◎ Revue (レビュー) MC MACRO-REVUENON 28mm/f3.5《ENNA製》(M42)
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今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツのRevue製広角レンズ『MC MACRO-REVUENON 28mm/f3.5《ENNA製》(M42)』です。
この「Revue (レビュー)」と言うブランド銘は、旧西ドイツのバイエルン州フュルトで1927年に創業した通信販売専門商社「Quelle (クェレ)」の写真機材部門が発行していた100ページ以上に及ぶ写真専門誌「Foto-Quelle」にて、オリジナル・ブランド銘として使われていたようです。フィルムカメラや交換用レンズ、或いはアクセサリなど多数を販売していました。Quelleはすべての商品を自社開発せずにOEM生産に頼った商品戦略を執っており、オールドレンズに関しては日本製や韓国製、或いはドイツ製などで製品群を揃えていたようです。
今回のモデルは同じく旧西ドイツのENNA (エナ) 社から1970年代前半に発売された「MC MACRO-ENNALYT 28mm/f3.5 (M42)」を原型モデルとするOEMモデルで、他に同じ旧西ドイツのPORST (ポルスト) 社にも供給されていました。ENNALYTとの相違はレンズ銘板とフィルター枠部分のパーツ設計、及びレリーズソケットの有無くらいで、それ以外の内部構造や構成パーツなどは全く同一のままで生産されていました。
なお、ENNA社からは当時他にも同じ焦点距離で最短撮影距離が準マクロ域に到達していないモノコーティングのフツ〜の広角レンズも多数発売されていました。
上の写真は、それら普通の広角レンズ群を1960年代前半から登場した古い順に左から順に列挙してみました。
- ULTRA-LITHAGON 28mm/f3.5
- Regula-ULTRA-LITHAGON 28mm/f3.5 C
- Ultra-Lithagon 28mm/f3.5 zebra (SOCKEL SYSTEM)
- ENNALYT 28mm/f3.5
・・とまぁこんな感じですが、3番目の「SOCKEL SYSTEM (ゾッケル
・システム)」とは、鏡胴からマウント部までを共通に使い回して焦点距離が異なる「レンズヘッド」部分を交換できる着脱式のレンズシステム製品を指し、当時としては画期的な製品だったようですが、鏡胴側の構造が複雑なために距離環を回すトルクが重すぎて、実用できるレベルとは言い難い個体が市場には多く流れているので要注意です (過去にオーバーホールの実績数本あり)。
ちなみに、最後の4番目は最短撮影距離が準マクロ域に到達していないほうのENNALYTです。
今までに原型モデルのENNALYTやPORSTモデルなどをすべてオーバーホールしているので、内部構造の相違点や構成パーツも含めて完全に把握しているのですが、筐体外装に限らず内部の構成パーツのほとんどがエンジニアリング・プラスティック製なので、実はオーバーホール工程に於ける調整の難しさから2年前から調達を敬遠していました。しかし、昨年オーバーホール/修理にてPORST製広角レンズ「PORST MACRO-Weitwinkel 35mm/f2.8 MC auto (M42)」のメンテナンスをしてから、その描写性のポテンシャルが高いことを再評価し今回の調達に至った次第です。
光学系は6群6枚のレトロフォーカス型ですが、最短撮影距離が20cmと言う準マクロレンズ並みの近接撮影を実現するための工夫が見られ、第2群は凸メニスカスで設計しており (レトロフォーカス型で多いのは平凸レンズ)、逆に第3群を両凸レンズにするなど鋭いピント面を構成しながらも収差の改善を追求した光学設計の拘りを感じます。
上の写真はFlickriverにてこのモデルでの実写を検索した中から特徴的なものをピックアップしましたが、左から「円形玉ボケ・水彩画風・被写界深度・逆光耐性」です (クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)。
特に左端の円形ボケを見ると分かりますが、ピント面のアウトフォーカス部がすぐに破綻してしまいボケが溶け始めるのでエッジが崩れることから輪郭を明確に出さない円形ボケになってしまいます。つまりリングボケが苦手であり、強いて言えばその次の玉ボケさえも表出させるのが難しいようです。これは、モデル銘に「MACRO」を謳っているくらいですからトロトロのボケ味になることを意識的に優先した光学設計なのが影響しているのかも知れません。
それは3番目の「被写界深度」を現す写真を見ても分かるとおり、被写界深度が狭いことから階調が滑らかでトロトロなボケ味と相まり結果的にマクロ撮影しているかのような描写性に仕上がる「準マクロ」の性格が如実に表れていることの現れではないかと考えています (但し玉ボケが苦手なのでエッジが角張って出てくることもある)。
つまり、敢えて標準マクロ (焦点距離:50mm) との差別化を狙った製品戦略 (何故ならばENNALYTに標準域マクロが存在しない) から来ていることから「準マクロ」として焦点距離「35mm・28mm・24mm」でMACRO銘を採ってきたのではないかという考察です。結果、広角レンズとしてのポテンシャルは相当なものであり、最短撮影距離26cmながらも準マクロの性格付けから来る使い勝手の良さは何物にも代え難い貴重な一本ではないかと考えます。
オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。
↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。内部構造は別件で出品している「MC MACRO-REVUENON 35mm/f2.8《ENNA製》(M42)」と全く同一です。しかし、バラしてみると一部パーツがエンジニアリング・プラスティック製から金属製に変わっていました。残念ながら、このモデルにはどう言うワケか「製造番号」が一切刻印されていないので、個体別の新旧が全く判断できません。初期の頃には金属製だったパーツが後期にはエンジニアリング・プラスティック製に変わったのか、或いはその逆なのか不明です。↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒 (ヘリコイド:オス側) です。鏡筒の最深部に絞り羽根が刺さる「位置決め環」が用意されていますが、何だかヌメヌメとした凹凸があるのはプラスティック製だからです (つまり平ではない)。プラスティック製ながらも、ちゃんと絞り羽根に対する抵抗/負荷/摩擦が生じないよう表層面には平滑処理が施されているワケで、可能な限り絞り羽根との接触面積を減らすが為に極僅かな凹凸が用意されています。
↑こちらの写真は5枚の絞り羽根を組み付けてから絞り羽根の「開閉環」と言う絞り羽根を開いたり閉じたりする環が入ります。しかし、この開閉環の周りには76個の鋼球ボールが入っており、テキト〜にザザッと流し込んでも開閉環は上手く回ってくれません。76個の鋼球ボールを均等に入れ込みつつ絞り羽根の開閉動作を確認しつつ作業を進めていきます。
実は、この「開閉環」がエンジニアリング・プラスティック製ではなく金属製だったのです。従って、76個の鋼球ボールが容易にセットできるかとザザッと流し込んで試したのですがダメでした(笑) 一方が金属製でも片方がエンジニアリング・プラスティック製なので、やはり一部の鋼球ボールが引っ掛かってしまい均等配置されません (怠けようとしたらダメですね)。
↑前述の開閉環を固定する真鍮製の固定環で締め付け固定して絞りユニットが完成しますが、この工程も今までの同型モデルとは少々違っており、最後まで締め付け環をキッチリ締め付けることができました。開閉環が金属製なので適正な締め付けができるようです (しかもカニ目溝の穴が両サイドにちゃんと用意されている)。当時、何かの不都合を感じてエンジニアリング・プラスティック製から金属製の「開閉環」に変更したのでしょうか?
↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。ご覧のようにエンジニアリング・プラスティック製のヘリコイド (オス側) が用意されており、絞りユニットには「開閉アーム」が備わっています。この開閉アームに「溝」が用意されているのは、距離環の回転に伴い鏡筒が直進動するので、その繰り出し量分長さが必要だからですね。
↑鏡筒を別の角度から撮影しました。「直進キー」とは距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目のパーツですが、このモデルでは一体成形で用意されています。
↑距離環やマウント部が組み付けられる基台ですが、やはりエンジニアリング・プラスティック製です。
↑基台に裏側を撮影しました。前述の「直進キー」が通る「直進キーガイド」が備わっていますが、ここが経年の使用で摩耗して削れてしまうと途端に鏡筒のガタつきが発生してしまい、撮影のピント合わせ時に距離環の回転方向切り返しで「画の左右ブレ」が発生します。しょっちゅうピント位置を調整していると人によっては酔ってしまいそうな感覚を覚えるかも知れません。
実は、当方がこのモデルをエンジニアリング・プラスティック製だからと敬遠していた最大の理由が、この「鏡筒の左右ブレ」であり、そのような現象に至っている個体が市場には流れています。一度摩耗して削れてしまったプラスティック材は元に戻せないので致命的です。
↑残念ながら、今回の個体も当初バラす前のチェック時点で、既に距離環の回転方向切り替えし時に相当なガタつきが発生しており、ピント合わせ時には画の端にピント位置を持ってきていたりすると「画の左右ブレ」でピント面が消えてしまったりしました (画からハミ出てしまい見えなくなった/つまりそれほどの左右ブレです)。
上の写真をご覧頂くと赤色矢印の部分、ガイドの左側だけが削れています。さらによ〜く観察すると、一部には「微細な穴」まで空いているように見えます。実は前回のオーバーホール/修理を承ったPORST製のOEMモデルでも全く同じ箇所が削れており「穴」まで空いていました。
てっきり過去メンテナンス時に削ってしまったのかと考えたのですが、もしかしたらこの基台を成形する際の鋳物金型自体に問題があるのかも知れません。確かなことは一切分かりませんが、同じ所為が成されるとも考えられないので金型の問題のような気がしてきました (それゆえにガタつきが発生している個体が市場には多いのかも知れません)。
↑仕方ないので、今回の個体も応急処置として非常に薄いアルミ板を接着してなるべく平坦に戻し直進キーのガタつきをできるだけ改善させました。
↑実は、ヘリコイド (メス側) は「空転ヘリコイド」になっているのです。このモデルの内部構成パーツのほとんどがエンジニアリング・プラスティック製ですが、ヘリコイド (メス側) だけは金属製です。その他、固定環やベース環なども真鍮製で用意されています。
「空転ヘリコイド」は、ストッパーが無ければ何処までもグルグルと回し続けることが可能なヘリコイドを指しますが、相手がエンジニアリング・プラスティック材なので経年劣化に拠るプラスティック材の「萎縮」が進行しているとトルクムラの原因に至ります。今回の個体はラッキ〜なことに空転ヘリコイドが均等に回転してくれるので黄褐色系グリース「粘性:中程度」を塗布して均一なトルク感で仕上げました。
↑「空転ヘリコイド」を組み付けてから固定環で締め付け固定したところです。このモデルで、この「空転ヘリコイド」を滑らかで軽い操作性に仕上げられたのは何と今回が初めてなのですが、おそらく当時の「純正グリース」でない限り適正なトルク感に仕上げられないと思います・・。
↑鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルでは全部で5箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。
↑この状態でひっくり返して撮影しました。前述の「直進キー」と「直進キーガイド」がどんな感じで入っているのか写っています。応急処置を施しましたので距離環切り返し時のガタつきは低減しましたが、残念ながら完璧な解消には至っていません (僅かに画の左右ブレが残っています)。非常に薄いアルミ箔を2枚重ねると直進キーが入らなくなってしまったので、どうしようもありません (告知しているのでクレーム対象としません)。
↑絞り環やスイッチ環はご覧のように非常に薄い肉厚で用意されているので、このモデルに於ける絞り環やスイッチ環の「割れ/破損」は即そのまま「製品寿命」に至ります。市場にはテーピングして修復させている個体なども流れていたりしますから、シッカリ写真をチェックして入手しなければイケマセン (テーピングや瞬間接着剤で接着してもすぐに割れた箇所は再び外れる)。何故ならば、このベース環の上に被さるように入っているのが、それぞれの絞り環とスイッチ環であり、ベース環の表面を回っている動き方をしているからです (従って割れたらアウト)。
↑さらにどうしようもない設計なのがクリック感を実現している「鋼球ボール+コイルばね」が入る箇所です。上の写真のとおりコイルばねが入る格納筒さえもプラスティック製で用意されており、且つご覧のように突出している構造ですから、この付け根がポロッと折れたらアウトですね(笑)
つまりこのモデルでクリック感に違和感を抱くとか、絞り羽根の開閉がおかしいからとムリなチカラを掛けて絞り環操作すると・・やはり致命的な結末に至ります。
↑「鋼球ボール+コイルばね」を組み込んでから絞り環をセットして絞り環用の「固定環」で締め付け固定したところです。このモデルで使われている鋼球ボールは「⌀2mm径」の大きめな鋼球ボールですから (小径の鋼球ボールだと容易にプラスティック材が削れてしまうから)、必然的にコイルばねのチカラも相応にあるので、前述のコイルばね格納筒が折れてしまいクリック感が無い「無段階絞り」に陥っている個体も多く出回っていますから要注意です。
↑内部はこのような感じになっています。マウント面の絞り連動ピンの押し込み動作に連動して動く「絞り連動ピン連係アーム」と、スイッチ環の設定に連係する「カム」が駆動部分になりますが、何と「カム」までエンジニアリング・プラスティック製ですから、この軸の周りが擦れ減ったら、やはり「製品寿命」です。
↑「カム」には「絞り羽根を常時開こうとするチカラ」と「絞り羽根を常時閉じようとするチカラ」を及ぼしている2本の「捻りバネ」が附随しており、互いにチカラのバランスの中で適正な絞り羽根の開閉を行っていますから、この2本の捻りバネのどちらか一方が弱っただけで「絞り羽根開閉異常」に至ります (上の写真では捻りバネの片側しか見えていません)。
↑こんな感じで捻りバネのチカラに拠ってカムがグリーンの矢印のような動き方をしています。この時、必然的に前述の「絞り連動ピン連係アーム」もカムからの力を受けて操作されていますから、カムには相当なチカラが及んでいると言わざるを得ません。つまり、このモデルでの心臓部は「カム」と言うことになりますね。
↑スイッチ環に「鋼球ボール+コイルばね」を組み付けてセットしたところですが、鋼球ボールが大きいので上の写真のとおり浮き上がってしまいます。
↑マウント部を組み付ける際に各部位との噛みあわせ (3箇所) をキッチリ執り行いつつカチッと言う音がするまで被せます。この瞬間が一番恐ろしいワケで、3箇所の噛み合わせがキッチリ適合していないままに被せるチカラを加えてしまうと、聞こえてくる音は「カチッ」ではなく「パキッ」になります(笑) つまり前述の「コイルばね格納筒」が折れた音ですね・・あぁ〜怖い!(笑)
この後は光学系前後群を格納して無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (それぞれ解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑距離環の距離指標値では最短撮影距離「20cm」ですが、実写時に被写体からフィルター枠までの実距離を計測したところ、僅か10cmの距離であり相当近寄って撮ることができます (撮像素子面までの距離は実測目視で19.5cm)。マクロ銘を謳いながらも実際は準マクロなのですが、普通の撮影でちゃんと広角レンズとして使えつつも被写体まで10cmの距離で近接できるのは、使い勝手としては面白そうです。
実際のところ、この当時には旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaから発売されていた銘玉の一つ「Flektogon 35mm/f2.8」でも最短撮影距離18cmのモデルがありますから (但しマクロ銘は謳っていない)、特に珍しいと言うワケではありませんが、マルチコーティング化されたモデルで考えると「MC FLEKTOGON 35mm/f2.4」では最短撮影距離20cmなので似たような存在です。
↑光学系内の透明度が高い個体です。一部第5群の硝子レンズコバ着色が剥がれていますが写真には一切関係ありません。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑後群も透明度が高いのですが、このモデルの後玉は突出量があるので、距離環を「∞」位置にした状態で置くと後玉の中心部を突き当ててしまいます。今回の個体も突き当て擦れが極僅かに見えますが、実写したところ写真には影響ないレベルでした。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(順光目視で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:8点、目立つ点キズ:6点
後群内:15点、目立つ点キズ:13点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり
・バルサム切れ:無し (貼り合わせレンズ無し)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:有り
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):皆無
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが実際はカビ除去痕としての極微細な点キズです (清掃しても除去できません)。
・光学系内の透明度が非常に高い個体です。
・後玉の中心部に極薄い微細な突き当て擦りキズが1点ありますが写真には一切影響ありません。
・いずれもすべて写真への影響はありませんでした。
↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感を感じる個体です。当方による「磨きいれ」を筐体外装に施したので相応に落ち着いた美しい仕上がりになっています。
一般的にプラスティック製パーツの磨きは微細なキズを却って増やしてしまう結果に至りますが、当方は過去に家具屋などにも勤めていた関係からプラスティック材表層面の「磨きいれ」も職人から伝授頂いておりキレイに磨けています (もちろん表層面の塗膜変質を促すので光沢剤など塗ったりしていません)。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度」を塗布しています。距離環や絞り環の操作はとても滑らかになりました。
・距離環を回すトルク感は「普通」で滑らかに感じトルクは全域に渡り「ほぼ均一」です。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
【外観の状態】(整備前後拘わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
↑距離環を回すトルク感が「普通」程度で操作し易いのですが、これで画の左右ブレさえ無ければ完璧な個体だったと思います。
絞り環の操作性はクリック感が小気味良く軽い操作に戻りました (当初は硬くて動かず)。また、スイッチ環はそれなりにチカラを入れて操作されても内部が割れたりしないよう確実に噛み合わせて締め付け固定させているので、特に操作時神経質になる必要はありません (普通の操作で構いません)。
その意味で、今回の個体はオーバーホールの甲斐あって普通に安心してご使用頂けるのですが、オーバーホールしている身にとっては厄介なモデルのひとつですね。
この後の各絞り値での実写で最後の最小絞り値「f16」の写真をご覧頂くと分かりますが、最小絞り値でも背景が辛うじてボケており「さすが」と言いたくなりますね・・ポテンシャルは相当なものです。
↑当レンズによる最短撮影距離20cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。
↑絞り環を回して設定絞り値「f4」にセットして撮影しました。