解説:どうしてジャンク扱いでヤフオク! に出品するのか?

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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません


本日7月2日にヤフオク! にオーバーホール済ながらも「ジャンク扱い」のオールドレンズを
1本出品しました。

いつも懇意にして頂いているユーザーの方からメールでアドバイスを頂いたので、ここで
チョロッと解説したいと思います。ありがとう御座います!

当方の性格をご存知の方なので、解説したほうが良いとのご提案を頂きました。

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今回出品したモデルはそのままでは製品として実在しない架空のオールドレンズですが、マウントが独自のスピゴット式マウントなので、今回敢えて汎用性の高い「M42マウント」に改造して出品した次第です。

PETRI製『EE Petri MC LENS 55mm/f1.7《マウント改造品》(M42)』

上記をクリックすると以前オーバーホール済で同じようにヤフオク! に出品した際の解説ページが別ページで現れます。時代背景や解説などご覧になりたい方は是非ご参照下さいませ。
(今回ヤフオク! に出品している個体の解説ではありません)

【ヤフオク! に於けるジャンク (扱い) での出品について】
ヤフオク! での特にオールドレンズの出品について「ジャンク (扱い)」を表記している場合、以下のような理由が考えられます。

出品商品の一部/全部に不具合があり正常ではない (使えない) から。
の状態を認知しながら敢えて詳細を告知せずクレームを回避する目的。
の状態を認知しながら知識が無いことを理由にしてクレームを回避する為。
出品商品の動作確認ができる環境が無い事を理由にしてクレーム回避の目的。
出品商品の状態など詳細を把握しないまま単にクレームを回避する目的。
本当に故障箇所があり誠実にジャンク/部品取り用として出品している正直な出品者。

とまぁ〜、大凡こんな感じでしょうか。もちろん他にも理由はいろいろあると思いますが、
出品している商品が正真正銘の「ジャンク (扱い)」だと言えるのは上の理由の最後だけですね(笑)

他のまでは出品者が誠実に出品に対して、或いは落札する人に対して接するべきと考えていない人だと思います。要はノークレーム・ノーリターン・ノーキャンセル (3Nとも言う) にしたいが為に「ジャンク (扱い)」で簡単に出品しているだけの話です。

酷い出品になると、出品商品に不具合が顕在する事を認知しながら (或いはそうかも知れないと疑念を抱きながら) も、調達した時のコスト回収の為に故意にワザと詳細を告知せずに
ジャンク (扱い)」にしている場合があり、ましてや一般的な市場価格とさして変わらない
金額で出品していたりするので笑ってしまいます(笑)

上記のような本当に誠実で正直な出品者と言うのは相当少なく、滅多に見かけませんね(笑)

そんな中で、当方が「ジャンク (扱い)」で出品している理由は・・。

【当方がジャンク (扱い) で出品する理由】
オーバーホールした後その仕上がりが自分自身で純粋に納得できないから。
或いは仮に神経質な人が手にしたらおそらくガッカリするだろうから。
上手く動かない/機能しない箇所があるのに性格上隠して出品できない。

・・単純に上のような理由だけしかありません(笑)

例えば今回出品中のオールドレンズに関して、もちろん調達した時の金額がそれなりにちゃんとありますし(笑)、当然ながら「ヨンコイチ」したワケですから、ほぼ10時間以上かかりっきりでオーバーホール工程を進めていたワケで、その作業対価分の回収もムリです(笑)

この「ヨンコイチ」と言うのが相当大変で(笑)、今回はちょっと懲りてしまい、さすがに次回はもぅやめようかなと考えているところです。

要はメチャクチャ高難度にもかかわらず真っ赤っかの大赤字と言うお話ですね・・(笑)

人それぞれ「感覚」は千差万別なのですが、面白いモノで相応に線引きができるのが現実だったりします。

例えばオールドレンズの距離環を回す時の「トルク感」は人により「普通/軽い/重すぎ」などバラバラになりますが、ところが明確に「このトルク感を普通とは言わないだろう」と言う具体的な感触がちゃんとあったりします。或いは「重い/軽い」の違いも人それぞれながらも「軽いのを重いとは言わない」ワケで、逆も然りです(笑)

すると「自ずとトルク感と言うのは集約してくる」のが現実的な話だったりします。

同じように、例えば絞り羽根が閉じる時の「正◉角形」と言う視認できる要素については逃げることができません (ごまかしようが無い)。歪なカタチなのかどうかは操作してみれば明白ですから、出品に際してウソをつくかどうかだけしか違いがありません。

するとこのように「ある程度人の感覚と言うのは決まった印象に集約してくる」とすれば、自分自身でオーバーホールした仕上がりが納得できるか否か「明確に判定できるのは至極当然な話」と言えないでしょうか・・? 或いは100%客観的に仕上がり状態を判定する/告知することができるのではないか、とも考えます。

また中には神経質な人が居て、届くのを楽しみにしていたのに実際に手にしたらガッカリだった・・なんて言うことも考えられます (実際神経質な人と言う表現を当方は好きではありません/神経質か否かはあまり操作性・機能性に関係しないから)。また敢えて出品時に隠して出品する (例えばワザと問題箇所の写真を載せないなど) 事も同じで、自分の性格上騙したり/隠したり/ウソをついたりができないと言う問題もあったりします(笑)

従って当方がヤフオク! に「ジャンク (扱い)」で出品しているその「理由」とは、実は一般的なジャンクで出品したいと考えられる理由とは少々異なるのが本当のところだったりします。

懇意にして頂いている方から頂いたメールには、その点を指摘したアドバイスが書き連ねられており、特に当方の性格上真意が伝わりにくいから解説したほうが良いとのお話でした。

本当にありがとう御座います!!!(涙)

そして「ジャンク (扱い)」で出品する以上、そのオールドレンズを調達した時の「何某かの金額赤字」と言う覚悟と言うかリスクが常に存在することを前提としているので、当方の場合必ず『100円スタート』です(笑)

逆に言うなら、オールドレンズを調達する際は当然ながら、実際にオーバーホール工程を進めている最中は「マジッに真剣そのモノ」と言えます。それは「常に赤字と背中合わせ」だからです。仮にある特定のパーツを微調整する時、ほんの微かでも微調整をミスったら最後組み上げて仕上がった時に「どのような感触に至る」か知っているからです。

残念ながらごまかしようがないのです。それがオールドレンズのオーバーホールだったりします (完全解体しなければそれほど厄介でもない)。

当方がいつも話している「原理原則」そして「観察と考察」と言うのは、そのように厳しくも公明正大であり客観性が高く必ず判定できる要素ばかりですから、自ずと作業をしている最中に「あッ!シマッタ!」などと言うことがあったりするワケです (当方の技術スキルとはそんな程度です)(笑)

そんなワケでオーバーホールを施した作業対価というのは、こと当方がやっている内容などというのはハッキリ言って「在って無いような金額/価値」でしかないので「当然ながら無償扱い」のお話にならざるを得ませんから、存在するのは「ジャンク品としての納得できる価格」しかありませんョね?(笑)

なので・・100円スタートなのです。

不特定多数の方々にとって魅力に感じられないようなオールドレンズを扱っていたら、まさに100円のまま落札されるのも覚悟しなければイケマセン。逆に言えば不特定多数の方々に魅力を感じて頂けるようなオールドレンズを扱っているつもりなので、その検証にもなっていたりしますね(笑)

モノは考えよう・・と言うワケです。

ジャンクジャンクと大騒ぎせず、今回は大赤字で終わってしまったが「それなりの検証はできた」と言う結末さえあれば、もしもご落札頂く方がいらっしゃるなら本当に有難いことではないでしょうか・・。

そのようなスタンスが当方の立ち位置だったりしますね・・(笑)

なお、このように当方のブログでヤフオク! に出品しているオールドレンズに関する解説をしているのは、単にヤフオク! のようなオークションでオールドレンズを落札するだけではなくその手に入れたオールドレンズの背景やウンチク、或いは内部の構造面から来るお話や設計者の意図、意地、こだわり等々をプラスαで知ることができれば「より愛着が湧くかも知れない」と言う想いだけです。

要はオークションで落札する楽しみに、さらに深く知識を得る楽しみも「付加価値として」用意しているのがこのブログの本当の意味だったりします。そしてそれはプロが施している作業なら「その付加価値には必ず対価が伴う」とも言えますが、如何せん当方はプロではないのでこのブログは対価に価しないワケですね(笑)