◎ Meyer-Optik Görlitz (マイヤーオプティック・ゲルリッツ) Primotar 135mm/f3.5 zebra《前期型》(exakta)

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この掲載はオーバーホール/修理ご依頼分についてご依頼者様や一般の方々へのご案内ですので、ヤフオク! に出品している商品ではありません。写真付解説のほうが分かり易いため今回は無料で掲載しています。
(オーバーホール/修理全行程の写真掲載/解説は有料)。
オールドレンズの製造番号部分は画像編集ソフトで加工し消しています。


昨年「後期型」をオーバーホールした際当初バラす前のチェック段階で無限遠が甘くなっていました。また今年2月「前期型」をオーバーホールした時も同様にバラす前のチェックで甘い無限遠でした。今回再び「前期型」をオーバーホールしましたが全く同じで無限遠合焦は甘い印象です。

その原因は2つ理由があり、一つは左写真の環 (リング/輪っか) がマウント部内部にセットされていた為に光路長が延伸してしまいフランジバックを超過していました (従って無限遠合焦していない状態)。
フランジバック超過なので距離環距離指標値の「∞」刻印に到達してもなお完璧に無限遠合焦していない状態「アンダーインフ」です。

さらにオーバーホール工程を進めるとやはり今までの2本同様に鏡筒の一部をヤスリ掛けしなければアンダーインフは解消されませんでした。

今回の個体も含めすべてマウント種別は「exakta」です。exaktaマウントのオールドレンズを扱っていると時々無限遠位置がズレている固体に出くわしますが、ここまで完璧にモデルとして無限遠合焦しないのは珍しいです (3本中100%無限遠合焦が甘い)。マウント部にワザワザ環 (リング/輪っか) をセットしていることも同一なので、こうなると当時の「exaktaマウントのフィルムカメラ」の中にフランジバックの設定が異なるカメラが存在していたことになってしまいます。
当方で所有している「exakta→SONY Eマウントアダプタ」は3種類 (日本製1個/中国製2個) ありますが全てで無限遠合焦は甘くなり僅かに甘さの程度が異なる相違しかありません。exaktaマウントはいわゆるバヨネットマウントですから規格上フランジバックの相違は少ないとみていたのですが裏切られてしまったような結果です。

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旧東ドイツの老舗光学メーカー「Meyer-Optik Görlitz (マイヤーオプティック・ゲルリッツ)」は前身である Hugo-Meyer (フーゴマイヤー) が1896年の創業なので相当な歴史を持っています。しかし敗戦時の1945年時点で旧東ドイツ側の主だった光学メーカーが「光学精密機械VEB (局)」に組み入れられたのに対しどう言うワケかMeyer-Optik Görlitzは「軍需産業VEB (局)」に組織されてしまいました。この時点で既に戦前から競合していた他社光学メーカーに遅れを取ってしまったのですが、自社工場を同じ旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaに売却することで念願の「光学精密機械VEB」への編入を実現しています。
ところがこれによって後の1960年代にはMeyer-Optik Görlitzを管理指揮する上位格にCarl Zeiss Jena配下のPENTACON VEBが位置してしまい、今度はPENTACONへの光学レンズ供給を余儀なくされます。つまり、戦前にはCarl Zeiss Jenaに同格なレベルまで登りつめ競合していたにも拘わらず (但し大判フォーマット)、戦後はPENTACONへの製品供給と言う立場に隷属化してしまい次第に経営の悪化は深刻になっていきます。ついに1968年PENTACONに吸収され消滅します。

上図は1961年〜1965年当時の5カ年計画に基づく国家管理体系図です。この時初めて「光学精密機械コンビナート (VVB)」のとりまとめ役代表企業にCarl Zeiss Jenaが抜擢され様々なVEB企業を束ねることになりました (産業工業分野別に24企業が代表企業として登録)。さらに隷下の代表VEBが存在しその中の一つがPENTACON VEBです。なお1966年からの次の5カ年計画では国民経済評議会が消滅し国家計画委員会が産業工業分野別コンビナートを総括して指揮管理する体系に変わりました。この時とりまとめ役企業の直属配下VEBを「VKB」格付に昇格させて隷属VEBの管理権を増大させています。つまりPENTACONは1970年代に入ると4つのVEBを束ねる従業員数8,500人の大企業になります (当時Carl Zeiss Jenaは44,000人の従業員数まで超巨大化していた) が経営難は解消されず、ついにPENTACONも1980年にはCarl Zeiss Jenaに吸収され消滅しました。その後1989年にベルリンの壁崩壊事件が勃発し1990年ついに念願の東西ドイツ再統一が成されその時点でCarl Zeiss Jenaも解体されました (全VVBコンビナートの解体)。

このような当時の背景から、戦前から続くオールドレンズの世界的な流れの中で捉えると、Meyer-Optik Görlitz製オールドレンズはシルバー鏡胴の時代からゼブラ柄を経て、黒色鏡胴へと変遷していく直前で長い歴史を閉じてしまった光学メーカーになります。従って、現在市場で流通しているMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズにはシルバー鏡胴モデルとゼブラ柄モデルだけが流れており、黒色鏡胴モデルのほとんどはPENTACN銘での生産品しか残っていません (PENTACONに吸収後もレンズ資産はPENTACONのモデルとして継承されていった)。

この時代背景を踏まえた上で、当時の中望遠域モデルの格付を考えると、最上位格には「Trioplan 100mm/f2.8 (シルバー鏡胴のみ)」が位置し、その下の格付として「Oreston 135mm/f2.8 (ゼブラ柄のみ)」になり、今回のモデル『Primotar 135mm/f3.5 zebra』は格下の廉価版モデルと言う位置付けになります。

  • Trioplan 100mm/f2.8 (1952年〜1965年):3群3枚トリプレット型光学系 (silver)
  • Trioplan N 100mm/f2.8 (1958年〜1965年):3群3枚トリプレット型光学系 (zebra)
  • Orestor 135mm/f2.8 (1966年〜1970年):4群5枚変形エルノスター型光学系 (zebra)
  • Primotar 135mm/f3.5 (1957年〜1965年):3群4枚テッサー型光学系 (silver / zebra)

同じ焦点距離135mmでも、上位格のOrestorは開放f値が「f2.8」と明るく採ってきたので、さらに大型の製品に仕上がっていますがエルノスター型の第2群を貼り合わせダブレットとした変形型に設計してきました (左写真)。廉価版の格付だった当モデルは開放f値を追求せずテッサー型でまとめてきています。

しかし時系列的に捉えれば最初に登場したTrioplanの後に廉価版の格付で当レンズが登場し、最終的に1966年時点でOrestorに集約させてしまったことが分かります。光学系の設計は後にPENTACONに引き継がれていきます。

【モデルバリエーション】
オレンジ色文字部分は最初に変更になった諸元を示しています。

前期型:1957年発売
絞り羽根:15枚
f値:f3.5〜f22 (プリセット絞り機構:有)
筐体カラーリング:シルバー/ゼブラ柄
絞り環ローレット (滑り止め):シルバー/黒色
距離環ローレット (滑り止め):シルバー/ゼブラ柄
鏡胴の露出 (長さ):長い

後期型
絞り羽根:15枚
f値:f3.5〜f22 (プリセット絞り機構:有)
筐体カラーリング:ゼブラ柄のみ
絞り環ローレット (滑り止め):ゼブラ柄
距離環ローレット (滑り止め):ゼブラ柄
鏡胴の露出 (長さ):短い

  
   
   
   

上の写真はFlickriverで、このモデルの実写を検索した中から特徴的なものをピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)

1段目
左端からシャボン玉ボケ→玉ボケへと替わっていく様をピックアップしてみました。

2段目
左端から玉ボケが破綻して円形ボケ/背景ボケへと変わっていく様を集めています。

3段目
今度は背景ボケに特徴的な収差 (効果) が伴う幻想的な印象をピックアップしました。

4段目
最後はピント面のエッジに伴う微かなハロによる画造りの印象と被写界深度/ゴーストです。

光学系は典型的な3群4枚のテッサー型構成です。ネット上の解説などを 見ているとシャボン玉ボケを表出させられる光学系として3枚玉トリプレット型を挙げているサイトがありますが、Meyer-Optik Görlitz製オールドレンズのその他モデルを見れば一目瞭然で変形エルノスター型 (Oreston) や当レンズテッサー型でもシャボン玉ボケは出せます。もっと言えばMeyer-Optik Görlitzが消滅した後のPENTACON 135mm/f2.8でさえも変形エルノスター型光学系ながら大変キレイなシャボン玉ボケを表出します。

つまりシャボン玉ボケは3枚玉トリプレット型光学系だけの特徴ではなく、あくまでもMeyer-Optik Görlitzは何か別の目的で光学系を設計していて、その副産物としてたまたまシャボン玉ボケが表出し現在のミラーレス一眼時代になって初めて注目された (当時は収差として認知されていた) だけだと考えますし、もっと言えば中望遠域オールドレンズのみならず標準レンズ域のモデルでもキレイなシャボン玉ボケを表出できるモデルがあるので (例:FUJINON 55mm
/f2.2など) 光学系をどのように狙って設計してきたのかで違うだけだと思います。

同時に一部ライターやネット上で間違って案内されていますが絞り羽根が閉じていく時のカタチ (開口部) が丸くなる「円形絞り」で、且つ真円に近いカタチだけがキレイな円形ボケ (ひいてはシャボン玉ボケ) に至ると説明されています。しかし例えば日本製のFUJINON 55mm/
f2.2は大変キレイなシャボン玉ボケを表出できますが絞り羽根枚数はたったの5枚であり、絞り羽根が開放から閉じていく時のカタチ (開口部) は決して円形になることがありません (常に五角形のまま最小絞り値に至る)。つまり円形ボケやシャボン玉ボケになるかどうかを決めているのはあくまでも光学系の設計が問題なのであり、決して絞り羽根の枚数や開口部のカタチ (円形絞り) に左右されないと当方は考えています。

たまたま時代として最初は円形絞りの概念だけで設計していた絞り羽根がその後発展して枚数を減らし自動絞り方式に対応して変わっていっただけであり、古いシルバー鏡胴モデルだけが美しい円形ボケになるワケでもないハズです (FUJINONの説明ができない)。

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。内部構成パーツが多めに見えますが中望遠域のモデルなので筐体サイズが大型化しているだけで内部構造や構成パーツはすべて「前期/後期」で同一です。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。

↑15枚の絞り羽根を組み付けて絞りユニットを完成させます。キレイな真円に近い「円形絞り」ですね。

↑この状態で鏡筒を立てて撮影しました。赤色矢印が指し示しているのは絞りユニット内部の「開閉環」と言う絞り羽根を開閉させている環 (リング/輪っか) です。そこに1つだけネジ穴が用意されており、ここに「シリンダーネジ」が1本ネジ込まれます。

↑プリセット絞り環を単にハメ込んだだけです (まだ固定できない)。このプリセット絞り環に前述の「開閉環」にネジ込まれたシリンダーネジが刺さって連結し、後でこの上に被さる絞り環を回すことで絞り羽根が開閉する仕組みです。

↑上の写真はその「シリンダーネジ」を撮影しましたが、ご覧のように円柱にネジ部が切削されたネジ種です。僅か⌀1.5mm径の円柱に削られた「」部分はたったの⌀1mmです (しかもアルミ合金材)。

↑後からセットできないので光学系前後群を組み付けてしまいます。絞り環を下方向から押さえ込む基準の「」マーカーが刻印されている指標値環が入ります。これでようやくプリセット絞り環の位置が確定したことになるのですが、当初バラす際にこの指標値環をムリにチカラを加えて回すと内部から「パンッ」という音が聞こえてきて前述のシリンダーネジが軸から折れてしまいます。当方は今まで折ったことがありませんが過去にオーバーホールしたTrioplan 100mm/f2.8では既に折れていた個体があったりしました。

シリンダーネジ」が折れたら軸部分が「開閉環」のネジ穴に残ってしまい、もちろん代用品が無いのでイキナシ「製品寿命」です。バラす時は非常に恐ろしい思いをしながら解体していることになります (たぶんシリンダーネジが折れると音が聞こえる)・・。

↑前玉とレンズ銘板を兼ねるフィルター枠の内部にはご覧のような円形ばねが入り、ここで絞り環のクッション性を実現しています。

絞り環」を前玉側方向に引き上げ希望する設定絞り値まで回してから指を離すとカチンと填り、開放f値「f3.5」と設定絞り値との間で無段階式 (実絞り) での絞り羽根開閉が実現します (プリセット絞りの仕組みですね)。

↑これで鏡胴「前部」の完成です。この後は鏡胴「後部」の組み立て工程に入ります。

↑今回の個体は「前期型」モデルなので基準「」マーカー刻印がある指標値筒の長さが長いことになります (後期型は短い)。内側にはヘリコイド (メス側) のネジ山が切削されています。

↑距離環 (ヘリコイド:オス側) を無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。

この後はマウント部をセットして鏡胴「前部」をネジ込めば完成です。工程としてはそれだけの話なので簡単なのですが冒頭の解説のとおりこのままではフランジバックが超過しているので無限遠が合焦しません (甘い画質のまま)。まずマウント部内部にセットされていた環 (リング/輪っか) は組み込まずに鏡胴「前部」をセットしましたが、やはり無限遠の描写は甘い感じです (僅かに鋭く改善)。

そこで仕方なく鏡胴「前部」を再びバラして鏡筒のネジ込み位置を少し切削し組み上げます。削った状態で鏡胴「前部」を鏡胴「後部」にネジ込んで無限遠位置を確認すると、多少改善したもののまだまだ甘い印象です。さらに鏡胴「前部」をバラして削っての作業をまた繰り返します。

この工程を4回ほど繰り返して初めて無限遠合焦しました (実際はマウントアダプタ装着を考慮して僅かにオーバーインフに調整)。時間にして2時間ほどですが、今度は鏡胴「前部」のネジ込みが変化したので (削ったから) 鏡胴の前後で基準「」マーカーが一直線上に並ばなくなってしまいます (分かっていて作業しています)。

従って次は基準「」マーカー位置がちゃんと一直線上になるよう調整を施すために再びバラして組み直す作業を執り行います。調整が完了したら無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認をそれぞれ執り行えば完成です。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。

↑専用の純正金属製フードが附属しています。フードを装着しないとハレ切りが不足してコントラストが低下してしまいます。

↑光学系内の透明度は非常な高い状態を維持しています。一部第3群の外周附近にカビ除去痕が汚れ状に残っていますがコーティング層を浸食したカビだったので消すことはできません (写真には一切影響せず)。

↑後玉が奥まった位置なので見えませんがとてもクリアです (外周附近のカビ除去痕と非常に薄い繊細なヘアラインキズが残っています)。

↑当初バラす前のチェックでぎこちない動きをしていた絞り環 (プリセット絞り環含む) は大変滑らかに回るようになりましたし、プリセット絞り操作時も軽い引き上げで絞り環を持ち上げられるよう調整済です (当初は重かった)。もちろん絞り羽根の開閉操作もとても滑らかに然し相応のトルクを以て回すことができるよう配慮して調整済です (スカスカではない)。

↑鏡胴は至る処に経年の塗膜カビ (光に翳した時に大きな斑模様に見える部分) があったので当方にて「磨きいれ」を行い最後はちゃんと業務用中性洗剤で洗浄したのでとても清潔です。もちろん距離環や絞り環などのローレット (滑り止め) ジャギー部分もちゃんとブラッシングしてあるので経年の手垢や汚れなど除去できています。刻印指標値は一部が洗浄時に褪色してしまったので当方にて着色しています。

塗布したヘリコイドグリースは黄褐色系グリース粘性中程度」を使ったので全域に渡り完璧に均一なトルク感で滑らかに距離環を回すことができます。トルク感は「普通」人により「重め」に感じますがヘリコイドの長さがあるので軽くすることができません (ネジ山の距離が長いから)。またこのモデルのピントの山が掴みにくいのであまり軽すぎても却ってピント位置が微動してしまいピント合わせが辛くなります。

それらの事柄を配慮してちょうど良いトルク感に仕上げたつもりです。

↑鏡胴は経年の使用感があまり感じられないキレイな状態を維持した個体ですが一部にはハガレや擦れキズ、キズや凹みなどがあります。

↑距離環の縁に一部ご覧のような擦れ痕が残っています。

↑附属の純正金属製フードも1箇所がご覧のように着色した痕が残っています。

↑鏡胴の両サイドに刺さっている「直進キー」の片側はご覧のように周囲が剥がれています。

↑マウント部の縁も1箇所打痕があり大きく凹んでいたので (調達時の写真には写っておらず分からなかった部分) 当方にて修復しています。

無限遠位置 (当初バラす前の位置から調整済/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

無限遠位置は距離環距離指標値の1目盛分オーバーインフ状態にセットしました (マウントアダプタ装着時に40m位置で鋭く無限遠合焦します)。なお附属の純正金属製フード以外に中古ですがKenko製MCフィルターをサービスで同梱しています。経年のキズや汚れなどがありますが一応ちゃんと使えますしもちろんガラス部分はカビ除去や清掃を実施済です。

従ってフィルターやフードを強めにネジ込んでしまうと外す際にフィルター枠 (レンズ銘板を兼ねる) 部分まで一緒に回ってしまい前玉が露出してしまいます。その時「円形ばね」まで外れてしまいますからセットすることができないと思います (少々コツが必要なので)。ご使用に際し充分ご留意下さいませ (フィルターとフードは余り強くネジ込まないで下さい)。一応フィルター枠部分が簡単に回らないよう強めにネジ込んでありますが固定されている設計ではないのでお気をつけ下さいませ。

↑当レンズによる最短撮影距離1.6m付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f5.6」で撮影しました。

↑f値は「f8」に変わっています。

↑f値「f11」になりました。

↑f値「f16」です。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。絞り羽根が閉じてきたので「回折現象」が極僅かですが発生しコントラスト低下を招いています。「回折現象」は閉じた絞り羽根の裏面側に入射光が入ってしまい撮像面まで到達しないことに拠る光量不足から発生するコントラスト低下などの現象を指します (入射光は光なので波長として捉えると絞り羽根の裏面側に逃げてしまう現象が発生する)。その意味では光量が十分確保できる画角に撮影位置を変更するか、或いは絞り羽根を1段〜2段分くらい開けて (戻して) 閉じすぎないようにすることで回折現象は避けることができます。

今回のオーバーホール/修理ご依頼誠にありがとう御座いました。