◎ Schneider-Kreuznach (シュナイダー・クロイツナッハ) Xenar 45mm/f2.8 ▽《前期型:Akarette版》(akr)

(以下掲載の写真はクリックすると拡大写真をご覧頂けます)
写真を閉じる際は、写真の外 (グレー部分) をクリックすれば閉じます
※解説とオーバーホール工程で掲載の写真はヤフオク! 出品商品とは異なる場合があります。

今回完璧なオーバーホールが終わって出品するモデルは、旧西ドイツは
Schneider-Kreuznach製標準レンズ・・・・、
Xenar 45mm/f2.8 《前期型:Akarette版》(akr)』です。


  ЯПОНІЯ З УКРАЇНОЮ!    Слава Україні!  Героям слава!  

上の文は「日本はウクライナと共に! ウクライナに栄光あれ! 英雄に栄光を!」の一文をウクライナ語で国旗色を配って表現した一文です。現地ウクライナでは民衆が「ウクライナに栄光あれ!」と自らの鼓舞を叫ぶとそれに応えて民衆が「英雄に栄光を!」と返すようです。

Slava UkrainieieGeroyam Slava

  ❋               

いつもお世話になっている方に助けて頂き、今週の入り用は何とか急場を
凌いだ感じです (本当にありがとう御座います!)(涙)

もう1人救世主が降臨されました! ご落札頂きました・・!
ありがとう御座います!(涙)

  ●               

しかしながらず〜ッと出品し続けているこちらのオールドレンズはなかなか
ご落札頂けず・・ちょっと悔しい感じです(泣)

従ってこの際もう手元にギフトカードがあるので、そのままキャンペーンを
続けます。
ヤフオク! 出品中の当レンズを「即決価格:59,500円」
ご落札頂いた場合、お届けする商品の中にギフトカードを同梱します。

「amazon商品券タイプ:5,000円」分のギフトカードを同梱しお届け
します (
このギフトカードはバリアブルギフトカードなので額面金額の表示
がありません
)。
amazoneでお買い物の際、そのお支払い時にギフトカード添付のシリアル
値を入力することで、額面代金をご使用頂けます (
お支払代金から額面の
金額分差し引かれます
)。

このモデルの難度は決して簡単なレベルではないので、値下げは不本意
ながらも背に腹は代えられない状況です。是非ともそろそろのご決断を
切にお願い申し上げます。

※ご落札後一番最初の取引ナビメッセージにて「ブログを見たのでギフト券
同梱」と必ずお伝え下さいませ。
※この企画/キャンペーンは今回の出品時にのみ適用します。3回目以降
再出品時にはこの企画/キャンペーンの適用はありません。
2023.04.11 (火) 21:40 ヤフオク! で1回目出品スタート (残2回再出品)。
※商品のご落札に際し全てはヤフオク! のオークションシステムに則り、
ヤフオク! 内にて取引を完了します (ヤフオク! 外での取引はありません)
※amazonギフトカードに関する詳細は「こちら」をご参照下さいませ。
※当方とamazonとは一切繋がりがありません。単に思い付きでamazon
を利用しているにすぎません。

  ❋               

今回オーバーホール済でヤフオク! 出品する個体は当方がオーバーホール作業を始めた11年前からの累計で捉えても「初めての扱い」になります。

つい先日、この当時のレンジファインダーカメラ「Akarette向け標準レンズと中望遠レンズのセット」をオーバーホール済でヤフオク! 出品し、すぐにご落札頂き (ありがとう御座います!) お届けしましたが、今までに何回もご落札頂くものの、いつものように素晴らしい仕上がりでありがたいとのご感想を頂戴しました。どんなに大変なオーバーホール工程を経ていたとしても「その一言だけで大変だった内容も全てフッ飛ぶ!」のが何よりです(涙) 結局、ご落札頂いた歓びも然ることながら、何よりもその個体をご活用頂けるのが一番の誉れであり、自分のオーバーホールの総てなのだと感じ入るところです(涙)・・本当にありがとう御座いました。

なお、当方は基本的に「極度のカメラ音痴」であり「光学知識も疎く」ここで述べている事柄
/内容はその多くに信憑性を伴わず、且つ当方自身の思い込みなども影響してネット上の様々なサイトとの比較には値しない事を事前に告知しておきます (それら比較元サイトのほうを正として捉えて下さいませ)。

従ってこのブログをご覧になりご不満や不快感を抱いた場合は平に附してお詫び申し上げますが、誹謗中傷メールを送信してくることだけはどうかご勘弁下さいませ。

ウソを拡散するような考えなど一切なく、合わせてヤフオク! での出品についても決して詐欺的商法など執る気持ちはなく、どのようなクレームにも必ず対応させて頂く所存です。

そしてこのブログも決してヤフオク! での出品商品を高く売らんが為に煽る目的で掲載しておらず、むしろ純粋にヤフオク! のようなオークションで単にご落札頂くよりも、さらに楽しくそのオールドレンズの素性を知る事ができる事を目指して、その目的にのみ限定してこのブログを添えている次第です (その他の他意は御座いません)。

今このブログをご覧頂いている皆様も、何かご指摘事項が御座いましたら以下までお知らせ下さいませ。

ご指摘事項は・・・・
   出品者のひとりごと・・・・pakira3kara@pakira3.sakura.ne.jp
までお知らせ下さいませ。

・・即座に改善/訂正致します。お手数おかけする事になり本当に申し訳御座いません。

  ●               

終戦直後の1946年に旧西ドイツ側のFriedrichshafen (フリードリッヒシャーフェン) 市で創業し、当時のフィルムカメラ用アクセサリー分野での開発/製造からその後すぐにライカ判フォーマット「24x36mm」フルサイズを見越したレンジファインダーカメラの開発/製産へと移行したカメラメーカーです (残念な事に1961年には倒産してしまいます)。

右写真は1951年時点での雑誌広告からの抜粋ですが、ちゃんと「Akarette II」他のモデルが列記されており、まさに全盛時代だったのが理解できますが、意外にも早く終焉を迎え1961年には倒産してしまいます。

後にakaretteは「AkArelle (アカレル)」とその名称を変更しますが、このコトバをドイツ語発音させると「アカ(ー)エレ」と聞こえるものの、社名ロゴでも強調されているのは「Aka」であるにもかかわらず、Google翻訳で発音させた時「akar」までが発音されるので「アカ (ー) エレ」と分解して発音してしまいます。

・・正しくは「アカレル」ですね(笑)

   

↑左から一番最初に発売された135mmフィルムを「24x32mm」フォーマットで設計したレンジファインダーカメラ「Akarette I」になり、終戦直後の1947に発売しています。

レンズ交換式マウント規格を採用し、且つフィルム巻き上げノブを回すと連動してコッキングするシャッター機構を装備しており『カメラ音痴』の当方が見ても十分に斬新的で意欲的な
レンジファインダーカメラに見えてしまいますが、実際ネット上のサイトの解説によると当時LeicaやCONTAXで実現されていた機能らしいので、その素晴らしさが伝わってきます (参考にしたのはこちらのサイトです)。

後にはライカと同じ「24x36mm」フォーマットに変更しているようです。2つのファインダー窓が備わり向かって左側が75mm用、右側が標準レンズ「50mm用」で、手前にあるツマミを回すことで片方が塞がれます。

また上の写真中央は次に発売された1949年登場の「Akarette 0」で前述の「Akarette I」の廉価版格付として登場したようです。ファインダーは同様向かって75mm用 (左) と50mm用 (右) であるものの、メクラ (塞ぐ) ツマミが消え「PRONTOR-S」の代わりに「Vario」或いは「Prontor」に入れ替えられているようです。

先日扱った「Akarette版Radionarシリーズ」はこのモデルのセット用レンズとして登場したようです (Radionar銘のオールドレンズ登場はそのタイミングが初登場ではなく時系列的にはもっと遡る)。

上の写真右端は1950年発売の「Akarette II」になり、メクラを内蔵したファインダ切替レバーが復活し (向かって左側75mmに右側50mm)、且つ「PRONTOR-SVS」のシャッター機構を装備しているようです。

↑せっかくなのでネット上の「Akalette I 初期型」に今回オーバーホール済でヤフオク! に出品する個体Xenar 45mm/f2.8 《前期型:Akarette版》(akr)』をコラージュしてみました
・・なかなか惚れ惚れします(笑)

左写真は海外オークションから引用した同型モデルですがXenar 45mm/f2.8 《後期型:Akarette版》(akr)』になり「僅か1年半後の1952年10月には絞り環の耳が消えてしまった!」と言うのが現実です(涙)

たまたま見つけたのが左写真なのでもっと早くに仕様/設計変更しているのかも知れませんが、何しろ個体数が少ないので調べられません。

そしてもっと言うなら「そもそも外観のカタチからして全く別モノ」なのが哀しいワケで、ありきたりな後の多くのモデルと筐体外装が統一されてしまいました (その意味ではXenonと同じカタチではあります)(涙) モデルバリエーション上の「前期型/後期型」に於ける外観上での相違点として、特に絞り環のツマミにそんだけ拘ってしまうのも・・、

・・ど〜でもいい話ですが「所有欲を充たす」とはこんなツマミにもこだわってしまう!(笑)

  ●               




↑上の写真はFlickriverで、このオールドレンズの特徴的な実写をピックアップしてみました。
ピックアップした理由は撮影者/投稿者の撮影スキルの高さをリスペクトしているからです
(クリックすると撮影者投稿ページが別ページで表示されます)
※各写真の著作権/肖像権がそれぞれの投稿者に帰属しています/上記掲載写真はその引用で
転載ではありません。

一段目
何しろこのモデル (Akarette版のXenar 45mm/f2.8 ) の実写があまりにも少ないので枚数が確保できず、少々他のレンジファインダーカメラ向けの写真が入ってしまいます(泣)

左端は唯一シャボン玉ボケの表現性を確認できる実写ですが「まさにこの繊細で細いエッジのシャボン玉ボケの表出」が光学系の素性の良さを物語っているのだと魅入ってしまいます(笑) 僅かに「玉ねぎボケ (中心に芯があるようなボケ方)」のキライが無きにしも非ずですが、それよりも真円でエッジ表現が誇張的にならない要素のほうが重要です。

2枚目の実写を見てもピント面のエッジが細いのでギラギラした印象を与えにくいのだと思います。また右側2枚の写真で被写体の素材感や材質感を写し込む質感表現能力の高さが頷けます。

特に一番右端の写真を見つけて「あ゙ッ! 大好きなXenon 50mm/f2 と同じ傾向だ」ともはや釘付け(笑) この写真を見つけた瞬間に扱うことを即座に決めていました(笑) ピント面やアウトフォーカス部のエッジ表現に違和感を感じず、且つその周囲まで含め (できれば画全体的な)「繊細感と優しさが同居している写り」にまるで弱いので(笑)、大好きなXenonも同じですがその傾向は当方にとり・・まるでツボです(涙)

例えば同じ「Xenon銘」でも後の時代に登場した (結構市場にゴロゴロしている) 黒色鏡胴とかゼブラ柄モデルの「Xenon 50mm/f1.9」になると、もはや靡かなくなってしまいます・・・
はい、写真センスも皆無なのに、滅法天の邪鬼な性格です(笑)

それでいてヤフオク! なんかを見ていても「プロの写真家」さんが自らバラして整備済で販売していますが「全部バラさなくてもいいと言う考え方」と仰っていたので、当方などは「そのバラしてないマウント部内部が一番問題じゃん!」と気になって仕方ありません(笑)

特に「M42マウント規格」になると、もしもヘリコイド (オスメス) に「白色系グリース」を塗ったくっているなら、早くて1年〜せいぜい数年で揮発油成分が広がり始めて「そのマウント部内部の酸化/腐食/錆びがさらに促される」のを知っているが為に「見ているこっちのほうがバラしたくなってウズウズしてくる」ほどです (その出品者は基本Schneider-Kreuznach製オールドレンズのマウント部内部はそのマンマだから)(笑)

話が反れましたが(笑)、この右端の写真たった1枚だけでもぉ〜自分の中・・的には説明が完結してしまい他に語るべき/自らに言い聞かせるべき事柄がありません(笑)

二段目
この段ではおそらく「Retina-Xenar 45mm/f2.8 (無し)」による写りだと思うので、今一つ唸ってしまいますがコントラストの出方にクセを感じます (基本的にXenon 50mm/f2 の描写傾向との認識ならコントラストに違和感を感じたことがないから)。左端は白壁面がスッカリしろ飛びしてしまっているのであまり語れませんが、他の3枚はフィルム印画紙の影響が大きいのでしょうか・・よく分かりません。

三段目
左側2枚は「Aletteモデル」での撮影なので、当然ながらフィルム印画紙での撮影ですがその発色性はよく特徴が出ているように感じます。パッと見でやはりナチュラル指向の (コントラストでコッテリ系ではなくて) 決してギラギラ感に集約しないピント面の鋭さ感がス〜ッと入ってくるような、そんな描写性です (写真センスも知識もないので何言ってるか分かってない)(笑)

四段目
もうネット上でチェックできる実写の総てを観賞してしまい枚数がありません(笑) 左端も「Akalelle」での撮影ですが、フィルム印画紙としてもよくダイナミックレンジを広めに耐え抜いていて、手前の芝生のライトグレー感がしっかり留められていて素晴らしいです (コントラスト成分に反応していれば白黒写真では黒潰れ方向に入ってしまう光量に見えるから)。光源を含む写真もフィルム印画紙なので何ともよく掴めませんが(笑)、最後の右端も含め光源/逆光耐性については相応に優れているのでしょうか・・そんな印象です。

右構成図は以前扱ったXenar 50mm/f2.8《Paxette版》(M39)」の時にオーバーホールで完全解体した際、光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての群の光学硝子レンズを計測したトレース図です。

焦点距離50mm」なので、当然ながら今回扱ったモデルと同じ構成図になるハズがありません。

本来初期の時代は「3群4枚テッサー型光学系構成にXenar銘を冠していなかった」ので、前述のPaxette版も決して古くありません。

今回扱った個体は「焦点距離45mm」なので、オーバーホールで完全解体した際に光学系の清掃時当方の手によりデジタルノギスを使い逐一全ての群の光学硝子レンズを計測したトレース図が右図です。

一つ前の「Paxette版」と同じで「最短撮影距離1m」ですがいろいろ光学系の細かい部分は全く別モノの印象です。

今回の個体の製造番号から「1951年5月の製産出荷分」と判明しますが「前期型」なので「絞り環の両サイドに耳/ツマミが附随する」タイプで市場での出現率は極端に少ないです(泣) 当然ながら「総真鍮 (黄銅) /ブラス製なのでズッシリとした重みを感じる」のがまた「所有欲を無性にくすぐる」ところです(笑)

よく当方と同じクソな転売屋/転売ヤーがオークションなどで「真鍮 (黄銅) /ブラス製でズッシリと重みを感じガラスの塊なのが分かります」などと意味不明な文言を謳っていることがありますが・・違いますね(笑) 例えば今回の個体は「重量115g」ですが、光学系第1群 (前玉) の外径サイズは「僅か⌀ 18.01mm」しかないので (後玉⌀13.61mm、光学系のサイズからして重みを感じ「」の認識に成り得ません(笑)

また今回完全解体してみると「内部構造や設計概念はまるでXenon 50mm/f2 そのモノ」だったので、もはやその写り具合をチェックせずとも同時期に設計されていたとなれば十分にそれだけで魅力的です(笑)

オーバーホールのため解体した後、組み立てていく工程写真を解説を交え掲載していきます。すべて解体したパーツの全景写真です。

↑ここからは解体したパーツを使って実際に組み立てていく工程に入ります。ご覧のとおり完全解体してもたったこれだけのパーツしかありません(笑) パッと見で「初心者向け」の如く語られそうですが、実際は飛んでもありません。

先ず「バラす時と組み立てる時の工程手順が違う」ことをちゃんと理解しているなら簡単かも知れません。さらに組み立て工程の中で「アッチを先に微調整してから次にコッチを調整して最後の最後の微調整はココッ!」と言う流れ (三つ巴の流れ) が見えていれば「簡単に組み上げられる」モデルです。

・・当方はさんざんXenonのほうで3日掛かりヤッタのでもぅ騙されません!(笑)

なおこのモデルは「総真鍮 (黄銅) /ブラス製」なので、構成パーツの中にアルミ合金材で造られているモノは一つも存在しません。

↑絞りユニットや光学系前後群を格納する「基台」です。光学系が小っちゃいのでご覧のように小径です。

絞り羽根には表裏に「キー」と言う金属製突起棒が打ち込まれており (オールドレンズの中にはキーではなく穴が空いている場合や羽根の場合もある) その「キー」に役目が備わっています (必ず2種類の役目がある)。製産時点でこの「キー」は垂直状態で打ち込まれています。

位置決めキー
位置決め環」に刺さり絞り羽根の格納位置 (軸として機能する位置) を決めている役目のキー

開閉キー
開閉環」に刺さり絞り環操作に連動して絞り羽根の角度を変化させる役目のキー

位置決め環
絞り羽根の格納位置を確定させる「位置決めキー」が刺さる環 (リング/輪っか)

開閉環
絞り羽根の開閉角度を制御するために絞り環操作と連動して同時に回転する環

↑小っちゃいのに、一丁前に10枚ある絞り羽根を組み付けて絞りユニットを組み込んだところですが、実はまだ絞り羽根が固定されておらず「このままひっくり返すとバラバラと絞り羽根が落ちてくる」状態です。

↑完成した鏡筒 (とは言っても前述のとおり絞りユニットがまだ固定されていない) を立てて撮影しました。写真上部が前玉側方向にあたります。すると「鏡筒の外廻りに2/3にネジ山が密集」しているのが分かります (特に後玉側方向に集中)。

すると赤色矢印で指し示した箇所に「ネジ山の途中に切り欠き/スリットが横方向に入っている」ので、金属加工に詳しい人が見れば一目瞭然ですが(笑)、ちゃんと意味があってこのように加工されて製産しています・・詰まるところここが一つ目のポイントです。

合わせてグリーンの矢印で指し示している箇所に、今度は縦方向にイモネジ用の下穴がやはり用意されています。これも金属加工に詳しい人なら「あぁ〜ん」とすぐに納得でしょう(笑)

結局この2つの要素のせいで「バラす時と組み立てる時とはその順番が全く違う」話に至り、その理由は「微調整が必要だから」になります。

・・この意味が分からず一番最初のXenonで酷い目に遭ったのが今は懐かしかったりして(笑)

↑鏡筒に「絞り環用のベース環」をネジ込みました (赤色矢印)。ここに鏡筒内部の「絞りユニットの開閉環と連携するキーが仕込まれる」ので、ブルーの矢印のように絞り環操作で絞り羽根が開閉動作する仕組み/原理です。

すると「どうしてこのベース環はこんなに平たい作りで用意したのか?」ベース環なので絞り環を組み付ける際にここに締付ネジで固定するのですが「別に平らな円盤状に用意する必要はない」のがフツ〜です(笑)

↑一方こちらはひっくり返して伏せて撮影していますが「光学系第2群をモールドした光学系前群格納筒」で、実は「レンズ銘板とフィルター枠まで備えているパーツ」です。逆に言うとレンズ銘板とフィルター枠を備えているのでご覧のように「ブライトクロームのハードメッキ加工」が施されています。

そこで赤色矢印で指し示した箇所が大変重要なのですが、過去メンテナンス時にこの箇所に「反射防止黒色塗料」を厚塗りされてしまい、今回の個体はバラす前の時点で「絞り環操作にグリース劣化を感じる」状況でしたが、バラしてみれば何の事はなく、そもそも着色などしない箇所に「反射防止黒色塗料」を塗りまくっていたので/しかも厚塗りでグリースのチカラを借りなければ全く動かない状態だったワケです(笑)

そもそも、もしも仮に製産時点に「反射防止黒色塗料」が着色されているなら焼付塗装なり何なりで溶剤で拭っただけで溶けたりしません (溶剤如きで溶解するレベルは光学系の蒸着コーティング層に対して悪影響を及ぼす懸念が残るとの話から)(笑) それは設計者が必要と認識していたので、敢えて「反射防止処理」を採ったワケで、その必要がない箇所に黒塗りするのは「たいがい整備者の自己満足」でしかなく、ひいて言うなら「販売時に光学系内が真っ黒で高く売れる」と言う気持ちがイコールで繋がっています(笑)

そしてその推察を確実にしてくれたのが以前取材した時にご教授頂いた工業用光学硝子製造会社でのお話で「迷光で騒いでいるのは一般の人の思い込みに過ぎない」且つ光学設計者なら当然ながらそんな事 (迷光の問題) は百も承知であり、その光学を設計した本人ではない第三者がどうのこうの騒ぐべき話題ではないとクギを刺されました (まさしくご尤も)(笑

迷光
光学系内で必要外の反射により適正な入射光に対して悪影響を及ぼす乱れた反射

このブログでも何回も解説していますが、取材時のご担当者様に「そこまで迷光を気にされるなら、ではどうして絞り羽根は漆黒の黒色で作らないのですか?」と逆質されて当方は固まってしまいました(笑) 仰るとおり今まで3千本以上のオールドレンズをバラしてきて「黒色の絞り羽根を見た記憶がない」のです。

そしてその時の話を補強してくれたのがたまたま発見したニュース記事で、産総研が発表した記事「光を99.98%以上吸収する至高の暗黒シート」と国立天文台研究チームによる「実測観測による検証結果」から (但しこの2つの相互関連性は不明)、まさに目から鱗の如く先の取材時内容が今さらながらに説得力を表したのです・・詰まるところ、そのような人工衛星レベルでしか「迷光問題は問題視されない」のが取材時のお話だったから (要は民生品レベルでは問題視されない) です。

・・従って当方の今回オーバーホールでは「赤色矢印箇所はDOHにて磨き研磨済」です(笑)

↑実際に一つ前の「光学系前群格納筒」・・レンズ銘板でありフィルター枠でもありますが・・をセットするとこんな感じです。

つまり「絞りユニット内の開閉環はこの前群格納筒により押さえられて固定される」ので「開閉環が経年劣化で酸化/腐食/錆びしていたらアウト」であり、しかも今回の個体は過去メンテナンス時に「反射防止黒色塗料」までこの格納筒裏側に着色されていたので「まるで余計な所為が施されていた」ために、その結果として「絞り羽根にプレッシングされているキーに赤サビが生じて弱ってしまった」状況でした。

何と面倒くさい話な事か・・(涙) 結局絞り羽根には表裏で1個ずつの合計2個がプレッシングされているので、全部で10枚の絞り羽根ですから「20個のキーをひたすらに磨きまくって赤サビを除去した」始末です(涙)

・・この作業だけで1時間半かかり、十分に恍惚化を愉しみ堪能させて頂きました!(怒)

絞り羽根にプレッシングされている金属棒 (キー) なので、少しでもそのプレッシング時の「穴が広がればキーが脱落して製品寿命」なのがチョ〜コワイのです!(怖)

よく市場流通品のオークションで「絞り羽根が閉じているのに開口部が彗星が飛んでいるように流れた形に/三角形状に閉じている」場合があります。これがまさに「キー脱落個体」の証で、実装絞り羽根の1枚〜複数枚のキーが脱落していて「軸となるキーが外れているので絞り羽根が正しく角度を変えずに閉じてくれない」から歪なカタチの開口になっているのです(涙)

・・だから絞り羽根が6枚実装なら正六角形に閉じるのが確認必須事項!(笑)

ハッキリ言って、その脱落したキーが内部に落ちていたとしても、一度プレッシングした穴が広がってしまった場合「もう二度とプレッシングできない」ので、それを修復するには2つの方法しかありません(泣) しかもそのキーの長さが長いモデルなら、軸の役目をする際に相応のチカラが絞り環操作時に加わるので、上手く改善/修復できても「1年後も大丈夫かどうかは???」と言う話です(涙)

・・従って製品寿命と見なすほうが諦めが着くような内容の話(怖)

なお上の写真で「絞り環用ベース環」がネジ込まれていますが (赤色矢印) その上の格納筒/レンズ銘板/フィルター枠部分との間に「隙間が空いている (グリーンの矢印)」のが2つ目のポイントです。

・・この隙間が適正でなければ光学系第2群の光路長もズレまくり!(怖)

なので、当然ながら絞りユニット内部の「開閉環の動きも重くなる」のでグリースのチカラに頼って/塗ったくって絞り環操作を軽く仕上げるのが常套手段です(笑) 当然ながらそんな事をしていれば「光学系第2群の光路長が極僅かにズレる」ので、その上に第1群たる「前玉」がセットされるとなれば、どんなに後玉だけを適切な位置で固定しても「ピント面は鋭くならない」のが自明の理ではありませんか???(笑)

・・こういう事柄に整備者は神経を擦り減らすのが本当に整備だと当方は思いますね(笑)

だからこそグリーンの矢印で指し示した「隙間」がとても重要なのであり、これが適切な空間なのか否かは「イコール光学系前群の格納位置として決まってしまう」内容なのです(笑)

・・もちろん当方はバラしている最中から理解できているので問題無し!(笑)

以前、某チャンネルで「分解するのは上手い」などと当方の事を指摘していたバカが居ますが(笑)、その一言で「自分で分解/組み立てをしたことがない人」なのがバレバレで、しかもオールドレンズの原理を全く理解していない人のコトバなのまで分かってしまいます(笑)

ならばどうして一度も扱った事がないオールドレンズをいきなり完全解体でバラして、しかも組み上げられるのでしょうか???(笑) その組み上がりの操作性が当初バラす前より相当に向上している/改善されているなら、どうしてサービスマニュアルも手元に無いくせに微調整して仕上げられるのですか??? そういうオールドレンズの「原理原則」を全く理解していないバカが当方を貶している一人です(笑) 全部で5人居て、その中の1人は具体的に誹謗中傷メールを送信してきていたので、現在保険適用し弁護士を通して裁判沙汰にしています (もちろん被害届を警察署に出しているのでIPアドレス含め裁判所を通じ開示請求させています/民事と刑事の2つで訴訟を起こし訴状送達済)・・と言ってもお金が返ってくるのは裁判が終わってからですが、残り半年〜1年でしょうか(笑)

以前取り掛かっていた裁判は今年に入ってすぐにお金が戻りました (勝訴)・・残り3人ですがそのうちの1人は来月に和解の話が進むそうです (弁護士より連絡が先週届きました)(笑) 他は某有名処サイトで当方を誹謗中傷している人が居ますが、その有名処サイトにまでご迷惑を掛けるので (事件の経緯からサイト運営者の情報開示請求まで進むから) 今のところ手を付けていません (当該サイトでの掲載の判断をするのはサイト運営者自身なので掲載の有無に対し開示請求拒否できない)。精神面での被害を被ったとちゃんと精神科医で診断書まで整えられていれば (当方には一応ありますが)、場合によっては刑事罰でも起訴できます。

結局、他人様のサイトに第三者に対する誹謗中傷メールやコメントを送信し、それが載ってしまった時点でそのサイト運営者 (自身) にも影響を及ぼすので、コメントが来たからと安易な気持ちで掲載し続けると別の罪で同時に訴追される懸念もあります。何しろ当方は法人格ではないにしてもちゃんと確定申告して個人事業者として生計を立てているので、その方面での影響として具体的な数値を以て換算することは可能ですから (実際弁護士からの指摘で書類を提出済)、それも有効活用するなら刑事罰でも起訴できるらしいです。精神面 (慰謝料) のみならず具体的な営業/収益に対する影響としての損害も合わせれば、民事/刑事両面で進むらしいですね(怖) よく名誉棄損とか言う話題が出ますが、その名誉棄損の尺度が問題なので、なかなか一筋縄では進みません(泣)

↑さらに今度はヘリコイド (オス側) の環/リング/輪っかをネジ込みました。同様にグリーンの矢印で指し示した「隙間」がまたできました。

詰まるところこの隙間の具合次第で「光学系の光路長も無限遠位置も共に狂ってしまう」のが、当方の技術スキルが低すぎて以前扱ったXenonの整備で「3日掛かりで作業していた為体ぶり」だったりするのです (笑って下さい)(笑)

↑アッと言う間にマウント部の組み込みまで来てしまいましたが、このモデルはその途中を撮影できません (何故なら微調整しているから)(笑)

既に「距離環」と「締付環」を入れ込んであります。このモデルは後からこれらの環/リング/輪っかをセットすることができません (そういう設計だから)。逆に言うならバラす時にそれを踏まえてバラさないとダメですね(笑)

既にマウント部をセットしてあるので、実はもぅ既に無限遠位置の微調整までちゃんと終わっています(笑)

ここでもブルーの矢印で指し示していますが、一つ前の工程でヘリコイド (オス側) と解説したモノが「距離環用のベース環」を兼ねているのです。するとこの「距離環用ベース環」がヘリコイドのオス側にあたるので「マウント部内部にメス側が居る」話になるのは当然な話です。

・・このような概念こそがこの当時のSchneider-Kreuznach製オールドレンズの設計の特徴。

ですが、なかなかすんなりとすぐに理解できる概念ではありません。そもそもこの後の時代になると (例えばM42マウントの自動絞りの時代に入ると) さらに複雑な設計にどんどん変わっていきますから、正直「自分で自分を痛めつけるのがもしかしてお好きかしら???」と言いたくなるほどに、やたら複雑です(笑)

しかもその傾向がSchneider-Kreuznachのみならず、A.Schacht Ulmや当然ながら子会社のISCO-GÖTTINGENにまで波及するので、それら旧西ドイツ側のオールドレンズ達をバラしている身の上とすれば面倒くさくて仕方ありません(笑)

さらにその多くの構造と構成パーツが左写真のような「イモネジ」の介在で微調整機能を有するので、全く以て整備者泣かせです(笑)

それにプラスして「マウント部内部で今度は棒ばねでクッションを与える手法」を好んで使っていたので、特に「M42マウント規格の自動絞り方式」となれば好きなだけその微調整機能に時間を費やせます(笑)

・・さすが「プロの写真家」はプロだけあってマウント部はバラさないから凄い!(驚)

ちゃんとその現場写真/証拠写真まで撮影して載せているから尊敬してしまいます・・!(驚) 当方は技術スキル低いので、ぜ〜んぶバラしまくって経年劣化の酸化/腐食/錆びを一つ残らず除去しなければ「ちゃんと組み上げられないレベル」ですから、このブログをご覧の皆様も是非とも買い被らぬようお願い申し上げます(笑)

↑いよいよクライマックスです(笑) 3つ目のポイントですが、このような環/リング/輪っかがマウント部内部にネジ込まれます。当時の他の光学メーカー含め/海外や日本国内含め・・あまり頻繁に出てこないパーツですが、その役目がちゃんとあって「このカタチを見ただけですぐに分かる」概念で作られています(笑)

まず赤色矢印の箇所は3方向に羽根状に突出するチカラを「敢えて与えている」構造です。一方グリーンの矢印の箇所には小さなカニ目穴が両サイドに備わります。

するとこの3方向に飛び出す羽根はいったい何の目的で備わるのか? 或いはカニ目穴はどうして一緒に存在するのか? 合わせてそもそもこのパーツの役目/意味/存在価値とは何なのか???

これらの三つ巴でちゃんと理解していて初めて適切な微調整が適い「素晴らしい仕上がりに至る」ので、この当時の「総真鍮 (黄銅) /ブラス製オールドレンズ達」は本当にオーバーホールしていて楽しいです!(涙)

↑総ての微調整機能を作業し終わり完成間近です。マウントアダプタをセットするとこんな感じでとてもコンパクトですね (マウントアダプタにオールドレンズ本体を乗せた後に締付環をネジ込んで締付固定します)(笑) 無限遠位置の確認作業をしたので既に距離環がセットされていますが、絞り環がまだセットできていません・・どうしてなのでしょうか?(笑)

この後は絞り環を組み込んで無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅の確認 (解説:無限遠位置確認・光軸確認・絞り羽根開閉幅確認についてで解説しています) をそれぞれ執り行えば完成です。

DOHヘッダー

ここからはオーバーホールが完了した出品商品の写真になります。

↑ヘタするとパッと見で「パンケーキレンズなのか?」と思ってしまうくらい筐体のほとんどが薄いオールドレンズです(笑)・・大変素晴らしい操作性で仕上がりました! 今回こだわって仕上げたのは「距離環を回すトルクを重くする」ことと「その逆に絞り環側はトルクを与えつつも軽い操作性に仕上げる」のが重要です。

↑光学系内は本当に「スカッとクリア」で・・これが1951年5月の製産個体なのか?!(驚)・・というレベルです(涙) 光学系内の透明度が非常に高い状態を維持した個体です。LED光照射でもコーティング層経年劣化に伴う極薄いクモリが皆無です。

光学系内の各群の光学硝子レンズには「気泡」が含まれるのでポチポチと視認できますが、その多くが微細でパッと見「微細な塵/」に受け取られてしまいます(泣)

気泡
光学硝子材精製時に、適正な高温度帯に一定時間到達し続け維持していたことを示す「」と捉えていたので、当時の光学メーカーは正常品として「気泡」を含む個体を出荷していました (写真に影響なし)。

↑上の写真 (3枚) は、光学系前群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

光学系前群を覗き込んだ時に (上の写真にも写り込んでますが) ポツポツと視認できる周囲の白点は「光学硝子レンズのコバ端浮き」なので改善できません。その理由は「真鍮 (黄銅) /ブラス製格納筒にモールドされているから」で、一旦取り出して剥がし再着色しなければ消えませんが、残念ながら真鍮 (黄銅) 製/ブラス製格納筒から光学系第2群を取り出す/再度格納するができません。

特に写真への影響を来さないので (人の目でその影響を確認できるレベルではない) 覗き込んで気にしない限りは放置プレイです(笑)

↑そもそもレンズ銘板に「赤色の▽刻印」があるので複層膜のコーティング層蒸着たるモノコーティングなのが歴然です。「パープルアンバーのコーティング層蒸着 (の光彩) を強調的に撮影」しました(笑)

↑光学系後群側も「これでもかとスカッとクリア」です。もちろん前群同様LED光照射で極薄いクモリが皆無です。

・・よくぞ1951年製なのにクモリが皆無ですョ!(涙)

後玉も真鍮 (黄銅) 製/ブラス製格納筒にモールド一体成形なので、過去メンテナンス時の「反射防止黒色塗料」により汚く滲むので除去してしまいました (迷光の因果関係で写真に影響しませんが気にされる方はご落札なさらぬよう!)(笑)

・・当方はそんな事よりもピント面の鋭さ (光路長) のほうが気になるので!(笑)

↑上の写真 (3枚) は、光学系後群のキズの状態を拡大撮影しています。すべて極微細な点キズを撮っていますが微細すぎて全部写りませんでした。

↑後群側も蒸着コーティング層の光彩を撮影するとこんな感じで「パープルアンバーのモノコーティング」なのが分かります。

【光学系の状態】(LED光照射で様々な角度から確認)
・コーティング劣化/カビ除去痕等極微細な点キズ
(経年のCO2溶解に拠るコーティング層点状腐食)
前群内:20点以上、目立つ点キズ:18点
後群内:20点以上、目立つ点キズ:20点以上
・コーティング層の経年劣化:前後群あり
・カビ除去痕:あり、カビ:なし
・ヘアラインキズ:あり(前後群内僅か)
(前後群内に極微細な薄い最大13mm長複数あり)
・バルサム切れ:なし (貼り合わせレンズあり)
・深く目立つ当てキズ/擦りキズ:なし
・光源透過の汚れ/クモリ (カビ除去痕除く):なし
・光学系内は透明度が非常に高いレベルです。
(LED光照射で確認しても極薄いクモリが皆無)
・その他:光学系内は微細な塵や埃が侵入しているように見えますが清掃しても除去できないCO2の溶解に拠る極微細な点キズやカビ除去痕、或いはコーティング層の経年劣化です。
・光学系内には大小の「気泡」が複数あり、一部は一見すると極微細な塵/埃に見えますが「気泡」です(当時気泡は正常品として出荷されていた為クレーム対象としません)。「気泡」も点キズにカウントしているので本当の点キズは僅かしかありません
・いずれも全て実写確認で写真への影響ありません。

↑10枚の絞り羽根もキレイになり絞り環共々確実に駆動しています。前述のとおり「距離環のトルクを重めに仕上げて絞り環側は軽くした」ものの絞り環は決してスカスカの操作感で知らん顔なのではなく(笑)、ちゃんとトルクを与えてあります。

・・要はちゃんと距離環 (ピント合わせ時) とのバランスを考慮しているとの意味です(笑)

ここからは鏡胴の写真になりますが、経年の使用感が僅かに感じられるものの当方にて筐体外装の「磨きいれ」を施したので大変落ち着いた美しい仕上がりになっています。「エイジング処理済」なのですぐに酸化/腐食/錆びが生じたりしません。

当方ではヤフオク! で流行っている「抗菌剤/除菌剤による清掃」などは絶対に実施しません。これをやると薬剤に含まれている成分の一部が金属の表層面に対して酸化/腐食/錆びを促す結果に至るので、早ければ1年、遅くとも数年でポツポツと錆が表れ始めます。

詳細は厚労省の「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」が詳しく解説しています。

↑上の写真のように、例えば4枚の写真のうち1枚目は「距離環」と「絞り環」の位置関係を赤色矢印で指し示して解説しています。しかし距離環側の「距離指標値刻印が距離環の裏側なのでよく見えない位置」なのを説明しているつもりです(笑) さらにグリーンの矢印で指し示した「絞り環用の基準 マーカー」であり、距離環の両サイドに刻印してあります。

これが一つのポイントで「が刻印してあるのは距離環のほう」なので、それょ基準にして絞り環が回ることを意味します。

つまりこのモデルは「全群回転式ヘリコイド駆動」なので、距離環を回すと絞り環側も一緒に回っていく為に「刻印絞り値が両サイドに用意してある=ツマミが両サイドに在る」と言う意味です。

2枚目の写真ではマウント部直前に位置する「締付環」はご覧のように「ただ入っているだけ」なので斜めになったりしますがフリーなのでそういう設計です。マウント部に締め付ける際にそのような遊びがある分、楽に締付固定が適うと言う考え方の設計です。

【操作系の状態】(所有マウントアダプタにて確認)
・ヘリコイドグリースは「粘性:中程度+軽め」を使い分けて塗布し距離環や絞り環の操作性は非常にシットリした滑らかな操作感で距離環を回す時のトルクの印象は「普通」人により「軽め」に感じ「全域に渡り完璧に均一」です。距離感を回していると時々僅かな抵抗/負荷を感じる事がありますが塗布したヘリコイドグリースの影響なので回しているうちに改善します。
距離環を回すとヘリコイドのネジ山が擦れる感触が指に伝わります(神経質な人には擦れ感強め)。
・このモデルは構造上/設計上、距離環を回した時に無限遠位置側ではカチンと音が聞こえて突き当て停止しますが、反対側の最短撮影距離側では僅かに詰まった印象でグッと抵抗/負荷/摩擦が架かり停止します。構造上の違いなので改善不可能です。

【外観の状態】(整備前後関わらず経年相応の中古)
・距離環や絞り環、鏡胴には経年使用に伴う擦れやキズ、剥がれ、凹みなどありますが、経年のワリにオールドレンズとしては「超美品」の当方判定になっています (一部当方で着色箇所がありますが使用しているうちに剥がれてきます)。
当方出品は附属品に対価を設定しておらず出品価格に計上していません(附属品を除外しても値引等対応できません)。

今回のオーバーホール済でのヤフオク! 出品に際しセットした附属品の一覧です。

《今回のヤフオク! 出品に際し附属するもの》
HAKUBA製MCレンズガード (新品)
本体『Xenar 45mm/f2.8 《前期型:Akarette版》(akr)』
akarette → L39 マウントアダプタ (海外オークション出品者自作品/新品)
汎用樹脂製ネジ込み式M39後キャップ (新品)
汎用樹脂製ネジ込み式M42前キャップ (輸送時保護用代用品/新品)

先ず一つ解説しておきますが、このモデルのフィルター枠は特殊径で「⌀ 31.5mm」だと思います (計測しただけでフィルターを入手してネジ込みなど試していません)。また残念ながら「⌀ 31.5mm径のフィルター」は現在市場流通していないようです。仕方ないのでHAKUBA製MCレンズガードの「⌀ 30.5mm」を代用品として手に入れ、それにテーピングしてネジ込みを合わせていますが「単なるテーピングなので何度もネジ込んでいると緩む」レベルです。

従ってフィルターは最後までネジ込みせずにテキト〜な位置でネジ込みをやめて下さいませ。現状お届けする際もそのようにネジ込んでありますから、届いて指で掴んで回すとまだまだネジ込めますが、実はテーピングがバカになって回っているだけなので全くネジ込まれません。

・・「あくまでも代用品のレベル」なのでご留意下さいませ。

但しもちろん新品購入したMCレンズガードなので目的は果たせています。

さらに附属の海外オークション出品者自作品たる「akarette → L39 マウントアダプタ」はアルミ合金材削り出しですが、何と聞くところによると80年前の旋盤機を使って作業しているとのこと!(驚) もぅそれだけで何だか「所有欲充満状態」ですが(笑)、ちゃんとネジ込めますし制度も必要にして十分です。唯一中央の「リリースキー」の位置が僅かに手前ですが、ほぼ真上に来るのでヨシとしています (ネジ込み式)。

なお附属品のMCレンズガードに被せられるキャップも存在しないので「代用品として輸送時保護用にM42ネジ込み式樹脂製キャップ」を使っています(笑) ちょうど「絞り環に両サイドに耳/ツマミがある」ので、その代用品たる「樹脂製ネジ込み式M42マウント用キャップ」のネジ山が途中で途切れている両サイドの2箇所にツマミが入るのを利用して/活用して被せ式前キャップとしています (こちらもご留意下さいませ)。

・・これら代用品はちゃんと輸送時保護用と謳っているのでクレーム対象としません。

↑オールドレンズ側マウント部にある切り欠き部分をマウントアダプタ内側にある「リリースキー」に乗せてから (グリーンの矢印)「締付環」で締め付け固定する方法です。

オリジナルのレンジファインダーカメラのマウント部でも同じですが「そもそもリリースキーとマウント部切り欠き部分はマチがあり僅かにガタガタする余裕が備わる」のが設計上の仕様です。当初乗せた時にガタつきがあっても「締付環をネジ込んでいくとガタつきは消えてシッカリ固定される」のがこのakaretteマウント規格の仕様です (スピゴット式マウント規格だから)。

従ってポイントになるのは「むしろ締付環で締め付ける時の操作性」なので、ネジ山にネジ込むタイプである以上「金属製締め付け環の金属材の種別が問題になる」ワケで、同じアルミ合金材だと少々ネジ山の噛み合わせが厄介です。合わせて「締付環の遊びの空間がどの程度あるのか?」も締め付け時に大きく影響を及ぼすので、マウント部直前にスペースがほとんど無い標準レンズなどの場合には (しかもアルミ合金材だと) けっこうネジ込むのが大変だったりします(泣)

・・その点締付環は真鍮 (黄銅) 製/ブラス製だし、ほぼフリー状態なので楽チン!(笑)

↑マウントアダプタの内側を写していますが (オールドレンズのマウントが乗る方向の側) リリースキーを赤色矢印で指し示しています。

↑こんな感じで附属の海外オークション出品者自作品たる「Akarette → L39 マウントアダプタ」は単なるネジ山を切った/切削しただけの製品ですが、しかしなかなか精度面からもよ〜く仕上げられている素晴らしい製品です。特に油など注さずとも噛んでしまうこともなさそうですが、ご心配な方はほんの1滴ほど注して下さいませ。

↑マウントアダプタの内側もちゃんと「反射防止黒色塗料」で着色してあります。

↑マウントアダプタに装着する際はこんな感じで「リリースキーと切り欠き部分を合わせて乗せるだけ」ですが「締付環」の遊びが充分にあるので締付する時も楽です。

↑マウントアダプタにネジ込んで装着した状態を撮影しています。距離環の縁には両サイドに前述の「絞り環用基準 マーカー」が刻印してあります (グリーンの矢印)。

するとよ〜く見ると基準「」マーカーが開放f値「f2.8」の少し先に位置しています。これは内部の絞り羽根がちゃんと顔を出し始めるのを「f2.8の時に合わせて微調整済」なので、基準「」マーカーが先に位置していても適切/正常なのです (そういう設計だから)。

↑ひっくり返して距離環の裏側を撮影しました。ご覧のように裏側に距離指標値が刻印してあるので、ほとんど見えませんね (赤色矢印)(笑)

↑最小絞り値「f16」に絞り環を回した時の基準「」マーカーとの関係性で (グリーンの矢印)、この時ちゃんと絞り羽根が適切な最小絞り値「f16」まで閉じているのを簡易検査具で確認済です。逆に言うなら、最小絞り値側を合わせてあるので開放側に遊びが残っている設計なのです (それでもちゃんとf2.8で絞り羽根が顔出しし始める/確認の為に覗き込めば一目瞭然)(笑)

・・こう言う細かい部分がシッカリ微調整されているのが実は所有欲を充たします!(笑)

↑距離環を回して「最短撮影距離1m」まで繰り出したところを撮影していますが、鏡胴側の基準「縦線|」マーカーに対して「距離環の刻印距離指標値1mがだいぶ離れている」のをグリーンの矢印で指し示しています。

実は当初の固定位置は「1mピタリ」でしたが、無限遠位置がズレていました。それで今回バラした際にいろいろ調べていくと「経年劣化要素たる酸化/腐食/錆びを各構成パーツで逐一除去していくとすんなり増えた」ので1mを割って「現実には91cmの最短撮影距離位置で停止するよう微調整してある/仕上げてある」のをご報告しておきます (各パーツの固定位置で見ていくと1mより手前での停止が正しい/つまり現状)。

・・仕様上は最短撮影距離:1mですがこの個体は91cmです。

事前に通告済みなので仕様と違うとのクレーム対象にしません。不満な方はご落札なさらぬようお願い申し上げます。

またこのモデルの設計では (一部のXenonも同じでしたが)「無限遠位置の時だけカツンと突き当て停止」しますが、反対側の「最短撮影距離位置」ではヘリコイドのネジ山が詰まった感じで「ググッと抵抗/負荷/摩擦を感じつつ停止」するのが設計上の仕様です。

逆に指摘するなら「その仕様からヘリコイド側のベース環まで平らなカタチをしていた/ヘリコイドの縁を詰まって停止させる目的の為に平らにしてある」との理由/根拠なので、憶測でモノを言っているのではなく(笑)、ちゃんと証拠と根拠が顕在しています。

もっと言うなら「カツンと突き当て停止しているパーツは1個しか存在しない」ので、ヘリコイドからみれば無限遠位置側なのか最短撮影距離側なのかのいずれかになります (このモデルの設計では無限遠位置側でその1個を使っている)。

・・内部構造は相手が金属なので必ずこのように根拠が顕在します。

決してウソを拡散させている話ではありませんね(笑)

↑今回の附属品で「輸送時の保護用としての代用品」にしているM42マウント用の樹脂製キャップです。ブルーの矢印の方向に回すと外れます (回して上に持ち上げると外せる) ほんの少しだけ噛ましてあるのであくまでも代用ですが、これはこれで使えるかも知れません(笑)

↑当方所有のマクロヘリコイド付マウントアダプタに装着したところを撮影しました。このマウントアダプタなどは今回の出品個体には附属していませんからご注意下さいませ。

《上の写真のマクロヘリコイド付マウントアダプタの構成》
L39 → LM 変換リング
LM → SONY E マクロヘリコイド付マウントアダプタ

装着するとグリーンの矢印で互いに指し示したように真上の位置が僅かにズレますが「コレで良し」としたので、承知の上でご落札下さいませ (この問題を理由にクレーム対処しません)。

無限遠位置 (当初バラす前の位置に合致/僅かなオーバーインフ状態)、光軸 (偏心含む) 確認や絞り羽根の開閉幅 (開口部/入射光量) と絞り環絞り値との整合性を簡易検査具で確認済です。

もちろん光学系の光路長調整もキッチリ行ったので (簡易検査具によるチェックなので0.1mm単位や10倍の精度ではありません)、以下実写のとおり大変鋭いピント面を確保できました。電子検査機械を使ったチェックを期待される方は、是非ともプロのカメラ店様や修理専門会社様が手掛けたオールドレンズを手に入れて下さい当方の技術スキルは低いのでご期待には応えられません

↑当レンズによる最短撮影距離1m附近での開放実写です。ピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に「球部分」にしかピントが合っていません (このミニカーはラジコンカーなのでヘッドライトが点灯します)。カメラボディ側オート・ホワイト・バランス設定はOFFです。

各絞り値での「被写界深度の変化」をご確認頂く為に、ワザと故意にピントはミニカーの手前側ヘッドライトの本当に電球部分に合わせています。決して「前ピン」で撮っているワケではありませんし、光学系光学硝子レンズの格納位置や向きを間違えたりしている結果の描写でもありません (そんな事は組み立て工程の中で当然ながら判明します/簡易検査具で確認もして います)。またフード未装着なので場合によってはフレア気味だったりします。

ヘリコイドの微調整機能を使い短縮化したので「実測では最短撮影距離91cm」です。

またこのモデルのピントのピークは「どちらかと言うとまだかまだか的な印象の合焦の仕方」ですが僅かにオーバーインフ状態です。残念ながらヘリコイドのネジ込み位置が決まっている為にオーバーインフ状態を解消する事は不可能です。

その原理一部を前述していますが、無限遠位置と最短撮影距離とで停止方法が異なるので、例え最短撮影距離側での停止位置を変更したところで無限遠位置側は「カツンと音が聞こえて突き当て停止する位置は一つだけで微調整機能が備わっていない」のが現実であり、そういう仕様の設計です(笑)

↑当方所有のマクロヘリコイド付マウントアダプタのローレット (滑り止め) を回してマクロ機能を働かせ「5mm分繰り出した状態での撮影」が上の写真で「最短撮影距離36cm」まで縮まり/被写体に近寄って撮影しています。確か当初バラす前の「最短撮影距離1m」の時は5mm分繰り出しても40cm未満にならなかったと思います。

↑さらに今度はマクロヘリコイド付マウントアダプタのローレット (滑り止め) 5mm分の繰り出しにプラスして「10mmの厚みのエクステンション」を介在させて撮影しています。被写体との実距離は「22cm」とさらに近づいています(笑)

↑さらにプラスして今度は「16mmのエクステンション」まで装着して「18cm」まで近接した時の写真です(笑)

エクステンションを装着していくと「被写界深度がカミソリのように薄い/狭い」ので、まるでマクロレンズ状態ですが、今回は被写界深度が狭すぎるので敢えてエクステンションでの各絞り値での撮影をしません。

結局、マクロヘリコイド付マウントアダプタでの5mm分の繰り出しにしても (或いはエクステンションの更なる追加装着でも) 被写体との距離が縮まり光量が増える分「ボケがトロトロに変化して被写界深度もどんどん薄く/狭くなる」ので、確かにマクロレンズ並の写り具合に変化しますが、それらは「あくまでも光学設計を逸脱した写り」なので、それを期待するならともかく「ピント合焦時のピークすら不明瞭」なトロトロボケがはたして撮影時に使い易いのかと問われると「???」との思いから、何でもかんでも最短撮影距離の短縮化が良いとは考えていません(笑)

・・あくまでも使い勝手とのバランスで描写性も捉えるほうがより楽しい!(笑)

↑絞り環を回して設定絞り値「f4」での撮影です。もぉ〜スッカリ当方の大好きな写り「あのXenonの写り!」と騒いでいます(笑)

↑この状態で当方所有のマクロヘリコイド付マウントアダプタのローレット (滑り止め) を5mm分最後まで繰り出すとこんな写りです。この時の被写体との実距離は「36cm」ですから、ヘタなマクロレンズ並に近接できていて、しかもちゃんとピントのピークの山も視認できるので使い易いままです!(笑)

↑さらに絞り環を回してf値「f5.6」での撮影です。

↑マクロヘリコイド付マウントアダプタを5mm分繰り出した撮影です。

↑f値は「f8」に上がりました。

↑この時の5mm分繰り出し撮影です。

↑f値は「f11」まで到達しています。もうだいぶ絞り羽根が閉じてきていますが、まだまだ「回折現象」の影響を感じません・・素晴らしい!(涙)

↑5mm分繰り出して「36cm近接撮影」です。

↑最小絞り値「f16」での撮影です。この絞り値でも「回折現象」を微塵も感じません!(驚)

 回折現象
入射光は波動 (波長) なので光が直進する時に障害物 (ここでは絞り羽根) に遮られるとその背後に回り込む現象を指します。例えば、音が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
入射光が絞りユニットを通過する際、絞り羽根の背後 (裏面) に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなる為に解像度やコントラスト低下が発生し、眠い画質に堕ちてしまいます。この現象は、絞り径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

被写界深度
被写体にピントを合わせた部分の前後 (奥行き/手前方向) でギリギリ合焦しているように見える範囲 (ピントが鋭く感じる範囲) を指し、レンズの焦点距離と被写体との実距離、及び設定絞り値との関係で変化する。設定絞り値が小さい (少ない) ほど被写界深度は浅い (狭い) 範囲になり、大きくなるほど被写界深度は深く (広く) なる。

焦点移動
光学硝子レンズの設計や硝子材に於ける収差、特に球面収差の影響によりピント面の合焦位置から絞り値の変動 (絞り値の増大) に従い位置がズレていく事を指す。

↑当然ながら前述のとおり光量が増えているので最小絞り値「f16」でもこの写りです。外で撮影する時は「バッグに一つマクロヘリコイド付マウントアダプタを偲ばせておく」だけで、幸せ度合いが別世界です!(笑)