◎ PENTACON (ペンタコン) PRAKTICAR 50mm/f1.8 MC《後期型》(PB)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧東ドイツのPENTACON製
標準レンズ・・・・、
『PRAKTICAR 50mm/f1.8 MC《後期型》(PB)』です。
つい先日このモデルの「前期型」である「PRAKTICAR 50mm/f1.8 MC《前期型》(PB)」の オーバーホール/修理ご依頼を承り、初めての扱いですが完全解体して組み上げたばかりです。
実はそのオーバーホール工程解説などをこのブログに載せる為の前準備などで、当方の記録 データベースをいろいろイジっていたところ、ジャンク品のオールドレンズリストの中にこのモデルの型番を発見しました。しかしジャンク品でこのモデルがあった記憶がありませんし、実際データベースのジャンク理由を調べても一切記載がありません。
それでもしかしたら間違って登録してしまったかと考え、ジャンク品の箱の中をゴソゴソと 確認したら出てきました!(笑)
ジャンク品どころかまだまだちゃんと動いています。どうやら登録ミスでジャンク品の箱の中に入れてしまったようです。そこで今回の出品になった次第です(笑)
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先日のオーバーホール/修理ご依頼者様も仰っていましたが、この「PRAKTICARシリーズ (PB)」は日本で使っている人が少ない不人気モデルだとのご指摘でしたが、まさしく仰るとおりで愛用者人口はおそらく極端に少ないのではないかと考えます(笑)
しかし当方個人の感想になりますが、この「PRAKTICARシリーズ (PB)」の発色性について、おそらく右に出るモノが居ないくらい「これが東ドイツの色なんだぁ〜!」と感心してしまう独特な色合いを残してくれます。
この発色性は今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼で言えば、OLYMPUSやPanasonic、或いはひいて言えばSONY (昔のMINOLTA) などのデジカメ一眼/ミラーレス一眼が採る発色性の 傾向にあてがうことができ、いわゆる特徴的な傾向として「アンバーに偏る発色性」であり、現在のデジタルなレンズ光学メーカーならまさに「TAMRON」寄りの色合いとでも言えば 納得できると思います。
その意味で何でもかんでも鮮やかにキレイな発色性でまとめてしまう今ドキのデジタルな発色とは別系統な「ヨーロピアンテイストな発色性」として、特にこの「PRAKTICARシリーズ」を珍重しているのが当方の感覚です。
確かに旧東ドイツのCarl Zeiss Jenaでこの「PB (PRAKTICAR Bayonet) マウント」が登場したのは1980年であり、さらに「ベルリンの壁崩壊事件」勃発から1990年の東西ドイツ再統一に至った、僅か10年しか生き残れなかったマウント規格であり、その認知度も低く既に当時世界を席巻していた日本光学メーカーの発色性 (つまりはCanon/Nikon) の目新しさ/斬新さとは 相容れない、古めかしい印象なのが余計にファンを少なくする一因なのかも知れません。
だからこそ是非ともこれから先も生き存えてほしい、本当にキチョ〜なモデルの一つなのではないかと感慨深い想いです(笑)
このモデルの背景や当時のCarl Zeiss Jena/PENTACONそして源流たるMeyer-Optik Görlitzなどとの因果関係については、先日扱った「PRAKTICAR 50mm/f1.8 MC《前期型》(PB)」のほうをご参照下さいませ。
↑上の一覧は先日のブログ掲載の際にネット上でサンプルをピックアップして調査した「製造番号をもとにしたモデルの展開」です (サンプル数68本)。
この調査結果から基の源流たるMeyer-Optik Görlitz製標準レンズ「Oreston (オレストン)」光学系を受け継ぐモデルが一つの系統であり、且つ本来Carl Zeiss Jena側で発展し続けてきた「Pancolar (パンコラー)」光学系がもう一つ存在する点がポイントになります。
今回扱うモデルは上の一覧 部分の「後期型」にあたりますね。
【モデルバリエーション】
※オレンジ色文字部分は最初に変更になった要素を示しています。
コーティング:マルチコーティング
最短撮影距離:33cm
光学系:4群6枚ダブルガウス型構成
マウント規格:バヨネットマウント (PB)
コーティング:マルチコーティング
最短撮影距離:45cm
光学系:4群6枚ダブルガウス型構成
マウント規格:バヨネットマウント (PB)
【PANCOLARからの発展系】
コーティング:マルチコーティング
最短撮影距離:35cm
光学系:5群6枚変形ダブルガウス型構成
マウント規格:バヨネットマウント (PB)
上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。
◉ 一段目
左端から円形ボケが破綻して滲んでいく様をピックアップしていますが、光学系が4群6枚のダブルガウス型構成なので、基本的に真円を維持した円形ボケを表示し続けることが苦手だったりします。また円形ボケのエッジがすぐに破綻してアウトフォーカス部がすぐに滲み始めてしまうので、キレイなシャボン玉ボケの表出は難しいと考えます。
◉ 二段目
この段ではワザと酷い収差ボケが多く現れている実写をピックアップしていますが、これはこれで実は「ピント面を活かす効果」として収差ボケを活用しきっている上手い撮影スキルの実写とも言えます。
◉ 三段目
ダイナミックレンジが相当広いのが左端の写真で明白ですが、2枚目のこの色合いを出せるのが凄いワケです。この重厚な発色性は他の一般的なオールドレンズなら、ありきたりな元気の良い鮮やかな発色性だけで終わってしまいますね。素晴らしいです!
光学系は4群6枚の典型的なダブルガウス型構成ですが、右図はネット上の某有名処の掲載図からトレースした構成図です。
一方右図は先日扱ったこのモデルのバリエーションで言うところの
「前期型」で「PRAKTICAR 50mm/f1.8 MC《前期型》(PB)」の構成図です。
オーバーホールで完全解体して光学系を1枚ずつ清掃する際にデジタル ノギスで当方が計測した実測値に基づくトレースした構成図です。
そして右図が今回扱った「後期型」にあたる構成図で、同様にオーバーホールで完全解体して光学系を1枚ずつ清掃する際に、デジタルノギスで当方が計測した実測値に基づくトレースした構成図です。
「後期型」では最短撮影距離が45cmと後退してしまったので、必然的に光学系は再設計されていますね。
このように各モデルバリエーションで光学系を実測していくと、はたしてネット上で掲載されている構成図はいったいどこから持ってきた構成図なのでしょうか。各モデルバリエーションに該当していないように考えます。
オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。
↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。今回の個体がこのモデルで言うところの「後期型」バリエーションにあたるので、先日扱った「前期型」と比較すると内部構造も各構成パーツも「より簡素化して合理化されている」と言えます。
しかし最も重要な「光学系の設計」に関して非常に特徴的な要素があるので、それについて 後ほど解説したいと思います。
↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒 (ヘリコイド:オス側) です。
絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。
◉ 位置決めキー
「位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー
◉ 開閉キー
「開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー
◉ 位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)
◉ 開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環
↑上の写真は絞りユニットを組み込んでいる途中で撮影していますが、後玉側方向からの撮影です。通常一般的なオールドレンズの設計で多く採用されているのは「絞りユニットを前玉方向から鏡筒の最深部にセットする」設計ですが、このモデルは「絞りユニットは後玉側方向からのセット」を採っています。
はたしてこの手法の設計を見た時すぐに思い浮かべるのは、そうですね旧東ドイツはMeyer-Optik Görlitz製オールドレンズに当時多く採用されていた設計そのモノです (例:Domiplan
50mm/f2.8など)。
上の写真では鏡筒に絞りユニットを組み込んでいるところですが「位置決め環/開閉環」が既にセット済で、その上に各絞り羽根が刺さっています。
ところがこのままの状態でひっくり返したりすると、当然ながら絞り羽根はフリー状態ですからバラバラと落ちてしまいます。従って右側にある「光学系後群用格納筒」を絞りユニットに被せて固定する事で (グリーンの矢印)、初めて絞り羽根がバラけないようになる設計です。
↑絞りユニットをセットし終えた状態で、再び前玉側方向から鏡筒内部を撮影しました。
ちゃんと絞りユニットがセットされています。
↑この状態で完成した鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を立てて撮影しました。ご覧のとおり非常に薄い厚みなので、ここに4群6枚のダブルガウス型構成を組み込むのだとすると、相当薄すぎる設計だと言えます。
↑この状態で今度はひっくり返して後玉側方向から撮影しました。するとちゃんと絞りユニット内部の「開閉環」が見えており、且つ「直進キーガイド (溝)」や「光学系後群用格納筒」もありますね。
◉ 直進キーガイド
直進キーが行ったり来たりスライドする為の切り欠き/スリット
↑ヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。
当初バラす前のチェック時点で、過去メンテナンス時のヘリコイド (オスメス) ネジ込みミスを犯しており、無限遠合焦しない状態でした。
↑完成した鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルは全部で5箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。
↑ヘリコイド (オスメス) のネジ込みが終わった状態でひっくり返して、再び後玉側方向から撮影しました。ちゃんと「直進キー」が既にヘリコイド (オス側) に用意されている「直進キーガイド (溝)」に刺さっていますね (赤色矢印)。
このモデルの場合「直進キー」は1本だけですが、普通一般的なオールドレンズでは「両サイドに1本ずつの直進キー」を使います。両サイドに直進キーを用意している理由がちゃんとあり「距離環を回す時のトルクが均質になるように両サイドに1本ずつ用意している」ワケです。
従ってこのモデルの場合は「直進キーが1箇所」なので、距離環を回す時のトルクはその全てが一極集中しますから「トルクムラが生じやすい」設計とも言えます。
◉ 直進キー
距離環を回す「回転するチカラ」を鏡筒が前後動する「直進するチカラ」に変換する役目
↑後からでは面倒なので、ここで先に光学系前後群を組み付けます。
実は今回の個体は当初バラす前の実写チェック時点で「甘いピント面」に堕ちている個体で した。今回の扱いが初めてのモデルではありますが、本来このモデルの光学系 (4群6枚ダブルガウス型構成) から考えればもっと鋭いピント面に至るハズです。
そうですね、前述のとおりこのモデルの設計概念が「Meyer-Optik Görlitz製オールドレンズ時代の設計概念」を踏襲している為に、上の写真解説のとおり「イモネジ (3本) で光学系後群を締め付け固定する方式 (グリーンの矢印)」を採っています。
つまり光学系後群はネジ込み式ではなく「イモネジ3本を均等配置で締め付け固定」と言う設計です。
ここがこのモデルの描写性を決めてしまう最大の難関になります!
当初バラす前の実写でも「甘いピント面」でしたが、実はこのように描写性能が堕ちてしまったMeyer-Optik Görlitz製やPENTACON製オールドレンズが意外と多く市場に流通しています。その根本原因はこの「イモネジによる締め付け固定」の設計を採っているからに他なりません。
どうしてイモネジでの固定に拘ったのかは不明ですが(笑)、Meyer-Optik Görlitzでは好んでこのような「イモネジ固定」を数多くのモデルで採り入れ続けました。
ここがポイントで、今回のモデルはPENTACON製オールドレンズなのですが、設計自体はMeyer-Optik Görlitz時代からの流れを汲んでいると言わざるを得ません。つまりMeyer-Optik Görlitzが1968年にPENTACONに吸収合併しながらも、実はそのまま最後までPENTACONで同じ設計概念を踏襲し続けていたことになりますね。
そしてこのことからある一つの考察が導き出されます・・!
それは「PENTACONに吸収合併してもMeyer-Optik Görlitzの工場はそのまま稼動し続けていた」と言う考察です。だからこそ歴然たる新たな設計で登場したはずのPENTACON製モデルでありながら、実のところMeyer-Optik Görlitz時代の設計概念をそのまま引き継いでいたと言えるワケです。
従ってMeyer-Optik Görlitz製時代の標準レンズ「Oreston」とCarl Zeiss Jenaの「Pancolar」の2系統でこの「PRAKTICARシリーズ」が存在していたことを裏付ける話ではないでしょうか?
↑鋼球ボールを組み込んでから絞り環をセットしますが、その際「電気接点端子」をちゃんと組み込まなければイケマセンね(笑) 既に光学系前群もセット済なので、距離環を仮止めしてあります。
↑こちらはマウント部内部の写真ですが、各構成パーツを取り外して当方による「磨き研磨」が終わった状態で撮影しています。当初バラした直後は過去メンテナンス時に塗られてしまった「白色系グリース」が経年劣化進行に伴い変質して「濃いグレー状」になっていました (一部パーツに赤サビ発生)。
↑外していた各構成パーツも個別に「磨き研磨」を施しセットします。本来はここに基板が組み込まれますが撮影できないので省いています。
↑完成したマウント部を基台にセットしたところですが、既に「設定絞りユニット伝達基板と電気接点端子部」を組み込んであります。
↑マウント部をセットしています。この後は無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑今回初めて扱いましたが完璧なオーバーホールが終わりました。レンズ銘板がプラスティック製ですし、距離環もプラスティック製ですが、フィルター枠や絞り環/マウント部など本体側はちゃんと金属製です。
このブログの最後に今回オーバーホールした個体で撮影した実写を掲載しているので、どれだけ鋭い描写性に変わったのかをご覧頂けます。
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体ですが、残念ながら光学系前後玉 (表面側) に経年相応なカビ除去痕が残っており、特に後玉表面側にはLED光照射で視認可能な菌糸状に極薄いクモリを伴うカビ除去痕があります (順光目視では見えません)。
但しいずれも写真には一切影響しないレベルです。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光学系後群側も内部は透明度が高いですが、後玉表面側のみカビ除去痕が数箇所残っており、LED光照射では極薄いクモリが附随します。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:18点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い8〜14ミリ長が数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・後玉の表面側に経年相応なカビ除去痕が数箇所残っておりLED光照射で微かに極薄いクモリを伴い浮かび上がりますが写真には一切影響しません。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
・光学系内のコーティング層には一部に拭き残しのように見えてしまうコーティング層経年劣化が線状に見る角度により光に反射させると視認する事ができますが拭き残しではありません。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「ほぼ正六角形を維持」したまま閉じていきます (僅かに歪なカタチの開口部)。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「重め」に感じ「全域に渡ってほぼ均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・附属の中古フィルターは清掃済ですが微かな拭きキズなどが残っています(実用レベルでは並程度)。
↑もう少し軽めの距離環を回すトルクに仕上げられれば良かったのですが、設計上どうしても「重め」のトルクに仕上がってしまいます。
それは設定絞り値がマウント面の電気接点端子からフィルムカメラボディ側に伝達されるのですが、その絞り値を検出する「基板」に対して常時接触基板が反発している関係で、その反発力が伝わり距離環を回す時のトルクに影響しています。
鏡筒内の絞りユニット「開閉環」に対して絞り連動レバーが刺さったまま、且つ絞り環からの設定絞り値が伝達され、その時合わせて接触基板の反発力がチカラとして伝わるので、結果的に距離環を回すトルクが「重め」になります。
光学系後群を締め付け固定する3本のイモネジは、その締め付けに際しコツがあるのですが(笑)、今回は2回目でバッチリ鋭いピント面に微調整できました。
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離45cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。