◎ EASTMAN KODAK (イーストマン・コダック) Ektar Lens 135mm/f3.5(Hasselblad)

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この掲載はオーバーホール/修理ご依頼分に関するご依頼者様や一般の方々へのご案内です (ヤフオク! 出品商品ではありません)。
今回は当方での扱いが初めてのモデルなので記録の意味もあり無料で掲載しています (オーバーホール/修理の全行程の写真掲載/解説は有料)。
オールドレンズの製造番号部分は画像編集ソフトで加工し消しています。


当方は修理専門業者ではなく単なる『転売屋/転売ヤー』にすぎませんが(笑)、毎年必ずEASTMAN KODAK製Ektarモデルのオーバーホール/修理ご依頼を承っており、非常に個体数が少なく高価なオールドレンズにも拘わらず、当方のような何処の馬の骨とも知れぬ輩にご依頼頂き本当にありがとう御座います! 厚くお礼申し上げます。

当方は基本的にカメラ音痴なので(笑)、今回扱うオールドレンズの装着先たる「Hasselblad (ハッセルブラッド)」のことをよく知りません。6×6中判サイズのフィルムカメラですが、戦後間もない1948年から発売されたレンズ交換式一眼レフ (フィルム) カメラです。

今回扱うオールドレンズ『Kodak Ektar 135mm/f3.5 (Hasselblad)』は、アメリカのニューヨーク州ロチェスターに本社を置くEASTMAN KODAK (イーストマン・コダック) 社より1949年に発売されたHasselblad 1600F用交換レンズの一つで、1957年までに1,800本製産されたようです (他に55mm/f6.3や80mm/f2.8などがKodakから用意されました)。

6×6中判用交換レンズと言うことですから (僅か1,800本ですし) 相当高価なレンズだったのではないかと思いますが、今回バラしてみると意外にも筐体構成パーツには真鍮材がたった1個しか使われていない、99%アルミ合金材による製品でした (真鍮製は絞りユニット内部のパーツ1個のみ)。戦後間もないとしても、当時のアメリカのアルミ合金材切削技術は最高の域に到達しており、非常に高精度なのがEKTRAEktarシリーズなどをバラしてみても判ります。
しかしたいしてコストがかからないのがアルミ合金材ですから、この製品はボロ儲けだったのではないでしょうか。

   

上の写真はFlickriverで、このモデルの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ほとんど実写が載っていません (個人サイトのレビュー記事のほうが良い写真を探せます)。
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています。

このモデルの情報をネット検索すると、幾つかヒットしますが肝心な光学系についての記載が全くありません。

今回バラしてみると光学系は3群5枚のヘリアー型構成でした。

右図は今回バラして清掃時にデジタルノギスで計測してほぼ正確にトレースした構成図です (各硝子レンズのサイズ/厚み/凹凸/曲率/間隔など計測してトレースしました)。

この構成で第3群 (後玉) の貼り合わせレンズ (2枚の光学硝子レンズを接着剤を使って貼り合わせてひとつにしたレンズ群) 1枚目平凸レンズ側を 色つけしましたが、この光学硝子レンズだけに「ランタン材」が含有されており、現状僅かに「黄褐色化」しています (UV光の照射で改善せず)。

これが「酸化トリウム」を含有した光学硝子レンズだと放射線半減期の問題から「放射線レンズ (アトムレンズ)」になりますが、屈折率を最大20%向上させることができます。しかし「ブラウニング現象」により硝子材が「赤褐色化」してくるので、1970年代に入ると世界的に使用が控えられ「ランタン材」に代用されました (屈折率は最大で10%台まで向上が期待できる)。

しかし今回のモデルが発売されたのは1949年ですから屈折率を上げる必要性に駆られての設計なのかも知れません。

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。

今回のオーバーホール/修理ご依頼は「距離環の完全固着」が内容になりますが、以下の問題点を含んでいました。

【当初バラす前のチェック内容】
 距離環が全く動かない (無限遠位置に合致しないまま完全固着している)。
 プリセット絞り環/絞り環側もほぼ固着状態で動かない。
 プリセット絞り環/絞り環側と指標値側の基準「」マーカー位置ズレ。
光学系内に汚れがある。

【バラした後に確認できた内容】
過去メンテナンスじに白色系グリースが塗布されている。
さらにその上から「潤滑油」を注入した為完全固着した。
プリセット絞り環/絞り環の組み付け設定ミス。
光学硝子レンズコバ単に黒色マジック塗りあり。
 構成パーツの一部にカビの他腐食が出ている。

上の解体全景写真が、いとも簡単に撮影できたように見えてしまいますが(笑)、実は届いた個体は距離環が無限遠位置の手前「10ft」辺りで完全固着していました。これではそもそも無限遠が出ているのかどうか確認ができません。

仕方なく「加熱処置」を施すこと6回(笑)、ほとんどもう諦めようかと観念する寸前でようやく1cmほど距離環が動きました。動いてくれれば安心です (ヘリコイドのネジ山が咬んでいないから動くので)。すかさずこれでもかと溶剤を注入してようやくバラせた次第です。いきなし溶剤を流し込んでヘリコイドを動かそうとチカラを加えると、下手すれば (もしも咬んでいたのなら/咬む寸前なら) さらに悪化させてしまう結果に至ります。

左写真は「加熱処置」6回目にしてようやく外せた時に撮影したヘリコイド (オスメス) です。ミニスタジオで撮っているのでキレイに写っていますが(笑)、過去メンテナンス時に塗布されていた白色系グリースは「濃いグレー状」に変質し、且つ「まるで接着剤のよう」に粘性を帯びている状態でした。

ヘリコイドのネジ山を注意深くチェックしていくと、オリジナルの黄褐色系グリースが (やはり固着剤のように硬質化して) 固まっている箇所があり、その上から白色系グリースを塗り足してしまったことが判明します。その後「潤滑油」が注入された為に完全固着に至ったことが判ります。

いわゆるオークションでの「常套手段」で、最近は日本国内のヤフオク! でも平気で使われていますが、液体の「潤滑油」を注入した時、既に過去メンテナンス時に白色系グリースが塗られていた場合、必ず化学反応して完全固着に至ります (潤滑油注入時点は滑らかでも徐々に重いトルクに変わり最後はヘリコイドのネジ山がカジリ付き完全固着する)。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。このモデルはヘリコイド (オス側) が独立しており別に存在します。

↑赤サビが相当生じていた12枚の絞り羽根を清掃し (赤サビも可能な限り除去)、組み付けて絞りユニットを完成させます。

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。鏡筒に縦方向に「」が刻んであるのは「絞り値キー」で、プリセット絞り環の各絞り値に見合う位置で用意されています (絞り環は下側の環/リング/輪っか)。

↑このモデルはプリセット絞り環の操作時にクリック感を伴いますが、内部に組み込まれているのはベアリングではなく「板バネ+金属製の棒状ピン」です。プリセット絞り機構の操作方法が一般的なプリセット絞り方式のオールドレンズとは異なる使い方です。

↑後からセットできないので先に光学系前後群を組み付けてしまいます。第2群の両凹硝子レンズはコバ端を過去メンテナンス時にマジックで黒色塗りしていました (少々内側にハミ出た塗り方)(笑) 今回のオーバーホールではちゃんとコバ着色施しています。

↑後群側も組み付けます。

↑後群に遮光環をセットします。

↑ここからはヘリコイド (オスメス) の組み立て工程に移りますが、上の写真は基準「」マーカー指標値環を兼ねるマウント部です。

↑ヘリコイド (メス側) を無限遠位置のアタリを付けた場所までネジ込みますが、このモデルはヘリコイド (メス側) にもネジ込み位置が存在し、全部で7箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。普通一般的なオールドレンズはヘリコイド (メス側) にはネジ込みポジショニングが存在しません (何処までネジ込むのかの問題だけ)。

今まで扱ってきたKodak製EKTRAEktarシリーズも同じですが、無限遠位置の割り出しがとても面倒な設計なので一発で簡単に組み上げることができません (当方の技術スキルが低いが故です)。

↑こちらの写真は左横に「ヘリコイド (オス側)」を並べましたが、赤色矢印のとおり相当な長さのネジ山なのが分かります (繰り出し量が多い)。

ところが厄介なのは、そのネジ山の長さだけではなく「ネジ込み位置の多さ」もハンパない点です。ヘリコイド (オス側) は全部で30箇所のネジ込み位置があるので、さすがにここをミスると最後に無限遠が出ず (合焦せず) 再びバラしてここまで戻るハメに陥ります。

つまり何を言いたいか?

ヘリコイド (メス側) のネジ込み位置が7箇所存在し、且つヘリコイド (オス側) にも30箇所もネジ込みポジションがあるとなれば、適正な無限遠位置の割り出しには、当初バラす前の状態で無限遠位置の確認が必須と言うことになります (それゆえ当初距離環を動かして無限遠位置に合致させる必要があった)。

↑こんな感じでヘリコイド (オス側)をセットします (上の写真は最短撮影距離位置までヘリコイドを繰り出した時の状態)。するとヘリコイド (メス側) のネジ山も相当な長さがある (オス側と一緒にメス側まで繰り出されている) ことがお分かりでしょうか。

これだけの長さのヘリコイド (オスメス) を僅かな厚みの距離環だけで回して繰り出し/収納させるのだとすると、その時のトルク (チカラ) の加減は如何なものでしょうか?

相当トルク調整が厄介であることをご理解頂けるでしょうかね(笑)

↑ヘリコイド (オスメス) のネジ込み位置、もちろん無限遠位置のアタリ付けまで含めて済ませてから「距離環を本締めでセット」します (仮締めではない)。何故仮締めではダメなのでしょうか?

↑その理由が上の写真です。KodakEktarシリーズは全てのモデルで上のようなネジ種を使っており、必ず「下穴」が必要な設計になっています (何処でもネジ込めるワケではない)。「下穴」が必要な理由は、上の写真赤色矢印で指し示した部分が刺さるべき箇所だからです。

従って一般的なオールドレンズで多く使っているイモネジ (ネジ頭が無くネジ部にいきなりマイナスの切り込みを入れたネジ種) ではなく、確実に「径と長さが合致した下穴」が用意されている箇所にしか、この締め付けネジが入りません。

仮に、これをムリに下穴を (電気ドリルなどで空けて) 用意してネジ込もうとしても、たいていの締め付けネジは3箇所均等配置で締め付けますから「締め付けるチカラ」を加えていくのだとすると、ビミョ〜に下穴の位置がズレてしまいアルミ合金材のパーツは容易に膨れあがってしまいます

これが過去メンテナンス時に「常套手段」を講じて下穴を用意してしまい、ムリに無限遠位置合わせたした時に距離環を回すトルクが重くなる一つの原因だったりしますから、キチンとオリジナルの (設計どおりの) 組み立て手順で仕上げてこそ「適切なトルク感を維持できる」のがアルミ合金材で作られてしまったオールドレンズの宿命です

車のタイヤのアルミホイールではないので(笑)、オールドレンズで使われているアルミ合金材は非常に軟らかく、ネジの締め付けだけで膨張したりしますから厄介なのです。

ヘリコイド (オスメス) のネジ込みポジションは無限遠位置との兼ね合いで、特にヘリコイド (オス側) のネジ込みポジションが30箇所もあるので、最終的に13回組み直してようやく適正な無限遠位置割り出しに至りました (光学系前後群がセットされないと調べられない/最後まで組み上げないとマウントアダプタにセットできない)。

この後は無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行えば完成です。

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ここからはオーバーホールが完了したオールドレンズの写真になります。

↑さすがに今までHasselblad用のKodakEktarレンズは扱ったことがありませんでしたが、ほぼ9割方アルミ合金材だけの構成パーツで作られていたとはオドロキでした(笑) もちろんキッチリ完璧なオーバーホールが完了しています。

↑今回の個体の製造番号から1949年生産個体であることが判明していますが、光学系内は驚異的な透明度を維持しています。もちろんLED光照射でもコーティング層の経年劣化に伴う極僅かなクモリすら皆無です。前玉表面に数点カビ除去痕が残ってしまいましたが (コーティング層を浸食してしまったカビのカビ除去痕)、写真には一切影響しません。

そもそもバラす前の光学系前群固定位置が (過去メンテナンス時に) テキト〜にセットされており(笑)、1本存在するネジが最後まで締め付けされていなかったので、フィルターやフード装着などで外れてしまう懸念が高かったと思います。

逆に言えば、そのネジをちゃんと「下穴 (が用意されている)」に締め付けていなかったのは、光学系前群側 (第1群〜第2群) の光路長が適切ではなかったハズなので、たかがネジかも知れませんが意外と重要だったりします。

オールドレンズをバラしたり組み立てる際は、ちゃんと「原理原則」と「観察と考察」をもとに、何故そうなのか? どうしてそこにあるのか? など納得しながら工程を進めなければ、適切な調整には至りません (単にバラしてグリースを入れ替えて組み立てただけでは適切なオリジナルの状態には戻らない)。つまりバラした以上、光学系も内部構造も全てに於いて「調整は必ず行う」のが大前提ですから、バラした時の位置のまま (固着剤で固めてあるからと) そのまま使ったのでは正しい調整には至っていませんね (そういう整備ばかりが横行してますが)(笑)

↑当初バラす前にセットされていた遮光環の固定位置まで僅かですが狂っていました (調整済です)。後群側も極薄いクモリすら皆無です。

↑12枚の絞り羽根は可能な限り負荷サビを除去しましたが一部は取りきれずに残っています。完璧な「ほぼ真円状態の円形絞り」で気持ち良く閉じていきます。

↑塗布したヘリコイドグリースは黄褐色系グリースの「粘性軽め」を塗りましたが、前述のとおりヘリコイド (オスメス) のネジ山長が大変長いので、距離環を回すトルク感は「全域に渡り完璧に均一」で「普通」人により「重め」です。

重要視したのは、このモデルのピントの山が少々掴みにくいので (ピント面は明確に出てくるがピントの山はほんの一瞬なので) ピント合わせ時の「微動」を最優先としました。従ってシットリしたピント合わせができることを最大限調整課題としたので、そのように仕上がっています。

距離環を回す時のトルク感は決して軽くありませんが (シッカリしたトルク感と言う印象) ピント合わせ時は本当に軽いチカラだけで微動できるので、撮影に専念できるように仕上がっていると思います。

鏡胴も含めこのモデルは全てのアルミ合金材パーツが「無垢材のアルマイト仕上げ」です。当方による「磨きいれ」を施したので多少はキレイになっていますが、基本的に経年で生じてしまった酸化/腐食/錆びは一切除去できません。

且つ、今後将来的にも再び酸化/腐食/錆びが発生しますので「アルミ合金材無垢のアルマイト仕上げ」の宿命とご理解下さいませ。

↑冒頭問題点の全てを改善し終わっています。このオールドレンズ単体状態で距離環を回すと特にトルクムラも発生しないのですが、一緒に同梱してお送り頂いたマウントアダプタにセットすると、途端に距離環を回す際にトルクムラが生じます。

おそらくマウントアダプタ側のマウントネジ部精度がアバウトなのではないかと考えます (そもそもリリースロック機構自体の精度が甘い)。マウントアダプタの問題は当方の責とは考えないので、あくまでもオールドレンズ単体状態でのご判断をして頂ければと思います。

なお、筐体外装パーツはばらした後の洗浄時に刻印指標値のほとんどが褪色してしまったので、当方にて「着色」しています。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

↑このモデルのプリセット絞り機構の解説をしています。仮に「f5.6」に設定堀値をセットするのだとすると、プリセット絞り環を回してマーキング「」に「f5.6」をクリックしながら合わせます (ブルーの矢印①)。

距離環を回してピント合わせする際は絞り羽根は開放状態を維持したままなので、ピント面がOKならば絞り環の「」を回してプリセット絞り環の「」と合わせます ()。他の絞り値に設定を変更する場合も都度プリセット絞り環を操作して設定絞り値を変える操作方法です。

なお、プリセット絞り環を都度操作する必要がある為、今回のオーバーホールではプリセット絞り環側のクリック感を小気味良く軽い操作性で回せるよう優先しました。逆に「絞り環」側は「少々重いトルク感と擦れる感触が残っている」調整ですので、ご留意下さいませ。

両方共同じような操作性に調整できなかったのですが、内部に挟まるべきワッシャーが1本足りないのではないかと考えています (前玉とプリセット絞り環の間/プリセット絞り環と絞り環の間/絞り環と鏡胴の間の合計3本が必要なハズ)。しかし、2本しか入っていないので仕方なくプリセット絞り環側を優先しました (冒頭の解体全景写真手前側に2本並べて撮っています)。単なる薄い環 (リング/輪っか) ではなく極僅かに凹凸が備わっている「円形ワッシャー」なので他で代用できません。

もしもご納得頂けない場合は「減額申請」にてご納得頂ける必要額分ご請求額より減額下さいませ。申し訳御座いません・・。

左写真はネット上のサンプル写真を載せていますが、プリセット絞り環/絞り環側マーキング「」と指標値環側基準「」マーカー位置が縦方向でピタリと合致しています。

これが正しい組み上げ方なので今回のオーバーホールでキッチリ合わせています。

↑当レンズによる最短撮影距離1m付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

この実写はミニスタジオで撮影していますが上方と右側方向からライティングしています。その関係でフードを装着していない為に絞り値の設定によりハレ切りが不完全なまま撮影しています。一応手を翳していますがハレの影響から一部にコントラスト低下が出てしまうことがあります。しかし簡易検査具による光学系の検査を実施しており光軸確認はもちろん偏心まで含め適正/正常です。

↑プリセット絞り環を回して設定絞り値「f4」にセットした後「絞り環」を回して絞り羽根を閉じた撮影です。

↑さらにプリセット絞り環を回して「f5.6」で撮りました。いちいちプリセット絞り環操作するので面倒ですね(笑)

↑設定絞り値は「f8」に変わっています。フードを装着していないのでハレ切りが不十分になってしまいコントラスト低下を真似ていています (解像度は維持している)。

↑f値「f11」になっています。今度は「回折現象」が出始めているのだと思います (解像度が下がってきているから)。フードを装着していればもう少しコントラストがアップすると思います。

回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像力やコントラストの低下が発生し、ねむい画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞りの径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

↑f値「f16」です。

↑最小絞り値「f22」での撮影です。大変長い期間に渡りお待たせし続けてしまい、本当に申し訳御座いませんでした。今回のオーバーホール/修理ご依頼、誠にありがとう御座いました。