◎ Revue (レビュー) MC MACRO-REVUENON 35mm/f2.8《ENNA製》(M42)

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今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツのRevue製広角レンズ『MC MACRO-REVUENON 35mm/f2.8《ENNA製》(M42)』です。

この「Revue (レビュー)」と言うブランド銘は、旧西ドイツのバイエルン州フュルトで1927年に創業した通信販売専門商社「Quelle (クェレ)」の写真機材部門が発行していた100ページ以上に及ぶ写真専門誌「Foto-Quelle」にて、オリジナル・ブランド銘として使われていたようです。フィルムカメラや交換用レンズ、或いはアクセサリなど多数を販売していました。Quelleはすべての商品を自社開発せずにOEM生産に頼った商品戦略を執っており、オールドレンズに関しては日本製や韓国製、或いはドイツ製などで製品群を揃えていたようです。

そして、今回のモデルは同じく旧西ドイツのENNA (エナ) 社から1970年代初頭に発売された「MC MACRO-ENNALYT 35mm/f2.8 (M42)」を原型モデルとするOEMモデルで、他に同じ旧西ドイツのPORST (ポルスト) 社にも供給されていました。ENNALYTとの相違はレンズ銘板とフィルター枠部分のパーツ設計、及びレリーズソケットの有無くらいで、それ以外の内部構造や構成パーツなどは全く同一のままで生産されていました。

今までに原型モデルのENNALYTやPORSTモデルなどをすべてオーバーホールしているので、内部構造の相違点や構成パーツも含めて完全に把握しているのですが、筐体外装に限らず内部の構成パーツのほとんどがエンジニアリング・プラスティック製なので、実はオーバーホール工程に於ける調整の難しさから2年前から調達を敬遠していました。しかし、昨年オーバーホール/修理にてPORST製広角レンズ「PORST MACRO-Weitwinkel 35mm/f2.8 MC auto (M42)」のメンテナンスをしてから、その描写性のポテンシャルが高いことを再評価し今回の調達に至った次第です。

光学系は5群6枚のレトロフォーカス型ですが、最短撮影距離が26cmと言う準マクロレンズ並みの近接撮影を実現するために第5群を貼り合わせレンズ (2枚の光学硝子レンズを接着剤を使って貼り合わせてひとつにしたレンズ群) として設計しています。また、第2群は裏面が極僅かに凸の両凸レンズで設計しており (レトロフォーカス型で多いのは平凸レンズ)、逆に第3群を凸メニスカスにするなど鋭いピント面を構成しながらも収差の改善を追求した光学設計の拘りを感じます。

上の写真はFlickriverにてこのモデルでの実写を検索した中から特徴的なものをピックアップしましたが、左上から「リングボケ・玉ボケ・油絵風・水彩画風・被写界深度・逆光耐性」です (クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)。

特に左上のリングボケを見ると分かりますが、ピント面のアウトフォーカス部がすぐに破綻してしまいボケ始めるのでエッジが崩れることから輪郭を明確に出さない円形ボケになってしまいます。つまりリングボケが苦手であり、強いて言えばその次の玉ボケさえも表出させるのが難しいようです。これは、モデル銘に「MACRO」を謳っているくらいですからトロトロのボケ味になることを意識的に優先した光学設計なのが影響しているのかも知れません。
それは下段中央の「被写界深度」を現す写真を見ても分かるとおり、被写界深度が狭いことから階調が滑らかでトロトロなボケ味と相まり結果的にマクロ撮影しているかのような描写性に仕上がる「準マクロ」の性格が如実に表れていることの現れではないかと考えています。

つまり、敢えて標準マクロ (焦点距離:50mm) との差別化を狙った製品戦略 (何故ならばENNALYTに標準域マクロが存在しない) から来ていることから「準マクロ」として焦点距離「35mm・28mm・24mm」でMACRO銘を採ってきたのではないかという考察です。結果、広角レンズとしてのポテンシャルは相当なものであり、最短撮影距離26cmながらも準マクロの性格付けから来る使い勝手の良さは何物にも代え難い貴重な一本ではないかと考えます。

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。なんだか環 (リング/輪っか) がたくさんあるように見えますが、実はベース環なので意外とパーツ点数は少なめです。当方が4年前に初めてENNALYTを調達してオーバーホールに挑戦した理由も、実はそのような推測からでした。
今回のモデルは、おそらく1970年代後半辺りから登場していたモデルでしょうから、プラスティック製ならば内部の構造も簡素化/合理化が進み構成パーツの点数は少ないだろうと踏んだのですが、甘すぎました(笑) パーツ点数が問題なのではなく、自らのスキルでは全く歯が立たないことを悟った次第であり、当時の自分はまだ純粋で可愛かったのだと懐かしいですね (今はひねくれ者)(笑)

少々脱線しますが、最近のヤフオク! では整備済で出品されるのをポチポチ見かけるようになり良いことですね。そうは言っても主流は「完全解体しない整備」止まりなワケですが、中には光学系の硝子レンズだけ清掃して出品している出品者も居ます (某協会に出している?)。
いずれにしても、何もやらないよりはマシなワケで、後は包み隠さず/ごまかさずオールドレンズの状態を記載してくれればと願うばかりです・・。

そんな中で、当方はオーバーホール主体などとキレイ事を言っても、結末はオールドレンズを転売して利益を得ている「転売屋/転売ヤー」ですから、単に右から左へ売り捌いているエゲツナイ部類と同じ穴の狢です (単に利益の性質が異なるだけの違いしか無い)(笑)

しかも、プロがオーバーホールすると「施工」になるらしいので恐れ入ってしまいます。当方には設計図面も各部位の仕様諸元も何も無く、もちろん機械設備も検査設備も皆無であり(単に簡易検査具でチェックしているだけ)、自らの経験値による「原理原則」を判断の基準として「観察と考察」だけで臨んでいるオーバーホールは、まさしくヤフオク! で信頼が高く有名な出品者の方々が仰っている厳密な計測に基づかない「勘に頼った手による曖昧な整備」そのモノです。何故ならば、プロのカメラ店様や修理専門会社様には、0.1mm単位での検査や光軸ズレを10倍もの精度で計測できる機械設備が揃っているワケで、当方のような目視に頼る確認しかできないメンテナンスなどとは、まさしく天と地の差です。

その上、限られたオールドレンズ資産を有効活用し復元すると言う「社会的意義」も伴うのがさすがプロのオーバーホールらしいのですが、日々生活のためだけにのたうち回っている当方には何の目標も理念もありません(笑) ただただ、オールドレンズご愛用者の皆様方に喜んで頂けるよう、低い技術スキルながらも一切の妥協を捨て (だから完全解体のDOHに拘っている) 何度組み直そうが何時間かかろうが関係なく誠心誠意努力することしかできませんね。
社会的貢献どころか、むしろ皆様に支えられ助けられている始末であり、本当に穴があったら入りたい気持ちです()
皆様への感謝の念は365日絶えることがありませんね・・ありがとう御座います!

↑話が反れました (スミマセン)。絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒 (ヘリコイド:オス側) です。鏡筒の最深部に絞り羽根が刺さる「位置決め環」が用意されていますが、何だかヌメヌメとした凹凸があるのはプラスティック製だからです (つまり平ではない)。プラスティック製ながらも、ちゃんと絞り羽根に対する抵抗/負荷/摩擦が生じないよう表層面には平滑処理が施されているワケで、可能な限り絞り羽根との接触面積を減らすが為に極僅かな凹凸が用意されています。

↑こちらの写真は6枚の絞り羽根を組み付けてから絞り羽根の「開閉環」と言う絞り羽根を開いたり閉じたりする環が入ります。しかし、この開閉環の周りには82個のベアリングが入っており、テキト〜にザザッと流し込んでも開閉環は上手く回ってくれません (相手がエンジニアリング・プラスティック材だから適正な位置にベアリングが落ち着かない)。82個のベアリングを均等に入れ込みつつ絞り羽根の開閉動作を確認しつつ作業を進めていきます。

↑前述の開閉環を固定する真鍮製の固定環で締め付け固定して絞りユニットが完成しますが、ここがまた厄介で、この真鍮製の固定環を最後まで締め付けると絞り羽根の開閉異常に至ります。しかも、どう言うワケかカニ目溝ではなく穴が1箇所空いているだけですから、必然的に締め付け工具は限られます。

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。ご覧のようにエンジニアリング・プラスティック製のヘリコイド (オス側) が用意されており、絞りユニットには「開閉アーム」が備わっています。この開閉アームに「溝」が用意されているのは、距離環の回転に伴い鏡筒が直進動するので、その繰り出し量分長さが必要だからですね。

↑鏡筒を別の角度から撮影しました。「直進キー」とは距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目のパーツですが、このモデルでは一体成形で用意されています。

↑距離環やマウント部が組み付けられる基台ですが、やはりエンジニアリング・プラスティック製です。指標値は刻印ではなく「転写印刷」なので、剥がれたりしていても着色することができません。

↑基台に裏側を撮影しました。前述の「直進キー」が通る「直進キーガイド」が備わっていますが、ここが経年の使用で摩耗して削れてしまうと途端に鏡筒のガタつきが発生してしまい、撮影のピント合わせ時に距離環の回転方向切り返しで「画の左右ブレ」が発生します。しょっちゅうピント位置を調整していると人によっては酔ってしまいそうな感覚を覚えるかも知れません。
実は、当方がこのモデルをエンジニアリング・プラスティック製だからと敬遠していた最大の理由が、この「鏡筒の左右ブレ」であり、そのような現象に至っている個体が市場には流れています。一度摩耗して削れてしまったプラスティック材は元に戻せないので致命的です。

↑直進キーガイド部分をさらに拡大撮影しました。今回の個体はラッキ〜なことに擦り減っていないので、鏡筒の左右ブレは一切発生していません。

↑実は、ヘリコイド (メス側) は「空転ヘリコイド」になっているのです。このモデルの内部構成パーツのほとんどがエンジニアリング・プラスティック製ですが、ヘリコイド (メス側) だけは金属製です。その他、固定環やベース環なども真鍮製で用意されています。

「空転ヘリコイド」は、ストッパーが無ければ何処までもグルグルと回し続けることが可能なヘリコイドを指しますが、相手がエンジニアリング・プラスティック材なので当方で用意している5種類のヘリコイド・グリース (黄褐色系グリース:軽め・中程度・重め/白色系グリース:軽め・重め) では対応できず、最もトルクムラが少ない「粘性:重め」を塗布しています (6回組み直して全て試しましたがトルクは重めです)。

と言うのも、実は今回の個体は過去メンテナンス時に「潤滑油」を注入されてしまったようで「空転ヘリコイド」の金属に潤滑油の成分が既に浸透しておりどうにもなりません。従って、オーバーホール後の距離環を回すトルク感は「重め」に仕上がっていますので、ピント合わせ時には少々チカラをかけて微調整する必要があります (これ以上改善できません)。

↑「空転ヘリコイド」を組み付けてから固定環で締め付け固定したところです。このモデルで、この「空転ヘリコイド」を滑らかで軽い操作性に仕上げられたことが無いので、おそらく当時の「純正グリース」でない限り適正なトルク感に仕上げられないと思います・・。

↑鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で5箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

↑距離環を仮止めしておきます・・。

↑この状態でひっくり返して撮影しました。前述の「直進キー」と「直進キーガイド」がどんな感じで入っているのか写っています。また、絞り環のクリック感を伴う「絞り値キー」もプラスティック材の「溝」として用意されているので、必然的に経年の使用で摩耗して擦り減ってしまった個体の場合にはクリック感が軽くなってしまいます (今回の個体は大丈夫です)。

↑絞り環やスイッチ環はご覧のように非常に薄い肉厚で用意されているので、このモデルに於ける絞り環やスイッチ環の「割れ/破損」は即そのまま「製品寿命」に至ります。市場にはテーピングして修復させている個体なども流れていたりしますから、シッカリ写真をチェックして入手しなければイケマセン (テーピングや瞬間接着剤で接着してもすぐに割れた箇所は再び外れる)。何故ならば、このベース環の上に被さるように入っているのが、それぞれの絞り環とスイッチ環であり、ベース環の表面を回っている動き方をしているからです (従って割れたらアウト)。

↑さらにどうしようもない設計なのがクリック感を実現している「ベアリング+コイルばね」が入る箇所です。上の写真のとおりコイルばねが入る格納筒さえもプラスティック製で用意されており、且つご覧のように突出している構造ですから、この付け根がポロッと折れたらアウトですね(笑)
つまりこのモデルでクリック感に違和感を感じるとか、絞り羽根の開閉がおかしいからとムリなチカラを掛けて絞り環操作すると・・やはり致命的な結末に至ります。

↑「ベアリング+コイルばね」を組み込んでから絞り環をセットして絞り環用の「固定環」で締め付け固定したところです。このモデルで使われているベアリングは「⌀2mm径」の大きめなベアリングですから (小径のベアリングだと容易にプラスティック材が削れてしまうから)、必然的にコイルばねのチカラも相応にあるので、前述のコイルばね格納筒が折れてしまいクリック感が無い「無段階絞り」に陥っている個体も多く出回っていますから要注意です。

↑こちらは今度はスイッチ環側の「コイルばね格納筒」を撮影しました。同じように突出した設計なので、ここも簡単に折れてしまいます。つまり、普段の操作時に思いっきりチカラを掛けてカチカチと操作しないほうが無難と言うことになりますね (フツ〜のチカラならOKです)。

↑内部はこのような感じになっています。マウント面の絞り連動ピンの押し込み動作に連動して動く「絞り連動ピン連係アーム」と、スイッチ環の設定に連係する「カム」が駆動部分になりますが、何と「カム」までエンジニアリング・プラスティック製ですから、この軸の周りが擦れ減ったら、やはり「製品寿命」です。

↑「カム」には「絞り羽根を常時開こうとするチカラ」と「絞り羽根を常時閉じようとするチカラ」を及ぼしている2本の「捻りバネ」が附随しており、互いにチカラのバランスの中で適正な絞り羽根の開閉を行っていますから、この2本の捻りバネのどちらか一方が弱っただけで「絞り羽根開閉異常」に至ります (上の写真では捻りバネの片側しか見えていません)。

↑こんな感じで捻りバネのチカラに拠ってカムがグリーンの矢印のような動き方をしています。この時、必然的に前述の「絞り連動ピン連係アーム」もカムからの力を受けて操作されていますから、カムには相当なチカラが及んでいると言わざるを得ません。つまり、このモデルでの心臓部は「カム」と言うことになりますね。

↑スイッチ環に「ベアリング+コイルばね」を組み付けてセットしたところですが、ベアリングが大きいので上の写真のとおり浮き上がってしまいます。

↑マウント部を組み付ける際に各部位との咬みあわせ (3箇所) をキッチリ執り行いつつカチッと言う音がするまで被せます。この瞬間が一番恐ろしいワケで、3箇所の噛み合わせがキッチリ適合していないままに被せるチカラを加えてしまうと、聞こえてくる音は「カチッ」ではなく「パキッ」になります(笑) つまり前述の「コイルばね格納筒」が折れた音ですね・・あぁ〜怖い!(笑)

この後は光学系前後群を格納して無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (それぞれ解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。

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DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑正直な話、エンジニアリング・プラスティック製のこのモデルは組み上げ工程に相当な神経を遣うので、やはり扱いたくないですね(笑) 従って、気持的にはまた敬遠したい思いのほうが強いです・・1年くらいしてほとぼりが冷めたらまた扱いましょうか。

↑光学系内の透明度は高い部類ですが、第1群 (前玉) の表面コーティング層には経年の使用によるコーティングハガレが相応に多くあります。拭きキズやヘアラインキズ、或いは点状キズの類ですが、実はこれらはすべてコーティング層のハガレだけなので、上の写真のとおり光学硝子レンズのキズではありません (つまりLED光照射時でもほとんど視認できない)。

これが硝子面へのダイレクトなキズだと、どのような角度から覗き込んでも必ず視認できてしまいますから逃げようがありません (ごまかしようが無い)。

また第2群や後群内の硝子レンズにはコーティング層の経年劣化に伴う極僅かな汚れ状もほんの少しだけありますが、いずれもLED光照射では「言われてジックリ探すとそうかな?」と疑いの箇所を見つけられる程度のレベルですから、写真には一切影響しません。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。いずれも極微細な点キズを撮っていますが前玉表面のコーティング層ハガレだけが目立っています。これらの拭きキズ/ヘアラインキズに見える部分は、見る角度によっては消えてしまうので (特に3枚目の写真など) コーティング層のハガレであり硝子面に付いてしまったキズではないことがご理解頂けると思います。

まぁ、前玉なので本来写真には影響しないのですが、ましてやコーティング層のハガレとなれば入射光は透過しているので全く問題ありません。その意味で当方ではコーティング層の経年劣化に伴う「クモリ/薄いクモリ」のほうを重要視してチェックしている次第です (コントラストの低下などの要因になるため)。

↑光学系後群も透明度が高い状態を維持した個体です。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが後玉にはカビ除去痕が2箇所ほど残っています。

【光学系の状態】</B>(順光目視で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:10点、目立つ点キズ:7点
後群内:16点、目立つ点キズ:12点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり
・バルサム切れ:無し (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:無し
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):皆無
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが実際はカビ除去痕としての極微細な点キズです (清掃しても除去できません)。
光学系内の透明度が非常に高い個体です
・前玉の表面には見る角度によって視認できる拭きキズやヘアラインキズ、或いは点キズが多く見えますが、ほとんどは表面コーティング層のハガレなので見る角度で視認できなくなります (硝子面のキズの場合はどの角度でも視認できるのでコーティング層のハガレと判定しています)。従って写真に影響はほとんどありません (クレーム対象としません)。
・いずれもすべて写真への影響はありませんでした。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。

ここからは鏡胴の写真になりますが、極僅かに経年の使用感を感じる個体です。過去メンテナンス時に整備者が溶剤で触ってしまったと思しき痕が指標値環等に複数残っていますが、当方による「磨きいれ」を筐体外装に施したので相応に落ち着いた美しい仕上がりになっています (但し指標値附近は印刷が剥がれるので未処置です)。

一般的にプラスティック製パーツの磨きは微細なキズを却って増やしてしまう結果に至りますが、当方は過去に家具屋などにも勤めていた関係からプラスティック材表層面の「磨きいれ」も職人から伝授頂いておりキレイに磨けています (もちろん光沢剤など塗ったりしていません)。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:軽め」を塗布しています。距離環や絞り環の操作はとても滑らかになりました。
・距離環を回すトルク感は「重め」で滑らかに感じトルクは全域に渡り「ほぼ均一」です。
・トルクムラがあるのでピント合わせ時に多少操作し辛く感じる箇所があります (0.28〜0.26m)。

【外観の状態】(整備前後拘わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。

↑距離環を回す際のトルク感は少々重めに感じますが、ピント合わせに難儀するほどではないと判定しています。確かにこのモデルのピントの山がアッと言う間なので、下手に軽すぎるとピント合わせが却って面倒だったりしますが、それでも重めです。

絞り環の操作性はクリック感が小気味良く軽い操作に戻りました (当初は硬くて動かず)。また、スイッチ環はそれなりにチカラを入れて操作されても内部が割れたりしないよう確実に噛み合わせて締め付け固定させているので、特に操作時神経質になる必要はありません (普通の操作で構いません)。

その意味で、今回の個体はオーバーホールの甲斐あって普通に安心してご使用頂けるのですが、オーバーホールしている身にとっては厄介なモデルのひとつですね。これで距離環のトルクが重くなければ万々歳だったのですが仕方ありません・・。

この後の各絞り値での実写で最後の最小絞り値「f16」の写真をご覧頂くと分かりますが、最小絞り値でも背景が辛うじてボケており「さすが」と言いたくなりますね・・ポテンシャルは相当なものです。

↑当レンズによる最短撮影距離26cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しています。

↑絞り値はf値「f5.6」になりました。

↑f値「f8」になります。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。