もしも手持ちの凹Ultronの絞り連動ピンが傘付タイプならK&F CONCEPT製マウントアダプタのピン押し底面は「凹面を上に向けてセット」して頂くのが正常に絞り羽根を開閉できる確率が高くなるワケで (必ずしも改善するとは限りませんが)、ここに「ピン押し底面の深さがたかが0.49㍉違うだけでも本当にありがたい!」と言う話の現実的な事象が現れていると 思いますね(笑) 少なくともピン押し底面の深さが変更できるマウントアダプタはこの製品しか存在しないのでトラブル対処として考えればまた選択肢が多くなるワケで、中国製だからと
(或いは日本製がベストなのだと) 貶すばかりが脳ではないと思ったりもします(笑)

この問題については「補足解説」で詳しく解説しており『◎ 解説:M42マウントアダプタのピン押し底面について』をご参照下さいませ。ピン押し底面の使い方を変更するやり方をちゃんと解説しています。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離45cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」での撮影です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。もうほとんど絞り羽根が閉じきっている状態ですが、それでもまだ「回折現象」の影響が感じられません。素晴らしい描写性能です!

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。