〓 mamiya (マミヤ光機) AUTO MAMIYA-SEKOR 55mm/f1.4《富岡光学製:初期型》(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、国産の
マミヤ光機製標準レンズ・・・・、
AUTO MAMIYA-SEKOR 55mm/f1.4《富岡光学製:初期型》(M42)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Украине!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

この当時のマミヤ光機製標準レンズは世田谷光機が供給していた時期とその後に世田谷光機が浦和製作所に統合/消滅し富岡光学からの供給に替わっていた時期とに分かれますが、今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は1966年に自社初の「M42マウント規格」として発売された一眼レフ (フィルム) カメラ「1000TL/500TL」向けの セットレンズとして登場した「富岡光学製」標準レンズになります。

セットレンズの供給が世田谷光機から富岡光学製へと遷移した一番最初のモデルなのでモデルバリエーション上は「初期型」と位置付けしています。

ところがタイミング的に富岡光学が経営難を乗り越えられずに大手顧客の一つだったヤシカに吸収合併されたのがまさに1968年なので、今回扱う標準レンズが発売された1966年と言う タイミングは富岡光学にとって相当逼迫していたであろう時期とも言えそうです。

そして当方が「富岡光学製」を判定する要素やこの当時に合わせて登場していた様々な光学メーカー向けやブランド銘のOEMモデルなど、さらにそもそもレンズ銘板に「TOMIOKA」銘の刻印を指向先ブランドと共に刻印していたいわゆる「ダブルネーム」モデルの登場時期など、詳しい解説はこちらのAUTO MAMIYA-SEKOR 55mm/f1.4《富岡光学製:初期型》(M42)』をご覧下さいませ。

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モデルバリエーション「初期型後期型」の別なくこのモデルの当方での扱いは今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体が累計で12本目にあたりますが、その中で「初期型」は10年間で僅か2本目です。

特に敬遠していたワケではありませんがこのモデルのシリーズを調達する際に一番重要なのは「後玉のキズの状態とクモリの状況」であり、その調達する個体の出品ページに「クモリ」の文字が含まれていたら手を出しませんし、もっと言えば「出品個体の写真が白色の背景で撮影している」場合は後玉の状況を一切確認できないのでやはり手を出しません。

これはこの当時に富岡光学が数多くOEM供給していた同族系のモデルを調達する時も同じで「このモデルの写真が低コントラストに堕ちる因果関係の多くは後玉の状況如何で決まる」とも言い替えられるからです。

従ってこれら焦点距離「55mm/f1.4」モデルに関しては後玉の透明度が何よりも調達時の ハードルになります。

極僅かなコーティング層の経年劣化に伴う薄いクモリが残っていただけで「まず間違いなく 清掃しても除去できず」どうにもなりません (人力による光学硝子研磨などそう容易く改善 できない)。

そんな中で今回の個体は特に「初期型にしては大変珍しく後玉がスカッとクリア」だった為調達に及びましたが、実は酷い個体で「絞り羽根開閉異常」で設定絞り値「f4」までしか絞り羽根が閉じない問題と距離環を回すトルクに大きくムラが残っている、或いは鏡胴のガタつきが酷くネジを締めても利かないなどまず以て正常に動作しない個体でした。

手元に届き実際にバラし始めると「青緑色の固着剤」であらゆる締付ネジ全てを固着しており且つ「白色系グリース」がまだ塗られたばかりでおそらく5年内にメンテナンスされている 個体と推測できました。

さらに光学系内がクリアとの謳い文句でしたがLED光照射すると前玉に経年並みにカビ除去痕が残り薄いクモリを伴っていました。

残念ながらカビ除去痕に伴う極薄いクモリはコーティング層に侵食していたりするのでまず 以て除去できませんからオーバーホール後でも同様前玉表面側にはLED光照射すると数多くのカビ除去痕に伴う極薄いクモリが残っています。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はAUTO MAMIYA-SEKOR 55mm/f1.4《富岡光学製:初期型》(M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。このモデルのシリーズは「後期型」のほうが市場に出現する確率が高くレンズ銘板の刻印が「AUTO MAMIYA-SEKOR」表記の個体は希少です。たいていの場合「AUTO mamiya/sekor」なので珍しいですし「初期型/後期型」の区別が適うので分かり易いです。

どうして「初期型」にこだわるのかと言うと実は「光学系の設計が異なる」からです。

それも後玉を見ただけですぐに判明します。「後玉が平坦ではなく緩やかに突出している」のがまさに「初期型」に限定した特徴なので「後期型発売時点で再設計している」と推測でき ます (後期型では後玉は平坦に変わっている)。

さらに指摘するなら当方がこのモデルの「初期型」にこだわる理由は「一にも二にも富岡光学製オールドレンズの初期の頃の描写特性を欲しいままにできるから!」とも言え「独特な収差ボケの表現性こそがまさに愉しめる魅力の醍醐味」でありこの後に登場した平坦な後玉に変わる「後期型」時代に入るとその写りは端正に向かい「ちょっとつまらない」的な嗜好が働くので「初期型ありき」みたいな話です (あくまでも当方のオールドレンズに対する嗜好の一つ と言えます)(笑)

しかしそうは言ってもせっかく後玉の状態が良い個体に巡り会えたのに「絞り羽根開閉異常」は相当なレベルで、さらに数年内に施されたであろう過去メンテナンス時に間違った位置で ヘリコイド (オスメス) がネジ込まれた為に正しい無限遠位置に至らず、合わせて極度なトルクムラが生じそれを緩和させたいが為に「鏡胴の締付を最後までせずにごまかしていた」のが 手に持って撮影していると何となくガタついている印象だった因果関係でした(笑)

左写真は今回出品する個体ではなく2年前の別の個体をオーバーホールした際に撮った写真からの転載です。

これは絞りユニットや光学系前後群を格納する 鏡筒をひっくり返して裏側 (つまり後玉側方向)
から撮影している写真です。

すると赤色矢印で指し示している「開閉アーム」がありますが、そのすぐ近くにスプリングが写っています。たったこれだけの簡素な鏡筒裏側ですが (つまり鏡筒内部の絞りユニットから飛び出ているのが開閉アーム)、このスプリングの引張力により「絞り羽根を常に開放状態を 維持する」チカラが働いています。

その一方でマウント部内部にある「捻りバネ」の反発力により反対のチカラが作用して「絞り羽根を常に最小絞り値まで閉じようとしている」のが正しいチカラバランスです。

つまり「チカラの伝達経路の相違からそれら相反するチカラを及ぼす物体の弾性を利用した機械要素」を利用しているワケですが、過去メンテナンス時の整備者は整備時点で既に絞り羽根の開閉異常が起きていた為に「スプリングを短くして強めた」処置を講じ、或いは「捻りバネをペンチで曲げて強めたり」と要は経年劣化の進行に伴いそれらバネ類のチカラが弱った為に絞り羽根が正しく開閉しないと判定したようです。

・・何を言いたいのか???(笑)

つまり過去メンテナンス時に「ごまかしの整備」を処置している次第ですが、実はこのようなごまかしは非常に数多くのオールドレンズで頻繁に似たような処置が執られていたりします(笑)

確かに生産してから半世紀近く年数が経っているとなればこれらバネ類が弱っていると考えるのはある意味理に適いますが「処置を講じる前にチカラの伝達経路を正しく適切に処置する」のがまず以て大前提のハズです。

そのチカラの伝達経路が既に経年で酸化/腐食/錆びにより抵抗/負荷/摩擦が増大しているのに敢えて「スプリングをカットして短くしたり」或いは「捻りバネをペンチで曲げて強めたり」など処置してしまうのは実は大きな間違いです。

結果それら処置を講じられてしまったバネ類はさらに弱ってしまいついに「絞り羽根開閉異常が再発する」結末を迎えます。

従って今回のオーバーホールで当方が施した処置は何かと言えば「まずはチカラの伝達経路を可能な限り製産時点まで戻す」と共に「短く切られてしまったスプリングを除去して代替品で適切なチカラに正す」合わせて「マウント部内部の捻りバネも正しいカタチに戻す」と凡そ 過去メンテナンス時の整備者が講じた処置を逐一「元に戻す作業」の必要性に迫られた次第 です(笑)

・・いったい何をやっているのか本当にバカらしくなります(泣)

↑光学系内の透明度が高い状態を維持している個体ですが冒頭解説のとおり「前玉表側には経年並みに極薄いクモリを伴うカビ除去痕が複数残ったまま」なので特にLED光照射するとそこいら中に薄いクモリのカビ除去痕が見えてきます (順光目視レベルではパッと見でキレイに しか見えない)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

拡大撮影してもご覧のとおり極薄いクモリを伴うカビ除去痕が無数に存在するようには視認 できませんがLED光照射すると明確に現れます。

↑その一方で後群側はこれでもかと「スカッとクリア」なので撮影写真への影響度を極力 排除できている次第です。

まず以てこのモデルでこれだけ後玉が透明なのは半世紀の時間を考えると本当に素晴らしい です!(驚)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
後群内:14点、目立つ点キズ:10点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
(前玉表面に経年並みのカビ除去痕多数あり)
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(特に前後群内極微細な薄い2cm長数本あり)
(後玉中央に5mm大円形上の二重線キズあり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:あり
(後玉中央に5mm大円形上の二重線キズあり)
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):あり
(前玉表側にカビ除去痕に伴う極薄いクモリ複数あり)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環やA/M切替スイッチ共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

当方では基本的に互いが擦れ合う動作をする絞り羽根の経年劣化 (擦れ/削れ/汚れ) は一切関知しません。ヤフオク! の出品などの解説を観ていると絞り羽根の擦れ具合を気にしている出品者が居ますが当方に言わせると「擦れるのは当たり前の話 (そのように設計されているから)」でありむしろそんな事より「設定絞り値との絞り羽根開閉幅の整合性をチェック」したらどうなのかと言いたいですね(笑)

ちゃんとそのような点をチェックせずにまるで謳い文句の如く指摘しているのがバカらしい話です(笑)

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人により「重め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。
・フィルター枠に2箇所打痕があり修復しています。現状フィルター脱着は普通に行えますが修復痕はそのまま残っています(フィルターネジ込み時はネジがちゃんと入るのを確認してからネジ込んでください/ムリにネジ込むと外れなくなります)。
・A/M切替スイッチの樹脂製ツマミが破損して存在していません。現状ベースの板状パーツだけが飛び出ている状態ですがA/M切替スイッチの機能は問題なく働いています(そのまま操作下さい)。
・鏡胴指標値環に1箇所打痕があり修復しています。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-Nフィルター (新品)
本体『AUTO MAMIYA-SEKOR 55mm/f1.4《富岡光学製:初期型》(M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製スナップ式前キャップ (新品)

↑上の写真はフィルター枠の部位に1つだけある打痕修復箇所を赤色矢印で説明しています
(その箇所に引っ掻きキズがある) よ〜く見ても何処なのか分かりにくいです。しかし実際に フィルターを装着する時「なかなかネジ込みが合わない」ので打痕の影響ですがちゃんとネジ込みを指で感じてからネジ込んでいくようにご留意下さいませ。ムリにネジ込むとフィルターが外れなくなります。

↑また鏡胴の指標値環にも1つだけ打痕修復箇所があります (赤色矢印) が既に修復済なので 距離環を回しても擦れたりしません (トルクにも影響なし)。

↑本来このA/M切替スイッチには大きめの樹脂製ツマミが存在するのですが割れてしまい既に欠損しています。樹脂製ツマミがモールド成形されていた「金属製板状ベース」のみですが ちゃんと「A/M切替が正しく機能する」ので出品に際し事前通告しています。

このA/M切替スイッチの場所がマウント直前なのでクリック感を堅くすると操作しにくいので「クリック感を軽めにセット」してあります。

今回の個体は過去メンテナンス時に「ごまかしの整備」が施された為にf4までしか閉じない「絞り羽根開閉異常」に陥っていましたが、おそらく整備直後は「f11止まり」だったのだと思います (内部パーツの擦れ具合で判定できる)。

f4まで悪化した (閉じなくなった) 理由」はまさに製産時点で用意されていた「スプリングの引張力と違うから」と指摘でき、非常に多くのオールドレンズで似たような処置が講じられますが「スプリングなら何でも良い」との考え方がそもそも大きな間違いです(笑)

また短く切削して引張力を強くしてしまうのは間違いなく数年でスプリング本来の引張力を 発揮できなくなりスプリングの代用が必須に至ります。

例えばスプリングの線径と巻き数に長さや径まで同じレベルの代替品を用意しても「そもそも引張力が異なる」ので全く意味がありません(笑)

また「及ぼすチカラを強くしてしまえば良い」と言う考え方もまさに安直すぎてそれもお話になりません!(笑)

ではどうやって代替品を探し出すのかと言えば「マウント部内部の捻りバネからのチカラの バランス」と見合いながら代替品のスプリングを探すしかなく相当厄介な話です!(泣)

まして今回の個体はそのマウント部内部「捻りバネまで曲げられていた」のでまずは曲げられてしまったその捻りバネの本来適切なチカラを見つけ出す作業からスタートするしかなく、ハッキリ言ってこれらスプリングと捻りバネ2つの作業だけで丸一日がかりだったと言えます(涙)

・・本当にロクなことをしない!(怒)

さらに言うならこの当時の富岡光学製OEMモデルで (TOMIOKA銘刻印モデルを含む) 距離環を締め付け固定できる位置は「イモネジ用の下穴が備わるので変更できない」点を過去メンテ ナンス時の整備者は全く配慮しておらず、第一「無限遠位置微調整機能を装備している」にもかかわらず「距離環刻印の∞位置のズレを解消できない仕組み」と言う矛盾した設計を平気で採っていたこの当時の「意味不明な富岡光学の設計」さえも全く理解しておらず、それこそが富岡光学が経営難に喘いでいた根本原因なのではないかとみています。

要はおそらく部位別に担当部署が異なり設計の引き継ぎが上手く機能していなかったと当方は捉えています。従ってある部位で採られた設計が別の部位に引き継がれないので (逆に言うなら別の部位との設計の詰めが甘いので) それぞれで特異な設計が必要に至り「ムダに利益を食い漁っていた」のが根本的な問題だったと考えています(笑)

その意味でこの頃の「初期型」レベルの内部構造こそがまさに富岡光学の設計の詰めが甘い要素を明確に表しており、せっかく備わる「無限遠位置微調整機能」なのに結果的に「∞刻印位置がずれていく」と言う矛盾した仕上がりに至ります(笑)

つまり端的に指摘するなら「距離環の締め付け固定にイモネジを使うにも下穴ではなく溝に していれば自在に∞刻印位置を合わせられた」とも言えるワケで(笑)、それこそ自由に水平位置で∞刻印をいくらでも左右にズラせるので仕上がりも問題がなかったハズなのです(笑)

まさにこのような話が「観察と考察」で理解できていないのでムリにヘリコイドのネジ込み 位置を変更してあたかも適正な無限遠位置に仕向けていただけなのが仇となり距離環を回す トルクムラに至り、結果的に鏡胴の締付まで緩めてごまかしていたワケです(笑)

・・バラしてしまえば全て因果関係が明白になりますね!(笑)

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離50cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

まるでピンボケにしか見えませんが(笑)、ちゃんと撮影時はミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に鋭くピタッと合焦しています。

このモデルのピントの山はピークがアッと言う間なので距離環を回すトルクの微調整が効かないとピント合わせし辛くて仕方ありません。その辺りまで見据えてオーバーホールしてあります。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f2.8」で撮りました。

↑f値は「f4」に上がっています。

↑f値「f5.6」です。

↑f値「f8」になりましたがこのモデル「初期型」で富岡光学製オールドレンズとしてのその描写特性を楽しめるのはこの「f8」辺りまでが美味しいと言えます。

↑f値は「f11」に至りましたが「回折現象」の影響から背景にコントラスト低下が生じ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

↑最小絞り値「f16」での撮影ですが、コントラスト低下にプラスして解像度低下まで現れ始めました。