◆ Carl Zeiss (カールツァイス) Tessar 50mm/f2.8《Oberkochen》(M42)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss製標準レンズ・・・・、
『Tessar 50mm/f2.8《Oberkochen》(M42)』です。
先日から同じく旧西ドイツはLand Baden-Württemberg (バーデン=ヴュルテンベルク州) Regierunsbezirk Stuttgart (シュトゥットガルト行政管区) のとても自然豊かなOberkochen (オーバーコッヘン郡/1968年から市に昇格) Carl Zeiss社製オールドレンズのモデルを、銘玉中の銘玉と揶揄され続けている「凹Ultron 50mm/f1.8《Oberkochen》(M42)」に続き「Skoparex 35mm/f3.4《Oberkochen》(M42)」そして今回扱う廉価版標準レンズ『Tessar 50mm/f2.8《Oberkochen》(M42)』と立て続けに出品してきましたが、1年前にこれら3つのモデルを調達した14本の在庫が、今回の個体でいよいよ最後になります。
《今までの各モデル即決価格》※全てOberkochenモデル/本数のみrepair含む
・凹Ultron 50mm/f1.8 (M42):49,500円〜89,500円 (全20本)
・Skoparex 35mm/f3.4 (M42):49,500円 (全10本)
・Tessar 50mm/f2.8 (M42):29,500円 (全4本)
個人的に当時の旧西ドイツCarl Zeiss製オールドレンズの描写性能/描写性が気に入っており、1年がかりで大切にオーバーホールを進めつつヤフオク! に出品してきました。
不思議なモノで・・今まで数多くこの筐体デザインのオールドレンズが在庫として並んでいた記憶があるので、最後の1本になってしまった今となっては何とも物悲しさに包まれて寂しい限りです(涙) その意味では14本も並んでいた佇まいは自然に当方の心の安定剤として機能していたのだと、今さらながらに感極まる思いです (どんなお薬よりも一番効果的な精神安定剤なのだと言えちゃう!)(笑)
然しながら、そうは言っても生活があるので(笑)「君達14本のおかげで私は今まで滞りなく生活できたのだと感謝でいっぱいです!」と最後のエールを贈りつつ今回のオーバーホールに臨んだ次第です(笑)
・・これから先新しいご主人のもとでさらに50年後まで幸あれ!
(願わくば次の整備も真摯な気持ちで臨んでくれる整備者の手に渡るように)(祈)
もぅ自分が居ない時代の整備を想うと、何ともやるせない気持ちで一杯になります・・(泣)
(とは言っても決して50年保つワケではありませんが)(笑)
どうせ後数年で引退なので、娘達にあの手この手で何とか興味関心が沸かないかと策略を巡らせているところです(笑) きっと女性の立場で整備したら私が気づけなかった要素にまで気配りができるのではないかと期待いっぱいなのですが、現実はなかなか厳しく望みどおりには 進みませんね(笑)
左写真はネット上で「Oberkochen (オーバー コッヘン)」検索するとwikiに引っかかり、その解説の中に載っているオーバーコッヘン市の写真ですが、実はこれはおそらく10年以上前の街並の写真ではないかと推測しています。
目印となる「聖パテロ/ペトロ教区教会」とでも呼称するのが正しいのでしょうか、写真左寄りにありますが (赤色矢印)、現在も立っているCarl Zeiss AGの特にレンズ製産工場や本社などは、
もっと写真から外れた左側に位置しています。もちろんそれら建物の真ン前にはライカの建物もありますね(笑)
右写真はGoogleの航空写真で近い位置を切り 取って解説した図ですが、だいぶ山の裾野から 開けて宅地などが広がっているように見えます。
そんなワケでwiki掲載の街並み写真は少々昔の 写真ではないかと推察した次第です。ちなみに
この写真を撮った撮影者は右下に位置する鉄道 線路を越えて国道19号線があるさらに背後の
丘の上から撮影していますね(笑)
ただ単にwik検索するだけではなく、こんなふうに掲載写真の時間軸を調べてみるのも、また楽しかったりします(笑) そう考えると、はたして今ドキのデジタルなレンズでこのような仕草で楽しむ人が居るのかと考えますが、逆に言えばオールドレンズにはそのような写真撮影と 言う行為を超越した何か別の魅力もあったりするのだと、改めて感じ入った次第です(笑)
・・ロマンは止め処なく広がっていきますね (酒飲みには愉しい!)(笑)
ちなみに、戦後すぐのOberkochen市の人口は僅か2千人でしたが、1968年時点で既にCarl Zeiss Jenaから連れてこられた (ある意味連合国軍に接収された) 技術者達の住まいが用意されたので、人口は8千人規模まで膨らみ、そして現在もなおその人口を維持しているので日本のように都市化へと突き進まない処が何ともヨーローッパ的に感じられてしまいます(笑)
・・近くには水源まであり自然豊かな住みやすい素晴らしい土地だと思いますね。
↑上の写真は既にオーバーホールが終わったタイミング (出品前) で撮影したマウント面の写真ですが、実は当初バラす前のチェック時点では「絞り値伝達板 (赤色矢印)」がエポキシ系接着剤でガッチリと接着されていました。
確かに今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼にマウントアダプタ経由装着するなら何の意味も成さず機能していても仕方ないパーツだと言われればそのとおりなのですが、如何せんオールドレンズ内部の制御系の設計としては「連動するよう造られている」箇所なので、ここを接着固定してしまうと実は「別の構成パーツに大きな影響が現れる」と断言できます。
筐体のサイドには「プレビューボタン」と言う絞り込みボタンが備わり (赤色矢印)、撮影前に設定絞り値での写り方を事前に確認できる機能を持っています (ブルーの矢印①)。或いはマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」が押し込まれても機能しますが (ブルーの矢印③)、この時同時進行でこの「絞り値伝達板 (赤色矢印)」が引っ込んだり出てきたりします (ブルーの矢印②)
この「絞り値伝達板 (赤色矢印)」の役目は当時のフィルムカメラ側に設定絞り値を伝える機能なので、前述のとおり今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼にマウントアダプタ経由装着した時は「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンが押し込まれるので意味が無くなる」とも 言えます。
従って別の接着されていても不便は無く気にしない人が多いのでしょうが、内部構成パーツは一部に「変形」が起きてしまい、当然ながら経年の摩耗度合いも増してしまうので「ハッキリ言って好ましくない」と考えているのは当方だけなのかも知れません(笑)
と言うのもよくマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」をカッとして切削してしまったり、或いは接着して飛び出ないように処置している人が居るからです (皆さんこだわらない
のですね)(笑)
もちろん手に入れたらその人の所有物なので、どのように煮て食おうが焼いて食おうが勝手なのですが(笑)、当方はどうしても「オリジナルの状態にこだわる性分」なので、今回もワザワザ変形箇所を戻して復元した次第です(笑) 但しそうは言っても経年摩耗して削れてしまった金属は元に戻せないのでその影響は残ってしまいました (スミマセン!)。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は「Tessar 50mm/f2.8《Oberkochen》(M42)」のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑完璧なオーバーホールが終わりましたが、今回も相変わらず (当方の技術スキルが低いので) 絞り羽根の組み込みで絞りユニットと戯れること1時間、本当に学ぶことをしないヤツです!(笑) と言うか情けなさすぎ・・!(笑)
最近のヤフオク! には自ら整備して出品しているプロの出品者も数多く居ますから、当方などは徐々に片隅に追いやられていく運命です(笑) しかもそれらプロの出品者は一日に何本も 仕上げていきますから、さすがプロ相手には敵いません!(笑) 当方はどんなに頑張っても
(10年が経ちましたが) いまだに1日1本しか仕上げられません(笑)
・・どんだけスキル低いんだョ?!と言うお話です(笑)
しかも絞り羽根と戯れている最中はブツブツ (設計者相手に) 文句垂れていますから、ハタから見たらあまりにも病的でちょっと見せられませんね(笑) 病的と言えば筐体外装や構成パーツをゴシゴシゴシゴシとひたすらに磨きまくっている2時間も・・相当ヤバいです!(笑)
これが娘達がやっていることなら、きッとYouTubeなんかで流してもまたコメント付くほどにファンが居るのでしょうが、当方のようなジジイ相手に病的な姿はハッキリ言って「キモイ」以外何モノでもありません(笑)
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光学系後群も同様LED光照射で極薄いクモリが皆無です。但し後玉 (と言っても厳密には貼り合わせレンズだが) 外周に非常に微細な点キズの集合箇所があり、ハッと見では汚れ状に見えますが、汚れでもクモリでもない微細な点キズです。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:18点、目立つ点キズ:14点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い5ミリ長が数本あります)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・後群側後玉外周附近に非常に微細な点キズの集合があり、パッと見で汚れ状にも見えますが点キズの集まりであり写真に影響ありません。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。またこのモデルは絞り環操作にクリック感がなく無段階式 (実絞り) です。絞りユニット内部に組み込まれている鋼球ボールが移動する音として、このオールドレンズは操作していると内部から「ツルツル」音が聞こえますが、設計上の仕様なので改善できません (クレーム対象としません)。
当初バラす前の実写チェック時点で絞り羽根が閉じすぎていたので、適正な絞り羽根開閉幅 (開口部の大きさ/カタチ/入射光量) に設定しています。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。
詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作はクリック感が無い無段階式(実絞り)でありスカスカの印象です(構造上トルクを与えられません)。
・距離環や絞り環は多少ガタつきを感じますが経年摩耗による内部ハーツの影響なので改善不可能です(事前告知済につきクレーム対象としません)。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・操作していると内部から「ツルツル」音が聞こえてきますが絞りユニットで使っている鋼球ボールが転がっている音であり設計上の仕様なので改善できません(クレーム対象としません)。
・ステップアップリングご希望の場合はご落札後の一番最初のメッセージでご申告下さいませ。その場合附属品の中古フィルターとの交換になります。
(追加で付け足すことはできません)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
↑とうとう最後の本当に最後になってしまった『Tessar 50mm/f2.8《Oberkochen》(M42)』です。最後の1本をオーバーホールする際はどんな心持ちに至るのだろうかと想像しながらでしたが・・まさに感慨深い想いですね(涙) そして今までにオーバーホールした全ての個体で仕上がると「おぉ〜・・!美しい!」と惚れ惚れするから不思議です (差し詰め貴婦人と言った印象でしょぅか)(笑)
・・とにかくクロームシルバ〜がキラキラと眩い (ブライトブラックも美しい)(笑)
今回の個体は内部構成パーツの「直進キー」が経年摩耗で擦り減っており距離環を回した時 (特にピント合わせする時) 極僅かに前後でガタつき感がありますが、摩耗して削れてしまった金属を元に戻すことはできないので改善不可能です (スミマセン!)。
また絞り環側も設計上の仕様から無段階式 (実絞り) なのでスッカスカ状態ですが、これも上下 (前玉/後玉) 方向で極僅かなガタつき感があります (多少ガチャガチャした印象)。これも残念ながら経年で擦り減ってしまった内部パーツ (絞り値伝達環) の問題でやはり改善できません。
つまりは前述の「絞り値伝達板」をエポキシ系接着剤で接着してしまった結果の影響がこういう他の内部パーツに及んで、経年により擦り減ってしまい「摩耗を促す結果に至った」と言わざるを得ません。
確かにマウントアダプタに装着すれば意味を成さない仕組み/機構部なのでしょうが、はたして過去整備者は本当の意味を理解していない「単にバラしてグリースを入れ替え再び組み戻す だけの整備」をしていたようで、実際ヘリコイドグリースには「白色系グリース」が使われて既に「茶褐色」に変質していましたから (真鍮 (黄銅) 材のヘリコイドネジ山摩耗粉混入)、当方がバラすと隠し通すことができませんね(笑)
そしてもちろん当方の手元にはサービスマニュアルの類など1冊もありませんし(笑)、ネット上検索すらしませんがちゃんと各構成パーツを適切な状態で使い切っています。「観察と考察」に「原理原則」に則りオーバーホール工程を進めるとは、そう言う話であり「何故ステンレス材を使っているのか」「どうしてそこだけが真鍮 (黄銅) 材なのか」「何故ここの突出だけに ポリキャップが被さっているのか」などなど、全ての事象/現状にちゃんと意味があり「設計者の意図がちゃんと現れている」からこそ、各部位が連係し合って架けた僅かなチカラをも余すことなく (逃がさず) 100%キッチリと伝えて「素晴らしい操作性と機能性を以て使える」 状態に仕上がるのだと考えています。
↑今回の個体には純正の樹脂製UVフィルター (中古品) が附属していますが、多少硝子面の外周などに経年のカビ除去痕が残ってしまいました (ちゃんと清掃済)。
↑他のモデル同様筐体のサイドには「プレビューボタン」が備わり、ブルーの矢印④のように操作すると設定絞り値まで絞り羽根が閉じるので絞り込み状態の描写を撮影の前にチェックできます (絞り込みボタンとも言う)。その上にあるツマミは絞り環の両サイドにあるツマミです (赤色矢印)。とこの写真を撮影した時点でまだツマミの溝に残っている汚れを視認したので、再び清掃実施しました(笑)
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離45cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありません。またフード未装着なので多少フレア気味だったりします。
↑f値「f11」です。ここまで絞り羽根を閉じてきても「回折現象」の影響を視認できないので光学性能の高さが伺えます。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。
これから先も活躍の場を得ていつまでも立派に使命を果たし続け、寿命を全うして下さい!
頑張れョ・・さようなら・・(涙)