〓 VOIGTLÄNDER (フォクトレンダー) COLOR-ULTRON 50mm/f1.8 SL《前期型》(G)(M42)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
VOIGTLÄNDER製標準レンズ・・・・、
COLOR-ULTRON 50mm/f1.8 SL《前期型》(G) (M42)』です。


このモデルの当方扱い数は累計でカウントすると今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する 個体が36本目にあたり、その中で光学系を光に反射させた時に薄くグリーン色の光彩を放つモデルだけでカウントすると僅か9本目というところです。

以前製造番号を基にこのコーティング層が放つ光彩を調べたところ以下のような結果になり ましたが、実はその時調べたサンプルの中でも調べた結果のルールに該当しない個体が幾つか在りました。今回の個体も同様で製造番号「233xxxx」にもかかわらず薄いグリーン色の光彩を放っています。

【製造番号シリアル値にみるコーティング層光彩の特徴】
※当方データベース及びネット上の写真からサンプル数32本で調査
230xxxx〜:COLOR-ULTRON銘で濃いグリーンパープルアンバー
231xxxx〜:COLOR-ULTRON銘でパープルアンバー薄いグリーン
232xxxx〜:COLOR-ULTRON銘でパープルアンバー (グリーン色無し)

すると上にまとめたルールに則るなら今回出品する個体の製造番号「233xxxx」はグリーン色の光彩を放たないタイプなのですが現物は薄いグリーン色を放ちます。そこで考えられるのは何某かの理由から「レンズ銘板を含むフィルター枠部分をニコイチした個体」と推測できます (従って上記ルールに従っていない)。

逆に言うなら全ての製造番号でレンズ銘板を含むフィルター枠部分が別の個体から転用できる事からこのような「ニコイチ」の懸念が捨てきれません (実際サンプル数32本の中にも数本顕在した)。

また今回扱った個体には当初バラす前の時点で以下のような問題を抱えていました。

【当初バラす前の時点で抱えていた問題点】
絞り羽根の開閉が不安定
距離環を回すトルクが重い
距離環を回すとトルクムラが酷い
光学系内に薄いクモリが生じている
 光学系内にカビがポツポツ発生している
実写すると少し甘いピントの印象
鏡胴にガタつきがある

上の挙げたような問題点はワリとこのモデルに多い症状なのでオークションなど市場流通している個体を見ているとそのまま出品されている場合も見かけますし、或いはまるでこのモデルの持病の如く説明してノークレーム・ノーリターンを謳い売り切りで出品している場合もあります。

しかし決して「持病」と言うほどに設計が拙いわけではなく「たいていの場合で過去メンテ ナンス時の整備不良」だったりする事が多いように考えますし、実際今回扱った個体もその ような事情でした。

↑今回出品の個体を完全解体した時のパーツ全景写真です。オーバーホール工程やこのモデルの当時の背景など詳しい解説はCOLOR-ULTRON 50mm/f1.8 SL《前期型》(G) (M42)』のページをご参照下さいませ。

ここまで掲載したオーバーホール工程の写真は「全て過去扱い品/個体からの転載」です。オーバーホール済でヤフオク! 出品する際の個体写真とは一部に一致しない場合があります。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。当初バラす前の時点では冒頭解説のとおりいろいろ問題を抱えた個体でしたが何とか改善に至り組み上げ事が叶いました。

ご覧のように製造番号先頭3桁が「233xxxx」なので本来調査したルールに則ればグリーン色の光彩を放たないコーティング層蒸着モデルですが微かに薄くグリーン色の輝きが視認できますし、実際光学系をバラすと第2群〜第3群及び第5群の貼り合わせレンズにグリーン色の コーティング層蒸着がなされています。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。

組み上げた後の仕上がり状態で言えばこのような言いまわしになりますが、実はバラした直後は光学系内の幾つかの群の光学硝子レンズに本格的な全面に渡るクモリが生じていました。

左の図はこのモデルの6群7枚ウルトロン型構成図になりますが左端が第1群の前玉になり右端が第6群後玉です (つまり左側から入射光が透過する)。

この中で第1群前玉の裏面と第2群及び第4群に全面に渡るクモリが生じ、且つ第5群〜第6群にはポツポツとカビが発生している状況 でした。

↑上の写真は以前扱った別の個体からの転載写真ですが前玉から始まる光学系前群は右端の キラキラと光るアルミ合金材削りあげの「光学系前群格納筒」に第1群〜第3群がセットされます (第4群のみ格納筒の底部分に既に組み込まれて成形されている/外れない)。

ところがこの右端のアルミ合金材格納筒を見れば一目瞭然ですが光学硝子レンズをセットした後の「締付環」をネジ込む為の「ネジ山が存在しない」ことに気がつきます。

つまりグリーンの矢印で指し示したように格納筒の底部分にある第4群の上に第3群が入り順に第1群前玉までセットされますが「単に置くだけで締め付け固定されない落とし込み方式」を採っており格納筒の内側に段が備わる「締付環が無い方式」です。

実際に順番に第3群から入れ込んでいくとそれぞれの光学硝子の間には「スリーブ環」と言う環/リング/輪っかがサンドイッチされつつ各群が落とし込みでセットされます。

この「スリーブ環」は製産時点で「マットなダークグレーの梨地メッキ加工」が施されており順番に積み上げていくと格納筒内部が「黒っぽく組み上がる」よう設計されています。

従ってギラギラのアルミ合金製格納筒を使っていても良いワケですが、当初バラした時点で この格納筒の内側には過去メンテナンス時に「反射防止黒色塗料が着色」されていました。

何を言いたいのか???

要は過去メンテナンス時の整備者の仕業で着色されたがために「各群の光学硝子が確実に格納されなかった」為当初バラす前の実写チェック時に「甘いピントの写り」だった次第です。

特にこのモデルの場合「落とし込み方式」で締付環が存在しない為たった一つの群の格納位置が不適切だっただけでも残りの全ての群の格納位置がズレまくりです

さらに悪いことに着色した「反射防止黒色塗料」のインク成分が経年で飛んでしまいコーティング層に附着して化学反応を起こした為に「前玉裏面と第2群〜第3群のコーティング層に 相当頑固に附着しクモリに至っていた」ワケです。

例えばヤフオク! のオールドレンズ出品を見ていると「光学系内は視認性が良いです」或いは「LED光照射すると薄く曇っている程度で普通の写真には影響しません」など公然とコメントしている出品者が多いのですが「それは全くのデタラメ!」です。

そもそも光学系内を覗いた時の「視認性が良い」と言う確認方法の意味が分かりません!

視認性が良い透明度が高い」は成り立ちません!!!

この点明確に指摘しておきます・・。

何故なら「透明度が高い」はスカッとクリアである事を指しますが、視認性は光学系内を透過して被写体を見た時の視認性を指していると考えられるので多少薄いクモリがあっても (順光 目視なら) 視認性が良くなり状況が不明瞭です。

いわゆる売りたいが為の「ごまかしの一種」と言えます!

また「薄くクモリがあっても普通の写真撮影には影響がない」と言う言いまわしは「実写確認して調べていない!」とも言い替えられ「コントラスト低下を招いているかどうかが不明瞭」とも指摘できます。

何となく薄〜くベールがかったようなレースカーテン越しの撮影のような「何となくちょっと薄く霧がかった印象の写り」だとしたらまさにクモリの影響が現れている写りであって「影響がないとは言えない」ワケです。

然しそれを指摘すると間違いなく「個人の主観の問題」と相手にされません!

いわゆる「転売屋/転売ヤーの逃げ口上の一種」であって酷い出品形態です!(怒)

このようなオールドレンズの出品が罷り通っているのが現実であり、とてもまともな個体を 手に入れられるワケがありません。

話が反れましたが今回の個体は過去メンテナンス時整備者の余計な仕業で格納筒内側の「反射防止黒色塗料」を溶剤で完全に除去し、且つ光学系コーティング層に附着してしまったインク成分 (クモリ) を擦って落としたので残念ながら「拭きキズが多め」の仕上がりです(泣)

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

前群の光学系内には非常に微細で薄い拭きキズやヘアラインキズが残っています。

↑光学系後群側も前群同様スカッとクリアでLED光照射で極薄いクモリが皆無です。しかし前述のとおりインク成分を擦って除去したので「非常に微細な拭きキズ/ヘアラインキズ」が複数残っています。

またパッと見で「/」に見えますが点状にカビがポツポツと生じていた為、点状のカビ 除去痕が複数残っています。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:16点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前群内に複数あり)
(前後群内微細で薄い10mm長ヘアラインキズあり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
(但し後玉を光に翳すと中心附近に微細な点キズが密集している箇所があります(写真に影響なし)。
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内の透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑6枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に正六角形を維持」したまま閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:軽めと超軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人によって「重め」に感じ「全域に渡ってほぼ均一」です。
・距離環距離指標値1m前後で僅かに重くなります。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・距離環操作時には極僅かに前後動のガタつきがありますが内部パーツ(直進キー)の経年摩耗がが原因なので改善できません。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作はクリック感を伴いますが軽めです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
marumi製MC-Nフィルター (新品)
本体COLOR-ULTRON 50mm/f1.8 SL《前期型》(G) (M42)』
汎用樹脂製ネジ込み式M42後キャップ (新品)
汎用樹脂製被せ式前キャップ (中古品)

↑光学系内のクモリやピントが甘い印象だった因果関係は前述したとおり全て改善しました。ところが絞り羽根の駆動が不安定だったり「マウントアダプタとの相性問題」については一部改善できない内容もあるので、ここから解説していきます。

上の写真は以前扱った別個体からの転載写真ですがマウント面から飛び出ている「絞り連動 ピン」の突出量とその仕組みを解説しています。

実はこのモデルで今までにオーバーホール/修理でご依頼を受けた内容に「絞り連動ピンの
出っ張りを増やしてほしい
」と言うご依頼を数多く頂きました。

ご依頼メールが着信した時点で「残念ながらそれは不可能」とご説明しましたが、その解説を上の写真でしています。

グリーンのラインで示した位置がマウント面とすると「絞り連動ピン」は2.8㍉しか突出しない設計なのがご理解頂けると思います。マウント面の絞り連動ピンが飛び出る場所は穴なので赤色矢印で指し示したように飛び出る量が決まっているのが分かります。

逆に言うなら「絞り連動ピンの飛び出す量を増やしたい」と言うご要望は「マウントアダプタとの相性問題」が起きていて「絞り羽根開閉異常」が発生している事の裏付けとも言えます。

つまりマウントアダプタ側「ピン押し底面が深すぎる」為に絞り連動ピンが最後まで押し込まれずに最小絞り値まで閉じない「f8辺りで閉じるのをやめてしまう」現象とも推測できます。

従ってオールドレンズ側設定/微調整で絞り連動ピンの出っ張り量をイジれないとなると「マウントアダプタとの相性問題」は人によっては致命的だったりします(涙) ヤフオク! などのオークションでご落札者様が所有するマウントアダプタとの相性問題まで出品者側が管理できないのは至極納得いく話ですが、はたして簡単に諦めが着く価格で手に入れられるのかと言うと このモデルの場合そうとも考えられません。

そこで当方では本来「マウントアダプタとの相性問題」は当方の責任範疇に入らないと認識 していますが、如何せんご落札者様の事まで想いを巡らせば「事前に分かっているなら可能な限り詳細を案内すべき!」とのポリシーからこんな事柄まで詳しく解説しています(笑)

また上の写真解説のとおり絞り連動ピンが刺さる先は「操作爪」と言うパーツの為 (オレンジ色矢印)「絞り連動ピンの押し込み量絞り羽根開閉の挙動」と言う等式になり絞り連動ピンの押し込み量が適切でなくなると途端に「絞り羽根開閉異常」に至ります(泣)

絞り連動ピンが押し込まれると (ブルーの矢印①) その量に見合って操作爪が動き (ブルーの 矢印②) 絞り連動ピンの押し込みが解除されると (ブルーの矢印③) 操作爪が元に位置まで戻ります (ブルーの矢印④)。

それゆえこのモデルの場合の「マウントアダプタとの相性問題」は撮影に際し致命的だったりするワケです(涙)

↑マウント部内部の絞り連動ピン機構部を拡大撮影して説明していますが、絞り連動ピンが 押し込まれた時の操作爪との関係性は前述のブルー矢印①と同じです。その際絞り羽根の突出量を決めている根本的な設計部分が「停止板の存在」なワケで、赤色矢印で指し示して います。

つまりこの停止板を強制的に曲げたりしてカタチを変えると確かに絞り連動ピンの突出量は 増大しますが、一方保持している穴までの長さが足りずに絞り連動ピンが外れてしまいます。

また合わせて操作爪の駆動範囲まで変化するので「別の意味で絞り羽根開閉異常が発生する」事になり、全く以て設計上の仕様から改善できない話なのが歴然です。

↑こらも転載写真です。上の写真ではマウント面からの「突出量」を絞り連動ピンとM42マウントのネジ部それぞれで記載しています (グリーンのライン)。一方オレンジ色ラインで示したのは実は「マウントアダプタ側のピン押し底面の深さ5.8㍉」です。

↑実際に当方所有マウントアダプタに装着して絞り羽根の開閉動作を確認しました。

K&F CONCEPT製マウントアダプタ「M42 → SONY Eマウントアダプタ」ですが、マウント面に1㍉弱の突出があるので、オールドレンズを装着してもご覧のように「隙間」が必ず空きます (赤色矢印)。

K&F CONCEPT製マウントアダプタに装着して実際に最小絞り値まで 絞り環操作して閉じていくと、ご覧のように「f16」まで正しく閉じていきます。

この時の「ピン押し底面」の設定は「凹面がオールドレンズ側方向にセット」で正しく絞り羽根開閉します。K&F CONCEPT製マウントアダプタは中国製なので次は日本製マウントアダプタにで試します。

↑今度は日本製のRayqual製マウントアダプタに装着して試します。ピン押し底面を備えるタイプです。

するとご覧のように絞り羽根は「f8」まで閉じて、それ以降「f11〜f16まで閉じない」現象に見舞われます。Rayqual製マウントアダプタは唯一の日本製マウントアダプタの為「日本製マウントアダプタ信者」が多いのも人情ですから納得できますが、然しそのサイトを観るとマウントアダプタの精度や厚さ平行度など厳格である点を網羅していても「絞り羽根の開閉異常」については一切解説がありません。

確かに製造側の立場からすればそのような解説に至るのでしょうが、本当に必要なのは「購入した使う側の立場に立った解説」ではないかと常々思います。

ところが現実は厳しく「アンタの整備が悪いからこんな事になっている!」とクレームが来るワケで製造元ではなく当方がヤラれてしまうのが実際だったりします(笑)

さすがにこれには笑ってしまいますが、たいていの場合でRayqual側に言いくるめられて当方宛にクレームが来てしまうのでお詫び申し上げつつ「無償扱い」でタダ働きに収めるしかありません(笑)

まさに渡る世間は鬼ばかり・・みたいな話です(笑)

こういう実例がまさに「法人格たる会社なのか単なる個人なのか」の相違であって全く以て 個人たる当方は立場が弱いワケです(笑) 合わせて「規格ゼッタイ主義」みたいな「日本製品信者」が多いのも現実なのでどうにもこうにも逃げられません(涙)

そんな思い出したくもない実例が1〜2例程度なら諦めも着きますが2桁に乗る数となれば さすがに参ってしまいます(涙)

そこでどうして当方がここまで気を遣わなければイケナイのかと不条理に思いながらも「事前にマウントアダプタとの装着チェック」を心掛けている始末で、恥極まりない何とも信用/信頼が皆無な『転売屋/転売ヤー』と言う立場であって本当に理不尽な話です(涙)

これらマウントアダプタの問題については『◎ 解説:M42マウント規格用マウントアダプタのピン押し底面について』で詳しく解説しているので興味がある方はご参照下さいませ。

以上長々と解説してきましたが冒頭の問題点まではすべて改善できましたのでご検討下さいませ。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離45cm附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」です。

↑f値「f11」になりました。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。もうほとんど絞り羽根が閉じきっているので極僅かですが「回折現象」の影響で解像度が低下しつつあります。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。