◎ KONICA (コニカ) HEXANON LENS 35mm/f2 (satin silver)《Limited Edition》(L39)

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※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、国産は
コニカ製広角レンズ・・・・、
HEXANON LENS 35mm/f2 (satin silver)《Limited Edition》(L39)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

今回完璧なオーバーホール/修理が終わってご案内するモデルは、当方がオーバーホール作業を始めた13年前からの累計で捉えても、まるで初めての扱いです・・いえ、正直、このモデルに触れられることすら当方の「辞書にない」くらいの勢いです(汗)

先ずは冒頭で、このような大変希少なオールドレンズのオーバーホール/修理ご依頼を賜りま
した事、ご依頼者様に感謝とお礼を申し上げたいと思います・・ありがとう御座います

そして、冒頭でイキナシですが・・こんな『超難解高難度のオールドレンズを知らない』と、自らの技術スキルの低さを曝け出してでも、それすら恥じることなく宣言してしまいます!(恥)

どうして今までネット上でこの点について誰一人解説していないのか「???」に至る前に、既に「特異な光学系の動き方」を目の当たりにして、直感的にピ~ンと来てしまい(汗)、ただただひたすらに「その駆動の原理」を知るべく、凡そ24時間を費やして数十回組み直し続けた次第です (途中仮眠は結局4時間で、すぐ気になって目が覚めてしまった)(恥)

外が暗くなってしまってから組み上がったのでは「無限遠位置をチェックできない!」ことが気になるほどに、それこそ時間との闘いの中で「タイムリミット24H」の如く、◯◯インポッシブル映画ヨロシク果敢に挑戦しました!(笑)

このモデルの光学設計が凄いだけでなく光学系を収納している鏡筒の駆動方式」すら、その設計概念は異次元レベルであることを、ここに告知します!(怖)

距離環と距離計連動ヘリコイドが極普通に、一緒に「当たり前に」直進動する
ものの、距離環が繰り出している時 (距離計連動ヘリコイドが格納している時)
その最中『後玉は1.61㎜の道のりで結像方向に向かって進む』のです!(驚)

私はこんな動き方をするオールドレンズを、今までの13年間に手にしたこと
・・ありません!(怖)・・恐ろしやKONICAの執念ョ

・・そうです! 無限遠位置まで距離環を回した時、鏡筒が逆にマウントから離れていく動きをして、光学系がどんどん結像面から離れていき、彼方へ逝ってしまうのです!(驚)
(普通は∞の時、鏡筒はマウント方向に収まりカメラボディ側に最も近づいている状況)

これは「無限遠位置の時、後玉からのバックフォーカスが最大値に延伸している」ことを述べています!(驚) こんな動き方をするオールドレンズを、皆さんは何本ご存知なのでしょうか
・・恥ずかしながら当方は、1本も知りません!(汗)

そもそも当方が『光学知識が皆無』なのも影響していますが(汗)、確かに光学レンズは「前側焦点」と「後側焦点」の2つが顕在するのは基本中の基本なのでしょうが、そんなことはオールドレンズをバラしている最中には、当方の場合すっかり忘却の彼方へ逝っています(笑)

今回のオーバーホール/修理ご依頼内容の一つでしたが「無限遠位置∞の時、ピントが合っているのは、目の前の実距離5m」と言う超々アンダーインフ状態だったのですが、そんなことをササッと頭の中で整理できるプロの整備者など・・いったいこのニッポンに、何人居るので
しょうか
???!(汗)

ならばと、鏡筒格納位置 (結像面に近づく位置) をさらに落とし込んで、掴んでいるミラーレス一眼のマウント部内部に堕ちていくよう仕向けても「液晶のライブビューは、ただただ被写体が大きくボケて、どんどん円形に大きく広がっていくだけ」なのです!(汗)

これはその作業をヤッている時、一度は撮像素子面の前方で無限遠合焦してから、さらに撮像素子面に後玉を近づけると再びポケ始める「一般的な話を言っていません」(要は一度も無限遠合焦していないことを述べている)(汗)

・・撮像素子面に後玉を近づければ近づけるほど、ピンボケに向かっていくッて、何???

勘の鋭い皆さんは、もぅ既に気づいていらっしゃるでしょう・・(汗) 当方は最後の6時間迄
気づきませんでした(笑) KONICAが目指したのは「コンパクトな筐体なのに、この上ない
高い質感で造られ、そこから生み出される至高の写りは、自ら手掛けた最後のLTM
」だった
のです!(驚) だからこその『Limited Edition (自分に向けた記念品)だったのです!(涙)

あぁ〜、KONICAョ!(涙) あなたはどうしてそこまで一途なの???(涙)
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今回扱ったモデルHEXANON LENS 35mm/f2 (satin silver)《Limited Edition》(L39)』の原型は、1993年にKONICAが発売したレンズ固定式のオートフォーカス・フィルムカメラ『HEXAR』で、巷では後の1999年藤澤商会委託でKONICAが開発/発売したレンジファインダーカメラ『HEXAR RF』と区別する意味合いで『HEXAR AF』などと呼称しています。
(右写真はネット上から拾ってきた『HEXAR AF』モデル)

このフィルムカメラに実装された固定式レンズこそが原型モデルで「35㎜/F2.0」です。
その後1996年にやはり藤澤商会の委託でKONICAから「1,000本限定」として発売されたのが、今回扱うHEXANON LENS 35mm/f2 (satin silver)《Limited Edition》(L39)』と言う流れになります。

←ちなみに前述の1999年登場レンジファインダーカメラ『HEXAR RF』は、レンズ交換式モデルなので「ライカMマウント規格」を倣い実装していて、その際に同時発売されたのが「M-HEXANON 35mm
/f2
(LM)です。
(左写真はネット上から拾ってきたモノ)

まるで焦点距離〜開放f値まで同一ですが、実は「最短撮影距離70cm」なので、今回扱うモデルの「90cm」とは異なります。それが明示するのは「自ずと光学設計が違う」のは自明の理であり、調べると全く別モノでした(汗)

↑上の図は、左端が「コニカヘキサーの開発」(中山 春樹、藤井 康俊、藤沢 敏喜、島崎 喜雄著)、及び中央の「M-HEXANON 35mm F2.0の開発」(吉間 睦仁、国定 幸雄著)そして右端は1993年登場のオートフォーカス・フィルムカメラHEXAR AF実装固定式レンズの特許
出願申請書特開平05-164961(1991-12-17出願)です。

・・2,000件を超える出願書類の中からピックアップするのが超大変でした!(汗)

↑上の構成図は左端が「HEXANON 35mm/f2 (HEXAR AF固定式レンズ)」であり、前出特許出願申請書の掲載図面から当方の手でトレースした光学系構成図です。

そして中央が今回扱った個体で、オーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時、当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての光学硝子レンズを計測したトレース図です。 色付で着色した光学系第3群第5群は「特許出願申請書のHEXAR AF固定式レンズとの比較で、サイズが異なる群」を明示しています。逆に言うなら、その他の前玉や後玉は驚く程にピタリと計測値が計算値に合致していました (掲載図面のトレースから逆算した計算値)!(驚)

右端は1999年発売の「M-HEXANON 35mm/f2 (LM)構成図として、前出著作掲載図面から当方がトレースしています。パッと見で数えると「6群9枚の構成」に見えてしまうものの (後玉が3枚貼り合わせレンズに見えるから)、実は内部に「空気レンズ層」を包括している為、物理的には「2枚貼り合わせレンズ」なのです(笑)

↑上の写真もネット上から拾ってきた「M-HEXANON 35mm/f2 (LM)前玉 (左) と後玉 (右) の写真です。左の前玉写真を見ると「極僅かに光学ガラス面に反射している画像が歪曲していて、凹んでいる前玉なのが分かる」同様右側の後玉も「ほぼ平坦に近い極僅かな曲がり率の後玉 (凸レンズ)」と分かります(汗)

マルチコーティング層の蒸着層を増やしてきたとの記述からも、収差改善度合いが増しているとの期待値が上がります。またご覧のように「鮮やかなグリーン色の光彩」を放つことからも
当方がこのブログで何度か解説している「可視光の波長の中で、中間域のグリーン波長の透過を強化することで、より忠実な色再現性の追求が適う」点を指し、決して「森林を含めた植物類だけの発色性改善を狙った内容ではない (つまり風景撮影に限定して有利ではない)」ことを認識するべきです(汗)

↑上の写真は、今回の個体から取り出した光学系第1群前玉 (左端) 〜第6群後玉 (右端) までを順に並べ撮影しています。

当方は「プロにもなれず、マニアすらなれなかった整備者モドキのクソな転売屋/転売ヤー」との話で(笑)「公然と平気でウソを拡散し続けている」某有名処のコメント欄で誹謗中傷される始末なので、ちゃんと『証拠写真』を撮影して解説を進めないとイケナイらしいです(笑)

赤色文字で表記なのが光学系前群になり、ブルー色文字が絞りユニットを挟んで反対向きに
実装される光学系後群です。従ってグリーン色の矢印で指し示している「前玉の露出方向」も
光学系後群側は当然ながら反転します。

↑同様今度はヒックリ返してそれぞれの群の裏面側を撮影しました(笑) すると後群側の第4群
第5群が、光学設計上は「単独の光学硝子レンズ」なのに「一体モールド成形」なのが一目瞭然です(汗)

実はこの「第4群第5群」の中にカビ菌の繁殖があるので、本当はバラして清掃したかったのですが、残念ながら物理的に不可能です(涙)・・申し訳ございません!

すると確かにネット上で数多く語られている「ビオメター/クセノター型光学系構成」にさらに追加で「後玉たる第6群の2枚貼り合わせレンズを加えた光学設計」と受け取れますが、そうも見えるものの、実はここまでいろいろ調べ、前出の特許出願申請書の記述内容を「光学知識が皆無なのに読み漁った」ところ(笑)、どうも違うような気がしてきました。

冒頭解説のとおり「後玉が最も撮像素子面に接近した時が、最短撮影距離位置の描写」と言う特異な光学設計と鏡筒の駆動方式を採ってきたところに、そのような巷で受け取られている、ありふれた光学設計に違和感を覚えました (何しろ天邪鬼な性格なもので)(汗)

2枚貼り合わせレンズとしても、もしもその光学系第6群後玉に何かそのような特異で特殊な役目を担わせて光学設計してきたのだとすれば、単なる収差改善だけを狙って追加してきたのではないかも知れないとの考察になります(汗)

・・光学知識が皆無な者ほど、辻褄合わせでロマンを膨らませやすい愉しみがある!(笑)

↑上に挙げたのは「ビオメター/クセノター型光学系構成」との指摘に対し、それらをピック
アップしています (当方は基本的に現在のドイツ語発音を参考にする為、ビオメタール/クセノタールとのロシア語キリル文字圏ポルトガル語圏の発音/R強調発音を参照しません)。

左端から順に有名なAlbrecht Wilhelm Tronnier (アルブレヒト・ヴィルヘルム・トロニエ) 氏による特許出願申請書DE931501 (1950-01-27)に、2つめが、Schneider社在籍のGünter Klemt (グンター・クレット) 氏出願US2683395 (1951-04-23)同じく同氏によるDE1015620 (1952-03-20)です。

そして右端が少々遅れて出願されたCarl Zeiss JenaによるHarry Zollner (ヘリー・ゾイナー) 氏の特許出願申請書US2968221 (1959-03-17)です。

これらピックアップした特許出願申請書の記述を読んだ時、一番最初の左端 Tronnier博士の記述がもっともらしく当方には受け取られるのですが(汗)、光学系前群側を貼り合わせるのか単独にするのかで違うように見えます。

するとネット上での解説のとおり、「ビオメター/クセノター型光学系構成」は確かに「光学系前群にガウス型」絞りユニットを挟んで「後群側をトポゴン型」との捉え方が正しいように見えますが、Tronnier博士が前群を単独で設計してきた背景として「Ludwig Jakob Bertele (ルートヴィッヒ・ヤコブ・ベルテレ) 開発のエルノスター型構成前群」を基に改善を加えたのだとすれば「ビオメター/クセノター型光学系構成」は、標準レンズ域、或いは中望遠レンズ域を想定して前群側を発明した場合の発想のような気がしてきました (比較対象をエルノスター型と捉えた時)(汗)

つまりいずれも広角レンズ域のような広がった画角での使用を想定していないように受け取りました (何故なら標準レンズ域→中望遠レンズ域へと向かうにつれて、被写体側はどんどん拡大して画角が狭まっていくから)。だとすると「ガウス型」の要素を主体として光学系前群側に配置してくるとの思考よりも、当方の自分成り (光学知識ドシロウト) としては(笑)、むしろ別の光学設計が頭に思い浮かんだ次第です(笑)

そのように受け取った一因が今回のモデルの光学系構成で、第6群後玉の存在価値とその造りを考えると「そうだとすればそれ以外の構成は、まるでトポゴン型」にすら見えてしまいました(汗)・・このモデルの光学系構成図で、一番右端に位置する「構成7枚目の後玉をもしも仮に消してしまったら」と言う仮定での話です(汗)

そのシミュレーションとして、今回の現物を手にしながらデジタルノギスで実測してトレースした構成図 (右図) を今一度使い明示すると、 色付した光学系構成7枚目の後玉露出面側光学硝子レンズ抜きで考察した時、残りの前玉第6群までの 色付集合体が「まるでトポゴン型にしか見えない」と述べている次第です(汗)

この時、光学系第1群前玉は入射光の確保 (光量確保) に合わせて画角の拡大を狙い、一方光学系後群側の光学系構成6枚目が、まさにトポゴン型要素としての結像に向けた拡散を役目にしているように見えます(汗) そして最後の構成7枚めこそが今回のモデルだけに特異的に備わった発想で「入射光と結像面への結像に向けた屈折」として、このモデルの鏡筒直進動の変則的な特徴から、色収差補正まで含めた逆転の貼り合わせレンズへと至ったように捉えました(汗)

当方のこのようなアホな受け取り方に基づくと(笑)、この光学系後群側第6群の2枚貼り合わせレンズの存在こそが「引き金になり」逆算的に「鏡筒の直進動概念をひっくり返した」結果
そこから創り出された製品は「コンパクトな筐体サイズと、孤高の質感、そして集大成の描写性能」こそが最終ゴールだったように見えてきました(涙)

そのような疑念が湧き上がり(笑)、そこから「トポゴン型光学系構成」の記述を調べる作業が
再び始まりました(汗)

↑上のピックアップは、トポゴン型光学系の元祖「Hypergon (ハイペルゴン) 型光学系」で、ドイツはGoerz Carl Paul (グルツ・カール・ポール) 氏による特許出願申請書US706650 (1900-11-05)』が左になり、そこから発展していったCarl Zeiss FA在籍時の Robert Richter (ロバート・リヒター) 博士によるDE636167 (1933-07-27)』です (右)。

だとすると、トポゴン型は後に様々に枚数を増やし、然し前後群で対称を踏襲しながら発展していく流れを見ていくと、今回のモデルの特異な光学設計の中には「このトポゴン型の素養が大きいのではないか???」との疑念がフツフツと湧きました(笑)

↑上の図は、当方がそのような推測に至った「決定的な情報」になった記述で「光学器械を使う人のために (第3回物体をゆがめて写すレンズ) 吉田正太郎著」があります (左)。さらにその記述の中から実際に当時のCarl Zeiss FAに在籍していたRobert Richter (ロバート・リヒター) 博士による発案US2247068 (1938-07-18)をピックアップしました (右)。

←そのオドロキだった内容とは「左の抜粋部分」に衝撃を受けたワケ
です(笑)

第2次世界大戦中に旧ドイツ空軍で「画角130°の航空写真レンズ」を開発し実用化していた (航空機に実装していた) 事実を知り、衝撃を受けました(驚)

光学知識ドシロウト」の当方的に捉えるなら(笑)、中望遠レンズ〜望遠レンズで発明してきて偵察用レンズとして使うと決め込んでいた/思い込んでいたのですが「超広角レンズ」でそれをやってしまったと言う流れに衝撃を受けました(汗)・・確かに航空写真レンズとして被写体の画角が狭まるのは、その航空機の操縦者がメチャクチャ大変そうです(汗)

・・と言うことは、超広角レンズ域でも敵情偵察が適う、鋭いピント面が確保できる?!(驚)

バット見で確かに「トポゴン型光学系」主体であるものの・・いやその前に何かが居る!・・
みたいな(笑) この光学系構成図を見て一瞬で「ビオメター/クセノター型光学系構成」が音を
たてて崩れ去りました(笑) 基本成分たるトポゴン型の前に配置されている要素を反転させれば、それこそまるで今回の光学系構成に似て見えてくるから、ドシロウトは堪りません。
(要はトポゴン型の基本成分の前後に何かが居ても変ではないと、ホッと一安心)(笑)

はたして焦点距離35㎜で明るい開放f値F2.0を採ってきた時、その光学系の基本成分は「トポゴン型が主体」のようにも受け取れます(汗)・・そこから転じて今回のモデルの光学系構成を「トポゴン型からの変形型」と当てています。

・・ロマンは果てしなく、際限なく、何処までも(涙)

なお、過日に当方のこのブログにアップしているロシアンレンズ・・KMZ製ОРИОНー15 (ORION-15) 2.8cm/f6 П (silver)《ZORKI》(M39)』解説したとおり、その実装光学系のルーツを探れば、まさに戦前ドイツが1920年代の経済恐慌に苦しんでいた旧ソビエト連邦への経済技術協力協定条約の一環として、旧ソ連で1931年にようやく制定された「発明及び技術上の改良についての規則」発効により、初めて技術移転した光学設計の中の一つだったことも推測が適います。

皮肉なことに、ようやく一部の光学設計を技術移転したものの、1937年のポーランド侵攻に始まる「バルバロッサ作戦 (旧ソ連邦への侵攻)」によって頓挫し、僅か6年弱の経済協力に終わります (つまりせっかく技術供与を受けたトポゴン型光学系の有用性は、旧ソ連空軍での実証すら適わなかったことも透かして見えてきます)(汗)

逆に言えば、前出著作の記述からも「戦後にトポゴン型光学系を既に実証していたその有用性を目の当たりにした連合国軍」のオドロキすら、伝わってきそうな感じです(笑)

するとその掲載ページでも述べていますが「トポゴン型光学系の描写性能の素晴らしさ」に、今回も改めて驚嘆し、とても新鮮な思いに至りました(涙)

↑上の写真は当方によるオーバーホール/修理が終わって組み上がった個体を撮影しています。

距離環」が無限遠位置で「∞刻印と基準マーカー▲が合致」している時、黄金色に光る黄銅材の「距離計連動ヘリコイド」も最も突出している状態です。

ブルー色の矢印❶のように「距離環を回す」と、それに呼応してズズ〜ッと「鏡筒」が飛び出てきます (ブルー色の矢印❷)。合わせて同時にマウント面の「距離計連動ヘリコイド」もブルー色の矢印❸のように、一緒に同じ方向に直進動し格納していきます。

・・この時、後玉がグリーン色の矢印❹のように反対方向に向かうのです!(驚)

↑上の写真は、一つ前の状態から「距離環」を回して「基準マーカー▲に最短撮影距離90cmを合致させた」状況を赤色矢印で指し示しています。

マウント面に突出していた「距離計連動ヘリコイド」は「距離環の駆動量」たるブルー色の矢印で囲った長さ分を移動して格納しています。然しこの時、後玉だけはグリーン色の矢印❹のように反対方向へと飛び出しているものの「僅か1.61㎜の移動量」なので、これらを見ていても気づけないワケです(汗)

この点について、当初バラす前の実写確認時点で「∞刻印位置で合焦する実距離は5m」である点を確認済ですし、オーバーホール/修理工程でバラしてから組み立てている最中に「∞刻印位置で無限遠合焦しない」時、鏡筒だけを取り出して手で保持しているミラーレス一眼カメラのマウント部内部に「鏡筒を単独で落とし込んで沈めても、さらにピントが合わずホケ量が増えていく」現実を目の当たりにして、初めてこの後玉の直進動が違うことを察知しました(汗)

それは最終的に鏡筒をヘリコイドに組み入れて、ちゃんと「∞刻印位置」で無限遠合焦させていたにもかかわらず、距離環を回して最短撮影距離方向に繰り出すと「同じ方向に鏡筒も繰り出す」ものの、ピントは逆にどんどんボケていって最短撮影距離で突き当て停止しても「まるで何だか分からないほどにボケまくっている世界」なのを述べています(汗)

そこでマウント面の「L39ネジ部のフチからの後玉露出面の距離」をデジタルノギスを使い計測したところ「1.61㎜分の移動量」を計測した次第であり、それが上の写真グリーン色の矢印❹の動きを明示しています(汗)

距離環の動きに連動して距離計連動ヘリコイドも同じ分だけ移動する為、見た目で全く気づけない」ものの(涙)、リアルな現実で鏡筒だけで試しても「ピント面が合焦していく方向性は、
まるで反対だった
」のです!(驚)

・・このような光学設計ができてしまうことに、まさに驚愕でした!(汗)

どんだけ自身の「光学系の知識が皆無」なのを、思い知らされたことか(笑) ず〜ッと4時間以上、普通に鏡筒を移動させる為に十数回も組み直し続けていました (失笑するしかない)。
しかしそもそも物理的に「ダブルヘリコイド方式のネジ山の向きが違う為、進めば一方は必ず戻る」動き方になり、どうあがいても「前玉方向に繰り出すと、鏡筒は必ず反対方向のマウント側に飛び出る」動きしかしないのです(涙)

ちなみに「最短撮影距離90cm」刻印ですが、組み上がってからミニスタジオの撮影で実測すると「被写体と撮像素子面までの実測値87cm」であったことを明示しておきます。
(α7IIの撮像素子面位置を示す刻印位置と被写体ヘッドライトの電球との距離で実測)

 

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↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
とてもありがたい事に、今回扱ったHEXANON LENS 35mm/f2 (satin silver)《Limited Edition》(L39)』の実写と、同じ設定絞り値で「M-HEXANON 35mm/f2 (LM)を使い撮影してくれた実写がありました。

左端から「Limited Edition (L39)」に「M-HEXANON」の開放f値「f2.0」に続き、右側の2枚が「f2.8」です。

二段目
同様今度は左側2枚が設定絞り値「f4」での比較。そして右側2枚で「f8」です。

三段目
この段では、当方がいつも必ずチェックする「空気感」の印象について実写をピックアップしています。ライカ製オールドレンズのモデルに比べると「空気感を感じる空気層の厚みに違いを感じる」ような印象です(汗) ライカ製オールドレンズの「空気感」は、それこそ痛いくらいに現場の張り詰めた感じや緊迫感、或いは音や臭いまで漂ってきそうな「気配」を感じますが(汗)、KONICAの写りは「空気感を感じるものの、その厚みに迫るような圧迫感/迫力、ウッと一歩後ろに下がりたくなるような気迫は無く、むしろ安心して眺めていられる」冷静な写りを感じます(笑)

それをきっと別に指摘するなら「物足りない」とでも言うのかも知れませんが、当方のような小心者にはちょうど良い印象です(笑)

また陽だまりになると途端に「ウォーム感が伝わってくる」のが特徴的で、むしろ音や臭いよりも「気温」を感じるような「空気感」の印象とでも言いましょうか(笑)

四段目
ここでは広角レンズなのに「人物撮影」のポートレート性についてピックアップしています(汗) 最短撮影距離が90cmなので、そこそこ引いて撮影できる分、このような人物撮影も上手く
こなせるように思いますが、重要なのは「光の制御が凄く上手い」印象です(汗) 人肌感に
プラスして光のコントロールが自然にできてしまう、このような撮影がとてもステキです。

五段目
ここでは円形ボケのレベルを探るつもりで探しましたが、実写が期待したほど載っていません(汗) それでもクセがなく違和感にならないとても自然で緩やかに滲んでいくボケ味も好印象です。

六段目
最後は被写体の素材感や材質感を写し込む質感表現能力についてチェックしています。ピント面は相当鋭いハズなのですが、こうやって画全体に俯瞰すると、意外にも辛くなく安心して
眺められるのが、やはりこのモデルの大きな魅力のように受け取りました(汗)

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。完全解体してみればご覧のとおり、内部の構成パーツ点数が極端に少ないのが分かります。ハッキリ言ってこれだけ少なければ「まるで初心者向け」と高をくくって臨んだのが大きな間違いでした(笑)

↑イキナシ驚愕的な写真を載せてしまいます!(怖) 上の写真はバラしている途中での撮影ですが、内部から取り出した「直進キー」と言うパーツの状況です(汗)

ご覧のとおり「グニャッと曲がっている/傾いている」始末です(涙) これは過去メンテナンス時の整備者が「チカラを強く入れて基台を回したが為に、その方向に曲がってしまった」証拠ですが、自分で整備していて不始末で曲げたのなら「ちゃんと戻せョ!」と頭にきます(怒)

このまま変形させてしまったパーツを使い組み上げる「神経」が、そもそも人として信じられません!(驚)

もぅここまで来ると「ごまかしの整備」をアッと言う間に瞬速で通過して「その整備者本人の人格の問題」であり、ハッキリ言って良識欠如としか言いようがありません。

当初バラす前時点で「既に基台の基準▲マーカー位置が、∞刻印の先まで到達していた」その原因が・・これです(笑) いったいどこの整備会社なのでしょうか???(笑) これでよくも「プロの整備者」を名乗れるものだとかえって感心するくらいです(笑)

自分でヤッていて「恥ずかしい」と言う感覚が、麻痺している人間なのでしょうねぇ〜(笑)

↑結局何のことはなく、そういう過去メンテナンス時の整備者の不始末を、ただただひたすらに正しているだけの立場・・なのが当方だったりします(笑)

・・まぁ〜、身分相応と言ったところなのでしょう(笑)

製産時点の垂直な状態に戻しましたが、当方には「垂直度を検査する機械設備がない」ので、せいぜい何かに当てがって垂直性を確認するくらいしかできません(汗)・・結果、ヘリコイドオスメスの直進動が適正なのかを担保できません(涙)

・・申し訳ございません!(涙)

↑今度は前述「直進キー」が入って、スライドしながら直進動する側の立場である「直進キーガイド (溝)」を撮影しています。すると赤色矢印で指し示している箇所に「変形した直進キーの先端が強く当たっていた証拠ササクレ」が残っています(泣)

・・これを当方に削れって、か???!(涙)

↑さらに「マジッでここまで来るかぁ〜!」と驚愕のレベルに到達したのが、上の写真です(汗) 何と「光学系第1群前玉の締付固定環」がちゃんと最後まで硬締めされておらず「隙間が空いていてカタコト揺れている」状態です!(怖)

・・何かの拍子で前玉のフチが欠けたり割れてしまったらどうするのでしょうか???(怖)

この光学系前群格納筒を指で保持していて「何か聞こえてくる???」と気づき、振ってみると確かにカタコト音が聞こえるので、凝視すると初めてこの隙間を発見しました(笑)・・要は普段偉そうに言っている「観察と考察」ができていないのです(笑)

信じてもらえないので、試しにメモ紙を切って挟んでみました・・凡そ0.1㎜くらいの隙間
です(汗)

↑上の写真は既に完全解体が終わり、当方による『磨き研磨』工程も経て撮影した「光学系の前群格納筒」で、最深部に「光学系第3群の光学硝子レンズが一体モールド成形」されているのが分かります。蒸着コーティング層の光彩が確認でき「表面 (つまり前玉側方向) パープルアンバー」に対し、裏面側は「グリーン色の光彩」なのも視認できます。

赤色矢印で指し示している箇所 (両サイド) に丸穴が備わります。

↑同じ「光学系前群格納筒」ですが、ヒックリ返して裏側を撮影しています。すると赤色矢印で指し示しているように、この丸穴を過去面弟子の整備者は「カニ目穴」と受け取ったようで「ムリにカニメレンチを使い、回そうと試みて削りまくっている」のが分かります(笑)

しかしよ〜く凝視すると「この丸穴の角度が斜め状であり、カニ目レンチが入る配慮になっていない」のが一目瞭然です(笑)

・・然し過去メンテナンス時の整備者は、プロの威信をかけて執拗に攻めまくります!(笑)

↑もう一度同じ写真を転載していますが、この丸穴は「接着したレンズ銘板を剥がす際、工具を使いレンズ銘板を押し剥がす」為の丸穴なので・・斜めに切削されているのです(笑)

ちゃんと凝視してよ〜く観察すれば「何で斜めなんだ???」と気づかなければイケナイのに、な〜んにも考えずに「バラした時の逆手順で組み立てることしか考えない低俗な人間」だから、こう言う余計な所為をします(笑)

その結果、前玉締付環をネジ込んで締め付ける時に「最後まで締め付けたつもりになっていても、本当は隙間が残ったままだった」のに、それすら確認しません (締付環向けのネジ山が
カニ目レンチでチカラ任せに回そうとした為に影響を受けて変形している
)。

こういうちょっとした所為が、結果的に大きな因果となり「不始末/不具合/不良」へと突き
進みますが・・それを元に戻して「製産時点を目指し」ひたすらに直す/修復する作業を強いられるのは、当方と言う話です(笑)

信用/信頼が高い孤高の存在たる「プロの整備者」は高給取りですから、サクッと作業してオシマイでしょうが (1日に何本も仕上げていると言う実力/技術力の素晴らしさ)(笑)、当方のような年金貧困難民生活者は、ただただいつもの如く貧乏暇無しです(笑)

↑オーバーホール/修理の工程に入ります。絞りユニットや光学系前後群を格納する鏡筒です。

ご覧のように、筐体外装と全く同一のサテンシルバーたる「微細な凹凸を伴うブライト梨地
メッキ加工
」が施されていて、こだわりの造りです(涙)

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

絞り羽根開閉幅
絞り羽根が閉じていく時の開口部の大きさ/広さ/面積を指し、光学系後群側への入射光量を決定づけている

↑10枚の絞り羽根を組み付けて「開閉環」を被せ「締付環」をネジ込んで締め付け固定します。当初バラした直後は「この締付環は最後まで本締めされず、僅かに浮かしたまま両サイドを固着剤で固められていた」為に、バラす前時点の絞り環操作は「クリック感の時に、極僅かにガチャガチャした感触が指に伝わる印象」で、しっかりとクリックしている操作性には到達していませんでした(汗)

・・バラしてみればそんな状況です(笑)

今回のオーバーホール/修理で、当方は「躊躇なく締付環を最後まで本締めしてキッチリ固定」しつつ、当然ながら「固着剤」など一切注入しません (締付環のネジ山にも入れません)。

何故なら「締付環を最後まで強く締め込んでも、直下の開閉環は回転するスペースを確保しているから」です(笑)・・このような要素こそが、ただ単にバラしてその逆の組立手順だけで組み上げている「低俗な整備者」とは、まるで別次元ですね(笑)

そんな事柄は、一つ前の掲載写真をよ〜く凝視して「観察と考察」すれば一目瞭然なのに・・それをやろうとしません(笑)

どうしてこういう切削で設計してきたのか??? どうしてこのような面取加工に仕上げて
いるのか??? どうしてこの厚みで突出させているのか???

そういう細かい「観察と考察」によって初めて「設計者の意図が汲み取れる」のであって、極々僅かな0.5㎜にも満たない突出や溝すら、ちゃんとその意味や目的に狙いがあって、そのように切削されているのです(笑)

・・そんな事柄はいちいち説明せずとも当然な話であって、それすらできない整備者!(笑)

当方は、そういう整備者を指して「低俗な整備者」と、めいっぱい貶して貶めてグチャグチャに言います!(笑)

そのくせ最後には必ず「固着剤」を塗ったくって「あたかも自分が仕上げた締め付け位置は
動かさないでね〜
」と仕上げますが、まるでバカ丸出しで笑うのを通り越して呆れるしかありません(笑)

そうやって「固着剤」をネジというネジ全てに塗布したり (しかもネジ部には注入せず上から被せまくる)、締め付け部やパーツに塗ったくる所為は、その総てが「自己満足大会」でしか
ありません (何一つそれら行為に適切な効果を担保できていない)(笑)

もっと言うなら、ここまで数枚掲載してきた、鏡筒の切削状況とその形状に合わせて「メッキ加工の理由」すら、おそらく説明できないでしょう(笑) よくもそれで「金属相手に整備の
仕事をヤッている
」と言いたいです!(笑)

どうしてアルミ合金材切削で鏡筒を用意してきて、そこに「同じアルミ合金材で締付環を用意してきたのか???」そしてそれら互いのメッキ加工はどう違うのか???・・な〜んにも
考えず「ただ単にネジ山があるから締め付けただけ」最後はお決まりの「固着剤」を塗ったくり「慣例でずっとやってきたから」みたく、何処ぞの政党の如く30年以上もおカネに纏わる会を催してきて、未だその幹部が「若手のためには必要」などと「旧態依然の思考回路のまま凝り固まっている」からこそ、いつまで経ってもこの国の基本は改善できません(涙)

そんなにおカネを掻き集めなければ政治ができないなら、その前に先ずはYouTubeでもニコ動でも何でも良いので精一杯活用しまくって「お金をかけずに政策を議論していく」努力を、自らの襟を正して示したらどうなんだ???・・と言いたいです(笑)

・・と、話が反れまくりです(汗)

↑完成した鏡筒を立てて撮影しました。写真上方向が前玉側の露出面側方向を意味します。

すると赤色矢印で指し示しているように「焦げ茶色に微細な凹凸を伴う、マットな梨地メッキ加工された開閉環」の上にダイレクトに最後までキッチリ締め付け固定されている「締付環」まで含め「鏡筒の内外は全てピッカピカに光り輝くブライトなステンシルバー」と、それこそ「迷光大騒ぎ派」の人達/勢力には、堪ったものではありません(笑)

↑今度はヒックリ返して鏡筒の反対側「光学系後群の格納箇所」が見える向きで撮影しました。同様赤色矢印で指し示している箇所もピッカピカ (ここに光学系後群格納筒達が入る)(笑)

そもそも僅かに見えて写っていますが「位置決め環の裏側までピッカピカ」なのが、どうしてなのか??? そういう勢力の人達は全く理解していません(笑) もっと言うなら「位置決めキーの穴の半分が光って見えている (既に絞り羽根が刺さっているにもかかわらずです)」ことすら説明できないのでしょう(笑)

↑唯一、今回扱ったこのモデルで「不可解な設計???」だったのが上の写真です。絞り環をヒックリ返して撮影していますが、横方向から2つのネジ穴が備わり、そこに「皿頭ネジがネジ込まれる」設計です (どうして皿頭ネジなのかの理由も根拠もちゃんと在る)。

この穴の中に「鋼球ボールスプリング」が落とし込まれて、絞り環操作時にカチカチ小気味良いクリックを実現しますが、グリーン色の矢印のように「もう1箇所穴が用意されている」ものの、そこには何も入らず使っていないのです(汗)

通常、今も昔もオールドレンズの内部には必要ない切削や面取りにメッキ加工は施されません(汗)・・はたしてこの余分なネジ穴は、いったいなんの為に用意されたのか「???」です(汗)

これら2つのネジ穴の仕様をチェックすると「100%同一 (ネジ系のピッチまで同じ)」なので、下手するとグリーン色の矢印の場所に「鋼球ボールスプリング」が入るべき「別モデルとの共通絞り環だったのか???」との妄想すら湧き上がりますが(笑)、その確認のしようがありません(汗)

例えば別モデルの「UC-HEXANON 35mm/f2 (L39)」もありますが、同じ最小絞り値f16にしても、そもそも「絞り環の形状も切削もローレット (滑り止め) の平目模様も違う」点から考察すると、共通パーツ化する要素が残っていません (これらネジ穴は組み上がると外からは一切見えません)(汗)

↑絞り環を組み込んでから完成した鏡筒をヒックリ返して撮影していますが、グリーン色の矢印で指し示したとおり「冒頭解説の直進キーガイド (溝) のササクレ」は、仕方ないので当方の身の上に合う作業として、ゴシゴシ研磨して滑らかに仕上げました(笑)

↑「距離環」をネジ込んだところです。「距離環」には一意の場所に「黄銅材の距離計連動ヘリコイド」が締め付け固定されるものの、その固定位置は一切微調整できない設計です(汗)

そしてこの工程で決定的な「一般的な同じ直進式ヘリコイド駆動方式の概念から100%逸脱した設計」をグリーン色の矢印で明示しています(汗)

まさにこのグリーン色の矢印で指し示している箇所に備わる「水平方向の切り欠き/スリット/開口部」こそが「距離環と基台が互いにセットで前後方向に直進動している証」です(汗)

距離環を回した時、その「回転するチカラ」を「直進動に変換する役目」なのが「直進キー」なので、その原理から考えれば「回転と直進の原理から斜め状の切削が必要」であるものの
・・このモデルは水平方向の切削なのです(汗)

もちろん今までの13年間に仕上げてきた3,000本を超えるオールドレンズの中には、似たような設計のモデルも数多くあります。するとそれらと比較した時「このモデルの設計の真髄が見えてくる」ために、この工程で明示しています (プロの整備者なら分かる)(笑)

↑さらに「基台」をセットします。既に「直進キー」が締め付け固定されてガイドの溝に入っています。この時試しに「距離環」を回すとちゃんと「距離環だけが繰り出し/収納運動を行う」まるで普通の駆動方式です(汗) 当然ながら今回のモデルは「L39マウント規格」なので「距離計連動ヘリコイド」が介在する仕様の為「距離環」の回転に従い上下動します。

↑それなのに (まるで普通のL39駆動方式なのに)、上の赤色矢印で指し示している箇所に
備わる「3本の締付ネジとその溝」の意味合いが・・別次元へと誘うのです(怖)

普通に考えれば「距離計連動時の微調整機能」と受け取れますし、確かにその能力も併せ持つのですが、このモデルのこの機能は「基台距離環距離計連動ヘリコイド」の三つ巴で一発で微調整してしまう概念をもたらしました!(驚)

この概念を採用したことにより「当時のKONICAがどんだけ組立工程時のコスト/人件費が嵩むのを嫌っていたのか???」が、それこそ心にグサグサと何度も突き刺さるが如く浸み入りました(涙)

筐体サイズをこれだけコンパクトに収めつつも、一般的な今まで自分たちすらそれに縋ってきたハズなのに、スパッと捨て去って「全く次元が違う発想」を基に「掛けるコストを徹底的に一極集中させる狙い」だったのが判明し、まさにその先こそが「光学設計」だったのは言わずもがなです(涙)

結果、あまたの整備者達を泣かせる運命に到達しました(涙) この三つ巴で一発調整する概念を「理解しろ!」と言われても、たしかに今まさに目の前で「確かに三つ巴で動いている」のを直視してもなお「理解できない複雑怪奇な動き方」であるのを告知しておきます(怖)

三つ巴で動く原理は、何とか16時間くらい経った処でようやく把握しましたが (だから当方の技術スキルが低いと何度もこのブログで明言している)(笑)、如何せんそれでも個別の部位「距離環基台距離計連動ヘリコイド」の動き方で、どう微調整が実現していくのか、細かく把握できていません (自分のコトバとして解説できないでいる)(汗)

どうしてそれほど難解なのかと言えば、最大の要因は「互いにそのネジ山で回転していく方向性が逆なのに、この微調整で3つのどの部位に対して、どの方向性で何ミリ微調整するのかの把握は、講習を受けない限りできない」とまで言えそうです(笑)・・単に当方が高卒の分際なので、理解できない頭でしかない話ですが(笑)

当然ながら、その微調整を執る際、必ずグサッと刺さっている「直進キー」を取り外す必要があり、合わせて「ヘリコイドオスメス距離計連動ヘリコイドのネジ山鏡筒」との三つ巴でのネジ込み位置の変更が、都度憑き纏います(笑)

最初の頃は組み直し回数をカウントしていましたが(笑)、30回以上組み直したところで分からなくなりました(汗) ネジ込み位置も三つ巴で数が異なるので、それらの組み合わせの中から試していると、一瞬のスキでアッと言う間にネジ込んだネジ山の位置を見失ってしまい・・また最初からヤリ直しです(笑)

・・それを延々と続けていた為、組み直し回数は10回単位でただ増えていく始末です(笑)

この写真を撮影した時は、上手く3つのネジ込み位置が合致し、個別の微調整も終わり、後は光学系をセットして無限遠位置の確認まで進めるだけの状態に到達したのに、何と撮影した後に手で保持した瞬間「微調整した位置が数ミリズレた」が為に、この上からマウントを被せて締め付け固定する際、どの位置で固定して良いのか「???」になってしまい、またバラしてネジ込み位置と微調整との関係性を確認した次第です・・凡そ11回ほど、また組み直したと思います(笑)

・・まるでバカ丸出し状態の整備作業をヤッている始末で、本当に恥ずかしい!(恥)

当方にとり24時間闘い続けるとは、決して格好良くなく(笑)、とても惨めで悲惨で地獄でしかない時間としか・・言いようがありません(涙)

またこの次に同じモデルを整備するにも、結局同じレベルで大変な作業になるのは間違いなく
何しろこのモデル特異な「原理原則」を理解していないので、どうにもなりません(笑) 「観察と考察」に頼りたいものの、実は3つの部位が「透明パーツだったらきっと掴める」くらいの勢いで・・当方の低能な頭ではどうにもなりません(涙)

DOHヘッダー

ここからは完璧なオーバーホール/修理が完了したオールドレンズの写真になります。

↑まさかこのモデルに触れられるとは夢にも思っていませんでした(涙)・・ありがとう御座います!(涙)

筐体の外面も、造りも、その写りも、何もかもKONICAの本気に感じ入り、そして冒頭で述べたように「まさに自分のための記念品」としてその佇まいを魅せる・・素晴らしい製品です。

なおレンズ銘板に刻まれている製造番号は「3桁」であり、そこからも製造本数は「当初から1,000本のみ」だったのが分かります (000番999番までの千本)。

↑光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリすら皆無です。

上の写真の上部にも写っていますが、前玉の外周〜内側方向に向かって相当数の拭きキズなのか、ヘアラインキズが残っています。また一部光学系のコバ端は「反射防止黒色塗料」を剥がして再着色し、キッチリと円形のイメージサークルを取り戻しています (1㎜ほどガラス面に
/内側に飛び出し着色していたから
)。

また冒頭解説の「前玉のガタツキ/隙間」は完全解消し、当然ながら締付環で最後まで本締めしてしっかりと固定しています (当たり前の話ですが)(笑)

さらに今回のオーバーホール/修理ご依頼内容の一つでもあった「前玉裏面側外周に纏わり付く
盛大なカビ菌の繁殖
」は全ての菌糸除去が終わっており、そのカビ除去痕は極僅かのみを残すだけです(汗)

↑光学系後群側もスカッとクリアになり極薄いクモリが皆無です。しかし冒頭解説のとおり、残念ながら光学系第4群第5群の一体モールド成形の中に広がるカビ菌の繁殖は、解体できず清掃できていません(泣)・・申し訳ございません。

またご覧のように後玉露出面には少々目立つキズが数点残っています。

↑10枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。絞り羽根が閉じる際は「完璧に円形絞りを維持」したまま閉じていきます。

絞り環の操作性も改善し、特に各絞り値でのクリック感は大変小気味良い印象で操作頂けます。

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

もっと言うなら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類も一切利用しないので、金属材表層面に影響を及ぼしてしまう処置は何一つ講じていません(笑) 特にヘリコイドのネジ山などを研磨剤にて処置すると、塗布するヘリコイドグリースの成分/配合によってはそれらの浸透を促してしまうので、ザリザリ感やスレ感が数年で増大し製品寿命の短命化を促す結果に到達しますから要注意です(泣)・・当方独自のヌメヌメ感を感じるシットリしたトルク感は、それら「光沢剤/研磨剤/化学反応」の類を一切利用しない磨き研磨により実現している特異なトルク感であり、巷で流行る「分解整備済」とは全く異なる完全解体を前提とした製品寿命の延命化が最終目的です(笑)

もちろんそれらの根拠として「当時製産時点に使っていたであろう成分/配合の分類に可能な限り近い黄褐色系グリースだけを使う」事をその前提と据えており、今ドキ流行っているシリコーン系「白色系グリースの何♯ (番)」などを謳って整備するのは以ての外で(泣)、そのような整備は「製品の延命処置」からはまさに逆行した所為と指摘せざるを得ません(涙)

実際それらシリコーン系「白色系グリース」が塗布されている個体を数多く確認していますが
距離環を回した時のトルク感は「ツルツルした感触」しか感じず、合わせてピントのピーク/山の前後微動に於いて、意識せずとも微動してしまう使いづらささえその印象として残るので、はたしてそれで撮影に没頭できる操作環境を真に提供できているのかとの疑念さえも湧いて
きます(笑)

その意味でも整備で塗布するグリースの問題は、製産時点/設計概念に配慮した内容だけに留まらず、組み上げられたオールドレンズの使用感にまで気配りした概念がそこには介在し、結果的に「製品寿命の延命化」に到達できていれば、なおさらに最高ではないかとのポリシ~が
根底にあったりするのが当方が施すDOHそのものなのです(笑)

↑塗布したヘリコイドグリースは「黄褐色系グリース」を使い、軽いトルク感に仕上げていますが、個人的には「もう少しトルクを与えたいところ」であるものの、実は冒頭で明示した「変形した直進キーの修復」で、たしかに当てがって垂直に戻せているものの、内部で「直進キーガイド (溝)」との接触でも、そのささくれを研磨した関係から「製産時点の接触に戻せない (一度削れて摩耗した金属材は元に戻せません)」ことから、残念ながら「距離環のピント合わせ時に、左右方向で極僅かな遊びが現れている」状況です(汗)・・申し訳ございません!(涙)

・・ガイドの溝と直進キーとの接触度合いの問題なので、これ以上対処のしようがありません。

オーバーホール/修理ご依頼者様皆様に告知しているとおり、もしもお届けしたオールドレンズの仕上がり状況にご満足頂けない場合は、そのご納得頂けない要素に対して「ご納得頂ける分の金額をご請求金額より減額」下さいませ。
減額頂ける最大値/MAX額は「ご請求金額まで (つまり無償扱い)」とし、大変申し訳御座いませんが当方による弁償などは対応できません・・申し訳御座いません。

↑ピント面の鋭さ感が前玉がしっかり固定された分(笑)、だいぶ向上した印象が残りますが、無限遠位置もキッチリ当方所有K&F CONCEPT製L39→SONY Eマウントアダプタ」にて合致させてあるので、もしもお手持ちのマウントアダプタで不都合がありましたら、入手をご検討下さいませ (数千円で手に入ります)。

このモデルのピーク/山の前後動は、まだかまだかとゆっくりピークを迎えるものの「そのピーク/山の瞬間は非常に狭く薄い」ので、合わせて前述の左右方向での極僅かなガタつきが残っていることを勘案して「少々軽めのトルク感」に仕上げました。

この点もご納得頂けない場合は減額下さいませ・・申し訳ございません。

他付属品のフィルターも光学清掃を施し、純正被せ式前キャップ (内外金属面を磨き研磨しています) や金属製フードも洗浄が終わっています。

無限遠位置 (当初バラす前の位置から大幅に改善/ほぼピタリの状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

被写界深度から捉えた時のこのモデルの無限遠位置を計算すると「焦点距離35㎜開放F値f2.0被写体までの距離24m許容錯乱円径0.026㎜」とした時、その計算結果は「前方被写界深度12m後方被写界深度∞m被写界深度∞m」の為、20m辺りのピント面を確認しつつ、以降後方の∞の状況 (特に計算値想定被写体の30m付近) をチェックしながら微調整し仕上げています。

・・一言に無限遠位置と述べてもいったいどの距離で検査したのかが不明瞭ですね(笑)

↑当レンズによる最短撮影距離90cm付近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。また付属品のフード装着済での撮影です。

↑絞り環を回して設定絞り値「f2.8」で撮影しています。

各絞り値の確認用に使っているこのミニスタジオ撮影時に「空気感」まで感じる写りになるのは、正直言って当方の撮影スキルでは、13年間で数枚程度の話ですから、如何にこのモデルの光学性能が素晴らしいのか感じ入りました(汗)

↑さらに回してf値「f4」で撮りました。

↑f値は「f5.6」に上がっています。

↑f値「f8」での撮影ですが、ネット上の詳説されているとおり、このモデルには「焦点移動」が顕著に起きています。

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。

↑f値「f11」での撮影です。合わせて絞り羽根が閉じきっている状況なので「回折現象」の影響も現れ始めピント面の鋭さ感が急激に減衰しています(汗)

↑最小絞り値「f16」での撮影です。

これらの実写確認から、ネット上での解説のとおり、確かに「開放F5.6」までの撮影が最もこのモデルの魅力を発揮できると受け取れますが、その反面耐光性能も高いので、光源を含むシ~ンや逆光撮影時にも積極的に使いたいところです。

・・こんなに素晴らしいオールドレンズを触らせて頂き、本当に感謝しています(涙)

今回のオーバーホール/修理ご依頼、真にありがとう御座いました。明日クロネコヤマト宅急便にて厳重梱包し発送申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。