◆ TOKYO KOGAKU (東京光学) RE GN TOPCOR M 50mm/f1.4(RE/exakta)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の東京光学製
標準レンズ・・・・、
『RE GN TOPCOR M 50mm/f1.4 (RE/exakta)』です。
1973年にオートワインダー (フィルム自動巻上機構) を携えて (標準 セット品) 発売された一眼レフ (フィルム) カメラ「TOPCON SUPER DM」セットレンズとして登場した標準レンズが今回扱うモデルです。
レンズ銘板のモデル銘に誇らしげにその存在感を誇示している「M」は、まさに東京光学初の、そして同時に国内流通モデルとしては最後でもあるマルチコーティング化を表す刻印です。
しかし僅か5年後の1978年になると、従前の「RE/exaktaマウント」規格の限界から「PENTAX Kマウント」規格に仕様変更した一眼レフ (フィルム) カメラ「TOPCON RM300」を発売し、合わせて輸出に特化した海外OEMモデル製産に大きく舵を切り替えてしまいます。
従って国内流通品は事実上1978年発売の一眼レフ (フィルム) カメラ「TOPCON RE300」が最終モデルになり、同時に海外輸出向けOEMの原型モデル「TOPCON RM300」を最終モデルにシーマ (シマ光学) に移譲してしまいます。
そして2年後の1980年12月ついに事業継続の限界に至り、民生向けカメラ製品業界から撤退/販売終了を発表し、ここに戦前戦時中には「陸のトーコーに海のニッコー」と称され、1932年 (昭和7年) に大日本帝国陸軍の関与のもと創設されてからの、凡そ半世紀にも及ぶカメラ史の幕を閉じました。
その後トプコンエンジニアリングを経て現トプコンとして計測機器事業を始め様々な産業機械の開発/製造に寄与し、近年では「はやぶさ2」にも関わるなど事業拡大に突き進んでいます。
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このような時代背景に思いを馳せると、レンズ銘板にひときわ異彩を放つ「M」の刻印がどうしても気になってしまい、特に光学系の状態が良い個体を見つけるとそもそもオーバーホール自体にムリがある「昇降式ヘリコイド駆動」を採るこの標準レンズを扱ってしまいます。
東京光学で唯一無二の「フラッシュマチック機構」・・ストロボのガイドナンバーに完全同期して「撮影実距離と露出/絞り羽根の開閉との整合性を完全自動化」により失敗のないフラッシュ撮影を実現した機構を内包する標準レンズでもあり、それが為に相当に難儀する微調整を強いられるオーバーホール工程を経ない限り「操作し易い仕上がり」に至らない、大変気難しいモデルの筆頭です。
このモデルで手に入れる際に問題になる点はたったの2つ・・、
① 光学系が極薄いクモリすら皆無でスカッとクリアなのか?
② 昇降式ヘリコイドの内外筒に微細なキズが残っていないか?
・・ですが、光学系は事前にある程度確認できるものの、昇降式ヘリコイドの内外筒の現状についてはバラすまで不明なままです。
近年ヘリコイドグリースに「白色系グリース」を使う率が格段に増大し、まず以て過去メンテナンス時に塗布されてしまっている事が多く特にこのモデルの昇降式ヘリコイド内外筒の「鏡面仕上げ」が経年で酸化/腐食/錆びによりキズだらけになってしまいます。
(左写真は別個体からの転載写真を流用)
従って物理的に削れてしまった金属部分はそのキズが浅いだけにパテ埋めなどできず、且つ「平滑性の担保」から不用意に磨きすぎると接触駆動時の「カジリ付」が起き、却ってその 駆動に悪影響を来すことから当方の「DOH」にも限界があります。
その意味で過去メンテナンス時にちゃんと「鏡面仕上げの保守」に気が付き処置を講じてくれていれば、抜群の軽い操作性で今回のオーバーホールも仕上げることが叶いますが、なかなかそのような個体に巡り会えません (たいていの場合グリースに頼った整備しか行われない/白色系グリースの塗布)(泣)
このモデルの当方での累計扱い数はちょうど10本目にあたり、その中で光学系が「スカッとクリア!」なのは僅か5本目という状況です。今までに扱った中でオーバーホール/修理ご依頼分が4本あるので、実際オーバーホール済でヤフオク! 出品するのは6本目になります。
↑上の写真は今回の個体の絞りユニット内部で使う「開閉環」というパーツですが、オーバーホール工程の途中で撮影しています。
アルミ合金材をカットして、プレッシングでプレスする際に単に折り曲げただけの簡素な設計の「制御アーム」ですが、この折曲げの根元に「過去の切削」箇所が確認できます (グリーンの矢印)。
僅か「1.5㍉厚」程度の非常に薄く柔らかいアルミ合金材にご覧のようなルーター切削による切り込みが入っています。
実は以前この切り込み箇所 (シルバーに切削されている箇所) に亀裂が入り、この「制御アームが (上の写真で言うと) 右方向に斜め状に傾いた状態」に変形してしまった個体がありました。オーバーホール/修理によるご依頼分の個体でしたが、結局一度切削してしまった箇所を補強できずそのまま組み上げ「絞り羽根の開閉異常」を正すことができなかった事例がありました。
たまたまその時の個体の過去メンテナンス時にそのような「余計な処置が講じられていた」だけと判断したのですが、このように再び同じ処置の個体が現れると「別の与件/背景がある」と考えるべきです。
そこで製造番号を基に、或いは内部で使っている構成パーツの変遷 (例えば、真鍮 (黄銅) 材がアルミ合金材に変わっているかどうかなど) を当方の記録データベースを参照して調べた結果「製造番号に再現性/法則性がない」ことが判明し「東京光学の製産時点に施されていた処置 ではない」と最終判定しました。
もしも仮に製造元である東京光学が製産時点で処置するなら、何かしらの問題に遭遇した時点で改善処置としてこのようなルーター切削を施し改善させて出荷していたと推定できますが、だとすれば「その後の製造番号全てが同一処置を施されるか、或いはパーツそのモノの設計を変更してくるハズ」と考えられます。今までに扱った10本でその製造番号に法則性が無いとなれば、イコール製造メーカーが執った処置ではないと断言できます。
つまり過去メンテナンス時にこのモデルに特化して・・・・、
ルーター切削により制御アームの反応を強制的に変化させる処置を施している整備会社が存在する
・・と見なしました!(怒)
↑問題箇所をさらに拡大撮影しましたが (グリーンの矢印)、このようにルーター切削を施す事で本来の厚みのままである右側部分が支柱の役目になり「左右/前後に撓む (たわむ) 率が変化する」点を利用して「制御アームの反応自体を強制的に変えている処置」と見なせます。
そしてその処置を施しているのは複数の会社ではなく「たったの1社」だと言え、その根拠は「支柱を残す量と切削の深さが全て同一」だからです。
と言うのも、今回再びこのような処置が施された個体が現れたので、今までに扱った9本全ての写真記録をもう一度チェックしたワケです。すると今まで気が付いていなかった (要は問題の修理を承った個体を扱う以前は気が付いていなかった) 個体で同様にこの切削が入っていたことを確認できたのです。
その本数は・・何と5本です!(怒)
累計本数で今回が10本目なのに、今回の個体も含んでカウントすると5本の写真で全く同一のルーター切削が施されていました。
アルミ合金材のパーツで「僅か1.5㍉程度の厚みに深くルーター切削する」処置自体が当方からすれば驚愕であり、全く以て信じられない処置です!(怒) 相当頭に来ましたね!(怒)
ほんの0.5㍉程度しか残っていない厚みなので、経年で使っているうちに亀裂が入って垂直を維持できなくなるのは自明の理です。この「制御アーム」にはスプリングが架かり「常時閉じようとするチカラ」が右方向に及んでおり、それが絞り環操作により強制的に操作されて設定絞り値まで絞り羽根が閉じる (右方向に回転する) 原理です。
従って常に左右方向にチカラが及ぶ箇所なのに、どう考えても製造メーカーが既存パーツにこのような処置を講じて組み上げて出荷するハズがありません。たいていの場合不具合が判明した時点で「該当パーツの再設計/製産」で正しく機能するパーツに入れ替えてしまいます。
このように言うとよく既存のパーツがムダになりコスト面から破棄しないと言う人が居ますが(笑)、こんなアルミ合金材のパーツなどたかが知れたコストしかかかりません(笑) 一旦製造工程を止めて、或いは別モデルの製造ラインに切り替えて、とにかく急ぎで (再納期を指定した上で) 下請けに再発注し適切なパーツに即入れ替えてしまいます。
つまりこんなルーター切削などを施す「ごまかし」は、こと東京光学となれば「パーツの耐性に問題あり」と判断して絶対に処置しないハズです! 日本の製造メーカーとはそういうレベルだと考えますね (そうは言っても近年大企業でも検査時の不正が罷り通っていますが)(笑)
いずれにしても「このモデルの内部構造と構成パーツの仕組み/原理を熟知した整備会社」の仕業なので、ちょっとしたシロウト整備ではそもそもこのモデルは適いませんし(笑)、さらに「原理原則」を熟知していない限り組み上げもできませんから・・必然的に整備している会社は限られてきます(笑)
当方はだいたい目星を着けていますが、証拠が無いので発表する事はできません・・。
然し、いまだにこのような「ごまかしの整備」を公然とヤリ続けている大手の整備会社が顕在する事を、どうか皆様も知って頂きたいと今回このブログで告知する事にしました。
光学系は5群7枚の拡張ダブルガウス型構成で、右構成図のとおり で着色した第3群〜第4群の光学硝子レンズに「酸化トリウム」を含有した、いわゆるアトムレンズ (放射線レンズ) です。
1960年代に光学硝子レンズの成分に「酸化トリウム」を含有する事で「屈折率を20%代まで向上」が適うことから一時期流行りましたが後に「ブラウニング現象」により「赤褐色化」しいわゆる「黄変化」により入射光/撮像の質が変化することから含有が見合わされ、1970年代に入ると国内/海外含めほとんどの光学メーカーで含有が見直されました。
ところが、このモデルの発売時期は1973年であり、既に光学硝子材への「酸化トリウム含有」が見直されていた時代です。どうして東京光学では敢えてこのタイミングで「酸化トリウムの含有」に踏みきったのでしょうか?!
その背景は、当方の考えでは「フラッシュマチック機構」に因果関係があるとみています。「フラッシュマチック機構」により無段階でシームレスに実撮影距離と絞り羽根の開閉幅とが整合性を保ったまま自在に変化する環境が必須になり、その実現にこだわった結果「昇降式のヘリコイド駆動」を採用せざるを得ず、且つそこには「鏡面仕上げによる内外筒の接触型昇降式」という東京光学にとっては前代未聞の設計が成されました。
すると光学系の設計で考えれば、できれば後群側を独立させて駆動したいところを、それこそコスト面からなのか (何故ならカメラ製品からの撤退発表の僅か8年前)、或いはもともと既に筐体が大型化していた為に製品全高をこれ以上延伸させたくないとの思いから、こだわりを貫いて「敢えて酸化トリウムを含有させて屈折率を保たせた」のが実のところホンネなのではないかと推察しています (あくまでも当方の推察)(笑)
禁断の果実を食べてしまったのですね・・(笑)
然し時代は既に電気接点を介在させた完全自動化撮影に移行する時期に当たり、且つフィルムカメラからデジタルカメラへのまさに過渡期に到達する1980年代以降へと突き進む中、先見の明を得てカメラ業界からの撤退と言う英断を下したワケで、これこそまさにロマンに埋もれた楽しい、しかし哀愁が漂う何ともやるせない思いでこのモデルを眺めてしまう理由だったりします(笑) 今ドキのデジタルなレンズにこのような時代背景が伴わない以上、オールドレンズは本当に楽しくて仕方ありません!(笑)
当初バラした直後は左写真のように本格的に「赤褐色化」していたワケで、これが例えば俗によく言われるコーティング焼けの「黄変化」だとすれば、それはレモンイエローが徐々に濃くなっていく現象だったりしますから、少々「ブラウニング現象」とは違うと当方は捉えています (逆に言えば何でもかんでも黄変化とは記載しない)。
それはちゃんとした変質理由があり、この現象を研究して明確化した人が先達にいらっしゃるワケですから、それを単に「黄変化」と決めつけて表現してしまうことに少々失礼/礼儀を意識すべきと考えてしまいますね (ちゃんとリスペクトするべき)(泣)
撮影して写真になると左写真の如くほぼ無色透明状態に戻ったように見えてしまいますが、現実はそうではなくて光学系内に組み込まれると相応に黄色っぽく見えるので「半減程度」とご認識頂くのが良いかと思います。
先にUV光照射してから、この後にカビ取り剤や清掃を施していきます。
ちなみに、もちろんカビ除去作業時に使う薬剤は「カビキラー」の類の市販薬品ではなく(笑)以前取材にお伺いした工業用光学硝子レンズ精製会社のご担当者様からお勧め頂いた専用の薬剤です。特にこのような市販品を使うと対象とするガラス素材が異なるので、その成分の中に近い将来的に悪影響を来す成分が含まれている事が判明しまさに目から鱗状態でした!(怖)
公然とネット上で「カビキラー」を明記している整備会社もあるので(笑)、要注意です・・(怖)
また当方では光学硝子レンズの清掃時に必ず手順と使用する薬剤の違いがありますが、それを簡略化して清掃時の「拭きキズを低減」させている整備者がヤフオク! にも居ますが(笑)、それも処置の行為そのモノがそもそも違います!(笑) 光学系を清掃する目的は、もちろんスカッとクリアにしたい「透明度の確保」なのですが、同時にコーティング層やガラス表層面に頑固に根を下ろしている「カビ菌」の撃退も必須になります。
逆に言うなら、どんなに光学硝子レンズが格納筒の中で確実にキッチリと「締付環」で締め付け固定されていても、決して密封されているワケではないので「将来的に必ずカビ菌の胞子は自在に侵入できる」のが現実の話です。よく「電子防湿庫に入れておけばカビは発生しない」と言われますが、それはあくまでも目安的な話であって「電子防湿庫の中でさえカビ菌の胞子は侵入している」ワケで、だからこそ地球上で何度も起きた生命の絶滅を経てもなおウイルスや菌は突然変異を繰り返しつつも生き存えてきたのだと当方は認識しています。
要は「カビ菌が活動する環境を与えなければ良い」のであって、それを実戦しているのかどうかがポイントなのではないかと考えますね(笑) 湿度管理や密閉に近い環境も重要なのでしょうが「そもそもカビ菌が留まる環境が整っていれば焼け石に水状態」と言え、それこそがまさに「経年の揮発油成分」と当方では判定しています。
つまりできるだけオールドレンズ内部に使う/塗布するグリースは「少ないほうが良い」ワケでもっと言うなら生産時点のグリース使用量に匹敵することが命題とも言い替えられます (その確認方法がちゃんとある)。
そのようなポリシーのもと執り行っているのが当方の「DOH」なのだとも言えますね(笑)
なお「昇降式ヘリコイド駆動」については以下のモデル銘をクリック/タップすると以前のオーバーホール工程などの解説ページが別に表示されるので、そちらの解説をご参照下さいませ。この仕様により距離環を回していくと途中 (2m辺り) から急に繰り出し量が増えて、同時に距離環を回すトルク感も多少抵抗/負荷/摩擦を感じたりしますが、昇降筒のスリットが急勾配に変わった箇所なので仕様上改善することはできません (クレーム対象としません)。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は「RE GN TOPCOR M 50mm/f1.4 (RE/exakta)」のページを ご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑完璧なオーバーホールが終わりました。このモデルを手に入れる際に光学系をチェックする時、いの一番に「後玉の表面」写真を観て「非常に薄い汚れ/コーティングダメージ/ハガレ」が視認できたら・・残念ながらアウトです(笑) ほんの僅かな薄クモリだけでシ〜ンによってその影響が現れ「僅かに低コントラストな写り/解像度不足/甘い写り」に至るので、マジッでチェックしています。
特に光源を含んだり、極僅かに明るい場所が一緒に含まれると微細な/薄いフレアが ピント面に附随したりするのですぐに分かります。ヤフオク! の出品者の中にはそれらを指して「オールドレンズライクな写り」と、まるで褒めているかの如く謳っている当方と同じ当業者『転売屋/転売ヤー』も居たりするので要注意です!(泣)
そんな「ハイキーで異常に明るい写り」や「コントラストが低い写り」だけを指して、まるでオールドレンズの魅力の如く/特徴のように謳うアホは煮ても焼いても食えません! ちゃんとキッチリとコントラストをキープした写りだって写真として褒め称えるべきであって「如何にもオールドレンズライクからは逸脱」みたいな解説をしているプロの写真家やモドキを見つけると、マジッで吐きたくなってきますね(笑)
そういう印象づけ操作には断固として抵抗します!(怒)
↑今回が僅か5本目にあたりますが「光学系内がスカッとクリア!」と断言できる個体です。
とにかく素晴らしいです・・(涙) と言うのも、このような透明度の高い状態を維持した個体を探すには相応の努力をしているからであり、もちろんそれなりに調達価格も高額に至って います(泣)
もちろんLED光照射でチェックしても光学系内はコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。単に「クモリはありません」ではなくて「極薄いクモリが皆無」と言う表現やコトバは相当強烈だと当方では認識しています(笑)
それこそがまさに差別化の一つであり、ちゃんと自ら清掃している、もっと言うなら工業用 光学硝子精製会社のお勧めに従った薬剤の活用と手順を踏んで、丁寧に清掃しているからこその仕上がりとも言い替えられます。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
ご覧のように (2枚目) 観る角度によってはコーティング層が反射して「エメラルドグリーンの光彩を放つ」のが見てとれます。
↑もっとも重要な、ハッキリ言ってこれだけで決まってしまう光学系後群、特に後玉の状態を見てください!・・ッて、何処かのネットショップの商品案内の言い回しに似ていたりして 正直ウザイですね(笑)
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:11点、目立つ点キズ:6点
後群内:17点、目立つ点キズ:12点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い5mm長数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑6枚の絞り羽根もキレイになり、絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。今回の個体には冒頭解説のとおり「制御アームにルーター切削」がありましたが亀裂には至っておらず、まさに不幸中の幸いでした(泣)
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・距離環を回した時、構造上急に繰り出し量が増える箇所がありますが、その際トルクにも影響が現れ極僅かに抵抗を感じますが設計上の仕様なので改善できません(クレーム対象としません)。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・距離環のラバー製ローレット (滑り止め) が経年劣化進行に伴いヒビ割れしておりボロボロです。今回のオーバーホールでは貼り付けましたが既に限界状態なので爪で引っ掻いたりするとボロボロと剥がれます。
↑今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。
《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
① marumi製MC-Nレンズガード (新品)
② 本体『RE GN TOPCOR M 50mm/f1.4 (RE/exakta)』
③ 汎用樹脂製バヨネット式exakta後キャップ (新品)
④ 汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)
↑距離環に貼り付けているラバー製ローレット (滑り止め) を指し示していますが (赤色矢印)、ご覧のとおり既に経年劣化進行に伴いボロボロに亀裂が入っていて非常に軟らかい状況です。当初バラした際に外した時にパリパリと切れてしまいました。
↑既にラバーが伸びきっており、実は3列ほど裂いて短くしています。さらに拡大撮影しましたが、各シボは縦方向で一列ごとに亀裂が入っていて剥がそうとするだけで、或いは爪を立てただけでボロボロと裂けていきます (縦方向に亀裂が入っているのが分かると思います)。
素材の経年劣化が限界に達しているので改善のしようがありません・・(涙)
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑上の写真は当方所有マウントアダプタですが、日本製Rayqul製 (①) と中国製K&F CONCEPT製 (②) モデルの2種類を並べて撮影しました。それぞれ「exaktaマウント」なのでもちろん問題なく装着使用可能ですが、現実は少々問題があります。
【装着時/後の問題点】
① Rayqual製 (日本製) は、装着後極僅かにガタつきがあるので撮影時/ピント合わせ時にも ガタつきが発生します。
② K&F CONCEPT製 (中国製) は、装着時のみ極僅かにキツメの印象です (ガタつきなし)。
これらの問題点は「exaktaマウント」規格のどのオールドレンズを装着しても同様に発生するので、当方のオーバーホールが問題なのではありませんが、もしもご納得頂けない (当方のオーバーホールの仕上がりの問題とのご認識の) 場合はご落札後でも「返品/キャンセル」をお申し付け頂ければご落札者様に一切の損害を与えないよう配慮して全額ご返金申し上げます。
(但し当方との認識違いでブラックリスト登録します/以後当方出品商品はご落札頂けません)
↑当レンズによる最短撮影距離40cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
↑f値「f11」になりましたが、もうほとんど絞り羽根が閉じきっている状態なのに、ご覧のように低コントラストに堕ちずにコントラストを維持しています。素晴らしい光学設計ですね・・(涙)
↑最小絞り値「f16」での撮影です。「回折現象」の影響が気になりません!(驚)
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。