〓 Carl Zeiss (カールツァイス) Skoparex 35mm/f3.4《oberkochen》(M42)
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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。
今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、旧西ドイツは
Carl Zeiss製広角レンズ・・・・、
『Skoparex 35mm/f3.4《oberkochen》(M42)』です。
ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ! Слава Україні! Героям слава!
上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。
Slava Ukrainieie! Geroyam Slava!
今回はオーバーホール/修理ご依頼分の個体を仕上げたご報告になりますが、当方がオーバーホール作業を始めた12年前からの累計で、当時の旧西ドイツはCarl Zeiss製広角レンズ「35mm/f3.4」の括りで捉えると累計で12本目にあたり、且つ光学系内がスカッとクリアな個体だけでカウントすると僅か5本目と言う状況です・・このCarl Zeiss製広角レンズに限らず、どういうワケなのか当時の広角レンズになると、光学系内の特に中玉辺りにコーティング層経年劣化に伴う「薄いクモリ」を帯びてしまう個体が多いのが現状です。
この「薄いクモリ」は経年の汚れなどではなくコーティング層の経年劣化に伴う変質なので「清掃しても一切除去できない」場合が多く、本当に厄介な話です(泣) 従って当方が広角レンズ域のオールドレンズを手に入れる場合は「必ず光学系内の状況をチェックして薄いクモリが無い個体」だけを調達している状況です (薄いクモリが視認できたら清掃しても先ず除去できないから)(泣)
特に広角レンズ域のオールドレンズになると、多くの場合でレトロフォーカス型光学系の構成を採っている事が多く、この中玉の「薄いクモリ」だけで眠い描写に至ってしまうので、なかなかに致命的です(怖)
従ってオールドレンズを手に入れる際は、やはり光学系の構成を知った上で「どの群の光学硝子レンズにクモリを生じているのか?」を把握し、そのクモリが清掃で除去できるのか判定を下すことが現在は必須作業になっていますが、広角レンズ域のモデルの場合たいていの個体で「中玉はとても小さい」ので厄介なのです (調達時に視認できないから)(怖)
そのクセ、そのような苦労を経てやっとの事で調達しオーバーホール済でヤフオク! に出品しても、当方のような何処のウマの骨だか分からないような『転売屋/転売ヤー』の出品個体など
多くの場合でなかなか期待通りの価格帯で落札されません (因果な話です)(笑)
oberkochen (オーバーコッヘン) 市は、旧西ドイツはLand Baden-Württemberg (バーデン=ヴュルテンベルク州) に属する街の一つでシュヴァルツァー・コッハー川とその渓谷に挟まれた自然豊かな田舎町です。
(左写真はGoogleMapでハイデ通りから見下ろしたオーバーコッヘン市/zeiss本社は左の茂みで隠れていて見えない/2022年)
緩急の坂道に囲まれたドイツ南部の風情豊かな街並みでサイクリングコースも多くZeiss博物館目当てで訪れるのも良いですね。街のホテルに宿泊してドイツ料理を楽しみながら透明度の高い川の水を利用したワイナリーを堪能するのもステキです。
↑完全解体した時の内部構成パーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説は『Skoparex 35mm/f3.4《oberkochen》(M42)』のページをご参照下さいませ。
ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。
ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。
↑完璧なオーバーホール/修理が終わっています。当初バラす前の時点でいろいろチェックすると一件問題なさそうに見えますが、実は「絞り環操作がこのモデルにしては固すぎる (構造面からして本来はスカスカ状態なのが正しいから)」のと「開放時に極僅かに絞り羽根が顔出ししているのが見える」点、或いはその影響から「最小絞り値f16の時に本当に僅かながら閉じすぎの傾向」にも感じました。
単なる当方のバラす前の印象ですが、完全解体していくとその因果関係が露わになっていきます。
↑順序が逆になってしまいますが、上の写真は完全解体した後に各構成パーツを当方による「磨き研磨」を経て組み立て工程の最中に撮影している「直進キーの構成パーツ」です。
当方が勝手に自ら「旗振り棒」と呼んでいる(笑)、ステンレス製の棒がスッと垂直状に立ち上がりますが (赤色矢印)、実はグリーンの矢印で指し示している箇所で「極僅かに工具を使って曲げられている」のが確認できました。
この「旗振り棒」はブルーの矢印で指し示したように左右に相当な大振りで傾きながら振られる金属棒です・・この「旗振り棒」の大振りな振り幅がこの後の組み立て工程で大きなポイントになってきます。
また左側には垂直状に伸びた相応に幅広な板状の「直進キー」が附随しますから、この「直進キー」を固定する位置が極僅かでもズレると途端に距離環を回すトルクが重く変わってしまいます (このパーツ全体がそもそも固定位置をズラせるよう微調整機能を装備している)(泣)
↑こちらも内部の構成パーツの一つですが、前出の「旗振り棒」と一緒になってマウント部内部に固定される「操作アーム」です。グリーンの矢印で指し示している箇所に穴が開いていて、そこに「旗振り棒」が刺さって貫通します。
このパーツで問題だったのがブルーの矢印で指し示している箇所の「変形」です・・本来このパーツの目的/動き方として適切で正しいのは「水平状態をキープ」ですが、過去メンテナンス時に工具を使ってほんの僅かですが故意にワザと曲げられています (つまり水平状態をキープしていない)。
本来はブルーの矢印で指し示している箇所の隙間が同じように開いているのが適切ですが曲がっているので矢印で指した箇所で膨れているのが分かります (つまり水平ではない)。
↑マウント部の組み立て工程を撮影しています。前出の「操作アーム」に開いている穴に「旗振り棒」が貫通しているのが分かります・・この貫通した「旗振り棒」の先端部分に備わる「グリーンの矢印で指し締めている金属の輪っか」が非常に重要なのです。
他に「カム」とマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」も既に組み込みが終わっていて、マウント面から飛び出ている「絞り連動ピンが押し込まれると (ブルーの矢印❶)」その押し込まれた量の分だけチカラが伝達されて「カムが動き」ます (ブルーの矢印❷)。
その結果カムを伝わってマウント面から飛び出ている絞り連動ピンが押し込まれた時の「そのチカラが操作アームに伝達され移動」します (ブルーの矢印❸)。すると操作アーム先端部分に相手居る穴に刺さっている「旗振り棒が勢い良く傾き」グリーンの矢印で指し示してる先端の輪っかが振られます (ブルーの矢印❹)。
つまりいったい何をヤッているのかと言えば、マウント面から飛び出ている「絞り連動ピンが押し込まれる事で旗振り棒を勢い良く傾ける」操作をしたい話しに至ります(笑)
このような概念がこれらoberkochenモデルのオールドレンズでは非常に重要で、特に「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンを押し込んだ時のそのチカラの量」の分だけチカラが伝達される事に多くの整備者が気づきません(泣)
逆に言うなら「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンを押し込んだ時のその押し込むチカラはオールドレンズ内部で一切増幅されない」事を理解していません・・つまりこのモデルの設計上の「原理原則」を無視した/蔑ろにした整備を平気で行っているのが多くの場合で横行している整備内容です(笑)
↑同様制御系パーツを全て組み込んだマウント部を横方向から撮影しています。マウント面から飛び出ている「絞り連動ピンが押し込まれると (ブルーの矢印❶)」その押し込んだ時のチカラの分だけ伝達されて「カムが動き (ブルーの矢印❷)」最終的に「操作アームが移動して (ブルーの矢印❸)」その移動量に対して「旗振り棒が勢い良く振られる」動きをします (ブルーの矢印❹)。
するとその時グリーンの矢印で指し示している「旗振り棒の先端部分の輪っか」が勢い良く傾いて振られる動きをしますが、この時のこの動きの原理を全く理解していないから「ごまかしの整備」をしてしまいます(泣)
グリーンの矢印で指し示している先端部分の輪っかが動く量は「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンが押し込まれた時のチカラの増幅ではない」点をちゃんと認識していないから、平気で「ごまかしの整備」を執り行えば改善できると信じてやみません(笑)
・・全く違います! チカラの増幅ではなく「変換」です!
この「原理原則」をちゃんと捉えていないから「旗振り棒」を強制的に曲げて旗振りする時の移動量を増やしてごまかしています (だから途中で旗振り棒を曲げている)。
↑実際にマウント面から飛び出ている「絞り連動ピン」を最後まで押し込みきった時の「旗振り棒の傾き加減」を撮影しました。上の写真ではもう既に「強制的に曲げられていた旗振り棒 (赤色矢印) を垂直状態に正した/戻した」状態での動き方を撮影しています・・先端部分のグリーンの矢印で指し示している輪っか部分が相当な移動量で動き、合わせて傾いて角度が変わっているのが分かります。
過去メンテナンス時の整備者が執った行動/所為は「操作アームの水平度を故意にワザと変形させて旗振り棒が傾いた時の移動量を多くした」のが歴然です(泣)
それでもちゃんと改善できなかったので、今度は「旗振り棒まで曲げてしまった」ワケですね(笑)・・何故なら、さらに操作アーム側を変形させて水平を維持できなくすると「操作アームがガイドから外れて固まってしまうから」です(笑)
おそらく過去メンテナンス時にそれを経験して慌てて戻したので操作アームの変形度合いが少なめなのです(笑)・・過去メンテナンス時の整備者が執った行動まで全てがモロバレです!(笑)
↑撮影するのをスッカリ忘れてしまったので、上の写真だけは過去に扱った個体からの転載写真です・・この転載写真を流用して解説を進めます。
鏡筒内部にセットされている絞りユニットの構成パーツである「黄銅製の位置決め環」の固定位置をそもそもミスッたのが根本原因だったのに、それに気づかずにいろいろとあ〜だこ〜だ「ごまかしの整備」をしていたのが今までの解説で暴露した説明です(笑)
この「位置決め環」の固定位置がズレると絞り羽根の開閉角度が変わってしまい、冒頭でご報告したとおり「開放時に極僅かに絞り羽根が顔出ししていた」のが必然です。
おそらくはもっと多めに顔出ししていたのだと推測でき、それを少なくする目的でいろいろなパーツを曲げて「ごまかしの整備」しています(笑)
鏡筒内絞りユニットの構成パーツの一つである「開閉環」に連結した「三角板」が引張式スプリングのチカラを借りて「常に完全開放状態を維持」するよう設計されている中、グリーンの矢印で指し示している「三角板の先端部分の穴」に前述の「旗振り棒先端部分の輪っか」が刺さって、この「三角板を丸ごとごっそりと動かす」から旗振り棒の移動量を「マウント面から飛び出ている絞り連動ピンのチカラの増幅ではなく変換として倍以上の移動量に制御させている」のがこの設計の基本的な「設計概念」であり「原理原則」なのです。
つまり前述の「旗振り棒」の振り幅が大きい理由がまさに「この三角板の長さ」分の移動量が必要な設計であり、右端に附随する引張式スプリングに引っぱられながらも「グイグイとこの三角板を左方向に移動させる」ことで絞り羽根の開閉制御を実現する設計概念なのです (要は開閉環の回転量=三角板の長さと言う式になっている)・・だからこそ「旗振り棒の振り幅はこの三角板の長さ分が必要」と言う話が「原理原則」になる次第です(笑) 当然ながらこのような「三角板の長さ分の移動量」などをマウント面から飛び出ている絞り連動ピンの押し込み量と一致させること自体が「不可能」ですから、結果的に「旗振り棒の仕組みとして絞り連動ピンが押し込まれた時のその押し込み量=チカラを変換させるしか方法がない」と言うのが「原理原則」になるワケです (ちゃんと考えればすぐ分かる話)。
これを全く理解していないからいろいろあ〜だこ〜だパーツを曲げて及ぼすチカラを無理に増幅させようと努めています(笑)
当方が今回のこの個体を完全解体している中で「あれ? 位置決め環が少し見えてるぞ?」とすぐに気づいたので、自動的に「あぁ〜だから絞り羽根が完全開放しないのね!」とバラしている途中でとっくに因果関係を掴んでいます(笑)
それの「ごまかしの整備」として過去メンテナンス時の整備者がいろいろあ〜だこ〜だパーツを曲げてしまったのも、パッと見てすぐに納得できています(笑)
しかし実は過去メンテナンス時の整備者のミスはそれだけではありませんでした・・(笑)
↑上の写真は冒頭で掲載した今回扱った個体を完全解体した時の構成パーツ全景写真を再び載せていますが、解説するパーツのみ色付き矢印で指し示しています。
そもそも固定位置をミスってしまった「絞りユニットの構成パーツたる位置決め環」が赤色矢印にで指し示している黄銅製の環/リング/輪っかになり、さらにグリーンの矢印で指し示してるのが同様絞りユニットの構成パーツの一つたる開閉環に附随している「三角板」です。
そしてもう一つの致命的な過去メンテナンス時の整備者によるミスがブルーの矢印で指し示した細長い小さな銅板です。
この細長い銅板は絞り環に組み込む専用のスリットが用意されているのですが、そこに正しくセットされず「絞りユニットの下部分に挟まったまま組み上げてしまった」ので、当初バラす前の確認時点で既に「絞り環操作がスカスカではなくシッカリした重みを感じるトルク感に仕上がっていた」次第です(笑)
当方はこのオールドレンズの内部構造と設計概念からそれに拠って導き出された「原理原則」に則りちゃんと考察できているので(笑)、このモデルの絞り環が焦点距離に関係なく「全てのモデルで絞り環操作はスカスカ状態」なのが正しいのを知っています。
それをおそらく過去メンテナンス時の整備者は「程良く重めのトルク感に仕上がった」とむしろ喜んで組み上げたのだと思いますが・・それは大きな間違いです!(笑)
何故なら、前述のとおり鏡筒外壁に附随して「三角板を常に引っぱり続け、結果的に絞り羽根を常に開き続けさせるチカラを及ぼす引張式スプリングの存在」が在るにもかかわらず、旗振り棒を曲げたり操作アームを変形させたりして「ごまかしの整備」に及んでいたワケで(笑)、結局「そのような曲げたり変形させたりをしなければ絞り環が重い分の影響を引張式スプリングが受けて絞り羽根開閉異常が起きていたのを改善できなかった」と言う、何ともお粗末な所為が白日の下に曝された次第です(笑)
・・過去メンテナンス時の「ごまかし整備」の全てはそこにあったのです!(笑)
従って、このCarl Zeiss製oberkochenモデルのモデルに於ける「スカスカな絞り環の設計」をちゃんと正しく受け入れようとしないからこそ、全く見当違いな所為に臨み、平気でこのような「ごまかしの整備」に及びます(笑)
・・こういうのが巷の整備者の低俗な整備内容の一つだったりするのです!(笑)
「観察と考察」を経て「原理原則」に則るとはこういう話であり、そこに「スカスカな絞り環はおかしい」と言う前提は存在し得ないのです。何故なら「そういう設計だから」です!(笑) 絞り環に適度なトルクを与えるような配慮が一切施されておらず、例えば重めのグリースをワザワザ塗って絞り環操作にトルクを与えるのも「経年劣化でそのグリースが変質して軽くなったらどうなの?」との推測に立てば、自ずと光学メーカーがそんなグリースのチカラに頼る設計など採らないのは当たり前の話です(笑)
そういう事柄までちゃんと「観察と考察」を進めないから、スカスカの絞り環に仕上がらなかった時点で「何かがおかしい?!」と全く気づけていないのです(笑)
光学系内の「迷光騒ぎ」で反射防止黒色塗料を塗ったくったり(笑)、絞り環操作にトルクが在るのに気づかなかったり、絞り羽根が完全開放していないのにその因果関係を突き止めようとしなかったり・・いったい何のために過去メンテナンス時の整備作業をしたのですか「???」と言いたいですねぇ〜(笑)
↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。前述のとおり光学系内の「反射防止黒色塗料」は徹底的に溶剤で除去しまくっています。最低限必要な部分のみ再着色して仕上げています。
↑絞り羽根の開閉は完全開放状態に戻し、且つ最小絞り値「f16」も簡易検査具を使って確認済です。もちろん過去メンテナンス時にズレたまま固定していた「位置決め環」も適切な位置でちゃんと固定しています(笑)
ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。
当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。
詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。
↑塗布したヘリコイドグリースはいつものとおり「黄褐色系グリース」で、当方独自のヌメヌメッとしたシットリ感漂うトルク感に仕上がっています。特にこのモデルのピントのピーク/山はスパッと一瞬なので、その瞬間を確実に捉えられるよう「掴んでいる指の腹にほんの僅かにチカラを伝えただけで前後微動できるトルク感」に仕上げたあるので、撮影していてても気持ち良いと思います(笑)・・こういう操作性の問題も「自らの所有欲を充たす一因に繋がる」のでオールドレンズをオーバーホールする甲斐があると言うものです(笑)
・・ピントのピーク/山の特性を知ってトルク管理する大切さと言えば分かるでしょうか?(笑)
↑特にご報告すべき瑕疵内容がありませんが、前述のとおり「当初トルクが在って重めだった絞り環操作はスカスカ状態に戻った」ので、もしもそれがご納得頂けないようでしたら下記の通りご請求金額より減額下さいませ・・申し訳御座いません。
オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。
無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。
もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい。当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません。
↑当レンズによる最短撮影距離30cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。
各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。
↑最小絞り値「f16」での撮影です。まだまだイケるので「回折現象」の影響を全く感じません。
今回のオーバーホール/修理ご依頼、誠にありがとう御座いました。引き続き3本目の作業に入ります (少々遅延しています/スミマセン!)。
◉ 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。
◉ 被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。
◉ 焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。