◎ JUPLEN (藤田光学工業) H.C JUPLEN 35mm/f2.5 zebra(exakta)

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今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、藤田光学工業製
準広角レンズ『H.C JUPLEN 35mm/f2.5 zebra (exakta)』です。


今年の4月にフランス向けOEMモデルとして輸出されていたであろうモデル「P.C RENOIT ETOILE 35mm/f2.5 zebra (exakta)」を扱いましたが、今回扱うモデルも同じように藤田
光学工業製のOEMモデルです (モデル銘が異なるだけの同一品)。

原型モデルは1957年に藤田光学工業から発売された「H.C FUJITA 35mm/f2.5 zebra」になりますが、この1957年には他に東京光学から同じ焦点距離:35mmの準広角レンズ (開放f値:f2.8) がやはり発売されています。翌年1958年になるとNikonや旭光学工業、或いはCanonなど日本の主要光学メーカーからも立て続けに準広角レンズが登場します。

どうしてこの焦点距離:35mmの準広角レンズに限って特別扱いするのかと言うと、クィックリターン式ミラーを装備した当時の一眼レフ (フィルム) カメラには、1950年まで専用の広角レンズ用光学設計が開発されていませんでした。

戦前戦後を通して当時主流だったのはレンジファインダーカメラだった為、バックフォーカスが短くて済むことから、標準レンズ域の光学設計を延伸させただけで広角レンズ域のオールドレンズを開発することができていました (つまり広角レンズ域専用の光学設計はその必要性すら認識されていなかった)。

ところがクィックリターン式ミラーを装備してきた一眼レフ (フィルム) カメラの登場により、バックフォーカスが長くなってしまった事から今までの標準レンズ域光学系をイジるだけでは対応できなくなり広角レンズ域専用の光学系開発が急務となっていました。そこに1950年登場したのがフランスのP.Angenieux Paris (アンジェニュー) 社から発売された準広角レンズ「RETROFOCUS TYPE R1 35mm/f2.5」でした (右写真)。

モデル銘のとおり、まさに広角域専用の光学設計たる「レトロフォーカス型光学系」を実装してきた世界初の一眼レフ (フィルム) カメラ向け広角レンズの登場でした (パテント登録はTYPE R11の焦点距離:28mmのほうが先)。

それから遅れること7年後に、日本でもようやくレトロフォーカス型光学系を実装した広角レンズが発売されたのが1957年であり、一つのターニングポイントと言えるワケです。

ANGÈNIEUX社が発売した準広角レンズ「RETROFOCUS TYPE R1 35mm
/f2.5」の光学系は5群6枚のレトロフォーカス型構成ですが (右図)、 部分の3群4枚テッサー型構成を基本成分としてバックフォーカスを延伸させる目的からさらに前方配置として 部分を2枚追加しています。

よくネット上の案内や評価として、この当時のレトロフォーカス型光学系を採用したオールドレンズを指し「オールドレンズらしい甘い描写」と評価されることが多いですが、レトロフォーカスの名称から来る連想から「レトロ (古めかしい)」的な感覚で受け取ってしまうことがあります。

しかし正しくは「RETRO (後退させる) FOCUS (焦点)」なので古めかしい印象を抱く「レトロ調」とは異なりますね(笑)

バックフォーカスを稼ぐ目的で前群内に2枚追加配置した為に、却って残存収差の影響を大きくする問題が生じます。レトロフォーカス型光学系の欠点は、特に開放時の扱いにくさとも言えるでしょうか (ハレの影響/ピント面の掴みにくさ/コントラスト低下など)。

ANGÈNIEUX社の広角レンズ35mmは最短撮影距離90cmでしたが、藤田光学工業が発売した原型モデルは最短撮影距離を50cmまで短縮化し、さらに収差と解像度の改善を狙って5群7枚としてきました。

今回バラして清掃時にデジタルノギスで計測しほぼ正確にトレースした構成図です。
当方が計測したトレース図なので信憑性が低い為、ネット上で確認できる大多数の構成図のほうが「」です (つまり右図は参考程度の価値もない)。
(各硝子レンズのサイズ/厚み/凹凸/曲率/間隔など計測)


上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。

一段目
収差の影響が大きいので真円のキレイなシャボン玉ボケ〜円形ボケ表出がそもそも苦手です。しかもピント面から外れるに従いそれら収差の影響度合いも大きくなるので開放では非常に分かりにくいピント面です。しかしピント面だけは非常に鋭く出てくるのでレトロフォーカス型光学系が甘い描写だという評価は当てはまらないように考えます (但し画全体の印象としてはマイルド感タップリ)。

二段目
開放では左側2枚の写真のとおり、ピント面から外れた途端に相当な収差の影響を受けて汚くボケていきますから、背景ばかりかそもそもピント面の被写体の選択自体をミスると見るだけでも辛い写真に堕ちたりします(笑) ところが絞ればディストーションも少なく多少黒潰れし易いものの相応なダイナミックレンジを持っていて「空間表現」もとてもリアルです。

その意味でネット上で「クセ玉」と揶揄されていますが、それはフィルムカメラ全盛時代の話で、むしろ今ドキの (フルサイズ) ミラーレス一眼で使った時、この極端な収差の影響は逆に「何が出てくるか分からない愉しさ」に繋がりオモシロイのではないかと印象を改めました

また今回オーバーホールした後の実写 (このページ最後のほう) で、絞り値を絞っていった時に「f4」で急にピシッとピントが決まってきたのに改めてオドロキました。絞り値は開放f2.5の次がf2.8なので、f4以降との描写性の違いにも意外性が強くなり期待感が増します。

つまり今回のオーバーホールで改めて藤田光学工業の意地を垣間見たような気がして、なかなかこのモデルは面白い使い方ができるのではないかと非常に新鮮な気持ちになった次第です。
(筐体サイズ僅か50mm程度なので意外とコンパクト)

なお、ブルシアンブル〜モノコーティングなので、オート・ホワイト・バランスOFFのままで撮っている (当ブログ最後にある) 実写は必然的に「暖色系の写り」になっています。

【OEMモデルのバリエーション】

原型モデル:藤田光学工業製 (1957年発売)
H.C FUJITA 35mm/f2.5 (zebra)

あくまでも、このモデルが原型であり、それ以外のブランドモデルはすべてOEMモデルになります。
出現頻度は海外オークションでも1年に2〜3本レベルですから希少品の一つです。

OEMモデル:アメリカ向け輸出仕様
H.C JUPLEN 35mm/f2.5 (zebra)

海外オークションでも1年に5〜6本レベルで流通しているので、このモデルの中では最も出現数が多いタイプでしょうか。近年はヤフオク! でも出回っています (feet表記のみ)。

OEMモデル:アメリカ向け輸出仕様
P.C UNEEDA 35mm/f2.5 (zebra)

8年間で1本しか出回っていない珍品です。当方が前回入手したのはアメリカ向けの輸出仕様品でした。レンズ銘板を見るとモノコーティングの名称刻印が「P.C」になっており少々異なります (feet表記のみ)。

OEMモデル:欧米向け輸出仕様
P.C ACCURAR 35mm/f2.5 (zebra)

こちらも8年間で1本しか見つけていない超稀少品 (珍品) になります。やはりレンズ銘板のモノコーティング刻印が「P.C」になっています (feet/meter併記)。

OEMモデル:フランス向け輸出仕様
P.C RENOIT ETOILE 35mm/f2.5 (zebra)

こちらも8年間で1本しか見つけていない超稀少品 (珍品) になります。やはりレンズ銘板のモノコーティング刻印が「P.C」になっています (feet/meter併記)。

藤田光学工業製の原型モデル「H.C FUJITA 35mm/f2.5 zebra」は数多く扱いましたが、その製造番号は「FT25xxx/FT26xxx/FT27xxx/FT35xxx」の4種類しか存在しません。製造番号先頭に必ず「FT」が附随しますが「252735」だけであり、例えば同一焦点距離:35mmの開放f値「f3.5」モデルに関しては「FT34xxx」が割り当てられていました。

シリアル値の「xxx」が3桁なので生産数はそれぞれ1,000本ずつであり、相当少量製産だったことが分かります。

さらに原型モデルとOEMモデルの関係を製造番号を基に調べると以下のようになります。
(サンプル数:32本)

FT25xxx:FUJITA、TOWER、UNEEDA、ACCURA、TAYLOR、RENOIT ETOILE
FT26xxx:FUJITA、TOWER
FT27xxx:FUJITA、TOWER、ROTAR
FT35xxx:FUJITA、FUJITA RETROFOCUS、JUPLEN、VOTAR

ちなみに、2017年から毎年1〜2本をオーバーホール済でヤフオク! 出品して
いますが、ず〜ッと「即決価格39,500円」です。
値下がりしませんのであしからず・・。
(それだけの希少価値があると評価しているから)

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。全てのOEMモデルで藤田光学工業製の原型モデルと全く同じ内部構造をしており、使われている構成パーツも全く同一です。つまり各モデルの相違点はレンズ銘板 (モデル銘) と距離環に刻印されている距離指標値が「feet か meter 併記かの相違」だけです。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。このモデルはヘリコイド (オス側) が独立しており別に存在します。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

今回の個体は絞り羽根の「開閉キー/位置決めキー」に使われているのは金属製の突起棒ではなく「羽根」です。

これは絞り羽根に「十字型に切り込みを入れプレッシングで折り曲げて4枚の羽根を用意」する方式です (赤色矢印)。

ところが疑問が湧いてきました・・。

左写真は以前扱った同じOEMモデルの絞り羽根ですが「金属製突起棒のキー」が打ち込まれています。ところが製造番号は「FT25xxx」でした。今回の個体の製造番号は「FT35xxx」です。

つまり、より新しく製産された個体のほうが絞り羽根の設計が退化している (金属製突起棒から羽根に戻っている) ことになり辻褄が合いません。

この絞り羽根の問題から製造番号の符番が完全なシリアル値ではない可能性も残ります。つまり「FT25FT27及びFT35」は何かしら意味を持つ番号であれば、前述の絞り羽根の設計が退化している (シリアル値として並べたら) のも納得できます。

↑12枚の絞り羽根を組み付けて絞りユニットを完成させます。

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。5群7枚のレトロフォーカス型光学系なので相応に鏡筒の深さをもっています。

↑まずは「絞り環」をセットします。

↑次に「プリセット絞り環」を組み込みます。

↑この状態でひっくり返して撮影していますが、プリセット絞り機構部を既に組み込んであります。

↑ここからは積み上げ式で組み立てていくことになります。まずはヘリコイド (オス側) をセットします。

↑真鍮製 (黄鋼) の「直進キー環」をセットします。両サイドに板状の「直進キー」が用意されており、ヘリコイド (オス側) の「直進キーガイド (溝)」に刺さっています。

↑さらにこの上にやはり真鍮製 (黄鋼) のヘリコイド (メス側) を、無限遠位置のアタリを付けた正しいポジションでネジ込みます。このモデルは全部で7箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

↑距離環を仮止めしたところですが、結局「直進キー環ヘリコイド (メス側)」の2つはそのまま「空転ヘリコイド」になっている設計です。空転なのでネジ山が存在せずいつまでもクルクルと回せるヘリコイドですね。

↑指標値環をセットしてから光学系前後群を組み付けて、マウント部を組み込んで無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行い、最後にフィルター枠とレンズ銘板をセットすれば完成です。

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ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑海外オークションのebayでも1年間に数本しか出回らない極品薄状態の「珍品」です。特に日本ではこの「JUPLEN」モデルは意外と有名だったりします(笑)

レンズ銘板に刻印されているモノコーティングを示す「H.C或いはP.C」の「HP」が何の略なのかいまだに分かりません (Ccaotingの頭文字)。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層の経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無で、ひたすらにスカッとクリアです。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑光学系後群もLED光照射で極薄いクモリすら皆無で、且つキズと言えるような痕がありません。

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

【光学系の状態】(順光目視で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:15点、目立つ点キズ:9点
後群内:17点、目立つ点キズ:13点
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
・バルサム切れ:無し (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
光学系内の透明度が非常に高い個体です
(LED光照射でも極薄いクモリすら皆無です)
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑12枚の絞り羽根もキレイになりプリセット絞り環/絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「真円に近い円形絞りを完璧に維持」しながら閉じていきます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。クロームメッキのゼブラ柄部分も当方にて「光沢研磨」を施したので、当時のような艶めかしい眩い光彩を放っています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

↑【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度と軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感でトルクは「普通」人によって「重め」に感じ「全域に渡って完璧に均一」です。
・距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が伝わる箇所があります。
・ピント合わせの際は極軽いチカラで微妙な操作ができるので操作性は非常に高いです。
・絞り環操作も確実で軽い操作性で回せます。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

↑完璧なオーバーホールが終わりました。日本製オールドレンズとして捉えると、レトロフォーカス型光学系の黎明期に於ける最初期のモデルでもありますが、最短撮影距離:50cmまで短縮化していながら (フランスのAngenieuxは90cm)、小っちゃな筐体サイズでしかも日本製オールドレンズの中では珍しい「ゼブラ柄」です。

距離環を回すトルク感も当方の特徴たる「シットリ感漂う軽さ」を実現しています (当初バラす前の時点ではピント合わせできないほど重いトルク感だった)。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑ここからこのモデルの「プリセット絞り機構」操作方法を解説していきます。

まず、絞り値が刻印されているほうが「絞り環」になりその直下が「プリセット絞り環」です。これを間違えると操作概念が全く理解できなくなります。さらに今回のモデルには「ツマミ」が用意されています。

取り敢えず、解説として最初は開放f値「f2.5」にセットされている前提とします。絞り値の基準「」マーカー (赤色矢印) の位置に「f2.5」が合致し、且つプリセット絞り環側の基準「」マーカーも一致しています (グリーンの矢印)。

ここで「プリセット絞り値を設定する」ので「プリセット絞り環」を回すワケですが、その時必ず「ツマミを押し込み続ける」必要があります (ブルーの矢印①)。

解説ではプリセット絞り値を「f5.6」にセットするとします。ブルー矢印②の方向にツマミを押し込んだまま「プリセット絞り環」を回します。

↑すると「プリセット絞り環」側の基準「」マーカーが「f5.6」のところでカチッと音がして填ります (グリーンの矢印)。填ったらツマミを押し込んでいる指を離します。

この時絞り環用基準「」マーカーの位置はまだ開放f値「f2.5」のままなので (何故なら絞り環側は触っていないから:赤色矢印)、このまま開放状態で距離環を回してピント合わせをします。ピント合わせが終わって撮影する段階で「絞り環」をブルーの矢印③方向に回します。この時「プリセット絞り環」は填ったままなのでそのまま絞り環と一緒に回っていきます。

↑撮影が終わったらプリセット絞り値を「f5.6」から開放状態に戻します (グリーンの矢印)。閉じていた絞り羽根を開放状態に戻すので「絞り環」をブルーの矢印④方向に回します (プリセット絞り環も一緒に填ったまま回る)。

↑絞り環用基準「」マーカーの位置に開放f値「f2.5」が来てカチンと突き当て停止します (赤色矢印)。この時当初設定していた「プリセット絞り値f5.6」でやはり停止していることになります (グリーンの矢印)。

ツマミ」を押し込んで (ブルーの矢印⑤)、そのまま「プリセット絞り環」側の基準「」マーカーを開放f値「f2.5」に合わせます (ブルーの矢印⑥)。

↑最初の状態に戻りました。「プリセット絞り環」を回す時だけ「ツマミ」を押し込む動作をします (押し込むとプリセット絞り環側のロック解除)。

↑今回の個体に附属する純正の皮革レンズケースと前後キャップを撮影しました。後キャップは金属製ですがちょっとカパカパ状態です。前キャップは社外品 (KONICA) 樹脂製被せ式ですし、後キャップは汎用金属製ネジ込み式です。

純正の皮革レンズケースは、まだ革の状態が良いレベルなので、革クリームをちゃんと塗って保守してあげれば、皮革製品の独特な光沢感が戻ると思います (こういう情報が所有欲をより
充たしてくれますョね)(笑)

↑今回出品個体のexaktaマウント部を横方向から撮っていますが、ご覧のように後玉の突出がほぼギリギリ状態 (グリーンの矢印) ですから、基準「」マーカーが無限遠位置「 (実際は●刻印:赤色矢印)」の時、そのまま下向きに置いたりしないようご留意下さいませ (当てキズを付けかねません/今回出品個体には当てキズなどが一切ありません)。

なお、このモデルは藤田光学工業製の原型モデルも含めOEMモデル共々「M42マウント」の場合は左写真のとおりマウントネジ部の突出が最大「8.3mm」あります。

従って今ドキのデジカメ一眼/ミラーレス一眼にマウントアダプタ経由装着する際、残念ながら「ピン押し底面タイプのマウントアダプタが使えない/最後までネジ込めない」不具合が発生します。

かと言って「非ピン押し底面」のマウントアダプタとなると流通品が極端に少ない為、今回「敢えてexaktaマウントをチョイスした」のが理由です。何でもかんでも「M42マウント」に拘るとマウントアダプタとの相性問題に巻き込まれますね(笑)
(一部にM42マウントを改造した個体が流通/純正品は上の左写真の仕様になります)

↑当レンズによる最短撮影距離50cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります (簡易検査具による光学系検査を実施済で偏心まで含め光軸確認は適正/正常)。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に変わっています。

↑f値「f8」になりました。

↑f値「f11」です。

↑f値「f16」になっています。そろそろ極僅かですが「回折現象」の影響が現れ始めています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。