◎ FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON・SW 28mm/f3.5《初期型》(M42)
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※解説とオーバーホール工程で使っている写真は現在ヤフオク! 出品中商品の写真ではありません
今回完璧なオーバーホールが終わって出品居るモデルは、当時のフジカ製
広角レンズ・・・・、
『FUJINON・SW 28mm/f3.5《初期型》(M42)』です。
引き続き当方自身のこだわりを以て、敢えてマルチコーティングの「EBC」付モデルではないモノコーティングのタイプをオーバーホール済でヤフオク! に出品します。
富士フイルムのマルチコーティング「EBC」は「Electron Beam Coating」の略 (頭文字) で、11層にも及ぶコーティング層を蒸着した、当時としては世界の最先端にいっていた最高技術とも言えるコーティング層蒸着です。ちなみに当時の旭光学工業製オールドレンズに蒸着された同じくマルチコーティングは「Super-Multi-Coated (略してSMC)」ですが、コーティング層の蒸着層は「7層」でしたから、如何に富士フイルムの「11層」の技術が進んでいたのかが 分かります。
左写真は当時のフジカ (富士フイルム) から発売されたフィルムカメラ「ST901 (1974年発売)」のレビュー記事から引用したものですが、 部分に11層の蒸着であることが記載されており、且つ99.8%もの入射光透過率を実現していると謳っています。
また自社内に於けるコーティング層蒸着による入射光透過率テストで光学硝子レンズの面数が「2面」の時、非コーティングの場合 (ノンコーティング) 透過率は90%であり、シングルコーティング時は96%に上がって3層コーティング時に99%まで向上していることが示されています。この時「EBC」コーティングでは99.6%と言う驚異的な数値です。
光学硝子には必ず表裏の2面が存在するので入射光が透過する際の表面反射で片面約4%ずつ減じられてしまいます (つまり表裏で合計約8%減)。それが僅か0.4%減に抑えられているワケですから当時としては相当なコーティング技術だったのではないかと考えています。
右はその当時1974年に印刷された富士フイルムのカタログに記載されている内容です。「EBC」コーティング層が11層であることと透過率公称値が「99.8%」と記載されており前述のレビュー記事と一致しています。そして「フレアを撲滅した」とまで謳っているワケで相当な自信が伺えます。
今回敢えてその「EBC」付を避けてワザとモノコーティングに拘ったのは理由があり、ピント面の鋭さを追求するのではなく、むしろ「優しさ/柔らかさ」のほうを重視し、且つ背景に 展開される「収差ボケ」のほうもマルチコーティングモデルよりも逆に改善されていない状況を狙ったからに他なりません。
要はモノコーティング/マルチコーティングを単に発展系 (進化形) としてマルチコーティングばかりを褒め称えるのではなく、むしろ「オールドレンズだからこそオールドレンズの味を 追求したい」が為に「収差が残っているほうを敢えて選択」したと言えます。
コーティング層一つとってもそのような選択方法も「アリ」ではないでしょうか。
【モデルバリエーション】
※オレンジ色文字部分は最初に変更になった要素を示しています。
初期型:1970年発売 (ST701用)
コーティング:モノコーティング
開放測光用の爪:無
距離環ローレット:金属製
レンズ銘板:金属製
前期型:1972年発売 (ST801用)
コーティング:マルチコーティング「EBC」
開放測光用の爪:有
距離環ローレット:ラバー製
レンズ銘板:プラスティック製
後期型:1974年発売 (ST901用)
コーティング:マルチコーティング「EBC」
開放測光用の爪:有
距離環ローレット:ラバー製
レンズ銘板:プラスティック製
その中でモノコーティングとしてこのモデルバリエーションを捉えると「初期型」しか存在 しないワケですが、今回扱った個体はさらにその中でも非常に珍しい「初期生産ロット品」であることが外観上から分かります。
↑上の2本は両方共に「初期型」なのですが「絞り環」を比べてみて下さい。写真だととても 分かりにくいですが、左側 (今回の出品個体) の絞り環は「光沢があるシルバー梨地仕上げ」 なのに対し、右側は「マットな (艶消し) ホワイトシルバーな梨地仕上げ」の絞り環です。
「初期型」の製造番号の中でも「290xxx」までの個体にのみ限定して「光沢があるシルバーの絞り環」なのです (ネット上のサンプル数40本ほどで調査しました)。またマウント部内部の「直進キー」固定用ネジ穴も穴開け切削ミスを犯したようで(笑)、非常に珍しいですね。製造番号上は初期生産ロット最後の1,000本の中の1本です (おそらく1,000本製産の後に絞り環のメッキ塗色が変更になった/以降全て同一)。
これは個別に比較しないとなかなか分からないのですが、コトバで言うと一般的に市場流通量が多い「マットなホワイトシルバーな梨地仕上げ」のほうが落ち着いた雰囲気で大人しい印象の外観です。一方今回の出品個体はちょっとハデハデといった感じでしょうか (光沢シルバーのインパクトが強い)(笑)
上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。
◉ 一段目
そもそも光学系がレトロフォーカス型構成なのでキレイで大きな真円のシャボン玉ボケ表出は苦手です。ピント面の鋭さを相応に保ちつつも何処か「優しさ/柔らかさ」を漂わす印象なのが個人的に好きですね。特に右端の実写などはピント面のインパクトが強調されながらも違和感なく距離感/空気感を感じさせる、非常に立体的でリアルな1枚に仕上がっています。
◉ 二段目
もともとこのモデルはダイナミックレンジが広めの設定ですが左端の写真で分かると思います。明暗部の潰れがギリギリまで耐え凌いでいます。またそれは白黒写真にするとさらに明白になりの濃淡のグラデーションが非常に滑らかで (自然で) 階調豊かに変化していくところが、なかなかたいしたものです。それは夕闇迫る海の写真でより確実になるのではないでしょうか。相当なポテンシャルを秘めたモデルだと考えます。
光学系は典型的な7群7枚のレトロフォーカス型構成です。「レトロ フォーカス」と言うコトバで間違った印象を受けたまま認識している人がいらっしゃいます。「レトロ+フォーカス」の造語であることは間違いないのですが、その「レトロ」を「古めかしい/甘いピント面/霧中のような写り/コントラストが低い」などと捉えると全く違います。
「レトロ (後退させる)+フォーカス (焦点)」なので、要は当時それまで世界規模で流行って いたレンジファインダーカメラから、ミラーボックスを内蔵した一眼レフ (フィルム) カメラのほうに民生用カメラの主流が変化したことに対する「バックフォーカスを稼ぐ手法」としての光学設計を指します。
従って甘い描写に堕ちてしまったり低いコントラストの写真ばかり撮れる事には決してなりません。逆に言えば、そのような描写しかできない個体は例えレトロフォーカス型構成だとしても他の因果関係が影響して (例えば光学系内にクモリがある) そのような描写性能まで低下していることが考えられます。
もっと言えば、例えばレトロフォーカス型の広角レンズではなく4群6枚のダブルガウス型構成の標準レンズだとしても、そのようにコントラストが低下した写真が撮れる場合があります。光学系内の状況如何で変わることを意味しますョね (一般的なコトバのレトロとは違う)?(笑)
上の構成図 (右図) は、ネット上でよく掲載されている構成図をトレースしました。ところが右図は今回の個体をバラした際に、光学硝子レンズを清掃する時にデジタルノギスを使って当方が実測した実測値をもとに作図したトレース図です。
すると実は各群の大きさや厚み/曲率などがビミョ〜に違っています。
そして右図は今度はマルチコーティング化された「EBC」付モデルの 光学系構成図です。同様以前オーバーホールした際に光学系の清掃時にデジタルノギスで計測しました。
もはやこうなるとカタチまで別モノですが(笑)、要はモノコーティングよりもマルチコーティング化により収差が改善され、且つ解像度まで向上するとなると必然的に同一の光学設計を引き継げないと考えられますから、このように姿
カタチまで異なっていても何らオドロキには価しません。
しかしまたそう言うと、SNSで当方がウソを掲載していると批判されるので、一応証拠写真としてモノコーティング「初期型 (左側)」と「EBC」付たるマルチコーティングの「後期型 (右側)」の 第2群〜第3群光学硝子レンズを並べて撮影しています。
当方は信用/信頼が無いのでいちいち面倒くさいです(笑)
オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。
↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。内部の構造は基本的には標準レンズと同じですが一部はさらに合理的な設計で造られています。
↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒 (ヘリコイド:オス側) です。
絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。
◉ 位置決めキー
「位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー
◉ 開閉キー
「開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー
◉ 位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)
◉ 開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環
↑完成した鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を立てて撮影しました。鏡筒下部には1本だけ「開閉アーム」が飛び出てきています。
光学系が7群7枚もあるレトロフォーカス型構成ですが、基本的にこの時代の広角レンズは光学系前群側に「延長筒」の硝子レンズ格納筒がプラスで附加されるので、ご覧のように鏡筒自体の厚みが深くない設計です。その意味で1950年当時のレトロフォーカス型構成が開発され黎明期モデルは鏡筒が深かったりします。
↑完成した鏡筒 (ヘリコイド:オス側) をひっくり返して、今度は後玉側方向から撮影しました。「開閉アーム」が1本だけしか存在しませんがブルーの矢印のように動きます。こりによって絞り羽根がダイレクトに開閉動作していることが分かりますね。
↑アルミ合金材のヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みます。最後までネジ込んでしまうと無限遠が出ません (合焦しません)。
↑さらに完成している鏡筒 (ヘリコイド:オス側) を、やはり無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルは全部で7箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。
↑この状態で再びひっくり返して後玉側方向から撮影しました。すると両サイドに「直進キー」なるパーツをセットするのですが、ご覧のようにグリーンの矢印で指し示した箇所に「直進キー締め付け固定用の穴が4箇所用意されている」珍しい個体です(笑)
これは製産された後から、例えば過去メンテナンス時にその整備者の手で別に2箇所のネジ穴が用意されたと考えられる話もありますが、ところが肝心な「直進キー」と言うパーツは大きさが決まっているので (何故ならヘリコイド:オス側に刺さるので)「直進キーまで用意する必要が生ずる」ので現実的ではありません。
つまり製産時点でマジでミスッてネジ穴を空けてしまったのだと判定しています(笑)
↑こちらはマウント部内部の写真ですが、既に各構成パーツを取り外して当方による「磨き研磨」を終わらせた状態で撮影しています。当初バラした直後はこの内部に過去メンテナンス時に塗布されていた「白色系グリース」が経年劣化進行に伴い「濃いグレー状」に変質し、一部の構成パーツには酸化/腐食/錆びまで発生していました。
↑取り外していた各構成パーツも個別に「磨き研磨」を施し組み付けます。上の写真は前玉側方向から見た角度で撮っている写真ですが、マウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」が押し込まれると (ブルーの矢印①)、その押し込まれた量の分だけ「伝達カム」が移動します (②)。それに伴いアーム先端部の「操作爪」もやはり同じ移動量だけ動きます (③)。
従って「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み量の多い/少ない」で「絞り羽根開閉異常」が発生することになりますね。これは例えば今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼にM42マウント規格のマウントアダプタ経由装着した時、そのマウントアダプタに備わっている「ピン押し底面の深さ」が適合していない場合に「絞り羽根開閉異常」が発生します。
いわゆる「マウントアダプタとの相性問題」が顕在することを認識するべきですね。
なお、今回の個体は過去メンテナンス時に「留具の使い方ミス」を犯しており(笑)「操作爪の動き方が適切ではない」状況でした。逆に言えば、ヘリコイドのネジ込み位置まで適切に組み上げられる整備者なので「プロの仕業」とも言えますが「留具の使い方すら知らない」レベルです(笑)
全く以て笑えてしまいますが、実は今でもこのような整備者が当たり前な顔をして整備会社に居たりしますからオドロキです(笑)
上の写真では「なだらかなカーブ」の麓部分で「カム」が突き当たっているので最小絞り値 まで「操作爪」が移動しています。逆に「なだらかなカーブ」を登りつめた頂上は「開放側」になります (グリーンの矢印)。
↑距離感を仮止めしてから光学系前後群を組み付けて無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。
ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。
↑完璧なオーバーホールが終わりました。「後期型」の「EBC」付モデルは数多く市場に流通していますが、この「初期型」となるとそれほど多くありません。さらに今回の個体は「光沢シルバーな絞り環 (梨地仕上げ)」であり相当珍しい個体です。
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。実はこのモデルは「初期型〜後期型」全てのモデルバリエーションで「光学系にクモリが発生する率が高い」問題を抱えています。
その意味でも今回の個体はスカッとクリアで非常に貴重です。
↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
↑光学系後群側もLED光照射で極薄いクモリが皆無です。もちろん透明度もピカイチです。
↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。
【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ:
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:13点、目立つ点キズ:9点
後群内:17点、目立つ点キズ:11点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(極微細で薄い3ミリ長が数本あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。
↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡って完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。
【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
・当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・附属の中古フィルターは清掃済ですが微かな拭きキズなどが残っています(実用レベルでキレイ)。
↑このモデルはピントの山が掴み辛いので、今回のオーバーホールでは距離環を回すトルクを「軽め」に仕上げています。また当初バラした直後は過去メンテナンス時に古い時代の「黄褐色系グリース」がまだヘリコイドのネジ山に残ったまま、上から「白色系グリース」を塗り足しています。
このように古いグリースを洗浄して除去せずに新しい (しかも種別/成分が異なる) グリースを重ねて上から塗布してしまう処置を整備会社では「グリースの補充」と呼んでおり、いまだに執り行われています(笑)
するとバラした時に古い「黄褐色系グリース」はそのまま「黄色い色合い」が残ったままですが、新しく塗られた「白色系グリース」のほうは経年劣化進行に伴い「濃いグレー状」に変質しています (元々は白色)。その「濃いグレー状」を綿棒などにとって真新しい無色透明の溶剤に浸すと、サラサラと瓶の底に非常に微細な金属粉が沈殿します。
そうですね、ヘリコイドのアルミ合金材が摩耗して削れた「摩耗粉」なのが分かります。
さらに各部位の組み立てが手順どおりに行われているので (デタラメに作業した) シロウト整備ではない「プロの仕業」である事が明白ですが、このように種別/成分が異なるグリースを混ぜて使うことに何ら抵抗感が無いのでしょう(笑)
↑今回の個体にも中古品ですが、murumi製MC/UVフィルターが附属します。一丁前にマルチコーティングタイプですから (硝子面がグリーンに光り輝いている)(笑) 一応ちゃんとカビ取りもして光学硝子の清掃を実施済です。
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離40cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。
↑絞り環を回して設定絞り値「f4」で撮影しましたが、絞り環の刻印絞り値は「● (ドット)」です。