〓 FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON 55mm/f2.2《前期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の
FUJICA製標準レンズ・・・・、
FUJINON 55mm/f2.2《前期型》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は当方がオーバーホール作業を始めた10年前からの累計で当時のFUJICA製標準レンズ「55mm/f2.2」の括りで捉えると累計で64本目にあたりますが、今回扱った個体「前期型」だけでカウントするとちょうど40本目です。

今回はいわゆる今も数多く市場流通しているエンジニアリング・プラスチック製の個体なので、前回扱った「一部金属製」で捉えた累計数は今回該当せず16本目のままになり、もっと言えば『総金属製』も6本目のままです。要は前回の扱い分で「一部金属製」の在庫が底を突き 手元にもうありません。

市場流通品はほぼ毎日必ずチェックしていますが「一部金属製」の個体が出回る率は相当低く1年に数本レベルです。さらに「総金属製」は1〜2年で1本出回るかどうかなのでどんだけ稀少品だったのか今頃思い知らされている感じです(笑)

中には他モデルからの部位転用で組み上げているのではないかとのご指摘もありましたが(笑)まず距離環は他のモデルと仕様が異なるので転用できず、さらに決定的な相違は「最短撮影 距離60cm」の刻印なのでごまかしようがありません。また指標値環もパッと考えて転用できそうに見えても実は距離環と絞り環が入る隙間の違いから転用できません。同様に絞り環も開放f値「f2.2」刻印からも転用できないのは自明の理です。

この辺りの解説については過去にアップした「こちらのページ」と合わせて「こちらのページ」も参考になると思うので、このモデルのバリエーションについて深く知りたい方は参照してみて下さいませ。

すると例えばヤフオク! で流通している出品個体の中で出品ページに「前期型と後期型の写真が混ざって載せている出品者」が居るのがバレます(笑) 要は綺麗な個体の写真を使い回ししていて、届いた商品と違うとのクレームが来たら「個人の主観」を理由に対応しないパターンで当方から見ればそのような出品者は悪質極まりないとの捉え方なのに、この点をヤフオク! に何度違反申告しても一切対処しません。「前期型/後期型」の相違で最も分かり易い判別方法は「レンズ銘板と前玉格納環とが別素材で分離しているか同じプラスチック製で連続的に一体で成形されているか」で掲載写真を見ただけで判別できます。その点まで解説しているのにヤフオク! は放置プレイです。

従って「総金属製」は全く以て富士フイルムが製産出荷した本物であり、転用などによるごまかしができない製品と言えます。その意味では「一部金属製」も如何なる理由でエンジニアリング・プラスチック製へと少しずつ変遷していったのかそのストーリーが全く思い付きませんが (何しろ製造番号にシリアル値の法則性が無いので時系列が掴めない)、分からないとなると余計に知りたくなるのが人情なので困ります(笑)

そんなワケで当方のデータベースには事細かく仕様の相違などを製造番号を基に記録してありますが (もちろん写真も) それを参照しつつ毎日市場をチェックし続けていても相変わらず発見できずなかなかです。

・・という事で今回は普通のエンジニアリング・プラスチック製です。

↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は「FUJINON 55mm/f2.2《前期型:総金属製》(M42)」のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑冒頭では「一部金属製」などの話しをしましたが、実はそのような筐体外装の話し以前に「光学系の状態」のほうがもっと神経質で相当リスクが高いオールドレンズです。今回の個体も調達時の掲載写真ではクリアに見えていても、実際に手にすると残念ながら後玉は相応に カビ除去痕が多く、然しながら救いはクモリの度合いが限定されている為にこのページの最後に掲載するオーバーホール後の実写確認でも何ら齟齬が現れず (つまり写真に影響を来さない) そう言うレベルなのが唯一の助けでした。

なおヤフオク! ではない別の某オークションで今回と同じ「距離環にヒビ割れなどが一切無いタイプ」を指して「金属製」と謳ったり、或いは総重量が「160g」なのを根拠に「金属製」と謳う出品個体が出回っていますが、この距離環が金属製なのか否かはどうしても確認したければ「外して2cm位の高さからテーブルで落下させればその音で判明」します。金属製 ならカランカランと本当に美しい音色で廻りますが、エンジニアリング・プラスチック製だと「コトン」でオシマイです(笑)

また当然ながら金属製なら擦ったりぶつけた時の痕は「銀色」に金属材が顕わになりますが、エンジニアリング・プラスチック製は何処までも「真っ黒のまま」です(笑)

以前当方宛その別の某所で高額で手に入れた人から問い合わせが来てご返事しましたが (その別の某所とは当方は一切関わりがないのに)「金属製なのに削れても銀色にならない場合があるのですか?」との内容で、当然ながら金属製なら「銀色に削れます」とお答えしました。

その後当方からの返事をどのように受け取られたのかはご返事頂けなかったので不明のままですが (できたらいくらメールでもマナー程度のご返事を頂けると助かります)、今まで10年間で3,000本以上のオールドレンズ個体を扱いましたが、金属製の筐体外装で削れている箇所が黒色のままと言う個体は1本も手にした記憶がないので間違いないと思います。

また確かに今回のエンジニアリング・プラスチック製は総重量で「146.5g」なので、金属製の根拠として「160g」を目安に捉えるのも理解できますが、残念ながらエンジニアリング・プラスチック製のタイプと金属製のタイプとでは内部構成パーツ、或いは各部位の駆動仕様が異なるので必ずしも全てのパーツが個別に同一の重量とは限りません。

・・従って製品重量だけをとって金属製の根拠と捉えるには相当なムリが残ります

その上で距離環なら距離環を落としてみてその音を確認すれば間違いありませんし、もっと言うなら裏側でも良いのでほんの僅かに削ってみれば100%判明します。それは別に距離環に限らず何処の部位のパーツでも (筐体外装でも) 考え方と確認方法は同じです。

このような話しは当方のこのブログで複数このモデルについて解説しているので、そこに載っている仕様欄をチェックすれば総金属製ではない個体なのに「160g」なのがあったりするので調べられます。

↑実は前玉にも極僅かにカビ除去痕が残りますが、そう言われて必死に探してなんとか発見できるレベルです(笑) 従って光学系内の透明度が高くLED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。但し後玉には相応の微細な点状カビ除去痕と共に極僅かな附随するクモリが残っていますが、多くの領域で透明度を確保できているのでキレイな写真が撮れてしまいます。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

この個体は「前期型」なので、冒頭の完全解体写真を見ても分かりますが「後期型」とは異なりちゃんと前玉が金属製の格納環にモールドされています。「後期型」ではエンジニアリング・プラスチック製の格納環にモールドされつつ前玉自体がハメ込み式なのでだいぶ設計が変わっています。

↑光学系後群側も後玉を除いて内部は透明度が高くLED光照射で極薄いクモリがありませんが、後玉だけは露出面側に相応の微細な点状カビ除去痕が多く残っていて、且つその一部に非常に薄いクモリが附随します。但し透明な領域のほうが多いので写真には影響しないレベルです。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:15点、目立つ点キズ:9点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前後玉に微かな点状カビ除去痕が複数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い最大6mm長数本あり)
(特に後玉のほうが多めです)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズなし)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(前後玉に点状カビ除去痕複数に残っています)
(後玉露出側に微細な点状カビ除去痕複数あり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
(前後玉に微細な点状のカビ除去痕が複数あり)
(但し後玉露出側に微かな薄いクモリを伴う微細な点状カビ除去痕複数あり/写真に影響なし)
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑5枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じていく際は「完璧に正五角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が指に伝わります(擦れ感強め)。
・マウント面から突出している「開放測光用の爪」を残してあります。恐れ入りますが切削が必要な場合はご落札者ご自身で作業お願い申し上げます (当方では切削しません)。
・マウントアダプタ経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着使用される場合はK&F CONCEPT製のマウントアダプタをご使用頂き、且つピン押し底面を「平面」にセットしてご使用下さいませ。それで適正な絞り連動ピンの反応を維持できます。
・マウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み動作に関し、残念ながらマウント部内部の捻りバネが経年劣化で弱っており、特に絞り連動ピンを押し込んだ後の復帰時に絞り羽根が完全に開放する動作が僅かに緩慢です。マウントアダプタ経由装着時は一切問題が起きませんがんがフィルムカメラ装着時は絞り羽根の戻りが多少なりとも遅れ気味なので(緩慢なので)ご留意下さいませ(事前告知済なのでクレーム対象としません)。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・マウント面から突出している「開放測光用の爪」を残してあります。恐れ入りますが切削が必要な場合はご落札者ご自身で作業お願い申し上げます (当方では切削しません)。
エンジニアリング・プラスチック製の指標値環に1箇所割れが生じており確実にイモネジをネジ込む為にエポキシ系接着剤で固めてあります。また別の箇所には同様イモネジ穴に沿ってヒビ割れがあります(対策として内部で接着済)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-Nフィルター (新品)
本体『FUJINON 55mm/f2.2《前期型》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
純正樹脂製被せ式前キャップ (中古品)

↑上の写真解説のとおり「開放測光用の爪」がマウント面から飛び出ています (グリーンの矢印)。当時のFUJICA製フィルムカメラ「ST-801/901/AZ/1」などに装着すると開放測光機能がご使用頂けます。

もしもマウントアダプタ (ピン押し底面タイプ) 経由デジカメ一眼/ミラーレス一眼に装着される場合は、ご使用になられるマウントアダプタによってはマウント面の「開放測光用の爪」が当たって擦れるので/最後までネジ込めないので切削する必要があります

申し訳御座いませんが切削にはご落札者様自身で行って下さいませ (当方では切削しません)。

↑当方所有のK&F CONCEPT製M42 → SONY Eマウントアダプタに装着した状態を撮影しました。マウントアダプタのオールドレンズ側マウント面に「1㍉弱」の突出がある為 (赤色矢印) ご覧のように隙間が空きますが、同時に「開放測光用の爪 (グリーンの矢印)」が当たらない ので最後までネジ込めます。

このK&F CONCEPT製マウントアダプタのマウント面の突出はこれら「FUJICA製M42マウントの開放測光用の爪を避ける目的」で突出しているのでありがたいです。同様mamiya製mamiya/sekorなど「SXシリーズ」もマウント面から飛び出ている金属製の棒状ピンを避けられるのでご使用頂けます。

このK&F CONCEPT製M42マウントアダプタに関するトピックはちゃんと補足解説として『◎ 解説:M42マウント規格用マウントアダプタピン押し底面について』で詳しく説明しているので気になる方はご参照下さいませ。

↑同じように今度は日本製のRayqual製品に装着したところを撮りました。同様マウントアダプタのオールドレンズ側マウント面に「1㍉強」の突出があるので (赤色矢印) ご覧のような隙間が空きますが、前述のとおり「開放測光用の爪 (グリーンの矢印)」を避けられるのでちゃんと最後までネジ込めます。

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あたかも普通にマウントアダプタへの装着についてその有効性/齟齬の無さを検証しつつ説明しましたが、そもそも「何で当方がいちいちマウントアダプタとの相性問題まで検証して説明しなければならないのか?!」との想いが相当強いです!

当方は個人で法人格ではありませんが、手元には30を越えるマウントアダプタがゴロゴロしています。様々なマウント規格に対し都度気になるマウントアダプタを購入してはちゃんと 検証しているのに、そのような努力は決して報われません (M42用のマウントアダプタだけで11種類も転がっています)。

すると今度は「プロなら当然だろう!」と指摘されますが、当方は自らをプロとは決して述べません!!! 当方はプロでも匠でもなく皆様が批判されるとおりプロになれなかったド素人崩れがせいぜいのレベルです (そのように何度も何度も言われてます)(笑) そのくせいまだに毎年のように批判がメールで届きます。もぅ勘弁してください (2日前にまた来ましたが)!

マウントアダプタの仕様を決めているのは当方ではありません! お手元に購入したマウントアダプタとの相性問題についてどうして当方が責任を負うべきなのか、どう考えても不条理 すぎて納得いきません (それでもクレームが来ただけで全額返金していますが)!

あ〜だこ〜だ言うと仕舞には「アンタの整備が悪い!」と来ます(笑)・・お話になりません。

なので、以下に述べるとおり当方のファンの方以外は是非ともご落札頂かぬよう切にお願い 申し上げます。当方が整備したオールドレンズなどは、そもそも当方の技術スキルが低いので間違いなくご満足頂けません! 今までに当方とお取り引き頂いた方だけを対象としてオー バーホール済でヤフオク! 出品しているので、どうか切に、マジッで切に安易に考えてご落札 頂かぬようお願い申し上げます (評価を見ればリピーターばかりなのが歴然です)!

しかも10年間で僅か1,200人しかリピーターの方々がいらっしゃいません。たったそれだけの方々が当方にとってはとてもとても大切な方々なのです! その皆さんの為に納得できる まで何回でも組み直して仕上げています。今は体調が芳しくありませんが、きっとリピーターの方々には喜んで頂けるとのその一心で臨んでいます (技術やスキルではなくたったそれだけの精神性しか在りません)!

・・その本質はただただひたすらにオールドレンズの愉しさの追求だけです!

或る方は自分の手でピント合わせするのが楽しいのかも知れませんし、或る方はそのオールドレンズの背景まで想いを馳せているかも知れません。また或る方は距離環を回すそのトルクに充足感を抱くのかも知れません。もっと言えばそもそもオールドレンズの収差だらけなその 写りに惚れ込んでしまったのかも知れません。どのようにオールドレンズと接するのかはそれぞれ千差万別ではありませんか?

・・当方はそのように信じるからこそ妥協しないのです

決して妥協しなければ、きっと何処かでご落札者様と共有できる・・と、たったそれだけを 信じて臨んでいますが、それでも批判されるなら真摯に受け入れるしかありません。既に引退すると表明しているのにどうしていまだに相変わらず批判メールを送るのか、人としての良心を疑ってしまいます。相当参っているので、どうかもぅ許して下さいませ・・

ヤフオク! には例え同業者の『転売屋/転売ヤー』としても信用/信頼が高い出品者が数多く 居ますから、そちらからご落札頂くのが間違いありません!

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離60cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影していますが絞り環の刻印は単なるドット「●」だけです。

↑さらに回してf値「f4」で撮っています。

↑f値「f5.6」に上がりました。

↑f値「f8」での撮影です。

↑f値「f11」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。既に絞り羽根が閉じきっている状態なので「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。